集団成員性と意見のへだたりとが社会的知覚におよぼす影響について
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(2) 190. 村尾泰弘・岡田守弘. このような過程を社会的比較過程という.そして,この過程を検討しつづけてい桝3f,広 く社会事象全般をこ対する知覚過程に行きついていく。たとえば,自己と他者との間に介在 する諸事象-のpereeived. (知覚的類似性)紘,自己および他者へのpereeived. similarity. (知覚的正確き)と因果的関係をもつことになる.つまり,自己のOpinionに 対する正しさの知覚ほ,他者のopinion との比較過程によって左右されるだけでなく,. correctness. opinion間に類似性を認めるという知覚が大いに関与するのである.この額似性の知覚が 社会的態度の要因とみなす立場は,賛似性の知覚が人を相互に引き合わせる力(attraction) T.Aq. (1956)の相互作用説や,類似性が報酬 の媒介変数の1つであるとするNewcomb, (共時的体験が快となる)と結びつくために相互に引きあうとする取rne,D. (1969)の立. 場(動機的強化説)と基本的に同じである。そこで,他者との間に額似性を認めることが. 媒介となって,他者の行為の正し草や他者-の好意の知覚が規定されてくると考えるこの ような立場からほ,社会事象全般に対する個人の知覚過程の検討が第一の課額となるであ ろう。 この点に関して,. HelBOn,. level理論(ⅡelBOn, Adaptation tion. H・. I.,. Blake,. R.R.. &施otltOn,. J.S.. (1鉱8)紘,. A血pt&tion. 1948)が社会的知覚の説明に適用できることを示唆しているo. level理論(以下AL理論とする)紘,知覚判断過程を順応水準(adapta-. level)の移行の観点から説明する理論である。. H由onらは,判断の手がかりとして. の情報がもつ「うそ(lie)+の度合を変化させて説得的コミュニケ-ショソの効果を実験し たところ,事実とのdiscrepancyが大きれば大きいぼど説得の効果が観いと報告し,. AL. 理論の立場から,判断準拠点がうその度合に従って移行したという解釈を試みている.し かし, AL理論の一般性を高めるためには,方法論的検討が十分でないという指摘もある (野口, 1964)0 そこで, He朋Iey,. V. &. Dtzval, 良. (1976)ほAL理論が他者に対する社会的知覚に適用. できるとの前提から,次の実験的検討を行った.まず,被験老と類似したopimionをもつ 多数源群(自集団)と非現似のopinionをもつ逸脱群(他集団)との2つのopinion群を実 験者操作として構成した.次いで,被験者のopinionと自集団のそれとの間の8imil乱rity. を一定にしておいて,被扱者のopinionと他集団との間のsizTlilarityを段階的に変化させ た.その結果,被験老と他集団との間のdissimilaritiが増大するに従って,他集団への perceived. similarity,. perceived. liking, perceived. similarity,. liking,. correctnessが減少するいっぼうで,自集団-の. perceived. correetness. Duvalほ,この現象をAL理論から予測されるcontrast. AL理論の適用は,. いる.. Hensley. 良. ほ増大していった。. W.. 良. eぽectによるものと解釈して. Duvalが最初でほないが,刺激人物の呈示方法が. 同時的pooling法であるので,より現実場面に近づいている。また, Grave昏,. Ⅱensley. Mascaro,. 伝.F.. &. (1973)は知覚判断実験でよく採り上げられる継時的pooling法でcontr腿t. eぽectを確認している.彼らほ, opimionに対する種々の程度のperceived similari七yを 先行経験させておくと,第二の未知者に対する attraction の程度ほ先行の pereeived similarityの程度と逝に関連(inversely. related)すると報告している。.
(3) 191. 集団成員性と意見のへだたりとが社会的知覚におよぼす影響について. さて,これまでの研究を概観すると,個人の置かれたsocialsituationの影響が考慮さ れていないようであるo. とりわ仇班ascaro&Gravesはsocialsittlationを全く考慮し &Dtrvalでも,被 ておらず,同時的に刺激人物を比較するように実験振作したHensley. 敗者を少数派の逸脱老グループの中に置いた場合の検討がなされていない.個人は,自分 の意見を支持する多くの人々に囲まれている状況と,その意見に反駁する多くの人々に囲 まれている状況とでは,自分に対する知覚が異なってこよう。被験者の集団所属性,つま. り多数派集団に自己が置かれているか少数派集団に置かれているかによって知覚過程が相 S.E. 1951の同調性実験の場合のように), Aseh, 違すると考えられるので(たとえば, AI・理論の適用を検討しな 80Cialinteractionや集団成員性を操作的に定義したうえで, ければならない。 