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Journal of Textile Engineering, Vol.57, No.6, pp

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(1)

University Student’s Conscious Attitudes toward Coming of Age Costumes

T

AMURA

Kazuko

Faculty of Education, Kochi University, 2-5-1 Akebono-cho, Kochi 780-8520, Japan Received 25 August 2011;accepted for publication 16November 2011

Abstract

In this paper, university students’ opinions on conscious attitudes toward Coming of Age costumes were studied. The results obtained by factor analysis are as follows: 1) The factor structure of female university students’ conscious attitudes toward Coming of Age costumes is interpreted as (F1) desire to wear, (F2) impracticality, (F3) festive dress, (F4) evaluation by men, (F5) coming of age, and (F6) economics. 2) As a result of comparing of the factor scores between people who like Kimonos and those who neither like nor dislike them, it was found that people who like Kimonos rated significantly higher than those who neither like nor dislike them in the case of (F1) desire to wear (p < 0.01) and (F2) impracticality (p < 0.10). 3) As a comparison of the factor scores between people for whom the Coming of age ceremony is very necessary and those for whom it is not, it was found that people who need the Coming of age ceremony very much rated significantly higher than those who do not in the case of (F6) economics (p < 0.01), (F3) festive dress (p < 0.05), and (F4) evaluation by men (p < 0.10).

Key Words: Conscious, Coming of Age costumes, Factor analysis, University students’ opinions

成人式の衣装に対する大学生の意識

田村和子

高知大学教育学部

ઃ.緒 言

成人式は,1946 年(昭和 21 年)に埼玉県蕨市(わらびし) で行われたのが始まりと言われている.しかし,この当時は まだ,振袖を着て成人式に出席することはなく,成人式に振 袖を着て出席するようになったのは,1960 年代の高度成長 期以降のことである. 振袖着用理由として,日本が経済的に豊かになってきたこ とや,着物のファションショーの開催,皇太子妃が結婚式で 着物を着用したこと等が挙げられる.これらの過程を経て, 現在の成人式のスタイルが定着し,成人式に振袖が着られる ようになったと言われているが,男性は着物を着ていない. 現在でも,成人式で,テレビに映るのは色鮮やかな振袖姿 の女性で,男性のほとんどはスーツ姿である.このスタイル は,昔から変わらず,日本の成人式の衣装として当たり前に なっている. 洋服の着装イメージに対する研究は数多くみられるが [1,2],和服における着装イメージや意識について研究され たものはいまだ数少ない状態である[3,4]. 近年,浴衣ブームが起こり,おしゃれな浴衣が夏祭りの会 場で多く見られるようになった.しかし,若者が浴衣,甚平 などを除くと,和服を着る機会は少なく,身近なものとして 成人式が挙げられるが,彼らがどのように成人式を捉え,ど のような意識を持って成人式の衣装を選んでいるのかについ て,男女大学生を対象にしたものはあまり見当たらない. そこで,本研究では,着物離れに対する被服教育を検討す る手がかりを得るために,成人式の衣装が若者の意識にどの ような反応を与えているかを,男女大学生を対象に調査し, 成人式の衣装に対する意識を把握するとともに意識の差の要 因について検討した. *連絡先:高知大学教育学部 780-8520 高知市曙町 2-5-1, E-mail: [email protected],Tel: +81-88-844-8397

(2)

઄.予備調査

2.1 高知県の成人式の衣装について

まず,成人式の衣装の実態を知るために,高知県で成人式 が始まった 1949 年から 2000 年までの 51 年間,高知新聞に 掲載された成人式に関する記事内容と写真を調査し,着用さ れた服の種類と数をかぞえた. 高知県最初の成人式は,下記に示すように,1949 年(昭 和 24 年)であり,当初の衣装は,全国の衣装と同様に,男 女ともにスーツ,職場の制服,学生服であった.高知県で振 袖が着用されるようになったのは,1971 年以降のことであ る. また,高知市では,1973 年頃に女性の着物姿が 7 割以上 を占めるが,男性は変わらずスーツ姿であった.1980 年に 入って始めて袴姿の男性が見られ,これ以降,毎年,成人式 に袴姿が数名見られるようになった.1990 代に入ると,坂 本龍馬の格好をした人,2000 年代に入ると着ぐるみなどの ユニークな衣装が目立つようになった. 高知県は全国と比べ,成人式の始まりや振袖着用時期が全 体的に遅いが,男女の差は,全国と同様で,成人式での衣装 として,女性は振袖,男性はスーツが当たり前になっている ことがわかった.

