クルマバツクバネソウの核型について
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(2) . 第7 巻 第1号. 北海道学芸大学紬要 (第二部). 昭和31年7月. ク ル マ バ ッ ク バ ネ ソ ウ の 榎 型 に つ いて 大野林二郎 ・水 谷. 糾. 北海道学芸大学函館分校生物学教室. Rinj i i MIDUTAN工 : Karyotypic studies r0 6将o.Tadash in pαγ海 ルβ#” P珍“ 如 CHAM. I. ク ル マ バ ック バ ネ ソ ウ (Pα霧s た8ガリ ゑ“ 如 CHAM) は ユ リ料 に属 す る 植 物 の 一 種 で 我 が 国 . 、. においては広く全国の山野に自生し、 その分布もかなり広範囲にわたっている 。. こ の植 物 の 核 型に つ い て は、 す で に Gotoh & St ow (1930 , 1933) 及 び Haga (1934 , , 1935. 1 37 9 ) 等によって相当詳細に調べられ、 多くの核型変化を示すことが知られている 。 先ず 2n=10 の染色体数を有する個体では、 次の四種の核型から成ることが知られている 即ち 。. AABBCCDDEE 型 AABBCC‐DDEE 型 AABBCCDD‐EE 型 、 、 、 及 び AABBCC‐DD十EE 型、 の 4 つの型 である 2n=15 の個体では AAABBBCCCDDDBBE 型及び AAABBBCCC‐DD- 更に 。 D‐EEE の2つの核型が存在することが確められている. 。 筆者等は終戦迄要塞地帯として一般人の立入りが禁ぜられ 採集のできなかった函館山のクルマ 、 バック バネソウが上記6型のいずれに属するもの であるかを確めるために 研究を試みたのでその 、 結果を報告する。 材 料 及 び 方 法. 材料 と して用 い たク ル マ バ ッ ク バ ネ ソ ウ (Pαγ癖 脚ニ ギリ カメ 毎 CHAM ) は函館山の北向き 斜面1 , 合 目附近 にお い て1955年 の 5 月 8 日から5月1 5日迄の間に採集したものである. 。 減数分裂の観察は薙を酷酸ヵーミ ンおしつぶし法を こよって行い、 核型の観察は根端細胞を抱水ク. ロ ラー ル で20・30分 間 前 処 理 し、 ナ ワ ミ ソ氏 液 で 固 定 パ ラ フィ ン 法 で 12〆 の 切 片 を 作 り 、 、 ハイ デ ソハイ ソ鉄 ヘマ ト キ シ リ ソ で 染 色 して プ レパ ラ ー トを 作 成 した 。 観. 察. 結. 果. 先ず、 このたびの材料の染色体 数は花粉母細胞第1分裂中期では n=5 根端に おける体細胞分 , 裂では 2n=10 の 染 色体 を 数 え る こ と が で き た。 した が っ て 函 館 山 のク ル マ バ ック バ ネ ソ ウ は デ ブ ロイ ドの 個体群 で あ る こ と が 確 認 さ れた。 しか して こ れ ら10個 の 染 色体 中 3 対 は Got oh & St ow 、 及び Haga 等 の 言 う A, B, E なる染色体と思われるもので この染色体については何等異る特徴. 、 は見られなかった。 しかし乍ら他の 2対の染色体は今までの報告と若干違っている 。 最初に C染色体について見るならば、 その長さは明らかに D染色体に比較して短く 且つその両 、 腕が全体的に短縮しているのが見られた。 ′ 一方、 D 染色体では附随体が Haga( 37 ) のいずれの場合よりも長さが増大しているのが観察 され た。 - loi-.
