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火山作用と関係ある無定形ケイ酸の性質とその応用的研究 : 第30報 天然産無定形ケイ酸の結晶化におよぼす水熱酸処理の影響

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(1)

火山作用と関係ある無定形ケイ酸の性質とその応用

的研究 : 第30報 天然産無定形ケイ酸の結晶化にお

よぼす水熱酸処理の影響

著者

島田 欣二

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

2

ページ

155-159

別言語のタイトル

STUDIES ON THE PROPERTIES OF AMORPHOUS SILICA

HAVING SOME CONNECTION WITH THE VOLCANIC

ACTION AND ITS INDUSTRIAL APPLICATION : XXX ON

THE EFFECT OF HYDROTHERMAL ACID TREATMENT UPON

THE CONVERSION OF NATURAL AMORPHOUS SILICA TO

CRYSTALLINE

(2)

火山作用と関係ある無定形ケイ酸の性質とその応用

的研究 : 第30報 天然産無定形ケイ酸の結晶化にお

よぼす水熱酸処理の影響

著者

島田 欣二

雑誌名

鹿児島大学工学部研究報告

2

ページ

155-159

別言語のタイトル

STUDIES ON THE PROPERTIES OF AMORPHOUS SILICA

HAVING SOME CONNECTION WITH THE VOLCANIC

ACTION AND ITS INDUSTRIAL APPLICATION : XXX ON

THE EFFECT OF HYDROTHERMAL ACID TREATMENT UPON

THE CONVERSION OF NATURAL AMORPHOUS SILICA TO

CRYSTALLINE

(3)

1 . 緒 論

島 山 欣

一一 STUDXESONTX皿PROPERTIESOFAMORPHOUSS皿ICA

HAVnVGSOMECONNECTIONW皿HTHEVOLCANIC

ACTIONANDIIrSINDUSTRIALAPPLI[CATION XXXONTHEEFFECTOFHYDROTHERMALACID TREATMENTUPONTHECONVERSIONOFNATURAL AMORPHOUSSILICATOCRYSTAT,TJNE KinjiSHIMADA

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PowdersamplesthatweresuspendedinthetenpercentacidsolutionofHCI,H2SO4,HNO3or

H3PO4,weretreated3hoursintheautoclaveatl50oC・

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ReceivedMay31,1962.

火 山 作 用 と 関 係 あ る 無 定 形 ケ イ 酸 の

’ 性 質 と そ の 応 用 的 研 究

第30報天然産無定形ケイ酸の結晶化に

およぼす水熱酸処理の影響

カゲルの場合と同様,水熱処理あるいは水熱酸処理を 行ない,その結晶化におよぼす影響について検討を加 えた. 前報')においてシリカゲルを水熱処理または硫酸, 塩酸,硝酸およびリン酸の5∼30%溶液に没潰し,120 ∼200°Cに3∼8時間水熱処理を行ない,さらにその 水熱および水熱酸処理を行なったものを800∼1200℃ に加熱して,シリカゲルの結晶化におよぼす水熱およ び水熱酸処理の影響について考察し,シリカゲルは水 熱処理により結晶化が早められ,また水熱処理を行な ったものを加熱すると未処理のシリカゲルに比較して 結晶化が早いことを認めた.なお,水熱酸処理では酸 素酸でない塩酸のときは結晶化が早められるが,酸素 酸の硫酸,硝酸およびリン酸では遅くなり,処理時間 の長いほど,また処理温度の高いほど結晶化が遅れる ことを報告した. さらに,本報では天然産無定形ケイ酸についてシリ 鍋.実験および実験結果 実験に供した天然産無定形ケイ酸はすでに報告した もので,(1)温泉沈殿物であるケイ華の代表例として 牧園ケイ華を2)3)4),(2)温泉作用により火山岩が変質 して生成したものの代表例として湯沢白土5)を,(3) 硫気作用により火山岩が変質して生成したものの代表 例として松尾ケイ石6)を用いた. まず,これらの粉末試料59を坂下式オートクレー ブ(ステンレス製,容通100cc)中に入れ,蒸留水ま たは塩酸,硫酸,硝酸およびリン酸の10%溶液50cc を加え,150℃に3時間保持,冷却後試料を乾燥施紙 で猫別し,10数回温湯で洗って110℃に8時間乾燥 器l-l-Iで乾燥したものをX線試料とした.さらに,この 龍 応 用 化 学 教 室