2.2 成人式での衣装

本調査のための意見項目を設定する目的で,成人式に参加 したことのある男子大学生 14 名,女子大学生 28 名,計 42 名を対象に,成人式における衣装の実態調査を行った.その 結果,成人式の衣装について,女性は「振袖を着た」が 92% で,「スーツを着た」と回答した者はいなかった.男性は 「スーツを着た」が 76%で,「袴を着た」が 12%であり,男 性においては 1 割の人が着物を着て成人式に出席していた. 成人式の衣装として,現実的には男性の着物姿,女性のスー ツ姿はきわめて少数であった. また,お互いの衣装の印象については,男性は女性の振袖 姿に対して,「綺麗で華やか」と回答した者が 36%,次いで, 「大変そう」が 29%,「特に何も感じない」が 21%であった. 一方,女性は男性のスーツ姿に対して,「社会人みたい」と 回答した者が 50%,次いで,「まじめそう」が 29%,「地味」 が 14%であった. さらに,着物に対するイメージ,男性の着物姿をどう思う か,成人式をどう思うか等を書かせ,それらの意見項目を整 理して,本調査のアンケート項目に用いた.

અ.本調査

3.1 調査対象及び調査時期

調査は高知大学の男子 38 名,女子 88 名の計 126 名を対象 とした.調査は平成 20 年 10 月上旬∼中旬にかけて,教室で 質問紙を配布し,調査内容を説明した後,その場で回答させ, 回収した.記入漏れは回収時にチェックした.

3.2 調査内容

3.2.1 実態調査

(1) 成人式について

成人式についての質問項目は,「Qes 1. 成人式は必要なも のである」,「Qes 2. 成人式では目立ちたい」,「Qes 3. 成人式 では流行のものを着る」,「Qes 4. 成人式は派手な衣装を着る ための儀式でない」,「Qes 5. 成人式を 20 歳ではなく,18 歳 で行うことについて賛成である」の 5 項目である. 各意見項目についての回答は,中立的な評定に集中するこ とを避けるために 4 段階評定とし,「とても」を 4 点,「少し」 を 3 点,「あまり」を 2 点,「全く」を 1 点として得点化した. 振袖 スーツ・袴 1977 振袖(宿毛市では和服禁止) スーツ 1974 振袖 スーツ 1971 派手な訪問着・職場の制服 ダークスーツ・袴 1968 女 性 男 性 訪問着・職場の制服 振袖 スーツ・職場の制服 1963 スーツ・袴・白足袋の元服 スーツ・職場の制服・学生服 年 1980 スーツ・職場の制服 1949 振袖・職場の制服・袴(宿毛市・日高村では和服禁止の ためワンピース・スーツ) スーツ・袴・職場の制服 1978 振袖・着ぐるみ スーツ・袴・着ぐるみ 2000 振袖 スーツ・坂本龍馬の格好 1990 振袖・学生服・職場の制服 スーツ・袴・学生服・職場の制服 1983

(3)

(2) 着物・スーツの所持と好き嫌い等

着物・スーツの所持と好き嫌いについての質問項目は, 「Qes 1. リクルートスーツを持っているか」,「Qes 2. フォー マルスーツを持っているか」,「Qes 3. 自分の着物を持ってい るか」,「Qes 4. 自分の袴を持っているか」,「Qes 5. 着物は両 親に買ってもらったか」,「Qes 6. 着物は祖父母に買っても らったか」,「Qes 7. フォーマルスーツより着物の方が好き か」の 7 項目である. 「フォーマルスーツよりも着物が好きか」についての回答 は,3 段階評定とし,「好き」を 3 点,「どちらでもない」を 2 点,「好きでない」を 1 点として得点化した. 「リクルートスーツ」,「着物」,「フォーマルスーツ」の範 囲については,質問紙に「リクルートスーツという言葉は就 職活動で着るスーツを指す」,「着物はお正月に着る着物を指 す」,「フォーマルスーツは結婚式で着る礼服を指す」と記入 して調査した.

