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F. コンツェルマンの『自己金融論』についての一考察

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(1)商経学叢 第50巻第 3号2004年3月. F. コンツェルマンの『自己金融論』に ついての一 考察. 牧. 健. 浦. 概要 本稿は Conzelmann, F. : Das Problem der "Selbstfinanzierung" der Unterneh­ mung, Stuttgart 1935. を中心にした, 大戦間でのドイツの自己金融論の学説史研究であ る。 ここで, 本稿の概要を述ぺれば. コンツェルマンが, リ. ー ガー. の私経済学的視点とその. 他の経営経済学的視点に分けたことを重視して, 前者では, 自己金融の概念と前提. 留保さ れる支払手段を流動性問題として検討する。 他方, 後者では, 1930年代前半での代表的な自 己金融に対する見解を概観した後, コンラ ー ド, プリオンとシュミットによる主張について 批判的に考察し, 企業政策問題として自己金融を検討する。 キー ワ ー ド. コンツェルマン 自己金融 私経済学. 原稿受理日. 2004年1月28日. 1. は. じ. 経営経済学. め. 資本維持. に. 第一次大戦後の経済生活をあらわす用語において. スロ ー ガンとして用いられる概念と して,「自己金融」の概念は現われたが凡戦後の新しい状況であるインフレ ー ションとそ の後の経済上の大困難がこの新しい概念が形成された要因であった 2) 。 自己金融は. と りわけ商業新聞の記事で特定の企業に関連して語られてきたが. 経済部門や国民経済の 全体の動向(Verhalten)を特徴付ける ため に も用いられてきた。 また. 経済科学 の (wirtschaftswissenschaftliche)論文. 特に. 経営経済学の論文でも.「自己金融」とい う概念は普及した 3) 。 このため. 当時(1935年)でも,自己金融の問題は時事的な(aktuell) ものでは既になかった凡 ところで. 本稿で検討する, コンツェルマン著『企業の「自己金融」の問題』(Conzel-. 1) Vgl. Conzelmann, F. : (Selbstfinanzierung) Das Problem der "Selbstfinanzierung" der Unternehmung, Stuttgart 1935. S.1 u. S.53 u. S.92. ; Conrad, J.: (Selbstfinanzierung) Die Selbstfinanzierung der Unternehmung (Ein Beitrag zum Wesenswandel der A. G.), Betriebs- und Finanzwirtschaftliche Forschungen, II. Serie Heft 50, Berlin 1931. S.7. 2) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.2 u. S.1. 3) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.1 u. S.75. 4) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.2. -163(471)-.

(2) 第 50巻. 第 3号. mann, F. : Das Problem der "Selbstfinanzierung" der Unternehmung, Stuttgart 1935.) は,「自己金融」の概念に対して科学的な批判をすることを課題とする。 この点, リ. ー. ガ ー (Rieger, W.)により主張されたような, 私経済学の論理体系では丸「自己金. 融」の検討は, 明らかに非常に限定されるが, 無駄ではなくて, 個別経済の原則 (Diszi­. plin) を明らかにするための, 本質的な問題について言及する機会をもたらす6)7)。 具体的 には, 本稿の前半では, リ. ー. ガ ー の「私経済学序説』での考え (Gedankengut) が,「自. 己金融」の問題に関連して述ぺられるものに織り込まれる。 また後半では,「自己金融」 の問題を取り扱う, 経営経済的な主張について批判的に検討される8)。 その際,「自己金 融」の問題に対する経営経済学者の見解は コ ンツェルマンの立場とは異なるため, 論点. (Polemik) についての印象 (Eindruck) が簡単に示される。 反面,「自己金融」の国民経 済的な側面を説明することは断念されているが,. コ. ンツェルマンは,「概念. 形式面か. ら, 徹底的に,『自己金融』の問題を取り扱おうとする」9)。 つまり, 自己金融の背後に隠 されているものについて, 批判的に, かつ, 特定の利害関係に左右されることなしに, 言 及して, 純枠な専門科学的な研究を確立しようとする 10) 。. 2 (1). 私経済学から見た「自己金融の問題」. 自己金融の概念と前提. さて, 純粋に語義通りに (wortsinngema.B) 考察すればII), 自己金融 (Selbstfinanzie-. 5) この点, 私経済学は, リ ー ガ ー に よ り主張され た よ う に, 剰 余 貨 幣 の獲 得 (Mehrgeld­ erzielung) という目的を持つ貨幣転換機関 (Geldumwand! ungsanstalt) として, 企業を考察す る (Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.5 u. S.109.) 。 そこでは, 企業を指導する, 貨幣獲得思考 (Gelderwerbsgedanken) の表れ (Ausstromung) として, 企業内でのすぺて の 現象は把握されるぺき で あ る。 企 業家の努力が具体化される, 企 業 の す ぺ て の執行 (Veranstaltung) は, 貨幣投入を敢えて行い (wagen), さまざまな形態を経て, この投入され た貨幣を回収し, しかも剰余貨幣, つまり, 利益だけ増大させるという目的を有する。 このため, 企業のすべての問題は, 貨幣上の出来事 (Geschehen) という観点下でのみ, その意義を獲得で きる (Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. 8.5-6.)。. 6) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. 8.3. 7) この点, コンツェルマンは「科学的思考の課題は, 本質 (Seinden) の論理的な認識, 因果関 係と可能な法則性の解明にある。 これは, 本質的なものを非本質的なものから分離し, 1 つの原 理 (Leitsatz) から現象の多様さを明らか に す る こと を 意味する。 科学的な思考では確信 (Glaube) から知識 (Wissen), 意見 (Meinen) から証明 (Beweis) が生まれる」 (Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. 8.2.) と述ぺている。 8) Vgl. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. 8.3-4. ; 参照。 森 昭夫著(自己金融論)『企業自 己金融論J千倉書房 1963年 4 頁 9) Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.4. 10) Vgl. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. Vorwort S.1.. 11). この点, コンツェルマンは, 検討目的につい て,「われわれは「自己金融』という概念の語義通 りの (wortsinngem 曲)内容を全く偏見なしに (unbefangen) に調ぺようとする。 従って, 企?. -164 (472)-.

(3) F. コンツェルマンの「自己金融論Jについての一 考察(牧浦) rung) は,「資本調達する」 (-finanzierung) という後半部分は動詞の概念を内容とし, これに対して『自己』 (Selbst) という前半部分が主体か客体の関係にある.配語法(Wort­ fiigung) である。 このため, 語義上では,「自己金融」は.「自己」という接頭辞により特 徴付けられる特殊な様式での資本の調達 (Kapitalbeschaffung) であり, 特殊な特徴の 追加により資本調達という普遍的な概念は限定され, その適用領域はより狭くなってい る 12) 。 この点. まず, だれが資本を提供するのかを問えば. シェ ー マ上では. 以下の企業 の資本調達が可能である。 すなわち. 1.. 企業家 (Unternehmer) によるもの。 a). 企業の外部に由来する資本による資本調達=自己資本調達 (Eigenfinanzie­ rung). b). 企業の内部で形成され. そこに留められる (verbleiben) 資本による資本調達= 自己金融. 2.. 企業とは利害を異にする者 CUnternehmungsfremde) によるもの=他人資本調達 (Fremdfinanzierung). 1では, 企業家による資本調達が生ずるが, la) では. どれ程の資本を私的な部門から企 業の部門に移すのかを企業家は決定するのに対して, lb) では. 利益処分についての企業 家の決定により獲得された剰余貨幣(剰余資本) の一定額が企業の処分力 CVerf iigungs­ gewalt) に再び委ねられる 13) 。 また. 企業に配備される資本がどこで形成されるのかを問えば, 以下の可能性がある。 すなわち. 1.. 資本が, 企業内で, 投入された資本の再調達を上回る剰余資本として. 形成され, 企業家の決定により企業内に留められる=内部からの資本調達(内生的資本調達) 自己金融。. 2.. 資本が. 企業外で発生し. 企業に導入される=外部からの資本調達(外生的資本調 達)。これは• a)企業家によるか. b)企業とは利害を異にする者かにより,生ずる14) 。. 、業が「自ら資本調達する」ときに従うぺき, 規則を見付けることは問題になりえない。『自己金 融の基本原則』を作成するこ とはわれわれとは完全に無関係である」 (Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.6.) と述ぺている。 12) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.7. : Conrad, J. : Selbstfinanzierung. S.8. 13) Vgl. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.7-8. ; 参照。 森昭夫(自己金融論) 42頁 14) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.8. : Hegner, F. : (Selbstfinanzierung) Die Selbstfinanzierung der Unternehmung als theoretische Problem der Betriebswirtschafts­ lehre und der Volkswirtschaftslehre, Bern 1946. S.102-103.: 参照。 拙稿(ヘグナ ーの自己金融) 「ヘグナ ーの『自己金融』についての一考察」近畿大学商経学叢第47巻第 1 号 2000年 137頁 -165 C473)-.

