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随意運動の発達に関する神経心理学的基礎 : A.R.LURIAの局部脳損傷患者に対するケース研究からの覚え書き(上)

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(1)Title. 随意運動の発達に関する神経心理学的基礎 : A.R.LURIAの局部脳損傷患 者に対するケース研究からの覚え書き(上). Author(s). 藤井, 力夫. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 31(1): 47-60. Issue Date. 1980-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4832. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 随意運動の発達に関する神経心理学的基礎 -- A,R .LUR工A の局部脳損傷患者に対するケース研究からの覚 え書 き, (上) --. 藤. 井. 力. 目. 夫. 次. (上). 階層的構造. は じめに. 定 位反 射. 1. 神 経 心 理 学 A,R.LURIA. 同 期 化シ ス テム W. 因 子 分 析と再 教 育 プロ グラム. 機能局在. 統一体. 機 能 システ ム. 因 子分析. 神経 心 理学. 再教育 プロ グラ ム. 1 1 , 脳 の 基 本機 能ユニ ッ ト. (中). 基本 機能ユ ニ ッ ト 第1 機 能ユ ニ ッ ト. V, 知 覚 と 行 為 ,. 班 コ ト バ と 叙述( 1 ) ,. 第 2機 能ユ ニ ッ ト. W. コ ト バ と 叙述( 2 ). 第 3機能ユ ニ ッ ト. 欄. リ ズム と同 期. 1 1 1 . 定位反射の神経機序. (下). 相 互 作用. 以. 論 議. 皮 質一 皮 質 下 結 合. 文. 献. は じめ に. ここ数年, 目下進め ている実験の先行 研究 の一つとして, ソ ビエ トの 神経心理学者 A1 exander Romanov i in ch LURIA(1902-1977)の 研 究 業績, 主 と して 1960 年 代, 彼 が Bra N h l i e u r o s c og a py o , , Co [ r exなど国際学術誌に投稿した諸論文を読ん できた, 本稿は, 局部脳損傷患者に対する診断と機 能回復のための A.R,LU則A の神経心理学的ア プローチについて紙面の許すか ぎりコン パク トに まとめること, ならびにこの研究からすれ ば人間発達における随意性の制 限と脱却をめ ぐる問題は どのように把 握されるか以下 の諸点に関し整理すること これら2つを目的として用 意さ れた , . ( 1 ) まず, 人間行動の基礎メカニズム解明のための脳機構に関する研究にはいかなる立場 観点 , , 方法 が要請されるのか. いわゆる 《ルリヤ論争》*をめぐっ て 生理学的方法と心理学的方法の統一 , ia の ア プ ロ ー チ の 優 位性 と 問 題 点 に つ い て における Lur . i 2 l ( ) Lu r aは,《脳の機能と構造の力動 的関係》(1 ov ,P.Pav , 1932) の 理 解 を 発 展 さ せ た も の と し て 《脳の基本機能ユニッ ト》 を提起する が はたしてそれが 人間発達の物質的基礎として制 限か , , 47.

(3) . 藤 井. 力. 夫. ら脱却への内的 (生理学的) 必然性を説明しえるものになっ ているか どうか, これに関するいくつ i かの前提的整理, とりわけ Lu r aの脳機構における定位反射機序の位置づけと問題点に ついて. ( ) さらに, 局部脳損傷患者に対する再教育 プロ グラムと機能回復の諸事実はきわめて貴重 で 3 , 発達研究に 多くの示唆を提供してく れるが, あくま で成人の神経力動 であっ て, 発達途上にある乳 幼児のそれとは質的に区別されねばならない. 行動変容の内的メカニ ズムとしての乳幼児の神経力 動を対象としつつ, 発達研究が制 限から脱却 への様相をバラ ドキシカルに解明 できるためにはいか *にからませて なる点がポイントとなるのか. 随意性の制限と脱却をめくっ て現在進めている実験* 整理すること. l i rt * Lu a(《生理学と心理学的科学》1 97 ) と M.M.Ko 5 ) s o va(《高次神経活動研究の若干の原則的問題》19 7 6 でなされている論争で, つぎの論文 で紹介されている. 広重佳治 《現代ソヴィ エトにおける条件反射学研究の現状 l と問題点 -- 脳機能の研究方法をめぐる 〈ルリヤ論争〉 とサイ バネティ クスの適用 --》 心理科学 Vo ,1, No .1, 1977 pp .24-30 . * * 藤井力夫 《随意性の制限と脱却をめぐる問題 -- 3つの予備実験についての中間報告 --》 北海道教育. 大学附属札幌小・中学校特殊学級研究紀要 第9集 pp 8 .1-1 , なお, 現在進めている実験はつぎの3つである. ( 1 )《知覚と行為》 をめぐる制限と脱却の様相解明のための, ハメ板課業 (1~3歳) と変形ブロック課業 (3~ 6 )《コトバと叙述》 をめぐる制 限と脱却の様相解明のため 》 の解析.( 2 歳) からみた《お手つき行為(外的定位行為) 叙述 3 )《歩行とリ ズム》 をめぐる制限と脱却の様相 三びきの子 《 》 の解析.( 〉 再生話課業からみた 対話的 ぶた の,〈 解明のための, リズム運動課業ならびに階段・平衡板歩行課業からみた 《随伴動作》 の解析.. 工. 神経心理学 《A,R,LURIA》 神経心理学という聞き慣れない学問が個別 科学の一 つとして 認承されたのは ごく最近のこと で, 前世紀末以来の失行・失認研究の蓄積 を背景に国 際学会 が組織され, 学際誌 NEUROPSYCHOLOGIA が発 刊 (ロ ン ドン) さ れ た の は 1963 年 の こ と であ っ た ,. 神経心理学とは い かな る学問か. Luria は, 学際誌 NEUROPSYCHOLOGIA の編集委員の1人と 965年と1 966年, この学問に対する一 つの規定をおこ なっ ている (〔12 して, 1 〕 〕)* ,〔14 . それは, lds in te K l t 《神経学における危機の時代》 として知られる1 920年代に活躍 した2人の先駆者, u Go t 89 6一1 (18 78-19 65 ) とL 934) に対する論稿 で, この学問の論理的規定に対する sky (1 .S .Vygo l i i ds Lu i t nは 古典的な《狭い局在論》 克服の r r aによれば, Go e aの 整理としてきわめて興味深 い.Lu ) ために臨床的接近を重視し, 現代の神経心理学の基礎を築いたが(《症候, その起 源と意味》1 925 , 基本的には 《全体論》 との間を波動 し, Vygo t sky は, 高次精神 諸過程の機能と発生の観点から 《力 i 動的な機能システム》 として脳機構の問題に接近したという. まずは, Lu r a自身に, 神経心理学の 論理的規定を語っ てもらうことにする. IA ) * 他にCORTBX 誌上での規定として1 96 4〔8〕(樽脳損傷の局部診断にあっ ての神経心理学》 ,PSYCHOLOG 誌上 では196 〕(《神経心理学と行動科学・医学に対するその意義》) がある. 7〔19. 《機能局在》. 人間たるゆえんとしての随意性は, 長く身体に対する精神の干渉行為として 《精 神の深部(霊魂) 》 に求められるか, 生体 のある部位ないし脳の限局した部位に 《局在》 させられて l l icke の き た (た と え ば, F.Ga oca の 運 動 言 語 野, 1873 年 K.Wern , 1796 , 骨 相 学) . 1861 年 P,Br. 聴覚言語野の発見は, 後者の生体に関する自然科学的認識に大変革をもたらした. が, 運動や感覚 48.

