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生き生きと表現し、生活の中に生かす書写学習の構築 : 兵庫県佐用町立佐用小学校における実践の歩み

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(1)生き生きと表現し、生活の中に生かす書写学習の構築 一兵庫県佐用町立佐用小学校における実践の歩み-. 小竹光夫* (平成17年10月31日受理) はじめに. 基本的な知識や技能を習得し、与えられた課題をこ なすだけではなく、個々に目標を持ち、自分の意恩 を文字にのせて表現することを指向する。. このたび、佐用町立佐用小学校が書写の研究大会の指 定を受けたことをひとつの機会ととらえ、 「書写」に対. ②学習で身につけた力を日常の生活力として使う。 つまり、伝える相手や目的を意識し、発達段階に応. する教師自身の発想の転換を図ると共に、文字は「習う もの」ではなく「学ぶもの」という視点に立った指導法. じて意図的に文字を書くことで、日常生活を豊かに することを指向する。 との2つのねらいから、研究の主題を「生き生きと表現. の改善や文字を書くことに対する心構え(姿勢)の育成 を図りながら、書写教育のあり方について考えてきた。 わたしたちの生活の中で、パソコン全盛期といっても. し、生活の中に生かす書写学習」とした。 さらに、その主題にいたる研究の仮説は、次の2点に. 文字を書く機会はいたって多く、その能力は生涯にわたっ て必要な能力である。児童にしっかりとした書く力を育. 絞って考えることとした。 ① 「基礎基本」を押さえ、伝える相手や目的を意識. 成するということは、これからの生活の基盤を築く上で 大切なことである。しかし、児童は「うまく字を書きた. した児童の書写力を高めさせるとともに、教師が集 団として学習していこうとする姿勢を育てる授業を 仕組めば、生き生きと表現する児童が育っだろう。 (診学習したことを生かして表現できる場を設定すれ. い」 「書いた字をはめてもらいたい」という気持ちはあ るものの、書くこと-の関心は低い。また、書くことに 抵抗を示し、達成感や喜びを感じている児童は少ないの が現状である。. ば、児童が言語学習の楽しさを感じ、生活の中に生 かす児童が育つだろう。. そこで、 E]常の書写力を高めることを学校教育の基盤 に置き、児童自らが学び合い、自分の意思で文字を書こ. 以下、各学年ごとに論じる研究の経過と成果は、以上 の仮説を実証しなから、研究主題へとつながる実践的研 究の記録である。. うとする子の育成が大切であると考え、研究主題を『生 き生きと表現し、生活の中に生かす書写学習』と設定し、 研究と実践を進めることにした。主題にある「生き生き と表現する」とは、児童一人ひとりが文字を使いこなす. 2..研究経過. ための基礎的・基本的な知識や技能を習得し、与えられ た課題をこなすだけではなく、個々に目標を持ち、自分. 月日. の意思を文字にのせて表現することであると考えている。. 研. 修. 内 容. また、 「生活の中に生かす」とは、書写の学習で身につ. 平成15年度. けた力を日常の生活力として使うこと、つまり、伝える. 10. 23. 中 . 西播磨地区小学校書写教育研究大会 に参加. 相手や目的を意識し、発達段階に応じて意図的に文字を. 11. 14. 兵庫県小学校書写教育研究大会に参加. 書くことで、日常生活を豊かにすることであると考えて いる。. 平成16年度. なお、本研究の実践・執筆には、主要に兵庫県佐用町. 04. 14. 校内研修会. 立佐用小学校の研究同人(巻末別記)があたり、論とし てまとめるに至ったことを最初に記しておく。. 04. 21. 校内研修会. (研究 テーマ . 年間研修計画について) (学年部研修 . 書写学習の年間カ リキュラムに. 1.研究主題と研究仮説. ついて). 「はじめに」で触れているように、. 06. 08. 校内研修会 (書写実技講習会 . 評価計画について). ①児童一人ひとりが文字を使いこなすための基礎的・. *兵庫教育大学実技教育研究指導センター(語学教育分野) (兵庫県佐用町立佐用小学校研究同人). -89-.

(2) 授業研究対象愛育学級いろいろな線を 書こう. 06 30校内研修会 授業研究 対象6年生文字の大きさ「飛ぶ」 助言小竹光夫 08 06校内研修会 (書写指導実技講習会) 10 25校内研修会 授業研究対象1年生いろいろなせん 「とめ」 示範授業 対象3年生「小山」 実践小竹光夫 01 19校内書き初め展 02校内研修会 授業研究対象3年生むすびと曲がり. 07 05校内研修会 授業研究対象5年生筆順と字形「馬車」 07 06校内研修会 授業研究対象1年B組ひらがな 07 07校内研修会 (主体的な学習を生む教材開発について) 助言小竹光夫 07 11校内研修会 授業研究対象2年A組かたかな 07 12校内研修会 授業研究対象ひまわり学級ひらがな 08 08校内研修会 (書写指導実技講習会) 17校内研修会 (実践記録・学習指導案の検討) 助言小竹光夫 05校内研修会 (実践記録・学習指導案の検討) 09 14校内研修会 (実践記録・学習指導案の検討) 09 29校内研修会 (実践記録・学習指導案最終調整) 助言小竹光夫 10 07校内研修会 授業研究対象3年生はらい「大木」 助言西播磨教育事務所 目木達也指導主事 佐用町教育委員会 芳原清和教育推進課長 10 12校内研修会 (研究集録冊子完成・研究会準備について) 10 19校内研修会 (校舎内外環境について) 10 26校内研修会 (研究発表会打ち合わせ) ll 08中・西播地区小学校書写教育研究大会. 「はと」. 対象4年生点画の方向と長さ 「マラソン」. 02 15校内研修会 03 16校内研修会. 示範授業 対象5年生「出発」 実践小竹光夫 (今年度実践記録原稿作成) (反省と次年度に向けて協議). 平成17年度 04 05校内研修会 (書写指導の基礎・基本、書写授業について) 04 07校内研修会 (研究テーマ・年間研修計画について) 04 20校内研修会 (日程確認、具体的取り組みの明確化) 05 18校内研修会 (効果的な補助プリントの検討) 05 19校内研修会 授業研究対象6年生組み立て方「仲間」 助言小竹光夫 06 02校内研修会 授業研究対象1年A組ひらがな 06 14校内研修会 授業研究対象3年生縦画「下」 06 16校内研修会 (効果的な授業の進め方、教材研究について) 助言小竹光夫 06 22校内研修会 授業研究対象2年B組かたかな 06 27校内研修会 授業研究対象4年生組み立て方「林」 06 29校内研修会. 3.書写学習構想図 我々が設定した研究テーマ「生き生きと表現し、生活 の中に生かす書写学習の構築」を実現する上で必要な学 習構造について、以下のようにまとめ、研究推進を進め ることとした。いわば、我々が行う研究の概念図として 位置付けられるものである。. -90-.