(4) 第50巻. 第3号. しかしながら, コンツェルマンによれは, 資本が企業内で形成されうるという主張は基 本的には正しくない。「企業の給付の適切な報酬(VergUtung)を通じて利益の獲得につ いて決定する, 市場が企業の資本形成(Kapitalbildung)の可能性の『支配者』CHerr) である」15\. -. 、 ところで, 自己金融に論理的な内容を与えるこのような試みから,「自己金融は, 支払手. 段(資本)が企業の有効な活動の存在Cerfolgreiches Tatigsein)により獲得され, 企業. ヽ. 家の行為により企業の処分領域(Verfugungsbereich)に投入される, 企業の資本の調達 の形式である」 16) ことを確認できる。 反面, まず, 自己金融において資本の調達といわれ ることに対して異議が唱えられうる。 資本は既に存在するため,「調達されるのではな い」。 しかしながら,コンツェルマンによれば, 自己金融では, 処分領域の移転C Oberfuh­ — rung)の意味での一 調達が獲得された剰余資本の処分についての決定と結合している. ヽ!!I. ヽ • (zusammenfallen)ため, 資本の調達について語ることは正当である17)。 また, 資本調達. のために用いられる支払手段は, 企業家により費やされた資本(aufgewendete Kapitai) に対して剰余(0 berschuB)を求める, 企業の有効な努力の中間成果(Zwischenergebnis). ゜. である 18) 。 このため, 「自己金融」 の概念にとっては, 企業の有効な努力の最終結果であ る「最終利益」(Endgewinn)ではなくて, 「中間利益」(Zwischengewinn)からの資本 ヽ 調達のみが重要である 19)20) 。 実際にはこれが真の自己金融の過程であり, 利益の発生後, ヽ. 決算時点まで企業内に留めることは不断の貨幣転換機関CGeldumwand! ungsanstal­ tung)という企業の本質と矛盾している。 企業は, 連続して収入(Einkommen)を獲得 するため, 直前に終了した取引行為から解放される貨幣によって, 新しい換金化過程 (Geldwerdevorgang)に直ちに関係させられる21) 。 このため, コンツェルマンによれば 企業では, 終了した換金化過程から獲得された剰余貨幣額が企業内に留められ, 新たに投 人されることにより, 継続した資本調達が生じている22\ 他方, 自己金融を成立させるという観点から考察すれば, 自己金融過程の第 一の前提は, Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.9 u. V gl. S.20 u. S.63. ; 参照。 森昭夫(自己金融論) ー ・‘ふ 45頁 16) Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.9. ; 参照。 森昭夫(自己金融論) 41頁 17) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.9-10. ; Hegner, F.: Selbstfinanzierung S.24-25 u. S.92-93. ; Hagest, K. : (Selbstfinanzierung) Selbstfinanzierung des Betriebs, Stuttgart 1952.8.23.: 参照。 拙稿(ヘグナ ー の自己金融) 124頁 18) Vgl. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. 8.10. ー 、 � 46頁 19) Vgl. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.11 u. S.148.; 参照。 森昭夫(自己金融論) 20) その際,「いわゆる『期間利益(Periodengewinn)』もしくは個々の取引行為に関して企業が獲 得する利益が『中間利益』と解される」(Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.11.)。 21) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.12-13. 22) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung.8.14. 15). -166(474)-.

(5) ヽ. F. コンツェルマンの『自己金融論』についての一 考察(牧浦) リズム, つまり, 換金化の過程(GeldwerdungsprozeB)が終了することである23)。 また,. .. 「貨幣での終結(Geldend)への到達のみでは十分ではなくて, 剰余貨幣によりリズムが有 意義に終了することが『自己金融』の第二の本質的な前提として追加されるぺきである」24)0 このため,「自己金融」の概念は, 肯定的な結果, つまり, 利益を伴って終了する販売行 為と結び付いている25)。 そして,「『自己金融』 の第三番目で最後の前提は, 終了したリズ ムから獲得され, 目前にある利益が企業から引き出されないで, 留保される (einbehal­ ten) ことである。 その際, 全部か 一部分かは概念上ではどちらでもかまわない」26) 。. (2). 「自己金融」により留保される支払手段の分析. a). 支払手段の期限付けに関して. 自己金融は, 衝動的な, 突発的に生ずる資本の増加ではない。 むしろ, 全く逐次的に生 ずる資本の増強(Kapitalvergr oBerung)に本質があり, 剰余貨幣の留保(Einbehaltung) と因果関係がある。 実際の利益の留保により企業が使用できる, 新規形成の剰余資本は短 期もしくは長期に亙り企業内に留まりうる27)。 終了したリズム(abgeschlossener Rhyth­ mus)からもたらされる, 利益の使用についての実際の決定は, 決算Hまで延期されずに, 獲得した剰余貨幣を新しい貨幣の循環において使用することにより, 行われる。 貸借対照 表作成 (Bilanzaufmachung) における利益の使用の再決定は, 純粋な計算上の過程であ. 、 .. る。 実際の利益の使用は既に過去に行われている。 引当金の「設定」により行われるもの は, 既に実施された事実の計算上での確定である。 会計期間中に生じた利益の使用法につ いての決議は, 企業内で自ら形成され,「自己金融行為」 によって使用可能になった, 新 規資本部分の期限付けCBefristung) をもたらす28\. .. .. 企業での後の分配のために残されるが, 有効に終了したリズムに由来する利益部分は,. 貨幣形態か, 貨幣に類似した形態(たとえば, 銀行預金)で規定された分配まで固持され るか, 短期の新しいリズムに再投入される。 最初の固持のケ ー スでは, 確かに, 流動性 (Liquiditat)の強化がもたらされる。 他方, 短期の新しいリズムに再投入される他のケ ー スでは, 収益性(Rentabilitat) を獲得するために, 不確実な非貨幣的な局面があらわれ. Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.14-15. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.15. Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.15. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.16 u. Vgl. S.42.; Vgl. Hegner, F.: Selbstfinanz1e­ rung. S.27. ; 参照。 拙稿(ヘグナ ー の自己金融) 125頁 27) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.17-18. 28) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.18.. 23) 24) 25) 26). 167C 475)-.

(6) 第50巻. 第3号. るため, 投機(Spekulation)とみなしうる29)。 しかしながら,「 利益分配の時点により予 め規定された短期のリズムは, 会計期間の経過中に生ずる利益部分を長期的な使用におい. .. ヽ て再拘束するという可能性を排除する。 剰余貨幣額の期間上で予め限定された使用は, 見. 通しのある将来の時点までに循環が再び終了すぺきであるため, たとえば,設備価値(An­ lagewert)への利益部分の転換を禁止する」 30)。「もちろん, 必要な制限とは調和すぺきで あるが, 一定の均衡で繰り返されるこのような過程は, 企業が良好に経過する限り, 一時 的な(vorii bergehend)『自己金融』である。 獲得された剰余貨幣額が, 一時的に集めら れ(ansammeln), 配当支払時点に一 致した, 規則的な中間期間に再び解放される。 剰余 貨幣額が発生(貨幣)形態に留まるか, 新たに短期の貨幣循環過程の冒険に曝されるのか は, この短期拘束では, 問題にならない」31)。 他方, 長期拘 束を見れば, 自 己 金 融 に よ り 可 能 に な る 資 本 の長期的な費え(Auf­. ヽ wendung)のための使用は限定された範囲でのみ認められる。 設備の拡張を, 合目的的で. •. あると成果 予想がみなすときには, 新たに導入される自己資本の援助下で, 他人資本の借 人れや, 両者の集合(Zusammenfiigung)によりできる限り早急に企業は実施させられ る32) 。 実際の活動では,3つの可能な資本調達の機 会, つまり, 自己金融, 自己資本調達と 他人資本調達がしばしば協働するため, たとえば, 設備の拡張のための資本調達を自己金 融のみではほとんどできない33)。 このため,「自已金融のみを利用する企業家は直接的に は収益性原則に反する行動を採っている」34)。 反面, 信用のリズムは設備の貨幣転換のリ ズムと広範囲に一致すべきである。 設備の拡張が他人資本のみで行われ, 部分利益を含ん だ, 獲得される成果から逐次的に企業が債務を返済すると仮定すれば, 自己金融との関連. ヽ が生じ, 従来の他人資本調達による企業の部分が自己金融される部分に総てもしくは部分 的に転換されることになる。 逐次的に集められる利益による債務の返済は, 従来の長期も しくは短期に期限付けられた自己金融の対極(SehluBstrich)をなす 35)。 29) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.19-21. 30) Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.21. 31) Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.22. 32) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.23. 33) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.23. ; Vgl. Hagest, K. : Selbstfmanzterung. S.75-76 u. S.77.; 参照。 拙稿(ハ ー ゲストの自己金融) 「K. ハ ー ゲストの『自己金融』について の一 考察」近畿大学面経学叢 第48巻 第3号 2002年525頁 34) Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.24.; Vgl. Prion, W. : (Selbstfinanzierung) Selbstfinanzierung der Unternehmungen, Berlin 1931. S.37 35) Vgl. Conzelmann, F. 1935. S.24-25. ; Theisinger, K. : (Selbstfinanzierung) Selbstfinanzie­ rung, in "Leistungswirtschaft" 1942. S.244.; 参照。 森昭夫(自己金融論) 37頁; Hagest, K. Selbstfinanzierung. S.32 u. S.76-77.; 参照。 拙稿(ハ ー ゲストの自己金融)「Kハーゲストの 『自己金融』についての一考察」近畿大学商経学叢 第48巻 第3号 2002年518-519頁. `. ヽ ▼. - 16 (47 8 6 )-.

