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SDGsとCSRに関するアンケートについて

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Academic year: 2021

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SDGs

とCSRに関するアンケートについて

On

Ques

t

i

onnai

r

es

About

SDGs

And

CSR

荒井 義則

ARAIYoshinori

要旨:CSRはかなりの企業がCSRレポートを発行し、企業の間では広まりを見せている。また、 SDGsも政府が後押しをし、経済界も推進していく姿勢を見せているが、一般の人がどれだけ認 知しているはわからない。本ノートでは会計を学ぶ女子短期大学生がこれらの概念を認知してい るかどうかをアンケートで調査した。アンケート調査の結果を述べる前に、これら4つの概念を 説明する。 キーワード:SDGs、CSR、ESG、Society5.0 1.はじめに  最近、SDGsに関する関心が非常に高まっている。CSRを実践する体制を構築している企業は 大企業を中心にかなり存在しているが、SDGsへの移行も見られる。また、CSRはESG投資と関 連が深いが、SDGsとの関連性も今後は無視できない。さらに、日本においては、Society5.0の実 現によるSDGsの達成を行おうとしているので、Society5.0とも関連してくる。  本ノートでは、これら4つの概念(SDGs、CSR、ESG、Society5.0)を会計事務コンピュータ コースの学生が認知しているかどうか(知っているかどうか)を簡単なアンケートで調査した。 アンケート調査の結果を述べる前に、これら4つの概念を簡単に説明する。

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SDGs

とCSRに関するアンケートについて

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About

SDGs

And

CSR

荒井 義則

ARAIYoshinori

要旨:CSRはかなりの企業がCSRレポートを発行し、企業の間では広まりを見せている。また、 SDGsも政府が後押しをし、経済界も推進していく姿勢を見せているが、一般の人がどれだけ認 知しているはわからない。本ノートでは会計を学ぶ女子短期大学生がこれらの概念を認知してい るかどうかをアンケートで調査した。アンケート調査の結果を述べる前に、これら4つの概念を 説明する。 キーワード:SDGs、CSR、ESG、Society5.0 1.はじめに  最近、SDGsに関する関心が非常に高まっている。CSRを実践する体制を構築している企業は 大企業を中心にかなり存在しているが、SDGsへの移行も見られる。また、CSRはESG投資と関 連が深いが、SDGsとの関連性も今後は無視できない。さらに、日本においては、Society5.0の実 現によるSDGsの達成を行おうとしているので、Society5.0とも関連してくる。  本ノートでは、これら4つの概念(SDGs、CSR、ESG、Society5.0)を会計事務コンピュータ コースの学生が認知しているかどうか(知っているかどうか)を簡単なアンケートで調査した。 アンケート調査の結果を述べる前に、これら4つの概念を簡単に説明する。

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2.CSR  環境問題の深刻化により、企業にも環境に関する情報の開示が求められ、環境会計報告書、環 境報告書などの作成が必要となった。それらの作成指針として環境省(当時は環境庁)は2000年 に「環境会計ガイドライン(2000年版)」(正式名称は『環境会計システムの確立に向けて(2000 年報告)』)を公表し、その後「環境会計ガイドライン(2002年版)」、「環境会計ガイドライン (2005年版)」を公表している。また、環境報告書ガイドラインについては、2003年版、2007年 版、2012年版、2018年度版を公表している。  その後、環境のみならず広い範囲の責任(経済的、法的、倫理的、裁量的)が企業に求められ るようになり、「企業の社会的責任(Corporate SocialResponsibility;CSR)」と呼ばれるように なった。企業が行うCSR活動はさまざまであるが、CSRについて、ISO26000「社会的責任に関す る手引き」(2010年)では、社会的責任の中心となる課題を     ①組織統治     ②人権     ③労働慣行     ④環境     ⑤公正な事業環境     ⑥消費者課題     ⑦コミュニティへの参加及びコミュニティの発展 としている。  また、組織が社会的責任を果たすことにより以下の効果が得られるとしている。     ①社会からの信頼の獲得     ②社会の期待に反する行為(法令違反など)による事業継続の困難の回避     ③組織の評判・知名度・ブランドの向上     ④従業員の採用・定着、従業員の士気向上、健全な労使関係への効果     ⑤従業員とのトラブル防止・削減     ⑥ステークホルダとの関係向上     ⑦資金調達の円滑化     ⑧安定的な原材料の調達     ⑨販路拡大

