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〈特集 生涯スポーツと大学体育〉 大学教育としての体育のあり方について

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(1)大 学 教 育 と して の体 育 の あ り方 につ い て 佐 川和則 の 大 学 制 度 発 足 以 降繰 り返 し提 言 され て きた の で. 1、 は じ め に. あ るが 、 そ の都 度 大 きな進 展 は な く推 移 した(松 編 集 委 員 会 か らい た だ い た 指 定 表 題 は 「教 育 と. 島 、1996)。 しか し1991年. の 大 学 設 置 基 準 の大 綱. して の 大 学 体 育 の あ り方 」 で あ った 。 この コ ン テ. 化 を ひ きが ね とす る今 回 の改 革 は 、各 大 学 が生 き. キ ス トを裏 か ら見 る と、 教 育 と して で は ない 大 学. 残 りを か け て取 り組 ん で い る とみ て よい だ ろ う。. 体 育 が存 在 す る よ う に受 け とれ る。 大 学 の 教 育 科. こ の 背 景 に は 、 前 述 した よ う な 少 子 化 に よ る18. 目が 教 育 機 能 以 外 の 目 的 で 開 設 さ れ る こ と は な. 歳 人 口の 激 減 とい う事 態 が あ る の で あ る。 文 部 科. く、 よっ て誤 解 を招 か な い よ う、 か って な が ら表. 学 省 が2005年8月10日. 題 の よ うに テ ー マ を変 更 させ て い た だ い た 。. 度 学 校 基 本 調 査 速 報 」 に よれ ば、 過 年 度 高 卒 者 を. 本 稿 は 、大 学 で 開 設 され て い る 体 育 関 連 科 目の. に 発 表 した 「平 成17年. 含 む大 学 ・短 期 大 学 へ の進 学 率 は51.5%と. 過去最. 中 で 、 と りわ け 運動 教 材 を用 い た 実 習 科 目 と して. 高 に な っ た とい う。18歳 人 口 の 減 少 は 、 大 学 ・. の 、 い わ ゆ る 「体 育 実技 」(各大 学 で の 名 称 は さ ま. 短 期 大 学 へ の 進 学 率 を高 め るが 、 そ れ で も定 員 割. ざ まで あ る)を 対 象 に 、 そ れ を取 り巻 く現在 の状. れ を 生 ず る 学 校 の 増 加 を くい と め る こ と は で き. 況 を概 観 し、1991年. の大学 設置 基準 の改正後 に. ず 、 これ らの 学 校 の 廃 校 も増 加 させ る と予 想 して. 各 大 学 が 取 り組 ん で い る教 育 改 革 の 中 で体 育 が い. い る 。 そ れ ゆ え各 大 学 ・短 期 大 学 が 取 り組 む教 育. か な る役 割 を果 た し うる の か に つ い て 考 察 して み. 改 革 は 文 字 通 り死 活 問 題 と な って い る。 マ ー チ ン ・トロ ウ(1976)は. た い。. 学 進 学 率 が50%を 2、 大 学 教 育 を と り ま く現 状 につ い て. 、 同 年 齢 人 口の 大. 超 え る と大 学 の ユ ニ バ ー サ ル. 化 が 始 まる と指摘 す る 。 ユ ニ バ ー サ ル 化 と は、 単 に量 的拡 大 を意 味 す る の で は な く、 質 的 変 化 を も. 2005年 度 、 増 え続 け て い た 日本 の 人 口 は と う. 包 含 して い る 。 一 方 、 「生 き る力 」 を伸 ばす こ と. と う減 少 に 転 じ た 。 減 少 を は じめ る 時 期 は 予 測. を 目標 に掲 げ、2002年 度 か ら実 施 さ れ た学 習 指 導. よ りも数 年 早 く、 推 計 の1つ. 要 領(い. に よれ ば 今 後 の100. わ ゆ る 「ゆ と り教 育 」)は 、 子 供 た ち の. 年 間 で わ が 国 の 人 口 は半 減 す る とい う。2005年. 「生 きる 力 」 と教 科 的 知 識 との 両 方 に 二 重 構 造 を. 度 の 合 計 特 殊 出生 率 は1.26(推. 招 い た と さ れ る 。 