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精神科認知症治療病棟での対応

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Academic year: 2021

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精神科認知症治療病棟での対応

医療法人千水会 赤穂仁泉病院 風原 綾子 ヒューマンケアと聞いて、馴染みのない言葉で難しそう、私には無理だと思った。考えてみる と、人へのケア、これって毎日行なっていること、「今していることを話してくれたらいい」と言 われ、とても気が楽になり引き受けることにした。 思い起こせば、幼い頃から優しい白衣の天使にあこがれ、ナースとなり、もう30 年になる。 当初は看護技術の習得に奔走していたが、行き着くところは精神看護、これほど難しく奥深いも のはないと自分の中で定義づけ、あえてその道に行こうと、今の精神科病院に勤務することにな った。そして2 年前に当認知症治療病棟に配属になった。 数年前までは、痴呆症と呼ばれ、「痴呆症の人は何も出来ない、何もわからない、痴呆になると 人生はもう終わり」といった偏見が多かった。今は認知症と広く周知され、治療可能な病気であ ると世間の目も多少なり変化してきた。 認知症は中核症状と周辺症状に分けられ、中核症状には進行を抑制する薬物療法が有効とされ ている。が、周辺症状BPSD(心理・行動症状 以前は問題行動と呼ばれていた)には、非薬物 療法が行なわれている。 認知症の人のBPSD の程度が入院加療に至る大きな要因となっている。BPSD にどう対応する か、その対応の仕方が脳神経症状に影響を与えることが知られている。 トム・キットウッドが提唱した認知症ケア(パーソン・センタード・ケア)の理念がこれであ る。 1. 年齢や認知能力にかかわらず、全ての人の存在自体に絶対的な価値があると認める 2. 個人の独自性を尊重する 3. 認知症を持つ人の視点に立ち、彼らの世界を理解する 4. 相互に支えあう社会的環境を提供する 以上4つの要素を常に念頭に置き、パーソン・センタード・ケアを日々の実践の中に取り入れ てきたここ2 年程の取り組みを報告することにする。 12

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