(3) . 糾. こ二郎・水 谷 大野村. 各染色体の長さを測定し、 各部分の全長に対する割合を算出したが、 下表にその結果を示す。 但 し測定値は25個の細胞についての平均値である。 第1図-3図. クルマ バックバネソウの減数分裂 及び体細胞分裂における染色体. 2. I. A A,. B. 第4図. D D. B CC. 団. 第ー表の結果の模式図. ,5. A. E. B. C. D. .起. 3 た 減数分裂第一中期、2: 根端細胞におけ中期の染色体 65 3: 体細胞分裂中期核板における染色体配列図、 ×9 第1 表 染色体の長さと染色体各部の全長に対する割合 染 A-染 B-染 C-染 D-染 β-染. 色 色 色 色. 体 体 体. 体 色 体. 色. 0 12 . 10 9 .. 体 十 + …. の 長. 全長に対する各 部の割合(%). さ(”). 50 6 . 4 55 .. 7; 23 7 11 . . 8 8= 19 . 8 4 8= 15 . .. 十 . ト. 4 49 . 44 6 .. 30 5 十 . 6 1 十 72 3 十6 ‐ 21 . . . 43 7 3 56 十 . . 69 5 .. 0 十 il . 6= 16 6 1 0 十 3 0 12 十 . . . . 7 1 9= 3 5 十 8 7 . . .. 察. 考. 今までの報告では、 前述した6型のいずれの場合においても C染色体は D染色体よりも長いもの であるが、 筆者等の用いた材料では C染色体の全長は D染色体のそれよりも短くなっている。 しか ′ し乍らその長腕と短腕の比率では約 7:3 で Haga (37) の 場 合 の C 染色体の比率と大体一致す る。. 1 6% を 占 め て い る。 こ れ は . 他方 D染色体の観察ではゞ その附随体が非常に長く全長に対 して 2 ′ 2% を上回る数値で、 この値のみから言う 8 7) の 報告 した D十 染色体の附随体の比率 1 Haga (3 . と D++ の如 く で あ る が、 こ れ ら対 と な る 2本の D染色体の附随体の長さには長短の差がなく殆ん. ど同じ長 さである。 したがって D染色体の長腕と附随体に C染色体の両腕よりの部分的転座が一応 考えられるが、 減数分裂での観察ではこの証拠となるべき事実はこのたびは見られなかった。 其故 今後函館山のこの植物の減数分裂における染色体の行動について、 さらに詳細に追求されなければ -102-.
(4) . クルマ バックバ ネソウの核型 について. ならないものと思われる。 しか し、 以 上 の 事 か ら 函 館 山 の ク ル マ バ ッ ク バ ネ ソ ウ の 核 型 は C染 色体 の 全 長 の 短 縮 と D 染 色 、. 体の附随体が異常に長い新しい核型をもつ個体群であると考えられる 。 稿を終るにあたり、 材料の採集に種々御援助をして戴いた函館市立潮見中学校田村教諭に謝意を 表す。. 要. 約. 1 . 函 館山 の ク ルマ バ ック バ ネ ソ ウ (Pαγ盗 みβ IAM. ) は nご5 .粥Pたy”” CI ,2n=10 な る デ ブ ロイ ドの 個 体 であ る こと が石 像め ら れ た。. 2 . 核型においては、 C 染色体の全体的短縮と、 D 染色体における附随体の極端なる長さの増大が 観察された。 3 . したがって函館山のこの植物の染色体構成は今迄の 報告と異る新しい型の核型をもっている。 Resunle 1. The Chromosome numbers of pqγ海 んe裏α汐ル 〃” CILい「 in Hakoda[ eya r ・ na are f oー ndas n;5 ツ 1 . ,2n=100 2 l i r of C‐chromosome i . ln genera l ter and a s shor ravant ot D{hromosome l so d・ et ,apa s much l onger . 3 ore i lin Hakodat . Theref er a l . eyama present t ,the presenヒ mat s karyo[ ca ns ance of the ypi y a new i i tcchromosomei soma he Comp l nt ement .. 文. 献. Got oh ow,1 ogi s che studi , K und s[ en an p〃お und r“〃”‘ l .1930 , ; 2 (vor t t . Karyol ) s ch . Mi . m JaPani . . Japan .Journ. Gen .5: li4一 員7 . 一一1933 くaryologi i sche stud en an pαγな und r“″””“ . 1 ‐ 一2〇3 .Japan .Journ . Gen ・8:197 . Haga i l i nparat ve morphol , T.1934a ogy oft , The co ・e chroI i be Pαγ Zdeqe nosome compl ・ en enti n the t r . Journ・ Fac i ー i do lm1 { {a ) v .sc . Ho1 . Uni .ser ・ v.3:1~32 . 34b 一『19 t ・ .e es of pq“s q . 〇n the KaryotyPビsand their gan /如 L, vaI ! ぞ ‘ばγ 1 ′○ , 1鑓L et Tー .○加汐のo Rー . im,not l (Pre ein Japanese wi th Eng l sumg)。 Bot . R3 , Mag ,(Tokyo) 48:241一248 , 35 一一19 im not .,on nuc1ear po1ymorphism in pqγ兆 た釧 りル〆/” CIしいー(Pre1 ei nJapanese) .Japan .Journ. Gen. ” :286- -287 . 一一1937 l c Po lorPhi yPi sm in pαだsZ yn ‐ Karyot i f z e洋αpz nん wi lre i th spec z \ t y〃α CIL a erence toi sor ginand i i to the me ot i c chron [ ・ oson ia 8:681 ne behav or oー m - -700 og . Cyt .. - 103 -.
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