そ れ で も全 入 の 時 代 に あ れ ば、. 定)で 、 人 口 を維. 持 す る 最 低 限 度 の 理 論 値 で あ る2.08を 大 き く下. そ れ らの能 力 を十 分 に獲 得 で きな か っ た 子 供 た ち. 回 っ て い る 。 少 子 高 齢 化 の 影 響 は、 経 済 ・産 業 構. を も大 学 に数 多 く輩 出 し、 さ らに は 高等 学 校 に お. 造 、年 金 ・社 会保 障 や 雇 用 ・労 働 な ど に と ど ま ら. け る科 目選 択 の幅 の拡 大 もあ い ま っ て 、大 学 に は. ず 、 消 費 や教 育 な ど社 会 生 活 全 体 に及 ん で い る。. 知 的 ・認 知 的 能 力 や 価 値 観 の異 な る"多 様 な"青. 文 部 科 学 省 が全 力 で 進 め る教 育 改 革 も、 この 少 子. 年 が 数 多 く入 学 す る こ と とな る。 文 部 科 学 省 は学. 化 へ の対 応 とい う側 面 が 大 きい 。. 力 低 下 の 批 判 もあ っ て、 そ の約2年 後 に は 「ゆ と. 現 在 、 各大 学 が取 り組 む教 育 改 革(教 育 課 程 の. り教 育 」 を実 質 的 に修 正 した もの の 、 そ れ は 「生. 改 訂 、 自 己 点 検 ・評 価 、 シ ラバ ス の 有 効 利 用 、. き る力 」 の 獲 得 を高 等 学 校 以 降 の高 等 教 育 機 関 に. FD等)は. 先 送 り した に過 ぎ ない 。 つ ま り、 自然 発 生 的 に多. 、 今 に 始 ま っ た こ とで は な く、 わ が 国 一1一.

(2) 近 畿 大 学 健 康 ス ポ ー ツ教 育 セ ン ター 紀 要5巻1号(2006・3). 様 化 した 生 徒 と教 育 行 政 の 結 果 と して 多 様 化 した. す こ と と な った 。 この答 申 を受 け、1991年6月. に. 生 徒 の 進 学 が 、 大 学 教 育 の 一 層 の 複 雑 化 を招 来. 大 学 設 置 基 準 が 改 正 され 、新 制 大 学 発 足 時 か ら堅. し、 今 日の 教 育 改 革 を避 けて 通 れ ない もの に して. 持 され て きた教 養 教 育 と専 門教 育 の 区分 お よび教. い る と考 え られ る。. 養 教 育 内 の科 目区分(一 般 教 育 、外 国語 、保 健 体. で は 、 大 学 は 知 的 ・認 知 的 能 力 の さ ま ざ ま な発. 育)が 廃 止 され た か らで あ る。 この大 学 設 置基 準. 達段 階 にあ り、 心 身 の さ ま ざ ま な成 熟 度 にあ る学. の 大 綱 化 は 、 「教 育 課 程 の編 成 に 当 た っ て は 、大. 生 に対 し、 い か な る教 育 コ ンテ ン ツ を準 備 で きる. 学 は、 学 部 等 の専 攻 に係 る専 門 の学 芸 を教 授 す る. で あ ろ うか 。 「我 が 国 の 高 等 教 育 の 将 来 像 」(中央. と と もに 、幅 広 く深 い教 養 及 び総 合 的 な判 断力 を. 教 育:.会. 答 申 、2005)に よ れ ば 、 大 学 は 、① 世. 培 い 、 豊 か な人 問性 を酒 養 す る よ うに適 切 に 配 置. 界 的 研 究 ・教 育 拠 点 、 ② 高 度 専 門 職 業 人 養 成 、 ③. され な け れ ば な らな い」 と謳 っ た もの の 、実 際 に. 幅 広 い 職 業 人 養 成 、④ 総 合 的 教 養 教 育 、 ⑤ 特 定 の. は学 部 主 導 の改 革 に よ り、 ほ とん どの 大 学 で は、. 専 門 的 分 野(芸 術 ・体 育 等)の 教 育 ・研 究 、 ⑥ 地. 専 門教 育 の重 視 お よ び/ま た は教 養 教 育 の軽 視 か. 域 の 生 涯 学 習 機 会 の 拠 点 、⑦ 社 会 的 貢 献 機 能(地. ら教 養 部 の解 体 が 急 速 に進 む結 果 とな っ た。. 域 貢 献 機 能 、 産 学 官 連 携 、 国 際 交 流 等)等. の教. 新 制 大 学 の 発 足 以 来 、教 養 教 育 は 人 問形 成 の 中. 育 ・研 究 の 機 能 を併 有 して い る と い う。 そ して 、. 