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音声の講義と発音指導による日本語学習者の発話の変化 : -アクセントとポーズを中心に-

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Academic year: 2021

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要 旨  本実践は、中級前半レベルの日本語学習者に対して、音声の講義と継続的な発音指導を 行うことによって、発音に変化が見られるかを音響音声学的に検証したものである。日本 語の音声に関する体系的な知識の習得経験がない2名の中級学習者に対し、スピーチ発表 会に向け、音声の講義とアクセント、及びポーズの指導を3回に渡って行った。指導前と指 導後の資料を比較した結果、2名ともアクセント型、ポーズの出現位置、速さに変化が見 られた。日本語の音声の知識を与えることと継続的に発音指導をすることが、学習者の発 音向上のためには有効であるということが示唆された。これらの活動をすることによって、 学習者自身が自信をもって発話できるようになることを望む。  【キーワード】 日本語音声の知識、発音指導、アクセント、ポーズ、速さ 1.先行研究  日本語母語話者は、初対面の日本語非母語話者と話すとき、意識的か無意識的かにかか わらず、日本語の能力を評価すると言われる。評価する項目の中には、文法を正しく組み 立てる力、適切な語彙を選択する力などの文法能力の他に、どの程度スムーズにコミュニ ケーションが取れるか、場面に相応しい内容を話しているか、さらに、いかに努力して聞 かなくとも話の内容が理解できるかという「分かりやすさ」「聞きやすさ」という項目で評 価することもあるだろう。つまり、日本語母語話者が聞きやすいと評価する発音で話せば、 非母語話者は日本語母語話者から「日本語能力が高い」と評価される可能性があると言え る。これは、発音が音声によるコミュニケーションの中で果たす役割が大きいことを示し ている。だが、非日本語母語話者である日本語学習者の中には、自分の発音に不安がある 人も多い(小河原1999、2001)。その原因の一つに、特に初級日本語を母国で学んだ場合、 一度も日本語の音声に関する講義を聞いたり、発音指導を受けたりした経験がないため、 学習者自身の中にプラスに評価される発音の基準がないということがあげられる。日本の 教育現場では、様々な日本語レベルの学習者に対し、様々な方法で発音指導をしている(金 2006、土居2013、中川2013他)。発音についての自己評価に関する研究(小河原1997)や、 自己モニター能力開発のための研究(佐藤2005)もなされてはいるが、文法や語彙、漢字 等に比べると、教師、学習者ともに発音指導や発音習得にかける時間や意識が低いと感じ ることがある。また、現場の教師からは「発音指導をしても効果が見られない」といった声 を聞くことがある。だが、継続的に発音指導を行った場合、どのような効果があるかを調 ―実践報告―

音声の講義と発音指導による日本語学習者の発話の変化

―アクセントとポーズを中心に―

高村 めぐみ

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べた研究は、十分とは言えないのが現状である。 2.目的  本実践の目的は、日本語の音声の講義と継続的な発音指導を行うことで、発音にどのよ うな変化が見られるかを明らかにすることである。   3.指導方法 3.1 学習者  A大学の日本語中級クラスに在籍するフィンランド人(A)と中国人(B)の女性2名で ある。2名のみで構成された小人数のクラスで勉強をしていた。学習者は2名とも1週間に 8コマ(1コマ90分)、文法、語彙、漢字等、技能別で開講されているクラスを取っていた。 筆者は1週間に1コマ、口頭表現のクラスで指導をしていた。Aは大学の交換留学生で1年 の予定で来日をしていた。Bも交換留学生で母国では大学院に在籍していた。2人とも調 査をしたのは来日してすぐの学期である。ともに中級前半のレベルである。   3.2 講義及び指導の内容  2014年4月~ 5月の約2か月間、5回にわたりスピーチの準備を行った。その中で、1、2、 4週目の3回、発音を扱った。以下に詳細を記す。 【1週目:目標と経験】(4/18)  学習者に母国で音声の講義を受けた経験、発音指導を受けた経験を聞いた。A、Bとも に音声の講義を受けた経験も、発音指導の経験もほとんどない。次回以降、スピーチを通 して発音練習をしていくことを伝えた。スピーチは、「母国と日本の違い」というテーマで ある。次週、現在の力を試すために、指導なしでスピーチをしてみることにした。この日の 授業では、テーマについてブレインストーミングをしたのみである。原稿作成、練習等の 準備は宿題とした。 【2週目:自分の発音に対する気づきの促し】(4/25)  一回目の発表を行った。1人が発表をし、教師ともう1人の学習者が聴衆になった。発表 は録音をした1)。発表終了後に聴衆から自由にコメントをしたが、学習者から発音に関す るコメントは出て来なかった。コメント終了後、録音しておいた自分の発表を聞き、再度、 自由に発言した。この日は、自分の発音を自分で聞き、何らかの気づきを得ることが最大 の目的だったため、教師から細かい指導はせず、簡単なコメントをするに留めた。可視化 のためコメントは板書した。原稿の書き直しを宿題にした。 【3週目】(5/2)  教師とクラスメートが原稿を読んで、構成や文法のチェックを行った。この日は、音声 に関する講義や指導はしていない。次週、再度発表をすることを告げ、原稿の書き直しと 1) 録音は、教卓の上にSANYO PCMレコーダー ICR-PS603RMを置いて行った。