(3) 被服に対する関心

調査対象者の日頃の被服に対する関心を知るためにアン ケートを行った.被服に対する関心についての質問項目は, 「Qes 1. 他人と同じ格好をしていないと不安である」,「Qes 2. 他人に勧められたものを着ることが多い」,「Qes 3. 服を買う ときは雑誌やメディアを参考にする」,「Qes 4. 服は流行のも のを取り入れている」,「Qes 5. 個性的な格好をすることが多 い」の 5 項目である. 各意見項目についての回答は,中立的な評定に集中するこ とを避けるために 4 段階評定とし,「非常に」を 4 点,「少し」 を 3 点,「あまり」を 2 点,「全く」を 1 点として得点化した.

3.2.2 成人式の衣装に対する意識

成人式の衣装に対する意識の質問項目については,既存の 報告[3]を参考にするとともに予備調査の結果を取り入れ, 着装時難点(機能性),着装時の感情,経済性,評価性(性・ 年齢)等の質問文を作成し,「成人式の衣装に対する意識の 測定項目」とした.質問項目は,「Qes 1. 着物はスーツより も重い」,「Qes 2. 着物姿は晴れやかな感じがする」,「Qes 3. 着物はスーツよりも活動的でない」,「Qes 4. 着付けや小物等 でお金がかかる」,「Qes 5. 女性の着物姿はスーツ姿よりも女 らしい」,「Qes 6. 帯や紐で締め付けられるので苦しい」,「Qes 7. 着物を着る機会がもっとあればよい」,「Qes 8. 着物はスー ツより疲れる」,「Qes 9. 着物が安ければ買いたい」,「Qes 10. 着物姿の女性はかっこいい」,「Qes 11. 着物はスーツより個 性的である」,「Qes 12. 着物姿の男性はかっこいい」,「Qes 13. 着物を着ると引き締まる」,「Qes 14. 着物を着ると緊張す る」,「Qes 15. 着物はレンタルすると経済的である」,「Qes 16. 着物姿の男性はスーツ姿よりも男らしい」,「Qes 17. 着物は 使い回わせるので経済的である」,「Qes 18. 着物はスーツよ りも大人っぽく見える」,「Qes 19. 着物を着ると大人になれ る」,「Qes 20. 着物はスーツよりも落ち着く」,「Qes 21. 着物 を着ると恥ずかしい」の 21 項目である.実際に調査する時 はランダムに配置した. 各意見項目についての回答は,中立的な評定に集中するこ とを避けるために 4 段階評定とし,「とても」を 4 点,「少し」 を 3 点,「あまり」を 2 点,「全く」を 1 点として得点化した. 「スーツ」,「着物」の範囲については,質問紙に「スーツ という言葉はリクルートスーツではなくフォーマルスーツを 指す」,「着物はお正月に着る着物を指す」と記入して調査し た. 「着物」の範囲については,392 名(有効回答数)の女子 大生を対象に調査した三野ら[3]が,「着物と聞いて思い浮 かぶ第 1 位は振袖が 69.6%,第 2 位は浴衣で 6.2%,第 3 位 は訪問着であり,和服と聞いて思い浮かぶ第 1 位は振袖が 57.4%,第 2 位が浴衣で 15.7%,第 3 位は袴である.和服あ るいは着物のどちらのイメージであっても,振袖のイメージ が極めて強い」ことを報告している.調査対象に男子を含ん でいるので,口頭でも,「アンケートの中に,「着物」という 言葉が出てきますが,お正月の着物です」と説明した.