(7) ... 一 亀 考察(牧浦) F. コンツェルマンの『自己金融論』についての •. また, 株式会社では, 資本金勘定に利益を記載することはできないし, 損益計算書に記 載される, 利益繰越し(Gewinnvortrag)は, 「配当を渇望する」株主が無条件に「分配J を要求するため, 過大には増額できない。 このため, 留保利益勘定としての準備金勘定が 長期に企てられる自己金融の正当な基礎となり, これにより, 折々の分配期限を越えた, 部分利益の留保が可能となり, 実施される36)37) 。 しかしながら, 公示利益準備金の形で留. ヽ 保される追加資本の期限付けは, 企業が利益を獲得している限りでのみ, 有効である38) 。 反面, 計算期間中に獲得した利益の一部を公表しない, もしくは, 実際よりもより少なく 利益を算定するという可能性が企業には存在するため, 秘密準備金が生ずる39) 。 この点, 「決算貸借対照表(Jahresbilanz)の作成において企業内で部分利益の留保が行われる形 式により,2つのグル ー プ, ……利益の非開示による 『自己金融』と, 開示された利益の 非分配による 『自己金融』が実施される。 最初のグル ー プでは秘密準備金だけ縮小された 利益が開示されるため, 最初に準備金, その後で利益といえる。 第二のグル ー プでは, 『正 囀. 確な』利益が呈示されるか,. 一. 部が準備金勘定に向けられるため, 最初に利益, その後で. 準備金が成立する」 40) 。 また, 公示準備金と秘密準備金の期限付けでの差異を見れば, 公示 準備金は, ある種の特殊な目的のために任意に形成されるものを除けは, 企業が損失を被 らない限り,「存在する」のに対して, 秘密準備金の形式で留保される利益部分の有効期 ヽ 間は, 秘密準備金の担い手(Trager)の換金化の経過(Geldwerdungsverlauf) によっ. て規定される4 1) 0. b). 運転価値と設備価値での効果に関して. 好都合な市場状況にある企業では, 貨幣の循環は剰余貨幣で終わる。 つまり, 循環が開 始される貨幣支出よりも貨幣収入は大きい42 ) 。 しかしながら, 貨幣は, 貨幣形態で固持さ れる限り, 成果をもたらさない。 企業家は, 剰余貨幣を得るためには, 資本の唯一 の危険 のない形態である, 貨幣から離れなければならない 43) 。 このため, 各貨幣の循環の経過後. .. .. Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.26-27. この点,「法定準備金には その使用についての規定により卜分な融通さ(beweglich) はない。 こ ヽ のため, 法定準備金は規定された金額でのみ形成され, その他は特別準備金を形成することが好 まれるか, このような任意準 備金の使用目的はさまざまでありうる」(Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.27.) 。 38) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.28 u. S.31. 39) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.29. 40) Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.29. ; Vgl. Rieger, W. : CEinfiihrung) Einfiihrung in die Privatwirtschaftslehre, Niirnberg 1928. S.312. 41) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.30. ; Rieger, W. : Einfiihrung. S.314. 42) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.32. � ヽ 43) この点, F. シュミット流に言えば , 「企業家は貨幣という安全な港を放棄し , 『価値の海?. 36) 37). - 169(477)-.

(8) 第50巻. 第3号. に, 折々のリズムの開始に投入し, 再び貨幣になった貨幣とともに, このリズムかもたら す剰余貨幣を運転資本 (Betriebsmittel)(原材料, 資材, 賃金)に転換できるのかに企業 家は注目する。 これにより, 持続的な利益獲得をもたらすために 生産の流れ (Produk­ tionsstrom) が増強される44) 。 短期的な費え (Aufwendung) に獲得した剰余資本部分 を投入することにより生産の流れを全体的に拡張すること (Anreicherung) は任意の規 模では行えない。 たとえば, 獲得された剰余貨幣額を専ら原材料の形態に更新しながら投 入することにより, 加工すべき原材料量が徐々に増加させられれば, 運転価値と設備価値 (Betriebs- und Anlagewerten)の間での調和した比率は損なわれる。 増加した原材料量. '. を克服できる状態には, 生産設備はもはやなくなる。 加工を待つ原材料量は, かなりの資 本部分を固定し, 利益獲得の観点では「未稼働」 (nichtwerbend)とみなされる。 従って, 運転資本の増強は一 定期間後には設備の拡張 (Erweiterung)を要求する45) 。 この点, 運. �. ●. 転価値と設備価値の間での比率は主に経営J:.の出来事の特殊性, つまり, 必然性(Not­ wendingkeit) から規定されている。 運転価値と設備価値の間での固定した比率を形成し ヽ ようとすることは不当な要求ではあるが, 各企業には運転価値に対する設備価値のある種. の「理想的な比率」 があり, 常に達成しようという努力はなされる 46) 0. (3) 「自己金融」と流動性問題 流動性問題は貨幣経済の特徴である47) 。 貨幣転換過程 (Geldumwandlungsvorgang) がある状況下では本来期待されたようには行われないために, 企業に対する支払準備. .. (Zahlungsbereitschaft) の 問題が現れる。 初めから換金化過程の理想的な経過を確保す ることが企業の能力内にあれば, 実際には流動性問題は存在しない。 常に, 企業はさまざ まな種類の障害に関係させられ, これらはいずれも貨幣上, つまり, 支出 (Ausgabe) と 収入に作用する。 たとえば, 製品の販売が予想されたようには展開できないとか, 債権で ヽ 一 時的に大 通常の経過が見られないとか, 大きな需要による生産能力の拡張が貨幣手段を. 量に使用するとか。 また, 流動性問題には, このような貨幣不足だけではなくて, 貨幣過. ... 豊富にリズムから収益(Er剰も含まれる。 つまり, 当座の間, 経営で使用されえない程, ヽ. "'. (Ozean der Werte)』に敢えて乗り出す。 つまり, 危険ではあるが, 利益を獲得できる財の領域 を, これによりもしくはこれを通じて期待する剰余資本を獲得するために, 探さなければならな tヽ」(Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.33. ; Vgl. Schmidt, F.: (Tageswertbilanz) Die orgamsche Tageswertbilanz. 3. Aufl., Leipzig 1929. S.58.)。 44) V gl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.33. 45) Vgl. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.34. 46) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.35.; Rieger, W. : Einftihrung. S.172. 47) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.38. - 1 70(478 ) -.

(9) F' . コンツェル マ ンの 『 自 己金融論』 についての一 考察 (牧浦) trag)がもたらされる48)0 企業の流動性の判定にとっては, 特定期間内にどのような支払義務を支弁すべきか, ど のような支払手段を こ のために用いるのかを知る こ とが課題となる。 決算貸借対照表は こ れについては限定された情報のみを与えられる。 流動性にとっては時間状況が決定的であ る。 こ のため, 流動性についての描写は, まだ再び貨幣になっておらない費えの実際の換 金化(Geldwerdung)と, 予想されておらない支出の時点の確定を基 碗 にしている。 経営 のリ ズ ムから貨幣が導入され, 必要な程度で こ れらを用いる こ とができる場合には, 企業 にとって流動性は確保され, 流動性問題は解決されたものとみなされる49) 。 と こ ろで, 自己金融は企業の流動性の形成に対してどのような影響を及 ぽすのか。 こ の 点, 流動性度 (FlUssigkeitsgrad)の「改善」が常に利益によりもたらされるのではない し, 流動性の「悪化」 により損失があらわ れるのでもない。 ただ, 長期的には, 一定規模 以 上の損失は支払準備の悪化をもたらす50) 。 しかしながら, 優れた流動性を期待させると いう 目 的ではなくて, 常に, 実際に費するよりもより多くの貨幣を獲得するという目的で 企業は設立される。 簡 ,/'単には, 資本の大部分を貨幣形態で固持し, 利益獲得過程を, 「取り. `. 組 む」 代 わ りに, 「傍観する」 こ とは, 企業の本質とは 一 致しない 5 1 ) 。 最適な収益性とい う目標は, 高度の流動性を維持するという第二の目標とは無関係には, 形成されえないが, 確かに, 優先性は, 収益性に与えられ, 流動性にではない。 「 安 全性の根 拠」と「流動性 の根拠」 から獲得された剰余貨幣をもはや新たに賭け(Spiel) に投入しない, 企業の行為 を合 目 的的, つまり, 最適な収益性という 目 標から有意義と呼ぶ こ とは愚かである。 収益 性と流動性はある意味では背反し, 危険と安全性のように少ししか調和できない52) 。 留保される利益の短期もしくは長期の拘束を流動性問題の考察に組み込めば, 折々の 「分配」までの期間での利益の短期拘束は, 企業内に目的設定に対応した形式で利益を残す こ とを要求する 53) 。 こ のため, 基本的には, 「短期の自己金融」では, 予想される「利益. ヽ. 48) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.39. 49) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.40. 50) Vgl. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.41-42. 51) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.42. 52) Vgl. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.43. 53) こ の点, コンツェルマ ン は , 「 自 己金融 は 全 く 利益の獲得 を前提とするため, 企業が被る, 損失 は流動性に影響力 を 及 ぽす が, われわれ はこ こで は 検 討 しない 」 ( Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.47.) と述ぺてい る。 し か しながら, ハ ゼナ ッ ク は , 「 たとい , 実 際には 資本 が維持さ れ, む し ろ , 蓄 積されても, 損失 が発生 し たとみなされるケ ー スでは, 一般には 分 配 は企て られ ず, 公表されて お らない 資本増加 (der nicht erkannte Kapitalzuwachs) が通常で は 蓄 積される。 ヽ (verborgene, echte Selbstfinanzierung) が呈 管理者 (Leitung) には , 秘密の, 真の自己金融 示さ れ る」 (Hasenack, W. : (Wesen) Wesen und Arten der Selbstfinanzierung. in "Die Be­ triebswirtschaft" 1931. S.137-138.; Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.117-118.) ? 冒. - 1 7 1(47 9 )-.