Ⅱensley. ところで,. &. I)uval(1976)の実験でほ,被験者を多数派集団に所属させた場. %vL_のみ限られているので不十分でほあるが集団への所属(自集団・他集団)の観点から 集団成員性について検討している。その結果をみると(図1),他集団の意見が-だたって dislike, incorrectと知覚されるが,自集団-の知覚 いくと(逸脱),他集団はdis8imilar, はそれと正反対の傾向(positiveと知覚される)を示している。しかし,意見のへだたっ ていない状況では,他集団への評価の掩うが自集団-の評価よりもむしろpo8itive Hensleyらは,自集団-の知覚と他集団-の知覚との間の逝の傾向にのみ注目 っている。. とな. して対比効果が作用したためであると解釈している。しかし,この道傾向のスタ-ト地点, すなわち意見のへだたりが最小の場合には対比効果というよりもむしろ同化効果が働らい ていたと理解したほうがよいようである. Sherif, I. 良 Tallb, D・ (1958)紘,挙錘実験 で系列刺激に近接の係留刺激を用いると判断力テゴリーが係留刺激に近づき(同化),系列 刺激からへだたった係留刺激を用いると連に判断カテゴ1) い出している。. Hensley. &. -がはなれる(対比)ことを見. Duvalの実験でほ,被執着の評定対象である供想人物の意見. が意見分布上の座標点としてプロットされているので,最小意見差の場合にほ所属集団の 他成員との差異を明確にしえないままに同化と対比が混同されてしまったとみなせよう。 つまり,自集団と他集団が明確に区別されている時にのみ,同化と対比の効果について考. 察することが可能となるのである。また,被験老の多数派所属事態だけで検討されてい るので,集団成員性の差異によって同化あるいは対比の効果が別々に表われることの検 Sherif 討が不可能である。この同化・対比効果の社会的知覚過程での意味について, Eovland,. C.Ⅰ.. 良. (1961)紘,社会判断理論の中で同化には受容の磯制が,対比には拒否の. 機制が対応すると述べている(もちろん受容と拒否には範囲1a七itudeがある)。したが って,. Ⅱensleyらの自集団と他集団が最近接の事態では,他集団が受容されていたとみ. なせば,さきの同化効果も納得できるであろう。 社会的知覚は,精神物理学的知覚判断とは異なり,対象が特殊(specific)であり,つ ねに何らかの価値,あるいは社会的望ましさの反映がある*。つまり,社会的意味や価値 が比較的明確に反映されやすい,そしてmo血l. opinionの生起しやすい判断対象を用いる. *精神物理学的知覚判断でも対象-の被験者の関与性や文蘇効果が重要との指摘もある(柿崎,. 1966)o.
(4) 192. 村尾泰弘・岡田守弘 like. sinlilar. co rrect. ヽ. ヽ. I;iil三rlJ. 射司. I I. I I I. poillt. ∃柴田. l. l I I I. eutral.. I. \へ脚. I. 1 1 l. V. \. t I. I l t. レ/. /ヽ他集団 \\. し\. +堅田 (Iissimilar. ln・. =丁こ二「--二-ニー---ニーdisli 志見のヘだたり. lie ⊥-------⊥--・--意見の-だたり. correct. ⊥--I. 蕊ILのヘT:・たL). 図1・意見のへだたりとPerceived Liking, Perceived similarity, correctne8Sとの 関係(Ⅱensley & Duval, 1976の資料をもとに計算しなおした)o. ことが・実験事態としてはより実際的であろうoそこで本研究では,被験者が社会化され ている限り(いわゆる成人性を獲得しているのであれば)特別外部からの働きかけなしに 意見表明とそれに対する確信が得られやすい対象(object)を用いて,. Hensley. &. D.lVal. タイプの実験を行い, AIJ理論の社会的場面への適用を検討することとする。さらに,ど の集団を知覚するかということを操作的に分離したうえ(集団成員性)で,刺激人物が mo血l. opinionの範囲に入るかそれとも逸脱しているか(意見の-だたり)によって,. perceived. simi1arityと1iking,. perceived. correctness. -との間に平行的懐向が確認でき. るか否かを検討することを本研究の目的とする。 なお・本研究では集団成員性(group-menber8hip)杏,所属集団を規定する側面(多. 数派所属・少数派所属とする)と・評価対象集団を規定する側面(自集団への評定・他集 団-の評定とする)とに,操作的に分けておく。. ⅠⅠ.方. 法. 1.実験計画 以下の2つの実験条件と,. 1つの分析条件を設定した.. ①自己の意見が「多数派+慶,るいほ「少数派+に属するものと知覚されるように意見分 布を実験的に操作する条件(集団所属の条件)と,. ⑧自己および所属集団と自己の所属 しない他集団との間の意見の-だたりを操作する条件(意見の-だたりの条件, opiniondistanee)とが設定されたo集団所属ほ,多数派と少数派の2水準とし,意見のへだたり は,最頻的意見(modal-opinion)からの逸脱の程度を5水準とした。そして③⑧の条件 の2×5の要因計画にもとづいて,. 10実験群が構成されたo ⑨なお,評定する刺激人物 が自己の所属する集団内あるいは集団外に位置しているかによって,自集団評定と他集団.