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発表練習を宿題とした。 【4週目:音声の講義と指導】(5/9)  学習者のスピーチに出てくるキーワードを取り上げながら、音声の講義をした。「音声学」 の全ての項目を一回の授業で扱うことは難しい。そこで、3週目までの発表を聞いて、A、 Bともに聞きやすさのマイナス要因となっていると教師(筆者)が判断したアクセントを 取り上げることにした。また、1週目に、Aから「速く話せるようになりたい」という目標 が出ていたため、速さに影響を与えるポーズについても扱うこととした。具体的な指導は、 1.一単語内のアクセントは、一度下がったら二度と上がらない、2.複合語の場合、アクセ ント核が変わる、3. 文末にはとても長いポーズが入る2)、4.動詞や形容詞の後(助詞や助 動詞を含まない)では、長めのポーズが入る。例えば、接続助詞の後などが該当する、5.キー ワードの後やトピックの「は」の後で短めのポーズが入る、という5つの内容で、約30分説 明をした。その後、発音指導を一人10分~ 15分程度行い、二回目の発表を行った。発表は 全て録音をし、終了後、録音を聞きながらコメントを言い合った。学習者の音声には多く の逸脱が観察されたが、教師が一度に指摘すると混乱をする恐れがあると考え、講義で扱っ た1.ポーズの位置、2.キーワードのアクセントを中心に再度、指導を行った。最終発表の ための練習を宿題とした。 【5週目:最終発表】(5/30)  三回目の発表(最終発表)を行った。発表後、録音を聞きながら、自由にコメントを言い 合った。 4.分析方法 4.1 概要  音声の講義、及び発音指導前のAとBのスピーチ資料(以下、指導前)と講義及び発音指 導後のスピーチ資料(指導後)を使って、音響音声学的に発音の変化を比較、分析した。指 導前の資料には、2週目(4/25)に録音した一回目の発表を用いた。指導後の資料には、5 週目(5/30)に録音した三回目の発表(最終発表)を用いた。今回、アクセントとポーズ(速 さ)の指導を主に行ったため、これらの項目について指導前と指導後を比較した。 4.2 聴取実験協力者  まず、日本語母語話者にとって聞きにくいと評価される語を選定するために、聴取実験 協力者2名(日本語母語話者)に、聞きにくいと感じる発音を含む語をあげてもらった。そ の中から4週目にアクセントの指導を行い、かつ指導後の最終発表にも出現している語を 抽出した。 2) 3~ 5の指導は高村(2014)を参照にした。

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表1 聴取実験でマイナスの留意をした語、指導した語 A B 2名が聞きにくいと 指摘した語 単音:フィンランド(「フィ」の音)、さぼる(「すぼる」に 聞こえる) アクセント:大学(頭高に聞こ える) 単音:ほうが(「う」が「ん」に聞こ える)、一か月(「いちかげつ」 に聞こえる アクセント:いろいろな(中高に 聞こえる)、化粧品(頭高に聞 こえる)、 アクセント指導を した語3) 大学 いろいろな、化粧品 指導後の発表に 出現した語 大学 いろいろな 4.3 解析装置および解析手順