心 的 役 割 を担 っ て きた。 教 養 とは 「心 を豊 か にす. 各 大 学 お よび 各 学 部 は、 これ らの 比 重 を明 確 にす. る 文 化 的 な知 の 総 体 で あ っ て 、 そ れ は 教 え て も. る こ とに よ り、 各 機 関 の 個 性 ・特 色 あ る性 格 付 け. ら った り、 覚 え た りす る とい う性 質 の もの で は な. を行 うべ きだ と して い る。 この こ と は、 入 試 に代. く、 自 ら考 え、 理 解 す る 中で 身 につ け築 い て い く. わ っ て な る べ く均 質 な 学 生 を受 け 入 れ る シス テ ム. もの」(立花 、1998)で. の構 築 を提 唱 して い る とい っ て よい 。 とは い え 、. が 指 摘 す る よ う に、 教 養 教 育 の 目的 は 、特 殊 な能. この よ うな シス テ ム が 機 能 した と して も、 多 くの. 力 の 開 発 で は な く、 共 通 の 「人 間 性 の 開 発 」 と. 大 学 ・短大 で は 経 営 的 問 題 と して 、 依 然 と して 多. 「専 門 技 術 の 奉 仕 す べ き 目 的 の 解 明 」 に あ る。 こ. 様 な 学生 を 受 け 入 れ る こ とに な ろ う。 最 近 の 大 学. れ に よ り、 「広 い 視 野 」 に 立 っ て 「総 合 的 判 断 」. で は 、初 年 次 開 講科 目 と して 、 リメ デ ィア ル 教 育. を な し う る 「個 人 の 高 い 教 養 」 を育 て る の で あ. と称 し基 礎 学 力不 足 を補 うた め の補 習授 業 を実 施. る。 た と えば 、 現 代 社 会 の 象 徴 的 問 題 と して の臓. した り、 リテ ラ シ ー教 育 や ラ イ フス キ ル を学 ぶ 場. 器 移 植 、 環 境 破 壊 や 遺 伝 子 工 学 等 に係 わ る 問 題. と して の 基 礎 ゼ ミを 開 講 す る と こ ろ が 増 え て い. は 、 専 門 的 知 識 の 追 求 か らで は解 決 が 困 難 で あ る. あ る 。 ま た 、 扇 谷(1991). る 。 しか しこ の よ うな補 足 的 教 育 や 学 部 基礎 教 育. こ と は 自明 で あ る。 こ こで はバ ラ ンス の よい 人 間. だ け で 、 こ のユ ニ バ ー サ ル化 に 十 分 に対 応 で きる. 性 と学 際 的 な 知 識 に よ る総 合 的 な判 断 が 要 求 され. とは考 え に くい 。 私 は この対 策 の 一 つ と して 、 体. る の で あ る。. 育 を含 む教 養 教 育 の復 権 が必 要 で あ る と考 え て い る。. 専 門 教 育 の 過 度 な重 視 は部 分 的 人 間 の 養 成 に偏 り、 全 体 的 人 間 の 育 成 に は 否 定 的 に働 くだ ろ う。 大 学 教 育 の 現状 は 、 大 学 審 議 会 が 大 学 設 置 基 準 の. 3.大. 綱化 によ る教 養 教 育 の 後 退. 大 綱 化 の 答 申 で 当 初 期 待 して い た 「教 養 教 育 重 視 」 の 方 向 か ら遠 く離 れ た もの に な って お り、 多. 臨 時 教 育 審 議 会(1987年8月. 様 化 ・複雑 化 した 学 生 に適 切 に対 応 で き る教 育 プ. ∼1987年8月). の提 案 を受 け て 発足 した大 学 審 議 会(1987年9月 ∼2000年12月)は 、 大 学 教 育 研 究 の 高 度 化 ・個. ロ グ ラム や コ ンテ ン ツ をい まだ 有 して い る と はい. 性 化 お よ び組 織 運 営 の活 性 化 に 関 わ る一 連 の答 申. 点 と して の 学 部機 能 を打 ち 出 した と して も、 本 来. を行 っ た。 こ の う ち、 「大 学 教 育 の 改 善 につ い て 」. の 意 味 で の教 養教 育 の 重 要性 は さ ら に増 す こ と と. (1991年2月)は. な る で あ ろ う。. い が た い 。 た とえ あ る 大 学 が 世 界 的 研 究 ・教 育 拠. 、 大 学 教 育 に 多 大 な影 響 を及 ぼ 一2一.

