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視
野 を広 げ
てAnother
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青年海外協力 隊に参 加 す る にあたっ て 工学院大学 平 山 大 (Dai
Hirayama
)簡単に略 歴 を 申し上げます と、 平 成
10
年 に 理 科 大 を 卒 業 し、 教 科 書会 社、 学校図書株式 会社に 入社 し、12
年の 夏に退社 する まで の 問、 同時に明 星大 学 通 信教 育部に て小 学 校教 諭免 許の 取 得に とりか か り、13
年 の春に それ を終 え ま した。 そ れに引 き続 き、13
年の 春か ら工 学院に て 数 学の 教 諭免許の 取得に と りかか り、 今 春 よ う やく終え た とこ ろで す。 数学 科を卒 業 しなが らこ の ような ま わ り くどい こ と をす るこ と は決 し て効 率が 良い とは云え ま せ ん が、 この 回 り道の お かげで、 い ろい ろな 方にも 出会 うこ とが で き、また、これか らお 話させ て い た だ き ま す 青 年 海 外 協 力 隊に も出会え た わ け であ ります。 出版 社 時 代、 私はいつ も次の よ うな こ とを考えて い ま した。 教科 書つ ま り、 検定 済み教 科 用 図書とはい わば、 学習 指導要領を 忠 実にそ し て 具 体的に 「表 現」 した もの で あ り、その 表 現の し方 も さるこ とな が ら、 表 現 され る母 体で ある学 習 指 導要領の 是非 こ そ がもっ と中心 に議 論 され るべ きだ 、 とい うこ とです。 しか し、 そ んな 一 個人の 考 え を どこ に ど う訴 えるか そ の 術さ え も 知 らずに月 日は過 ぎ、 教育行 政は坦々 と行わ れ て い くの で あ りま した。 それ な らば少 しで も直 接、 教育に携 わ りた い と教職に就く ための 準 備 を し て い る うち に、 この 青年海外 協 力 隊に出会 っ た の です。 国 内に限 らず、 教育の分野に限 らず、 視野 を広 げるこ とが 自分 自身の 成長 につ なが る と考え たの です。 教育は 文 化、 風習 と切 り離せ ない 関係に あ りま す。 そ れ ら を 一 度 、 客観的に見 直 す こ とは有 意義なこ とで す。 そ れ に は絶 好 の機 会だっ たの で す。 先 ず、 青年海外協力隊は ボラン テ ィ ア であ ります。 自発 的で な けれ ば全く 意 味を為しませ ん。 ボ ラ ン テ ィ ア とい え ば 「何か を して あげる」 とい うイ メ ー ジが あ りますが 、 そ れ で は 自身の 成 長は望めませ ん。 私は精 一 杯お手伝い させ て い た だ くこ とに よっ て 自分 自 身の 度 量 を大 き く して い きた い と思 っ て お ります。 その ような謙虚な姿勢 で なけ れば 充 実 した二 年 間は 過 ご せ ない か も しれませ ん。 で は、 選考か ら派遣まで を手短 に お 話 させて い ただ きます。 選 考は年 に春、 秋 の 二 回 あ りそ れぞ れ に要請の職種、 地域、 国がちがい ます。 職種は数百種 類あ り、 常に全て の 職 種 に要請が あ る わ けで は あ りませ ん。 一175一 N工 工一Eleotronlo LlbraryTokyo University of Science
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(しか し、 理数 科教師、 数 学教 師は割 りに要 請が多く、 毎回十 数 名の 要請が あ るよ うです。 )要請が あれ ば
募
集を し、 一 次筆記 試 験 (英 語、 専 門)があ り、 そ れの 合格 者 が二 次面接試 験 (個 人、 専門) を受 け、 それに合 格 した も の が候補生 となるわ けです。 その 後、80
日間の研修 (主に 語 学研 修 )を行 い 、 そ れ を 全 うした もの が隊員 と な る の です。 ですか らまだ 私は単 なる候補 生で隊員で はない の で す。 こ こ に至る まで の 個人 の 経 済 的な負 担 は ほ とん ど な く、 任地で の生 活 保障は もちろ ん、 帰 国後 も補助が受け られ、自 らの 意思 で ボ ラ ン テ ィ ア に参加 するに は絶 好 の 環境を政 府が整 備 し て い るとい え ます。教育 職につ い て は現職の 方ばか り で はな く、 教職に就く前に参加 しよ う と考えて い る方も多くい らっ し ゃ い ま す。 理 科 大