(10) 第50巻. 第3号. 分配」 における支払準備の問題 (Angelegenheit) を一定限度内で収益性の獲得と一致さ せる試みを内容とする, 方策が認められる54) 。 他方, 「分配期限」 を上回る支払手段の長 期拘束は公示準備金も し くは秘密準備金を発生させる。 この点, 利益からのみ供給される 準備金勘定による支払準備に対する効果 を検討すれば, 現金も し くは預金で保持されれ ば, 利益留保により流動性は改善されるが, 実際には改善は一 時的である。 法定準備金が 適度に維持されるならは, これにより持続的にある程度の緊張緩和ははかられる55) 。 しか し ながら, 企業の利益留保を持続的に無制限に続けるようとすれば, さまざまな要素がこ れを許さない。 たとえば, 秘密準備金により利益は暗黙理に縮小され, 貨幣性の支払手段. ヽ. (flussiges M ittel) は, たとえば, 配 当の形では少 し し か引き出されないため, 流動性は 改善されるが, 秘密準備金の担い手のいろいろな速度での換金化は流動性の状況に影磐カ を及 ぽす56)。. 3. (1 ). 経営経済学か ら 見 た 「 自 己金 融 の 問題」. 私経済学と経営経済学の相違点. .、. 私経済学と経営経済学はさまざまな点で相違 し て いる。 まず, 認識対象と し て , 私経済 学では, 収益性を重視する (私)企業 ((private) Unternehmung) が考察の焦点に置 かれるのに対 し て , 経営経済学では, 少なくとも方針と し て , 経営 (Betrieb) も し くは 経営の管理 (Wirtschaft) を基礎とする 57) 。 この点, コンツェルマンによれば, 「経営は, 企業と異なる, 特殊な目標設定を有する経済単位では全くないため, 経営の管理の学問 を設 立 することは 不可能な 敢 行 で ある」 58) 。 ま た, 経 営 経 済 学 で は,. 一. 方で, 経 済 学. (Wirtschaftslehre) に従 事 し よう (betreiben) と し , 他方で, 経営という技術単位をそ の業務 (Verrichtung) において 考察 し , 描写 し ようとする。 そ の際, 経営経済学のほと んどの主張者は, 企業という経済単位に属 するものと私経済学がみなす, 即 物的な問題 (sachliches Problem) に専ら適用 するために, 経営の概念を鮮 明に し ようとするが, 実 際には, 経営と企業の概念は常に混乱 し て いる59) 。 このため, たとえば, ホ フ マン(Hoffヽ と 述ぺて い る。 54) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.45. 55) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.45-46. ; Rieger, W. : Einfohrung. S.320. 56) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.47. ; Hagest, K. : Selbstfinanzierung. S.48. ; 参照。 拙稿(ハ ー ゲ ス トの自己金融) 52 1頁 57) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.48. 58) Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.48. 59) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.49.. - 172 ( 480 )-.

(11) F . コ ン ツ ェ ル マ ン の 『 自 己金融論』 に つ い て の 一 考察 (牧浦). .. .. mann, A . ) は , 「経営経済 学 の 対 象 は , 経営 で は な く て , む し ろ 企業 で あ る 。. •. ……. 経営 は. 技 術的 な 甚礎 (Grundlage) で あ る 。 企 業 の 全 体 の 代 わ り に , 単 な る 基. 企 業 の 即物的. .. .. 礎 を 経済科学 の 原 理 の 対象 に は で き な い。 … … 企 業 は 1 つ も し く は 複数 の 経営 を 含 む。 企業概念 は 上位概念, 経営概念 は 下位概念 で あ る 」60). と 批 判 し て い る 。 ま た , 私経済学 と. 経営経済 学 の 立 場 を 科 学 の 没価値性 ( Werturteilsfreihei t) の 問題 か ら 言及 す れ ば. 没価 ヽ. `. 値 的 な 純粋科学 と は 異 な り , 経営経済 学 は , 理論 的 な 洞察 (Einsicht) を 基 礎 に し て い る が, 実 践 的 な 経 済 活 動 に 対 し て , 「 も っ と も 合 目 的 的 に 」 行 動 す る 方 法 で あ る , 提 言 ( V orschlag) を 行 う 6 1 ) 。 も ち ろ ん , 合 目 的 的 な も の , 経営 ( 企 業 ) に 役立 つ も の に つ い て は 統 一 さ れ て お ら な い し , 「 あ る 状態 を 選択 し た り , 呪誼す る こ と は , 政策 家 と 実務活動 の 人 に の み 許 さ れ る が, 科学者 に は 許 さ れ な い」 62)63) 。 こ の 点, 自 己金 融 の 問題 に つ い て の 経 •鼻 営経済学の 文献は, 一. (2). し ば し ば , 偏 見 の な い 考 察 方法 が な い の で 苦悩 し て い る 64\. 経営経済 学 の 文 献 で の 「 自 己金融」 概念. さ て,. .. シ ュ マ ー レ ン バ ッ ハ (Schmalenbach, E . ) は , 大 著 『 資 本 調達』 の 中 で ,. 自己. 金 融 に つ い て 僅 か な 紙幅 を 割 い た 65) 。 彼 に よ れ ば, 「 資 本 調 達 を 経 営上 の 資 本 管理 (Kapi­ tal wi rtschaft) の 一 端 (Unterabschn itt) ,. .,,. し か も , 通 常 の 事業経営 の 領域 か ら 生 ず る 財. `. 9『. 務技術 上 の 出 来事 を 内 容 と す る 経営上 の 資 本管 理 の 一 部 分 と し て あ ら わ す こ と で私 は 満足 でき る」. 6. 6). と 述 べ る よ う に , 資 本 管 理 が 資 本 調 達 の 上位概念 で あ る が, 異常 な 経営 上 の. ,,.. 資本管理 で あ る , 資 本 調達 に つ い て は 説 明 さ れ て お ら な い 67) 。 反面, 彼 が 「 資 本調 達 の 試 60). Hoffmann, A . : ( Wirtschaftslehre) Wirtschaftslehre der kaufmannischen Unternehmung CBetriebswirtschaftslehre ) , Leipzig 1 932. S.3 ; Vgl. Conzelmann, F'. : Selbstfinanzierung. • • t (経営学要論) 8.49. ; 参照。 堀 田 和 宏 著 『経営学 要論』 新東洋出版社 1 993年 6 頁 6 1 ) こ の 点 , た と え ば , カ ル ベ ラ ム (Kalveram, W . ) は , 「 自 己 金 融 は , 社会経済 と 経営経済 上で, � コ ス ト が負担さ せ ら 資 本 形 成の も っ と も 屯 要 な 様式 で あ る 。 そ れ は , 企業 に と っ て も , 資 本 調達 れ な い た め , も っ と も 好 都合 な も の で あ る 」 (Kalveram, W . : (F'inanzierung) F'inanzierung, in "Die Handelshochschule, Lehrbuch der Wirtschaftswissenschaften", Band I. Leipzig 1929. s」269.) と 述 ぺ て い る が , コ ン ツ ェ ル マ ン は , 「 企 業 内 で 企 て ら れ る 『 自 己 金融』 や 何 か 他 の 企 ヽ 人的 な 立場 に 合 う と か, 調和 し な い も の と わ れ わ れ は み 業方策を , 良 い と か悪 い , わ れ わ れ の 個 な す と 発言す る こ と は , 科学者 と し て の わ れ わ れ に 相応 し い 課題で は な い。 こ の よ う な 価値 判 断 に 係 わ る こ と は わ れ わ れ に は 認 め ら れ な い」 (Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S . 9 4 . ) と 述 ヽ 昭 夫 ( 自 己金融論) 6 頁) 。 べ て い る (参照。 森 62) Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. 8 . 5 1 6 3 ) こ の 点, コ ン ツ ェ ル マ ン は, 「 科学 者 は , 科学者 と し て の 自 己 の 特質 に お い て , 個 人 の 欲 望 や 希 望 を 無 視す ぺ き て あ る 。 こ の 自 己否定 に よ り 初 め て 本 質 的 な 考 え を非本質的 な も の か ら 区分 で き る 」 (Conzelmann, F . : Selbstfinanzierung. S.94.) と 述ぺ て い る 。 64) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. 8.52. 65) V gl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. 8.53. 66) Schmalenbach, E . : (Finanzierung) Finanzierung. 1. Tei] : Beteiligungs-Finanzierungen, Leipzig 1932. 8 . 2 . 67) Vg l . Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S. 53-54 .. .. .. . 、 .. ... •. ヽ. .. . 、. - 1 73 ( 481 )-.