(3) 大 学 教 育 と して の体 育 の あ り方 に つ い て. 4.こ. れ ま で の体 育 実 技. 学 生 生 活 を豊 か にす る機 能 を有 して い る。 しか し この よ うな 運 動 ・ス ポ ー ツが 本 来 そ な え て い る機. これ まで の 議 論 で 、 現 在 進 ん で い る大 学 の教 育. 能 が 、 学 生 の 交 友 関 係 や 大 学 の経 営 状 況 に有 効 に. 改 革 に は、 教 養 教 育 の 復 活 が 必 要 で あ る こ とを 主. 働 くと して も、 そ れ はあ くまで 副 次 的 機 能 で あ っ. 張 して きた 。 そ れ で は、 体 育 は こ れ か らの大 学 教. て 、体 育 実技 を大 学 の 一 教 科 と して実 施 す る上 で. 育 の 中 で どの よ うな 役 割 を 果 た す の で あ ろ うか 。. の 主 な る 目的 と は な ら な い 。 伴(2005)は. 保 健体 育 審 議 会 答 申 「生 涯 に わ た る心 身 の健 康 の. ポ ー ッ種 目 を教 材 と して 、 競 技 ス ポ ー ツ をお もな. 保 持増 進 の ための今 後 の健康 に関す る教育 及 び. 教 授 内 容 とす る 体 育 を 「ス ポ ー ツ種 目多 重 型 体. ス ポ ー ツ の振 興 の在 り方 につ い て」(1997年9月). 育 」 と呼 び 、 運動 部 活 動 や トレー ニ ン グ ジ ムで の. は 、 大 学 体 育 の 基 本 的 方 向 と して 、 「大 学 設 置 基. 運 動 実 践 で代 替 可 能 な体 育 で あ る と批 判 す る。 こ. 準 の改 正 な ど一 連 の 大 学 改 革 の 流 れ の 中で 、 各 大. の よ うな形 態 の体 育 実技 は 大 学 設 置 基 準 の 改 正 時. 学 にお い て は 、 真 の 大 学 教 育 の 目指 す 人 間 教 育 、. に も批 判 の対 象 とな り、 わ れ わ れ 体 育 教 師 は必 修. 人 問発 達 、 人 聞形 成 とは何 か 、 大 学 教 育 を受 けた. 科 目で あ る こ とに安 心 し体 育 の 本 質 を探 求 しそ れ. 人 間 の教 養 あ る姿 とは い か な る もの か を深 く、 か. を授 業 に活 かす 努 力 を怠 っ て きた こ と を大 い に反. つ 広 く考 え 、 そ れ に対 応 す る体 育授 業 の 創 意 工 夫. 省 した の で あ る。 しか し、 多 くの大 学 で は 体 育 実. を積 み 重 ね る 必 要 が 、 従 前 以 上 に生 じて き て い. 技 を 「健 康 ス ポ ー ツ」、 「健 康 科 学 」、 「生 涯 ス ポ ー. 、ス. る」 と指 摘 した。 また答 申 は 、大 学 体 育 の基 本 的. ッ」 な ど と名 称 変 更 し、新 しい体 育 の 目的 と授 業. 目標 は 、 「そ の 際 、 学 生 の心 身 の 調 和 的 発 達 を促. 法 を模 索 した もの の 、実 際 は 旧態 依 然 の 「ス ポ ー. し、 心 身の 不 調 に対 応 で きる体 力 の養 成 を図 る こ. ツ種 目多 重 型 体 育 」 が 継 続 さ れ て行 わ れ て い る状. と、 健 康 や ス ポ ー ツ に 関す る科 学 的理 論 に裏 付 け られ た 運 動 実 践 を行 え る よ うにす る こ と、 さ らに. 