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学校訪問データベースの制作と活用 -戦略的な広報活動を目指して-

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(1)

学校訪問データベースの制作と活用 −戦略的な広

報活動を目指して−

著者

樫田 豪利

雑誌名

東北大学高度教養教育・学生支援機構紀要

7

ページ

291-297

発行年

2021-03

URL

http://hdl.handle.net/10097/00131238

(2)

─  291  ─ 東北大学 高度教養教育・学生支援機構 紀要第 7 号 2021

1 .情報の共有と活用をめざして

1.1 入試広報活動 入試開発室及び入試センターでは,機構ビジョン「東 北大学型AO入試の一層の深化と拡大のためのイニシ アチブ」のもと,入試広報活動に精力的に取り組み, その取り組みへの評価は,「大学ランキング」(朝日新 聞社)における進路指導部主任による「総合評価」で 全国1位となっている.入試広報活動としての取り組 みには「入試説明会」,「進学説明会・相談会」,「高等 学校訪問」そして高等学校で行われる進路講演への「講 師派遣」がある.「入試説明会」は高等学校の進路担 当教員や 3 学年担当教員を対象とし,「進学説明会・ 相談会」では進学志望者や保護者を主な対象としてい る. 毎年,全国の21会場で開催する入試説明会では,各 校における進学指導に際して,本学の受験に向けた円 滑な指導に資するように本学の特徴と入試の仕組みに ついての情報を提供している.この説明会では,高等 学校の教員から問われる疑問に答えるとともに,進路 指導上の課題について提示してもらうことで,一方的 な情報提供ではなく,より良い入試を目指した意見交 換となるように心がけている.しかし,入試説明会の 会場では,個々の学校の事情などにより深い話し合い が行いにくい内容もあり,説明会の前後に開催地の近 隣にある高等学校を訪問している. 入試センター教員が訪れた高等学校は,2019年度に は73校,2018年度には54校,2017年度には92校であっ た.また,高等学校の要請による高校生のための進路 講話への講師派遣は,2019年度は 8 校,2018年度 7 校, 2017年度10校であった.このように,全国の21会場で 開催する入試説明会に加えて,毎年多くの高等学校訪 問を通し,進路指導担当教員との情報交換や生徒向け の講演を行うなど,本学の特徴および本学の入試につ いての理解を深めてもらう取り組みを行うとともに, 高等学校の抱える課題をドキュメント化して蓄積して きている. 少子化が進む中,AO入試募集人員30%拡大目標を 達成しつつ,本学のアドミッションポリシーに適合し た優秀な入学者を獲得するためには,これまで以上に, 個々の高等学校の実態やニーズの的確な把握,必要と される情報の提供,志望者の掘り起こしが課題である. 1.2 本研究のねらい 本学を受験した生徒が在籍した高等学校について,

【報 告】

学校訪問データベースの制作と活用

-戦略的な広報活動を目指して-

樫 田 豪 利

1)* 1 )東北大学高度教養教育・学生支援機構 *)連絡先:〒980-8576 仙台市青葉区川内41 東北大学高度教養教育・学生支援機構 [email protected] 2018年度から取り組んできた高等学校訪問の記録をデータベース化する取り組みは,現在,個人が活用できるツー ルとして提供ができるところまで進んできた.このデータベースは,高等学校コード,高等学校や説明会の固有のデー タ,学校訪問や入試説明会などの報告書のデータ(テキスト,画像,PDFなど),学校別の出願および合格状況デー タの四つのテーブルからできている.テーブルのレコードにあるデータは,高等学校コードをキーとして関連づけ られ,高等学校基本情報一覧,詳細表示,出願者合格者高等学校別一覧の 3 つの形式で表示される.必要なデータ の抽出は,文字検索で行うことができ,例えば,訪問者の氏名や所在地などの一部の文字列で検索ができる.このデー タベース・ツールを学校訪問やリモート相談会で活用した.その経験から,高等学校訪問や説明会の機会を有効に 生かす有効なツールとするためには,文理別の受験状況データの表示や個人が収集したデータの共有化などの方策 を検討することが必要である.

(3)

樫田 豪利・学校訪問データベースの制作と活用 受験状況と高等学校訪問,生徒対象の講演等で収集さ れた情報などの各種情報を統合したデータベースを開 発・改良する. 開発したデータベースを用いて,効果的・効率的な 高等学校訪問を展開することを目指した取り組みを行 うことによって,データベースに必要な機能について 検討することを目的とした. 1.3 データベースの作成 2018年度および2019年度に「教育開発推進経費」の 補助を受け,学校訪問を支援するデータベース構築の 基本的な考え方や構造の検討と開発をおこなった(樫 田ほか, 2020).データベースは,FileMakerで構築し, 学校訪問の報告書の内容はテキストで,添付された写 真は画像として格納した.そして,報告書と志望動向 を高等学校コードによって関連づけた.データの検索 は,文字検索で行い,報告書の内容などを表示する. 検索は,キーワード検索ではなく,訪問者の氏名や対 応者の氏名,学校名,都市名,都道府県名などによっ て情報を絞り込むことができるようにした. 2019年度末から2020年度はじめに,入力作業の軽減 と志願状況データの改善を行うとともに,オンライン での情報提供からスタンドアローンで使用するアプリ へと変更を行った. 1.4 期待される効果 学校訪問や入試説明会の状況をデータベース化する ことによって,次のことが期待される. (1)各高等学校の特徴の多面的・時系列的な把握   複数年度の受験者および合格者数推移が物語る情 報に加えて,進路指導担当者の考え方や校風,生 徒の様子といった多彩な側面について時間的変化 を含めて把握することができる. (2)高等学校との関係性の継承   本学の訪問者が変わっても,また,高等学校の担 当者が変わっても,今までにどのようなやりとり がなされてきたのかを引き継ぐことができる.こ のことによって,高等学校との信頼感が醸成され る. (3)課題に応じたきめ細かい高等学校訪問の展開   その時々の課題に応じて,訪問すべき高等学校を 効率的かつ適切に決定し,有効な訪問先情報を収 集する手立てとなる. (4)エビデンスに基づく広報活動の効果検証   蓄積されたデータを分析・検討することによって, 広報活動全般の効果を検証することができ,その 結果に基づいて,高等学校別の有効な広報戦略を 立案するにとどまらず,本学の広報活動全般を有 効なものにするための提案ができるようになる.