(12) 第50巻. 第3 号. みが自己の支払手段(eigene Mittel) により行われるのか, 他 人の 支払手段によるのかに ヽ. 従 って, 資本調達の最初の区分形態が現れる。 つまり, 自己金融の概念 と 負債金融 (Kre­ と 述べる と きには, 自己金融は企業もしくは企業. 68) ditfinanzierung) の概念が生ずる」. 家の自己資本 (Eigenkapital) による資本調達, 負 債 金融は他 人 資 本 による資本調達で あった69) 。 また, より詳細に,「 主に, 自己金融 と いう言葉は, 企業,株式会社(Aktienge­ sellschaft) のようなものが, 配当を少なく維持し, このようにして, た と えば, 流動性 の 一 般的な向上, 企業の内部拡大 (Ausbau) や, 外 部 企 業の合併のために, 支払 手段を 70) 保留する (zuriickhalten) ケ ー スのために使用される」. と か,「 正確にいえば, 利益を. ヽ. 資本調達のために留保する株式会社は, 自己の支払手段ではなくて, 株主の支払手段で資 本調達するため, 自己金融 と 呼べない」7 l ) と 述べている72) 。 しかしながら, コンツ ェ ルマ ンによれば,. シ ュ マ ー レ ンバ ッ ハ の最後の文のように, 株主 を 他 人の資本提供者 (frem­. der Kapitalgeber) と 呼 ぶならば, 持分会社 (Aktienunternehmung) では だれ を 自 己 資本の担い手 と みなすべきかが問題になる73). 、 達、 また, ラ イ ト ナ ー (Leitner, F.) は, 『企業の資本調達』 で, 「 企業では, 内 部 資 本 調 疇. Cinnere Finanzierung) と自己金融, 並びに, 外部資本調達 ( auBere Finanzierung) も しくは他人資本調達が区分できる。 内 部資本調達では, た と えば, 資産部分の処分, 分配. .. .. 可能な純利益の縮小 下での公示準備金もしくは秘密準備金の形成により, 企業は 自 己のカ により支払手段を 調達する。 外部資本調達もしくは他 人資本調達では, 外部からの 支払 手 段の準備は信用(貸付資本 (Leih-Kapital) ) による他人の支払手段により行われる。 企 業家の支払手段によるもの, つまり, 事業者 と しての資本投入, 事業の損失補填が 自 己金 融 と 解される」74). と 述べている。 しかしながら, コ ン ツ ェ ルマンによれば, た と えば, 一. 時的な支払 不能を解消するために, 企業が資産部分を 処分する, (狭義の) 内 部資本調達 の過程は, 実際上 と 計算上の効果 で, 決算利益の一部分の留保である自己金融 と は異なる ため, (両者 を 内 包できる広義の) 内部資本調達に相 当 する概念を作成すべきである75 ) 。 68) Schmalenbach, E. : Finanzierung. S.16. 69) Vgl. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.54. 70) Schmalenbach, E.: Finanzierung. S.16. 71) Schmalenbach, E. : Finanzierung. S.17. 72) Vgl. Hagest, K. : Selbstfinanzierung. S.27.; 参照。 拙 稿 ( ハ ー ゲストの自 己金融) 517頁 注 、 23-24頁 、 27 ; 森昭夫 ( 自 己金融論) 73) Vgl. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.55. 74) Leitner, F.: (Finanzierung) Finanzierung der Unternehmungen, Berlin 1927. S.6 u. Vgl. S.18. ; Vgl. Leitner, F. : (Wirtschaftslehre) Wirtschaftslehre der Unternehmung, 5. Aufl., Berlin 1926. S.295-298. ; Hegner, F. : Selbstfinanzierung. S.27. ; 参照。 拙 稿(ヘグナ ー の自 己 金融) 125頁 75) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.55-56. ; 参照。 森昭夫 ( 自 己金融論) 21-22頁. .. - 1 4 7 (482)-.

(13) F . コ ンツ ェ ルマ ンの 『 自己金融論』についての一 考察(牧浦). .. さら に , プリ オ ン (Prion, W.) は, 『企業の資本調達』で, 自己金融の概念に対 し て, 三 通 りの解 釈 を示 し て いる。 ま ず, 経 済 の 自己 金融 ( Selbstfinanzierung der W irt­ schaft) と し て, 相 互の信用供与 に より,「工業経営と商業経営が資本需要の充 足 に おいて, 銀行, 特 に 国立銀行 に 頼らないことと解 し た」 76) 。 また, 自己金融を, 独立 し た国民経済の 観点 (Standpunkt der geschlossenen Volkswirtschaft) から,「自力 に よる, 他の国 民 経 済 つまり, 外 国 に 頼らない, 独自の資本形成 (Kapitalbildung) に よる国民経済の資 本調達」77) と解 し た。 そ し て, 三番 目の解釈では, 自己金融は 自 己資本調達(Eigenfinan­. ». zierung) と同義と し 78 ) , 「 自 己金融は, 自力, 経営自体が儲けた も の, 外部から経営 に 導 入されない も の に よる, 経営の資本調達である。 経営では, この自身で獲得 し た資本は剰 余 ( OberschuB) , 収益 ( Ertrag) も し くは利益とわれわれは呼ぶ。 従 って, 自己金融は 自 己の剰余 に よる資本の調達, 利益 に よる資本調達と呼ばれる。 また, このような自己金 融は, 利益の蓄積 (Gewinnakkumulation) , 内部での資本形成, 企業の資本形成と も い われる」79)80) 。 し か し ながら, コンツ ェ ルマンによれば,「 プリ オ ンは, 概念規定の試みに おいて, 明らか に 企業と経営の概念を同. 一. の意味内容を持つ言葉と し て, 差 し 障りがない. も のと し て用いている」8 1 ) が,「経営が剰余を獲得することは, 経営の本質 に 一致 し ない。 財と サ ー ビ スの提供 に より 市場と関係できるのは, 企業のみである」82) 。 この点, 「 プリ オ ンが表現 し たよう に , 自己の力 に よる経営の資本調達は, それに より資本調達される, 剰 余資本(利益)が全く経営自体 に 由来 し ないため, 実際の事実関係 に は妥 当 し ておらない。 む し ろ, 経営( プリ オ ンでは企業 に 等 し い)の運命 に とり決定的な も の, 経営か 『資本を. •. •. 自ら獲得すること』を認めたり, 認めない も のは, 市場である。 提供する経営 に 対 し て適 切な処理に より市場が使用させる, 資本は外部から経営 に 導入される。 このため, 支払手 ヽ. 段の発生源泉を調雀すれば, 本 来の自己 に よる資本調達 ( Selbst-Finanzierung) は生 じ 76) Prion, W. : Selbstfinanzierung. S.l. ; 参照。 拙稿(プ リ オ ンの自己金融) 「Wプ リ オ ンの『自 ヽ 察」 近 畿 大 学 商 経 学 叢 第48巻 第2 号 2001年147頁 ; Vgl. Conze!­ 己 金 融』 に つ い て の一 考 mann, F. Selbstfinanzierung. S.58-59 77) Prion, W. : Selbstfinanzierung. S.2. ; 参照。 拙稿(プ リ オ ンの自 己 金融) 147頁 ; Vgl. Con­ zelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.59. 78) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.60. 79) Prion, W.: Selbstfinanzierung. S.2-3. ; 参照。 拙 稿(プ リ オ ンの自 己金融) 147頁; Vgl. Con­ zelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.61. ; Hagest, K. : Selbstfinanzierung. S.28. ; 参 照。 拙 稿 (ハーゲストの自 己金融) ヽ� 80) この点 , プ リ オ ン は , 同 一 の観点 か ら 「企業の自己金融では , 経営のた めの利益 も し く は 利益 部分の保留(Zuriickbehaltung) と使用 が問題になる。 利益による資本形 成 は 自 己金融と呼ぺる」 (Prion, W. : Selbstfinanzierung. S.47 u. Vgl. S.42.) と述 ぺて い る(参照。 森 昭 夫 ( 自 己金融 論) 31頁)。 81) Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.61. 82) Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.62. - 1 7 5 (483 )-.

