気相ラジカル重合法による立体規則性の制御
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(2) 2. 研究の目的 本 研 究 で は 気 相 重 合 法 が 溶 液 重 合 法に比 べ、反応系中の分子の動きを容易に制御しや すいことに着目し、これまでに例のない気相 ラジカル重合による高次構造が制御された 表面処理技術を確立する。既存の重合反応に よる立体規則牲の制御について気相重合と の違いを明確にし、気相重合法による高次構 造の制御を目的として研究を行い、溶液重合 法により得られたポリマーとの比較、および キラリティー識別材料などへの応用につい て検討を行う。 3. 研究の方法 (1)既存の重合反応における立体規則牲の 制御との違いを明確にし、気相重合法による 高次構造の制御を検討する (Scheme 1 ) 。. ①アキラルなモノマーとして側鎖の大きい メタクリル酸トリフェニルメチル、開始 剤に A I B Nを用いて気相重合を行い、溶液 重合法との比較を行う。 ②同様に光学活性なビニルモノマーを用い て気相ラジカル重合を行い、溶液重合法との 比較検討を行う。. ノマ. O. ①連続的に異なるモノマーおよびらせん誘 起剤にそれぞれ切り替えて重合を行い、旋光 性の異なるセグメントを持つブロック共重 合体の構築を行う。 ②開始剤が固定化されたシリコンウエハー などの基盤を用いて、らせん誘起剤共存下で の光気相重合を行い、グラフト重合された基 盤表面の自由エネルギーや形状について評 価を行う。また、光学活性モノマーによる光 気相重合ついても検討を行う。 ③開始剤の固定化されたシリコンウエハー を用いてフォトマスクを通した光気相重合 を行い、同一基盤上に異なる旋光性を持つグ ラフト化されたポリマーを形成する さらに、 モノマーの選択を行うことで、キラル認識基 盤や分子認識ライブラリーとしての展開を 示す。 O. 4. 研究成果 従来の溶液法で得られる高分子の立体規 則性との違いを明確にし、気相重合法による 高次構造の制御を検討するためビニルモノ マーとして広く使用されているメチルメタ M M A )を利用して気相重合を行い、 クリラート ( 溶液重合法との比較をおこなった (Scheme2 ) また、光学活性なモノマーを合成し、同様に 気相重合をおこなった。. 0. =と融課争ヤ弘. ι o r : ( o. +. ﹂ ﹂ ﹄ 噌. .、史r o 史 匂 ラジカル重合性モノマー. +. 光学活性な連鎖移動剤. 嵩高い置換基. 一 ( ハ. サ. ( 2 ) 不斉無機結品として右または左巻き水 晶を基盤として開始剤を塗布し、基盤を不斉 源とする不斉自己増殖反応を行い、基盤のモ ルフオロジーと得られたポリマーのモルフ オロジーとの関係について明らかにする。. ( 3 ). フ. ⋮. ③気相重合法で「らせん誘起剤」として光学 活性なチオールを連鎖移動剤として用いる 事による、らせん選択の可能性について検討 を行う。また、飽和蒸気圧を有する光学活性 な分子を探索し、気相重合法に適した「らせ ん誘起剤」について検討を行う。. 確認後、機能性薄膜の構築について検討を行. 気相重合による立体制御について. Scheme2. フリーラジカル開始剤で、ある A I B Nを用い て気相法で得られた PMMAの構造は重合温度、 基盤表面の影響はあまり受けていなかった。 原因として重合温度範囲が狭いことが原因 であることがわかった。また、メントールを らせん誘起剤として重合をおこなったが立 体規則性への著しい影響は現れなかった。そ こで、広い温度範囲で重合が可能、金属の配 位子として種々の不斉配位子の使用も可能 な原子移動ラジカル重合法を利用して開始 剤に {rトルエンスルホン酸クロリド (TsCl ) 、 F e( 0 ) )を触媒に用いて MMA の重 ゼロ価の鉄 ( 合をおこなった。また、 Fe(O)/TsCl反応系を.