(3) 各教科・道徳・特別活動・総合的な学習. 生き生きと表現し、生活の中に生かす書写学習. 知識・理解面. 匪亘画. ・書式二. ・視写. mm旧. ・聴写. ・類似字体の認識 ・漢字とかなの調和. ・配置. 学. ・速く書く. 習4年達. ・読みやすく書く. ♂)-二の. ・効率よく書く. fill列. 段. ・文字の大きさ. 過階. mmi. 伝達性を高める. 学習集mとして影響. 寓言告記号としての文 辛. 2年. し合い、高め合う. の定着・活用. 1年. 書. 写. 、 、習. の 基. 4.実践の記録. 礎. ●基. 本. を描いたりはできるが、指先や手首、腕を自由に動. (力愛育学級の実践 a)具体的実践 ・児童の実態. かすことができないので、真っ直ぐな線やぐるぐる と連続して回転するような線は書くことができなかっ た。書く用具も、鉛筆やクーピーのように握る所が. 愛育学級(知的障害学級)には、 1年生女子1名・ 5年生女子1名・ 6年生女子1名の計3名の児童が. 細い物で書くと、弱い線になってしまった。そこで、. 在籍している。 1年生と5年生は本学級で、 6年生 は交流学級で書写学習をしている。. 用具を使っていろいろな線や形を書いたり、女児の. 1年生の女児は、入学当初は自分から言葉を発す ることは少なく、こちらから尋ねる事に首を振った. とに慣れさせてきた。また、お話や歌を取り入れた. り領いたりして応えていた。また、線を引いたり円. 5年生の女児は、 4年生までは交流学級で書写の. 女児が持って書きやすいような太さで芯の軟らかい 知っている物の絵を塗ったりさせる過程で、書くこ りして、楽しみながら学習できるよう進めてきた。. -91-.

(4) 書けるように根気よく指導してきた。. 学習をしてきた。しかし、画数の多い字が増えてく るにしたがって、筆順や全体のバランスが分からず、. 「文字を書く」という学習に関連して、書く姿勢. 書くことに抵抗を感じるようになってきた。また、. の定着にも気を配った。書く姿勢は、 「足、ぴたっ」. 全体指導の中では技能面の定着も図れなくなってき. 「おなかと背中、ぐ-」 「背中、ぴん」 「左手、ぱん」. た。そこで、今年4月からは本学級で個別指導をし. と言って確認をしてから、書き始めるようにしてい. ながら基礎基本を中心にした学習活動を行ってきた。. る。また、姿勢が崩れないようにするために、机の 上の書く手がくる場所にシールを貼り、常に姿勢を. 1年生の指導. 意識させるようにした。. 少し太くて持ちやすく、書きやすい用具としてク レパスやマジック、フェルトペンを使って書くよう. 愛育学級での実践風景. にしてきた。いろいろな色もあるので、女児は喜ん でこれらの用具を使った。 最初、クレパスやマジックで書くことに慣れるた めに、女児が知っている果物や動物などを描かせた。 また、いろいろな線を用紙一杯に自由に書かせたり、 教師が書いた線と同じ線を書かせたりして、手首や 腕がスムーズに動くように練習した。短い線は手首 を使ってかけるが、線が長くなると腕を動かしてい かないので、どうしても線が折れ曲がるようなこと になることが多かった。そこで、腕を大きく動かし ながら空書きをさせたり、ぐるぐると手首を回させ たり、黒板やホワイトボードに線を書かせたりした。 しかし、なかなか自由には動かしにくく、一回一回 止まらなければ次へ進めない。そこで、線書きを取 り入れた指導を取り入れた。 運筆指導として1学期は線書きを中心に指導をし てきた。初めに、縦線と横線を書く練習をした。縦 線は雲から降ってくる雨を、横線は自動車が走って いく線を書かせる等、児童が書きやすいように「黒. 5年生の指導. い雲が出てきました。雨が降り始めたよ。ぽつん、 ぽつん、ザーツ」 「自動車が走ります。ブ-、プッ. 1学期は、毛筆の基本的な事柄について指導をし. ブー」と言ったりしてイメージを持たせながら書く. てきた。初めに、横線や縦線、波線、渦巻きなどの. ようにした。自動車の場合は、止まっていた自動車. いろいろな線の練習をした。絵をいろいろな線で書. がゴールへ向かって走っていくように、ねらいをっ. いたり、それぞれの線だけを練習したりした。次に、. けて横線で結ばせることもしてみた。また、手を添. 「一二」や「つり」の題材を学習する中で、姶筆を. えて一緒に書いたり隣で書いて見せたりして支援を. 「とん」、送筆を「す-」、終筆を「とめ」、はらいを. し、繰り返しの練習によって定着を図った。. 「さ-」などの言葉を言いながら書かせるようにし. 凧と子どもを結んだり、スケートのすべる線や的. た。その時に、女児は手本をよく見ないで書くこと. 当ての線を書かせたりする等、プリントに変化をっ. が多いので、一つ一つの部分を「ここは書き始めだ. けて飽きないで取り組めるように工夫した。その他. から『とん』だね。」「ここははらいだから『さ-』. に、丸は雪が降る様子で自由書きして、シャボン玉. だよ。」と確認しながら書かせた。また、筆が寝て. でなぞり書きをさせた。また、波線は海辺の並みの. しまうことがあるので、脇を少し空けて書くように. の煙突から出る煙を書かせたりして練習をした。. 声をかけたり、手を添えて一緒に書いたりして、筆 が立つように指導した。. 5月頃、女児は自分の名前を書くことに興味をも ち始め、形はとれていないが自由帳に書いてくるよ. 全体の形を認識することが苦手なため、正しく漢. うになったので、名前のなぞり書きを始めた。初め. 字を書けないことが多い。そこで、隣の行の漢字や. は、点線の間隔を狭くしていたが、慣れてくると少. 文をそのまま間違わないで視写させたり、新しく漢. しずつ間隔を広くするようにした。また、手を添え. 字を習うときは筆順やとめやはらいだけでなく「日」. て一緒に書いたり声をかけをして、一人でも正しく. と「月」、 「田」と「心」というように部分に分けて. -921.