(14) 第50巻. 第3号. な い 」 83) と 批判 し て い る 84) 。 さ ら に,. コ ンラ. ド (Conrad, J . ) は , 『 企業 の 資 本調 達 』 で,. ー. 前者 に 関 し て , 彼 は , 性 を 検討 し た た め , 後者 に 関 し て,. コ ン ツ ェ ル マ ン に よ れ ば,. ヽ. 概念か, 経済実践 の 現象 か と い う 二 区 分 を 提 唱 し た 。 こ の 点 ,. 自 己 金 融 は 経済 科 学 の. 自 己金 融 の 概念 そ の も の で は な く て , 企 業 の 概念 と の 論理 的 な 帰属. •. 自 己金 融 の 過程 に つ い て 概念 上 の 規 定 を 全 く 与 え な か っ た 85) 。 他方,. コ ンラ. ー. •. ド は , 「 自 己 金 融 は , 他 の 経 済 ( 資 本 市場 や 自 社 の 株 主 ) か ら の. 。. 資 本 が 明 ら か に 導 人 さ れ る こ と な し に , 企 業 内 で 利 用 さ れ る 資本 の 価値 の 大 き さ ( Wert­ groBe) の 増 大 を も た ら す, す べ て の 方策 と 解 さ れ る 」 86) 述 べ て い る 。 し か し な が ら , の 解釈 で は , れ,. コ ン ツ ェ ル マ ン に よ れ ば,. こ. 自 己金 融 は 常 に 特定 形 式 の 「利益」 の 使 用 と 解 さ. 自 己金 融 に と り , 利 益 獲 得 の 方 策 が前提分 野 ( Vorfeld) に 存在 す べ き で あ る 87) 。 ま. た, コ ン ラ. ー. ド は , 「経営経 済 学 の 意 味 で の 自 己 金 融 の 経 験 を 重 ん じ る 概念 と し て は , 利 益. の 大 き さ (GewinngroBe) に 一 致 し た 支 払 手 段 の 規模 (Mittelmasse) の 内 , 一部分 の み を 分 配 し , で き る 限 り 大 き な 部分 を 資本 と し て 企業 内 で継続 し て 利 用 す る こ と を め さ す, 株 式 会 社 の 企 業 管 理 者 CUn ternehmungslei tung) の 手続 き と 解 さ れ る 」 88 ) 述 べ て い る 8 9) 。 し か し な が ら ,. こ の解釈で は,. コ ン ツ ェ ル マ ン に よ れ ば, 利 益 の 一 部 分 の 留 保 を. も た ら す手 続 き と , 剰 余 資 本 の 獲 得 を 実現す る 方策 は , 論理上 で は 2 つ の 異 な る レ ベ ル に あ る 。 ま た , 企 業 の 自 己 金 融 の 正 し い概念規定 は , 企 業 の 一 部分, つ ま り , 株式会社 に 限 定 さ れ な い 90)91) 。. Conzelmann, F . : Selbstfinanzierung. S.63. そ の 際 プ リ オ ン は 自 己 金 融 の 問 題 の 中 に 計算 問 題 を 含 め て い た (Vgl. Conzelmann, F. : 実物資 Selbstfinanzierung. S.64 . ) 。 こ の た め , 留 保 さ れ る 利益 が , 貨 幣 資 本 (Geldkapital) か, # 本 (Sachkapital) か と い う 問題 と と も に , 留 保 さ れ る 貨幣 資 本 の 程 度 に よ る 自 己 金 融 の 規 模 の 決 定 が 盾 要 に な る 。 こ の 点, プ リ オ ン が, 「 自 己 金 融 の 完 全 に 一 義 的 に 規定 さ れ た 概 念 は 存 在 し な い 」 (Prion, W . : Selbstfinanzierung. S . 4 2 . ) と 語 っ た と き , 自 己金 融 の 明 確 な 概 念 と 「算定」 (Errechnung) を 混 同 し て い た 。 年 間 の 「 自 己金融」 ( 利 益 の 蓄 積 (Gewinnakkumulation) ) を 正 確 に 計算 す る 試 み は, 決算利益 (Jahresgewinn) を正確 に 確定 さ せ る こ と の 不可能 さ に よ り , 挫折 し て い た (Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.65 . ) 。 85) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.66 u. S.76 u. S.77. 86) Conrad, J . : Selbstfinanzierung. S.38. 87) V gl. Conzelmann, F . : Selbstfinanzierung. S.67 88) Conrad, J. : Selbstfinanzierung. S.4 1 -4 2 . 89) こ の 点 , コ ン ラ ー ド は , 「 利 益 を , 支払手段の規模 (Mittelmasse) で は な く て , ( 抽 象 的 な ) 価 値 ー 計 算値 と 解す る な ら ば , 本 質 的 な 意 味 で は , 利益の使用 (Gewinnverwendung) や, 利益 の 支 払 い (Gewinnauszahlung) な ど に つ い て は 語 れ な い。 む し ろ , そ こ で は 利 益 の 大 き さ (GewinngroBe) に 応 じ た 支 払手段 の 使 用 , 利 益 の 大 き さ に 応 じ た 貨 幣 額 の 支払 い な ど が 問 わ れ る 。 利益概念 を 物権上の (dinglich) 意 味 で 用 い れ ば, 利 益 の 基 盤 (Gewinnsubstrat) に つ い て 語 る こ と は正 当 で あ る 」 (Conrad, J . : Selbstfinanzierung. S.25 FuBnote 1 0 . ) と 述ぺ て い る 。 90) V gl. Conzelmann, F . : Selbstfinanzierung. S.68. 9 1 ) こ の 点, コ ン ツ ェ ル マ ン は , 「常 に , 企 業 形 態 は 『 自 己 金 融』 の概念 の 本 質 的 な 構成上の メ ル ク マ ー ル に は な り え な し ヽ 」 (Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.68.) と 述 べ て t ヽ る 。. 83) 84). - 176 ( 484 ).

(15) F . コ ン ツ ェ ル マ ン の 『 自 己 金融論』 に つ い て の 一 考 察 (牧浦) そ し て,. バ. ゼ ナ ッ ク (Hasenack, W . ) は , 財務管理 (Finanzwirtschaft) と い う 上位. 概 念 の 下 に , 企 業 目 的 の た め の 資 本 の 調 達 を 「 資 本 調 達」 , 資 本 の 使 用 と そ の 経営 上 の 組 織 を 「 資本処理」 (Kapitaldisposi tion) と 解 し た 。 こ の た め , 資 本 処 理 は ,. あ る 92) 。 ま た ,. ハ. 当該資本を実際に使用す る と い う ,. �. 向 け ら れ た) 資本調達に続 く ,. ( 資本 市 場 に. ( 内 部経 営 の ) 過 程 で. ゼ ナ ッ ク は , 資 本 調 達 を , 債務 の 引 受 け に よ る 資 本調 達 で あ る 「他 人 資. 本 調 達」 , 新 し い 資 本 の 導 入 ( 個 人 商 人 と 人 的 会 社 ) も し く は 資 本 金 の 増額 ( 主 に 株 式 会 社) に よ る 資 本 調達 で あ る 「 自 己 資 本 調達」 と , 「 利 益 の 蓄 積 CGewinnakkum u l a tion ) , す な わ ち , 実 際 に 獲得 し た 利益 の 非 分配 に よ る 資本 調達 で あ る 自 己 金融」 に 区 分す る 93) 94) 。. .. そ し て,. ... 自 己金 融 を 企業 内 部 で の 資 本 形成 と み な し て , 「 他 人 資 本 調 達 と 自 己 資 本 調 達 で. は , 資 本 は 企 業 外 部 で 形成 さ れ る 」 95). と 述 ぺ た 96) 。 し か し な が ら ,. コ ン ツ ェ ルマ ン に よれ. ば, 「究極的 に は , 『 内 部 の 資 本 形 成』 の 支払手段 も ま た , 外 部 に , す な わ ち , 企 業 に 利 益 の 獲得 を 可能 に す る 市場 に ,. 由 来 す る 」 97) 。 ま た ,. ハ. ゼ ナ ッ ク は , 「実際 に 獲 得 し た 」 と い. う 補 足 を 自 己 金 融 の 非常 に 本質 的 な も の で あ る と 強調 し た が 98) , 現実 に 獲 得 し た 利 益 に つ い て は , 企 業 活 動 が完 全 に 終 了 し な け れ ば, 企 業家 に は 分 か ら な い た め , 実際 に 儲 け た 決 算 利 益 (Jahresgewinn) を 考 え て い る 99)100) 。. (3). 経営経済 学 の 文 献 で の 「 自 己金融」 の 問 題 の 考察様式. a). 非経済科学 的 な 問題設定. 自 己 金 融 の 問 題 を 企 業 計算 の 問題 と 企 業 政 策 の 問 題 と し て 説 明 す る 経営経済学者 の 考 察. .. 様 式 を 「経 済 科 学 的」 と 呼 ぶ な ら ば,. コ ン ラ. ー. ド は 自 己 金 融 の 言 語一 一誦げ 理 的 な 側 面. (sprachlich-logische Sei te) を 取 り 扱 っ た た め , 「非経済学的」 と 呼 べ る I O I ) 。 92) 93) 94). ▲-. Vgl. Hasenack, W. : Wesen. S.94. ; Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.70. Vgl. Hasenack, W. : Wesen. S.94 こ の 点 , ハ ゼ ナ ッ ク は , 「『 自 己 金 融」 と い う 用 語 は , 状況を, 資 本受取者, 資本調達す る 企業 の 観 点 か ら 見 る の に 対 し て , 『 自 己 資 本調 達』 と い う 用 語 は , 資 本調 達 の 過 程 を 資 金提供者 の 観 点 か ら 考察す る と き に , 有意義 と な る 」 (Hasenack, W . : Wesen. S.94 . ) と 補足 し て い る 。 95) Hasenack, W . : Wesen. S.95 96) V gl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S. 70-72. ; 参照。 森 昭 夫 ( 自 己金融論) 22頁 97) Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.72. 98) Vgl. Hasenack, W. : Wesen. S. 1 36. ; Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.96. 99) Vgl . Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.73. 1 00 ) ま た , ハ ゼ ナ ッ ク は, 他 の 文献で は , 肯 定 的 な (positive) 自 己金 融 と 否定 的 な (negative) 自 己金融, も し く は , 固 有 の (eigentliche) 自 己金 融 と 擬似 的 な ( uneigentliche) 自 己金 融 に 区分 し て い る 。 そ し て , 肯定的 な 自 己金融の特徴は , 分 配 さ れ な い , 利益が存在す る こ と , 否 定 的 な 自 己金 融 の 特 徴 は , そ れ以 前 の 利 益 の 蓄積 に よ り 形成 さ れ た 資 本 の 配分, 「期間利益が利益配 当 よ り も 小 さ い こ と 」 で あ る ( Vgl. Hasenack, W. : (Relativita t) Die Relativita t von Kapitalerhal­ tung und Selbstfinanzierung. in "Der Praktische Betriebswirt" 1 9 3 1 , S.5 1 . ) 。 1 0 1 ) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S. 74-75 . : Conrad, J . : Selbstfinanzierung. S.7 - 1 77 ( 485 ) -.

