124 (38) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
ナカ ジマ ヒデ ツグ中島秀嗣(昭和2
医学博士 乙第1116号平成2年9月21日
学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)
体外循環下全身温熱化学療法の病態生理とその治療成績 (主査)教授 新田 野郎 (副査)教授 小柳 仁,白坂 下潮論 文 内 容 の 要 旨
目的 癌に対する治療は近年急速に進歩してきているが, 進行癌の治療成績に関しては未だ著明な改善は見られ ない.この成績向上を期待し,当教室では進行癌患者 に対し全身温熱化学療法(extracorporeally systemic chemohyperthermia;ESH)を施行してきた.本研究 ではこれらの臨床例につきESH術中,術後の血行動 態,血液性状の変動および治療効果について検討を加 え本法の進行癌治療としての安全性ならびに有用性を 論じた. 対象および方法 昭和56年11月置り昭和62年12月までに東京女子医科大学第1外科においてESHを施行した134例の各種
臓器悪性腫瘍症例を対象にした.また,これらの症例 中,血行動態については任意10例を対象として術中動 脈圧,肺動脈圧,心拍出量,中心静脈圧をモニターし, 検討を行った.血液性状の変動については任意20例を 対象として術前術後の末梢血血球数,リンパ球動態, 血清蛋白,γ一グロブリン値の検討を行った. 成績および考察 1.血行動態:ESH時血行動態は,加温と共に末梢 血管の拡張が起こり血圧は低下傾向を示し,血管抵抗 の減少を代償する形で心拍数,心係数の上昇が認めら れた.これらは生理的変動内であると考えられた. 2.血液性状の変動:赤血球数,白血球数は術後7日 目には術前値に回復した.丁丁リンパ坪数は術後12時 間以内に一過性に減少し,その後B系リンパ球から回 復し術後7日目にはB系,T系共術前値に回復した. OKT4+およびOKT8+リンパ球は同様の変動を示した がOKT4+リンパ球が先行して回復し, OKT4+/ OKT8+は術後上昇傾向を示した.γ一グロブリン値は有 意の変動を示さなかった. 3.臨床効果:腫瘍縮小効果は37%に認め,癌性落痛 に対する鎮痛効果は80%に認めた. 結語 以上の成績よりESHの進行癌治療として安全性な らびに有用性は確立し得たと考える. 一734一125