3.2.3 データの処理

まず,男女別,各項目への反応の平均値を算出し,男女の 差を明らかにするために,項目別に平均値の差の検定(t 検 定,カイ 2 乗検定)を行った. 次に,成人式での衣装に対する意識を明らかにするため に,男女別に因子分析を行った.今回,結果が得られたのは 女子のみである.因子分析はピアソンの相関係数を用い,主 因子法により回転前の因子行列を求め,バリマックス回転に より最終的な因子行列を求めた.因子の数はスクリュープ ロットをもとに決定した. そして,抽出された因子に関して,着物を好きな群とどち らでもない(好きでも嫌いでもない)群,成人式がとても必 要である群とあまり必要でない群で因子得点の平均値を算出 し比較した. さらに,成人式と成人式の衣装に対する意識と被服に対す る関心の関係を明らかにするために,得点間の相関係数(ピ アソンの積率相関係数)を求め,重回帰分析を行った.

આ.調査結果及び考察

4.1 実態調査

(1) 成人式に対する意識

成人式に対する意識についての調査結果を Table 1 に示す. 意見項目は番号で示している.表に示すように,男女ともに 肯定的だった項目は,「Qes 1. 成人式は必要なものである」, 「Qes 4. 成人式は派手な衣装を着るための儀式でない」であ る.一方,否定的だったのは,「Qes 2. 成人式では目立ちた い」,「Qes 3. 成人式で流行のものを着る」,「Qes 5. 成人式を

(4)

18 歳で行うことについて賛成である」であった. 「成人式を 18 歳で行うこと」についての反対理由は,「18 歳は高校を卒業したばかりで,社会のことをよく知らず,未 熟であるから」,「たばこやお酒,選挙権は 20 歳からである から」,「今まで成人式は 20 歳からとされていたので,その ままでよい」という意見が大半であった.一方,賛成理由は, 「社会人として自覚をもたせることができるから」,「外国で は 18 歳で成人式をするところがあるから」等であった. 男女間で平均値に差があるかどうかを検定したところ, 「Qes 1. 成人式は必要なものである」,「Qes 5. 成人式を 18 歳 で行うことについて賛成である」が有意であり,「成人式は 必要なものである」については女子の方が高く,「成人式を 18 歳で行うことについて賛成である」は男子の方が高かっ た. 以上の結果から,男女ともに派手な衣装,目立つ衣装への 関心が低く,成人式を 20 歳で行うことについては女子の方 が重視しており,従来どおり,男子はスーツ,女子は着物を 着るものという意識があることが推察された.

(2) 着物・スーツの所持と好き嫌い等

着物・スーツの所持については,Table 2 に示すように, 「Qes 1. リクルートスーツを持っている」が男子 20 名,女子 69 名,「Qes 2. フォーマルスーツを持っている」が男子 22 名,女子 18 名であった.男子の約 4 割がフォーマルスーツ を持っていたが,女子は約 2 割で,リクルートスーツを持っ ている者が約 8 割いた. 「Qes 3. 自分の着物」については男子 1 名,女子 22 名が 「持っている」と回答しているが,「Qes 4. 袴」を持っている 者は誰もいなかった.「Qes 5. 着物は両親に買ってもらった」 者が男子 1 名,女子 17 名で,「Qes 6. 着物は祖父母に買って もらった」と回答した女子が 9 名いた. 「Qes 7. フォーマルスーツよりも着物が好きである」につ いては,「好き」が男子 5 名,女子 34 名,「どちらでもない」 が男子 16 名,女子 46 名,「好きでない」が男子 17 名,女子 ઊ名であった.男子は着物が好きでない者が約 4.5 割,どち らでもない者が約 4 割いるのに対して,女子は着物が好きで ない者が約 1 割と低く,どちらでもない者が約 5 割いること がわかった. 男女間で平均値に差があるかどうかを検定(カイ 2 乗)し たところ,Table 2 に示すように,4 項目で差が認められた. 「Qes 1. リクルートスーツを持っている」,「Qes 2. フォーマ ルスーツを持っている」は,女子よりも男子の方が有意で あった.一方,「Qes 3. 自分の着物を持っている」,「Qes 7. フォーマルスーツよりも着物が好きである」は,男子よりも 女子の方が有意であった. 以上の結果から,男女ともに袴を持っておらず,スーツは 男子の方が多く,着物は女子の方が多く持っており,着物へ の関心は女子の方が高いことがわかった.