(4) . 随意運動の発達に関する神経心理学的基礎( ) 1. の要素的機能に対す る 《局在》 発見は, 同時に半世紀以上にもわたっ て 高次に複雑な精神的 諸機 , 能についても 《機能地図》 を作成させるという誤りをおか した ジャ クソン・テンカン で知られる , J 34-1 a cks 8 on(1 911 ) は当時す でに複雑な精神 諸過程をも狭く局在させることに 反対し 《脳 ,H .J , の機能水準》 という観点から接近すべきだと主張して いたが (《脳の特質について》187 4) この立 , 場からの展開には1 920年代の 《神経学における危機》 を待たねばならなかっ た すなわち 古典的 , , i な《局在論》 でもなく,《知性論 noet 》 的精神主義 でもない新 しい接近方法を見い出せるか否か c . この危機の 時代に一つの方向を模索したのが Ku l ds i tGo t r e n であっ た. 彼は, 要素的な生理的 諸 《機能》 (皮膚感覚, 視覚, 聴覚, 運動など) の局在については事実だが この局在原理を複雑 な随 , 意的精神 諸機能にま で拡大させることに は疑問を呈した 彼によ れば 《意味》 や《範噌的行為》と , , いっ た人間の複雑な精神機能の現象は脳活動全体の結果 として最 高水準のもので それゆえ彼は , , 皮質の個々 の部位 ではなく, 精神活動に巻き込まれた 《脳のマス》 に依 拠しているということを豊 富な臨床 データから立証しようとした (op * が i t 925 927) ,C .1 , 《脳皮質の機能局在について》1 . ,. 《局在論》 ならびに 《失廿性論》 に対する Go l ds i t e nの正当な批判と克服の 試みは, 他方 で《未分化 な 全体 (マ ス) としての脳》 という新たな装 いのもとに 歴史上再三あらわれた身体に対する精神的 , * 本性, 二元論的認識を復活させることになっ た (〔1 4 〕 〕 pp )* ,25-26 , 〔37 , * 1925《症候, その起源と意味》 と同様 第1次世界大戦中の脳損傷患者に対する8年以上にわたる臨床観察か , らの整理, i ** Lu r aは二元論的復活の典型として,K h l s ey柳逝機構と知能》(1 l 92 ds inにおける《意 9 )をあげる.Go t ,S ,La e 味なり 《範鴫的行為》 の提起の背景には局部脳損傷患者における行為の 《準備性》 の欠除に重点があったものと考 えられる(《精神病理学からみた人間》1 9 4 7 957 pp ) 3 , 西谷三四郎訳 誠信書房 1 .62一6 , とするなら《準備性》 についての脳機構の解明が要請されるが, これに対し《未分化なマス》に求めるだけでは Lu i aの批判も不当とは , r 言. え な い,. 《機能システム》. この危機を心理学の立場から再検討し脱出 しようとしたのが L t sky .Vygo , ,S であっ た (たとえば, 《心理学と機能の局在》1 934 ) 再検討 彼 にあたり 機能局在を はまず めぐ , . , る極端 な唯物論と唯 心論の波動の根本 原因を精神活 動 の起 源に おけ る 一面的 な理解に求め た . Vygo tsky は 言 う .. 《機能局在の起 源は, 奥深い魂な いし神経組織の隠れた特 生に求められるべき でなく 精神活動 , それ自身に起源を持ち, 生体 の外部, すなわちそれとは別の客観的な社会的・ 歴史的存在に求め られる. 人間の歴史的発達過程 で新 しい諸機能 が発現するという事実は 皮質に新しい機能結合 , を形成するということを意味するのみならず これらの機能システムの構造 をも変化させると考 , えられる. 初期発達段階 では複雑な精神活動 はより要素的な基盤 をもち ごく基本的な機能に依 , 存しているが, その後の発達 ではより複雑な機 能システムを獲得するだけでなく システムの構 , 造自体 の変化 で高次な型の精神活動が実現されるよう になる この機能システムの形成と変化は . , 他の動物にはみられず, その創造は脳の限りない発達の手段となっ ている 人間の皮質はこの原 . 理により教化の器官となる, すなわち, 脳機構それ自身で限りなく可能性 を内包しているととも に, たえず新しい形態学的器官の創出を必要とせず, 新しい機能に対する要請と経験 が蓄積的に 新しい力動的なシステム, を産出させるのである, それゆえ, 人間の随意的な 高 次精神 諸過程は , 起源において社会的 であるとともに, 構造にお いてシステム的で 発達にお いて力動的 である , , したがっ てまた, 人間行動の物 質的基礎は,u共働 した内的で目に見えない関係のもとで新 しい課 題にた ちむかうことのできる高次に分化した皮 質 ゾー ンのシステム″ に求められて然るべきであ 49.

(5) . 藤. 井. 力. 夫. t る》 (Ci ,390-392) .by 〔12〕 PP .. 《神経心理学》. では,《複雑 で力動的な機能システム》 としての脳機構は具体的には どのように. 発 揮 さ れ て い る の か. Vygot sky の 提 起 は 実 際 に は 残 さ れ て き た. こ の 解 明 に 向 け て の 新 し い ア プ ia は 《神経心理学》 の重要性を指摘する その契機は, 第2次世界大戦中におけ ロ ー チ と して, Lur .. 〕 00例以上におよぶ戦傷脳損傷患者に対する機能回復の問題に直面して であっ た (〔6〕 る8 , , 〔32 i L 〔35 〕) u r aは言う . . 《我々 の局部脳病変患者の観察からすれば, 外見上はまっ たく異なっ たようにみえる精神諸過程 が内的には密接な関係を持っ ているということ. たとえば, 空間関係把握, 計算能力, 複雑な論 理・文法構造の理解といっ た非常に異なっ た精神諸過程が, 原則的に共通な環を持っ ている. す ぐには同意 できないかもしれないが, 左半球の頭頂- 後頭 (頭頂下部) 領域の病変は, 事実ほと ん どこれら諸過程の障害を帰結する. こ れは外見上, 質的に異なっ たかにみえる諸機能が実際に は共通の因子を含ん でいることを意味する. それゆえ, これら共通因子を識別することは機能回 復に不可欠 であるのみならず, 高次精神諸過程の力動 的な内的構造 (機能シ ステム) の 理解に道 ) 〕 pp 7一78 を開くことになる》(〔30 .7 . 局部脳損傷患者の行動変化・解体のみならず, 機能障害の因子分析と機能回復に向けての再教育 プロ グラム の実際から, 人間行動の基礎として脳機構の内的メカニ ズムにア プローチする学問, こ ia の 規 定 す る 《神経心理学》 で あ っ た. れ が Lur. 1 1 . 脳の基本機能ユニッ ト 1 5日にかけて パリ で, UNESCO はIBR0(国際脳 968年3月11日から1 i 研究機構) との共同シン ポ, 《脳研究と人間行動に関するシンポジウム》 を開催した. Lu r aは特別 《基本機能ユニ ッ ト》. 講演の1つを担当し, このシン ポジウムの主テー マ,《脳研究と人間行動》について報告した(〔22 〕 , * 〔25 〕) . Lu i r aは言う,《人間行動の特性と しての随意な諸機能は脳機構の力動的な一群により どのように 実現され, かつまた各皮質 ゾー ンはその機能システムの実現においていかなる役割を発揮している か, 我々の認識の基本的源泉 であるところの局部脳損傷患者に関する詳細な研究は, 従来の実験に おける理解とはまっ たく違っ たそれを提供してく れる》(〔25 〕p ,4) . こ れが彼の設定 した論題 で あ っ た,. あらゆる種類の精神活動の実現に不可欠なもの,その物質的 基礎としての《自動調節システム》は ia に よ れ ば 少 なく と も そ れ は 3 つ の ブ ロ ッ ク な い し 基 本 機 能 ユ ニ ッ ト か ら な い か な る も の か.Lur ,. り, その構成と役割はつ ぎのように整理される. すなわち, 一つは, 脳幹上部のシステムや網様体 システム, ならびに古い皮質 (内側・基底部, 辺縁系) を含むところの, 大脳皮質の正常な働きの ために必要な一定のトーヌスと覚 醒水準を保障する第1機能ユニ ッ ト. つ ぎに両半球の後部, すな わち頭頂, 側頭, 後頭部皮質からなる, 触覚, 聴覚, 視覚分析器を通して入来する情報の受容, 加 工およ び貯蔵を保障する第2機能ユニッ ト. さらに, 両半球の前方部とりわけ前頭前部皮質の関与 による運動と行為の プロ グラミング・処理過程 の能動的調節, ならびに行為結果に対する当初の企 図との照合と再認調節を保障している第3機能ユニッ ト. 5 〕 6 〕) この提起の骨子はす でに1 970 9 60年前後に構築されていたが (とりわけ 〔1 , 〔1 , その後1 i 8 〕 年代にかけて Lu 〕 r a自身その関心を 《記憶と注意》 をめくる問題に移行させており (〔33 , 〔3 , 50.

