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シンビジウムの苗の生育に及ぼす植込材料の影響: 沖縄地域学リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

Author(s)

上里, 健次

Citation

沖縄農業, 14(2): 15-19

Issue Date

1978-07

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/1179

(2)

シンビジウムの苗の生育に及ぼす植込材料の影響

上里健次

KenjiUESATO:EffectsofplantingmediaonthegrowthofseedlingsinCy伽j伽加

琉球大学農学部農学科 径の素焼鉢に植込んで実験を開始し,以後は年間を通し

て,表面が乾いた後に潅水という原則のもとに管理し

た.したがって各試験区における潅水のひん度はそれぞ れ同一ではなかった_施肥に関しては水苔およびパガス 区と他の試験区では植物栄養的に大きなI差があり.や> 問題点も残るがここではすべての試験区を同様に扱っ た.ハイポネックスの1000倍液を初年度は4月から,次 年度は3月から,それぞれ11月末までほぼ2週間の間隔 で施した.実験は1977牢の12月まで約22カ月間の長期に わたって続行した.なおパガスの腐植化は予想以上に早 かったため,パガスの試験区では次年度の3月に新しい パガスを追加した.

Ⅲ実験結果

植込材料として最も一般的である水苔を対照区にと り,シンビジウムの苗の生育に及ぼす各値込材料の影響 について草丈,葉数,萌芽数,根数などを調査し,その 結果を第1表にまとめた. 1.地上部の生育 第1表の中から草丈と葉数について,95%の信頼限界 値を書き加えて第1図に示した.まず各植込材料の単独 使用の効果について水苔区を対照に比較すると,発泡ス チロール区が極端に悪く,次いでヘゴ区も有意な差のも とに劣った値が得られた.軽石およびパガス区では水苔 区とほとんど同様であった.パガスを容積比で50%前後 加えた併用区では、発泡スチロール区においてかなりの 生育改善が見られたの諺はじめとして、すべての試験区 で単独使用区より良好な結果が得られた.とくに軽石お よびガジュマル多孔質材との併用区においては,きわめ て有意な差ですぐれた値が得られた. 葉数は実験開始後に生じた葉で、しかも新葉について はその直下位葉長の50%を越えた展開葉を目やすにして 計数したものである.全般に草丈ほどの数値のぶれはな く,水苔区より有意な差のもとにすぐれた試験区は見ら れなかった.実験に供したシンビジウムの幼苗は,最終 調査の時点で第1シュートの生長が終り,それ以降の生 lはじめに この数年来.沖縄県においてもラン栽培者の増加が目 立っているが,それに付随して起こる問題の一つに棺込 材料の問題がある.ランの植込材料に関しては古くから 多くの人々によって研究されてきたが,それらの具体的 な報告はそれほど多くない(2,5,7,11).棺込材 料の適再性の調査には長期間が必要で,その間に培地の 変質および他の関連要因の変化などがあって,明確な結 論を得ることは困難な場合が多いしかし現実には国内 外を問わず,ほとんどの栽培者は各人各様の値込材料の 利用法を体験的に確立しており(1,3,4,6),具 体的な報告例が少ないことは単に公表を控えているだけ のことと思われろ.植込材料に関する研究の手初めとし て,ここではシンビジウムの茎頂組織培養によって増殖 された苗を対象に,いくつかの値込材料の生育に及ぼす 影響を比較検討した.

I実験材料および方法

実験材料には,シンビジウム,サンフランシスコ‘メ ドウミスト,の茎頂組織培養によって増殖された,いわ ゆるクローン苗を用いた.試験管からとり出して約3年 間,水苔および軽石培地で養成した幼苗の中から,展開 葉数4~5枚,箪丈15~20醜,発根数(活性のある根端 部を有するもの)4~5本の条件に該当するものを選び 出して実験材料に当てた. 埴込材料には水苔,軽石(宮崎産の日向士),ヘゴ, ガジュマル支柱根の多孔質材,発泡スチロール,および パカス(さとうきび茎の搾汁残査)の6種を用い,それ ぞれの単独使用およびパカスとの併用(容積比で約5M の量)の影響を調査した.軽石は5~l0jii211径のものを使 用し,ガジュマルの多孔質材および発泡スチロールにつ いては.前者は約3轍立方,後者は約2蛾立方の大きさ のものを中心に使用した.パガスは新鮮なものを水洗後 約3週間陽光下で乾燥して使用した. 1試験区当たり10本を対象に,1976年3月2日にl2qiz