(3) 被服に対する関心

被服に対する関心についての調査結果を Table 3 に示す. 意見項目は番号で示している.表に示すように,男女ともに 高い得点を得た項目はなく,「Qes 1. 被服は他人と同じ格好 をしていないと不安である」,「Qes 2. 被服は他人に勧められ たものを着ることが多い」,「Qes 5. 被服は個性的な格好をす ることが多い」については両者ともに否定的であった. 男女の差が認められたのは,「Qes 3. 被服を買う時は,雑 誌・メディアを参考にする」,「Qes 4. 被服は時代に合わせた 流行のものを取り入れている」で,1%水準で男子よりも女 子の方が有意であった. 前述したように,「成人式で流行のものを着る」について は男女の差が見られなかったが,「被服は時代に合わせた流 行のものを取り入れている」では男女の差が認められた.こ のことから,女子にとって,成人式の振袖は当たり前となっ ており,流行の振袖であっても,流行のものを着ているとい う意識が薄いことが推察された. 3.31 3.26 Qes 4 2.13 1.97 Qes 3 * t-Test Female Male

Table 1 Comparison of mean score of University Student's Conscious Attitudes towards Coming of Age Ceremony.

2.26 2.08 Qes 2 3.24 Question No. * 2.95 Qes 1 1.73 * p < 0.05 2.00 Qes 5 0 88 0 38 Qes 4 ** 22 66 1 37 Qes 3 ** Qes 6 Chi-square Test Female Male

Table 2 Number of Kimonos and Suits Possessed: A Comparison between Males and Females.

18 70 0.00 100.00 22 16 Qes 2 2.63 97.37 Number Question No. ** Number 57.89 42.11 34 46 8 % ** p < 0.01 5 16 17 Qes 7 Yes No Yes No Yes No ** 78.41 21.59 69 19 52.63 47.27 20 18 Qes 1 38.64 52.27 9.09 0.00 100.00 25.00 75.00 20.45 79.55 % 13.16 42.11 44.74 0 Yes 19.32 17 2.63 1 Yes Qes 5 Yes Neither No Yes No 10.23 9 0.00

(5)

4.2 成人式の衣装に対する意識

成人式の衣装に対する意識の測定結果を Table 4 に示す. 意見項目は番号で示している.表に示すように,全体的に女 子の方が高い得点を得た項目が多い. 女子において,得点が高かった意見項目は,「Qes 1. 着物 はフォーマルスーツよりも重いと思う」,「Qes 2. 着物姿は晴 れやかな感じがする」,「Qes 3. 着物はフォーマルスーツより も活動的でないと思う」,「Qes 4. 着物を着ると着付けや小物 等でお金がかかる」,「Qes 5. 女性の着物姿はフォーマルスー ツ姿よりも女らしいと思う」等である.その反対に得点が低 かったのは,「Qes 21. 着物を着ると恥ずかしいと思う」,「Qes 20. 着物はフォーマルスーツよりも落ち着くと思う」,「Qes 19. 着物を着ると大人になれると思う」等であった. 男子において,肯定的な意見項目は,「Qes 3. 着物はフォー マルスーツよりも活動的でないと思う」,「Qes 1. 着物は フォーマルスーツよりも重いと思う」,「Qes 8. フォーマル スーツよりも着物の方が疲れると思う」等で,得点が低かっ たのは,「Qes 21. 着物を着ると恥ずかしいと思う」,「Qes 19. 着物を着ると大人になれると思う」,「Qes 20. 着物はフォー マルスーツよりも落ち着くと思う」等である. 各項目別に差の検定を行い,男女の成人式の着物に対する 意識の違いを検討した.その結果,男女の差が認められたの は 14 項目で,「Qes 13. 着物を着ると引き締まる」,「Qes 14. 緊張する」,「Qes 2. 晴れやかな感じがする」といった着装時 の感情項目,「Qes 7. 着る機会があればよい」,「Qes 9. 安け れば買いたい」という願望項目,「Qes 16. 着物姿の男性は男 らしい」,「Qes 12. かっこいい」,「Qes 5. 女性の着物姿は女 らしい」,「Qes 10. かっこいい」といった性の評価性の項目, 「Qes 1. 重い」,「Qes 6. 締め付けられ苦しい」という機能性 の項目,「Qes 4. 着付けや小物等でお金がかかる」といった 経済性の項目は,すべて女子の方が有意であった.男子が有 意であったのは,「Qes 15. レンタルすると経済的だ」という 項目だけであった. 以上の結果から,男女ともに着物は活動的ではないし,着 物を着たからといって大人になれるとは思っていないことが わかった.女子は,男子よりも着物姿に肯定的な感情を持っ ており,お金はかかるが,晴れやかで女らしく見えるので着 る機会があればよいと思っていることが推察された.

