• 検索結果がありません。

カントリー・オブ・オリジン・エフェクト研究の現状と課題に関する一考察 利用統計を見る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "カントリー・オブ・オリジン・エフェクト研究の現状と課題に関する一考察 利用統計を見る"

Copied!
17
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

状と課題に関する一考察

著者

李 キョンテ

雑誌名

経営論集

71

ページ

55-70

発行年

2008-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00004587/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止

http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

カントリー・オブ・オリジン・エフェクト研究の

現状と課題に関する一考察

李 炅 泰

1.はじめに 2.CO 情報が消費者の製品評価に及ぼす影響 3.CO 情報が市場成果に及ぼす影響 4.CO 効果の規定要因 5.ディスカッション

1.はじめに

本研究の目的は、カントリー・オブ・オリジン・エフェクト(Country-of-Origin Effects;以後、CO

効果と記す)に関する既存研究のレビューを通じて当該研究領域の現状と課題を明らかにし、今後

の研究に指針を提示することである。

CO 効果は、製品のカントリー・オブ・オリジン情報(以後、CO 情報と略す)が顧客の購買意思

決定に与える正負の有意な影響と定義できる。同効果については、1960年代後半から研究が始まり、

以後国際マーケティング論を中心に活発な議論が展開された。そして、多数の実証研究が

CO 効果

の有意性を確かめている。さらに、消費者行動論など、関連領域の発展や成果と歩調を合わせなが

ら、CO 効果研究も発展を遂げてきた。近年に至っては、経営・生産活動のグローバル化を背景に、

当該分野は外延的拡張と深化を遂げ続けている。

かかる状況をうけて、本稿では既存研究をレビューし、当該分野の現状と課題を考察する。レ

ビューにあたっては、「影響の主体と客体」という独自の視点をもって、多様なアプローチから議

論されてきた既存研究を類型化し考察を行う。そして、既存研究に残された課題を明らかにし今後

の研究に向けた指針を提示する。

本稿が類型化の基準とする「影響の主体と客体」とは、CO 効果をめぐって影響し合う主体と客

体(即ち、影響を与える主体と影響を受ける客体)をいう。既存研究の多くは

CO 情報の働きを経

験的・実証的な実験によって究明しているため、この基準は合理的で有用な切り口になると思われ

る。

この分類軸をもって、以下では次のようにレビューを進める。次章の2章では、CO 情報(主

体)が消費者の製品評価(客体)に及ぼす影響について考察する。3章では、CO 情報(主体)が

(3)

製品の市場成果(客体)に及ぼす影響を考察する。4章では、CO 効果の発生と程度(客体)に及

ぼす要因を製品・製造国・消費者(主体)の3つの観点から整理する。最後の5章では、本稿をま

とめると共に、今後の研究に向けた指針を提示する。

2.CO 情報が消費者の製品評価に及ぼす影響

CO 情報が消費者の製品評価に及ぼす影響は、当該分野の中心的な研究テーマであり、現に豊富

な実績が蓄積されている。この類型の研究には、1970年代までの「初期研究」をはじめ、初期研究

の限界を補完する形で展開された「情報手がかりを複数化したうえで

CO 効果を検証した研究」、

消費者内面の心理的な領域へと深化された「CO 情報処理メカニズムを明らかにした研究」が含ま

れる。

(1) 初期研究

消費者の製品評価における国家イメージの影響を実証した先駆的な研究は、Schooler(1965)の

“Product Bias in the Central American Common Market”である。この研究では、200名のグアテマラ学

生に4ヶ国(グアテマラ、メキシコ、エル=サルバドル、コスタリカ)のジュースと織物製品に対

するイメージ調査を行い、生産国によって消費者評価が異なることを実証した。それ以降、製品国

籍情報の働きに関する関心が高まり、CO 効果に関する研究が本格化した。研究を先導したのはア

メリカで、外国製品に対する消費者の認識と反応を実証的な手法で探ろうとした。その結果、特定

の国に対する消費者のステレオタイプ化した国家イメージが、製品評価の際に連想を起こし、外国

製品の購買意思決定に影響を与えることがわかった。このような

CO 効果は、特定の製品に限らず、

製品一般(Dornoff et al.1974; Gaedeke1973; Krishnakumar1974; Nagashima1970, 1977; Wang1978)、製

品クラス(Dornoff et al.1974; Gaedeke1973; Krishnakumar1974; Nagashima1970, 1977)、特定タイプの

製品(Gaedeke1973; Krishnakumar1974)、特定ブランド(Gaedeke1973; Yaprak1978)と、製品の多

層的なレベルを通して現れることが確認された。また、消費者の

CO イメージと製品評価は、CO

が 同 じ で あ っ て も 、 製 品 カ テ ゴ リ に よ っ て 異 な る こ と が わ か っ た (

Etzel and Walker1974;

Gaedeke1973; Nagashima1970, 1977)。さらに、CO 効果は、消費財の最終消費者のみならず、産業

財の購買担当者の製品評価においても確認された(White and Cundiff1978)。

ところが、一連の初期研究については幾つの問題点が指摘され、それを補完・追究しつつ、CO

効果研究はさらなる発展を遂げていった。主な問題点は、単一手がかりの設定によって疑問視され

(4)

(2) 情報手がかりの複数化と

CO 効果

多くの初期研究は、実験にあたって被験者に

CO 情報のみを与え、製品評価を行わせていた。こ

のような実験上の操作は、用い得る評価手がかりを限定させるため、CO 効果を過大評価し得たと

いう批判を受けた(e. g., Bilkey and Nes1982; Han and Terpstra1988; Hong and Wyer1989)。それは、

複数の情報手がかりを統合的に考慮したうえで意思決定を下す、一般的な購買行動とかけ離れたも

のでもあった。そこで、以後の研究では、被験者に複数の情報手がかりを提供し、より現実味を帯

びた実証分析を遂行するようになった。なお、情報手がかりの複数化は、ブランド・ネーム、スト

ア・イメージ、保証条件など外的手がかり

(1)

を中心に行われた。特に

CO とブランド名(主に企業

ブランド)に複数化したものが多く(e.g., Amine and Shin2002; Han and Terpstra1988; Ha

・・

ubl1996;

Kim and Park1993; Nebenzahl and Jaffe1996; Niss1996; Tag and Kim1999)、CO とブランドと価格を設

定したもの(Li et al.1994)、CO とブランドと製品経験を設定したもの(Tse and Gorn1993; Tse and

Lee1993)、CO とストア・イメージと保証を設定したもの(Thorelli et al.1989)などもあった。これ

らの研究では情報手がかり間の影響力の違いも論じられた。例えば、Amine and Shin(2002)、Han

and Terpstra(1988)、Kim and Park(1993)、Tse and Gorn(1993)などでは、消費者の製品評価に CO が

ブランドより強い影響を与えると分析した。それに対し、Tag and Kim(1999)では、ブランドが CO

より強い影響を与えると分析している。一方、Li et al.(1994)では CO より価格を、Thorelli et

al.(1989)では CO よりストア・イメージと保証をそれぞれ重要な影響変数として分析している。ま

た、Niss(1996)は、導入期には CO が、それ以降はブランドが重要であるとしている。このように、

CO 情報の相対的な影響力については見解が分かれている。しかし、CO 効果の有意性については

あまり異論がなく、複数手がかりの下でも、CO は製品評価に有意な影響を及ぼすことが実証され

た。

(3) CO 情報処理メカニズム

一連の研究成果から

CO 効果の有意性が広く認識されるなか、消費者の反応を表面的に捉えるだ

けの分析アプローチに反省の動きが現れた。この動きは、消費者行動理論の発展に影響を受けたも

ので、その枠組みを用い、消費者内面の

CO 情報処理メカニズムを究明しようとした。そこには幾

つかのアプローチがみられるが、主なものとして、CO が製品評価のどの段階(信念か態度かな

ど)で働くかを追究したものと、CO 情報がどの次元(認知的か感情的か複合的かなど)で処理さ

れるかを追究したものがある。

前者として、Erickson et al.(1984)は、CO をハロー(halo)、即ち、消費者の属性評価には直接的

に影響するものの、態度には直接的に影響を与えない情報として規定した。これに対して、

(5)