(5) 指導したりしてきた。姿勢についても書写の授業だ けでなく、書くときの姿勢として1年生の女児と同 じように声掛けをして、足や背筋、机や椅子との間. く。その線は、縦線・横線の直線や自由曲線な どを書かせる。それから、模造紙に下絵を書い ておき、二人がイメージを膨らませて線を書き. 隔に気をっけるよう指導を続けた。上手に書けたら 誉めたり、丸を入れたりして支援をしてきた。少し. やすいようにしたい。そして、 M児には線の終 筆のとめやはらいに注意して書かせ、毛筆指導 へとっなげていくようにしたい。また、 F児に. ずつだが、落ち着いて書こうとする意識が出てきた。 b)授業研究 愛育学級言語領域学習指導案. は体感したことを曲線のなぞりがきに生かして いきたい。. 指導者舟引恵子. ④目標. ①単元いろいろな線を書こう. ○手首・腕・体を使っていろいろな線の書き. ②題材はらい・まがり ③考察 文字を正しく書くためには腕や手首、指先を. ○いろいろな線を楽しく書くことができる。. 方がわかる。 ○体感したことを毛筆やなぞりがきに生かす ことができる。. 自由に動かす学習が大切である。腕や手首、指 先を自由に動かすことは、いろいろな遊びや手 仕事をとおして身に付けていくことが多いが、. ⑤指導計画(全4時間) 第1時直線 第2時直線と曲線(本時) 第3時直線と曲線 第4時筆で書く・なぞって書く. 文字を書き始めた児童や上手にこれらを動かせ ない児童にとっていろいろな線をかく学習は、 文字が書けるための基礎的な段階であり、これ から先の言語学習の導入として大切にしたい学 習である。. ⑥本時の学習目標 ・ F児楽しくいろいろな線を書くことができる。. 本学級には、 F児(1年生女子)とM児(5 年生女子)とT児(6年生女子)の3名が在籍. ・ M見様を書くときの手の動きに注意しながら、 楽しく線を書くことができる。. しているが、書写はF児とM児が本学級で学習. ⑦本字の学習指導案(略) ⑧研究討議 ○授業者より ・カラーポスターを使って手で書かせたが、. している。 F児は、持って書く力が弱いので、フェルト ペンやマジック、クレパスでなぐりがきやなぞ. 児童にとっては線がのびなかったので書きに くかった。また、模造紙1枚に書かせるのは 無理であった。. りがきをしたり、果物の絵などをクレパスやクー ピーで塗る練習をしたりしてきた。今では、絵 の周りまでは塗れなくても中央部を濃くぬりつ. ・学年差のある二人一緒の授業活動は、どう 仕組んでいけばよいのか。. ぶすことができたり、名前の「お・か・き」が 自分で書けたりするまでになった。しかし、手. ○討議 ・準備物について。 F児に応じた紙の大きさ. 首や指を自由に動かすことがなかなかできない ので、曲線や折れ線が書けなかったり、枠の中. を用意する。手で書かせるよりスポンジや軍 手で書かせてはどうだったか。. を塗りきることができなかったりする。 M児は、 5年生になってから書写は本学級で. ・一人の児童に目が行っているともう一人の 活動が止まっているので、 M児に始めに指示. 学習するようになった。毛筆を使っての学習は、 いろいろな線描きをしたり、 「とん」「す-」. をしてから次にF児に関わっていく。二人の 関わり合う授業展開が必要。. 「とめ」 「さ-」などの言葉を言ったりしながら、 筆に慣れるための練習や始筆や終筆の練習をし. ・課題を明確にして、 M児に合った目標につ ながる授業を仕組むべきではなかったか。 M 児には「はらい」を生かし、筆を使って書か. てきた。しかし、筆が倒れてしまったり、落ち 着いてゆっくりと筆を運ばなかったりするため に、基礎的な事柄一つ一つが定着しないままに. せることで文字に近づける展開でもよかった のではないか。. なっている。 指導にあたっては、手首や腕だけでなく体を せたいOそのために、ポスターカラ-をっけた. ・五感を使った活動を取り入れ、おもしろい、 楽しいを共通の活動の中で経験させる。. 手のひらで模造紙にいろいろな線を書かせてい. ・ F児の言葉の数が増えてきた。体験する中. 使っていろいろな線を書かせ、楽しく取り組ま. -93-.

(6) で発する言葉を大切にして、取り上げて広げ ていく。豊かな体験が言語領域を豊かにして いく。. C)今後の課題 一つ一つの基本的な事柄の定着はなかなか難しい が、児童が楽しそうに取り組んでいるときは、体を 通して覚えていくことがあると感じている。そこで、 まず児童が興味を持ち喜んで取り組める教具や用具 の準備とともに、書くことが楽しいと感じられる授 業を、書写の時間だけでなく他の時間や生活の場に 仕組んでいかなければならない。また、書写の時間 だけでは定着が難しい姿勢や鉛筆の持ち方など、ど の学習の時間にもっながる基本的な事柄の指導につ いては、常に声をかけるなどしてその定着に努めて. ②姿勢の確認 書写に取り組む前に音楽に合わせて体操をしたり、. いきたい。そして、根気よく指導を繰り返しながら、 一人一人の頑張りや成長を認め励ましていきたい。. 合言葉「トン」 (両足を床につける) 「ピン」 (背筋 を伸ばす) 「グーひとつ」 (机とおなかの問、背中と. ②低学年の実践. 椅子の間それぞれにグーひとつ分間隔をあける)に. a)具体的実践. 合わせて姿勢を確認したりすることを繰り返した。. (1)鉛筆の持ち方指導と姿勢の確認. 書き始めると姿勢が崩れてくるので、机間指導をし ながら個別に指導をした。また、プリントなどを置. ①鉛筆の持ち方 1年生では、鉛筆にホルダ-をっけて持ち方を指. くときの目印になるようテープを机にはった。 (手. 導した。子どもたちには正しい持ち方を理解させる. 前から5cmのところにはり、プリントの下をそのテー. ために有効だった。 2年生では、ビデオで鉛筆の持. プに合わせて置くことで、手を自由に動かせるよう. ち方を確認した。ビデオの持ち方に近づくように、. に、また、机から体が離れないようにした。)さら. 手にマジックで印をっけたり、手のひらに間をっく. に、左右にも姿勢が崩れやすいため、書く手の胸の. るためにまるめた粘土やティッシュ、小さいお手玉. 前にシールをはり、書く場所がその印にくるように. を握って書いたりすることを個人に合わせて進めて. 助言し、プリントやノ-トを置く場所を考えられる. きた。鉛筆は、力を入れなくても書けるように書写. ようにした。. の時間には4Bを用意した。普段からもB以上の鉛. 低学年での実践風景. 筆を使えるように家庭にも協力してもらった。また 書写以外の授業でも鉛筆の持ち方を確認するよう常 に声かけをした。 低学年での実践風景. (2)授業の工夫 まず書写の導入として「とめ」の学習では、実際 走って止まるなど体を動かして体験させた。また、 「はらい」は、ほうきを使って興味づけをした。拡 大文字や点画ピースなども授業の中に多く取り入れ. -94-.