(16) 第50巻 具体的には,. コ. ンラ. ー. 第3 号. ド は,「 自己金融」という概念の言 語. 論理的な 根 拠 それ自体. ではな く て, むしろ, 「 企業」 概念に対する「自己金融」概念の帰属性を研究した 1 02) 。 こ の点,「 企業の自己金融」 という概念構成(Begriffsverbindung)であらわされているが, 企業が同時にある行為(Handlung)の 主体と客体でありうるのかを問えば, 実践での通 常の用 語法によれば, たとえば,「 企業が創立される」 では,「客体性」 を示し,「効果 的 に活動し, 利益を獲得する」 では「 主体性」を示す 1 03) 。 しかしながら,. コ. ン ラ ー ドによれ. ば, 全体としての経済は自然の与件に対する ヒ ト の 精 神 の対決の産物(Produkt der Auseinandersetzung des menschlichen Geistes mit den natUrlichen Gegebenheiten) とみなされるべきであり, 経済主体は人間のみ, 経済客体は財(Gut)のみがなりうる。 経済のすべての現象は, 主体. 客体関係, 財に対する ヒ ト のこのような関係の総体 On­. begriff)として把握され, 企業はこのような関連の複合体 CBezogenheitskomplex) と して現れるため, 経済 主 体としての企業の独自の 活 動 (E i g enleben)は考えられな. .. ぃ 1 04) 1 05) 。. また, すべての経済の最終目標は使用 のための財の準備(Bereitstellung) に. あるため, ヒ ト の労働給付と モ ノ CSach) の組織(Organisation) としての企業は企業 による製造(unternehmungsweise Erzeugung) のために必要な手段(Mittel)である。 このため, 企業の手段としての性格(Mittel-Charakter) は明らかであり1 06) , 「企業は, 全体の 構 造 (Aufbau ) と機 能(Fu nkti on)において, 企業家の目標設 定の産物であ る」1 07) 。. コ. ン ラ ー ド では, 役 割の分担, 一方で企業 家 = 主体, 他方で企業 = 客体について. 全 く 疑いはない。 「自己金融」 概念の理論上の解釈は, 有機的組織(Organismus)( 主体) ではな く て, 組織(Organisation)(客体) としての企業という認識を前提とする 1 08) 。 また,「企業の自己資本(Eigenkapital)」という概念構成の素朴な考察では,「企業の. Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.76 u. S.66 u. S.77. Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.77-78. ; Conrad, J. : Selbstfinanzierung. S.13 Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.78-79 u. S.86-87. ; Conrad, J.: Selbstfinan­ zierung. S.1 4. ; Rieger, W. : Einfiihrung. S.39. ; 参照。 森昭夫( 自 己金融論) 4-5頁 105) この点, コンツェルマン は, 批判 して, 「経済 か 自然の与件に対するヒ トの精神の対決の結果 (Ergebnis der Auseinandersetzung des menschlichen Geistes mit den nat iirlichen Ge­ gebenheiten) と して存在すると いう, 彼 ( コ ン ラ ー ド) により 形 成され た前 提 は 正 し く ない。 経 済の中に人間相互の不断の連 関(steter Ring) が見 られる。 つまり , 経 済 は , 社会経済上の共 通 し た概念 (社会経済上のカ テ ゴ リ ー ) であり , ヒ ト と ヒ トの関係 を内 包 して いる。 ヒ ト と 自然の 関係 と しての, 自然 が与える状況に対するヒ トの精神の対 決 は 広義の技術 (Tecknik) の概念に 属する。 この差 異 は われわれの専 門科学の水準では, た と えば, 必要な制 限 を伴う が, 企業 と 経営 と いう概念により特徴 付 け られる」 (Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.86.) と 述 ぺて い る。 106) Vgl. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.79. 107) Conrad, J. : Selbstfinanzierung. S.18. ; Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.80. 108) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.80. 102) 103) 104). - 1 7 (48 8 6 )-.

(17) ヽ F . コ ン ツ ェ ル マ ン の 『 自 己金 融論』 に つ い て の 一考 察 ( 牧 浦 ) 他 人 資 本 (Fremdkapita!) 」 と 対比 さ れ, 企 業 の 所 有下 に あ る 資 本 が示 唆 さ れ る 。 し か し ながら, コ ン ラ. ー. ド に よ れ ば, こ の よ う な 素朴 な 考察 は 不適切 で あ る 109)。 貸借対照表 の 貸. 方 の 資 本が 自 己 資 本 と 他 人 資 本 の 区 分 か ら 構成 さ れ る よ う に , 両 資 本 で は , 共通 し た事実 (gemeinsame Tatbestand) と し て , 企 業 の 外部 に あ る 者が法律行為 に 基づ き 企業 目 的 の た め に 支 払手段 を 企 業 管 理 者 (Unternehmungsleitung) に 使 用 さ せ る 1 10)。 こ の た め , コ ンラ. ー. ド に よ れ ば, 企 業 の 支払 手段 に 対 す る 企 業 外 部 の 資 本 提 供 者 (unternehmungs­. fremder Kapitalgeber) の 特殊 な 関 係 を特徴付 け る た め に 「 自 己 資 本」 と い う 名 称 を 作 る こ と は , 不 可 解 な も の (unverst andlich) と 思 わ れ る 。 企 業 家 の 自 己 資 本 と 企業 の 自 己 資 本 の 同 一 視 は , 企 業 概 念 の 主体化, 企 業 と 企 業 家 の 容 認 で き な い 同 一視 の 結 果 に 過 ぎ な. ぃ 1 1 1 )1 12l。. 同様に,. 企業の 存在期間 中 に 増大 し ,. 貸 借 対 照 表 の 貸方 側 の 増 加 ( Ver­. mehrung) に 計算 上 の 対 価 が 見 ら れ る , 剰 余 資 本 ( 利 益 ) で も , 理論上 で は , 企 業 体 (Unter­ nehm ungsorgan) で は な く て , 企 業 の 所 有者 に お い て 利 益 の 使 用 に つ い て の 決 定 が 下 さ れ る 1 13)。 ま た , 「 企 業 内 で の 獲得 し た 利 益 の 蓄 積 は 企 業 の 自 己 金 融 と 異議 な し に 呼 べ る の か」, つ ま り , 利 益 の 基盤 (Gewinnsubstrate) の 使 用 は , 実 際 に , 「 企業 の 自 己 の 支払手 段」 (eigenes M ittel der Unternehmung) に よ る , 資 本 の 増加 を 意味す る の か と い う 問 い に 関連 し た , 「企業 の 自 己 の 支払手段」 と し て の 利益 の 基盤 と い う 名 称 は , 上 記 の 確認, つ ま り , 企 業 の 主体的性格 の 否定, 企 業 の 自 己 資 本 の 否定 と 矛盾 す る 1 14)。 更 に , 利 益 の 基 盤 の 使 用 に つ い て の 決定 は , 企 業体 の 問題 ( Angelegenheit der Unternehmungsorgan) で は な く て , 企 業 家 の 権 利 (Unternehmerrech t) で あ る 1 1 5 ) 1 16\. Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S .8 1 . V g l . Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.8 1 . ; Conrad, J. : Selbstfinanzierung. S.2 1 . V gl. Conzelmann, F . : Selbstfinanzierung. S.81 -8 2 . こ の 点 , コ ン ツ ェ ル マ ン は , 「 コ ン ラ ー ド に よ れ ば , 株 式 資 本 (Aktienkapital) と 負 債 (Kreditor) と い う 貸 方 勘 定 科 目 は , 企 業 の 支 払 手 段 に 対 す る 企 業 外 部 者 (unternehmungs­ fremde Person) の 共通 し た 関 係 を あ ら わ す も の で あ る 。 従 っ て , コ ン ラ ー ド を 正 し く 理 解 す れ ば , 彼 の 見解で は 企 業 全般, 特 に 株式会社に と っ て 自 己資 本 は 全 く 存在せず, 企業家 に 対す る 関 係 で の み こ の よ う な 『 自 己資本』 は 成立す る 」 (Conzelmann, F . : Selbstfinanzierung. S.82.) と 述ぺて い る 。 1 1 3) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.82. ; Conrad, J. : Selbstfinanzierung. S.24. 1 1 4) こ の 点 , コ ン ツ ェ ル マ ン は, 「 一般 に , 『 自 ら 資本調達す る (selbst finanzieren) 』, 利益の 基盤 は 存在 し な い と , は っ き り と 明確 に 主張で き る 」 (Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.89.) と 述ぺ て い る 。 1 1 5 ) Vg l . Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.84. 1 1 6 ) こ の 点 , コ ン ツ ェ ル マ ン は , 「 ( 特 に 個 人 企 業 で は ) 企 業家機能 ( 資本家機能) と 機関機能 ( 給 付 ) が し ば し ば 重 な り , 資 本 と し て の 利 益 の 基 盤 の 継続 使 用 が 内 部 の 事業 過 程 を 意 味 し , 企 業体 CUnternehmungsorgan) の 処 分 領 域 に 含 ま れ る と い う 思 い 違 い を 考 察者 に も た ら す 」 (Conzelmann, F . : Selbstfinanzierung. S.84-85.) と 述ぺ て い る 。. 1 09 ) 1 10) 111) 1 12). 雇. - 179 ( 487 ) -.