 SANYO PCMレコーダー ICR-PS603RMを使って録音した音声をSONY VAIO VGN-NR72B(Windows7)のハードディスクに取り込んだ。そして、音響解析ソフトPraatを使っ て全ての発話節4)、ポーズの時間長を計測し、基本統計量を求め、発話速度5)、調音速度6) を算出した。ポーズについては、ポーズの中央値から相対ポーズ値7)で±1拍分の時間長の ものを「中央値程度のポーズ」と決めた。そして、中央値程度のポーズより短いものを「短 いポーズ」、中央値程度のポーズより長いものを「長いポーズ」とした。さらに、相対ポー ズ値4拍分以上のものを「非常に長いポーズ」とし、4区分に分類してポーズの分析を行っ た8)(表2参照)。  アクセントの指導効果については、表1で抽出された語の指導前・後のピッチ曲線を比 較した。 表2 各資料のポーズ区分 A 指導前 A 指導後 B 指導前 B 指導後 短いポーズ -475 -468 -225 -407 中央値程度ポーズ 476-838 469-779 226-646 408-719 長いポーズ 839-1382 780-1246 647-1277 720-1186 非常に長いポーズ 1383- 1247- 1278 1187-3) 授業では表1に記されている語以外についてもアクセント指導を行ったが、聴取実験で聞きにくい と判断されなかった語は記述していない。 4) 発話節という用語は杉藤(1987:53-68)からとったもので、発話における有声区間、つまりポーズ以 外の音響的有声区間に一致する。 5) 発話節、及びポーズの時間長を含めた速さ。speech rate。 6) ポーズの時間を除外した発話節のみの速さ。articulation rate。 7) 相対ポーズ値とは大野他(1996)が提唱した用語で、ポーズの時間長を発話節内の1拍の時間長で割 り、ポーズを拍で表したものである。 8) 高村・野原(2010)を参考に、4つの区分を設けた。

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5.結果と考察  A、Bの指導前、指導後の発話節およびポーズの値の一例(表3~ 6参照)と基本統計量(表 7参照)を以下に示す。 表3 Aの指導前の発話節およびポーズの時間長9) 一例 tag. A 指導前 発話節(ms) ポーズ(ms) 11 あー 376 1594 12 多分フィンランドの 1571 790 13 教育は 1120 349 14 無料し10) 884 400 15 大学に入っている人は多いし 2838 491 16 そんなに特別な 1633 902 17 あ、行事が 1101 366 18 ありませんです11) 800 1507 19 えー 440 1251 表4 Aの指導後の発話節およびポーズの時間長 一例 tag. A 指導後 発話節(ms) ポーズ(ms) 1 今日は 695 380 2 日本の大学とフィンランドの大学の違いの12) 3340 674 3 ついてお話ししようと思っています。 2443 1036 4 まず 516 430 5 フィンランドと日本で 1757 616 6 入学する意味が大きく違っています。 3080 1377 7 え日本では入学式が 1878 208 8 ありますが 814 215 9 フィンランドでは 849 1085 表5 Bの指導前の発話節およびポーズの時間長 一例 tag. B 指導前 発話節(ms) ポーズ(ms) 5 いちかげつ13)日本に住んでいるので 3062 379 6 色々なところ違うと思っています。 3363 524 9) 表中ポーズのイタリック=「短いポーズ」、無印=「中央値程度のポーズ」、下線=「長いポーズ」、太 字ゴシック+下線=「非常に長いポーズ」を表す。 10) 原文のまま 11) 原文のまま 12) 原文のまま 13) 原文のまま