Han(1989)は、消費者が製品に親しくない場合 CO はハローとして働くものの、親しい場合には要

約構成概念(summary construct)となって態度に直接的な影響を及ぼすとした。さらに、Hong and

Wyer(1989)は、CO 情報が製品への興味を抱かせ、順次に消費者関心をより拡張的に引き起こし、

全般的な購買可能性にも影響を及ぼし得るとする。

後者として、Obermiller and Spangenberg(1989)は、CO 情報に対する消費者の処理メカニズム

を、認知的(cognitive)、情緒的(affective)、規範的(normative)の3つに区分している。認知的

処理は、CO 情報を客観的な品質判断の手がかりとして利用することである。情緒的処理は、CO

情報を象徴的・感情的便益の判断基準として利用することである。規範的処理は、自国製品の愛用

や対立国製品の不買など、CO 情報を製造国と関連した社会的・個人的基準を以って判断すること

である。このような分類に対して、Verlegh and Steenkamp(1999, p.524)は、分別がやや不明瞭で

実際の意思決定では交互作用を起こすなど、議論の余地を抱えてはいるものの、CO 効果を理解す

るうえでは最も適切な枠組みであると評価している。一方、Li et al.(1994)は、CO が認知的評価

プロセスである信号的役割(signalling role)と、情緒的評価プロセスである属性的役割(attribute

role)の両方にかかわるとしている。

別の問題意識から、Liu and Johnson(2005)は CO 効果の自動発生メカニズムを論じている。彼

らは、消費者が一旦

CO 情報に露出されると、消費者が CO 情報を意識(あるいは重視)するか否

かに関係なく、製品およびブランドの評価には

CO 効果が自動的に発生するという。

総じて、CO 情報処理のメカニズムに関しては、理論的な統合には至らず、さまざまな認識が並

存している。既存の研究成果を統合する理論的枠組みの構築が求められているといえよう。

3.

CO 情報が市場成果に及ぼす影響

CO 効果と当該 CO 情報を冠した製品の市場成果との直接的な関係を論じた研究は非常に少ない。

先述の通り、既存研究の中心テーマは

CO 情報が消費者の製品評価に及ぼす影響を究明することで

あり、CO 情報と実際の企業業績との関連性にまで踏み込んで実証分析を遂行した研究はあまり見

当たらない。それは、市場成果をもたらす要因の多様さに起因するであろう。CO 情報は製品に付

される1つの外的要素に過ぎないため、CO 効果と市場成果との関連性を実証的・経験的に明らか

にするには、より多様な要因の分析が伴われるべきだからである。

ただ、次に示す少数の研究が、売上やマーケット・シェアや市場価格水準など幾つの基準を持っ

て、CO 情報と市場成果との関連性を論じている。

Amine et al.(2005)は、台湾のパソコンメーカーAcer の事例研究を通じて、ネガティブな CO

(6)

効果は、企業の海外進出と市場成果に深刻な支障をもたらし得ると結論付けた。彼らは、Acer が

先進国である日本とアメリカでは失敗し、途上国である中国では成功した事例を取り上げ、先進国

における台湾イメージと企業ブランドの低い認知度が失敗の主な原因であったと分析している。

Hulland et al.(1996)は、CO 情報が製品の市場価格に影響することを確認した。彼らは、フィ

リピン・ダウ市場の450製品に対して価格調査を遂行し、同一企業の同一製品であっても、先進国で

製造された製品は途上国製に比べてプレミアム価格で売れることがわかった。

Kim(1995)は、北米市場の自動車マーケット・データを用いて、長期無形資産のブランド評判、

CO、FDI が、短期的なマーケット・シェアとマーケティング効果(特に、プライシング効果)に及

ぼす影響について調査した。その結果、ポジティブな

CO 情報は、当該ブランドの短期的な販売実

績とマーケット・シェアに正の影響を及ぼし、かつ消費者の価格敏感度を低下させることがわかっ

た。

Kim and Chung(1997)も、北米市場のサブコンパクト車の自動車マーケット・データを用いて、

カントリー・イメージ、ブランド、その他マーケティング変数(価格、広告)が市場シェアに及ぼ

す影響について調査した。その結果、カントリー・イメージは、ブランドとマーケティング変数

(特に、広告)と相互作用を起こし、市場シェアに有意な影響を及ぼすことがわかった。ただ、

マーケット・シェアにおいて最も重要なファクターはブランド評判であった。

Niss(1996)は、食品、デザイン製品、農業製品を手掛けるデンマークの輸出企業が、マーケ

ティング活動においてどれくらい国家イメージを活用するかを調査した。100社へのアンケート

(回収率58%)と企業マネージャー20名に対する個別インタビューを行った結果、CO イメージは

輸出の初期段階において目標市場への迅速な市場浸透と差別化の構築に役立つことがわかった。

その他に、事例をもって

CO 情報と市場成果との関連性を言及した論者もいる。例えば、

Nebenzahl and Jaffe(1996, p.5)は、アメリカ西海岸の多くのクライスラー・ディーラーはメキシコ

で製造された

Dodge と Plymouth K モデルの取り扱いを拒むし、イスラエルでは Volkswagen の同一

モデルでも割高のドイツ製が割安のブラジル製より好調な売れ行きを見せるという。また、Tse

and Gorn(1993, p.60)は、『Business Week 誌』の記事を引用し、Volkswagen がアメリカでメキシコ

製のモデルを売り出したとき、顧客離れによって失敗を喫したことを喚起させている。

市場成果をもたらす要因の複合性を考えれば、CO 効果が市場成果に繋がるかを実証的に究明す

るには、注意深いアプローチが求められる。しかし、一方で、この問題はより議論を深めるべき課

題でもある。消費者の製品評価における

CO 情報の有意性が広く認められているとはいえ、それが

必ずしも製品の市場成果に結びつくと言い切れないのであれば、CO 効果研究の実践的な意義もそ

れだけ薄れることになるからである。

(7)

4.CO 効果の規定要因

本章では、どのような要因(影響する主体)が

CO 効果の発生と強度(影響される客体)に影響

を与えるかについてレビューする。この問題と関連して既存研究から見出された諸要因は、製品・

製造国・消費者の3つの要因に分類できる。

(1) 製品要因

耐久財か否か、もしくは高関与製品か低関与製品かなどといった製品の性質は、消費者の知覚リ

スクに働き、CO 効果の程度を規定するとされる。Hugstad and Durr(1986)は、耐久財(車、カメ

ラ、タイヤ)が非耐久財(缶フード、靴、シャツ)より高い知覚リスクを誘発し、CO 情報への依

存度を高めるとしている。Kim and Park(1993)は、高関与製品(ミニカセット、カメラ)の場合、

知覚リスクが高く強い

CO 効果が観察されるが、低関与製品(石鹸、チョコレート)の場合は、知

覚リスクが低く

CO 効果も弱いことを実証した。Alden et al.(1993)も関与度の高い製品ほど CO

情報が重視されることを明らかにしている。

これらの研究は、製品への知覚リスクや関与度が高い時に消費者はより慎重な購買意思決定を行

い、CO 効果がより強まることを実証的に示している。

(2) 製造国要因

Hampton(1977)は、9ヶ国の CO 情報と27種類の製品を消費者に提示し、製造国の経済開発水

準によるハイアラーキーな知覚リスクの相違を発見した。このように、消費者が抱く各国に対する

カントリー・イメージはハイアラーキーに形成されることが知られている。CO 効果とは、そのス

テレオタイプ化したカントリー・イメージが購買意思決定に与える影響に他ならない。カント

リ ー ・ イ メ ー ジ が ハ イ ア ラ ー キ ー に 形 成 さ れ る 原 因 に つ い て は 、 上 述 し た 経 済 開 発 水 準

(Hampton1977; Krishnakumar1974; Tongberg1972; Wang1978 ) の ほ か に 、 文 化 お よ び 政 治 状 況

(Wang1978)、自国との知覚された信念体系の類似性(Tongberg1972)、マス・コミュニケーション、

個人経験、オピニオン・リーダー達の見解(Nagashima1970)などが挙げられている。

ま た 、 自 国 製 の 製 品 は 相 対 的 に 高 く 評 価 さ れ る こ と が 知 ら れ て い る (e. g., Al-Sulaiti and