(6) . . 随意運動 の発達に関する神経心理学的基礎( 1 ). 〔40 〕) ia の 脳 機 構 の ベ ー ス に な っ た , こ の 意 味 でこ の 期 の 整 理 は 重 要 な 位置 づ け を も っ て い る.Lur. 事例研究ならびにその優位性 と問題点は後述 (W~服) することにして ここ ではその構成のみ概 , 括する. i * 他の特別講演はつぎの2つであった, S l l rJohn Eccl esと N.E.Mi erに よ る 《神経細胞から心へ》 .Lambo ,T による 《脳機能の調節による文化と行動》 .. 《第1機能ユニ ッ ト》. これに関係する部位自体 に腫壕, 出血などなんらかの損傷を受けても , 患者は, 視知覚の障害, 聴知覚の障害も生 じないし, 他の感覚面の欠陥も特定的に生 じない 患者 . の運動面, 言語面も保持されており, 患者は過去 の経験 で得た知識を一定に駆使 できる ところが , , 皮質の働きとトーヌスの調節は低下し, 独特の障害を呈する すなわち 患者の注意は不安定 で . , , 病的に常時, 疲労しやすい状態になりいわば 《半睡眠》 といえる状態に落ち入る また 患者の感 , . 情生活が変化 し, 無関心になるか病的な不安状態 が続く . i(1949) こ れ ら は, H.W.Magoun z , G.Moruz は じめ 多く の 研 究 者 に よ り こ の 20 年 間 詳 細 に 研. 43 2. 究されてきた賦活システム(脳幹網様体が介在) , ないし目下解明さ れつつある同期化システム (海 馬の役割りが注目 されている) の障害に起因する l ものと考え られる.E.N.Soko ov(《定位反射の神 経モデル》1 960 ) らの研究によれば, 定位反射の メ カ ニ ズ ム は こ れ ら シ ステ ム に よ り 実 現 さ れ て い. ることは確実 で, それゆえ, これら部位の損傷は, 知覚や運動の装置自体は変化されないとしても,. その組織だった流れ(相互作用) が破壊され, 正. 吊なぜ斐零そさ¥思考の選択性 ・ き失われる !. も -?繁談議 歳 謙背デ二番畳. 卿靴 鰐に漆 争 議 滋 ご 叢 潔 俺. 情生活の障害はみられない”患者の意識は完全に 保たれて 卿 , 注意も以前と同様に集中できる.. 喬 隊 闇は謎 縦 が灘- 罪 ,. B 長激 増灘隠=灘 擬撫霊巻 さ f. 麗饗澱墓園総裁隊鐘 g鰍灘灘霞 . ‘ ‘. 欝競繕鰹繋. 濃艶糖繋 ぎ. - - ‘, U 離郷 踊躍韻謝墓醗,撫 鰯難題 霞薬種艶 ー′ “. ‐ 罰召め 鞭 墓 園国璽騒蕎麺. だが, 入来する情報 の正常な受容, 加工, およ び 保 持 は 奪 わ れ る.. これらの部位の損傷により引き起こされる障害 は, 高度に特殊な性格を持っ ている, 通常, 第1 次感覚野と呼ばれる視覚, 聴覚, 体性運動感覚の 各領野は, それぞれ皮質の外側に局在 できる だ , が, 今日の細胞構築学の知 見からすれば, この感 覚情報の受容部 (第1ゾーン) だけ でなく, 情報 を組織しコー ド化する第2ゾー ン, 各種受容器か. F ig.・ 大脳皮質の核.核外ゾーン 囚 外側 面 . ,. 旧)内側面. 記号, ◎(視覚) , 園(聴覚) , ◎(体 ゾー 急( 性感覚) 運動 )の各核 ンを示す:うち , 大きい印は第1次ゾーンを示す. オーバラッ プ・ゾーン(頭頂-側頭-後頭領および頭頂下 部) は多重記号で , 前頭前部は変形三角形 で示 す, 辺 縁系,島領域,系統発生的に古い皮質 ゾー l t 〕 ンは破線で示す.(Af e rG.1 yakov 〔15 .Po. 4 3 ) p .. ら の デー タ を オ ー バ ー ラ ッ プ さ せ る 第3 ゾーンの i 存在が仮定 できる(F g .1) . これは狭い意味での 51.

(7) . 藤. 井. 力. 夫. 《局在》 ではない. 《力動的な機能システム》 としての 理解 である. 事実, 脳の後方部第1ゾーンの病変は, 視覚や聴覚などの特殊な感覚様式の障害だけで, 複雑な 行動形式は変化され ない. 第2 ゾーンの病変はより込み入っ た障害を帰 結し, 感覚刺激の分析機能 が損なわれる, というのは, コー ド化システムが損傷されるからで, この 部位の病変は, 特定感覚 ・ が, それは他の行動過程には及ばず, 刺激に対する反応としての正常な行動過 程の解体へと導く. それゆえ病変の局在判定にあたり一 つの 根拠となる. 第3 ゾーンの病変はいっ そう興味深い. 一 見無関係と思える諸機能が同時に障害される. すなわ ち, 空間の視覚的定 位障害 (左右関係など) だけ でなく, 算数操作や文法・論理的操作が同時に損 傷される. それは, 各種感覚分析器からの情報を一つの文脈として総合 できないからで, この 部位 の病変は同 時マトリ ッ クスとしての入力 機構の損傷を帰結し, 複雑な問題 処理に対する操作能力を 奪うからである. 大脳半球前方部皮質における損傷は, 前二者のユニ ッ トとは異なり覚醒 《第3機能ユニ ッ ト》 障害や情報受容の 欠陥を生起せず, また言語 行為も一定に保持されて いる. が, これらの患者は, を帰結する. この領域の 運動行為とその プロ グラムにおける目的 志向的な活動の面に本質的な障害. 後部, 中心前回が損傷された場合, 患者は病変とは 反対側の手ないし足などの随意運動障害を受け る. 病変が運動前野 (中心前回に直接隣接した第2皮質 ゾーン) に限局した場合は, 四肢のトーヌ ● スは保持さ れるが, 運動の時間的な組織化が困難となり, 運動のモテリティ 性 (スピー ド , スムー ・ 前頭前部はじめ複雑 ズ, 適合性) が失われ, 以前に獲得した運動習慣は崩壊 してしまう. さらに, な損傷は, 運動の流れを比較的保 持していたとして も, その行為は プロ グラムに従うことをやめ逸 脱 して しまう, 患者は, 課題遂行に必要な一定の プロ グラムに従っ て意識的に目的的な行為をする ことができず, 個々 の印象に対する衝動的な反応, ないし惰性的なステレオタイ プの反応に陥っ て しまう. それゆえ, 行為の結果と最初の企図との照合・再認が困難 で, これに関 係したメカニ ズム, すなわち行為の 結果に対する批判的修正と行為の流れに対する自己調 節が不可能となる,. m. 定位反射の神経 機序 i r aの3つの 基本機能ユニ ッ トについてまとめた. 脳の構成 以上, 概括的だが, Lu 体 どれ1つとっ てもそれだけ で人間行動の複雑な形態を保障しているわけ ではない一 脳機構の 各部 な役割を発 位は協 同して行動の組織化に参与 していると同時に, 力動的な流れのなか で高度に特殊. 《相互作用》. i a は 脳 機 構 の ダイ ナ ミ ズ ム を 整 理 す る と と も に, 3 つ の 基 本 機 能 ユ ニ ッ 揮 し て い る.こ の 意 味 で Lur. トの相互作用に人間 行動の物質的基礎を求めたの であっ た. 0年間, 脳機構をめ ぐる問題についてさま ざまに 論議されてきた. その代表は時実 日本 でもこの 2 968 ) だが, 彼の所説, 《3 つの統合系》*を基礎とする 《本能充 - - 962 逝と人間》1 利彦 (《脳の話》1 ,《 足》論や《前頭葉開発》論は,多くの話題を提供した.すなわ ,ち,《辺縁系に宿る欲情の心》 ,《集団欲にま ら彼独特 の こ な が ど 教育 》 やる気を育てる つわる宿 命》 . , れ ,《 , 《殺 し屋の血潮た ぎらせる前頭葉》 表現は, たんに啓蒙書の範囲にとどまらず, 生理学上の微細な事実を概念的に拡大させたものとし * * て, さらに彼の脳 機構の理解, 《統合系》 に内在した問題として, もはや疑問視されている . そし て現在 では, 失行・失認研究の再検討は じめ, 動物実験からの皮質連合野の結合に関する解明, な らびに 随意運動の機構に関する研究な ど, 急速な進展をみせ, 脳機構についても新たな仮説が提起 さ れ つ つ あ る*** , 52.