(5) r193. 集団成員性と意見のへだたりとが社会的知覚におよばす影響について. 評定とに分かれる(評定集団の免件).しかし,この条件は,結果の分析において刺激人物 に対する評定結果を操作的に2分揖できるので,実験実施上の条件統制とはしなかったo 2. #*% 156名が,被験者として協力してくれたo 横浜国立大学男子学生(第1-3学年生) 実験は,一群10名で行ったが,. 10名の被験者が一同に集合して実験を開始すること. が困難であったので,集合できた被験者数によって顔見知りでないサクラ(JLl理科生)が 実験に加わったoしかし,実験操作-の疑念,意見表明のとりちがえ,実験初期の不備な どの理由で,結果の分析から82名が除かれた。そして群により被験者の偏りが生じたの で,さらに各群からラソダムに10名の被験者のデータ-が抽出された(1実験あたり10 名で,合計100名)0 3.尭無条件の操作 被験者が表明した意見の相対的位置づ桝も集団の意見配置図上にプロットされた座標 点によって確認できるようにした。意見配置図ほ,全員が確認できるように黒板上の白紙 にえがかれた円(半径80cm)内に,アルファベット(A-J)が配置されたものであ るoこわ意見配置図は,実験計酎こもとづいて10種額用意された.座標点ほ,特殊な重 みづけ統計処理によって決定されると偽の教示をしたが,全被験老の位置は,予備調査に ょって得た長原的意見に相当する同一の座標点に一貫して固定しておいた(表示される A∼Jのアルファベットのうち9つは仮想的な刺激人物である)。被験者の表明した意見 P 203)を操作することに を回収した直後に,機械音の発するプログラム電卓(Olivetti ょって(実際ほ何も計算していない),この特殊な重みづけ統計処理が偽装された■。また, 被験老の相対的位置づけが見破られないようにするために,意見表明に用いられた2つの 意見評定尺度の両極の言葉だけが上下,左右にかかれてある円内に,. 10名の意見座標点. (アルファベット表示)を実験条件に従って配置した。 集団所属の条件でほ, 10名を8:2に分けて,被扱者が意見配置図上の8名群の中央 2. 点に位置される場合(被験者を中心に等距離に7名が配置されている)を多数派所属, 名辞の場合を少数派所属とした。意見の-だたりの条件では,意見配置図上の多数派-少 数派問の距離(それぞれの群の中央点間の距離)にもとづいて5水準を設定した.. 8名の. 多数派では,中央の1名(これが被験者自身である)を中心として7名を円形に配置し 2名の少数沢の中間点までの距離の比を, (Ⅰ)2・24, た。その小円形の半径を1として, (ⅠⅠ)3.35,. 4.47, (ⅠⅠⅠ). (ⅠⅤ)5・59,. (V) 6・71としたo. 2名の少数派に所属する場合に. 紘,被扱者の位置を最頻的意見に相当するところとして,被験老の位置から8名の多数派 の中間点までの距離が,少数聴集団2名の間の距離を1として上記の(Ⅰ)-(V)の比で 決定された。このようにして作成された意見配置図は,多数源所属か少数派所属かのいず れかの条件によって,操作的に道転された。 4.意見調査 法機関に対する意見が,実験操作に先立って&Tj定された.窃盗の疑いをかけられた2人 の少年に対して,法検閲が家庭の貧富という背景要因によって差別的に処置したとの解釈.
(6) 194. 村羅泰弘・岡田守弘. のできるような坂想事例に基づいて・. 「取り扱いの公平さ+と「法政関一般の公正さ+につ. いての意見却定がされた仲性点をもつが尺度値ほあたえられていない11点評定尺度を. 用いた)。この佼想事例ほ・予備調査によって多義的解釈の可能性をもつように,そして, 極端な意見表明が行われないように工夫されているo事例の概要は次の通りである。 「放置されてあった自転車を,自分の判断で乗りまわしていた別々の2人の高 校生が警察官の聴務質問を受けたo放置されてあったとはいえ,誰の許可も得 ずに乗りまわしていたことには落度はあったが,. 2人は盗んだのではないと主. 張したoしかし・一方は説諭のみで,もう一方ほ説諭と始末書を書かされること となってしまった。この2人の高校生の経済的・家庭的背景ほ異なっていた。+ 5・測度(従属変数) 意見配置図で示された刺激人物(図中にアルファベットで象徴された自己および他者の 全て)の相対的位置をもとに,次の3測度が測定された.いずれも中性点をもつ11件. 尺度で・両極は定義してあるが尺度値は示されずpointのみが善かれてある。結果の分析 にあたっては・中性点を6点とし, 1). perceived. similarity. 11点をpositive, (知覚的類似性). 度を評定する。 2). liking. S). perceived. 1点をnegativeとした.. -・・自己と他者との間で知覚する相対的煩似. (好意度) --他者-の好意度を評定する。 correctneBB. (知覚的正確さ). を評定する(この場合は,自己の意見をも評定する)。. ・・・・刺激人物の意見に対する正確さの知覚. 6・手. 続 実験室に入室した被験老ほ,ついたてでしきられた庸にすわらされ実験中のinteraction が排除されたoはじめに,仮想事例と意見尺度が印EElしてある小冊子が手渡され,公平さ. と公正さに関する意見が測定されたo実験者が,それらを回収した後に,. 「一般的データ-. との比較のために重みづけ統計処理を行なう+と教示して,実際に計算槙を被験者の背後 で実験助手が操作した。その処理とほ何ら関係なく,あらかじめ決定されている配置パタ 「10人の意見を黒板上の意見配置図にプpッ ける+と説明したo被験老の座標点は,他人に知られないように,配置図上のアルファ. ーン(実験条件の操作)に従うのであるが・. ベットで知らせたo被験者全員に同一の座標点を知らせた(全被験者ともG)が,相互に 他を知ることはなかった.ついで,. perceived. similarity,. liking,. perceived. co,rectneB8. の評定尺度の印刷してある小冊子が配られ・被験者は教示にもとづいて評定させられた。. ⅠⅠⅠ・結. 果. 1・公平・公正に関する意見の評定. 2人の少年の窃盗事例について,全被験老の公平・公正に関する平均意見評定値は公平 に対して8・54(SD-1・91),公正に対して4・16(SD-1・83)であった(評定可能範囲111点)oこの値の意味するところは・ともに法機関の取り扱いに批判的な意見表明であり (これがmodal. opinionである),被験者は,公正で公平な態度をとろうとしていること.