2 .データベースの構造

2.1 データの種類 作成したデータベースは,   ・高等学校コード   ・高等学校や説明会の固有のデータ   ・学校訪問や入試説明会などの報告書   ・学校別の志望および合格状況 著者名・タイトル 開発したデータベースを用いて,効果的・効率的な 高等学校訪問を展開することを目指した取り組みを行 うことによって,データベースに必要な機能について 検討することを目的とした. 1.3 データベースの作成 2018 年度および 2019 年度に「教育開発推進経費」 の補助を受け,学校訪問を支援するデータベース構築 の基本的な考え方や構造の検討と開発をおこなった (樫田ほか, 2020).データベースは,FileMaker で 構築し,学校訪問の報告書の内容はテキストで,添付 された写真は画像として格納した.そして,報告書と 志望動向を高等学校コードによって関連づけた.デー タの検索は,文字検索で行い,報告書の内容などを表 示する.検索は,キーワード検索ではなく,訪問者の 氏名や対応者の氏名,学校名,都市名,都道府県名な どによって情報を絞り込むことができるようにした. 2019 年度末から 2020 年度はじめに,入力作業の軽 減と志願状況データの改善を行うとともに,オンライ ンでの情報提供からスタンドアローンで使用するアプ リへと変更を行った. 1.4 期待される効果 学校訪問や入試説明会の状況をデータベース化する ことによって,次のことが期待される. (1)各高等学校の特徴の多面的・時系列的な把握 複数年度の受験者および合格者数推移が物語る 情報に加えて,進路指導担当者の考え方や校風, 生徒の様子といった多彩な側面について時間的 変化を含めて把握することができる. (2)高等学校との関係性の継承 本学の訪問者が変わっても,また,高等学校の担 当者が変わっても,今までにどのようなやりとり がなされてきたのかを引き継ぐことができる.こ のことによって,高等学校との信頼感が醸成され る. (3)課題に応じたきめ細かい高等学校訪問の展開 その時々の課題に応じて,訪問すべき高等学校を 効率的かつ適切に決定し,有効な訪問先情報を収 集する手立てとなる. (4)エビデンスに基づく広報活動の効果検証 蓄積されたデータを分析・検討することによって, 広報活動全般の効果を検証することができ,その 結果に基づいて,高等学校別の有効な広報戦略を 立案するにとどまらず,本学の広報活動全般を有 効なものにするための提案ができるようになる. 2. データベースの構造 2.1 データの種類 作成したデータベースは, ・高等学校コード ・高等学校や説明会の固有のデータ ・学校訪問や入試説明会などの報告書 ・学校別の志望および合格状況 の4 つのテーブルからできている.テーブル上のレコ ードのデータは,高等学校コードと年度とによって関 連付けられ,高等学校基本情報一覧(図1),詳細表示 (図2~4),出願者合格者高等学校別一覧(図 5)と 図1.高等学校基本情報一覧 図2.詳細表示(その 1) 図 1 .高等学校基本情報一覧 著者名・タイトル 開発したデータベースを用いて,効果的・効率的な 高等学校訪問を展開することを目指した取り組みを行 うことによって,データベースに必要な機能について 検討することを目的とした. 1.3 データベースの作成 2018 年度および 2019 年度に「教育開発推進経費」 の補助を受け,学校訪問を支援するデータベース構築 の基本的な考え方や構造の検討と開発をおこなった (樫田ほか, 2020).データベースは,FileMaker で 構築し,学校訪問の報告書の内容はテキストで,添付 された写真は画像として格納した.そして,報告書と 志望動向を高等学校コードによって関連づけた.デー タの検索は,文字検索で行い,報告書の内容などを表 示する.検索は,キーワード検索ではなく,訪問者の 氏名や対応者の氏名,学校名,都市名,都道府県名な どによって情報を絞り込むことができるようにした. 2019 年度末から 2020 年度はじめに,入力作業の軽 減と志願状況データの改善を行うとともに,オンライ ンでの情報提供からスタンドアローンで使用するアプ リへと変更を行った. 1.4 期待される効果 学校訪問や入試説明会の状況をデータベース化する ことによって,次のことが期待される. (1)各高等学校の特徴の多面的・時系列的な把握 複数年度の受験者および合格者数推移が物語る 情報に加えて,進路指導担当者の考え方や校風, 生徒の様子といった多彩な側面について時間的 変化を含めて把握することができる. (2)高等学校との関係性の継承 本学の訪問者が変わっても,また,高等学校の担 当者が変わっても,今までにどのようなやりとり がなされてきたのかを引き継ぐことができる.こ のことによって,高等学校との信頼感が醸成され る. (3)課題に応じたきめ細かい高等学校訪問の展開 その時々の課題に応じて,訪問すべき高等学校を 効率的かつ適切に決定し,有効な訪問先情報を収 集する手立てとなる. (4)エビデンスに基づく広報活動の効果検証 蓄積されたデータを分析・検討することによって, 広報活動全般の効果を検証することができ,その 結果に基づいて,高等学校別の有効な広報戦略を 立案するにとどまらず,本学の広報活動全般を有 効なものにするための提案ができるようになる. 2. データベースの構造 2.1 データの種類 作成したデータベースは, ・高等学校コード ・高等学校や説明会の固有のデータ ・学校訪問や入試説明会などの報告書 ・学校別の志望および合格状況 の4 つのテーブルからできている.テーブル上のレコ ードのデータは,高等学校コードと年度とによって関 連付けられ,高等学校基本情報一覧(図1),詳細表示 (図2~4),出願者合格者高等学校別一覧(図 5)と 図1.高等学校基本情報一覧 図図 2 .詳細表示(その 1 )2.詳細表示(その 1)