(7) た。その他にも、文字の形をイメージさせるために. 自分の書いたものが認められることで、児童らは. お菓子やティッシュの空き箱を用意したり、児童が. 書くことが楽しいと感じるようになり、 「見て見て」. 体験しながらつき方や方向などについて気づけるよ. と教師や友だちに見せて回る姿も見られるようになっ. うに、児童それぞれに点画ピースやモールを用意し. た。. b)授業研究 第1学年B組国語科(書写)学習指導案. たり、粘土を使って文字作りをさせたりもした。鉛 筆の他に、フェルトペンやクレパス、マジック、クー. 指導者岡田美由紀. ピー、チョークなど、いろいろな用具を使った「文. ①単元ひらがな ②題材なまえをかこう. 字を書くこと」を取り入れた。 研究推進1年目の実践風景. ③考察 書写の入門期の学習として、ひらがなの「止 め」 「払い」などの筆使いや筆順を正しく書く こと、外形に注意して書くことなどを学習して きた。本題材は、今までのひらがなの学習を生 かして、自分の名前を書くことをねらいとして いる。ひらがなの既習事項を確認するとともに、 丁寧に書く態度を身につけるのに適した題材で ある。 児童は入学以来、ひらがなの読み書きの学習 をしてきた。ひらがなを毎日一字ずつ学習する 中で、少しずっ増えていくことを楽しみに学習 してきた。特に自分の名前のひらがなは、意欲 的に取り組んでいた。国語や書写の授業中に書 く文字は「止め」 「払い」などに気をつけて丁. (3)生活に生かす 書写の授業だけでなく、他の授業や日常的に文字 を書く場面でも筆記具の持ち方や姿勢の確認、指導. 寧に書こうと努力している。しかし、名前は何. を続けてきた。 他の教科と関連させた学習も行った。 1年生では、. い」に気をつけたり、丁寧に書こうとしたりす. 道徳「なまえ」と関達させて自分の名前を書く学習 をした。自分の名前に込められた親の患いを知り、. 指導にあたっては、自分の名前など取り扱う. 度も書くうちに慣れてしまい、 「止め」や「払 る意識は低くなっている。 文字の「止め」 「払い」 「曲がり」 「折れ」 「結び」. 自信をもって丁寧に書けるよう、黒板に自分の名前 を書く活動を取り入れた。 2年生では、国語「言葉 遊び大会」のまとめとして、自分が集めた言葉を色. になっているところに記号をっけさせることで、. 紙に書いて掲示した。他に、七夕飾りや学期の目標 を、願いを込めて見やすく書くことも取り入れてい. 字を書く楽しさを感じさせたい。さらに、他教. る。生活科のカードや図工の名札なども丁寧に書け るように、時間を十分に確保してきた。. 家族の願いや恩いについて知り、丁寧に書こう. ふり返る場としたい。また、七夕飾りを作ると いう目的を持たせ、いろいろな用具を使って文 科の学習と関連させ、自分の名前に込められた とする意識を高めたい。 ④目標. 児童の書写の作品を教室や廊下に掲示したり、大 きく張り出す教師の字も手書きにしたりすることで、. 〇七タの短冊を書き、意欲的に学習に取り組 むことができる。. 普段から文字に関心がもてるような環境作りに努め た。. o 「止め」「払い」などや筆順、外形を生か して、書くことができる。. (4)振り返り活動 書写の時間の最後には、毎時間振り返りをした。. ○様々な学習の中で、丁寧に名前を書く。 ⑤指導計画(全2時間). 振り返りは、その時間の目標が達成できたか、鉛筆 の持ち方や姿勢はよかったかなどを児童が個人で評. 第1時「止め」「払い」を振り返りながら、 丁寧に自分の名前を書く。. 価した。また自分でがんばったところを発表したり、 友だちと互いに見合って良いところを見つけたりし. 第2時七夕に関する文字を書き、七夕飾りを 作る。 (本時). て、励まし合いながら取り組めるようにした。. -951.

(8) ⑥本時の学習目標. 短くし、練習時間を確保するべきだった。ま た、筆使いをめあてとして練習するようなプ. ・既習の「曲がり」「折れ」「結び」に気をっ けて、文字を丁寧に書くことができる。. リントも必要だった。 ・応用教材について. ・七夕の短冊を楽しみながら書くことができ る。. 今回は授業の中で扱った「ねがい」という. ⑦本時の学習指導案(略). 字だけにとどまったが、身の回りの文字にも. ⑧研究討議. 日を向けさせていくような発展的な内容も取. ○授業者より. り入れる必要がある。. 練習では「ねがい」という字を2回書いた. 低学年での実践風景. だけだったので、書く時間を十分に取り、練 習の量を増やすべきだった。 筆づかいについて最初に押さえたが、練習 やまとめ書きの時に意識して書けるように、 自己評価や教師による評価の場が必要だった。 例えば「曲がり」 「折れ」 「結び」に気をっけ て書いたかをふり返る場を練習プリントの中 に作り自己評価をさせればよかった。 ○討議 ・授業中の子どもの様子 授業の中で児童から、 「ここは止めだから 『トン』です。」という言葉が聞かれた。 1学 期筆使いや筆順,外形などを学習してきて、 児童には気をっけて、ていねいに書こうとい う気持ちが育ってきている。 ・評価について 児童が書いた後、 「上手に書けた」と思え るように評価することが必要である。そこで、. C)今後の課題 基本的に低学年は書くことが好きで、書写の時m. 練習プリントやまとめ書きをするとき声かけ をしたり、自己評価する場を設けたりする。. を楽しみたしている。児童がより一層意欲的に取り 組めるように、また、一字一字丁寧に書けるように. また、めあてが筆使いだったのか、足形の紙 にバランスよく書くことだったのかが定かで. 様々な取り組みをしてきた。 書写の授業の導入では、児童の身の回りにある文. はなかった。めあてを具体的かつ明確にし、 評価の場を作ると、児童の書く意識が高まる。. 字を取り上げて興味づけをし、筆使いや筆順、外形 について、児童が自ら課題について考えられるよう. ・教具やプリントについて 「結び」は児童にとっては分かりにくいよ. 工夫した。自ら課題を持たせながら、筆使いや筆順、 外形などを理解させるために、いろいろな教具を使っ. うだった。今回は縦長、横長といった形にこ だわりすぎた。結びの形ではなく、実際にひ. て、児童に操作や体験をさせ、興味関心を高めた。 そして、児童一人一人が書写の技能を身につけるた めに、個に応じた段階的なワークシートを工夫したo. もを使って結ぶといった具体的な教具を使い、 結ぶとはどのようなものか体験させると分か りやすくなる。. また、児童が落ち着いてゆっくり書けるように時間 の確保にも努めた。. 屋形のまとめ書きについては、児童はとて も喜んで書いていた。しかし、実際書いてみ ると難しかった。まとめ書きの紙を星形にこ. その結果、文字に対する興味が高まり、 「止め」. だわらず、さまざまな形を用意した方がよい。. 「払い」などの書き方を意識し、一文字一文字を丁 寧に書こうとする児童が増えてきた。しかし、書き 進むにつれて乱雑になりがちで、相手を意識して書. また、書き方も縦書きもしくは横書きと決め るのではなく、自由に書かせてもよかった。. いたり、目的に応じて文字を書いたりすることはま だ難しい。. 練習量や練習時間が少なかった。チャレン ジ教材なので筆使いについて話し合う時間を. -96-.