(7) 195. 集団成員性と意見のへだたりとが社会的知覚におよぼす影響について を示している.これは,あらかじめ設定された被験者のopinion. position. (公平軸で8,. 公正軸で4)*に相当するものであって,実験設定が不自然なものでなかったということが 確認された.また, 0.05;公正: 2.. F…48-0.61,. 10実験群間に有意差は認められなかった(公平:. F。,148-1.62,. Perceived. P>. P>0.05)0. Similarity. 自己の所属する集団を自集団,自己の所属しない集団を他集団とした(評定集団の条 件)ので,多数聴所属の場合には8名辞が自集団となり,少数派所属では2名群が自集団 となる。これは,実験者が操作的に規定したものであるので,評定集団への被験者の知覚 紘,実験操作と異なるものであるかもしれない。そこで,自集団および他集団の成員の意 見(意見配置図にもとづく)に対するperceivedsimilarityを集団所属の条件によって, 多数派所属と少数派所属とに分けて整理する(以下,. liking,. correctnessにつ. perceived. いても同様である)0 被験者自身と他者との間の意見の異同に対する知覚は,意見のへだたり(opinion. dis-. t乱nee)の条件に従って変動している(表1および囲2)0. 多数派所属の場合には,被験者と少数派の他集団との間の意見の-だたりが増大するに 従って,. neutral-pointを境として,自集団-の評定は,標準偏差が減少しつつSimilarity 表1集団所属,意見のへだたりによるPer¢eived-Similarity の評定値**および一要因分析結果 団. 意見の. へだたり. 多数派. 少数派. 全体自集団他集団. 全.体自集団他集団. 6.5 2. (2 3 4) 6 5. .2. (2 1 8) 6 2 「0. (2 5 0) 6 80. (2. 5 6). 7 1■ 9. (3 F. [@. 所. 0 5). 3.03. df. 4,. P. <.05. 45. 7.12. (1.80) 7.42. (1.26) 7.42. (1.37) 8.08. (0.76) 8.77. (0.51) 2.62 4,. 45. <.05. 4.00. 5.73. (1.80. (2.43. (0.94). 1.25. 3.60. 4.31. 9.50. 3.60. (0.89. (2.32. 0.81. 1.00. 2.55. 5.02. 9.10. 4.59. (0.85. (2.12. 1.64. 1.02. 2.60. 3.63. 8.90. 3.09. (0.92. (2.28. 1.14. 0.94. 1.70. 4.04. 7.90. 3.64. (0.78. (2.24. 6.07. 6.06. 4,. 45. <.01. 4,. 45. <.01. 9.90. (1.81) 2.90 4,. 45. <.05. 5.22. 1.61 4.73 4,. 45. <.01. ( )内はS.D. *予備調査(被調査者, 50名)において,公平軸で2.5(S.D.-1.58) であった。 ** 11点評定尺度で,高得点はsimilar,低得点はdissimilarである。. ,公正軸で3.75(S.D.-1.64).
(8) 196. 村尾泰弘・岡田守弘. similar. sirrlilar. ヽ. ノ白菜団 rl. neutral・ point. 自棄団. etl tral-. point ヽ. へ. ヽ\ 、ヽ. ′′′ \′. /′他集団. \ \ \----ヽ \. \\他集団. Qis・. a.isslmilar. slmilar. 意見のヘだたり. 図2.多数派所属における意見のへだたりと Pereeived. 図3.少数派所属における意見のへだたりと Perccived. similarityとの関係. が高くなっていく(F=6-2・62,. similarityとの関係. P<0・05)。いっぽう,他集団-のperceivedsimilarity. と評定されている(F4.45-6.07,. は減少しdissimilar. 意見のへだたり. 田分析(個体間要因分析,岩原,. P<0.01)o. なお,対応のある二要. 1965)によると(蓑4),多数派である自集団および少. 数派の他集団成員-のsimilarityの知覚に交互作用のあることが示されていて自集団,. 他集団-のperceived simi1arityの変動傾向にちがいがあることが認められる. 表2. 集団所属,意見のへだたりによるLikingの評定値*および一要因分析結果. 多 へだたり. F. 値 df P. 団. 集. 意見の. 全. 体. 数 自集団. 所. 属. 派. 少. 他集団. 全. 体. 数 自集団. 派. 他集団. 6.56. 6●99. 4.85. 6.37. 8.00. 6.29. 1.58. 1.08. 1.42. 1.80. 1.48. 1.24. 6.42. 6.63. 5.25. 5.66. 8.20. 6.4C. 1.78. 1.06. 1.65. 1.44. 0.87. 0.58. 7.50. 6.26. 6.31. 7.09. 3.65. 6.23. 2.31. 1.23. 1A3. 1.43. 1.91. 0.89. 6.80. 7.04. 5.25. 5.09. 6.80. 4.93. 1.63. 1.08. 1.72. 1.45. 0.98. 1.12. 7.21. 8.15. 3.90. 5.48. 7.50. 5.35. 2.19. 1.21. 1.22. 1.38. 1.03. 1.07. 1.54. 3.15. 2.35 4,. 45 nS. 2.26 4, 45 nS. 2.36 4,. 45 nS. 3.58 4,. 45. <.05. 4,. 45 nS. 4,. 45. <.05. ( )内ほS.D. *. 11点評定尺度で,高得点はIike,低得点ほdislikeである。.