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7 例えば 716 339 8 たいてい日本は 1830 288 9 あー物価の方が 1796 358 10 高いです。 921 332 11 あー 358 530 12 交通とか野菜とか果物とか本とか 4266 277 表6 Bの指導後の発話節およびポーズの時間長 一例 tag. B 指導後 発話節(ms) ポーズ(ms) 1 今日は 356 370 2 私の国と日本の違いについて 2778 398 3 発表します。 681 777 4 日本に一か月住んでいるので 2289 266 5 日常のことがいろいろないろいろ目に入って 3686 484 6 私の国と違う 1690 204 7 ことが分かりました。 1374 809 8 その中で 842 240 9 一番目に 1040 416 表7 A、Bの指導前・後の発話節およびポーズの基本統計量   A 指導前 A 指導後 B 指導前 B 指導後 全長(ms) 121322 116781 110277 93817 ポーズ度数 53 47 51 44 拍度数 440 501 360 430 1拍平均(ms) 181.5 155.7 210.3 155.6

  clause14) pause clause pause clause pause clause pause

全時間長(ms) 79846 41476 77989 38792 75699 34578 66919 26898 65.8% 34.2% 66.8% 33.2% 68.6% 31.4% 71.3% 28.7% 平均値(ms) 1478.6 782.6 1624.8 825.4 1455.8 678.0 1487.1 611.3 中央値(ms) 1260.0 657.0 1603.0 624.0 1042.0 436.0 1394.0 563.5 最小値(ms) 368 229 416 172 168 195 340 186 最大値(ms) 4330 2955 3379 2631 5203 3548 3686 1860 発話速度(拍/分) 3.6 4.3 3.3 4.6 調音速度(拍/分) 5.5 6.4 4.8 6.4 5.1 Aの場合  まず、アクセントについては、指導前は、本来平板型である語を頭高型で発音していた。 14) clauseは発話節を、pauseはポーズを表す。

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それが、指導後は平板型で発音できるようになっていることが分かった。  次に、Aが目標としていた「速く話せるようになる」ことについて分析をした。発話節 とポーズの割合はほとんど変化がないが、発話速度(3.6拍/分→4.3拍/分)、調音速度(5.5 拍/分→6.4拍/分)ともに、指導前よりも指導後の方が速くなっている。また、発話の全 長は短くなっている(121322ms→116781ms)が、拍数が増え(440拍→501拍)ポーズの 度数が減っている(53個→47個)ことから、発話が細切れにならず、ある一定の時間、続 けて話せるようになったことが窺える。  ポーズの出現位置については、指導項目「3.文末にはとても長いポーズ15)が入る」、「4. 助詞や助動詞を除いた動詞、形容詞の後で長めのポーズ16)が入る」「5.キーワードの後や トピックの「は」の後で短めのポーズ17)が入る」という指導をしたが、指導後のほうが「該 当数」の割合が増えていることが分かる(表8参照)。但し、「4.動詞、形容詞の後に長めの ポーズ」という項目については、指導前は単文がほとんどだったため、該当数が少ない(計 3例)。動詞や形容詞は、ほとんど文末に該当してしまっていたことを付け加える。     図118) 指導前の「大学」       図2 指導後の「大学」 表8 Aのポーズ出現位置     総計 該当数 非該当数 指導前 3.文末にとても長いポーズ 12 6 (55%) 5 (45%) 4.動詞、形容詞の後に長めのポーズ 3 1 (33%) 2 (67%) 5.キーワード、「は」の後に短めのポーズ 13 8 (62%) 5 (38%) 指導後 3.文末にとても長いポーズ 14 14(100%) 0 (0%) 4.動詞、形容詞の後に長めのポーズ 6 4 (67%) 2 (33%) 5.キーワード、「は」の後に短めのポーズ 10 7 (70%) 3 (30%) 15) ポーズ区分「非常に長いポーズ」と「長いポーズ」のことを指す。 16) ポーズ区分「長いポーズ」と「中央値程度のポーズ」のことを指す。 17) ポーズ区分「中央値程度のポーズ」と「短いポーズ」のことを指す。 18) ドットがピッチ(=アクセント)を表す。直線は音圧を表す。図2、3、4も同様。