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Numberof vital roottlps Plant height Number of leaves Number ofnew shoots Numberofroots Treatment PrimarySecondaryTertiaryTotal crn Sphagnum Pumice Treefern C-P-F Styrol Bagasse Pumice Treefern C-P-F Styrol 41.6 45.4 27.0* 27.1* 18.2** 31.0 39.2 36.9 36.7 28.5* 7.7 10.4 5.3 2.5 0.9 8.1 11.2 8.1 5.8 5.2 62.0 20.2 22.1 17.6 16.3 13.5 19.0 17.4 17.9 18.9 15.6 20.2 20.1 8.9 9.7 4.6 11.6 18.9 16.6 16.8 12.3 2851149406 1001002210 * *仁ボ ー又。1ユハワnUnワハリ、”》q〉1LQJ ●●●●●●●●●● ワー(xU(原Uワ0頁JR。。◎ワー(H・ヴー 551159234 ●●●●●● 0000000000 63.6 53.8** 60.9 38.0** 60.2 73.9** 66.5 76.0** 62.4 Used individualy Usedwith bagasse A11valueswerecalculatedfromlOplantsmadeupeachplotand*showsthe significanceofdifference・C-P-Fmeanscubesofprop-rootofFjcz4s”cγ0cαγPcz.● N、B、

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17 上里:シンビジウムの苗の生育に及ぼす植込材料の影響 50

40

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0 0 0 3 2 1 の一○日》○僧の二日ロZ

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0 日ロロ ゴ①①色・ ロUGH~の弔 閂閂 。の●● CO・戸凶・戸僧 の①~ Cd 日の四P、口①四房bOqj 昌。①-- 四 梢口。消 口の〔、僧。国臼侶Q の Usedindividualy Usedwithbagasse Fig.2.EffectsofplantingmediaonthenumberofrootsofseedlingsinCy腕bid触れ・See explanationinTablelandFi9.1. 較検討したものである.シンビジウムに対する軽石の使 用は、とくに近年その好適性が認識されて(1,3, 4,6)アメリカおよび日本国内でも広範囲に使用され てきている. ランの植込林料としての条件で重要なものは,透水性 および保水性等の物理的条件がよく,さらに長期にわた って分解等による変質がないことである.軽石はこれら の条件に合致し、さらに経済栽培の場合に重要視される 植替えの簡便さの点でも申し分ない.本実験においても 軽石は水苔と同程度にすぐれた結果が認められ、軽石に パガスを加えた試験区ではさらに良好な結果が得られ た.パガスはさとうきび茎の搾汁残査でかなりの養分を 含んでおり,腐植化に伴ってそれらが利用されたこと と,軽石の湿度保持に適度な影響を与えたことによるも のと思われろ.本実験では他にガジュマルの多孔質材と パガスの併用区においても良好な結果が得られたが,ほ ぼ同様の理由によるものと考えられる. パガスを植込材料の一部に利用することの好適性は認 められたが,これは一定期間内という制限つきであるこ とを考慮する必要がある.パガス利用の最大の難点は腐 植化が早いことで、これは上述した値込材料の理想的条 両函ではとくに2次根数の多いことが目立ったが,・他の )試験区は全休に不良であった.パガスとの併用区では, 地上部の生育において得られた良好な結果と相反して. 軽;石区において水答区とほぼ同様の値が得られたもの `の、全般に劣った値を示した. シンビジウムに限らず着生ランの根は.とくにその先 端に活性を有する部分がある間は付着性が顕著である. これらの活性根端数で各植込材料を比較すると、軽石区 の単用およびパガスとの併用区でとくに大きな値が得ら :れだ.また他の試験区においても全般にパガスとの併用 I区で顕著あった. Ⅳ考察 ランの植込材料の問題は常に新しい問題である.古く から多くの人々によって研究されているが(2.5, 7.10,11.),栽培されるランの種類および品種の変 せん、栽培様式の変化および植込材料の入手単価等の問