況 にあ る。学 生の価 値観 の 多様化 は さま ざまな ニ ー ズ を生 む が 、 学 生 の ニ ー ズ と学 生 の要 望 とは. ス ポ ー ツの 文 化 的 価 値(教. 別 の もの で あ る との 認 識 が 必 要 で あ ろ う。 学 生 の. 養 と して の ス ポ ー ツ、. 文 化 と して の ス ポ ー ツ)に つ い て の理 解 を 図 る こ. 要 望 に まか せ れ ば 、 体 育 実 技 はス ポ ー ツ を一 時 楽. と を通 じて 、 ス ポ ー ツが そ の 学 生 に とっ て生 涯 に. しむだ けの もの となる こ とに注意 せ ねば な らな. わ た っ て 心 身 と も に豊 か な生 活 を送 る ため の 糧 と. い。 わ れ わ れ は 、 この 大 学 教 育 の 改 革 機 運 の 高 ま. な る よ う、 学 生 の 体 系 的 認 識 や 実 践 力 を育 て る こ. りを好 機 と捉 え 、 ス ポ ー ツ種 目教 材 主 体 の 授 業 か. とが大 切 で あ る 」 と して い る。 つ ま り、 全 体 的 人. ら脱 却 し、今 度 こそ教 養教 育 に貢 献 で き る真 の 体. 間 の 育 成 も真 の 大 学 教 育 の 方 向 だ と し、 そ れ に対. 育 を実 践 して い くべ きで あ る と考 え る。. 応 す る体 育授 業 を工 夫 し、 生 涯 ス ポ ー ッの 基 礎 を 形 成 す る の が 大 学 体 育 だ と して い る。 こ こで は 、. 5.教. 養 教 育 と して の体 育 の あ り方. い わ ゆ る大 綱 化 以 前 の 大 学 体 育 授 業 へ の 反 省 と 、 教 養 教 育 と して の体 育 の 果 た すべ き役 割 が 再確 認 中村(2005)は. 多 くの 大 学 で 、 「強 くな る」「で き る よ う に な る」 こ と を 目的 と した従 来 の ス ポ ー ッ種 目型 体 育 実技. さ れ た とい っ て よ い だ ろ う。 、大 学 入 学 初 年 次 に 退学 す る 学. が 継 続 され る 中 、 い わ ゆ る大 綱 化 を 追 い風 と し. 生 の割 合 を、 体 育 実 技 が 選 択 制 に移 行 す る年 の 前. て 、 新 しい 体 育 を創 造 しよ う とす る努 力 が な され. 後 で 比 較 し、 そ れ が 選 択 制 の採 用 以 降 に急 増 した. て きて い るの も事 実 で あ る。. こ とか ら、 体 育 実 技 が 初 年 次 の大 学 適 応 とい う点. そ の ひ とつ は 、 自 らの 身 体 を"主 体"と. して捉. で 重 要 な役 割 を果 た して い る と考 察 して い る。 体. え な お そ う とい う試 み で あ る。 還 元 主 義 的 帰 納 主. 育 実技 が 教 材 とす る運 動 ・ス ポ ー ッ は 、受 講 生 に. 義 全 盛 の20世. 心理 的 高揚 感 や 開 放 的 気 分 を与 え る こ とか ら、 自. して支 配 すべ き もの とす る 考 え方 が 蔓 延 し、 身体. 分 の 周 りの 人 間 との 社 会 的結 び つ き を強 固 に し、. 的 な 自己疎 外 を招 い た 。摂 食 障 害 や 多 発 す る傷 害. 一3一. 紀 は、 身体 や 動 き を も"客 体"と.

