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2自由度ヘリコプターの姿勢制御

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Academic year: 2021

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2

自由度ヘリコプターの姿勢制御

2010SE059

稲葉拓磨

指導教員

:

陳幹

1

はじめに

本研究では,2自由度ヘリコプターをPD制御を用い て,ヘリコプターに人や荷物が乗っていることを想定し, 実験機に錘(50g)を付けた状態で制御系設計と姿勢制御 を行う.またセンサーのシステムとコストの少なさを考 え,極配置アルゴリズムを用いてオブザーバを構成して いる.

2

モデリング

2 自 由 度 ヘ リ コ プ タ の 非 線 形 運 動 方 程 式 を ラ グ ラ ンジュ運動方程式を用いて表す. 上下運動の角度を θ[rad],左右運動の角度をψ[rad],ヘリコプター可動部 の全質量をmheli[kg], ピッチ軸から重心までの長さを lcm[m],ピッチ軸及びヨー軸まわりの全慣性モーメント をJeq,p,Jeq,y[kg・m2],ピッチモータからピッチ軸に働く 推進トルク定数をKpp[Nm/V],ヨーモータからヨー軸に 働く推進トルク定数をKyy[Nm/V],ヨーモータからピッ チ軸に働く推進トルク定数をKpy[Nm/V],ピッチモー タからヨー軸に働く推進トルク定数をKyp[Nm/V],ピッ チ軸及びヨー軸まわりの等価粘性減衰をBp,By[N/V]と すると以下のような結果になる[1].

(Jeq,p+ mhelil2cmθ = KppVm,p+ KpyVm,y

−Bpθ˙− mheliglcm

(Jeq,y+ mhelil2cmcos θ2) ¨ψ = KyyVm,y+ KypVm,p

−Byψ + 2m˙ helilcm2 θ ˙ψ ˙θ (1) 状態変数と操作量をそれぞれ x(t) =[θ ψ θ˙ ψ˙]T, u(t) =[Vm,p Vm,y ]T (2) とすると,状態方程式,出力方程式は次式になる[3][4]. { ˙ x(t) = Ax(t) + Bu(t) y(t) = Cx(t) (3) A =      0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 Bp Jeq,p+mhelil2cm 0 0 0 0 By Jeq,y+mhelil2cm     (4) B =      0 0 0 0 Kpp Jeq,p+mhelil2cm Kpy Jeq,p+mhelil2cm Kyp Jeq,y+mhelil2cm Kyy Jeq,y+mhelil2cm     (5) C = [ 1 0 0 0 0 1 0 0 ] (6)

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制御系設計

ここでは,制御対象の利用可能な信号である観測量 η(t)と操作量u(t)を利用することで状態変数を推定し, この推定値を用いて状態フィードバック形式のコント ローラを構成する.前章のシステムにおいて,次式のよう に,制御量y(t)と観測量η(t)とが等しいときを考える.      ˙ x(t) = Ax(t) + Bu(t) y(t) = Cx(t) η(t) = Cx(t) (6) このとき,次式の出力フィードバック形式のコントロー ラを用いることにより,目標値yref(t)に対する追従制 御を実現する.Kは状態フィードバックゲイン,Lはオブ ザーバゲインを示している[2]. { ˙ˆx(t) = Aˆx(t) + Bu(t) − L(η(t) − C ˆx(t)) u(t) = K ˆx(t) + Hyref(t) (7) H =[−K I] [A B C O ]−1[ 0 I ] (8) ˆ x(t) = [ ˆ θ ψˆ θ˙ˆ ψ˙ˆ ]T (9) A + BKの固有値が-6+3i,-6-3i,-8.36,-3.16となるよう に設計したときK,H は次のようになる. K = [ −17.9 4.14 −1.64 0.47 28.3 −50.3 1.09 −12.1 ] (10) H = [ 17.9 −4.14 −28.3 50.3 ] (11) また,A + LCの固有値が-12+4i,-12-4i,-14.36,-9.16とな るように設計したときのLL1,固有値が -20+5i,-20-5i,-22.36,-18.16となるように設計したときのLL2

(2)

とするとL1,L2はそれぞれ L1=     −14.4 −1.92 0.78 −21.6 −5.10 0.39 15.2 −97.1     L2=     −31.2 −0.99 0.24 −37.8 −141 6.84 15.8 −310    (12) のようになる.

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シミュレーション結果

L1 を 使 っ た 結 果 が 図 1,2 に,L2 を 使 っ た 結 果 が 図 3,4 に 状 態 変 数 x(t) が 実 線, そ の 推 定 値 x(t)ˆ が 点 線 で 示 さ れ て い る. た だ し 初 期 条 件 を x(t)=[-0.698,0,0,0]Tx(t)=[0,0,0,0]T,ピッチ角及びヨー角の目 標値を0とする.ピッチ角ヨー角共に時間が経過するに つれてx(t)x(t)ˆ が一致することが確認できる.また L1よりもL2の方が固有値の実部を負側に大きく設定し た為,L1を使った時より推定の収束が早い. 図1 ピッチ角についてのシミュレーション結果(L1) 図2 ヨー角についてのシミュレーション結果(L1) 図3 ピッチ角についてのシミュレーション結果(L2)

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実験結果

L1を使った実験結果が図5,6に状態変数x(t)が実線, その推定値x(t)ˆ が点線で示されている. 図4 ヨー角についてのシミュレーション結果(L2) 図5 ピッチ角についての実験結果(L1) 図6 ヨー角についての実験結果(L1)

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おわりに

本研究でオブザーバゲインの固有値次第で推定の収 束を早めることがわかった.しかし,実験ではヘリコプ ターを上昇させることができなかった.この原因は積分 器を使ってなかったことなどが挙げられる.今後積分器 も使った制御系設計を行い,適切なゲインを求めて実験 を行う必要がある.

参考文献

[1] Quanser - 2 DOF Helicopter:

http://www.quanser.com/products/2dof_helicopter [2] 川田昌克:『MATLAB/Simulinkによる現代制御入 門』,東京,森北出版株式会社(2011) [3] 2007MI084岩田歩:ヘリコプタの2自由度PID制御, 南山大学(2011) [4] 2010SE216高田將人,2010SE011浅井大地, 2010SE116松田泰知:ヘリコプターにおけるオブザー バを用いた速度推定,南山大学(2014)

参照

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