(4)

SSSSSSSSSSSS 156 1234.声。6789012 111 また,X線回折図の回折角一回折強度の最強の回折 強度を示す低温型クリストバライト(101)面および α-石英(101)面について,半値幅B7)を求めr=kス/ BCOS0なる関係から結晶子の見掛けの大きさの比較値 rを計算し,その結果を表1に示した.ただし,スは

X線の波長でCuK-1.542Aとし,えは粒子の形状

による係数で0.89とした8)9)10).表I中のルc/〃Qはα− . クリストバライトの最強線‘!=4.05Aの強度〃cとα− 0 石英の最強線‘=3.35Aの強度ノt(?の比を示すもので ような処理を行なったものの19を白金ルツボに入 れ,電気炉中1300°Cに2時間加熱したものについて

もX線試験を行ない,水熱および水熱酸処理の天然産

無定形ケイ酸の結晶化におよぼす影響について考察し た.

X線装置は理学電機社製計数管自記式のもので,30

KV,13mA,時定数2秒,計数管回転速度2.8/min,記 録紙送り速度10mm/min,計数率1600Count/sec, NiフィルターによるCuKα線を使用した.試料の水

熱処理および水熱酸処理,さらにそれらを加熱したも

ののX線回折図を図1∼図6に示した. ある. 表 1 試 料 の 処 理 条 件 と そ の 結 果 を.ををををを 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 号 2627115300300 9898999300706 ■■③申■■曲■●年●●● 0000000811136 11 原 石 蒸留水で150℃,3時間水熱処理 1 0 % H C l で 〃 10%H2SO4で〃 10%HNO3で〃 10%H3PO4で〃 S25を1000°Cに2時間加熱 S25を1300℃に2時間加熱 S 2 6 を 〃 S 2 7 を 〃 S 2 8 を 〃 S 2 9 を 〃 S 3 0 を 〃 結晶の大きさ(A) 〃c/〃Q 試 料 番 号 | 試 料 名 称 ’ 試 料 の 処 理 条 件 5戸b毎.〆b559333973 3戸b3戸、33割1ワープ]︵U﹃174, 454戸。4○4.4’333433

螺ラリハト|α石英

原 沼 『 12 蒸留水で150°C,3時間水熱処理14 1 0 % H C l で 〃 16 10%H2SO4で〃 10 10%HNO3で〃 11 10%H3PO4で〃 11 slを1300°C,2時間加熱338 s 2 を 〃 380 s 3 を 〃 373 s 4 を 〃 311 S 5 を 〃 280 s 6 方 〃 280 型酔叫型型型調加狛調、万万 2222222333323

松尾ケイ石

牧園ケイ華

湯沢白土

3.実験結果の考察 3-1牧園ケイ華の150°C,水熱処理および10%塩 ,硫酸,硝酸およびリン酸溶液による水熱酸処理物 酸, 670066963063 335433387287 333333 34u言う6789012344 2222233333333 ︹ご︹sSS︵己︵sSS︻s︹sS︵け︵ご[けS︹ご︻sSS︹け︵ご︹ごS︻妙︹己 原 石 蒸留水で150℃,3時間水熱処理 1 0 % H C l で 〃 10%H2SO4で〃 10%HNO3で〃 10%H3PO4で〃 S13を1300°Cに2時間加熱 S 1 4 を 〃 S 1 5 を 〃 S 1 6 を 〃 S 1 7 を 〃 S 1 8 を 〃 のX線回折図を図1のS1∼S6に示した.牧園ケイ 華原石のX線回折図はシリカゲルに類似し,α-クリス

トバライトの最強線α=4.05Aを頂点とする幅の広い

(5)