Baker1998; Bilkey and Nes1982; Narayana1981)。その背景としては、愛国心(patriotism)に加え、

自国企業ならではのサービス能力が主要な要因として考えられている(Han1988)。

さらに、Klein et al.(1998)と Amine et al.(2005)は、CO 効果の発生要因として「敵愾心」

(animosity)に注目する。Klein et al.は、消費者が特定国に対して軍事的、政治的、経済的原因で

嫌悪感を覚える場合、当該国の製品についてその品質いかんにかかわらず購入を拒むとしている。

(8)

そして、事例として、中国南京の消費者が抱く日本への強い敵愾心が、日本製品の購買を思いとど

まらせる主な原因であることを明らかにしている。Amine et al.は、台湾政府の台湾イメージ・キャ

ンペーンと台湾企業

Acer のマーケティング戦略を取り上げ、アメリカと日本での失敗と中国での

成功をカントリー・イメージと関連付けて分析している。

(3) 消費者要因

CO 効果に影響する消費者側の要因としては、性別、年齢、教育水準、所得水準など、人口統計

学的(demographic)特性が広く取り上げられた。「性別」については、女性が男性より外国製品に

好意的だという見解(Dornoff et al.1974; Schooler1971)と自国製品に好意的だという見解(Good

and Huddleston1995; Han1988)が混在している。「年齢」についても、高齢者が若者より外国製品に

好意的だという見解(Schooler1971; Smith1993)と、年齢と CO 効果との有意な関係はみられない

という見解(Wang1978)が混在する。「教育水準」については、高等の教育を受けた消費者が制限

的な教育を受けた消費者より外国製品に好意的だという見解が概ね一致している(Dornoff et

al.1974; Good and Huddleston1995; Schooler1971)。Al-Sulaiti and Baker(1998)は、教育水準と CO

効果について多くの研究者が一致した見解を示したことから、人口統計学的特性の中で最も重要な

変数であると規定している。しかし、教育水準と

CO 効果とでは有意な関係が存在しないという主

張もある(Han1988)。「所得水準」についても、高所得者が低所得者より外国製品に好意的だとい

う見解(Wang1978; Good and Huddleston1995)と、所得水準と CO 効果とでは有意な関係が存在し

ないという見解(Han1988)が混在している。

以上のように、人口統計学的要因については見解が対立・混在しており、その分析尺度としての

有用性は疑わしいもののように思える。

一方、製品に対する親しさや詳しさの程度を表す「ファミリアリティー(product familiarity)」

CO 効果を規定するとされる。Han and Terpstra(1988)は、製品に対するファミリアリティーが

高いほど、消費者が

CO 情報に依存する程度は低まるという。Johansson et al.(1994)は、高い

ファミリアリティーが製品への知覚リスクを低下させるとして、北米で販売される東欧の製品(ト

ラクター)にとって、ファミリアリティーの向上は優先すべき課題であると指摘する。Han

(1989)は、消費者のファミリアリティーが高い時、CO 情報はブランドと同じく態度に直接的な

影響を与える「要約構成概念(summery construct)」として働くことを実証的に示している。

さらに、「愛国心」や「自民族中心主義(ethnocentrism)」の性向が強い消費者ほど、自国製品へ

の愛着が高く、強い

CO 効果がみられるとされる(e. g., Al-Sulaiti and Baker1998; Han1988;

(9)

行った実験から、購買意図を誘発する

CO 効果の強度に「国籍(nationality)」による違いが存在す

ることを立証している。

5.ディスカッション

本稿では、CO 効果をめぐって影響を与える主体と影響を受ける客体を基準とし、既存研究の類

型化を行った。レビューにおける分類基準の明確さと一貫性は本稿が有する特徴の1つである。諸

類型が独自の一貫した基準によって識別されている点で、既存研究の体系的な理解がより容易にな

るのではないかと思われる。

本稿の定めた分類基準、即ち影響の主体と客体を基準に、既存研究は3つの類型に分類された。

1つ目は

CO 情報が消費者の製品評価に及ぼす影響で、それはさらに「初期研究」、「情報手がか

りの複数化と

CO 効果」、「CO 情報処理メカニズム」に分けてレビューを行った。初期研究の諸成

果は、幾つかの限界や問題点にも関わらず、CO 効果研究が発展する土台を築いたといえる。初期

研究が足がかりとなって、以後の研究は外延的拡張と深化を遂げたからである。そこには見解の相

違こそみられるものの、複数の情報手がかりの下で

CO 効果の有意性が広く検証されたり、CO 情

報の心理的処理メカニズムが追究されたりと、大きな進捗がなされている。

2つ目は、CO 情報が市場成果に及ぼす影響であった。市場成果がさまざまなマーケティング技

法を駆使した結果として得られるものだとすれば、市場成果要因の複合性を十分に勘案したうえで、

個別要素としての

CO 情報の有意性を論じなければならない。その点で、既述の Amine et al.

(2005)が用いたようなケース・スタディーは、CO 効果と市場成果の直接的な関連性を検証する

ための1つの手立てとなり得る。何故なら、ケース・スタディーでは、実際に現場の企業が

CO 効

果をどのように認識し、どのように扱い、どのような結果を得たのか確認できるからである。

3つ目は

CO 効果の規定要因で、この類型はさらに製品要因、製造国要因、消費者要因に分けて

レビューが行われた。ここでは、CO 効果の発生と強度にかかわる規定要因が多岐にわたることが

わかった。ただ、人口統計学的特性については、多くの研究で分析結果が異なっているため、規定

要因としての有意性は認めにくいといえよう。さらに、消費者要因として、愛国心や自民族中心主

義や敵愾心などといった国民感情にかかわる要因が

CO 効果を規定し得ることもわかった。そのた

め、何らかの国民感情と消費者行動との関連性を論じる際に

CO 効果研究の成果は有用な知見を与

え得るし、またそのような研究は

CO 効果研究の一部としてみなすこともできよう。

以上の考察を踏まえ、以下では

CO 効果研究に残された課題や今後の展望について述べて、本稿

を締めくくることにしよう。

第1に、企業側への積極的な実証調査が求められる。これまでの考察でみたように、大概の既存

(10)

研究は消費者調査に基づいている。そのため、実際に企業側で

CO 効果がどのように認識され、ど

のように管理されているか、延いては実際に効果を発揮している戦略はどのようなものなのかにつ

いては、研究実績が十分ではない。消費者行動を把握することは

CO 効果研究の重要な側面であり、

これまでの成果も高い評価に値する。しかし、CO 効果の問題をより深く洞察するためには、消費

者調査に加え、企業側への実証調査が伴われるべきである。両側面からの実証研究が調和し分析ア

プローチ上の偏りが解消してはじめて、CO 効果に対する正しい認識と適切な対応が実現するであ

ろう。

第2に、複合化する

CO 情報の働きに関するいっそうの追究が求められる。既存研究の多くは、

「単一製品/単一

CO 情報」の前提で議論が展開されている。ところが、近年の生産活動には多国

化および国際的分業化が進み、組立、部品調達、デザイン、エンジニアリングなどが国を越えて遂

行されることも多い。そのため、既に指摘されているように、製品の国籍判断はますます複雑さを

増している(e. g., Al-Sulaiti and Baker1998; Chao1993; Tse and Lee1993)。このような現状は CO 効果

の様相にも何らかの影響を及ぼしかねず、今後究明に努めるべき課題である。既存研究では、少数

ながら上述した問題意識の下で遂行された

Chao(1993, 2001)や Tse and Lee(1993)などの実績が

あり、当該テーマに取り組むうえで参考になり得る。

なお、複合的な

CO 情報の働きにおける消費者の内面的要因の影響についても分析が伴われるべ

きであろう。消費者の購買行動に深く関わるとされる関与度や知識水準のような内面的要因が、複

(11)

〈参考文献〉

Alden, D. L., W. D. Hoyer and A. E. Crowley (1993), “Country-of-Origin, Perceived Risk and Evaluation Strategy,”

Advances in Consumer Research, Vol. 20, pp.678-683.

Al-Sulaiti, K. I. and M. J. Baker (1998), “Country of Origin Effects: A Literature Review,” Marketing Intelligence &

Planning, Vol. 16, No. 3, pp.150-199.