(4)

─  293  ─ 東北大学 高度教養教育・学生支援機構 紀要第 7 号 2021 の 4 つのテーブルからできている.テーブル上のレ コードのデータは,高等学校コードと年度とによって 関連付けられ,高等学校基本情報一覧(図 1 ),詳細 表示(図 2 ~ 4 ),出願者合格者高等学校別一覧(図 5 ) として表示される. なお,入試説明会場や高等学校の住所などの固有の データは6,029件,テキストや画像を含む学校訪問や 入試説明会などの報告書のデータは557件(2020年10 月現在),そして,すべての高等学校から本学への出 願者数および合格者数のデータは2014年度入学者選抜 から現在までのものが収録されている. 2.2 テーブルの関連 テーブルと表示の関係を図 6 に示す.出願者合格者 一覧(図 5 )では,高等学校のリストより選択した高 等学校における志望状況と合格状況を表示する.  高等学校基本情報一覧(図 1 )では,三つのテーブ ルにある記録から同じ高校コードを持つ資料が表示さ れる.出願者合格者一覧(図 5 )から高等学校基本情 報一覧(図 1 )に移動した場合には高等学校コードが 引き継がれるため,出願者合格者一覧(図 5 )におい て選択した高等学校の情報を表示する.なお,高等学 校基本情報一覧(図 1 )から出願者合格者一覧(図 5 ) に移動した場合も高等学校コードは引き継がれる. 詳細表示(図 2 ~ 4 )では,学校訪問,講演会,入 試説明会の報告書の内容と記録されている画像を表示 東北大学 高度教養教育・学生支援機構 紀要第 7 号 2021 図3.詳細表示(その 2) 図4.詳細表示(その 3) 図5.出願者合格者高等学校別一覧 して表示される. なお,入試説明会場や高等学校の住所などの固有の データは 6029 件,テキストや画像を含む学校訪問や 入試説明会などの報告書のデータは557 件(2020 年 10 月現在),そして,すべての高等学校から本学への 出願者数および合格者数のデータは2014 年度入学者 図6.テーブルと表示の関係 選抜から現在までのものが収録されている. 2.2 テーブルの関連 テーブルと表示の関係を図6 に示す.出願者合格者 一覧(図 5)では,高等学校のリストより選択した高等 学校における志望状況と合格状況を表示する. 高等学校基本情報一覧(図 1)では,三つのテーブル にある記録から同じ高校コードを持つ資料が表示され る.出願者合格者一覧(図 5)から高等学校基本情報一 覧(図 1)に移動した場合には高等学校コードが引き継 がれるため,出願者合格者一覧(図 5)において選択し た高等学校の情報を表示する.なお,高等学校基本情 報一覧(図 1)から出願者合格者一覧(図 5)に移動した 場合も高等学校コードは引き継がれる. 詳細表示(図2〜4)では,学校訪問,講演会,入試説 明会の報告書の内容と記録されている画像を表示する. 詳細表示(図2〜4)は高等学校基本情報一覧(図1)にあ る報告書一覧から選択した場合のみ,高等学校コード を引き継ぎ,選択した報告書の内容を表示する. 図 3 .詳細表示(その 2 ) 東北大学 高度教養教育・学生支援機構 紀要第 7 号 2021 図3.詳細表示(その 2) 図4.詳細表示(その 3) 図5.出願者合格者高等学校別一覧 して表示される. なお,入試説明会場や高等学校の住所などの固有の データは 6029 件,テキストや画像を含む学校訪問や 入試説明会などの報告書のデータは557 件(2020 年 10 月現在),そして,すべての高等学校から本学への 出願者数および合格者数のデータは2014 年度入学者 図6.テーブルと表示の関係 選抜から現在までのものが収録されている. 2.2 テーブルの関連 テーブルと表示の関係を図6 に示す.出願者合格者 一覧(図 5)では,高等学校のリストより選択した高等 学校における志望状況と合格状況を表示する. 高等学校基本情報一覧(図 1)では,三つのテーブル にある記録から同じ高校コードを持つ資料が表示され る.出願者合格者一覧(図 5)から高等学校基本情報一 覧(図 1)に移動した場合には高等学校コードが引き継 がれるため,出願者合格者一覧(図 5)において選択し た高等学校の情報を表示する.なお,高等学校基本情 報一覧(図 1)から出願者合格者一覧(図 5)に移動した 場合も高等学校コードは引き継がれる. 詳細表示(図2〜4)では,学校訪問,講演会,入試説 明会の報告書の内容と記録されている画像を表示する. 詳細表示(図2〜4)は高等学校基本情報一覧(図1)にあ る報告書一覧から選択した場合のみ,高等学校コード を引き継ぎ,選択した報告書の内容を表示する. 図 4 .