(8) . 随意運動 の発達に関する神経心理学的基礎紅). * 時実によれば, 脳機構は, 《生きている》 ことを保障する脊髄・脳幹系 《たくましく生きていく》 ため の大脳 , 辺縁系,《よりよく生きていく》 ための新皮質系 といった3つの統合系からなるとする こうした擬人的表 現は, , . 高度に専門的著作, 《生理学大系V, 脳の生理学》(197 0 97 岩波書店 6 ) でも用いら , 医学書院) ,《脳と神経系》(1 ,. れる. ** たとえば , 宮田清《大脳生理学と人間観 -- 時実利彦氏の所説への疑問》科学と思想,No 97 2 3- .4,1 .6 ,pp 77. *** 失行・失認研究の再検討については 《神経研究の進歩 特集 失語・失行・失認 Vl 》( o,21 , 97 ) 7 , , .5,1 ,No 誌上の大橋博司, 山鳥 重, 浜中淑彦らの諸論文 連合野の線維結合等に関する実験としては 《神経研究の進歩 . , , 特集, 大脳連合野》(Vo i 1 977 ) 誌上の平田幸男, 川村光毅, 川村祥介らの諸論文がある 参照された ,2 .5, 1 , No , い. なお, 脳機構に関する新しい知見としては,《科学 特集 行動と脳》(Vo l 97 ) で, 大島知一が 7 , , .47 .4, 1 , No 《3段階仮説》を提起している. これは日本では数少ない定位反射の機序をベースに整理したもので 注目される , ,. 《皮質一皮質下結合》. 脳機構についての理解がいかにす ぐれていようとも それが人間をとり , まく社会的諸関係の総体か ら切り離したもの であっ たり また 生理学的諸事実のコン パクトな整 , , 理だとしても, それが微細な諸事実に対する性急な概念的拡大だとすれば たえず道を誤る すな , . わち, 《脳の一人歩き》 で, Lu i r aの整理と いえ ども, そうした危険 がないわけ ではない . i では, Lur a の 場 合, 脳 機 構 の 整 理 ・ 《3 つ の 基 本 機 能 ユ ニ ッ ト》 においてそうした危険に落ち入. らない歯止め は どのように用意されているのだろうか 《機能局在》 や 《歴史的・社会的存在と して . の人間》 などについての彼の理解に ついては 神経心理学への規定です でに述べた ここ では 生 , . , 理学的諸事 実に対する知見, すなわち, 彼が人間 行動の物質的基礎 として 《基本機能ユニ ト》 を ッ 提起する時 の, その相互作用の内的必然性に関する生理学的根拠を問題 とする 少なくとも 1P . , ,, Pav l ov 以降, 古くて新 しい問題,《皮質-皮 質下結合》をはじめとする神経系の力動性 や可塑性に対 する彼なりの整 理が要求さ れる* . これに関連するも のとして, パリ でのシンポジウムと同年 《モスクワ大学哲学研究》 誌に 《現 , , * ここ で書かれている内容の生理学 代神経心理学からみた反映過程》と題する論文を発表してい る* . ・ 的根拠は大きく2つからなっ ている 1つは細 胞構築 学からみた脳の階層的構造と様式特異性の減 . 少の法則, もう1つは, 前頭葉損傷患者の 定位的基礎 の障害に関連 した定位反射の神経機序 である . i * Lu r aは言う. 《これまで反射弓の統合機能の基本法則と条件反射のそれについての認識に制 限されていた》 《現在, 脳のシステムに関する神経生理学的事実, とくに単一ニューロンの活動に関する研究 シナプスレベルでの , 興奮の伝達についての発見, さらに記憶痕跡の生物化学的基礎に関する研究 これらからの諸事実は脳の基本的メ , カニズムについての分析を不動のものとした》(〔2 2 〕 ,1-2) , pp . ia に よれ ば 本 論 文 は 《V 1L ** Lur i n nの提起した理論問題, 反映の問題に関して, 認知理論の立場から心 , , .. e 理学, 生理学, 神経心理学の最近の知見を整理すること》(〔 31)p 1 )を目的として書かれた, 構成は,1 l ,6 ov ,P .Pav の条件反射機構以降のニューロンレベルの研究の簡単な紹介と 細胞構築学からみた脳機構について ならびに定 , , 位的基礎を障害された局部脳損傷患者の特徴について からなっている なお 本論文は 坂野登との共訳で 1 0 , , , , , 97 年, PSYCHOLOG工A に 投稿さ れて いる ,. 《階層的構造》. たんなる 《機能地図》 にかわる脳機構の細胞構築 学的基礎を Lu i aは皮質の , r 各 ゾーンの層的構造 (第1, 2 3 ゾー ン) とそこにおける 《様式特異性の減少 に 求 め た , 》 . これ に関する最初の体系的叙述は, 1 96 2年, 《人間の高次皮 質機能》(〔1 5 〕) で, 第1部 第2章 《大脳皮 質の構造機能に関する現代的デー タ》のみその専門家にゆだね 共同研 究者 G 1Pl k , .. oya ovに展開し て も ら っ て い る 以 下 Po l yakov の 整 理 を 概 括 す れ ばつ ぎ のよ う に な る . , .. 皮 質の神経細胞 が6層 構成 になっ て いること は 古く か ら知 られて い る (S R Cil . , aa, 1904 , ,B 53.