Amine, A. (1998), “Consumers’ True Brand Loyalty: the Central Role of Commitment,” Journal of Strategic Marketing, Vol. 6, pp.305-319.

Amine, L. S., M. C.H. Chao, and M. J. Arnold (2005), “Executive Insights: Exploring the Practical Effects of Country of Origin, Animosity, and Price-Quality Issues: Two Case Studies of Taiwan and Acer in China,” Journal of

International Marketing, Vol. 13, No. 2, pp.114-150.

Amine, L. S. and S. H. Shin (2002), “A Comparison of Consumer Nationality As A Determinant of COO,” Multinational

Business Review, spring, pp.45-53.

Bilkey, W. J. and E. Nes (1982), “Country-of-Origin Effects on Product Evaluations”, Journal of International Business

Studies, Vol. 13, Spring/Summer, pp.89-99.

Chao, P. (1993), “Partitioning Country of Origin Effects: Consumer Evaluations of A Hybrid Product,” Journal of

International Business Studies, Vol. 24, No. 2, pp.291-306.

Chao, P. (2001), “The Moderating Effects of Country of Assembly, Country of Parts, and Country of Design on Hybrid Product Evaluations,” Journal of Advertising, Vol. 30, No. 4, Winter, pp.68-81.

Dornoff, R. J., C. B. Tankersley and G. P. White (1974), “Consumers’ Perceptions of Imports”, Akron Business and

Economic Review, Vol. 5, Summer, pp.26-29.

Erickson, G. M. and J. K. Johansson (1985), “The Role of Price in Multi-Attribute Product Evaluations,” Journal of

Consumer Research, Vol. 12 (September), pp.195-199.

Erickson, G. M., J. K. Johansson and P. Chao (1984), “Image Variables in Multi-Attribute Product Evaluations: Country-of-Origin Effects,” Journal of Consumer Research, Vol. 11, September, pp.694-699.

Etzel, M. J., and B. J. Walker (1974), “Advertising Strategy for Foreign Products”, Journal of Advertising Research, Vol. 14, June, pp.41-44.

Gaedeke, R. (1973), “Consumer Attitudes Toward Products ‘Made In’ Developing Countries”, Journal of Retailing, Vol. 49, Summer, pp.13-24.

Good, L. K and P. Huddlestion (1995), “Ethnocentrism of Polish and Russian Consumers: Are Feelings and Intentions Related?,” International marketing Review, Vol. 12 No. 5, pp.35-48.

Hampton, G. M. (1977), “Perceived Risk in Buying Products Made Abroad by American Firms,” Baylor Business Studies, October, pp.53-64.

Han, C. M. (1988), “The Role of Consumer Patriotism in The Choice of Domestic Versus Foreign Products,” Journal of

Advertising Research, June/July, pp.25-32.

Han, C. M. (1989), “Country Image: Halo or Summary Construct?”, Journal of Marketing Research, Vol. 26, May, pp.222-229.

Han, C. M. and V. Terpstra (1988), “Country-of-Origin Effects for Uni-national and Bi-national Products”, Journal of

(12)

Ha

・・

ubl, G. (1996), “A Cross-National Investigation of the Effects of Country of Origin and Brand Name on The Evaluation of A New Car”, International Marketing Review, Vol. 13 No. 5, pp.76-97.

Hong, S. T. and R. S. Wyer, jr. (1989), “Effects of Country-of-Origin and Product-Attribute Information on Product Evaluation: An Information Processing Perspective”, Journal of Consumer Research, Vol. 16, September, pp.175-187. Huber, J. and J. McCann (1982), “The Impact of Inferential Beliefs on Product Evaluations,” Journal of Marketing

Research, August, Vol. 19, pp.324-333.

Hugstad, P. and Durr, M. (1986), “A Study of Country of Manufacturer Impact on Consumer Perceptions,” in Malhotra, N. and Hawesm, J. (Eds), Development in Marketing Science, Vol. 9, Academy of Marketing Science, Coral Gables, pp.155-199.

Hulland, J., H. S. Todino, and D. J. Lecraw (1996), “Country-of-Origin Effects on Sellers’ Price Premiums in Competitive Philippine Markets,” Journal of International Marketing, Vol. 4, No. 1, pp.57-79.

Jacoby, J., J. C. Olson, and R. A. Haddock (1971), “Price, Brand Name and Product Composition Characteristics as Determinants of Perceived Quality,” Journal of Applied Psychology, Vol. 55, pp.570-579.

Johansson, J. K., S. P. Douglas, and I. Nonaka (1985), “Assessing the Impact of Country of Origin on Product Evaluations: A New Methodological Perspective,” Journal of Marketing Research, Vol. 22, November, pp.388-396.

Johansson, J. K. and I. D. Nebenzahl (1986), “Multinational Production: Effect on Brand Value,” Journal of International

Business Studies, Fall, pp.101-126.

Johansson, J. K., I. A. Ronkainen and M. R. Czinkota (1994), “Negative Country-of-Origin Effect: The Case of The New Russia”, Journal of International Business Studies, Vol.25 Issue1, pp.157-176.

Kim, C. K. (1995), “Brand Popularity and Country Image in Global Competition: Managerial Implications”, Journal of

Product & Brand Management, Vol. 4 No. 5, pp.21-33.

Kim, C. K. and J. Y. Chung (1997), “Brand Popularity, Country Image and Market Share: An Empirical Study”, Journal of

International Business Studies, second quarter, pp.361-386.

Kim, K. C. and C. Park (1993), “The Effect of Country of Origin-Brand on the Evaluation of International Products: A Comparison of High and Low Involvement Products,” Journal of Social Sciences Studies, Sungsim Woman’s University Institute for Social Sciences, October, pp.95-125.

Klein, J. G., R. Ettenson, and M. D. Morris (1998), “The Animosity Model of Foreign Product Purchase: An Empirical Test in the People’s Republic of China,” Journal of Marketing, Vol. 62, January, pp.89-100.

Krishnakumar, P. (1974), “An Exploratory Study of the Influence of Country of Origin on the Product Images of Persons from Selected Countries”, Ph. D. dissertation, The University of Florida.

Lee, H., C. Kim and J. Miller (1992), “The Relative Effects of Price, Warranty and Country of Origin on Consumer Product Evaluations,” Journal of Global Marketing, Vol. 6 No. 1/2, pp.55-80.

Leifield, J. P. (1993), “Experiments on Country-of-Origin Effects: Review and Meta-Analysis of Effect Size,” In N. G. Papadopoulos & L. A. Heslop, editors, Product-Country images: Impact and Role in International Marketing, International Business Press, New York, pp.117-156.

Li, W. K., K. B. Monroe, and D. K-S. Chan (1994), “The Effect of Country of Origin, Brand, and Price Information: A Cognitive-Affective Model of Buying Intentions”, Advances in Consumer Research, Vol. 21, pp.449-457.

(13)

Advertising, vol. 34, No. 1, pp.87-97.

Lotz, S. L. and M. Y. Hu (2001), “Diluting Negative Country of Origin Stereotypes: A Social Stereotype Approach”,

Journal of Marketing Management, Vol.17, pp.105-135.

Mitchell, A. A. (1979) “Involvement: a Potentially Inportant Mediater of Consumer Behavior,” in W. L. Wilkie (ed.),

Advances in Consumer Research, Vol. 6, pp.191-196.

Mittal, B. and M. Lee (1988), “Separating Brand-Choice from Product Involvement via Consumer Involvement Profiles,” in M. J. Houston (ed.), Advances in Consumer Research, Vol. 15, pp.43-49.

Mittal, V. and M. Tsiros (1995), “Does Country of Origin Transfer Between Brands?”, Advances in Consumer Research, Vol. 22, pp.292-296.

Monroe, K. B. (1973), “Buyers’ Subjective Perceptions of Price,” Journal of Marketing Research, Vol. 10 (February), pp.70-80.

Nagashima, A. (1970), “A Comparison of Japanese and U. S. Attitudes toward Foreign Products”, Journal of Marketing, Vol. 34, January, pp.68-74.

Nagashima, A. (1977), “A Comparative ‘Made In’ Product Image Survey among Japanese Businessmen”, Journal of

Marketing, July, pp.95-100.