(4) 近 畿 大 学 健 康 ス ポ ー ツ教 育 セ ン ター 紀 要5巻1号(2006・3). 事 件 な どの 社 会 問 題 も、 こ の こ と と無 縁 で は な い. 把 握 しよ う とす る試 み を始 め た。 文 部 科 学 省 の新. よ う に思 われ る。 こ の よ うな硬 直 した 身体 に気 づ. 体 力 テ ス トの デ ー タ を に らみ つ つ も、 成 人 か らの. か せ 考 え させ る体 育 は 、東 洋 的 な 身体 技 法 を 方 法. 体 力 と健 康 との 関 係 を考 え よ う とす る授 業 の一 例. 論 的 拠 りど こ ろ と して お り、 「体 ほ ぐ し」「か らだ. で あ る。 わ れ わ れ が 「フ ィ ッ トネ ス ・チ ェ ック 」. 気 づ き」 や 「ボ デ ィ ー ワ ー ク」 な ど とい う名称 で. と よぶ この 測 定 は 、 デ ー タの 分 析 や そ れ の 学 生 へ. 実 践 され て い る。 こ の う ち 「体 ほ ぐ し」 は新 学 習. の 還 元 とい う点 で 不 完 全 で あ るが 、 今 後 の 課 題 を. 指 導 要 領(1998年. 含 め た概 要 が 高 島 氏 の 特 集 記 事 「フ ィ ッ トネス ・. 改 訂)に. も盛 り込 ま れ 、 小 中. 高 等 学 校 で 共 通 して 実 施 す る こ と とな っ て い る 。. チ ェ ッ クに つ い て 」 に ま とめ られ て い る。. しか し小 中 高 等 学 校 で この よ う な授 業 が 実 施 さ れ. 上 述 した2つ の 例 は 、 身 体 や 動 き を"主 体"と. て い る に もか か わ らず 、 大 学 体 育 の受 講 生 が 自 身. 捉 え る か"客 体"と 捉 え る か とい う点 で 両 極 端 に. の 身体 を 自分 の 所 有 物 と して取 り戻 して い る感 は. 位 置 す る もの で あ る が 、 実 際 は この 両 者 の 問 の さ. い まだ現 場 に乏 し く、 この 点 で 社 会 に旅 立 つ 前 の. ま ざ ま な レベ ル で 、"主 体"と"客. 最 後 の教 育機 会 と して の 大 学 体 育 に対 す る期 待 は. 企 図 した授 業 が展 開 で きる は ず で あ る 。 そ して こ. 大 きい 。 本稿 は特 集 の 巻 頭 言 的 性 格 を担 う もの と. の よ うな注 意 深 く仕 組 まれ た授 業 は 、 少 数 の 体 育. 心 得 て い る の で 、 これ 以 上 具 体 的 な内 容 に は立 ち. 教 師 だ け の専 売 特 許 と して で は な く、 各 大 学 や 各. 入 らな い 。 これ らの授 業 法 につ い て の 理 論 的 背 景. 学 部 の体 育 実 技 を担 当す る組 織 全体 が採 用 す る の. や心 身 に お よぼ す 具体 的 効 果 な ど は、 本 特 集 の 津. が 望 ま しい だ ろ う。 そ の た め に は 、組 織 が 計 画 的. 田氏 の記 事 「か らだ の教 育 、 こ こ ろの 教 育 」 を参. にFDを. 考 に され た い。. 参 加 す る な どの 、体 育 実 技 授 業 担 当者 自身 の 意 識. こ れ に対 し、 身体 を"客 体"と. して 客 観 的 に捉. 体"の. 融合を. 企 画 し、 わ れ われ 教 師 は積 極 的 に これ に. 改 革 が 必 要 で あ る。. え、生 理学 、解剖 学 、物理 学 な どを拠 りどころ に 身体 と動 き を教 育 す る授 業 が 、 「健 康 科 学 」 や. 6.お. わ りに. 「運 動 科 学 」 と い っ た 名 称 に 変 更 され 実 施 さ れ て い る。 歩 行 を教 材 と し、歩 行 速 度 の 変化 に対 す る. 結 局 の と こ ろ、 大 学 教 育 と して の体 育 は 、教 養. 心 拍 数 や 酸 素 摂 取 量 の 生 体 応 答 を観 察 す る 授 業. 