詳細表示(その 3 ) 東北大学 高度教養教育・学生支援機構 紀要第 7 号 2021 図3.詳細表示(その 2) 図4.詳細表示(その 3) 図5.出願者合格者高等学校別一覧 して表示される. なお,入試説明会場や高等学校の住所などの固有の データは 6029 件,テキストや画像を含む学校訪問や 入試説明会などの報告書のデータは557 件(2020 年 10 月現在),そして,すべての高等学校から本学への 出願者数および合格者数のデータは2014 年度入学者 図6.テーブルと表示の関係 選抜から現在までのものが収録されている. 2.2 テーブルの関連 テーブルと表示の関係を図6 に示す.出願者合格者 一覧(図 5)では,高等学校のリストより選択した高等 学校における志望状況と合格状況を表示する. 高等学校基本情報一覧(図 1)では,三つのテーブル にある記録から同じ高校コードを持つ資料が表示され る.出願者合格者一覧(図 5)から高等学校基本情報一 覧(図 1)に移動した場合には高等学校コードが引き継 がれるため,出願者合格者一覧(図 5)において選択し た高等学校の情報を表示する.なお,高等学校基本情 報一覧(図 1)から出願者合格者一覧(図 5)に移動した 場合も高等学校コードは引き継がれる. 詳細表示(図2〜4)では,学校訪問,講演会,入試説 明会の報告書の内容と記録されている画像を表示する. 詳細表示(図2〜4)は高等学校基本情報一覧(図1)にあ る報告書一覧から選択した場合のみ,高等学校コード を引き継ぎ,選択した報告書の内容を表示する. 図 5 .出願者合格者高等学校別一覧 東北大学 高度教養教育・学生支援機構 紀要第 7 号 2021 図3.詳細表示(その 2) 図4.詳細表示(その 3) 図5.出願者合格者高等学校別一覧 して表示される. なお,入試説明会場や高等学校の住所などの固有の データは 6029 件,テキストや画像を含む学校訪問や 入試説明会などの報告書のデータは557 件(2020 年 10 月現在),そして,すべての高等学校から本学への 出願者数および合格者数のデータは2014 年度入学者 図6.テーブルと表示の関係 選抜から現在までのものが収録されている. 2.2 テーブルの関連 テーブルと表示の関係を図6 に示す.出願者合格者 一覧(図 5)では,高等学校のリストより選択した高等 学校における志望状況と合格状況を表示する. 高等学校基本情報一覧(図 1)では,三つのテーブル にある記録から同じ高校コードを持つ資料が表示され る.出願者合格者一覧(図 5)から高等学校基本情報一 覧(図 1)に移動した場合には高等学校コードが引き継 がれるため,出願者合格者一覧(図 5)において選択し た高等学校の情報を表示する.なお,高等学校基本情 報一覧(図 1)から出願者合格者一覧(図 5)に移動した 場合も高等学校コードは引き継がれる. 詳細表示(図2〜4)では,学校訪問,講演会,入試説 明会の報告書の内容と記録されている画像を表示する. 詳細表示(図2〜4)は高等学校基本情報一覧(図1)にあ る報告書一覧から選択した場合のみ,高等学校コード を引き継ぎ,選択した報告書の内容を表示する. 図 6 .テーブルと表示の関係

(5)

─  294  ─ 樫田 豪利・学校訪問データベースの制作と活用 する.詳細表示(図 2 ~ 4 )は高等学校基本情報一覧 (図 1 )にある報告書一覧から選択した場合のみ,高 等学校コードを引き継ぎ,選択した報告書の内容を表 示する.

3 .データの閲覧方法

全ての項目で,文字,数字によるレコードの検索が できるようになっている.例えば,高等学校基本情報 一覧(図 1 )の所在地の欄に,住所の一部の文字列を 入れて検索を行うと,その文字列を所在地のデータに 持つレコードが抽出される.また,数値でも検索でき, 例えば,AOⅡ合格者の欄に数字の10を入れて検索を 行うと,AOⅡ合格者が10名である学校のレコードが 抽出される.抽出されたレコードは,検索範囲解除を 行わない限り,全ての表示に反映される. 高等学校基本情報一覧(図 1 )と出願者合格者高等 学校別一覧(図 5 )は高等学校コードで関連づけられ ている.そのため,出願者合格者高等学校別一覧(図 5 )で選択した状態で高等学校の高等学校基本情報一 覧(図 1 )に切り替えると,選択した高等学校の情報 が表示される.高等学校の高等学校基本情報一覧(図 1 )の右下に表示される概要欄では,マウスで項目を クリックすると記録された内容が表示されるが,閲覧 のボタンを押すと詳細表示に切り替わるようになって いる. 詳細表示にある画像やPDFデータは,コンテキス トメニューの「フィールド内容のエクスポート」によっ て取り出すことができる(図 7 ).