島 田 : 火 山 作 用 と 関 係 あ る 無 定 形 ケ イ 酸 の 性 質 と そ の 応 用 的 研 究 157 I 【 『 . O Z 5 。 、 ” ’ 十 u 寺 』 2 0 図・1牧園珪華のX線回折図(その1) 4 5 首 C Ld I Iヨ どり 垂r ro Jす げ p 占命 ユ 9 2 β 図 ・ 2 牧 園 珪 華 の X 線 回 折 図 ( そ の 2 ) w j 。 パ : 。 “ 『 ノ 。 r 里、 ニダ 2 0 図・3湯沢白土のX線回折図(その1) f 4 J ョ 『 J e J r d J p ご [ 2 0 図 ・ 4 湯 沢 白 土 の X 線 回 折 図 ( そ の 2 ) ‘ 言 上 。 ( 』 . 図・5 』 9 2 β 松尾珪石のX線回折図(その1)

(6)

158 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 . 号 2 0 諏 込 。 ぅ 目 必 。 ・ 異 F J p Z 0 2 6 図.6松尾珪石のX線回折図(その2) 勾配をもったX線回折図で,無定形ケイ酸を主成分と するものである.2の方法で求めた原石のα-クリス O トバライトの結晶子の大きさは12A程度で150.C'3 0 時間水熱処理で14Aを示し,わずかに結ilir'1の発達が 認められる.また,10%塩酸,硫酸,硝酸およびリン 酸溶液を用いて水熱処理を行なったもののうち,塩酸

の場合は’6Aと結晶の成長を認めたが,その他の酸

の場合はかえって結晶が小さくなった. 牧園ケイ華の未処理および’50°C,3時間水熱処理 あるいは10%塩酸,硝酸,リン酸溶液による水熱処理 を行なったのち,1300℃に2時間加熱したもののX 線回折図を図2のS7∼S12に示した.牧園ケイ華の 1300°C加熱物のα一クリストバライトの結晶子の大き ◎ さは338Aで,水熱処理を行なったのち1300°Cに加

熱したものでは380Aと未処理の加熱物より結晶が発

達する.また,塩酸で水熱処理を行なったのち加熱した

ものは373Aで未処理の場合より発達するが,硫酸,

硝酸およびリン酸で水熱処理して加熱したものはそれ CO O ぞれ311A,280Aおよび280Aで結晶化が遅れてい る. 3−2湯沢白土 湯沢白土も牧園ケイ華と同様,シリカゲルに類似し たX線回折図を示し,無定形ケイ酸を主成分とするも のである.湯沢向土の原石および150°C,3時間水熱 処理あるいは各種無機酸による水熱処理を行なったも ののX線回折図を図3S13∼S18に示した.湯沢白 土の場合も牧園ケイ華の場合と同様,水熱処理および 塩酸による水熱処理を行なうと結晶化が早められる が,硫酸,硝酸およびリン酸による水熱処理を行なう と結I1Ii1I化が遅れる. さらに,このような水熱処理あるいは水熱酸処理を 行なったのち,1300℃に加熱したもののX線回折図 は図4s19∼S24に示す通りで,この場合も牧園ケイ 華と同様水熱処理あるいは水熱塩酸処理を行なったの D C ち加熱したものは386Aあるいは373Aで未処理の 0 339Aより結晶が発達している.しかし,硫酸による O 水熱処理を行なったのち加熱したものは320Aで結晶 化が遅れている. 3−3松尾ケイ石 松尾ケイ石は牧園ケイ華や湯沢''1土とは異なり,純 粋な無定形ケイ酸ではなくて,玉ずい質石英やたん白 石を含んでいる.その原石および水熱処理あるいは塩 酸,硫酸,砧酸,リン酸等による水熱処理物のX線 回折図を図5s25∼S30に示した.松尾ケイ石のX 線回折図は図5に示すとおり,α‐クリストバライト とα-石英の回折線が明瞭に認められ,そのα-クリス トバライトの最強線〃=4.05Aの回折線は石英のα= 0 4.21Aと重なるため前述の方法ではα-クリストバラ イトの結晶子の見掛けの大きさの正確な比較値を求め ることはできないが,外挿法によって求めた結果を表 1に示した.また,前述の方法でα-石英の結晶の見 掛けの大きさの比較値を求めるとともに,α-クリスト バライトとα-石英の強度比〃c/AQを求めた. 水熱処理あるいは水熱酸処理によってはα一クリス トバライトおよびα-石英の結晶の発達は明らかでな いが,このような処理を行なったのち1300.Cに2時 間加熱したものでは図6s31∼S37に示すとおり, その効果が明瞭にあらわれている.すなわち,松尾ケ O イ石の原石中のα一クリストバライトは224A,1000。C O O に加熱すると226A,1300°Cでは320Aと加熱温度の 上昇とともに逐次増大するとともにα-石英は原石で 0 0 435Aであったものが,lOOOoCで419A,1300°Cで