教 育 の 一 端 を担 う科 目 と して 、 自 ら の 健 康 の 維. や 、 社 会 に氾 濫 す る 問違 っ た ダ イエ ッ ト情 報 に対. 持 ・増 進 や 心 身 と も に健 康 な ラ イ フ ス タ イ ル の確. して 正 しい 知 識 を学 び安 全 で 効 果 的 な減 量 法 を実. 立 を支援 す るた め の"身 体 の 教 養"を 教 育 す る も. 践 す る 授 業 な ど は、 科 学 的 理 論 に裏 付 け られ た運. の と い え よ う 。 い う ま で も な くこ の 場 合 の"健. 動 の 実 践 を 目指 す もの で あ る。 もち ろ ん こ れ らの. 康'と. 授 業 で 意 図 して い るの は、 高 等 学 校 まで の 体 育 の. ての健康 を指す。 この ような健康観 に立つ場合 、. よ うに心 身 の 発 育 発 達 を刺 激 す べ くそ れ に必 要 な. もは や健 康 な状 態 と病 気 の状 態 と は対 立 せ ず 、 心. 運 動 の 質 や量 を求 め よ う とす るの で は な く、 生 物. 身が どの よ うな状 態 に あ っ て も、 他 人 や 社 会 と良. 学 的 ヒ トの発 育 発 達 過 程 の ピー ク を越 え、 あ るい. 好 な 関 係 を維 持 しつ つ 人 生 の 目標 や 生 きが い を. は超 え よ う と して い る 自身 の 身 体 を よ く知 っ て 、. もっ て い きい き と生 活 して い る 状 態 こ そ が"健. ほ どよ く丁 寧 に付 き合 っ て い く能 力 を養 う こ とで. 康"で あ る と規 定 で きる(健 康 観 の 変 遷 につ い て. あ る。 今 日の高 等 学 校 まで の 体 育 の 内 容 で は この. は 、 熊 本 氏 の 本 特 集 記 事 「大 学 生 の 健 康 観 と体. よ う な要 請 に応 え る こ とは で きず 、 この こ とは 現. 力 」 に 詳 しい)。 私 は 、 体 育 が 、 こ の よ う な健 全. 在 の 大 学 体 育 の大 きな使 命 で あ る 。 筆 者 の所 属 す. な"willpower"を. る大 学 の 体 育 実 技(科. 献 す る もの と信 じて い る。. 目名 は 「生 涯 ス ポ ー ッ」). で は、 数 年 前 か ら学 期 の最 初 に 「健 康 に 関 す る 体 力 要 素 」 を測 定 し、 受 講 生 自 身 の体 力 を客 観 的 に 一4一. は 、心 も体 も一 体 と な った 包 括 的 概 念 と し. もっ た 全 体 的 人 間 の育 成 に 貢.

(5) 大 学 教 育 と して の体 育 の あ り方 に つ い て. 7.文. 扇谷. 尚(1991)大. 来像3.高 堂 出版:東 篠原. 献. 学 教 育 改 革 と保 健 体 育 の 将. 等 教 育 の 多 様 化 と一 般 教 育. 不昧. 京pp40-48. 稔(1998)イ. ンテ リジ ェ ン ト ・ボ デ ィ ∼. 教 養 と して の 身 体 の 知 ∼. 体 育 の 科 学48(10):. 813-817 立花. 隆(1998)東. る.文 芸 春 秋6月 中村 知 浩(2005)日. 大 生 諸 君 、 これ が 教 養 で あ 号:360-373 本 体 育 学 会 第56回. 大会組織. 委 員 会 企 画 シ ンポ ジ ウム 「大 学 体 育 にお け る新 た な る挑 戦:初 年 時教 育 と して の 大 学体 育 」 伴. 義 孝(2005)大. 学 に お け る体 育 の 必 要 性. 体 育 の科 学55(9):676-680 マ ー チ ン ・ トロ ウ(1976)高 UP選 松島. 学歴社 会の大学. 書 宏(1996)大. 学 体 育 を取 り巻 く状 況 と全. 国大学 体育 連合の対 応 ∼大学 体育特 別検討 委 員会発足の背景∼. 大 学 体 育59:40-49. 一5一.

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