4 .データの更新

4.1 訪問データの更新 入力操作は,編集の権限を与えられているユーザー のみが行える.入力操作は,詳細表示(図 8 )から行 う.図の丸で囲んだ「新規データ入力」ボタンを押す ことで,入力モードとなる.まず,高等学校・会場の 選択(図 9 )から入力する高等学校もしくは説明会会 場を選択すると入力のための新しいレコードが生成さ れる. テキストデータは,直接入力するか,エディターや 著者名・タイトル 3. データの閲覧方法 全ての項目で,文字,数字によるレコードの検索が できるようになっている.例えば,高等学校基本情報 一覧(図1)の所在地の欄に,住所の一部の文字列を 図7.フィールド内容のエクスポート 入れて検索を行うと,その文字列を所在地のデータに 持つレコードが抽出される.また,数値でも検索でき, 例えば,AOⅡ合格者の欄に数字の 10 を入れて検索を 行うと,AOⅡ合格者が 10 名である学校のレコードが 抽出される.抽出されたレコードは,検索範囲解除を 行わない限り,全ての表示に反映される. 高等学校基本情報一覧(図 1)と出願者合格者高等 学校別一覧(図 5)は高等学校コードで関連づけられ ている.そのため,出願者合格者高等学校別一覧(図 5)で選択した状態で高等学校の高等学校基本情報一 覧(図 1)に切り替えると,選択した高等学校の情報 が表示される.高等学校の高等学校基本情報一覧(図 1)の右下に表示される概要欄では,マウスで項目をク リックすると記録された内容が表示されるが,閲覧の ボタンを押すと詳細表示に切り替わるようになってい る. 詳細表示にある画像や PDF データは,コンテキスト メニューの「フィールド内容のエクスポート」によっ て取り出すことができる(図7). 4. データの更新 4.1 訪問データの更新 図8.入力モードへの移行 図9.高等学校・会場の選択 図10.テキストの入力 図 7 .フィールド内容のエクスポート 著者名・タイトル 3. データの閲覧方法 全ての項目で,文字,数字によるレコードの検索が できるようになっている.例えば,高等学校基本情報 一覧(図1)の所在地の欄に,住所の一部の文字列を 図7.フィールド内容のエクスポート 入れて検索を行うと,その文字列を所在地のデータに 持つレコードが抽出される.また,数値でも検索でき, 例えば,AOⅡ合格者の欄に数字の 10 を入れて検索を 行うと,AOⅡ合格者が 10 名である学校のレコードが 抽出される.抽出されたレコードは,検索範囲解除を 行わない限り,全ての表示に反映される. 高等学校基本情報一覧(図 1)と出願者合格者高等 学校別一覧(図 5)は高等学校コードで関連づけられ ている.そのため,出願者合格者高等学校別一覧(図 5)で選択した状態で高等学校の高等学校基本情報一 覧(図 1)に切り替えると,選択した高等学校の情報 が表示される.高等学校の高等学校基本情報一覧(図 1)の右下に表示される概要欄では,マウスで項目をク リックすると記録された内容が表示されるが,閲覧の ボタンを押すと詳細表示に切り替わるようになってい る. 詳細表示にある画像や PDF データは,コンテキスト メニューの「フィールド内容のエクスポート」によっ て取り出すことができる(図7). 4. データの更新 4.1 訪問データの更新 入力操作は,編集の権限を与えられているユーザー 図8.入力モードへの移行 図9.高等学校・会場の選択 図10.テキストの入力 図11.PDF の入力 図 8 .入力モードへの移行 著者名・タイトル 3. データの閲覧方法 全ての項目で,文字,数字によるレコードの検索が できるようになっている.例えば,高等学校基本情報 一覧(図1)の所在地の欄に,住所の一部の文字列を 図7.フィールド内容のエクスポート 入れて検索を行うと,その文字列を所在地のデータに 持つレコードが抽出される.また,数値でも検索でき, 例えば,AOⅡ合格者の欄に数字の 10 を入れて検索を 行うと,AOⅡ合格者が 10 名である学校のレコードが 抽出される.抽出されたレコードは,検索範囲解除を 行わない限り,全ての表示に反映される. 高等学校基本情報一覧(図 1)と出願者合格者高等 学校別一覧(図 5)は高等学校コードで関連づけられ ている.そのため,出願者合格者高等学校別一覧(図 5)で選択した状態で高等学校の高等学校基本情報一 覧(図1)に切り替えると,選択した高等学校の情報 が表示される.高等学校の高等学校基本情報一覧(図 1)の右下に表示される概要欄では,マウスで項目をク リックすると記録された内容が表示されるが,閲覧の ボタンを押すと詳細表示に切り替わるようになってい る. 詳細表示にある画像や PDF データは,コンテキスト メニューの「フィールド内容のエクスポート」によっ て取り出すことができる(図7). 4. データの更新 4.1 訪問データの更新 図8.入力モードへの移行 図9.高等学校・会場の選択 図10.テキストの入力 図 9 .高等学校・会場の選択 著者名・タイトル 3. データの閲覧方法 全ての項目で,文字,数字によるレコードの検索が できるようになっている.例えば,高等学校基本情報 一覧(図1)の所在地の欄に,住所の一部の文字列を 図7.フィールド内容のエクスポート 入れて検索を行うと,その文字列を所在地のデータに 持つレコードが抽出される.また,数値でも検索でき, 例えば,AOⅡ合格者の欄に数字の 10 を入れて検索を 行うと,AOⅡ合格者が 10 名である学校のレコードが 抽出される.抽出されたレコードは,検索範囲解除を 行わない限り,全ての表示に反映される. 高等学校基本情報一覧(図 1)と出願者合格者高等 学校別一覧(図 5)は高等学校コードで関連づけられ ている.そのため,出願者合格者高等学校別一覧(図 5)で選択した状態で高等学校の高等学校基本情報一 覧(図1)に切り替えると,選択した高等学校の情報 が表示される.高等学校の高等学校基本情報一覧(図 1)の右下に表示される概要欄では,マウスで項目をク リックすると記録された内容が表示されるが,閲覧の ボタンを押すと詳細表示に切り替わるようになってい る. 詳細表示にある画像や PDF データは,コンテキスト メニューの「フィールド内容のエクスポート」によっ て取り出すことができる(図7). 4. データの更新 4.1 訪問データの更新 図8.入力モードへの移行 図9.高等学校・会場の選択 図10.テキストの入力 11.PDF の入力 図10.テキストの入力

