理科(物理Ⅰ)研究授業 学習指導案
広島県立音戸高等学校
教
諭 下高呂 元成
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日時・場所
平成20年11月28日(金)第5限 物理教室
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学年・学級
2年物理選択者(生徒数12名)
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単元名
波の性質
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単元について
(1)単元観
波の性質については,いろいろな波に共通する性質について,観察・実験を通して探究し,単純
な振動が波を発生させることや波長,振動数,伝わる速さなど,波を表す基本的な量(波の要素)
について理解させる。そして,それらを日常生活に見られる波動現象とも関連付けて考察できるよ
うにすることがねらいである。
(2)生徒観
生徒はこれまで波について,中学校で「光と音」の単元において,日常生活で見られる現象を中
心に光や音の規則性について学習している。しかし,波の要素である伝わる速さ,波長,振動数の
概念やそれぞれの関係については,この単元で学習する。
生徒の授業中の態度は大変落ち着いており,学習意欲も高い。生徒による授業アンケートにおい
ても,
「物理の授業は楽しい。
」
「物理の授業は分かりやすい。
」について全員肯定的な回答であった。
1学期当初から固定した3人グループで,実験や発表活動などを行い,役割分担をして協力して取
り組むことやグループ内で自分の考えを積極的に発言する雰囲気はできている。ただし,自分の考
えを表現する際,その表現方法が単語のみで文章になっていない場合や,相手に伝わりにくい表現
であることも多い。
(3)指導観
波は,時間と空間の2つの独立変数により変化するため,黒板の板書のような平面図だけで,波
の変化を理解させることは難しい。水波やばねに伝わる波などの観察・実験や,コンピュータによ
るアニメーションを活用して指導したい。また,波の要素である,伝わる速さ,波長,振動数(周
期)については公式をただ覚えるのではなく,それぞれの要素の概念や関係を図示させながら理解
させたい。
波については,日常に見られる波動現象の観察・実験を行うことで,生徒自身にその共通点,規
則性を気づかせ,理解させたい。
“教師が知識をどう伝えるかではなく,生徒にその内容をどう掴
ませるか。
”を意識して授業を展開する。そのためにまず『なぜ~何だろう?』という課題意識を
もたせるよう工夫する。また,生徒に自分の考えを発表させる際には,話型を例示し指導する。
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単元の目標
地震波,水波などいろいろな波について共通の性質を観察,実験などを通して探究し,波動現象
についての基本的概念や法則を理解させるとともに,それらを日常生活と関連付けて考察できるよ
うにする。
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単元の評価規準
関心・意欲・態度
思考・判断
観察・実験の技能・表現
知識・理解
地震波,水波など
いろいろな波に関
する事物・現象に
関心や探究心をも
ち,意欲的にそれ
らを探究するとと
もに,科学的態度
を 身 に 付 け て い
る。
地震波,水波などいろいろ
な波に関する事物・現象の
中に問題を見いだし,観
察・実験を行うとともに,
事象を実証的,論理的に考
えたり,分析的・総合的に
考察したりして問題を解
決し,事実に基づいて科学
的に判断する。
地震波,水波などいろい
ろな波に関する観察,実
験を行い,その基本的操
作 や 記 録 の 仕 方 を 習 得
す る と と も に , そ の 観
察,実験の過程や結果及
び そ こ か ら 導 き 出 し た
自 ら の 考 え を 的 確 に 表
現する。
観察,実験などを通
して,地震波,水波
などいろいろな波に
関する事物・現象に
ついての基礎的な概
念や原理・法則を理
解し,知識を身に付
けている。
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指導と評価の計画(全11時間)