(9) (1)毛筆の導入 ①学習環境の整備 学習環境を整えるため、新聞紙と紙袋で作った. 今後は、さらに文字の基礎基本の定着を図りなが ら、 「文字を書くこと」を楽しめるような授業を工 夫していきたい。. 半紙ばさみや個人用筆洗いを使用している。半紙ば さみを使うことにより、教室が広く使え、書いた作. 低学年での実践風景. 品の整理もできた。個人用筆洗いは、最後まで座っ て片付けができるので、児童は落ち着いて学習に取 り組めるようになってきた。しかし、授業時間内で はきれいに筆を洗うことができず、次第に筆の根元 や硯に墨が固まってしまう。そこで、月に1回、筆 を根元まで洗ったり、硯に墨が残らないよう手入れ したりするようにした。導入期なので、道具の扱い について特に時間をかけ指導している。 ②筆使いを身につけるための教材の工夫 毛筆の導入期となるため、筆の持ち方について は一人ひとりを確認し、個別指導を繰り返し行っ ている。書き始めるときは、筆が立っていても、 書き進めると筆が倒れてしまったり、鉛筆の持ち 方になったりして、正しい筆の持ち方は定着して. ③中学年の実践. いないのが現状である。また、基本的な点画の学 習が多いため、始筆・送筆・終筆の穂先の通り道. a)具体的実践 3 ・ 4年生の書写は、学習指導要領において、 「文. や、肘も一緒に動かして書いているかを隣の児童 と確認し合ったりして進めてきた。しかし、手首 だけで書くことがあり、長い線を書く動作から肘. 字の組立て方に注意して、文字の形を整えて書くこと」 ・ 「文字の大きさや配列に注意して書くこと」 ・ 「毛 筆を使用して、点画の筆使いや文字の組立て方に注意. の動きを体感させたり、声かけをしたりして、肘 を一緒に動かせて書くことの定着を図っている。. しながら、文字を整えて書くこと」がねらいとされて いる。. ・ワークシ-ト. 硬筆で区別のつきにくい「止め」 「はね」 「はらい」. 課題に合わせてワークシ二トを作成し、段階. や点画の接し方や交わり方、点画の方向などを毛筆で. 的に練習できるよう考えた。また4年生では、. 練習す右ことは大変有効である。それは、毛筆で一つ ひとつの点画を大きく書くことで、運筆のリズムや文. ワークシートを何種類か用意し、自分の課題に. 字の組み立ての基礎を習得できるからである。毛筆と. 合ったものを選択する方法を取り入れたが、選. 硬筆とでは、用具の特性が違ってくるが、それぞれの. 択が難しく、それぞれのワークシートがどうい. 用具の特性を生かしながら、相互に関連した指導をJL、. う特性を持っているのかの指導が十分でなかっ. がけている。. た。そのため、課題の明確化と課題解決のため のワークシートを選択する練習が必要であった。. 研究推進1年目の実践風景. ・点画ピース 字形の構え方について、点画ピースを使用し 学習を進めた。画の位置や方向が、ピースを動か すことで考えられ、全員で字形を理解してから書 く活動へと移行することができた。しかし、筆使 いに繋げるには、さらなる工夫が必要であった。 ・朱液. 透明アクリル板に示範して見せたり、朱液を 使って書かせたりすることで、穂先の動きを視 覚に訴えて理解させることはできた。しかし、 墨液や朱液の量を調節することが難しく、分か らないという児童もいた。朱液を使う場合の用 具の工夫は必要と思えるが、一人ひとりが自分. -97-.

(10) 指導にあたっては、まず、正しい筆の持ち方. の筆使いを確認するのには有効であったO (2)評価活動の構築 授業のはじめに試書をし、その時問に自分が課題と. や姿勢を確認し、姿勢よく正しい筆の持ち方が できるよう意識づけて書かせたい。次に、穂先. しようと思うところに赤ペンで印をつけたり、どうす. の向きは「横画」と同様に、 「十時半」である ことを確認し、机間巡視で声をかけながら手首. るかを書いたりして課題を見つけさせた。そうするこ とで課題が明確になり、意欲的に取り組むようになっ. を使わずに腕全体で書くよう指導していきたい。 そして、 「縦画」の穂先の通り道がよく分かる. てきた。また、試書とまとめ書きを画用紙に並べて貼 り、比べやすくした。それを綴っていくことで、自分. よう、朱液を使い確認させたい。また、 「点」. で振り返りや成果と課題を見つけることができ、次時 へ活動へと繋がるようにした。また、友だちと相互評. においても、始筆・送筆・終筆があることを押 さえ、それぞれの筆使いを習得させたい。さら. 価をすることで、お互いに良いところを見つけ合い、. に、 「縦画」を真下に書くことで、字形が整う ことにも気づかせたい。. 認め合うことで書く活動への意欲付けとした。 (3)毛筆から硬筆へ生かす取り組み. ④目標. 「毛筆で」 「硬筆で」と別々に考えるのではなく、 毛筆で身に付けた書写力を日常に生かすために、毛. O 「縦画」、 「点」の筆使いや穂先の通り道を 理解し書くことができる。. 筆と硬筆を関連づけた学習を取り入れながら、日常 に生きて働く書写力の育成に努めたいと考えた。毛. ○筆の持ち方や姿勢、穂先の向きに気をつけ て、進んで学習することができる。. 筆で学習した「点画の基礎」というものを、硬筆で 押さえることで、日常の書く活動につなげたいと考 え、取り組んでいる。. O 「縦画」を真下に書くことで字形が整うこ とに気づき、書くことができる。 ⑤指導計画(全3時間). b)授業研究 第3学年国語科(書写)学習指導案. 第1時「縦画」の筆使いを理解して書く。 (本時). 指導者川崎修司. 第2時「点」の筆使いを理解して書く。 第3時「下」のまとめ書きをし、硬筆に生か To. ③考察 本単元は、 「縦画」の穂先の向きや通り道を. ⑥本時の学習目標 「縦画」の筆使いに気をっけて書くことが. 中心に、筆使いに気をっけて書くことをねらい としている。 「縦画」の始筆・送筆・終筆は、. できる。 ・正しい筆の持ち方で、姿勢よくていねいに. ①単元縦画 ②題材下. 筆使いの基本であり、 「横画」と同様に、正し い筆使いを理解する必要がある。また、 「点」 にも、始筆・送筆・終筆があることを押さえ、. 書くことができる。 ⑦本時の学習指導案(略) ⑧研究討議. ○授業者より 「縦画」を書く技術面だけを重視した授業. しっかりと身につけなければならない。 「縦画」 の方向を真下に書くことが、字形を整えるのに 大切であると気づかせることに適している。. 展開になった。 横画から縦画へ移行するときに、穂先の動. 児童は、 3年生から初めて筆を使って書く児 童がほとんどであるため、筆で書くことをとて. きが分かるように透明のアクリル板を裏から 見せたら良かった。. も楽しみに学習しており、筆を使うことに慣れ てきている。しかし、筆の持ち方となると、書. 朱液を使って穂先の通り道を確認させたかっ たが、墨の量が多かったため、朱液が分かり にくかった。墨の調整を個別に指導していく. き進めるうちに筆が倒れてしまったり、鉛筆の 持ち方に変わったりしてしまうことがあり、正 しい筆の持ち方には慣れていない。また、筆の. ことと用具を工夫する必要があった。 穂先を意識して書くと、筆が倒れてしまう というように筆使いの定着が難しい。. 穂先の向きについては、 「-」 「二」の題材で、 始筆・送筆・終筆とも、穂先の向きは変わらず. ○討議 ①朱液の使い方について. 「十時半」を合言葉に穂先の向きへの意識を高 めさせ、定着を図っている。しかし、送筆で穂 先が中央を通ったり、腕全体で書こうとする児. ・朱液を使うことで子どもたちは意欲的に 取り組めた。. 童は少ない。. -98-.