(6)

─  295  ─ 東北大学 高度教養教育・学生支援機構 紀要第 7 号 2021 ワープロソフトからのドラッグアンドドロップもしく はコピーアンドペーストで入力する(図10).写真や PDFファイルは,ドラッグアンドドロップもしくは コピーアンドペーストで入力する(図11). 4.2 受験状況の更新 データを追加する流れを次に示す. (1)学部ごとの志願者と合格者の状況を集約した資料 を,全学部,全ての受験方式についてまとめた Excelシートを用意する. (2)そのシートからピボットテーブルで集計し,高等 学校コード別に,入試方式それぞれについての受験 者数,合格者数の表を作る. (3)集計した表を,高等学校コード別のレコードに変 換する.レコードには,AOⅡ合格者数,AOⅡ出 願者数,AOⅢ合格者数,AOⅢ出願者数,前期合 格者数,前期出願者数,後期合格者数,後期出願者 数の順にデータを並べる(図12). (4)テーブルにレコードを追加するために,この ExcelファイルをFileMakerのファイルに変換する. (5)生成したFileMakerファイルのレコードを,志望 および合格状況データシートに追加する. なお,(3)で使用するツールは,Excelマクロで作 成した(図13).

5 .活用事例

5.1 学校訪問 例として,2019年度に訪問したある高等学校につい て記述する.その高等学校のデータを図14に示す. 著者名・タイトル 3. データの閲覧方法 全ての項目で,文字,数字によるレコードの検索が できるようになっている.例えば,高等学校基本情報 一覧(図1)の所在地の欄に,住所の一部の文字列を 図7.フィールド内容のエクスポート 入れて検索を行うと,その文字列を所在地のデータに 持つレコードが抽出される.また,数値でも検索でき, 例えば,AOⅡ合格者の欄に数字の 10 を入れて検索を 行うと,AOⅡ合格者が 10 名である学校のレコードが 抽出される.抽出されたレコードは,検索範囲解除を 行わない限り,全ての表示に反映される. 高等学校基本情報一覧(図 1)と出願者合格者高等 学校別一覧(図 5)は高等学校コードで関連づけられ ている.そのため,出願者合格者高等学校別一覧(図 5)で選択した状態で高等学校の高等学校基本情報一 覧(図1)に切り替えると,選択した高等学校の情報 が表示される.高等学校の高等学校基本情報一覧(図 1)の右下に表示される概要欄では,マウスで項目をク リックすると記録された内容が表示されるが,閲覧の ボタンを押すと詳細表示に切り替わるようになってい る. 詳細表示にある画像や PDF データは,コンテキスト メニューの「フィールド内容のエクスポート」によっ て取り出すことができる(図7). 4. データの更新 4.1 訪問データの更新 入力操作は,編集の権限を与えられているユーザー のみが行える.入力操作は,詳細表示(図8)から行 図8.入力モードへの移行 図9.高等学校・会場の選択 図10.テキストの入力 図11.PDF の入力 図11.PDF の入力 東北大学 高度教養教育・学生支援機構 紀要第 7 号 2021 図12.レコードの生成 図13.表の変換用マクロ う.図の丸で囲んだ「新規データ入力」ボタンを押す ことで,入力モードとなる.まず,高等学校・会場の 選択(図 9)から入力する高等学校もしくは説明会会 場を選択すると入力のための新しいレコードが生成さ れる. テキストデータは,直接入力するか,エディターや ワープロソフトからのドラッグアンドドロップもしく はコピーアンドペーストで入力する(図10).写真や PDF ファイルは,ドラッグアンドドロップもしくはコ 図14.ある高等学校の記録 ピーアンドペーストで入力する(図11). 4.2 受験状況の更新 データを追加する流れを次に示す. (1)学部ごとの志願者と合格者の状況を集約した資料 を,全学部,全ての受験方式についてまとめた Excel シートを用意する. (2)そのシートからピボットテーブルで集計し,高等 学校コード別に,入試方式それぞれについての受 験者数,合格者数の表を作る. (3)集計した表を,高等学校コード別のレコードに変 換する.レコードには,AOⅡ合格者数,AOⅡ出 願者数,AOⅢ合格者数,AOⅢ出願者数,前期合 格者数,前期出願者数,後期合格者数,後期出願 者数の順にデータを並べる(図12). (4)テーブルにレコードを追加するために,この Excel ファイルを FileMaker のファイルに変換 する. (5)生成した FileMaker ファイルのレコードを,志望 および合格状況データシートに追加する. なお,(3)で使用するツールは,Excel マクロで作成 した(図13). 