(18) 第50巻. 第3号. b) 経済科学 的 な 問題設定 経営経済学の 文献での経済科学的な 「自己金融」の問題を展望すれば, 二通りのものに 気付く。 すなわち, 「自 己金融」 を, 一方で企業計算の問 題 と して, 他方で企業政策の問 題 と して検 討する 1 1 7\ 通常では, 利益の「 評価」は計算問題であるのに対して, 利益の分配もしくは留保は企 ヽ 會' 「 自己金融」は利益の 業政策の配慮によって規定される 1 1 8) 。 このため, 経営経済学では,. 集積 (Gewinnansammlung) と 同 等なものを示 唆している。 しかしながら, 資本が蓄積 された利益により追加的に獲得される と きにのみ,「自己金融」 と いわれる と いう固定観念 (Feststellung) は. 受け取られている程, 一義的で, 問題のないものではない。 この点, 自己金融について何か語られる前に. 資本が受け取られたり, 新しい資本が形成される時 期についての明 瞭さが確保されておらなければならない 1 19) 。 また, 資本の蓄積による資 本維持 (Kapitalerhaltung) は, ワ ル プ (Walb, E.) を除いて 120), 経営経済学では, 「名 目 上の (nominalle) 資本維持」 と「実体上の(materielle) 資 本維持」 に 区 分される が 121), このような 区分では, 利益について語る前に, 最低限維持されるべき, 資本総額の 『内容』, つまり, 利益貨幣額 (Gewinn-Geldbetrag) に隠されているものを検 討する と い う観点 (Anschauung) が基礎に置かれてきた 122)。 しかしながら, コ ンツェルマンは, 「確かに資本もそうであるが. 抽 象的なものを実体的に維持するこ と をどのように解する べきか。 『資本』 と いう概念では実体価値 (Sachwert) のあら ゆる属性 (Qualitat) を無. `. 視する一 — 一実体価値は属性のない貨幣表現に改鋳される(umpragen)ため. ――-「名 目 的」 と 「 実体的」 の. 上 記の 区分により, 抽象的なものである資本がいわば具体化され. た. と い, 資本 と いう表現に 『実質』 (Stoff), 『実体』(Materie) が潜んでいても, 実体的, つまり, 具体的な(実質的な (korperlich)) 資本維持について語るこ と は論理的ではな ぃ。 一度, 計算できるものにするため, あら ゆ る属性を 『 名 目 的』 な資本総額に 『改造 (Umbiegung)』 した後で, この処置を計算の領域で否定するこ と は, 論理の根拠からは 許されない」 123) と 述べている。. Vgl. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.95. ; 参照。 森昭夫 ( 自 己金融論) 6 頁 Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.97. Vgl. Conzelmann, F.: Selbstfinanzierung. S.101. ; Hasenack, W. : Wesen. S.138. Vgl. Walb, E. : (Erfolgsrechnung) Die Erfolgsrechnung privater und offentlicher Betriebe, Berlin-Wien 1926. S.339£. 121) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.105. ; Prion, W. : Selbstfinanzierung. S.9-10. ; ヽt 拙稿 ( プ リ オ ン の自 己金融) 1 60-161頁 ; 参照。 森昭夫( 自 己金融論) 7頁 122) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.102. 123) Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.103 l 17) 118) 119) 120). - 1 8 0( 4 8 8 )-.

(19) F. コンツェ ルマ ン の 『 自 己金融論』 につい ての一 考察(牧浦). ゞ. a ) 「名 目 上の」 資本維持に従 っ て 始 め られる自己金融の可能性 企 業の計算は, 企業に と り支出 と 収人を意味する, 貨幣額, つまり, 抽象的な貨幣総額 と 関係すぺきである。 このため, すべての経営資源 (Betriebsgut) の貨幣形式への計算 上の変換が企業計算の特徴であり, 企業の計算は貨幣上で整理される 1 24 ) 。 そこでは, 貨幣 総額(資本総額)は, 利益だけ増加して回 収されるために, 導入され, 費やされた開 始資 本を上回る, 回 収された最終資本の剰余が利益である 1 25 ) 。 また, 資本の限定された発生形 態である実際の貨幣 (wirkliches Geld) では, 形式 と 実態 (wirkliche Sein) の間で 名 目 上の一 致 (nominale Gleichheit) が存在するが, あら ゆる実物 (Stofflichen) にはない。. , 実態 と 貨幣表現の間での完全な合致 ( D bereinstimmung) は存 後者には, 形式 と 内容, 在しない 1 26 ) 0. .. ヽ この点, 「緩めれば, 名 目 上の資本維持での自 己金融, 従 って, 再調達を無視するか, 実体 上の資本維持での 自 己金融, 従 って, 将来の取替調達の万 ーの超過コ ス ト の考慮後で ヽ • 始めるのかが問われているか, 最初の問題設定の意味での 自 己金融について語る」 1 27) と い `J. う注 目 すべき発言をした, プリ オ ンも, 様々な教義 (Lehrmeinung) から, 彼が正しい と 思うものを取り出 し, これらを 多かれ少なかれ統 一 したものに関連付けよう と した 1 28) 0 c. と いうのは, 「 名 目 上の」 資本維持の問題の 一 義性は, 企業活動が最終的に終了された と きに, 確定されるからである。 つ まり, 投入された資本 と 最終資本の比較により, 開 始資 ヽ. 本が維持され. 更に状況により, 資本の剰余が獲得されたり, 投入された資本が無傷では 残されておらないこ と が確定されるが, これら貨幣額の背後で「購買力」や「 実体J (Sub­ stanz) に関連して存在すべきものについては貨幣計算者は配慮しないし 1 29) , 終了した企 業活動後に成果 (Erfolg) が無条件に現金の形態で 存 在するのではないからである 1 30) 0 また, このような立場からは. 企業の活動中は, 確固 と した (unverr U ckbare), かつ , 実際を志向する決定 と いう意味では,「 自己金融」の問題は簡単には答えられない と いう認 書. 識をわれわれにもたらす 1 3 1 ) 。 この点. 個々の換金化の行為において資 本 維持を 上 回 る Vgl. Conzelmann, F'. : Selbstfinanzierung. S.104 u. S.148. Vgl. Conzelmann, F' : Selbsfinanzierung. S.104 u. S.105 u. S.119 ; Prion, W. : Selbst­ finanzierung. S.7. ; 参照。 拙稿(プ リ オ ン の自 己金融) 148頁 126) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.104. 127) Prion, W. : Selbstfinanzierung. S.9-10. ; 参 照 。 拙 稿( プ リ オ ン の 自 己 金 融) 161頁 ; Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.105. 128) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.107.; Hasenack, W. : Wesen. S.137 Fu Bnote 20. ; Hasenack, W. : Relativitiit. S.183-184 129) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.107 u. S.133. 130) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.108. ; Hasenack, W. : Wesen. S.138-139. 131) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.109. 124) 125). - 1 8 1 ( 4 89 ) -.

(20) 第50巻. 第3号. 利 益 は 収 入 に よ っ て の み 現 実 と な る。 こ の た め, 計 算 上で は , 利 益 は , 抽 出 さ れ て (herausdestillieren), 現金勘定項 目 (もしく は 現金 同 等の勘定項 目 )におい てのみ実際 の様子(Abbild der Wirklichkeit)として示される132) 。 また, 正確な(実際に獲得され),. .. 真の(この年度に相応し い )利益がどれ程なのかを期末に確定できなければ, この 「利益」 に関係した, すべての継続した行為 は その最終結果 にお い て 同 様に疑わし いに違 い な い 。 「正確な期間利益の確定の不可能さ CUnmoglichkeit) は 『自己金融』の規模 CUmfang) の不確定さ(UngewiBheit)をも含 む」 133) と い う,. ハ. ゼ ナ ッ ク の 自 己金融の相対理論に. 留まるので は なくて, むしろ,「経済経過(Wirtschaftsablauf)」 を その都度 摩擦のな い , 最も効果的に形成する, 資本維持の様式を決定すぺきである 134)135) 。 コン ツ ェルマン によれば, 折々の中間結果 の疑念(Zweifelhaftigkeit)は , 資本維持の特殊な把握(Auf­ fassung)に基 づくので は なくて, むしろ個々の 企業活動 に密接に関連したもの(Ver­ wobenheit)の結果 である 136) 。 実際に利益がどのようにして「算定されるのか」, すなわ ち, 資本が維持されるのか否かが「実務で必要な限度内での」 評価によりどのように確定 ヽ されるのか は , 企業方策の財務政策上の調整(Ausrichtung)にとって は 重要では あるが,. このような行為 は 資 本 維 持の理論上の問題 し 、 137) 138). 貨幣計算の論理上の 問題と は 関係 は な. ゜. /3 ) 「実体上の」 資本維持に従 っ て 始 め られる 自己金融の可能性 経営経済学で は , 通貨価値の崩 壊と経済上の計算制度の混乱 は 決定的な悪影響を及 ぽし たため, たとえば, 「名 目 資本の維持 は 実際上での資本価値の維持を意味しな い 」139 ) とい う反省から, 実体上の資本維持と いうテ ー マが生まれた 140). ゜. この点, たとえば, シ ュ ミ ッ ト (Schmidt, F . )は , 貨幣と貨幣債権(Geldforderung) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.110. ; Hasenack, W. : Wesen. S.138 Hasenack, W. : Relativitat. S.56. 203-206頁 Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.111. ; 参照。 森昭夫 ( 自 己金融論) ,, この点, ハ ゼナ ッ ク は , 「 自 己金融の程 度 は , 実践のケ ー スで は だれ も正確には 評価できず , む し ろ 資本維持の把握の仕方に左右される」 (Hasenack, W. : Relativitlit. S.56.) と 述 べて い る (Vgl. Conzelmann, F . : Selbstfinanzierung. S.111-112.)。 136) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.112. ; 参照。 森昭夫 ( 自 己金融論) 8 頁 ‘’ 137) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.113. ; 参照。 森昭夫( 自 己金融論) 209 頁 138) この点, コンツ ェ ル マ ン は , 「ある程度の正 当 性を持 っ て, 理論をめざす考察は 実践上の, つ ヽ まり, 行動に役立つものと 区 分されること を思 い 出 せ ば, 経営経済学の文献での多くの論理 上の 誤りは 回避できると 想 定できる。 それにもか かわ ら ず, 技術論 と しての経営経済学で は , 時代適 合 性 (ZeitmaB heit), 実 生 活 へ の即 応 性 (Lebensnahe) に大 きな価 値 が置 かれて い る」 ( Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.114.) と 述 ぺて い る。 139) Geldmacher, E. :(Kapitalbewertung) Kapitalbewertung und Kapitalerhaltung, in "Kapital und Kapitalismus", 2. Band 1931. S.367. ; Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.119 140) Vgl. Conzelmann, F. : Selbstfinanzierung. S.118-119. ; Reiger, W. : Einfuhrung. S.244-259.. 132) 133) 134) 135). .. ,. - 1 82(49 0 )-.

参照

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