44 日本労働研究雑誌 本報告では,管理職層における発言機構の整備をめ ぐって労使の合意形成がいかになされたのかを,三菱 電機が 1981 年に行った役職制度改訂・労働協約改訂 の事例に即して考察した。三菱電機の労使は,1976 年から 1981 年にかけて組合員範囲をめぐり労働協約 改訂交渉を重ねていた。とりわけ 1978 年には人事処 遇制度改訂が行われており,専門企画職務という中間 管理職層の組合員範囲が問題となった。その年の労働 協約改訂交渉において会社側はこの層の非組合員化を 提起し,組合員か非組合員かをめぐって労使で大論議 が交わされた。その後,1981 年の役職制度改訂に伴 い労働協約改訂も行われ,結果として,ラインを持っ た管理監督職にあるのか,または重要な機密にかかわ る経営に参画している職務か否かによって組合員と非 組合員の区分をすることになり,会社側と労働組合と の間で 1 人ひとりについて協議し,決めることとなっ た。こうして,専門企画職務という中間管理職層の非 組合員化に一定の制限が定められた。これはあくまで も職務による判断であり,主幹という資格,いわゆる 属人的要因での非組合員協定ではなかった。つまり, 課長級の組合員化にとって,役職でも資格でもなく職 務に基づいた組合員範囲の見直しという論理が重要で あったことが明らかとなった。 すずき・まこと 長野大学企業情報学部准教授。最近 の 主 な 論 文 に “The Formation of Job- and Competency-based Human Resource Management in Japan: The Steel Industry, 1947-1973” Japanese Research in Business History, Vol.36, pp. 32-49(2019 年)。労使関係論,人的資 源管理論専攻。
管理職層における発言機構の整備──三菱電機の1981年役職制度改訂・労働協約改訂(PDF:458KB)
1
0
0
全文
関連したドキュメント
• 1つの厚生労働省分類に複数の O-NET の職業が ある場合には、 O-NET の職業の人数で加重平均. ※ 全 367
・子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制を整備する
電子式の検知機を用い て、配管等から漏れるフ ロンを検知する方法。検 知機の精度によるが、他
機排水口の放出管理目標値を示す。 画においては1号機排水口~4号機排水口の放出管理目標値を設定していない。.. 福島第二原子力発電所 )
の主として労働制的な分配の手段となった。それは資本における財産権を弱め,ほとん
[r]
保税地域における適正な貨物管理のため、関税法基本通達34の2-9(社内管理
当該発電用原子炉施設において常時使用さ れる発電機及び非常用電源設備から発電用