(9) 集団成員性と意見のへだたりとが社会的知覚におよぼす影響について 表3. 集団所属,意見のへだたりによるPereeived および一要因分析結果. 多 へだたり. 全. 値. F df. 自集団. 所. 他集団. 少 自 己. 全. 体. 7.19. 7.73. 5.55. 8.60. 6.18. 1.71. 1.30. 1.34. 1.07. 1.64. 6.02. 6.30. 5.25. 6.50. 5.90. 1.32. 0.45. 1.65. 1.50. 1.48. 6.46. 6.96. 4.30. 7.70. 5.94. 1.86. 1.19. 1.70. 1.76. 1.64. 6.81. 7.15. 5.25. 7.80. 5.81. 1.74. 1.40. 1.47. 1.25. 1.05. 6.56. 7.48. 3.20. 7.70. 5.50. 2.36. 1.84. 1.23. 1.67. 1.67. 1.01. 1.91. 4.02. 2.42. 1.37. 45. も 45. 4,. P. nS. nB. 属. 派. 教. 体. eorreetnessの評定値*. 団. 集. 意見の. 4,. 45. <.01. 4,. 45. 4,. nS. 197. 数 自集団. 他集団. 7.40. (1.86) 7.40. (1.56) 7.70. (1.68( 6.90. (1.04) 6.70. (¢. 90) 0.71. 45. 4,. nS. 派. 45. 己. 自. 5.91. 7.70. 1.12. 2.15. 5.83. 8.00. 0.61. 1.41. 5.89. 7.80. 1.17. 1.72. 5.15. 7.30. 0.66. 1.27. 5.44. 7.20. 0.75. 1.12. 1.29. 0.41. 4,. nS. 45. 4,. nS. 45 nS. ( )内はS.D. Hensley. 良. asslmilation では,. I)uval(1976)の実験では,. eirect. perceived. similarity. の. および. contrast. という2つの現象が示されているが**,本実験における多数派所属. eontrast効果のみが操作的に分離できたとみなせよう。. いっぽう少数派所属においては,自集団および他集団の成員に対するper亡母ived larityに,複雑かつ明確な違いが示されている。少数派の自集団をsimilarityであると し,他集団を自己とはdissimilar. simi-. と評定している(表1,国S)。しかし,多数派所属の. 条件の場合とは異なり,被扱者と他集団との間の意見の-だたりに従って,自他ともに perceivedsimilarityの減少傾向が認められる(F4.4B-2・90,. P<0・05;. F44.8-4・73,. P<. 0.01)。対応のある二要因分析によると,自・他集団のちがい,意見の-だたりの条件差が. 有意であるのに,交互作用が認められていない(表5)。つまり,自・他集団のちがいによ ってsimilarity-dissimi1arityの区別が明確にされているとほいえ,少数派の自集団と多数 similarityが集団間の意見が-だたるに従って減少するという. 派の他集団-のpereeived 平行関係があるので, 3.. AL理論から予測されるeontrast効果とは別のものと考えられる。. IJiking. 意見配置図を見たあとの他者に対する好意度は,多数派所属の場合には評定集団のちが * **. 11点評定尺度で高得点はeorrect,低得点ほineorreetである。 Hensleyらはassimilation. 効果が明確に示されている。. eirectについて言及していないが,評定値の推移を調べると,この.
(10) 村尾泰弘・岡田守弘. 198. 表4. 多数派所属の条件:集団成員性,意見のへだたりを要因として対応ある Perceived. 要 A S C. similarityをもとにした二要因分析 S 良. 田. (意見のへだたり) (被験老) (自集団・他集団). A(S. 4.30. 4. 1.07. 0.51. nS. 45. 2.21. 2.28. 01. 593.05. 1. 593. 05. 637. 47. 01. 46.75. 4. ll.69. 12.56. 01. 41.86. 45. 0.98. 差. like. neu.tral・ point. F. 95.50. AxC. 誤. df. like. 〉ノ自集団 一一一へヽ \ ′ ヽ、>′′. 「y自鮒. neutral・ point. 、、-へ〆-他集団. ′∧ヽ ヽ. ヽ、他集団. dislike. dislike. 意見のへだたり. 図4.多数派所属における意見のへだたりと Likingとの関係. 意見のへだたり. 図5.少数派所属における意見のへだたりと Likingとの関係. いによって異って評定されている.自集団には好意を,少数の他集団には非好意を向けて. (表2,図4).自己および自集団の意見から他集団のそれ いる(Fl..与-82・19, P<0.01) が-だたるに従って,自集団-の好意度ほ増す(F"6-2.26, P<0.01)が,他集団への 好意度は意見のへだたりの水準とは異質な変動を示している(P>0.05)0. 1ikingほ,評 定集団のちがいと意見の-だたりとさらには集団所属性をも組みこんで複雑にかみあって いるようである。つまり,単純にcOntraSt効果を期待することができないことを示して いる。. 少数派所属では,自分を含めて2名という少数の自集団-の好意度ほ高いが,多数派で ある他集団へはneutralとなっている(表2,図5;. Fl,.8-68.60,. のへだたりと他集団-の好意度との関連は認められるが(F4.45-8.15, 団-の好意度の減少儀向との間の有意差ほない(F.〟-1.54,. P<0.01).また意見. P<0.05),自集. P>0.05)。しかも,対応. のある二要因分析では,自集団・他集団のちがいと意見のへだたりとの交互作用もなか った(F…8-0.86, 4.. Perceived. P>0.05)0 Correctness. 自己の表明した意見にもとづく意見配置図から,意見の知覚的正確さが評定された(表 8)..