4.3 成人式の衣装に対する女子大学生の意識の因

子構造

成人式の衣装に対する意識を明らかにするために因子分析 を行った.因子の解釈は,おもに因子負荷量 0.45 以上の項 目で,因子負荷量が大きい項目の内容を中心に行った.大き い項目が少なく解釈しにくいものについては 0.44 以下の項 目を加えた. 抽出された因子は 6 因子である.第 1 因子から第 6 因子を 特徴づける質問項目および因子負荷量を Table 5 に示す. まず,第 1 因子で負荷量の大きい 3 項目をみると,着物を 着る機会がもっとほしいし(Qes 7),安ければ買いたい(Qes 9),着たら引き締まる感じがする(Qes 13)という内容であ るので,「着装願望」の因子と解釈した.第 2 因子の 4 項目 をみると,着物は締め付けられ(Qes 6),重く(Qes 1),活 動的でない(Qes 3)という内容であるので,「非実用性」の 因子と解釈した.第 3 因子は,着物姿は個性的で(Qes 11), 晴れやかで(Qes 2),女らしい(Qes5)という内容であるの で,「晴れ着」の因子と解釈した.第 4 因子は,着物姿の男 性は男らしく(Qes 16),かっこいい(Qes 12)という内容 ** 2.68 2.05 Qes 4 ** 2.72 2.08 Qes 3 t-Test Female Male

Table 3 Comparison of mean score of University Student’s Concern towards Clothing.

2.34 2.11 Qes 2 2.25 Question No. 2.05 Qes 1 2.25 ** p < 0.01 2.29 Qes 5 ** 3.57 3.24 Qes 4 3.60 3.37 Qes 3 Qes 5 ** ** t-Test Female Male

Table 4 Comparison of mean score of University Student’s Concern towards Clothing.

3.61 Qes 6 3.18 Qes 2 * 3.80 Question No. 3.34 Qes 1 3.55 1.55 3.16 * p < 0.05 ** p < 0.01 1.79 Qes 21 Qes 10 ** 3.33 2.34 Qes 9 3.36 3.29 Qes 8 ** 3.38 2.42 Qes 7 ** 3.39 2.95 Qes 14 ** 3.11 2.29 Qes 13 ** 3.22 2.68 Qes 12 3.24 3.13 Qes 11 ** 3.31 2.74 Qes 17 * 2.67 2.24 Qes 16 2.30 2.26 Qes 20 * 2.74 3.16 Qes 15 ** 3.06 2.29 ** 2.33 1.87 Qes 19 2.61 2.39 Qes 18 2.65 2.42

(6)

であるので,「男性評価」の因子と解釈した.第ઇ因子は着 物を着ると大人になれる(Qes19),緊張する(Qes 14)とい う内容であるので,「大人」の因子と解釈した.第 6 因子は, 大人っぽく見せる(Qes 18),着物はレンタルできるし(Qes 15),使い回しがきく(Qes 17)ので経済的であるという内 容であるので,「経済性」の因子と解釈した. 三野ら[3]は,392 名の女子大学生を対象に調査し,「機 会があれば和服を着たいと回答した人が 91.0%で着用願望が 高い」こと,「和服着用時難点は,動作に関する項目(動き にくい・歩きにくい)と圧迫感に関する項目(窮屈である・ 息苦しい)について申告された」ことを報告している.また, 樋泉ら[5]は,女子大生 206 名,女子短大生 329 名を対象 に調査し,「振袖は着装面や活動面,手入れなど難点はある が最も日本の伝統的な独自性をもった礼装用としてふさわし い晴れ着として高く評価している」ことを報告している.そ して,神谷ら[4]は女子大生 100 名を対象に調査し,「成人 式の着装希望の服種では和装が 93%と高く,購入する者が 43%に対して,レンタルが 32%,家族または知人から借り るが 25%と,借りる方が多かった」ことを報告している. これらの結果は本研究とほぼ一致している.これらの論文と 異なるところは,「男性評価」の因子と「大人」の因子が抽 出されたことである. 以上の結果から,成人式の衣装に対する意識は,「F1 着装 願望」,「F2 非実用性」,「F3 晴れ着」,「F4 男性評価」,「F5 大人」,「F6 経済性」の 6 因子によって構成されていること がわかった.