(9) . 藤. 井. 力. 夫. て K,Br odmamn (1908) ら は, 《脳 地 図》 を作成した. が, 近年 l l Cm3pbe , こ れに依 拠 し , 1905). の染色法とりわけ電子顕微 鏡の開発による細胞構築学, ならびに微小電極法をはじめとする電気生 i 法則》(F g .2) を 理学の進歩からすれば* , 皮質における階層的構造とともに《様式特異性の減少の. 仮定できる. たとえば,視知覚に関係する部位を例にとれば, つぎのように なる. 投射領域とされる 第1次ゾー ) は W層細 胞(求 心性層) 7 ン (Brodmamn area1 が 高 度 に 発 達 し て い る が, 第 2 次 ゾーン 1層, (Br ) はW層 細胞から1 odmmm a rea1 8 , 19 ゾー この 位置を譲 ている 1 1 1層細胞へと主要な っ . ンを構成している圧倒的多数のニュ ーロン (短い 突 起 を も つ 連 結 ニ ュ ー ロ ン) は, 第 1 次 ゾー ン の. ニュ ーロンのように 繊密に特殊化されている特質 をもっ ていない. それらは, 個々の 分解された特 性 ではなく, 感覚様相に特異(視覚, 聴覚, 触覚) な刺激の全複合に反応することが多く, さま ざま な感覚刺 激に 多重に反応する性 格をお びているも のもある. こう した諸事実は, 下位の皮質下の 神 経核あるいは皮質の 第1次ゾーンからやっ てくる 刺激を結合し, 一定に移動可能な《機能 パターン》 へとコー ド化することに 関与しているものと判 断 でき る** . ea37 第3 次 ゾー ン (Brodmamnar , 39 な ど) は 1 1層 細 胞 か ら な り,ま っ 1層,1 ほ と ん どす べ て こ の1. たく感覚様式の特異性をもっ ていない. この領 域 のニューロンの大部分は多重的性格で, 各感覚様 式の刺激情報をオー バーラッ プさせ 結合している も の と仮 定 でき る. 換 言 す れ ば, こ の オ ÷ バ ラ ッ. 2 1. 一. Fig.2 大脳皮質 の第 一次, 第二次, 第三次 ゾー ンの相 互結合につ いての模式図.1:第一次 (中 枢) ゾー ン, 1 1: 第二次 (周 辺) ゾー ン, m: 第三 次 ゾー ン (諸分析器のオー バーラ ッ プゾー ン) , 1:受容器, 2:効果器, 3:感覚神経節 ニ ュ ーロン, 4:運動ニ ュ ーロ ン, 5, 6:脊 髄 お よ び 脳 幹 で の 切 り 換 え ニ ュ ーロ ン, 7 ~10:皮 質下組 織の切 り換えニ ュ ーロ ン, 11 , 14:皮質下からの求 心性繊維, 13: 第V層 の 錐 2 3亜層 の錐体細胞 1 1 1 1 1 体細 胞,16: 第1 , , 8: 第1 2 第1 1 亜層 の 錐体細胞, 12 , 15 , 17:皮質の星状. 細胞. 実線1一皮質の投射的 (皮質-皮質下). 結 合 系 (1-3-5-7-11一12一13- 4- 2) 1一皮 質 の 投 射・ 連 合 結 合 系 (1- ,実 線1 3-5-7-8-14一15一16一19) , 実 線 m- t 9一17一18)(Af r G.1 皮質 の連合結合 系 (1 e . 1 k Po ) 〕p 46 ya ov . ,〔i5 .. プの機能により, 各種分析器から継時的に入っ て く る信号を同 時的に働く 一群の 信号 へと変 換さ * * * せ, 同時的・空間的な図式に統合している ものと考えられる .. f i l d& H.J 4 ) の大脳皮 95 r(1 a s l l e l pe Po ) の神経元検査による実験, W.Pen 94 3 och(1 yakov は, W,S .McCu 電極法実験を例にあげてい ズミ 0 l d に対する ) J ( 1 5 9 のネ 9 i t 56 ) の生化学的実験, . s r an z(19 sk 質刺激実験, し,We *. l l ochの実験は, ストリキニンを用いて皮質の各ゾーンを刺激したもので, ) 9 5 〕pp 9一6 る(〔1 .3 . そのうち, McCu 第1次ゾーンに対する刺 激は最も近接した皮質にしか作用しないのに対し, 第2次ゾーンのそれは遠く離れた隣接 ゾーンに興奮が伝導することを明らかにした実験. i r aは, 1層に《水平的》 な皮質問結合, ** 6層構成のうちまだ充分に検討されていない1層とW層に対し , Lu 〕) 〕 37 班層には皮質と大脳の深部位とを結びつける植物性細胞からの投射を仮定している (〔15 ,〔 . 図式を介し *“ Lu 行 すなわち言語の内的 象徴的過程の水準への移 i r aによれば, 直接的実体的統合だけでなく, , ゾー 役割が不可欠で 第3次 ンの活動と 現にあた ての 記憶としての貯蔵など これらの実 っ , た抽象的思考, さらには , この問題の解明のためにまずは, 後方部第3次ゾーン病変のみならず前頭葉病変との関連で接近すべきだとする. 68年の前記論文 《現代神経心理学からみた反映過程》 では, 主題絵 《予期せぬ帰還》 に対する患者(後方 そして19 54.

(10) . 随意運動の発達に関する神経心理学的基礎( 1 ). 部病変患者と前頭葉病変患者)の反応の差異と定位的基礎の障害の特徴が比較検討されている(〔3 1 〕pp ) .67一74 .. - 《定位反射》 ーュ ーロ ンの成熟・髄鞘化 (ミェリン化) の過程が皮質の各部位 で同様に進行す るのではなく, 第1次(投射) ゾーンに相当するところはかなり早く成熟するのに対して 第2 次・ , 第3次ゾーンに該当する領域 では一定の時間を要 し, ある場合には7-1 2歳ま で続く, これは既知 1 i 927) i の事実だが(P らが依拠した皮質の階層的構造と様式特異性の減少の法則は, e chs r a g , .F ,1 ,Lu この順序性の理解をさらに発展させたものとして評価 できる. Lu i l r a自身, Po yakovに 執筆しても らっ たこの部分をその後自ら叙述するにあたっ て (《脳の働き》1 97 3 ) , これをいっ そう重視し, こ の法則を基軸 に他の原理, すなわち 《体部位局在の原則》 《 機能の偏在化 の進行 (優位半球) の原 , * 則》 を位置づけ展開している (〔37 〕 pp 7-79 ) .6 . だが, これだけでは髄鞘化の順序性や皮質の後方部の情報処理過程に対する細胞構築 学的基礎は 整理 できても, 《力動的な機能システム》 としての脳機構をめ ぐる問題 《能動的な自己調節システ , ム》 としての力動性や可塑性・ 学習といっ た問題 の生理 学的根拠を得たことにはならない . i それゆえ, Lu r aは, 他方 で急速に解明されつつあっ た《定位反射の神経機序》 に関する電気生理 l 学的諸事実に大きな注意を払っ た. 定位反射は1 91 0年1 ovにより, 外界の変化に対する能 .P .Pav 動的・選択的定位を説明するものとして 《なんだろう反射》 と名 づけられたものだが, 1 960年から * * 1 970年にかけてその神経機序が解明されつつあっ た . この神経機序 が解明されれば, 外的刺激に 対する能動的選択性・慣れのメカニズムのみならず, 脳機構の理解の面 で,Pav l ov自身《垂直結合》 から《水平結合》 へと悩ませたように, 《皮質一皮質下結合》 をめぐる問題に対して現代的な一定の ** 回 答 を用 意 す る こ と に な る の であ っ た* ,. Lu i r aによればつぎのように整理される. まず第1に, この間の定位反射機序に関する研究は, こ れまでの睡眠・覚醒反応をは じめとする脳幹網様 体系の働き についての解明 をいっ そう 発展させ た. たとえば上向網様体の賦活作用についていえば, これま での研究では感覚様相の面で非特殊的 で全感覚系に全般的に作用するということは指摘されてきたが, 特殊的・選択的な側面については 定かではなかっ た. これに対し, この間の研究は上向網様体は全般的に賦活すると同時に特殊的・ 選択的にも賦活するということ, しかもその選択性は, 個々の感覚過程になされるというよりも , 食餌反射系, 防御反射系, 定位反射系といっ た個々の基本的な生物的体 系に対して発揮されるとい * * * 第2 この選択的な賦活イン パルスは同時に 他方の下向賦活網様体の うことを明らかにした* , , , 活動の起点となっ ており, 定位反射機序からみたこの関係の解明は 《皮質一皮質下結合》 の様態を 具体化させることになっ た. すなわち, 賦活網様体 の下向神経線維は, 大脳皮質, とりわけ前頭葉 の内側部, 内側基底部領域とその辺縁系領域からはじまる が, その活動の起点の大部分は, 大脳辺 縁系 ゾーン(海馬)と基底部神経核(尾状体)にある特別 なニューロン・ グルー プ で,これらのニュ ー ロンの介在により刺激に対する 《選択的な慣 れ》 が実現されていること が実験的に証明された こ . れは, 皮 質の活性状態の修正のみならず, 行為に 対する皮質の準備を制御する装置として, 皮質と 皮質下の形合形式 (垂直性) を説明する現代的な一つの回答となっ ている 第3に こう した構成 , . 機構のなか での前頭葉皮質のもつ役割について で, 最近の電気生理学的データからすれば 人間の , 活動状態 の制御 で果している前頭葉の役割は決定的である たとえば, 信号を能動的に期待してい . る状態 での, 前頭葉における《期待波》(緩徐な電位波)の出現に関する研究(G.Wa l t ) 964 6 e r ,1 ,6 , あるいは, 知的課業(暗算な ど)時における前頭領域 での同期的に作動する興奮点に関する研究(M. N.Livanov eta l 964 ) . ,1 ,65 , 66 , 67 . これらで解明された事実は, 皮 質下構造に対する皮質とりわ け前頭葉の役割のみならず, 活動性 の状態の制御が, 動物とは違っ て人間の場合, コト バの系 (第 55.