(11) 199. 集団成員性と意見のへだたりとが社会的知覚におよぼす影響について 蓑5. 少数派所属の条件:集団成員性,意見の-だたりを要因とし七対応ある Perceived. 要 A S C. similarityをもとにした二要因分析 SS. 因. (意見の-だたり) (被験者) (自集団・他集団). 48.84 6$3. 30 ll.84 1()9. 70. 差 correc. MS. F. 10.1$. 0.33. 01. 45. 1.09. 0.45. nS. 1. 633.80. 259.79. 4. 2.96. 1.21. 45. 2.44. 4. 40.51. AxC. 誤. df. P. 01 nS. correct. t. 一一一■-. \. ′ ̄. r・一--自己. 自己 自集団. 日集団 r)eutral. point. neutral_ point 、、-、、\、. 、、__-他集団 ′′/へ\ \ 他集団. In・. ln・. correct. correct. 意見のヘだたり. 意見の-だたり. 図6.多数派所属における意見のへだたりと Perceived. 囲7.少数派所属における意見のへだたりと Perceived. correctne8Sとの関係. correetnesBとの関係. 全般に自己に対しては,他者よりも正確であると評定している。特に,多数派所属の場 合では,集団問の意見の-だたりの最少である第Ⅰ水準の自己評定ほ著しく高く,次にt-2・68,. だたっている第ⅠⅠ水準がneutralとなっている(図6,. df-18,. P<0・05).こ. 1っのまとまりの中に自分 の第Ⅰ水準の意見配置図では他集団が最近接しているために, が位置していると知覚することも可能である。そのた捌こ,自己の意見がmodal-opinion であると認めることが可能となり,円形の意見配置図上に置かれた自己の意見表明が妥当 なものとして受容されたとみなされる。 多数派所属の条件では,自己以外の自集団の成員の意見には正しいと,少数派の他集団 P<0・01)だけでなく,意見の-だたりと には誤っていると評定している(Fl...-8S.40, の交互作用も有意である(F…8-4.07, さを除外してみると,. P<0.01)。したがって,第Ⅰ水準の知覚的正確. contrast効果の存在が想定されるo. いっぽう少数派所属では,自集団-は正確であるとしているが,多数派の他集団に対し てはIikingと同じくneutralな評定である(図7)。そして,自集団および他集団に対 する意見の正確さの評定間にIevelの違いがあるだけであって(交互作用なし). AL理論. から予測されるcontra8t効果は認められない。 5.. Perceived. Similarity,. Liking,. Perceived. CorrectAeSSの比較. 自集団と他集団というように評定集団のちがいで結果を二分しておいて, 2つずつ組み合わせて対応のある二要因分析を行った。. 3つの測度を.
(12) 200. (1). 村尾泰弘・岡田守弘. 自集団-の知覚. 多数派の自集団-の知覚でほ, とperceived. perceived. similarityと1iking,. similarity. p6rceived. P<0.01;. correctnessとの問に,それぞれ有意差があり(Fl.4さ-9.80,. Fl,也-11・81,. P<0・01),. perceived. similarity. よりもIiking,. 1ikingよりもperceived. correctnessへと評定がneutral-向う傾向を示している。このような債向は小数派所属 P<0・01;. の条件でも同じである(Fl-48-29・48,. 条件で自集団に対するperceived. Fl,48-42.46,. similarityとperceived. P<0.01).多数派所属の. correctnessの評定にほ,意 P<0.01)o これはperceived. 見の-だたりの水準との間に交互作用がある(F4,4さ-2.87,. eorreetnessの第Ⅰ水準?高い評定値によるものであろう。少数派所属の条件でほ,少数 派の自集団-の知覚に関する3測度の間にIevelの違いがある。しかし,すべての測度が J. 意見の-だたりに従って変化(減少)するという平行的傾向を示している(それぞれ交互 作用なし)0. (2)他集団への知覚. 少数派の他集団-の知賞でほ, perceiァed perceived 14・86,. simi1arityと1iking,. perceived. similarityと. correctnessと:の問に評定値のIevelによって,それぞれ有意差があり(Fl,45Fl,48-琴6.72, P<0.01),それらの差は,自集団-の評定Ievelの相異. P<0・01;. よりも著しい.また,. perceived. と変化する傾向と比較すると,. similarityが意見の-だたりに従ってdi88imi1arity. -. likingが変動の異なる傾向を示している(F"占-12.27,. P<0・01).つまり,. correctnessとの間にほ1evelの perc占ived similarityとperceived 違いがあるだけで平行的債向が認められるのに, likingはそれらといくらか違った様相を 示している。. 多数派の他集団-の知覚には,少数派の自集団-の知覚と同様の債向が認められる。し かし,他集団-の1iking,. perceived. eorreetness. の評定Ievelほ,ともにpereeived. similarityよりもneutralとなっている(それぞれ交互作用なし)o 実験者が操作的に規定した集団成員性は,自集団-と他集団-との知覚の違いとして確 認された。つまり,自集団成員の意見がmodal-opinionの領域からほずれず,しかも一 定した配置(constant 変動しているo 行的傾向を示し,. arrangement)であっても,.他集団の存在によって社会的知覚が 自集団-の知覚の変動は,多数派所属,少数派所属ともに, 3測度が平 perceived. similarityとIiking,. perceived. correctness. ある。いっぽう,他集団-の知覚でほ,測度問の変動傾向が異なっていて, similarityが1iking,. perゃeived. とが摂関係に perceived. correctnessと必ずしも類関係となっていない。. ⅠⅤ.考. 察. 社会的知覚を取り扱う実験室実験でを羊,知覚判断対象の意味やそれに対する被験著の価 値観と実験操作との関係が重要な事柄である。本実験で用いた判断対象は「家庭の経済的 背景によって異なる処偶を受けた,窃盗の疑いをうけた2少年の事例+である。この事例.