5. 活用事例 5.1 学校訪問 例として,2019 年度に訪問したある高等学校につい て記述する.その高等学校のデータを図14 に示す. なお,ここに示した図は現在使用できるVer.2 のも のであり,2019 年度に使用していた Ver.1 では,進学 図12.レコードの生成 東北大学 高度教養教育・学生支援機構 紀要第 7 号 2021 図12.レコードの生成 図13.表の変換用マクロ う.図の丸で囲んだ「新規データ入力」ボタンを押す ことで,入力モードとなる.まず,高等学校・会場の 選択(図 9)から入力する高等学校もしくは説明会会 場を選択すると入力のための新しいレコードが生成さ れる. テキストデータは,直接入力するか,エディターや ワープロソフトからのドラッグアンドドロップもしく はコピーアンドペーストで入力する(図10).写真や PDF ファイルは,ドラッグアンドドロップもしくはコ 図14.ある高等学校の記録 ピーアンドペーストで入力する(図11). 4.2 受験状況の更新 データを追加する流れを次に示す. (1)学部ごとの志願者と合格者の状況を集約した資料 を,全学部,全ての受験方式についてまとめた Excel シートを用意する. (2)そのシートからピボットテーブルで集計し,高等 学校コード別に,入試方式それぞれについての受 験者数,合格者数の表を作る. (3)集計した表を,高等学校コード別のレコードに変 換する.レコードには,AOⅡ合格者数,AOⅡ出 願者数,AOⅢ合格者数,AOⅢ出願者数,前期合 格者数,前期出願者数,後期合格者数,後期出願 者数の順にデータを並べる(図12). (4)テーブルにレコードを追加するために,この Excel ファイルを FileMaker のファイルに変換 する. (5)生成した FileMaker ファイルのレコードを,志望 および合格状況データシートに追加する. なお,(3)で使用するツールは,Excel マクロで作成 した(図13). 5. 活用事例 5.1 学校訪問 例として,2019 年度に訪問したある高等学校につい て記述する.その高等学校のデータを図14 に示す. なお,ここに示した図は現在使用できるVer.2 のも のであり,2019 年度に使用していた Ver.1 では,進学 図13.表の変換用マクロ 東北大学 高度教養教育・学生支援機構 紀要第 7 号 2021 図12.レコードの生成 図13.表の変換用マクロ う.図の丸で囲んだ「新規データ入力」ボタンを押す ことで,入力モードとなる.まず,高等学校・会場の 選択(図 9)から入力する高等学校もしくは説明会会 場を選択すると入力のための新しいレコードが生成さ れる. テキストデータは,直接入力するか,エディターや ワープロソフトからのドラッグアンドドロップもしく はコピーアンドペーストで入力する(図10).写真や PDF ファイルは,ドラッグアンドドロップもしくはコ 図14.ある高等学校の記録 ピーアンドペーストで入力する(図11). 4.2 受験状況の更新 データを追加する流れを次に示す. (1)学部ごとの志願者と合格者の状況を集約した資料 を,全学部,全ての受験方式についてまとめた Excel シートを用意する. (2)そのシートからピボットテーブルで集計し,高等 学校コード別に,入試方式それぞれについての受 験者数,合格者数の表を作る. (3)集計した表を,高等学校コード別のレコードに変 換する.レコードには,AOⅡ合格者数,AOⅡ出 願者数,AOⅢ合格者数,AOⅢ出願者数,前期合 格者数,前期出願者数,後期合格者数,後期出願 者数の順にデータを並べる(図12). (4)テーブルにレコードを追加するために,この Excel ファイルを FileMaker のファイルに変換 する. (5)生成した FileMaker ファイルのレコードを,志望 および合格状況データシートに追加する. なお,(3)で使用するツールは,Excel マクロで作成 した(図13). 5. 活用事例 5.1 学校訪問 例として,2019 年度に訪問したある高等学校につい て記述する.その高等学校のデータを図14 に示す. なお,ここに示した図は現在使用できるVer.2 のも のであり,2019 年度に使用していた Ver.1 では,進学 図14.ある高等学校の記録

(7)