(11) . 藤. 井. 力. 夫. * * * * 2信号系) の関与のもとになされうる, その生理学的基礎を示している* i aは つ ぎ * さらに3つの原則のうち《体部位局在の原則》は基本的に《様式特異性の原則》 に含 ま れる の で, Lur のように言う. 《これら階層的に構成された皮質諸領域は様式特異性の減少および機能の偏在化の増大の原則に 従って働いている. これら原則は人間の最も高次の種類の認知活動の基礎をなし, 発生的には労働, 構造的には言 ) 〕p 7 語の関与と関係して最も複雑な型の脳の働きを可能にしているのである》(〔3 .79 . * * 定位反射の神経機序に関する提起は,1 0年2月 96 incet 21日 か ら24 日に かけ て Pr on で開かれた 《中枢神 6 経系と行動に関する第3回国際会議》 で, E.N.Sokolov に よ り なさ れた (Fig .3) .. モデル形成系 . ‐. こ の 会 議に 参加 した H.W,. M 柳 nも自らの 繊 細 様系》 の理論を発展させたも ,. 1. i の と して 高く 評 価 した(A.B az ered .Br .《中 枢 神経 系 と. 行動, 第3回国際会議報告》1 ) 9 60 pp 87一276 ,1 . 日本 における時実利彦の 《統合系》 をめ ぐる 問題, す な わ ち 《本能と情動の座,辺緑系》 ,《意識と覚醒の座・脳幹網 様系》 の二分による皮質下機構の理解と, 皮質における ) とは 前頭葉の強調をめぐる問題は, 彼の師 (Magoun 違って定位反射機序に無関心であっ たことと関係な ,い とは言えない, 当時, 定位反射機序のなかでの辺縁系や 基底部などの役割については不明確とはいえ, これらは 脳幹網様系とともに皮質一皮質下結合の流れ(上向・下 向) に深く関係しており, 網様賦活系を強調する時実に と っ て も, 睡 眠・ 覚 醒の機序 だけ でなく 定 位反 射機序 と して の 整 理 が重要 と なっ て 然る べ き であ っ た,. 靭『. 1 ,. 1. 5. 4 ・. ?. i3 .. 1 1. 2. 増幅系 , ,,. F i g .3 定位反射に関係する脳の機序の模式図 1は皮質ニューロンのモデル,1 1は脳幹網様体の増幅 系,受容器からの特殊感覚神経路は皮質ニューロンのモ デルにはいり( 1 ) ) 2 ゞ 皮質 , その側枝は網裸体にはいる{. ニューロンのモデルから網様体へはいる感 覚神経 の- 則 3 ) 枝へ負のフィ ー ド・バックがかかっ ており( , 綱様体 ) から大脳皮質へ上行性賦活系 が投射 しており( 4 , 皮. i * * * Lur 則して言えば, 1 950年から60年 a 自身に1 質-網様体の結合( )によって,求心性刺激と皮質ニュー 5 代にかけて, 条件反射の形成 (一時結合) の立場から定 ロンのモデルとの間に調和的あるいは不調和的な働 位反射に注目し主として言語の調節的役割を研究して きが実現されている,6は特殊的な反応をおこす皮質 i きた(〔2〕 r aが, 脳機構におけ ,〔3〕 ,〔4〕) . この Lu からでる神経路, 7は非特殊的な体性反応と植物性反 る 《基本機能ユニット》 の整理を軸に, 各種局部脳損傷 応をおこす網様体からでる神経路 である. k l 9 0 6 《So 》 患者からみた定位的基礎の障害の問題の整理 (〔1〕 o o v ,1 , 〔 2 1 〕 〔 2 4 〕 ) 1 1 〔5〕 〔 9 〕 〔 〕 〔 1 1 〕 〔 3 〕 〔 〕 1 0 8 , , , , , , , , 〕 3 〕 〕 〕 6 1 7 20 〕 か ら, 1970年 代に か け て 《注意と記憶》 をめぐる問題に焦点を移行させてきた (〔 , 〔2 , 〔3 , , ,〔 .〔36 L i 意味 たばかりでなく 脳機構と機能をめぐ ても定位反射機序は無関係でなか 〔38 〕 ) この で u r a自身にと っ っ , , ,. る力動性の解明の発展にとって不可欠のものとなっていたのであった. ia は 例と して P i ・Anokh ** ** Lur ) の実験をあげる, 彼は薬物的に個々の生物的な系を賦活し, そ 63 n(19 .K. れに敏感な個々 の領域が上向網様体に存在することを証明した、 たとえば, ウレタン (カルバミン酸エチール) は 覚醒反応を封鎖し睡眠を誘発するが, 痛みに対する防御反射は封鎖しない. 逆に, アミナジンは覚醒反応を封鎖し. ないが, 痛みの防御反射を封鎖する.. ibr i ** ** * 1973年, K,H.Pr am と の 共 編 《前頭葉の心理生理学》 で r aは序 論を担当し《前頭葉と賦活化 , Lu 過程の調節》についてつぎのように言う.《刺激に対する漸次的慣れで定位反射の植物性成分(腕の血管の圧縮と手の 血管の膨張, GSR 反応, αリズムの抑制など) は消滅する. これらは主体に達する刺激のいかなる変化に対しても たえず再発する. ところがこの間の研究は, こうした植物性成分の反応でもその安定性を増加させえること, 長期 にわたり消去 できない反応をつくることができること, とりわけ言語教示により刺激に意味をもたせた場合そうで 〕pp あるということを明らかにしてきた》(〔38 .6-7) .《その他さまざまな方法で得られたデータは,説得力をもっ てつぎのことを明らかにしてきた, すなわち, 前頭葉病変は定位反応の要素的・直接的様式を障害しはしないけれ ど, 言語教示により皮質の活性状態を制御することを不可能にさせる. 換言すれば, 前頭葉病変は, 注意の高次形 .内側部, さらには内側基底部 式とりわけその調節にあたっての生理的基礎を妨害する. これは, 前頭皮質の極部, 様体への下向を保障するニ 近年の研究からすれば の病変からのデータで明白である. ューロン・シス , これらは網 テムの構成要素 であり, それゆえニューロン・システムの状態を直接的に調節する最も複雑な形式に関与している l 8 95 〕pp 0 ) ov(1 ところのものであ● る》(〔38 .N .Soko , .9-1 , 60 . なお, 本論文で対象となっている先行研究は, E 67) adova(1959 .Vinogr , 66 , 72) な ど で, 60 年代 の 定位 反 射機序 に , 65) , E.D,Homskaya(1960 , 61 , 65 , 0.S 56 ,.