(11) ・朱液は教師が手伝わないと難しかった。. しい姿勢について改めて考えた。そして、低学年か. ・穂先を左上に置いて、腕を動かす練習の. ら受け継ぎ高学年へと移項するために、中学年で習. 方が3年生には効果的ではなかったか。. 得する上で必要なこととは何かを再考することから 始めていった。. ・朱液だけでなく、薄墨を使うなどの工夫. 毛筆で運筆のリズムや細かな点画の基礎を身につ. が必要であった。. けることは、硬筆へと生かされなければならない。. ②練習プリントについて. そのための指導を週に一時間の書写の時間で行うた. ・縦画でも短い、長い、太い、細いなどと. めには、やはり用具の準備や片付けなどの効率化は. いろいろな練習をしてもよかった。. 必須である。そのため用具の特性を知った上で、何. ・点をうってつなげていくなどの工夫が必. に重点を置くかということを考え、工夫をしていっ. 要である。. た。筆や硯の手入れなど、なぜ必要があるのかとい. ③筆使いについて. うことを児童に分かるよう、授業で教えていった。. ・子どもたちに穂先が左上を通るのは次の. 書写の時間には、 「正しい姿勢」とか、 「静かに落. 画へつなげるためだという説明が必要で. ち着いて書く」とかいうことをしばしば要求する。. あった。説明することで、意識が違って. しかし、児童はそれを窮屈と感じていたり、他の授. くる。. ・穂先が左上ばかり通るわけではない。そ. 業でなかなか定着しないという現実があった。それ. の場その場にあった指導をしていかなけ. は、何が問題なのか考える必要があった。硬筆で書. ればならない。. くときに、なぜ「正しい持ち方」がいいのか、なぜ 「正しい姿勢」で書くのがよいのか、教師自身がま. 中学年での実践風景. ず理解することが大切だということを教えていただ き、研修を重ねた。児童が、自ら必要性を感じるこ とができれば、 「姿勢」 「鉛筆の持ち方」などは自ず と身につけ、将来力として生きてくる。授業の中で、 その必要性を感じることができるようなワークシトやスキルを取り入れ、取り組んでいる。 また、毛筆で「はね」 「とめ」などの点画の基礎 を身につけたり、硬筆へと生かすことができるよう にするために、ワークシートや点画ピースを用いた りした。まとめ書きをし、自己評価や相互評価をす ることで、成果や課題を見出す学習を繰り返してい る。初めは、よくなったところを認め合う活動が多 く、喜びが次への意欲に繋がった。今後は、さらに アドバイスをしあえるような学習集団を築き、児童 相互で課題を見つけて共に伸びていく学びを構築し ていきたいと考える。 ④高学年の実践 a)具体的実践 (1)書写学習における基礎基本 5 ・ 6年生では学習指導要領の中に、 「文字の形、 大きさ、配列を理解して読みやすく書く」 ・ 「毛筆 を使用して、点画の筆使いや文字の組み立て方を理 解しながら、文字の形を整えて書く」 ・ 「毛筆を使 用して、字配りよく書く」の事項が示されている。 このことは、相手を意識して自分の思いを表現する と言った書くことにつながる基本と考えている。毛. C)今後の課題 3年生から、毛筆による書写の授業が始まった。. 筆は大きく書くことで字の構造や書き方を理解し、 硬筆に生かすための物であると考えてはいるものの、. 毛筆指導の導入期にあたり、用具の特性や扱い、正. 199-.

(12) 週1時間の配当では姿勢や用具の持ち方、点画・筆. 必ずしも一致していないことや、枚数が多く時. 順等の定着がしにくいのも現状である。 ①毛筆 題材に向かうとき、中心課題に集中するため. 間を使うことから6年生では自分で課題を見っ け、児童自らがワークシートを作る作業を取り 入れてみた。 (龍書法・骨書法・外形・半紙を. に毛筆用具に慣れることから、基本点画の理解 や運筆のリズムをっかませることをねらって反. 折る). 復練習を取り入れた。特に高学年の漢字は、画. スをしながらワークシートを作り、そして書い. 数が多くなりほとんどの児童が漢字に対して苦 手意識を持っている。基本となる点画の名称や. ていく。最初に書いた。. 特徴を理解しておくことが書写の日常化に役立 つと考え、書写の時間での練習を設けている。. スをしながらワークシートを作り、書いていく。. 【書くことへの構え】 ・姿勢. 自分の字から課題を見っけ児童問でアドバイ. 自分の字から課題を見っけ児童間でアドバイ 最初に書いた字と最後に書いた字の違いをはっ きりとすることにより、お互いの進歩したこと や課題が見えてくる。このことは、 「自分を知. ・筆の持ち方 ・基本点画の練習(始筆・終筆・運筆). り相手を理解し認め合う」というコミュニケー ションの基本とでも言える活動であると捉えて、. 字配り、組み立て、字形などを意識したワクシートを作成し、学習の中で児童が選択して 活用できるようにした。 ②硬筆. 1時間の授業の中に話し合うことを仕組んでい る。児童は、自分の課題をどのようにすれば解 決するのかを自ら考え1時間の学習の中でそれ が端的に表れ、達成感が味わえることから次へ. 児童を取り囲む情報量は年々増加し、記録し ていく文字数も多くなってきている。特に高学. の意欲-と結びついている。 く授業後の児童の感想). 年ではインタ-ネットから情報を入手し、学習 の中に生かす授業が展開されている。このよう な状況に対処するためには、書く速さや量など. ○今日の書写で、 「飛ぶ」という字の清書を. が学習の中で必要とされている。また、学習活 動を活発化させるために、発表を聞きながらメ. 筆をねかして書いていた。だから打ち込み. モをすることも多く取り入れ、話し合い活動に 生かす場面も出てくる。. A君はなっとくしてなおしていた。良いと. これらのことに注目し、指導計画には必ず硬 筆との関連性を持たせ、ワークシートの活用で. とめ書きの時、とてもきんちょうしていた. 定着を図った。また、毛筆の時間に使用する練 習用紙に、硬筆の練習欄を設けた。このことは、 学習内容を毛筆だけにとどめるのではなく、硬. 最初にくらべると上手に書けた。自分で直. 筆に生かすために、既習の文字に学習内容がど れだけ応用できるかを確かめることにつながる. ○私は書写の時間が大きらいでした。でも、 字をバラバラにしたピースを組み立てていっ. した。最初に赤マジックでプリントを作っ た。墨を付けるときとなりのA君を見たら が丸くなっていた。だめなところを言うと ころを言うととても喜んでいた。最後のま. と考えた。 (2)主体的な学び. けど恩いきって書いた。 「飛」も「ぶ」も すところを考えて書くと、こんなふうにな るんだと思った。. たり、自分でプリントを作ったり、色々な ことをするようになって書写の時間がおも. ①点画ピースの活用. しろくて好きになりました。それから、正. ただ単に提示された文字を書くのではなく、 漢字の組み立て・画間隔などを児童が考えなが. しい書き順などもはっきりと分かり前より 書写の時間が楽しくなりました。. ら書くための方法の一つとして取り組んだ。全 体像をっかむのには効果は見られたが、毛筆に 繋げていくためにはさらなる工夫が必要である. (3)他教科、日常生活への広がり 基本は硬筆書写ととらえ、毛筆書写で学習したこ とを硬筆書写へ役立てる。ゆっくりと書くことから. と考えられる。 ②自らの課題からワークシートを作る. 丁寧に速く書く。つまり、速く書いても字が乱れる ことのない書写力をっけることをめあてに、日常生. 今まで教師が課題文字に対し必要と思われる ワークシートを前もって作成し、児童に与える. 活へ生かすための活動も取り入れた。 ①E]的に応じ、効果的に書く活動. 方法をとっていた。しかし、児童自らの課題と. 算数ノート生活ノート. -100-.