Narayana, C. L. (1981), “Aggregate Images of American and Japanese Products: Implication on International Marketing,”

Columbia Journal of World Business, Vol. 16, Summer, pp.31-35.

Nebenzahl, I. D. and E. D. Jaffe (1996), “Measuring the joint effect of brand and country image in consumer evaluation of global products”, International Marketing Review, Vol. 13 No. 4, pp.5-22.

Niss, H. (1996), “Country of Origin Marketing over The Product Life Cycle: A Danish Case Study”, European Journal of

Marketing, Vol. 30, No. 3, pp.6-22.

Obermiller, C. and E. Spangenberg (1989), “Exploring The Effects of Country-of-Origin Labels: An Information Processing Framework,” Advances in Consumer Research, Vol. 16, pp.454-459.

Olson, J. C. and J. Jacoby (1972), “Cue Utilization in the Quality Perception Process”, in Venkatesan, M. (Ed.), Proceedings of the Third Annual Conference, Association for Consumer Research, USA, pp.167-179.

Park, C. W. and B. Mittal (1985), “A Theory of Involvement in Consumer Behavior: Problems and Issues,” in J. N. Sheth (ed.), Research in Consumer Behavior, JAI Press Inc., pp.201-231.

Peterson, R. A., and A. J. P. Jolibert (1995), “A Meta-Analysis of Country-of-Origin Effects,” Journal of International

Business Studies, Vol. 26, pp.883-900.

Sang, Y. W. (1995), “An Empirical Study of Country-of-Origin Effect,” Journal of Kyong Bok Junior College, February, pp.109-140.

Schooler, R. D. (1965), “Product Bias in the Central American Common Market,” Journal of Marketing Research, November, pp.394-397.

Schooler, R. D. (1971), “Bias Phenomena Attendant to the Marketing of Foreign Goods in The US,” Journal of

International Business Studies, Vol. 2, No. 1, pp.71-81.

Smith, W. R. (1993), “Courtry-of-Origin Bias: A Regional Labelling Solution,” International Marketing Review, Vol. 10, No. 6, pp.4-12.

(14)

and Heslop, L. (Eds), Product and Country Images, International Business Press, New York, pp.57-76.

Tag, D. I. and J. Y. Kim (1999), “Interactive Effects of Brand Name and Country-of-Origin,” The Journal of Namseoul

Univ. Vol. 5, pp.373-390.

Thorelli, H. B., J. S. Lim, and J. Ye (1989), “Relative Importance of Country or Origin, Warranty and Retail Store Image on Product Evaluations”, International Marketing Review, Vol. 6, No. 1, pp.35-46.

Tongberg, R. C. (1972), “An Emprical Study of Relationships between Dogmatism and Consumer Attitudes toward Foreign Products”, Ph. D. Disseration, The Pennsylvania State University.

Tse, D. K. and G. J. Gorn (1993), “An Experiment on the Salience of Country-of-Origin in the Era of Global Brands”,

Journal of International Marketing, Vol. 1 Issue 1, pp.57-76.

Tse, D. K. and W. N. Lee (1993), “Removing Negative Country Images: Effects of Decomposition, Branding, and Product Experience”, Journal of International Marketing, Vol.1, No.4, pp.25-48.

Tse, D. K. and P. C. Wilton (1988), “Models of Consumer Satisfaction Formation: An Extension,” Journal of Marketing

Research, Vol. 25, May, pp.204-212.

Verlegh, P. W. J. and J. –B. E. M. Steenkamp (1999), “A Review and Meta-Analysis of Country-of-Origin Research,”

Journal of Economic Psychology, Vol. 20, pp.521-546.

Wang, C. K. (1978), “The Effect of Foreign Economic, Political and Cultural Environment on Consumers’ Willingness to Buy Foreign Products”, Ph. D. Dissertation, Texas A & M University.

Warrington, P and S. Shim(2000), “An Empirical Investigation of the Relationship between Product Involvement and Brand Commitment,” Psychology & Marketing, Vol. 17(9), pp.761-782.

White, P. D. (1979), “Attitudes of US Purchasing Managers toward Industrial Products Manufactured in Selected European Nations,” Journal of International Business Studies, Spring/Summer, pp.81-90.

White, P. D. and E. W. Cundiff (1978), “Assessing the Quality of Industrial Products,” Journal of Marketing, Vol. 42, January, pp.80-86.

Yaprak, A. (1978), “Formulating a Multinational Marketing Strategy: A Deductive Cross-National Consumer Behavior Model,” Ph. D. Dissertation, Georgia State University.

清水聰(2006)、「消費者の意思決定プロセスとコミュニケーション」、田中洋・清水聰『消費者・コミュニ ケーション戦略~現代のマーケティング戦略④』有斐閣アルマ、1-24ページ。

新倉貴士(2006)、「消費者の情報探索と知識形成」、田中洋・清水聰『消費者・コミュニケーション戦略~現 代のマーケティング戦略④』有斐閣アルマ、179-201ページ。

〈注〉

(1) 消費者が製品を評価する際には、情報手がかりとして、外的手がかり(extrinsic cues; CO、ブランド名、ス トア・イメージ、保証など)と内的手がかり(intrinsic cues; 味、性能など)が用いられるとされる(Bilkey and Nes1982; Olson and Jacoby1972)。本来、内的手がかりがより重要であるが、購入前など内的手がかりが有 用に使えず、製品の客観的な品質が把握しにくいほど、消費者は外的手がかりに頼る傾向を強めるとされる (Han and Terpstra1988; Olson and Jacoby1972)。

(15)