4.4 因子得点の比較

まず,女子の因子分析から抽出された 6 因子について,着 物が好きな群(A= 34 名),どちらでもない群(B= 46 名), 好きでない群(C= 8 名)に分けて因子得点の平均値を算出 した.結果を Table 6 に示す. 表に示すように,着物が好きな群(A)は着装願望(F1)が 強いが,非実用性(F2)はあまり重視していないのに対して, 着物を好きでない群(C)は着装願望(F1)がなく,非実用性 (F2)を重視していることがわかった. 着物が好きな群(A),どちらでもない群(B),好きでない 群(C)を比較(t 検定)したところ,「F1 着装願望」の因子で, 1%水準で有意な差が認められ,「F2 非実用性」の因子につ いては,10%水準で有意な差が認められた. 着物が好きな者は好きでない者・どちらでもない者よりも 着装願望が強く,着物を着る機会がもっとほしいし,安けれ ば買いたいと思っていることがわかった.また,着物が好き でない者は好きな者よりも非実用性を重視し,締め付けが苦 しく,重く,疲れると思っていることが推察された. 三野ら[3]は,和服の着用願望の有無が振袖や浴衣のイ メージに与える影響を調べ,「振袖・浴衣ともに,機会があ れば和服を着たいと答えた人ほど,有意に,振袖や浴衣にお しゃれなイメージを持っていた」ことを報告しているが,お しゃれなイメージを持つことは「好き」につながっていると 推察された. また,三野ら[3]は和服着用時の難点について,機会が あれば和服を着たい群(345 名)と着たくない群(32 名)に 分けて比較検討した結果,「着たくない群は着たい群に比べ 窮屈である・息苦しい・重いの 3 項目で有意な差があった」 ことを報告しているが,これらのことは本研究結果とほぼ一 致している. 次いで,成人式がとても必要と回答した群(32 名)とあ まり必要でないと回答した群(11 名)に分けて因子得点の 平均値を算出した.結果を Table 7 に示す. 表に示すように,成人式が必要と回答した群は晴れ着 (F3)としての意識が強く,経済性(F6)を重視しているの に対して,あまり必要でないと回答した群は晴れ着(F3) としての意識が低く,男性評価(F4)も低く,経済性(F6) も重視していないことがわかった. 成人式が必要と回答した群とあまり必要でないと回答した 0.765 0.696 4.737 (47.221) 6.961 (42.483) Ⅳ 0.756 0.519 0.507 7.456 (35.522) 8.211 (28.066) Ⅲ 8.569 (19.855) 0.727 0.662 0.489 0.419 11.286 (11.286) Factor Loadings Proportion(%)

(Cumulative proportion(%)) Question

No.

Table 5 Factor loading of four factor for Conscious.

Ⅱ Factor 0.520 0.449 0.275 Ⅵ Qes 5 Qes 11 Qes 2 Qes 6 Qes 1 Qes 3 Qes 8 Qes 7 Qes 9 Qes 13 0.803 0.681 0.516 Ⅰ 0.876 0.432 Qes 19 Qes 14 Ⅴ Qes 18 Qes 15 Qes 17 Qes 12 Qes 16 − 0.050 Ⅴ − 0.115 Ⅳ Like (A) ** t-Test A/C t-Test A/B Neither (B)

Table 6Comparison of mean factor scores between people who like Kimonos and those who neither like or dislike them.