樫田 豪利・学校訪問データベースの制作と活用 なお,ここに示した図は現在使用できるVer.2のも のであり,2019年度に使用していたVer.1では,進学 実績の項目は受験形態別に, 5 年間の合格者数および 出願者数の合計値で示していた.そのため,進学状況 は別途,雑誌や高等学校の公式ウェブサイトで調べる 必要があった.この点を改良したものがVer.2である. Ver.2では,各高等学校からの,出願状況および合格 状況を年度別に,かつ,受験形態別に表示するように データを用意し,登録し,表示をデザインした. ここでは,Ver.2を使用した場合を想定した説明を おこなう. 高等学校基本情報一覧においても,概要の欄をク リックすることで,図のように内容を表示し,カーソ ル移動で内容をスクロールして見ることができる. 2018年度と2017年度の訪問概要には,枠で囲んである ところに,「東北大学の人気は極めて高い」,「進学先 として最も多かったのが東北大学である」という記述 が見られる.しかし,2019年度入学試験の受験状況で は,志願者が大きく減少している. そこで,訪問に際しての話題の一つとして,生徒と 保護者の志望動向を取り上げるとともに,合格者数の 減少に関係するかもしれない基礎的な学力の状況も取 り上げることになる.2019年度訪問記録では,2019年 度入学試験受験者は「数学の弱い」学年であったが, 「上位層が受験している」との記載がある.また, 2019年度の進路指導部主事の言葉として,3 年生も「東 北大学志向が強く,昨年度よりも学力のある生徒が多 い」ことが記録されている. なお,2019年度入学試験受験者数は20名,うち合格 者数 7 名であったが,2020年度入学試験では受験者数 が24名,合格者数10名となり,進路指導部主事の指摘 の通りとなっている. 2019年度の実際の訪問では,訪問の直前にも記載事 項や同じ県内の進学校訪問の記録などを再確認し,そ れらの情報を加味した話題の持ち方をおこなったが, 先に述べたように,雑誌や高等学校の公式サイトから 得られた2017年度および2018年度入学試験合格者数と 2019年度合格者数の比較を元にした懇談であった. しかし,Ver.2を用いると,数年に渡る受験者数の 推移すなわち志望状況を元にした懇談も可能となり, 高等学校の実情をより理解するきっかけを得ることが できたと思われる.しかし,Ver.2の受験状況の資料 には,理系と文系の区別や学部系統の区別がないため, 懇談の準備において多々不足な点が生じてしまうので はないだろうか.   5.2 リモート相談会 本年度10月に行われたFROMPAGE主催の夢ナビ ライブは,オンラインで行われた進学相談会であった. 高校生が事前に登録した時間にZoomの会議室に参加 してくる形態であり,面談の時間帯は,参加者一人一 人について決められていた.対面で行われた今までの ものとは違い,事前登録制であるため,参加生徒の学 年や高等学校名が事前に入手できた. そこで,Zoom面談の前にデータベースで参加生徒 の在籍高等学校について記録を見ておくことができ た.たくさんの受験者がいる学校ばかりではなく,あ まり受験者がいない学校の生徒の参加も,多々見られ た.受験者の多い学校の生徒は,教員や卒業生からの 情報など,多くの情報に触れていることが予想される ため,その生徒に対しては,寄せられた質問に絞って 面談をすればよいと判断した.一方で,受験者が少な い高等学校の生徒は,東北大学の情報に触れる機会が 少ないと予想されるため,大学の紹介も織り込んだ説 明を心がけた. このように,データベースを利用することによって, 一律ではないアドバイスや面談の工夫をするきっかけ を得ることができた.

6 .まとめ

6.1 現状 以上,学校訪問データベースの構造,管理,使用事 例について述べてきた. データベースの情報をアップデートするたびにすぐ に使えるようにと,オンラインでの接続から運用を始 めたが,学外でのWiFiを利用する環境が不十分であっ たことなどから,スタンドアローンで使用できるよう にする必要が生じた.そのため,データの更新作業は 学校訪問が少ない11月以降に集中して行うこととなっ た.

(8)

─  297  ─ 東北大学 高度教養教育・学生支援機構 紀要第 7 号 2021 その反面,スタンドアローンで使用するアプリとし たことで,使用者に編集の権限を与えることができ, 学校訪問前の情報収集において各自が入手した資料を 登録して使用できるようになり,使用者専用のツール として使えるデータベースとなった. 収録されている受験者および合格者の動向について のデータは,学部・学科をまとめた総数で記録されて いる.しかし,高等学校によっては,理系への出願が 多い学校,文系への出願が多い学校というような違い がある.例えば,先に述べた学校訪問の事例では,出 願者数の減少が全般的なものなのか,文系もしくは理 系に偏ったものなのかが,このデータベースではわか らない.この点が,懇談を計画する上では不足を感じ るところである. 6.2 今後の発展を見据えて 今回作成したデータベースが個々人に特化したツー ルとして使われることを考えると,年度ごとに生み出 される報告書を追加したデータベースをどのように提 供し,せっかく個々のユーザーが収集したデータを共 有していくことによってより充実したデータベースと なることが期待できる。よって,データの提供と共有 の方策を検討する必要がある. また,志望および合格状況データを学部別に表示で きるようにすることで,各高等学校の文理別を含めた 出願の傾向を把握することができるようになり,その 傾向を反映させた資料を用意することにつながる。そ して,今までよりも焦点を絞った話題の振り方ができ るようになることが期待できる.そこで,出願および 合格状況データの格納の仕方,表示の仕方について, 今後の改良を考慮した検討が必要となる. 今後,この 2 点についての改善に取り組むことによ り,学校訪問データベースが情報を提供するツールで あるとともに,情報を集約するツールでもある利便性 の高いものへと変わるように取り組んでいきたい. 参考文献 樫田豪利・宮本友弘・泉毅・庄司強 (2020)「高等学 校訪 問データベースの開発」,『大学入試研究ジャーナ ル』  No.30, 174–178  野沢直樹・胡正則 (2018)『FileMaker 17 スーパーリファ レンス』ソーテック社

参照

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