題が常に付随するので、結論の定着化が困難なことは当

然である.本実験はシンビジウムの第1シュートの生長 が中心となる.いわゆる中期ステージの苗を用いて,水 苔を対照に入手が簡単ないくつかの植込材料について比

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水苔はランの楠込材料としてすぐれた性質を有してお

り,ほとんどの種類に広範に使用されているが、その最

大の難点は採集コストが高いことである.また肥料管理 と腐植化の関連で不利な点があり,栽培が容易な種類に おける大規模経済栽培ではほとんど利用されなくなって いろ. 総じてシンビジウムは埴込》材料に対する順応性がきわ めて高いことが認められたが,栽培が最も容易なものの 一つであることはこれまでにもよく知られていろ.本実 験では苗に対して鉢がやや小さいためにこの傾向が増長 され,結果的にすべての埴込材料区でかなりの好結果が 得られたこれは伸長した根の活性のある先端部のほと んどが鉢壁にそってあるために起こったことで、これら に関するよりきめこまかな研究は今後の問題である. 終りに当たって、本実験の遂行に比嘉千鶴子、大脇正 信両君の協力を得たことを記したい Amer・Orch・SOC・Bull、39:1074-1076.

2.FRELSt.J、K、,R、C・FODORandJ.L・

HAYNICK1975、Thesuitabilityofcertain

barkasgrowthmediafororchids.Ibid、

44:51-54. 3.GRIPP,P、1972.OutdoorCy〃6j`jzc)OZ cultureinHawaii.Ibid、41:527-530. 4.HERMLUND,K、1968.GrowingCy籾6M伽” inHawaii.Ibid、37:601-603. 5.LUNT,0.R・andA.M・KOFRANEK196L Exploratorynutritionalstudieson Cyw6jd伽加susingtwotexureoffirbark・ Ibid30:297-302. 6.三浦二郎1972Cy伽j`j那加の栽培,洋ラン、誠 文堂新光社,P436~437. 7.三輪智,尾崎久芳1975.パーク植えにおけるデン ドロピウムの施肥に関する研究、(第1報)パーク およびミズゴケ植えでの3要素の影響.静岡県農試 報告、第20号,108-122. V摘要 シンビジウムの茎頂組織培養によって増殖された苗を 対象に水苔、軽石,ヘゴ,ガジュマルの多孔質材、発泡 スチロールおよびパガスの,それぞれ単独およびパガス との併用使用の適否性を検討し,次のことがらを確認 した. 1.単独使用試験では軽石と水苔で良好な結果が得ら れたが、その他の棺込材料は不適であった. 2.パガスとの併用試験では軽石およびガジュマル多 孔質材で良好な結果が得られた. 3.シンビジウムの長期にわたる大規模栽培において は,種々の点で軽石の使用が適当であることを考察し た. 8.-1978.洋ラン栽培における檀込材料の種類と その特性.農及園、52:1277~1281. 9.三木康之亟1969.小型シンビジウムの栽培.同上 43:966-1000. 10.野村正1972.デンドロピュームの肥培管理.同上 46:1339-1344. 11.SHEEHAN,T、J、196LEffectsofnutrition andpottingmediaongrowthandflowering ofcertainepiphyticorchids.Amer・Orchq Soc・BulL30:297-302.

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上里:シンピゾゥムの苗の生育に及ぼす楠込材料の影響 19 1.水苔(左)および軽石区(右)における シンビジウム苗の生育状態 2.ヘゴ単用(左)およびバガスとの併用区(右) におけるシンジゥム苗の生育状態 3.ガジュマルの多孔質材単用(左)およびパ ガスとの併用区(右)におけるシンビジウ ム苗の生育状態 4.発泡スチロール単用(左)およびパガスとの併 用区(右)におけるシンジゥム苗の生育状態

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