             *E : Exper ime nt al Des ign, S: Su rv ey 文献 目的 意識 製 品 CO 消費 国 デ ータ E/ S * 結果 S cho ol er (1965) C O に対す る消 費者の バイ アス を調査 ジュ ース 、織物 グアテ マラ、 メキ シコ、コ スタリカ 、 アル = サル バドル グア テマラ 学生 20 0 名 E CO 情 報が消 費者 態度に 影響 。 Na ga sh im a (19 70) 「 Ma de in 」イ メー ジに 関す る異 文化 (日本 とア メリカ )間 の比較 製 品一般+ 6 つ の 製品 クラ ス ア メ リ カ 、 日 本 、 西 ドイツ、イギ リ ス、フラ ンス、 イタリア アメ リカ、 日本 ビジ ネスマ ン 330 名 S 「 M a de in」ス テ レ オ タ イ プ は 、 日 本 と ア メ リ カ間で相違。自国C O 製 品 へ の 選 好 傾 向 。 製 品 親 密 感 と 有 用 性が「M a de i n」イメージ評 価に 強い影 響。 S cho ol er (1971) C O バイア ス現 象のテ スト 衣類 、 デスクペン、 ゴ ブ レッ ト (g obl et) アメリ カ、西 ドイ ツ、チェ コ、チリ 、 インド 、ナイ ジェ リア、北 アメリカ 、 西ヨー ロッパ 、ア ジア、ラ テンアメ リ カ、アフ リカ アメ リカ 成人 86 6 名 E それ ぞれ のC O に対す る 消 費 者 評 価 の 差 異 は大きく、バイアス効果 のハ イアラ ーキ ーを確 認。 T onbe rg (1972 ) 外国製 品に 対する 消費 者態度 を調 査 ラ ジ オ 、 ド レ ス シ ャ ツ 、 咳 止め シロ ップ 経済開発 水準の 異なる 13 カ国 アメ リカ 成人 +学生 S 経済 開発 水準 が高く 、 知 覚 さ れ る 信 念 体 系が類似するC O の製品ほ ど、 消費者 評価 が高い 。 G aedek e(1 973) アメリ カ製 品と 途 上 国 からの輸入品に 対する アメ リカ消 費者 の評価 製 品 一般 +製 品ク ラス +特 定ブ ラン ド アメリ カ、フ ィリ ピン、香 港、アル ゼ ンチン 、ブラ ジル 、台湾、 メキシコ 、 韓 国 、 イ ン ド 、 シ ン ガポール、ト ル コ、イン ドネシ ア アメ リカ 学生 20 0 名 S CO 効果 が , 製品 一 般 、 製 品 ク ラ ス 、 特 定 製 品 タ イ プ 、特定ブランド で確 認。し かし 、ブラ ンド 品の全 般的 な品質 知覚 に及 ぼす影 響は 大 きく ない。 K ri shnak u m ar (19 74) 製 品 イ メ ージにおける CO 効果 の影響 と人口 統計 学的変 数の 影響を 調査 製 品 一般 +機 械製 品、 電化 製 品 、フ ード 、フ ァッ ショ ン 、 車、 テレ ビ、 ソフ トド リン ク、 ドレス シャ ツ アメリ カ、西 ドイ ツ、イギ リス、イ ン ド、台湾 、日本 アメ リカ、 イン ド、台 湾 学生 10 5 名 S 製品 一般 、製 品クラ ス 、 特 定 製 品 タ イ プ で C O 効果を確認。経済開 発水 準によ って CO イメ ージ のハイ アラ ーキー が形 成。 Do rn of f et al . (19 74) 輸入品 に対 する消 費者 知覚を 調査 製 品 一 般 + フ ー ド 、 フ ァ ッ シ ョ ン、 電化 製品 、機 械製 品 アメリカ 、日本 、フラン ス、西ド イツ アメ リカ 成人 21 6 名 S 製品 一般 、製 品クラ ス で C O 効 果 を 確 認 。 性別、教育水準など人口 統計 学的変 数に よって C O効 果に差 異。 Et ze l an d W al ker ( 197 4) 消費者 態度 が、 特 定 国 家の一般的な製 品イメ ージ と当 該 国 の 特定製品カテゴ リとで 一致 するか 否か を検証 製品 一 般+自動車、 カ メ ラ、 玩具 アメリカ 、西ド イツ、日 本 アメ リカ 成人 29 3 名 S ある 国の 一般 的な製 品イ メ ー ジ と そ の 国 の特定製品カテゴリとで は、 消費者 態度 に差異 が存 在する 。 Na ga sh im a (19 77) 1970 年の調査 以 来 、 消 費者イメージに 変化が 起こ ったか を確 認 製 品一般+ 6 つ の 製品 クラ ス ア メ リ カ 、 西 ド イ ツ 、イギリス、 日 本、フラ ンス 日本 ビジ ネスマ ン 100 名 S 「M a de i n U SA 」 の イ メ ー ジが著 しく 下落 し、「M a de in J ap a n 」 のイ メージ がよ り強く 選好 された 。 Ha m pto n (19 77) 複数外 国製 品の 評 価 に おける知覚リス クの影 響を 調査 3 つ の製品 クラ ス、 27 つの 製品 3 つ のクラス を通し て 9 カ国 アメ リカ 成人 17 6 名 S 経済 開発水 準に よるハ イア ラーキ ーな 知覚リ スク の違 い。外 国製 品 に対 する知 覚リ スクの 一般 的な高 さ傾 向。 Yapr ak (1 978) C O の異 なる (3 カ国 )特定 ブラ ンド 製品 に対す る ア メ リ カ とトルコのビジネス マンの 購買 意図を 比較 自動 車、 カメラ 、電 卓 西ドイツ 、日本 、イタリ ア アメ リカ ( A )、 ト ル コ( T ) ビジネス マン 15 8(A ),   202( T ) S 特定 のブ ラン ドであ っ て も 、 製 品 間 の CO が異なると、購買者の購 買意 図に差 異が 発生。 W an g(1 978) C O の 政 治 、 経 済 、 文化的環境が消費 者の購 買意 図に及 ぼす 影響 製品 一般 36 カ国 アメ リカ 成人 S 製造 国の政 治、 経済、 文化 的要因 が消 費者の 購買 意図 に影響 。 Wh it e an d C undi ff (19 78) 企業の 購買 担当 者 が 産 業財を購買する 際に CO ス テレオタイプの影響を受け るのか リ フ ト ・ トラ ック 、機 械 工 具、 ディ クテー ショ ン・ シス テム アメ リカ 、日 本、西 ド イ ツ 、 ブ ラ ジル アメ リカ 産業 購買者 23 6 名 E 各製 品に対 する 知覚品 質は 、製造 国に よって 明確 な差 異をみ せた 。 Na ra ya n a (19 81) 日本人 とア メリ カ 人 の 日本とアメリカ 製品に 対す る評価 製品 一般 アメ リカ、 日本 日本 、アメ リカ 成人 13 5名 S 自国 製品に 対す る一般 的な 選好傾 向。 Ericks on et al . (19 84) 自動車 ブラ ンド を 以 っ て信念と態度に おける CO 効果 分析 自動 車 ア メ リカ、 日本 、西ド イツ アメ リカ 学生 96名 S CO は ハ ロ ー と して働 き 、 属 性 に は 影 響 す るものの、態度には直接 的な 影響を 及ぼ さない 。 Johan sso n et al .( 19 85) 製品評 価に おける CO 情報 の影 響 自動 車 ア メ リカ、 日本 、西ド イツ アメ リカ、 日本 学生 15 2 名 S 消費 者が 制限 された 製 品 知 識 し か 持 た な い場合、C O は代理指標と して 働く。 《付録》C O 効果を 扱っ た主な実証 研 究

(16)