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3.ESG

 1990年代から、CSRについて金融面から応援する社会的責任投資(SRI)が世界的に広まった。 そして、2006年に国連責任投資原則(PRI)が採択された。このため、年金基金等を運営する機 関投資家は、投資対象の企業に財務情報に加え、ESGに関する情報(非財務情報)も求めた。な お、Eは環境(Environmental)、Sは社会(Social)、Gは企業統治(Corporate Governance) である。  それに応じて、企業もCSR報告書、環境社会報告書、サスティナビリティ報告書などの報告書 を財務情報とは別に作成し公開した。その後、      ①財務情報とCSRの複数の報告書を読むのは手間がかかる      ②財務情報とCSR情報の関連が不明確である。 などの理由から、これらを統合した統合報告書が出現した。2010年には国際統合報告評議会が設 立され、2013年には「国際統合報告フレームワーク」が公表された。  投資についても社会的責任投資(SRI)からESG投資へと発展した。社会的責任投資(SRI) は企業の社会的・倫理的行動(環境、人権、労働、差別など)を評価して、投資の可否を判断す る投資方法である。ESG投資では環境(C)、社会(S)、企業統治(G)の3つの視点を含めて 投融資先を評価し、選別し、監視する。短期的に利益を得ようとする投資ではなく、長期的な持 続可能性を評価する投資方法である。GSIA(The GlobalSustainable InvestmentAlliance)は 2016年の世界のESG投資残高は22兆8,900億ドルであると公表している。 4.持続可能な開発(SDGs)について (1)前文  SDGs を含む「われわれの世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(以下、 「2030アジェンダ」と略記する)について、この文章の最初に以下のような記述がある。なお、 日本語訳は外務省仮訳をもとにしている。  このアジェンダは、人間、地球及び繁栄のための行動計画である。これはまた、 より大きな自由における普遍的な平和の強化を追求するものでもある。我々は、極

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端な貧困を含む、あらゆる形態と側面の貧困を撲滅することが最大の地球規模の課 題であり、持続可能な開発のための不可欠な必要条件であると認識する。  この文章より、「人間、地球、繁栄のため」という大きな目標がわかる。また「大きな自由に おける普遍的な平和」も大きな目標の一つであることがわかる。また、「あらゆる貧困の撲滅」 が持続可能な開発のためには絶対必要であるとの考え方が見て取れる。  また前文では  誰一人取り残さない と述べており、対象が「すべての人間」であることがわかる。  さらに前文では  今日我々が発表する持続可能な開発のための17の目標(SDGs)と169のターゲッ トはこの新しく普遍的なアジェンダの規模と野心を示している。これらの目標と ターゲットは、ミレニアム開発目標(MDGs)を基にして、ミレニアム開発目標が 達成できなかったものを全うすることを目指すものである。 と 述 べ て い る。こ の 文 章 よ り、SDGsがMDGsの 後 継 で あ る こ と が わ か る。ま た、17の 目 標 (SDGs)と169のターゲットの具体的な行動計画であることがわかる。  最後に、前文では以下の文章もある。 これらの目標及びターゲットは、統合され不可分のものであり  この文章より、目標及びターゲットは全体として一つのシステムとなっていることがわかる。 (2)17の目標  SDGsの17の目標は次のとおりである。 ①あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる ②飢餓を終わらせ、食糧安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する

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③あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する ④すべての人々への、包括的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進 する ⑤ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う ⑥すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する ⑦すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確 保する ⑧包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用とはたらき がいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。 ⑨強靭(レジリエント)なインフラの構築、包括的かつ持続可能な産業化の促進及びイ ノベーションの推進を図る ⑩各国内及び各国間の不平等を是正する ⑪包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する ⑫持続可能な生産消費形態を確保する ⑬気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる ⑭持続可能な開発のための海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する ⑮陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化へ の対応、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する ⑯持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアク セスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある法摂的な制度を構築 する ⑰持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化 する  目標は経済・産業、社会、環境、人間と広範囲にわたるが、特に人間を重視している点に特色 がある。「2030アジェンダ」では  「われら人民は」というのは国連憲章の冒頭の言葉である。今日2030年への道を 歩き出すのはこの「われら人民」である。我々の旅路は、政府、国会、国連システ ム、国際機関、地方政府、先住民、市民社会、ビジネス・民間セクター、科学者・ 学会、そしてすべての人を取り込んでいくものである。数百万の人々がすでにこの

