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Title
FMC(全部金属冠・全部鋳造冠)の形成手順について
Author(s)
佐藤, 亨
Journal
歯科学報, 113(6): 611-612
URL
http://hdl.handle.net/10130/3216
Right
FMC の形成手順は大きくは2つの手順にわけられ る。 一つは軸面から形成する手順,もう一つは咬合面 から形成する手順である。お互いに長所,欠点はあ るが,①咬合面のクリアランスを適切量確保しやす い,②機能咬頭の軸面形成を適切に行いやすい,な どの理由から,羽賀教授,腰原教授以来,当講座の 臨床基礎実習,臨床実習では,軸面から形成する手 順で教育している。 FMC の臼歯部支台歯形成 では具体的手順にそって説明する。 1.支台歯形成軸(クラウン着脱方向)の決定 臼歯部における単独歯の支台歯形成軸は,歯冠 軸方向あるいは咬合平面に垂直に設定する。 2.隣接面の形成 形成軸を考慮して隣接面スライスカットを行う (図1)。この際,隣接歯のコンタクトポイントを 傷つけないために,下部鼓形空隙部分よりかきあ げる感じで支台歯形成を行うとよい。 3.軸面の形成 辺縁形態は FMC であるので,シャンファータ イプとする(図2)。頬舌側の軸面は形成軸に対し 2∼5度のテーパー(軸面傾斜角)で形成する(図 3)。
臨床のヒント
Q&A
クラウンブリッジ補綴学系
Q&Aコーナーは,東京歯科大学の3病院の臨床研修歯 科医から寄せられた質問に対しての回答です。回答は本 学3施設の専門家にお願い致します。内容によっては基 礎や臨床,あるいは歯科や医科と複数の回答者に依頼す る場合もあります。毎号掲載いたしますので,会員の皆 様もご質問がございましたら,ぜひ東京歯科大学学会ま でeメールかファックスで依頼していただきたいと存じ ます。必ず ご 期 待 に 添 え る こ と と 思 い ま す。今 号 は FMC(全部金属冠・全部鋳造冠)の形成手順に関する質 問です。Answer
Question
FMC(全部金属冠・全部鋳造冠)の形成手順について 図1 隣接面のスライスカット 頬側に開きぎみのスライスカット方向が望ましい 0.2mm 0.5mm 図2 シャンファー形態 マージン部は金属で薄くても再現性があるので形 成しすぎないよう注意する 歯科学報 Vol.113,No.6(2013) 611 ― 55 ―頬舌面と隣接面の隅角は角ばらない丸みを帯び た形成とする。また辺縁も一連続性になるよう修 正する。その際の隣接面のマージンは直線を描く のではなく,隣接面歯冠乳頭の形態にそって,歯 冠部に向かった凸状のマージンに仕上げることが 重要である。マージン位置は,臼歯部の歯冠修復 であるので歯肉縁上に設定するとよい。無理に歯 肉縁下に入れることなく,この明視できるマージ ン 位 置 を 採 用 す る と,マ ー ジ ン 形 式 の 良 否, FMC のマージン適合性などがしっかり確認でき る。 機能咬頭部は歯冠側の咬頭外斜面の形成をおこ ない,軸面を2面の形態に仕上げる。 4.咬合面の形成 咬合面は,対合歯とのスペースが一定になるよ う考慮して形成を行う。咬合面歯質が残存してい る場合は,1∼1.5mm の深さのガイドグルーブ を付与し,それが完全に消失するように咬合面の 形成を行う。 クリアランスの確認には軟化したパラフィン ワックスを咬合させてチェックする。また咬頭嵌 合位だけでなく下顎偏心時のクリアランスの確認 を行うことも重要である。 5.仕上げ 軸面と咬合面との移行が鋭利にならないよう面 取りをする(図4)。併せて,辺縁は波打つことな くスムースに移行しているか,軸面にアンダー カットがないか,対合とのスペースは確保されて いるかなどを確認しながら,面を滑らかにする。 図の出典;New BASIC CROWN & BRIDGE
PROSTHODONTICS PROCEDURES DEPARTMENT OF CROWN & BRIDGE PROSTHODONTICS TOKYO DENTAL COLLEGE 学研書院 Answer:佐藤 亨 東京歯科大学クラウンブリッジ補綴学講座 図4 面取り・仕上げ 形成面全体をスムースな面に仕上げる 二面形成 面とり 隣接面形成面 図2 図3 軸面部の形成 テーパーに注意し,マージンは一連続性のスムー スな形態に仕上げる 612 歯科学報 Vol.113,No.6(2013) ― 56 ―