             *E : Exper ime nt al Des ign, S: Su rv ey 文献 目的 意識 製 品 CO 消費 国 デ ータ E/ S * 結果 Hu gs ta d and D u rr (198 6) アメリ カ消 費者 に お け る製品の製造国 情報の 重要 性 自 動 車、 カメ ラ、 缶詰 、タ イヤ 、靴 、スポ ーツ シャツ アメ リカ 、日 本、韓 国 、 台 湾 、 中 国 アメ リカ 成人 34 1 名 S 製造 国情報 に対 する敏 感度 は製品 カテ ゴリに よっ て異 なる。 製造 国 情報 は、他 国製 品の品 質知 覚と価 格知 覚に影 響す る。 Jo han sso n and Ne benz ahl (19 86) ホー ム・ カン トリ ーで 生産 され なか っ たブラ ンド (製 品 ) に 対する消費者の 評価 日 本 と ア メ リ カ の 自 動 車 アメ リカ 、 日 本 、西ドイツ 、 韓 国、 メキシ コ、 フィリ ピン アメ リカ 成人 32 0 名 S アメ リ カ ・ 日 本 ブ ラ ン ド の 車 がホーム・ カ ントリーと異なるC O ( 韓 国、 メキシ コ、 フィリ ピン )をも つと 、製品 属性 に対 する消 費者 の 評価 は下が る。 Ha n(1 988) 消費者 が国 産品 と 外 国 製品を評価する 際に、 愛国 心が及 ぼす 影響 テレ ビ、 自動車 アメ リカ、 日本 、韓国 アメ リカ 成人 21 2名 S 国産 品と外 国製 品の選 択に おいて 、消 費者は 認知 的要 素より 愛国 心 のよ うな情 緒的 要素に より 大きく 影響 され得 る。 Ha n and T er pstr a(1 988) 消 費 者 評 価における CO と ブランド名 の影響 力を 調査 自動 車、 テレビ アメ リカ、 日本 、西ド イツ 、韓国 アメ リカ 成人 15 0 名 S CO と ブ ラ ン ド 名 と も に 消 費 者 知 覚 品 質 に 影響するが、C O がより強 い影 響変数 。 Ha n(1 989) 消費者 の製 品評価 にお ける CO の役割 自動 車、 テレビ アメ リカ、 日本 、韓国 アメ リカ 成人 11 6名 S CO は、 消費 者が 製品 カ テ ゴ リ に 親 し い 場 合 は 要 約構成(s ummar y const ruc t)、 そ う で な い 場 合 は ハ ロ ー ( ha lo) とし て 働 く 。 Ho ng and W ye r( 1989 ) CO が 他 の 製 品 属 性 情報と一緒に提示 された 際 に あ ら わ れる認知的プロセス を調査 パソ コン 、 VCR アメ リカ 、 日 本 、西ドイツ 、 韓 国、 メキシ コ アメ リカ 学生 12 8 名 E CO は 製 品 評 価 に直接 的 な 影 響 を 及 ぼ す ば かりか、他の製品属性情 報に ついて 広く 考えさ せる 。 Al den et al . (19 93) 低 関 与 の 日用品に対しても CO 効果 は あらわ れる のか 歯磨 き粉 アメ リカ、 メキ シコ アメ リカ 学生 44 名 E CO は 関与の 低い 日用品 の消 費者評 価に も有意 な影 響を 及ぼす 。 C h ao( 1993 ) デザイ ン原 産と 組 立 原 産の異なるハイ ブリッ ド製 品に 対 す る アメリカ消費者 の反応 テ レ ビ セ ッ ト 組立 原産 :台 湾、泰 、 メ キ シ コ / デザ イン 原産 :アメ リ カ 、 日 本 、 台湾 アメ リカ 成人 12 0 名 E 製品 の知覚 品質 にはデ ザイ ン原産 、組 立原産 、価 格が 有意な 影響 を 及ぼ す。し かし 、デザ イン の品質 知覚 にはデ ザイ ン原 産と価 格だ け が有 意な影 響を 及ぼす 。 Ki m an d P ar k (19 93) 高関与 製品 と低 関 与 製 品の製品評価に おける CO 効果 とブラ ンド 効果の 比較 高 関 与: ミニ カセ ット 、カ メ ラ /低 関与 :石 鹸、 チョ コレ ート ミニ カセ ット &カメ ラ : 日 本 、 韓 国、 中国 / チ ョ コレート: ス イ ス、 韓国 、 タ イ /石鹸:フ ラ ン ス、 韓国、 中国 韓国 学生 20 0 名 S CO 情 報 が ブ ラ ンド情 報 よ り 大 き な 影 響 を 及ぼした。高関与製品は 先進 国製品 が、 低関与 製品 は自国 製品 が好ま れる 。 S m it h (19 93) 地域別 製品 に対 す る ア メリカ消費者の 評価 布切 れ、 ワイン ・ グラス ア フ リ カ 、 ラ テ ン ア メ リ カ 、 ア ジ ア、 西ヨー ロッ パ アメ リカ 学生 22 4 名 E 対象 製品の 原産 地域に よっ て消費 者バ イアス があ らわ れる。 Ts e an d G orn (19 93) 製 品 経 験 を前後とした CO 効果 とブラ ンド効 果の 比較 ス テ レ オ ・ サ ウ ン ド・ シス テ ム 日本 、イン ドネ シア アメ リカ 学生 15 3 名 EC O は ブ ラ ン ド よ り 永 続 的 な影響 変 数 。 経 験 後 、ブランド効果は著 しく 衰退す る反 面、 CO 効果は 依然 として 有意 。 Ts e and Le e (19 93) CO の 分解と 製品 経験に よっ てネ ガ ティブ な CO 効 果が防 げる のか ステ レオ ・シ ステ ム 日 本 、韓国 アメ リカ St udy 1 :学 生 13 4 名 St udy 2 :学生 17 8 名 EC O の分 解と 製品経 験は CO 効果 を弱める 。 CO 情報 の分解、強くて ポ ジ テ ィ ブ な ブ ラ ン ド 、 製品経験によっ て ネ ガ テ ィ ブ な CO 効果 が 克服 できる 。 Johan sso n et al . (19 94) アメ リカに おけ るロ シア ・ ト ラ ク タ ー の CO イメ ージ とその 影響 ト ラ ク タ ー ア メ リ カ 、 カ ナ ダ、日本、 ド イ ツ、 イタリ ア、 ロシア アメ リカ 農業 者 46 名 S 製品 評価プ ロセ スに CO と親 密性 が 大 事 な 影 響 を 及 ぼす。ネガティ ブな CO を克 服する ため に、親 密性 の向上 が必 要。 Li et al . (1994 ) 消 費 者 の 製品評価における CO 、ブ ラ ンド、 価格 の影響 CD ステレ オ、 コ ーヒー・ メー カー 日本 、メキ シコ アメ リカ 学生 13 4 名 E 価格 が知 覚品 質、選 好、 知 覚 価 値 の 全 て に直接的に影響する。反 面、 CO と ブ ラ ン ドは、知覚品質 に 直 接 的 に 影 響 し 、その後選好と 知覚 価値に 間接 的に影 響す る。 Le cle rc et al . [19 94] 外 国 語 の ブランド名と CO 効果 との影 響関係 ・ 感 性製 品: ガラ ス製 品、 ぬい ぐ る み ・ 実用 製品 : 電 卓、洗 濯用 洗剤 ・ 複 合 製品 :自 動車、 サン グラス ・ブ ラン ド名 :フラ ンス 語、英 語、 ノー ・ブ ラン ド ・CO : フラン ス、 アメ リカ、 CO 情報 無し アメ リカ 学生 18 4 名 E 感 性 製 品 の 場 合 、 フ ラ ンス語のブランド名を 採 用 す る こ と で CO 効 果が 薄まり 、消 費者態 度が 好意的 にな る。し かし 、実 用製品 と複 合 製 品 に つ い て は 、 ブ ラ ンド名による消費者態 度 の 変 化 は な く、 CO 効果 があら われ た。 G ood an d Hu ddle st on (19 95) ポーラ ンド とロ シ ア 消 費者の自民族中 心主義 と製 品評価 4 つ の 同一 の男 性用 シャ ツ + 4 つ の 同一 の女 性用 セー ター アメ リカ 、ド イツ、 ロ シ ア 、 ポ ー ラン ド、中 国 ポー ランド 、ロ シア 成人 94 7 名 E 両国 の消費 者は ともに ホー ム・ カン トリー の製 品を選 好。 K im (1 995) 長期 無形 資産 (ブ ラン ド評 判、 CI 、 FD I) が短期 的な マーケ ット ・シ ェア と マーケ ティ ング 効 果 ( 特に、プライシ ング効 果) に及ぼ す影 響 自 動車( サブ ・ コ ン パ ク ト ・ カー ) アメ リカ、 日本 アメ リカ * 北米カー ・ マ ー ケ ッ ト・ データ利 用 S ポジ ティブ な CO 情報は、当該ブ ラ ン ド の 短 期 的 な 販売実績とマー ケ ッ ト ・ シ ェ ア に 正 の 影 響 を及ぼ し 、 か つ 消 費 者 の 価格敏感度を低 下さ せる。 Mi tt al and T si ros (19 95) ブラ ンド ・ イ メ ー ジ のように、 CO イ メージ も隣 接展 示 さ れ た他の製品へと 転移す るの か 卓 上 ラ ン プ ・ タ ー ゲッ ト・ ブ ラ ンド :ポ ーラ ン ド ・参 照 ブ ランド :イ タリア 、マ レー シア アメ リカ 学生 42 名 E 参照 ブラン ドの CO 連想 は、タ ーゲ ット・ ブラ ンド に対 する消 費者 の 購買 可能性 には 影響す るが 、品質 、ス タイル 、価 値に 対する 消費 者 態度 には影 響し ない。

(17)