(3) Table 1 .各温度におけるガラス基盤上での 気相重合の結果. 仇. MMW. n 日y. 引胞団. ρ M. q d) 内│. r. p '. dy(. e. Y ( OT円 Yb( OTf ) , A ICI. 92 24 48 24 72 72 72. 日1 4 0. 15 0 . 5 2 0. 38 0. 3 1 0. 42 0 . 5 0. 3. 2 2 . 9 3. 4 1 . 7 19 2. 6 4 . 3. HFI P. 24 168. 0. 20 0. 08. 1. 6. ,. 日. Ta ct 山町(%) Mw!Mn. 966096344 221522321. 伊伊. 3日 3. Tl. 567. 10 3日 3日 80 10 10 10. m ゆ i(. ( "C ). A円. 空4. s. Temp. AU AU. N o. w z. 0. の重合にもかかわらず、他に比べ高い mm値 を示し、更にポリマー収量も多い。ルイス酸 表面へガス化モノマーが配位するために通 常よりも高い mm値を示し、ポリマー収量も 高くなったと思われる。また、 2Hヘキサフ ルオロ 2ブコロパノール ( H F I P ) と MMAを 1 :1 の混合溶液の飽和蒸気圧下、 TF基盤上で気相 重合をおこなった。 PMMAの立体規則性に対し て大きな変化は現れず、 mrの割合が高くなる 傾向を示した。また、山I Aのみに比べ HFIP/MMA の飽和蒸気圧下ではモノマー濃度が非常に 低いために収量が少なく、分子量も低い結果 になった ( S a m p l eN o 8 9 )。モノマーと溶媒の 混合溶液の飽和蒸気圧下ではモノマ一分圧 の低下がおこり、添加剤の効果がなくなるこ とが示唆された。. 12. 利用して液相プロセスにおいて立体規則性 の制御に有用なルイス酸およびフルオロア ルコールの添加効果、種々の基盤による影響 などについて比較、検討をおこなった。 重合は H型反応容器を用い、片方の容器底 にT s C lとF e ( O )[ 5 0 m g / 1 0 0 m g ]を塗布した基板 を設置した。もう一方の容器底には、 O.5ml の MMAとラジカル重合禁止剤 20mgを加えた。 凍結脱気処理を行った後、モノマーの飽和蒸 気圧下、所定温度で、重合を行った。ポリマー の構造確認は FT-IRおよび 1H-NMRを用いて 行い、分子量測定は CHCl : EC j を溶媒として S 1 Tった。 で' 基板にはガラス、アルミニウム ( AL)、ポリ プロピレン ( p p )、テフロン ( T F )を用い、得ら れ た 印 刷 は MeOH 中で再沈澱処理を行い、 l H N M Rスベクトル上の αーメチル基のピーク 積 分 比 か ら triad の割合を見積もった。 l H N M R解析の結果、印刷の立体規則性は溶液 法と同様の傾向を示した ( T a b l e 1)。すなわ ち、温度の低下に伴い脚の割合が減少する。 また、 TF基板上では他の基板に比べて温度の 影響は大きかった ( F i g .1 .) 一方、 PP基板上 では PMMAのグラフトが確認された。このよ うに、 Fe(O)/TsCl反応系により気相法で得ら れた PMMAの構造は、重合温度や基盤材料の 影響を強く受けることが分かった。. 1 I 1r. 打 神プ斤. 3 13 0 167. 4 ! 3日166 4 !3 2 164 町 3 6 16日 4 ! 32164 日 3 4 162 町 35158. 3 1 3日167 4 !3 1 165. e oe J v aa'qd 司4. ・. 4. h まVREh, 倒温軍 わろ 事 わ 串 FV n. ? '. 8Buk polymer i za 督。n,TsCVFe ( 町/ MM , A 50mgl 100mgf1mlb TFsubst r a t e. 。 ガヨ. TF. 同コ. N. 基t ! i. F i g . 1.印刷の立体規則性に対する重合温 度と基盤の影響 また、液相プロセスにおいて mmおよび rr の制御に有用なルイス酸およびフルオロア ルコールを気相法にも応用し、印刷の立体規 則性に対する添加効果についても検討した。 添 加 剤 と し て 50mg の Y( O T f )" Yb( OT f )" AIC1,をそれぞれガラス基盤に塗布し、重合を おこなった。その結果、 mmの割合が添加剤無 しに比べて高い値を示した ( S a m p l eN o 5 7 )。 特に、 AIC1 ,を添加剤として加えた系は低温で. 次に、モノマーの置換基に着目をおこない、 ベンダント部位にナフタレンなど大きな置 換基を持つメタクリレートモノマーの合成 をおこない、気相重合をおこなった。しかし、 AIBN をはじめとするアゾ系開始剤、および Fe/TsCl反応系についてもポリマー終了はほ ぼゼロで、あった。これは置換基が大きすぎる ためにモノマーの飽和蒸気圧が著しく低い ため重合が進行しないことが示唆された。 一方、ベンダン卜部位にキラル炭素を有す る( R)-2-methylbutyl methacrylate ( M B M A ) を 4, 4 ' -azobis-4-cyanovalericacid(ACVA) を用いて気相ラジカル重合を行い、ガラス基 板上に形成された高分子膜を偏光顕微鏡を 用いてクロスニコル下で、観察した。その結果、 基板表面に結品集合体と考えられるものが 観察された ( F i g .2 .) 。 溶 液 法 で 得 ら れ た p o l y ( M B M A )の キ ャ ス ト 膜 で は そ の よ う な 集 合体は観測されず、気相法で得られた poly(MBMA)薄膜の熱分析結果から、高分子結 晶の存在が示唆された。.