次 学習内容 評 価 関 考 表 知 評価規準 評価方法 1 波の発生と伝わり方 (1時間)…本時 ◎ ○ ・身の回りの波動現象に関心をもち,意欲的にそれら を探究しようとする。 ・ばねを用いた観察,実験を行い,その結果から自ら の考えを導き出し,的確に表現する。 行動観察 ワ ー ク シ ー ト 発表 2 波の要素 (3時間) ◎ ○ ・波の要素とその関係について,作図をして考察する。 ・波の要素である,波長,振動数,伝わる速さについ て理解し,知識を身に付けている。 ワ ー ク シ ー ト 発言 3 横波と縦波 (1時間) ◎ ・横波と縦波の違いを理解し,知識を身に付けている。 ワ ー ク シ ー ト 4 重ね合わせの原理 (2時間) ○ ◎ ・水波実験器やウェーブマシンを用いて,観察,実験 を行い,そこから得られた結果を的確に表現する。 ・波の独立性と重ね合わせの原理を理解している。 ワ ー ク シ ー ト 発表 5 定常波と波の反射 (2時間) ○ ◎ ・自由端・固定端による反射の仕方について,作図を して考察する。 ・水波実験器やばね(ロープ)を用いて,観察,実験 を行い,そこから得られた結果を的確に表現する。 ワ ー ク シ ー ト 発表 6 波の屈折と回折 (2時間) ◎ ○ ・ホイヘンスの原理を用いて,波の屈折と回折を考察 する。 ・波の屈折,回折について理解し,知識を身に付けて いる。 ワ ー ク シ ー ト 発言8
本時の展開
(1) 本時の目標
① 波を発生させる実験をグループによる協同学習で行い,意欲的に探究させる。
② 実験を通して,波の発生と伝わり方に関する法則・規則性に気づかせ,その気づきを的確に表
現させる。
(2)観点別評価規準
関心・意欲・態度
観察・実験の技能・表現
身の回りの波動現象に関心をもち,意欲的にそれらを探究 しようとする。 ばねを用いた観察,実験を通して,自らの考えを導き出し, 的確に表現する。(3)
本時の授業の工夫点(自分の考えをきちんと表現する力の育成)
・ 具体的な課題を与え,考察の観点を明確にする。
・ 自分の考えを文章で表現させる。その文章を実験グループ(3人)内でお互いに確認させて,発
表させる。そして,その発表した文章が理解しやすいものか生徒間で判断させる。
(4)学習の展開
指導過程○・学習活動●
指導上の留意事項
評価規準
評価方法
導入 10 分 ○身の回りにある波について問う。 ・水面の波,地震波,音,光など ○水滴が水面に落ちる映像を見せる。 ○その気づきを問う。 ○波(波動),媒質,波源について説明する。 ○本時の目標を説明する。 「波の発生と伝わり方の法則を発見し,それを みんなに伝える。」 ・生徒から意見を引き出す。 ・波とは「振動が次々と周囲に伝 わる現象」であることを確認する。 展開 35 分 『生徒実験』 《課題1》 振動の仕方と波の形の関係を理解する。 次の①,②の波はどんな振動で発生する か?実験して確かめよう。 進行方向 ① 波源 ② ○課題1の内容と実験方法を説明する。 ●実験実施 ・動きが速い場合はデジタルカメラで連写して その画像から分析する。 ・3人組のグループで実験を行 う。 ・身の回りの 波動現象に関 心をもち,意 欲的にそれら を探究しよう とする。 ・行動観察 ●実験結果をワークシートにまとめる。 ・振動と波の形の関係を図示する。 ○実験結果より,振動の仕方と波の形の関係 について,確認する。 ・写真は入射波を撮るようにす る。反射波を撮った場合は,波 が反転していることに気づく ように指導する。 ・課題をクリアできていないグ ループには,振動のパターン (4パターン)を問い,ひとつ ずつ実験させてみる。『探究活動』 《課題2》 波の発生と伝わり方の法則を発見する どうすれば,次のような波を発生させること ができるか?文章で説明せよ。 A:波の高さが大きい波 B:山の裾野が狭い波 C:伝わるのが速い波 ○課題2の内容と実験方法を説明する。 ・実験グループごとに,課題 A~C を一つずつ 分担する。その分担した課題が解決した場合 は他の課題に取り組む。 ●実験実施 ・動きが速い場合はデジタルカメラで連写して その画像から分析する。 ・課題2の実験の際に気がついたことを話し合 う。 ・グループ内で意見を出し合いながら実験す る。 ●実験の結果より,一人一人が考えをまとめ る。 ●各自の文章をグループ内でお互いに確認 しあう。 ●発表用の文章をまとめる。 ・相手(全体)に伝えることを意識する。 『発表』 ●課題2について,グループ代表がその説明 文を黒板に書く。 ○ 他のグループの生徒に,その説明文を見 て理解できたか問う。実際に,説明文の通りに やらせてみる。 ○課題以外に気づいたことを問う。 ・Bの波とは,波長の短い波で ある。 ・自分の考えの説明文(文体) の例を提示して,参考にさせ る。 ・他のグループの生徒がその説 明文を見ても理解できていな い場合は,質問しながら表現を 変えさせる。 ・ばねを用い た観察,実験 を通して,自 らの考えを導 き出し,的確 に表現する。 ・発表・ワ ー ク シ ー トの記述 まとめ 5 分 ○本時のまとめ ○次回(今後)の予告 ・生徒の発表を基にまとめと予告 を行う。 [実験装置概要] ① 机にビニールテープをはる。(基準線) ② そのビニールテープの上にばね(プラスチック製)を置く。 ③ 右端を強力テープで固定し,左端を振動させて波を発生させる。 波源