             *E : Exper ime nt al Des ign, S: Su rv ey 文献 目的 意識 製 品 CO 消費 国 デ ータ E/ S * 結果 S ang (1995 ) ホーム ・ カ ン ト リ ー と CO の 異なる製品 に対す るア メリカ 消費 者の反 応 テレ ビ、 スニー カー ・テ レビ :日 本、韓 国、 タイ ・ス ニー カー: ドイ ツ、韓 国、 タイ アメ リカ 成人 14 4 名 EC O 情 報 は 、 購 買 経 験 お よ び関与 水 準 に 関 係 な く、重要な手がかり であ る。特 定 CO の経 済開 発水準 が 製 品 評 価 に 及ぼす影響は途上国 ほど 強くあ らわ れる。 Ha ・・ ubl (19 96) 新 車 の 評 価における CO と ブランド名 の影響 自 動 車 ( ベ ンツの「 Vis io n A 」) チェ コ ド イ ツ、フ ラン ス オー ナ 309 (独 ) 、 32 3 (仏 ) S ブラ ンド名 と CO がともに消費者 態 度 に 影 響 す る が 、ブランドが直 接・ 間接 の両 方で影 響す るのに 対し 、 CO は属 性を 経由 して間 接的 の み影 響する 。 Hu ll and et al . (19 96) CO 情報が 市場 価格に 及ぼ す影 響 450 種 類 の 多様な 製品 ア メ リ カ 、 ヨ ー ロ ッ パ、日本、カ ナ ダ、オ ースト ラリ ア、台湾 、韓国、 シ ンガポ ール、 メキ シコ、ブ ラジル、 イ ンド、 タイ、 マレ ーシア、 インドネ シ ア、フィ リピン フィ リピン * フィ リ ピンの ダ ウ 市 場か ら 採 った 45 0 製品 の価格 データ S 同一 企業の 同一 製品で あっ ても、 先進 国 CO が 途上国 CO よ りプレミ アム 価格で 売れ る。ブ ラン ド情報 は CO 効 果 を 緩和さ せる 。 CO 情報 の価 格に対 する 影響は 、製 品リス クが 高いほ ど大 きい 。 Ne benz ahl and Jaf fe( 199 6) グ ロ ー バ ル製品の評価における CO と ブラン ドの 影響 SONY と GE の VCR と電 子 レン ジ アメ リカ 、日 本、ロ シ ア 、 ポ ー ラ ンド 、ハン ガリ ー アメ リカ 学生 30 5 名 E 知覚 製品価 値は ブラ ンド と CO の加 重 平 均 。 同 一 製 品でも、国を越 えて 生産さ れる と、消 費者 評価の 次元 も変わ るた め、 マーケ ティ ン グ戦 略にも 修正 を加え るべ き。 Ni ss (19 96) デンマ ーク 企業 が 輸 出 の際、デンマー ク・ イメ ージ をど れく らい 利用 する の か フー ド、 デザイ ン・ グッ ツ、 農業 製品 デン マーク ― 企業 58 社へアン ケート &企業関 係者 20 人へ聞 き取り SC O イ メ ー ジ は 市 場 浸 透 と 差別化 の た め 、 導 入 期に使われる傾向が ある 。国 家イ メー ジ の 主 要 イ メ ー ジ 要 素 を帯びた製品およびサー ビス ほど、 好ま しい消 費者 評価を 導き 出しや すい 。 Ki m an d C hung (1 997) ブラ ンド 評判 、国 家イ メ ー ジ が マー ケット ・シ ェア に及ぼ す影 響 サブ ・ コンパ クト ・カ ー ア メ リカ、 日本 アメ リカ *カ ー・ マー ケッ ト ・ データ利 用 S 国家 イメー ジは 、ブラ ンド とマー ケテ ィング 変数 (特 に、広 告) と 相互 作用 しつ つ、市 場シ ェ ア に 有 意 な 影 響を及ぼす。ただ、マー ケ ッ ト ・ シ ェ ア に お け る 最 も重要 な フ ァ ク タ ー は ブ ランド評判であ る。 Kl ei n et al . (19 98) 軍事的 、政 治的 、 経 済 的摩擦などで反 感をも つ国 の製品 に対 する消 費者 態度 テレ ビ、 ビデオ 、カ セッ ト・ レ コ ーダ ー、 ラジ オ、 カメ ラ、 冷蔵 庫 日本 中国 南京 市民 244 名 S 日本 に対す る敵 愾心は 日本 製品の 購買 意図に 負の 影響 を及ぼ す。 こ のよ うな影 響は 製品品 質そ のもの とは 関係な くあ らわ れる。 Ta g and K im (19 99) CO 、 ブ ラ ン ド 、 価 格、機能水準が製 品評価 に及 ぼす影 響 ミニ ・ カセッ ト 日 本 、タイ 韓国 学生 24 0名 E 製品 評価 への 影響 は、 ブラ ンド 、 CO 、属性(価格と機能の組合 せ) の順に 大き い。 Ve rle gh an d St ee n ka m p (19 99) 消 費 者 行 動における CO 効 果の多面的 側面を 検証 C h ao( 2001 ) 態 度 と 購 買意図における CO 効 果に対 して、部品・組立・デ ザ イン原産情報が 及ぼす 影響 テレ ビ、 ステレ オ ア メ リカ、 メキ シコ アメ リカ 学生 72 0名 E 各々 の CO 情報 の 一致度が高いほ ど 、 消 費 者 評 価 は ポジティブにな る。 態度と 購買 意図全 てに 有意な 影響 を及ぼ す変 数は 部品原 産で あ る。 Lo tz an d H u (20 01) サ ブタイピング・ モデル ( th e su bt yp in g m od el) と 転換 モデ ル ( th e co n ver si on m od el )によるネガティブ CO 効果の 稀釈 化 35ミリカ メラ 1次実験 :韓 国、 台湾 2次実 験: 韓国 、中国 アメ リカ 1次実 験: 成人 103 名 2次実 験 :成人 10 4 名 E 転 換 モ デ ル が サ ブ ・ タ イ ピ ング・ モ デ ル よ り ス テ レ オタイプの修正 に 効 果 的 で あ る 。 つ ま り、ネガティブ CO の 一 部 製 品が非常に逸脱 しか つ型に はま らない 不一 致属性 (優 れた品 質) をみ せた時 、消 費 者は それを 無視 せず新 たな 情報と して 受容し 、ス テレ オタイ プの 修 正が 促進さ れる 。 Am in e an d S h in (200 2) 消費 者国籍 が CO 選好 と購買意向に及 ぼす影 響 電 化 製品 、カ ジュ アル 衣類 + SO N Y W al km an 、 GE ラ ジオ アメ リカ 、日 本、韓 国 、 台 湾 、 中 国、 メキ シコ 、マレ ー シ ア 、 ブ ラ ジル 、イン ドネ シア アメ リカ 学生 :米国 国籍 192 人 , タイ国籍 12 9 人 E 購 買 意 向 に お い て 、 消 費者の国籍が異なると 、 特 定 CO に対 する反 応も 異なる 。た だ、属 性評 価には 、国 籍より 製品 関与 度がよ り重 要 な影 響を及 ぼす 。 Am in e et al . (20 05) 台湾政府の CI ( Co u n tr y Ima ge )キ ャ ンペ ーンと 台湾 企業 Ac er のケ ー ス ・ス タディ ーに よっ て 、 敵 愾心とネガティ ブな CO へ の 対 応戦略 を探 る パソ コン 台湾 アメ リカ、 日本 、中国 *ケース ・ス タディー S アメ リカと 日本 では経 済開 発水準 とブ ランド 認知 度が 低く失 敗。 し かし 、中 国で は相対 的に 経 済 開 発 水 準 と ブランド認知度が高いう え、 文化と 歴史 の共有 故に 成功。 敵愾 心は一 般消 費者 レベル で有 意 な影 響を及 ぼさ なかっ た。 Li u and Johns on (2 005) CO 効果の 自動 発生メ カニ ズム の究明 8種 類 ブラ ンド のノ ート 型 パソ コン 日本 、中国 アメ リカ 成人 96名 E 一旦 、 CO が 消費者 に露 出され ると 、消費 者が CO 情 報 を 意 識(ある い は 重 視 ) す る か 否 か に関係なく、製品評価 に CO 効果 が自動的に 発生 する。 ・41 の 既 存 実証研 究に 対す るメー ター 分析 ( me ta -a n al ys is )・ 結 果 : CO は態 度お よび 購買意 図よ り製 品品質 の判 断に 大きな 影響 /消 費財と 産業 財間で CO 効果 の有 意な 差はな い/ 先進 国 と途 上国 との比 較時 、 CO 効 果がよ り大 きい/ 学生 サンプ ルと 一般 消費者 サン プルと で、 結果に おけ る有意 な差 がない 等

参照

関連したドキュメント

3)The items classified in the “communication” category were: “the child can’t use honorific language when speaking to teachers,” “the child is susceptible to mood

In the main square of Pilsen, an annual event where people can experience hands-on science and technology demonstrations is held, involving the whole region, with the University

Abstract: This paper describes a study about a vapor compression heat pump cycle simulation for buildings.. Efficiency improvement of an air conditioner is important from

toursofthesehandsinFig6,Fig.7(a)andFig.7(b).A changeoftangentialdirection,Tbover90゜meansaconvex

We measured the variation of brain blood quantity (Oxy-Hb, Deoxy-Hb and Total-Hb) in the temporal lobes using the NIRS when the tasks of the memories were presented to the sub-

῕ / ῎ῒ῏ , Analytical complication of comments by Govern- ments and international organizations on the draft text of a model law on international commercial arbitration: report of

Arriba Soft Corp., ΐΐ F.Supp... Google

会におけるイノベーション創出環境を確立し,わが国産業の国際競争力の向