第51回日本泌尿器科学会群馬地方会演題抄録
日 時:平成 21年 2月 21日 (土) 15時 00∼ 場 所:群馬大学医学部保 学科内 ミレニアムホール 会 長:小林 幹男(伊勢崎市民病院) 事務局:柴田 康博(群馬大院・医・泌尿器科学)セッション >
座長:宮久保真意(伊勢崎市民病院)臨床症例
1.陰茎 Verrucous carcinomaの2例 牧野 武朗,黒川 平 (国立病院機構 高崎病院 泌尿器科) 井 博 (群馬大院・医・泌尿器科学) 梅山 知一 (うめやま医院) 【症例1】 81歳. H13年 X 月に包皮の白色変化あり当 科初診. 陰茎腫瘍疑いにて冠状切除術施行. 尖圭コンジ ローマであった. H15年 X 月頃より再度亀頭部 結を認 め,H20年 X 月当科再診した.白苔を伴う腫瘤を認め,陰 茎部切施行した. Verrucous carcinomaであった. 【症例 2】 86歳. H15年 X 月近医で包茎?にて冠状切除術施 行.H20年 X 月,亀頭部の腫瘤に気づき,近医より当科紹 介とな拇指頭大の乳頭状腫瘤を切除した. Verrucous car-cinomaであった.亀頭部乳頭状腫瘤は高齢者でも尖圭コ ンジローマの診断となることがほとんどである. しかし, 尖圭コンジローマはパピローマウィルスによる性行為感 染症で, 性的活動期に限られる病変である. Verrucous Carcinomaは細胞異型に乏しい高 化扁平上皮癌であ り, 年齢によらず発症し局所の再発を認めることも少な くない. 今回若干の文献的 察を加え報告する.2.膀胱 nephrogenic adenoma (metaplasia) の一例 藤塚 雄司,佐々木 靖,中野 勝也 中田 誠司,高橋 溥朋 (足利赤十字病院 泌尿器科) 清水 和彦 (同 病理部) 鈴木 慶二 (群馬大院・医・保 学科) 症例は 85歳男性. 血尿を主訴に 2008年 3月 10日当 科受診. 膀胱鏡で後壁中心に多発性に乳頭状腫瘍認めた ため, 3月 24日 TUR-Btを施行. 病理結果は尿路上皮癌, G2,pTaであった.その後,同年 10月 30日頂部に再発あ り, また後壁に polyp状の隆起性病変を認めた. 11月 17 日 TUR-Btを施行. 頂部から尿路上皮癌, G2, pTa, 後壁 の病変は nephrogenic adenomaの診断だった.同年 12月 15日から塩酸ピラルビシン膀注を行っており, 現在まで 再発は認めていない. Nephrogenic adenomaは尿路に発 生する比較的稀な良性腫瘍で, 膀胱に多く発生する. 肉 眼的に他の膀胱腫瘍との区別は難しく, 病理組織学的に 診断される. 腎尿細管に類似した円柱, 立方上皮への化 生があり小さな腺管を形成する特徴がある. 組織障害が 誘因で発生すると言われている. 再発の可能性も秘めて おり, 今後 followが必要と思われた. 3.回盲部癌前立腺転移の一例 大山 裕亮,新井 誠二,野村 昌 大木 亮,坂本亮一郎,新田 貴士 古谷 洋介,森川 泰如,西井 昌弘 小池 秀和,曲 友弘, 井 博 山本 巧,柴田 康博,羽鳥 基明 伊藤 一人,鈴木 和浩 (群馬大院・医・泌尿器科学) 59 歳男性. 人間ドックの腹部エコーで精囊腫大を指摘 され,当科を紹介受診.受診時の PSA 0.5 ng/mlと低値で あった. 経直腸エコー, 骨盤部 MRI にて前立腺癌の精囊 浸潤が疑われたため, 前立腺および精囊生検を施行した ところ印環細胞癌の診断であった. 精査の胸腹造影 CT で回盲部腫瘍を認め,CF にて生検を施行した.その結果, 印環細胞癌を認め, 免疫染色で CK20 (+), PSA (−) で あることから, 病理組織学的に回盲部癌前立腺転移と えられた. 前立腺の印環細胞癌は稀であるが, その中で も転移性のものは報告が少ない. 鑑別のためには免疫染 色と全身検索が重要であると えられる. 213 Kitakanto Med J 2009;59:213∼216