(13) んで学習することができる。. ②水墨画(筆を持って書くことへの興味づけに) b)授業研究 第5学年国語科(書写)学習指導案. ○ほかの漢字でも、筆順や字形を意識して書 くことができる。. ⑤指導計画(全3時間) 第1時筆順や字形に気をっけて「馬車」を書. 指導者高舘裕児 ①単元筆順と字形 ②題材馬車. くことができる。 第2時硬筆で「馬車」のまとめ書きをし、共 通点のある漢字を練習する。. ⑨考察 本単元は、筆順と字形を意識して書くことを ねらいとしている。本題材の「馬」は2年生で、. 第3時間違いやすい筆順に注意し、字形を整 えて漢字を練習する。 (本時). 「車」は1年生で学習した漢字であるが、二文 字とも中心が理解しやすく、憤画が分間法によ. ⑥本時の学習目標 ・筆順の違いを理解し、筆順に従い字形を整. り等しい間隔にすると字形が整いやすい。また、 筆順に従って書くと字形も整いやすく、高学年. えて書くことができる。 ・間違いやすい筆順に注意して、ていねいに. の目標の一つである「文字の形、大きさ、配列 などを理解して読みやすく書くこと」を考えさ. 書くことができる。. ⑦本時の学習指導案(略). せるのに適した題材である。さらに、既習事項 にも注意し筆順の大切さを理解させ、はかの漢. 高学年での実践風景. 字にも応用できることに気づかせることは、 E] 常に生かす意欲につながると考えられる。 児童は、 5年生で「竹」 「笛」 「花さく町」な どで文字全体のバランスや字配りを意識するよ うになってきた。しかし、筆順の大切さに気づ いていなかったり、部分的な筆づかいに気をと られてしまったりして、練習している文字だけ をうまく書こうとすることから抜けきれないで いる。また、正しい筆順を理解し意識して字を 書く児童は、クラスの3分の1程度しかいない。 そのため、ノートの文字やプリントなどをてい ねいに仕上げようと意欲的に取り組むが、書写 で学習した内容が、日常生活の中で広がってい きにくい現状がある。 指導にあたっては、 「馬」 「車」の筆順を意識 させ、毛筆で文字の中心や横画の間隔を等しく. ⑧研究討議 ○授業者より. 書くことから指導を始める。その際、 「馬」の 「縦画」を「横画」よりも先に書くこと、 「章」. 筆順を正しくとらえることが、字形を整え. の7画目の突き抜ける「縦画」を最後に書くこ とが字形を整える上で重要な要素になることを. て見やすい字が書けることを押さえたかった。. 意識させる。次に硬筆で「馬車」の練習をしな がら、はかの文字との共通点に気づくことので. 毛筆書写で学習した内容を生かせるようなワー. 硬筆書写では、作業が単調にならないよう クシ-トの工夫が必要であると感じた。 「速く、正しく、丁寧に」書くことを押さ. きる活動を取り入れ、学習効果の広がりを持た せたい。さらに、これまでに学習してきた漢字. えなければならないと感じた。 ○討議. のうち、筆順の間違いやすい漢字を用意し、筆 順や字形を意識して書く活動を取り入れること. 筆順から字形が整うことを体感させるワー クシートの工夫が必要であったO練習後ワー. で、日常に生かす意欲へとつなげていきたい。 ④目標. クシートから「よくなったところ」を子ども. ○筆順の違いや字形の整え方を理解し、漢字 を書くことができる。. たちが見つけ出せるものがよかった。. ○既習事項にも注意し、自ら課題を見つけ進. ばいけない。. 鉛筆の持ち方指導を、もっと徹底しなけれ. -101-.

(14) 児童は興味を持って練習していたが、 「こ うすればよくなる」という筋道がワークシー トから感じられなかった。 1回ずつに区切っ て、ステップアップしていくようなワークシー トが必要であった。ワークシートの量、作業 が多すぎたのではないか。 指導案の評価が授業の中で生きるような指 導が必要である。指導と評価の一体化を図っ ていくべきである。. 第6学年国語科(書写)学習指導案 指導者田中典子 ①単元組み立て方 ②題材仲間 ③考察 本単元は、へんとつくりの組み合わせによる 「仲」と、横分間と縦分間に気をっけて書く「間」 とを組み合わせて書くことで、書写の基礎基本 を押さえることをねらいとしている。また、 「画問均等」を意識して書くことは、小学校で 習得する漢字の約半数の漢字に応用、発展して いく。学習したことが他の漢字にも応用できる ことに気付くことは、日常に生かす意欲につな がると考えられる。 児童は今まで、「うまく書きたい」という目 標を持って、字形に気をっけ手本に近づく書き 方をめざすことに満足していた。また、 1時間 で学習した文字だけが美しく書くことに集中し 「なぜそのように書くべきか。」を意識せずに書 いているため、他教科-の転用や生活の中で生 かしていこうとする児童は限られている。筆の 持ち方や姿勢は絶えず教師が声をかけることで 意識化を図っている。 指導にあたっては、 「仲」 「間」の組み立てを 考えていくために、ピースを組み立てることで 横分間と縦分間に気をっけて書くことに気付か せ、学習の目標をっかませていきたい。また、 友達との関わりを持って自ら学習を進められる. ⑤指導計画(全3時間) 第1時「仲」の字を書く。 第2時「問」の字を書く。 (本時) 第3時「仲間」のまとめ書きをする。 (硬筆に生かす。) ⑥本時の学習目標 ・縦画・横画の画間均等を理解し、門がまえ の組み立て方を考えることできる。 ・課題を持って、ていねいに書くことができ る。 ⑦本時の学習指導案(略) ⑧研究討議 ○授業者より 文字に対する興味関心を持たせるだけでな く、バラバラになったピースを話し合いなが ら組み立て字体をつかませるのに適している と考え取り入れた。 2年生で学習している文 字であるということから筆順より目標である 画問均等に重点を置いた形になった。 毛筆指導では、接筆や点画、画の長短など をはっきりさせ学習していく。そのため書写 の授業の時は、普段の書き方に比べゆっくり と書く児童が多い。毛筆で筆を運ぶ速度や筆 圧なども指導の重点に置くと、硬筆にも生か されるのではないだろうか。時間をかけて字 を書く児童が多いのは、丁寧に書くとゆっく りと書くとを同じと捉えているためではない か。今後、 「文字」 「書くこと」に対して場や 目的に応じた書き方の学習も取り組むべきで ある。 書き始めると大きな目標より、それまでの 細かいこと(始筆・終筆・姿勢・足・腰・持 ち方など)を、授業者が気になり言い出した ら止まらない。筆でも鉛筆でも手や体を動か さずに手首のみで書いているのは、今まで児 童自ら書くことに納得せずに書かされてきた のが原因ではないだろうか。 ○討議. ようにすることで、子どもたち自身の気づきか ら楽しく学ばせていきたい。硬筆で他の漢字に. 教材を作ることに時間を費やすよりも、広. 転移、応用しねらいの定着を図る指導へと結び. い視野に立って教材の創意工夫をする必要が これからの授業で大切である。どれだけのこ. つけていきたい。. ④目標. とが児童に提供できるか、実現できる方法を 考える。 授業の焦点化が大切。教師の指示する言葉. ○文字の左右の組み立て方、門がまえの組み 立て方を考えて「仲間」を書くことができる。. は授業の展開を左右するものである。本授業 での必要なことは「組み立て方」へんとっく. ○自ら課題を見つけ解決の方法を工夫し、進 んで学習することができる。 ○ほかの文字についても、画問均等に気をつ けて書く。. りとかまえの書き方ととらえることである。 等間隔の指導なら他の文字でも指導ができる。. -102-.