(12) . 随意運動の発達に関する神経心理学的基礎( 1 ). 関する研究の多くが総括されている .. 《同 期化システム》. RA さ猷汽 C Uと A T E. RET .賊. BODY. では, 定位反射の神経機. 序 は 実 際 に は い か な る も の か 1970 年 E.N, . , Soko l ov ,0,S.Vinogradova らはそれま での《増幅. HIPP OCAM I. システム》としての理解(F ig .3)をさらに発展さ せ,《賦活化システム》 と 《同期化システム》 の両 面から提起 して いる (F i g .4) . 彼 らの実験 はラ ビッ トを使っ ての細胞外微小電極法 で 視知覚に , かかわる特殊感 覚系 (視交叉, 上・下丘, 外側膝 状体, 視覚皮質)と非特殊系(海馬 中脳網様体 , , 視床非特殊核) の単一ニューロン の反応を記録し たものだが, ミクロレ ベルでの定位反射機序はい l か な る も のか, 以 下,Soko ov の 整 理 を 概 括 す る* .. まず, 信号諸特性の検出についてはつ ぎのよう な特殊求心Y性ニュ ーロンの存在を提起する すな , わち, 信, 号の強さ検出については外側膝状 体の異 方性側方抑制ニュ ーロン網の存在, スピー ド検出. き鞘全数. ACT -VATING SYSTEM. RET , NA. 5 YNCHRONI ZING SY5TEM. と 白倉 責問A AT E BODY. ACTIVATING SYSTEM. さ溜先×. SYNCHRON-ZING SYSTEM. F i B )刺激に対する各種脳構 g ,4 新奇御と慣れ(. ける 正 のフ ィ ー ドバ・ シク遅 延 の ニ ュ ー ロ ン 網, 軸. 造 の参与シェ マ 網膜からの信 号は 外側膝状 . , 体を通っ て, 信号 が分離特性 に従い 分析される 視覚皮質へと至る. 次に, チ ャ ンネ ルの指数 と して符号化 された検出 諸特性は, 賦活性ニ ュ ー ロ ン を 活動 させ か つ 抑 制 性 ニ ュ ーロ ン の 背 景. 索-軸索間抑制のニュ ーロン網 の存在が検証 でき. 活動を抑圧させて, 海馬の新奇性検出器に達す. については上丘の二層ニューロ ン ・網の存在, 時間 間隔測定ならびに複合性検出につ いては皮質に お. ること, 信号の分離 諸特 生の形成と安定化はこれ らニ ュ ー ロ ン網 でのず則方 抑 制 ニ ュ ー ロ ン の シ ナ ッ. プス増強の結果としてのもの であり それゆえ《刺 , 激の神経モデル》 はこれら増 強シナッ プスにより マトリ ッ クスとして形成されコー ド化されたもの と 理 解 でき る** , と.. 他方, これら信号諸特性の検出の基礎メ カニ ズ ムとして, とりわけ複合性や時間 測定といっ た諸 特性の消去の高い選択性を保障する基礎メ カニ ズ ムとして,《新奇性検出器》としての海馬の《注意》 ニ ュ ー ロ ン の 存 在 と*** , 視 床 の 《同期化 シスブ ム》 , 《賦活化シ ステム》 の 役割 が提起さ れ た, Soko l ov らによればつ ぎのように なる. , 新奇刺激 の場合, 海馬の興奮性ニューロン の駆動により視 床の賦活システムが活動するが, 同時に他方の抑. 制ニュ ーロンにより 同期化システムは脱同期され * * * すなわち 賦活化と脱同 定位反射を誘発す る* , , 期により,一方では脊髄反射への緩和的影響,γド ライ ブの 求心ゞ性機構 を介して の筋 トーヌ スの調. る. 刺激 で興奮した新奇性検出器は 網様シス , テム の賦活メカニ ズム を入力 し 次には逆 に網 , 様 シ ステ ム が 活動 を調 節 しつ つ 視 覚 皮 質に 誘 導する, 海馬の抑制ニ ュ ーロ ンは明 らかに 持続 的に同期化 システム の活動 を維持する 新 奇刺 . 激の 作用 中, こ れら の自発活動 は抑制 さ れる; こ れは同期化 システム を抑圧 し, 皮質 への誘導. は減少する, したがって新奇刺激は定位反射を 誘発 し, か つ賦活システム の活動 の増 大と同期 化メ カニ ズム の操 作 の 減 少に よっ て 大 脳 皮 質. の機能状態を高める. さらには, 新奇性検出器. の作用による賦活誘 導は, 上丘ニ ュ ーロ ンを通 じて 実 現さ れる いく つ か の特 殊 反 射 を 強 化 す ig る (F .4 .A) , 刺激 が慣れてくる と, 特 殊シス. テム での検出信号特性の加工はなんら本質的 変化をもた らさない しか しAタイ プの新 奇性 . 検 出 器 は も はや 興 奮せ ず, 他 方 工 タイ プ の , ニュ ーロ ン は 持 続性 活動 を 発 揮 す る そ の 結 .. 果, 賦活誘導は消えるが, 同期化誘導は保持さ れるのみならず, 強化されさえする こ れは皮 . 質の徐波の発展 を導く(Fig ,4 .B) , 実 線は所与. の条件で活動する結合, 破線は反応に含まれな い結合,( ● ゆ新奇性刺激 の活動,( B )慣れ刺激の活. l 動 (E.N.Soko ov ,1970) .. 57.

(13) . 藤. 井. 力. 夫. 節, 特殊感覚の識別 閥の低下, 他方 では皮質から の下向賦活網様系に対し刺激の特殊誘導を調節, これらを 基礎に能動的な定位反射が保障される, それゆえ, 刺激が反復提示されると, 特殊系の信号特性の加 工は保持されるが, 新奇性検出器と しての海馬の興奮性ニュ ーロンは駆動せず, 他方の抑制ニュ ーロンは持続的活動を発揮し, その結 果賦活誘導は消え, 同期化システムはその 活動を強化し, これが皮質での緩徐波の発展を導き, 定 i 位反射は選択的に消去される (F g .4) , と. l ovの提起.彼は第2部パー * 19 70年,《定位反射の神経機序》に関するモスクワ国際シン ポジウムでの E .N.Soko トC 《概 括 と仮 説 的 シェ マ》 で, 0.S.Vinogradova,E,D.Homskaya らモスクワ大学心理学部神経心理学科の研究. fthe I Mechan i l 1970 ): The Neurona sms o ov ( プロ ジ ェ クト の デー タ の 総 括 を目 的と して 報告 した, E, N,Soko J IN 1 i b N M W ′ E l i h d N i d ‐ l ona echa ing Re f l a ova i ov & ○.S or ex n Eds ent .V nogr .E .N.Soko , ng s e . . . en erger; eur .l l A 1 9 7 5 E b l l L 2 1 3 5 R f l H i l d 7一2 ft i i i so s ae n smso he orentng e ex , , ,pp , . , awrence r aum s , **. たと え ば, 刺 激間 の時 間 検 出 のニ ュ ー ロ ン 網 は つ ぎ. i のように仮定される(F g .5) . 時間間隔に対する選択性は T T T d こより決定される 各種遅延 T, , 3 , , 固定間隔 で , 2 提示された信号のみが, 正のフィ ー ドバック遅延を適合す. ^. ^. 凪. -. る. フ ィ ー ドバ ッ ク・メ カ ニ ズム の な いニ ュ ー ロ ン は 所与. の全ニューロンに興奮を伝える. ニューロンは直接興奮と 遅延興奮とが一致する時のみ反応する. 記号 (左→右) : T3 間 隔 で の 呈 示 信 号;正 の フ ィ ー ド バ ッ ク 遅 延 を も つ ib id ニ ュ ーロ ン網;ニ ュ ーロ ン 反 応 ( . .222) ,p .. ん ^. 柵. 4. 《新奇性検出器》 としてニューロン網は求 心性副 i 1 一 行抑制 で説明される(F g .6) .刺激の反復適用 で求心性冨. * **. Fig.5. 行抑制 リ ン クに 抑制 シナ プ ス の 優性 増 強 が 生起 す る. この. . . ず, EPSP と後 続 ス パイ ク 発 射 を 誘 発す る. 記 号 (左 →右) :入力 での信号;消去後のニューロン網;⑥消去前. C )消去前の主ニューロンの反応 の介在ニューロンの反応;( ( ) D ーロンの反応 肖去後の主ニ テ ;(A, C)第1呈示,(B, ュ ; D) 最終呈示, 各ケースとも上に EPSP 十IPSP の加重,. Fig.6. idりp ib 下に ス パイ ク 活動 を 示す. ◎, ◎ は 増 強 シナ プ ス ( .. 229) , * * **. 《同期化システム》 は基本的に反回性抑制の原. 一一{一. ④ 介』 切を蹴 剛A 冊 「 階糎樋帆ぬ q な 制性結合は無効 抑制シナ プスが増強されていないから. . で, 主ニューロンはスパイクのランダム継時で反応する. 旧刺 激反復の結果, 抑制シナ プスの増強で, 反回性抑制が 活動する, ニューロンはスパイクのランダム継時にかわり B 沈黙期で分離されたスパイク突発波 で反応する(同期化) , スパイク突発波は EPSP,IPSP 交替による.介在ニューロ ンの抑制シナ プスは 《新奇性検出器》 からのインパルスを 仮定している. それゆえ, 新寄刺激の場合, 負のフィ ー ド バ ッ ク が ブロ ッ クさ れ, ニ ュ ー ロ ン は ス パイ ク突 発波 に か. ヤ ノ 一④ 〈 〈. , =. ◎ の ム. . 十. . Fig,7. わりラン ダムス パイ ク で反 応する (脱同期) . 記号 (左 →右):EPSP十IPSP の加重と入力 でのスパイク(興奮性 i i b d ) 1 シナ プスのみを示す) . .23 ;反回性抑制のニューロン網;シナ プ ス電位と出力 でのスパイク ( ,p . 58. ‐ ‐ 一Hr洲ト ÷. .