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5.2 Bの場合  まず、アクセントについては、指導前は、本来平板型である語を中高型で発音していた。 それが、指導後は平板型で発音できるようになっていることが分かった。  次に、Bの発話の速さについて述べる。発話節とポーズの割合は、ややポーズの割合が 減っている(31.4%→28.7%)。そして、発話速度(3.3拍/分→4.6拍/分)、調音速度(4.8 拍/分→6.4拍/分)は、指導後の方が速くなっている。また、Aと同様、発話の全長は短 くなっている(110277ms→93817ms)が、拍数が増え(360拍→430拍)ポーズの度数が減っ ている(51個→44個)ことから、発話が細切れにならず、ある一定の時間、続けて話せる ようになったことが窺える。  ポーズの出現位置については、A同様、指導後は「3.文末にはとても長いポーズが入 る」、「5.キーワードの後やトピックの「は」の後で短めのポーズが入る」に該当する数は、 指導前よりも増えていた(表9参照)。「4.助詞や助動詞を除いた動詞、形容詞の後で長め のポーズが入る」については、指導前(100%)より指導後(67%)の方が該当数の割合が 減少してしまっている。だが、指導前はほとんど複文が出ておらず、動詞や形容詞は、ほと んど文末に該当していたため、総数が非常に少ない(計2例)。また、指導前と指導後の「動 詞、形容詞の後」のポーズ時間長の平均値と中央値を比較したところ、指導後の方が平均 値(389.5ms→539.2ms)、中央値(389.5ms→529.5ms)ともに長い時間長になっているこ とが分かった。このことから、「長いポーズ」の区分の数値には達していないものの、指導 後の方が時間長の長いポーズを挿入することが出来るようになったと言える。    図3 指導前の「いろいろな」         図4 指導後の「いろいろな」  表9 Bのポーズ出現位置     総計 該当数 非該当数 指導前 3.文末にとても長いポーズ 12 4 33% 8 67% 4.動詞、形容詞の後に長めのポーズ 2 2 100% 0 0% 5.キーワード、「は」の後に短めのポーズ 4 3 75% 1 25% 指導後 3.文末に非常に長いポーズ 12 9 75% 3 25% 4.動詞、形容詞の後に長めのポーズ 6 4 67% 2 33% 5.キーワード、「は」の後に短めのポーズ 4 4 100% 0 0%

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6.まとめと今後の課題  今回、音響音声学的に分析をしたところ、継続的に指導をすることによってアクセント、 ポーズに変化が見られることが分かった。音声の知識を学んだり、発音を練習したりする ことによって自己あるいは他者からの評価が上がり、最終的には、学習者自身の発話への 自信につながることを望む。  今回は、ケーススタディとして行ったため、発音指導の効果を一般化して示すには資料 の件数が不足している。今後、件数を増やす必要がある。また、アクセント、ポーズ、速さ 以外の韻律要素や単音の指導効果についても検証する必要がある。こちらも、今後の課題 とする。 参考文献 大野眞男・三輪譲二(1996)「朗読におけるポーズと発話速度―「相対ポーズ値」の提唱―」 『岩手大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要』6、岩手大学教育学部附 属教育実践研究指導センター、45-58. 小河原義朗(1997)「外国人日本語学習者の発音学習における自己評価」『教育心理学研究 45-4、72-82. 小河原義朗(1999)「外国人日本語学習者の日本語発音不安」『言語科学論集』3、13-24. 小河原義朗(2001)「外国人日本語学習者の日本語発音不安尺度作成の試み―タイ人大学 生の場合―」『世界の日本語教育』11、39-53. 金周熙(2006)「初級クラスにおける発音指導」『早稲田大学日本語教育実践研究』5、77 – 86. 佐藤貴仁(2005)「音声教育における学習者の自己モニター能力と自己評価基準について」 『早稲田大学日本語教育実践研究』3、141-148. 杉藤美代子(1987)「談話におけるポーズの持続時間とその機能」『音声言語』Ⅱ、近畿音声 言語研究会、53-68. 高村めぐみ(2014)「初級日本語学習者へのスピーチ指導―ポーズ指導の効果について―」 『桜美林大学言語教育論叢』10、11-24. 高村めぐみ・野原ゆかり(2010)「学習者が生成するフィラーとポーズの関係」『外国語教 育研究』13、外国語教育学会、pp.66-77. 土居美有紀(2013)「初級発音授業における実践報告」『南山大学国際教育センター紀要』 13、49-62. 中川千恵子・木原郁子・篠原亜紀・嵐洋子・田川恭識(2013)「中上級レベルの学習者を対象 とした発音アクティビティ教科書の構築」『日本語教育方法研究会誌』20(1)、36-37.

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