(4) の新しい構築法として期待される。 5. 主な発表論文等 (研究代表者、研究分担者及び連携研究者に は下線). F i g2 .P o l y ( M B M A )薄膜のクロスニコル下 の偏向顕微鏡像 ( x 1 0 0 0 ) これまで得られた高分子薄膜の D S C によ る熱分析の結果、気相重合後の高分子薄膜は 再沈殿処理により精製された高分子体およ び溶液重合により得られた高分子体に比べ 特異的な熱物性を示すことがわかった ( F i g .3 .。 ). " " ". 〔学会発表] ( 計 3件) ①安藤義人、鄭在丈、金子正雄、西田治男、 遠藤岡Ij: "表面開始気相重合によるスイッ チング機能表面の構築グ第 5 6回高分子学会 討論会. ( 2 0 0 7 ) ②安藤義人、西田治男、遠藤剛表面開始 ラジカル重合による高分子構造への影響"第 57回高分子学会年次大会.( 2 0 0 8 ) ③安藤義人、稗田基起、西田治男、遠藤岡I J : グ 囲 気界面を利用したメチルメタクリラー トの気相重合"第 58回 高 分 子 学 会 年 次 大 会.( 2 0 0 9 ) 6. 研究組織 (1)研究代表者 安藤義人 ( A N D OY O S H I T O ) 近畿大学・分子工学研究所・助教 研究者番号:9 0 4 4 6 0 1 3. 叩叩叩. 室主RH田昌. 000. ( 2 )研究分担者. -可1lJd. 研究者番号:. -ll(陣. 10. ・. Z I > 冊 目 。 目 。. ( 3 )連携研究者. T..-r判明. F i g . 3 . 気相重合後、 P M M A薄膜の D S C測定 結果 ( C o n d i t i o n : 1 s t, h e a t i n g r a t e ・m i n -1; 2 n d,c o o l i n gr a t e3C ・m i n -1; 1 0C 3 r d,h e a t i n gr a t e1 0C -m i n -1) 0. 0. 0. 本計画に お い て 気 相 重 合 に よ り 得られ るポリマーの立体規則性について溶液重合 との比較検討を行った結果、立体規則性の割 合は溶液重合条件下での傾向に類似してい るが、気相重合により得られる薄膜の立体規 則 性 は 囲 気界面の影響を溶液重合条件下 に比べ強く受けていることが示唆された。今 回 、 MMAを利用して立体規則性の解析を行 ったが、これまでほとんど例のなかった気相 ラジカル重合法により得られた高分子の立 体規則性の基礎的知見を得ることに成功し た。今後、立体規則性の制御をするためには 基板、および添加剤となるルイス酸の検討が より必要であると思われる。しかしながら、 本研究において形成された高分子薄膜は固 一気界面での強い相互作用が示唆され、得ら れた薄膜は特異な性質を示すことから、基板 となる固体表面を選択することで薄膜の物 理的性質が変化すると考えられ、機能性薄膜. 研究者番号:.
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