(15) 技法に流れず、児童の価値観がどう変わった. 必要なときに自分で学び直すことや学習したことを. かである。. 必要なときに生かすことに繋がっていくと考える。. 学びの遅い子速い子の調整は、一つ一つの 課題を区切って指示する。また、学び合いの. 高学年での実践風景. ある授業は必要である。意見交流が必要。 書写の材料は身近なところから。教師が周 囲に興味関心を持って余裕を持って考えるこ とが大切である。 C)今後の課題 書写の時間は、 「筆や鉛筆を正しく持ち」 「姿勢を 正し」 「手本をよく見て書く」という書き方学習で あった。手本を見て字をきれいに書くことが良いと される中、書写の時間には丁寧に書いても他教科で のノートの字は書写の時間での指導が生かされてい なかった。そこで、書写の時間の文字を書くという 行為だけに終わらず、文字に親しみを持ち自分の考 えや思いを相手に正しく伝えるための手段としての 書写力をっける授業展開を図ってきた。 書写教育は国語科の言語教科に位置づけられてい るということから、 「知る・理解する・練習する・ 活用する」という過程を踏まえた授業の必要性を感 じた。しかし、往々にして書く姿勢・筆の持ち方・ 始筆終筆・点画等細部にわたっての指導が、児童自 ら学ぼうとする姿勢を削いでいることについて助言・ 指摘を受けた。 教師が「教えよう」とすることよりも、児童が 「どのように書けばよいか」 「なぜそのように書かな ければいけないのか」を理解できるきっかけ作りの 導入の工夫や、 1文字を書くことによって、その文 字の持つ価値から「なるほど」と児童が納得できる ワークシートの作成に心がけたO児童は書写の授業. 5.研究の成果と今後の課題 今まで私たちは、教科書を手本として文字を模倣し. が終わったとき、 「今日も自分が納得する字が書け た」という思いを持っことで次の書写の時間を楽し. ていくことが書写の時間であると思い、自分たちなり の実践を展開してきた。しかし、書写の研究大会を受. みにしている。また、それぞれの教科のノートや総 合学習でのまとめでは、自分の学習に役立っ書き方・. けるにあたり、 「今、なぜ書写教育か?」と自問する 中で書写教育に対する、私たちの学びが始まった。書. 文字の大きさや配列などを意識する児童が増えてき ている。. 写力の基礎基本を育成すること、生活の中に生きて働 く力として生かし続けられる書写力を形成することを、. パソコンなどが発達し生活の中に定着するこれか らの社会で、手書きの機会が少なくなってきている。. 目標として設定した。以来、 「生き生きと表現し、生 活の中に生かす書写学習」という研究主題を掲げ、全. だからこそ、身の回りにある筆記用具で手軽に抵抗 なく文字を書き自分を表現することは、これからの. 職員が学んだ2年間であった。 児童の実態を把握しようと実施したアンケートの結. 生活でも必要であるという認識の上に立って、書く ということを児童の生活の中に位置づけていくため. 果には、 「文字をうまく書きたい」と「文字がうまく 書けない」という相反する傾向性が浮き彫りにされて. の場を設定していかなければならない。考えている けど文字にできないとか、書くことが苦手だから絵. いた。このような苦手意識(実態)によって、ともす れば挫折しがちな児童たちを励まし、学習意欲を持た せることは必要である。単なる励ましではなく、書く. 文字や単語で表現して筆順や画数よりも字形さえ合っ ていれば良いと文字離れする児童がいる。 今後、児童の「記憶に残る授業」をすることが、. -103-.

(16) 【注記】 ①平成16年度・ 17年度 兵庫県佐用町立佐用小学校研究同人 田中典子今西川貞子 平井均 lijim呂 敏森久美子 水島康子 野村智範・舟引恵子 高舘裕児 小川由美子岡田美由紀 鎌本貴之 春名由美 川崎修司 二井美喜橘美智子 小河正義 西川充代山本江利子 安東美恵子 福井すみれ 中山陽子. 力を児童が手に入れることで、どのような可能性が生 じるのか明らかにしなければ、意欲や主体性は生まれ てこない。つまり「書くことを生きた力として習得で きるような授業の構築」が、必要であると考えた。 「手本どおりに美しく書く」ことも必要であるが、 その学習の繰り返しの中で「自分の目的や目標に応じ て適切に書く」という力を習得できるのか疑問をもっ た。繰り返し行った授業研究の中で、 「視覚的理解を 促進する教具の開発」や「効果的な補助プリントの作 成」、 「発問や展開を工夫した学習指導」の検討を行っ. (診執筆分担-隻 学校全体での研究推進体制をとっているため、各章. た。そこで、練習・清書で終始する書写学習から、思 考力や想像力をはたらかせた学びへの転換を図った。. ごとに厳密な執筆分担を課していない。以下に掲げ るものは、 「中心的に執筆に関わった者」という意. 研究半ばにして「教師の学びが進んでいるにも関わ らず、それが児童たちに反映されていない」という指. 味である。 はじめに. 摘を受けた。このことについては、教師が学習のねら いを明確にし、達成に向け、精選した指導・支援を行. 平井均仲井壇子 1.研究主題と研究仮説 高舘裕児小川由美子 田中典子敏森久美子 2.研究経過 小竹光夫 高舘裕児小川由美子 3.書写学習構想図 高舘裕児田中典子 4.実践の記録 ①愛育学級の実践 今西順子舟引恵子 橘美智子安東美恵子 福井すみれ ②低学年の実践 敏森久美子岡田美由紀 今西順子水島康子 春名由美山本江利子 ③中学年の実践 川崎修司小川由美子 野村智範鎌本貴之 西川充代 ④高学年の実践 高舘裕児田中典子 二井美喜小河正義 中山陽子 5.研究の成果と今後の課題 小竹光夫 高舘裕児田中典子 小川由美子敏森久美子. うことにより、児童の学習に対する取り組みは意欲的 なものへと変容していった。しかし、それは、態度・ 意欲というところに留まっており、書くカへと反映さ れるものではなかったOつまり、 「一つの学びから、 数多くの字例-と転化・転移できる応用力の育成」が さらに必要となった。 児童を取り巻く言語環境や文字環境は、決して好ま しい状態ではない。 「読書」という領域に限らず、 「文 字離れ」が指摘される状態が続いている。実際、印字 や活字という形態の文字が溢れ、 「手で文字を書く」 ということが、徐々に遠いものとなり始めている。い わゆる「様々な手書き文字」に触れる機会も少ない。 しかし、だからこそ「文字を手書きすること」を自ら の持っ表現方法として捉えながら、将来を見据えた学 習展開をすることの必要性を痛感し、教師自ら答えを 見出してきた。模倣や書き方の学習で終始しない、新 しい時代の書写教育を考え、年間30時間という授業時 数の中で、いかに書写学習を確立させ、児童に力とし て与えていくかは、今後の課題である。この指定を受 けた研究会で終わりとせず、来週の1時間が確実なス タートとなっていくよう気を引き締めている。. -104-.

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