(13) 201. 集団成員性と意見の-だたりとが社会的知覚におよぼす影響について. は,仮想的に作り出されたものであって,いろいろな解釈が可能であるが一般的な社会的 価値にてらすとおよそ一定した意見表明が得られるように工夫してある。つまり,結果的 には判断決定ができるだけ一様となるが,考えをめ(oらせればいろいろに解釈できるので, 解釈と判断との間が不連続となる可能性のある事例である。これに対する大学生の被験者 達のmodalopinionは,法機関に対する批判であった。しかし,本実験では,被験者にど のような意見がmodalopinionであるかということ(あるいは相対的価値観)が正確に知. らされないままに,自己および他者の意見が円形の意見配置図上の相対的な位置関係とし て図示されたにすぎなかった。そしてそこでは,他者の意見に対する類似性知覚(あるい は判断)が位置関係の変動に従うと考えられるので,関与性の乏しい物理的刺激に対する HelsonのAL理論の適用 知覚判断に額同してもおかしくはないであろうとの視点から, (とりわけcqntrasteぼect)が試みられた。ところが,情報のフィ∵ドバックがあいまいで 情報量も少ない実験事態であるのに,自己の意見が正確であると一貫して知覚されている (国6,. 7)だけでなく. 自己および他者の布置(集団成員性)に対する鞍似性知覚によって Festingerの社会比較. 他者-の好意度が変化するという現象が生じている。この点ほ,. 過程理論の適用を困難としている。つまり,判断対象事例のもつ意味やmo血l. opinion. が,大学生の被験者にはある程度の範囲をもって,実験操作以前の段階で把握・受容・決. 定されていて,自己のIreferenc声POintとなっていると考えられるのである。したがっ て,被験者を価値判断事例に対するmodalopinianに相応する位置におき(実験操作), 他者との位置関係でいろいろのgroupingをした本実験事態で紘,価値観や判断の準拠粋. がすでに確定しているような社会的判断のとも恵う知覚事態の再現とみなすことができる。 そこで,社会比較過程だけでも,あるいは. AL. pointのshiftのみに基準をあててAL. 理論を単純に適用しようとするだけでも理解しにくいこととなってしまう。 Ⅱensley. and. Duvalほ,. perceived. similarity,. liking,. perceived. correctnessにAL. 理論から予測されるeontrast効果が作用したと述べている。しかし,図1で示したよう に,逸脱群の意見が自集団に最近接している場合には,同化効果が生じている。自己と他 者との位置を知らせる手段に多少のちがいがあるが,意見の-だたりの関係を比率に変換 良 I)uval(1976)のperceived を重ねてプロット similarity して,本実験とHen81ey Ⅱensleyらの結果では同化効果と対比効果が連続していること,本実 験結果が対比効果のみを分離し得たことが認められる(図8, 9)o また,本実験結果で してみたところ*,. は,評定集団のちがい,集団所属性,意見の逸脱度によって, liking,. perceived. Similarity,. perceived. correctnessが複雑に知覚されている.つまり,対比効果ほ少数派の他 集団が逸脱している事態での多数派自集団知覚に限定されるベきであり,いっぽう少数派 9)。この点につい に所属する場合には,多数派に同化していくものと考えられる(図8, ての確認のために,実験終了後に他者-のcommtmicationの方向と内容とを自由記述式. に測定してみたところ,多数派所属では,逸脱する少数派他集団の成員にcOmmunication が集中して向けられている(斉-性の圧力であるか,説得であるかは不明であるが)。この *耳ensley. 良 Duvalでほ,. (Ⅰ)1.05,. 2.ll, (ⅠⅠ). 3.16, (ⅠⅠⅠ). (IV). 4.21,. (Ⅴ) 5.26である。.