OB
,OG
が多く活躍 し て い らっ しゃ る こ とも私の支 え と な り ま した。 そ れで は私の 職 種 と派遣 先に つ い て 少 しお話 させ て い た だき ま す。 無事 に研 修 を 終 えれ ば数学教 師 と し て南 米の ボ リビア に派遣 され るこ と にな ります。 職 種 は筆 記 試 験の 時に 問題 を 見て決め る こ とが可 能です。 派遣先は 募集 の 要 請 要項を見て希望 を 出 しま す。 教育職 に は 、 直接、 児 童 生 徒に対 し て授業をする仕事と、 任 地の 教員お よび 指 導 主 事 の 方々 に支援 する仕事 と、 その 両方 を行 う仕 事が あ り ます。 私 は仕 事の 内 容 を 見て 派遣 先の 希 望 を出 しま したが、 単に国、 地 域から絞 り込んで 派遣 先の 希 望 を 出す こ と も で きます。 私 の 派 遣予定の学 校で は数 学の 担 当の先生 方 と一 緒に指導法 や 教 材の 開 発 に あた るこ と に なっ て お り、 当然 私 よりず っ と経 験の 豊 富な先 生 方 も た く さん い らっ し ゃ い ます。 そ の なか で 、 謙 虚 なが らも精 一 杯 力 添え を して い くために は 豊か な 人 間 性 も 必要 とな ります。 結 局 こ の こ とが 、 単 に数 学の 指 導技術の 向上のみ な らず、 人 間 的 な成長 につ な が る と考え られ ます。 さ らに、い ま だ ほ とん ど知識の ない ス ペ イ ン 語 で の コ ミュ ニ ケー シ ョ ン を助ける た めの 、 言葉以外に よる コ ミュ ニ ケー シ ョ ン は帰国後の 人間 関係 の 形 成に大 き く役立つ はずで す。 数学は実 学的で は ない と批 判 され がちですが、 数学はい わ ば精 神の筋 肉 み たい な もの で 、 数 学を学ぶ こ とによ っ て全て に応 用で きる、 考え る た めの 基 礎が養 える と思 っ て お ります。 した が っ て 学べ ば学ぶ ほ ど、 経験すれ ばす るほ ど、 人は寛容に なれる と信 じて い ます。 これは普遍 的なもの だ と信 じ て 有意義な二 年 間を過 ご し、 帰国後、任 地で 得た もの をい ろ ん な方に還元 で きるの を楽 しみに し て お ります。会員の 方 々 との 情報 交換を楽 しみ に してお ります。 一176一 N工 工一Eleotronlo Llbrary
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平成
13
年度 一 次筆 記試 験問題 平成 13年度 秋699
数
学
教
師
間 1 次の 計算を しな さい 。 (1) (15 − 2 ÷0.125)× (− 1):1(2)
(2x3
y
− 3x2it2
)× (− 3xYT)22x
− 3 3x − 2 (3) − xL 3 x十 2 ×2− 4 3C2 × 6P2 (4)216
(5) 12 十22
十 32 十… …十 n2 (n は 正 の 整数 ) 問2 次の間 に答え な さい。 (1)つ る とか めと合わ せ て42ひきい ま す。 その 足の 数の和は、 110本 に な りま す。 つ る とか め は そ れ ぞれ 何び きずつ ですか。その 数を求めなさい。 (2) 4%の食 塩 水170g に、 7%の食塩水 と8 %の食 塩 水 とを加 えて 、 6 %の食 塩水 を420 g 作 り たい。そ れ ぞ れ何 g ずつ 加 え れ ば よい か、 求めな さい。 (3) 次の 2 次方 程 式 を解き な さい。f
− 31xl − 18・・ O (4) n が 自然数の とき、 3n2 − 10n +12 の最小値 とその と きの n の 値を求めな さい。 (5)△ABC で 、 3 辺 が a = 13、 b = 14, c = 15の とき 、 その 面積 S を求めな さい。 問3 任 地の 数 学科教員の再教育をする にあたっ て、 教 員の 資 質 を向上 させ る た め に は 、 どの よ うなこ と が大切 と考え る か、 その考えを述べ な さい 。 (400 宇程度) 問4 「数 学 的思考とは何か」にっ い て 、 あ な たの 考 えを述べ な さい 。 (400宇程 度 ) 一 次ペ ージへ 続く 一177
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平成 13年 度 秋 間5