323Aと減少する.そして,そのルc/hQは原石で0.92,

1000.Cで0.95,1300°Cで8.33と増大した.水熱処理 を行なったのち1300℃に加熱したものではルc/AQが

(7)

島 田 : 火 山 作 用 と 関 係 あ る 無 定 形 ケ イ 酸 の 性 質 と そ の 応 用 的 研 究 159 11.00で未処理物を加熱したものに比較してα-クリス トバライトの強度が強まっている.また,水熱塩酸処 理を行なったものを加熱すると水熱処理と同様ルc//zQ が11.00でα-クリストバライトの強度が強まるとと もにα-石英の強度が急に減少する. それに対して,硫酸による水熱処理を行なったのち 1300℃に加熱したもののルc/A《2はわずかに1.73であ り,硝酸による水熱処理を行なったのち加熱したもの では3.00,リン酸による水熱処理を行なったのち加熱 したものでは6.60という結果が得られた. 以上の点から,α-石英のα-クリストバライト化に 際しても水熱処理および酸素酸でない塩酸による水熱 処理はその転移を早め,酸素酸である硫酸,硝酸およ びリン酸による水熱処理はその転移を遅らせ,特に酸 素酸の巾でも硫酸がもつともその転移を遅らせる. 4 . 結 論 天然産無定形ケイ酸の代表例として,それぞれ成因

の異なる牧園ケイ華,湯沢白土および松尾ケイ石を試

料とし,これらを水熱処理または硫酸,塩酸,硝酸お

よびリン酸の10%溶液に浸漬し,150℃,3時間水熱処 理をない,さらにその水熱処理および水熱酸処理を行 なったものを1300℃に2時間加熱して,天然産無定 形ケイ酸の結晶化におよぼす影響について考察し,天 然産無定形ケイ酸はシリカゲルと同様水熱処理によっ

て結晶化が早められ,また水熱処理を行なったものを

加熱すると未処理のものに比較して結IIiIil化が早いこと

を認めた.なお,酸による水熱処理では酸素酸でない 塩酸のときは結晶化が早められるが,酸素酸の硫酸, 硝酸およびリン酸では遅くなり,特に硫酸による水熱 処理の場合はいちじるしい. また,α一石英のα一クリストバライト化の転移速度 も水熱処理あるいは酸による水熱処理で影響をうけ, 水熱処理を行なった松尾ケイ石を加熱した場合,未処 理のものの加熱よりも転移速度が早められ,酸による 水熱処理では酸素酸でない塩酸の場合は転移速度を早 めるが,酸素酸である硫酸,硝酸およびリン酸で水熱 処理して加熱すると転移速度が遅くなり,特に硫酸に よる水熱処理を行なったものではいちじるしい. 女 献 1)島田,日化,81,422(1960) 2)島田・小牧,日化,79,938(1958) 3)島田・小牧,窯協誌,62,607(1954) 4)島田・束,日化,80,1115(1959) 5)島田・東,日化,81,226(1960) 6)島田,日化,80,601(1959) 7)H、P・K1ug,L、BA1exander,.‘X-RayDiffrac‐ tionProcedures,'p,530(1954)JhonWiley& Sons、 8)W、LBragg,“TheCrystalineState,,Vol、1, pl89(1933) 9)C、CMurdock,Phys,Rev、31,304(1928) 10)B・EWarren,Zrist,99,488(1938) 本研究に際し,御指導蚊いた九州大学工学部伊藤尚 教授に深謝の意を表します.また,多量のX線回折図 を心よく作成していただいた新日本窒素肥料株式会社 水俣工場上妻博宜氏,偲田氏に感謝致します.本論文 は昭和36年4月2日日本化学会第14年会において報 告したものである.

参照

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