(14) 202. 村尾泰弘・岡田守弘 similar. s王milar. 一本実験 \ \ \. ---. HerlSley. and. Duval. ′一- ̄. Tleut. ral-. neutral. point. point. 一本実験 ---. EezISley. and. Duval. dis・. di島.. similar. similar. 意見の-だたり. 意見の-だたり. 囲8.少数派所属における意見のへだたりと 自集団へのPereeived similarityと の関係 (Ⅱensley & Duval, 1976の意見のへ だたりを距離の比に計算しなおした). 図9.多数派所属における意見のヘだたりと 他集団へのPerceived 8imilarityと の関係 (Hensley & DllVal, 1976の意見のへ だたりを距離の比に計算しなおした). ことをⅡen$ley&Duvalと比較する(表6)と,価値判断がともなう関与度の高い社会事 象を用いた本実験において,より強いeontrast効果(柿崎, 1966, 1974; Tajfel, Ⅱ. 1957) が確認されている.しかし,本葉放でのperceived dissimilarityとdiBlikingとの関連 性が不安定であることほ問題を残している。. 意見の類似性とattraction (likingと類義である)との関係を扱ったAqascaro& 紘,. Graves. situationの導入が欠けていたが, Kaplan, M.F. & 01ezak, P.Ⅴ. (1971)は集 団成員性との関係で検討している。 Kaplanらによると,被験者が少数意見に属している 時には,集団内で態度の一致するもの-のattractionが増大し,多数意見に属する場合に social. 紘,態度の一致とattraetionとの関連は少ないと報告されている。この研究でほ,集団 内成員間の類似度ほ扱われているが,多数派集団と少数派集団との間の類似度が考慮され て■いない。集団所属性を考慮した本実験結果では,自集団-の1ikingが多数派と少数派と の類似度によって影響を受けている。つまり,集団内での額似性を取り扱うか,集団間で 取り扱うかによる変動は,一義的に認められないということであろう。いっぽう,少数派 所属では,成員同士のunit. formation. Heiderによれば,. ciationが生じていると考えられる。 うが,本実験では,. perceived. 動)がdynamicであるので,. (Heider, F. 1958)というより,一種のunit. similarityと1iking, modal. negative perceived. disso-. tmitということになろ. correctneBSとの関係(変. opinionから逸脱していく多数派他集団にひきずら. れている(bるいはreference. pointを多数派の意見分布に近づける)と理解した方が予 盾が少ない。そこで,少数派所属では, 3測度の全評定値の加重平均(表1-8)が多数派 にひきずられていると倣定すると,同化は中心化懐向の特殊であるとみなすこともできよ う(野口, 1964)0 さて, Sherif, がreferenee. M・ら(1958,. 1961)の社会判断理論では,最初に表明した自己の意見. pointとなって,連続体上に受容と拒否の範囲が定まり,受容範囲に入る.
(15) 203. 集団成員性と意見の-だたりとが社会的知覚におよぼす影響について 表6. 多数旅所属の場合に集団成員に向けられたCommunication比率の比較 & I)uval, 1976) (上段ほ本実験,下段はHen$1ey 意. 見. の. だ. -. た. り. 集団成員性 Ⅱ. 団. 団. ⅠⅡ. Ⅳ. 4.a. ll.4. 10.0. 11.4. 5.7. 26.0. 11.0. 7.0. 7.0. 5.0. 55.0. 40.0. 35.0. 95.0. 95.0. 68.0. 75.0. 7S.0. 29.0. 15.0. (%). 変化に同化し,拒否の範囲に他者の意見が入ると,対比により,他者は非常に偏ったもの との社会判断が生じて態度変化がおきにくくなると考えられているo この観点からすると,少数派所属では逸脱する多数派-の同化,すなわち,受容が生じて liking,. perceived. correctnessのneutral化傾向につながっていくと考えることは可能. である。本実験結果によると,個人の意見がmo血1であったとしても,集団成員性によ liking, perceived correctnessの評定が一貫 similarity, って,他者に対するperceived した傾向を示さないことになる。つまり,他集団成員の逸脱に対する知覚は複雑なもので あって,相手が少数派の逸脱着であれば,好意的に知覚しようとするいっぽうで,意見の 不正確さを指摘しようとする。しかし,多数派の逸脱着であれば,意見の不正確さを指摘 しない(評価することもしないとも言えるかもしれない)ということが考えられるので,社 Newcomb 会判断連続体上に受容と拒否の範囲を定めるだけでほ不十分であろう。また, はperceived. similarityが媒介変数としてattractionを規定していくと述べているが, 集団成員性や判断がもとめられる社会状況,さらには判断対象のもつ価値によって,社 perceived. 会的知覚が異なる様相を示すのであるから, perceived. similarityとIiking. (あるいは. cムrrectness)が一義的関数関係にあるとはいえないであろう。 perceived. 最後に,少数派所属事態を同調性発生事態とみなすと,. similarityとIiking'. correctnessの関係が,平行関係にあるのか交互作用をもつ(意見のへだたり likingに示されるemotional機能とperceived との間に)のかが一定でないので,. perceived. cor-. rectnessに示されるcognitive機能という2つの異なる機能が併存し,作用の■しかたも 異なるのであろうという示唆を本実験結果から得た。 参. 考. 文. 献 distortion. of j-udgPress・ Groups, leadership, Carnegie and (Ed.) ments. 薫 三隅二不二・佐々木 集団圧力が判断の修正とゆがみに及ぼす効果 岡村二郎(釈) 1969 Ⅰ』誠信書房pp・ 227-240・ (訳編) 『グル-プ・ダイナミックス(第2版) in experiIn L・ Berkowitz Attitudes (臥) Advanced Byrne, D. 1969 and attraction・ Asch,. S.E.. 1951 In. 仇ental Festinger,. Eirects. of Ⅱ. Guetzkow. 80eial p8y6hology. L. 1954 A theory. group. pressure. upon. the. modification. and. men・. γol. 4, Academic of socialcomparison. Press・ process・. pp・. 35-89・ Humman. Rela舌ion8・. 7, 114-140・.
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