(14) . 随意運動の発達に関する神経心理学的基礎K I ). ‐ 因子分析と再教育 プログラム N , i 以上,Lu r aの脳機構の理解の基礎となっ た生理学的知見 についてまとめた Soko l ov . の定位反射の神経機序はやや概念的かもしれないが,《皮質一皮 質下結合》の問題に対して重要な提 起をなしているものと思われる, ここ で定位反射の意義について再確認しておきたい . すでに述べたよ うにこの反射は, 防御反射や順応反射とは別に Pav l ovにより《なんだろう》 反射 と名づけられ, 探索反射ないし見当づけ反射とも呼ばれているものである. 動物が未経験の新 しい 刺激に接したときにそれま での動作を中断し, あたりを探索しはじめる反応 で, その生物学的意義 《統一性》. はつぎの点にある, すなわち, それま での動作の中断により別の動作への準備が可能となるのみな らず, 感覚系の活動 の方向転換により新しい認識活動 の出発点が保障され ていることにある 人間 . の予知的・ 随意的制御はその最も高度な発現 であると同時に, この反射を軸とした諸活動 の産物で もある ,. .. Soko l ovによれば, この定位反射の神経機序は 《同期化システム》 と《賦活化システム》 により説 明される, 《賦活化システム》 を外界からの動機づけのシステムとすれば, 《同期化システム》 は内 在的な動機づけ のシステムと考えてもよい. この両メカニズムは実際には 新しい刺激に対しては , 《賦活化-脱同期》 , 慣れ刺激には 《同期化-非賦活》 と相互作用 し, これにより定位反射とその選 択的消去が実現されている. それゆえ, このシエマを 《皮質一皮質下結合》 の問題にかかわらせて いえば, つ ぎのように言えないこともない. すなわち, 皮質下機構(Lu i r aのいう第1機能ユニッ ト) のうち 《賦活化-脱同期》(定位反射)を媒介として 《刺激の神経モ デル》 の形成 (第2機能ユニッ ト) が可能となると同時に, これにともなう 《同期化-非賦活》(選択的消去) の作用により 《再認 と プログラミン グ》 の働き (第3機能ユニッ ト) も保障されている, と これを性急に定式化する . つもりはないが, 脳機構の統一体としての存在, ないし構造と機能の力動的関係を理解す る一つの 手掛かりになりう るものと思われる* . * 発生学的にもこの整理は意義をもつ, すなわち人間の場合, 当初, 統÷体として生理学的にも制限され他の2 つの機能(たんに受容レベル, 行為レベルであった第2, 3機能ユニット)のとりまとめ役にすぎなかったもの(第 ia の いう 《コトバの系》 の参与のもと目的志向的な活動の媒体として機能する 1機 能ユニ ッ ト) が, や がては Lur , その必然性の理解の手掛かりにもなる. ただし, これを保障する子どもの諸活動, とりわけあそびをはじめとする 日常生活場面, 保育場面での定位行為の特徴や内容に関する分析が要請される これぬきの理解はたんなる生理学 . 的還元主義といえよう.. 《因子分析》. では, 脳のなんらかの部位に損傷を受けた場合, こう した統一性は いかに変化・ 解体されるのか. もはや損傷部位と損傷機能の関係づけではすまされない 構造と機能の力動的関 . 係が重要 で, 損傷部位は統一体としての構造における変化であり, 損傷機能はその力動的関係にお ける変化・解体 である. それゆえまた, 統一性を保障する力動的関係に働きかけるとき 損傷機能 , も一定に回復 しうる可塑性も脳機構自体に内 包されている, と考えられるのである この意味 で , , 統一体としての力動的関係を実現している定位的基礎の問題が重要となる. 以下,次号(中)で,この 定位的基礎の障害の問題に焦点をあて, いくつかの精神諸過程の回復の実際を検討していきたい* . i それにあたりここでは,Lu r aにおける因子分析と再教育 プロ グラムへの規定を確認しておきたい. Lu i r aによればつぎのようになる, まず第1に, 《損傷機能の特性分析からはじめ, どの因子の損 傷が理解と技術の喪失 の起源となっ ているのか調査されねばならない それとともに 損傷因子の . , 59.

(15) . 藤. 井. 力. 夫. 性質に応 じ再教育 プロ グラムは厳密に分化されねばならない, たとえば, 同じく書字障害を呈する といえ ども, 聴覚的な分析・ 総合因子の損傷による場合は患者に模写訓練をさせても無意味で, 他 方, 書 字障害が空間的な視覚的分析・総合の因子の損傷に起因したり, 神経過程の力動的なシエマ の解体 (ステレオタイ プの病理的不活発) によるならば, 語の聴覚的構造の分析訓練をしても効果 * * が な い》 (〔24〕 .143) , と. ,p. i 第2 に,Lu r aは再教育 プロ グラムの 設定にあたり外的補助手段の利用を 重視した. すなわち, 《再教育は, 外的補助手段に依拠しつつ, 個々の要素 ではなく解体した諸機能 の自動化に必要な原初的なプロセスからはじめ, しだいに短縮した内面的な プロセスへと移行させ 《再教育 プログラム》. ていくもの でなければならない. あまりに性急に訓練を短縮したり, 補助手段を省略すると失敗す る. 患者の無傷因子を中心とする機能ユニ ッ トの統一性に働きかけ, 外的補助手段の個々の環が省 〕 44 ) 略 できるだけ である》(〔24 .1 ,p . i * Lu r aの代表的なケース研究のうち, 構成活動のプログラミング障害, 力動失語症に関する研究, さらにはリズ ム同期をめぐる問題をとりあげ, そこにおける定位的基礎の障害の特徴ならびに再教育プログラムにおける外的補 助手段の利用による回復の過程に焦点をあてたい. たとえば,《知覚と行為》 をめぐる問題についていえば, 定位的 行為に直接関係ないと思われる頭頂-後頭領病変患者の場合, いかなる定位的基礎の障害を呈し, どのような外的 補助手段のもとに再構成を可能とするのか, といった問題である.. ids Neu i 1974 ); Lur tensen ( ‐ s ** 因 子 分 析 の た め のテ ス ト バ ッ テ リ ー と して は つ ぎの文 献 があ る. A. N, Chr i 1 1 den 1 979 1 d ica igut i );The l 1lnves く e( sd1 t ( sgaar on r opsycho og , T.A.日amme . C.J .GO ,A.D.Pur ,Denmark ,Mun f l iver i luses l in i landexper iment tyo lf l i IBat n Lur ia t s a o rc ca og ca ery ‐Nebr aska Neur opsycho .a manua ,Linco ,Un Nebraskapr es s ・. i 附記;本文中, 〔 〕 r a自身の文献を示す. 文献は紙数の関係上, 本稿 (下) に一括する. .内数字は Lu (1980 , 3. 30). 〔本学講師, 札幌分校〕. 60.

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参照

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