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アジェンダに関与し、我が物としている。これは、人々の、人々による、人々のた めのアジェンダであり、そのことこそが、このアジェンダを成功に導くと信じる。

と述べられており、人間を重視していることがわかる。

5.Society5.0

 Society5.0という概念は2016年1月22日に閣議決定された「第5期科学技術基本計画」で提唱 さ れ た 概 念 で あ る。Society1.0は 狩 猟 社 会、Society2.0は 農 耕 社 会、Society3.0は 工 業 社 会、 Society4.0は情報社会であり、その次の社会という意味でSociety5.0と名付けられた。Society5.0 はサイバー空間とフィジカル空間(現実の世界)が融合された社会である。「第5期科学技術基 本計画」(11頁)では「ICTを最大限に活用し、サイバー空間とフィジカル空間(現実世界)と を融合させた取組みにより、人々に豊かさをもたらす『超スマート社会』を未来社会の姿として 共有し、その実現に向けた一連の取組みをさらに深化させつつ『Society5.0』として強力に推進 し、世界に先駆けて超スマート社会を実現していく」と説明されている。  また、日本においてはSociety5.0の実現を通してSDGsを達成すると考えられており、SDGsと も密接なかかわりを持っている。 6.アンケート結果  以下のアンケートを実施した。このアンケート行った目的は、一般の人に浸透しているかどう かを調査するためであるが、予想としては「あまり知られていない」という結果になるのではな いかと思われる。     実施日 2020年11月18日 第1限・第2限      対象  私立短期大学に所属する会計・事務コンピュータコースの学生 28名(1年生 14名、2年生14名)

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SDGsに関する質問 (1)SDGs(持続可能な開発目標)について答えてください。    ① まったく知らない。    ② 聞いたことはあるが、内容はよくわからない。    ③ ある程度はわかる。    ④ よく理解している。 (2)CSR(企業の社会的責任)について答えてください。    ① まったく知らない。    ② 聞いたことはあるが、内容はよくわからない。    ③ ある程度はわかる。    ④ よく理解している。 (3)ESG投資について答えてください。    ① まったく知らない。    ② 聞いたことはあるが、内容はよくわからない。    ③ ある程度はわかる。    ④ よく理解している。 (4)Society5.0について答えてください。    ① まったく知らない。    ② 聞いたことはあるが、内容はよくわからない。    ③ ある程度はわかる。    ④ よく理解している。

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 アンケート結果は以下のとおりである。  表中の数値は百分率(%)である。  以下でアンケートの結果を考察する。  この表で「①まったく知らない」という回答の割合が   (1)56.3% (SDGs)   (2)67.9% (CSR)   (3)82.1% (ESG投資)   (4)85.7% (Society5.0) である。SDGsが比較的少なく、CSRがその次に少ない。SDGsは最近はテレビでも宣伝されてい るので、少ないのは理解できる。CSRは企業が報告書を出しており、かなり前から実践されてい るので、2番目に少ないのも理解できる。残りの2つは前の2つほど身近ではないので、割合が 高いものと思われる。  ①(まったく知らない)に②(聞いたことはあるが、内容はよくわからない)の割合を加える と   (1)81.3% (SDGs)   (2)92.9% (CSR)   (3)92.8% (ESG投資   (4)92.8% (Society5.0) となる。「知らない」あるいは「内容はよくわからない」がSDGsが80%台前半で残りの3つが 90%台前半となる。  これらの4つは重要な概念ではあるが、このアンケートで見る限りあまり普及しているとは言 えない。調査人数が少なく、特定のグループが対象なので、一概には言えないが、予想通り一般 ④ ③ ② ① 設問 3.6 17.9 25.0 56.3 (1) 0 7.1 25.0 67.9 (2) 0 7.1 10.7 82.1 (3) 0 7.1 7.1 85.7 (4) 表1

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の人にはあまり浸透してないのではないかと思われる。 参考文献 宮崎正弘『持続可能性経営』現代図書,2016. 高巌,辻義信,Scott T. Davis,瀬尾隆史,久保田誠一『企業の社会的責任』日本規格協会,2003. ISO/SR国内委員会『日本語訳ISO26000:2010社会的責任に関する手引き』日本規格協会,2010. 東京商工会議所(編著)『ECO検定公式テキスト改訂第7版』日本能率協会マネジメントセンター, 2019. 日立東大ラボ『Socigty5.0』日本経済新聞社,2018. 外務省(仮訳)『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』 村上芽、渡辺珠子『SDGs入門』日本経済新聞社,2019.

参照

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