0.07 0.055 Ⅱ 0.112 ** Factor − 0.198 Ⅰ − 0.162 0.499 ** p < 0.01 − 0.079 Ⅵ − 0.178 − 0.054 0.115 Ⅲ − 0.087 − 0.046 0.186 0.375 − 0.972 dislike (C) 0.127

(7)

群を比較(t 検定)したところ,1%水準で,「F6 経済性」の 因子に有意な差が認められ,「F3 晴れ着」の因子については 5%水準で,「F4 男子評価」の因子では 10%水準で有意な差 が認められた. 成人式がとても必要であると考える者は,あまり必要性を 感じていない者よりも着物は晴れ着としてふさわしい衣装で あり,男子の着物姿も男らしく感じていることがわかった. また,経済的でないと思われている着物もレンタルすると経 済的であると考えていることがわかった.

4.5 女子大学生の成人式と成人式の衣装に対する

意識と被服に対する関心の関係

着物が好きな群とどちらでもない群に分けて,成人式と成 人式の衣装に対する意識と被服に対する関心の関係を明らか にするために,得点間の相関係数(ピアソンの積率相関係数) を求め,相関の高かったものについて重回帰分析を行った. そ の 結 果,着 物 が 好 き な 群 に お い て,「F3 晴 れ 着」= 0.514 ×「成人式必要」− 0.510 ×「18 歳に賛成」+ 0.269 ×「成人式は流行のもの」+ 0.357 ×「同じ格好でないと不 安」+ 0.343 ×「雑誌・メディアを参考」− 0.372 ×「流行 を取り入れる」− 0.210 ×「F2 非実用性」− 2.002 の回帰式 が求められた.重回帰式の当てはまりをみるために,予測値 と残差を求め,実測値と予測値の相関を求めたところ,相関 係数 r = 0.759 で,1%水準で有意であった. 以上の結果から,着物が好きな者は着物を晴れ着として捉 え,成人式にふさわしい衣装であると考えており,成人式は 日本の着物文化を支えるのに必要なものであると推察され た.そして,着物が好きであることが着たいにつながってい ることがわかった. 着物離れを止めるには,学校教育の中で男子も含め,着物 の基本的な着装や縫製を教えるとともに,洋服と同様に着物 にも流行があることやインターネットで予約できる着物のレ ンタル店を話題にしたり,着物姿の感情効果を測定させた り,成人式などの行事と着物を組み合わせて教育するなど, 繰り返し継続して教育することで,着物をより身近なものに 感じ,好きになっていくと考える.

ઇ.結 言

着物離れに対する被服教育を検討する手がかりを得るため に,成人式の衣装が若者の意識にどのような反応を与えてい るかを,男女大学生を対象に調査し,成人式の衣装に対する 意識を把握するとともに意識の差の要因について検討した. 結果は以下の通りである. 1)男女ともに派手な衣装,目立つ衣装への関心が低く,成 人式を 20 歳で行うことについては女子の方が重視して おり,従来どおり,男子はスーツ,女子は着物を着るも のという意識があることが推察された. 2)女子にとって,成人式の振袖は当たり前となっており, 流行の振袖であっても,流行のものを着ているという意 識が薄いことが推察された. 3)成人式の衣装に対する意識の分析に,因子分析を用いた ところ,女子大学生において,「F1 着装願望」,「F2 非 実用性」,「F3 晴れ着」,「F4 男性評価」,「F5 大人」,「F6 経済性」の 6 因子が抽出された. 4)これら 6 因子の因子得点を,着物が好きな群とどちらで もない群で比較したところ,「着装願望」の因子につい てのみ危険率 1%水準で有意な差が認められた.「非実 用性」の因子については 10%水準で有意な差が認めら れた. 5)成人式がとても必要な群とあまり必要でない群を比較し たところ,1%水準で,「経済性」の因子に有意な差が認 められ,「晴れ着」の因子については 5%水準で,「男子 評価」の因子では 10%水準で有意な差が認められた. 6)重回帰分析を行ったところ,着物が好きな群において, 「F3 晴れ着」= 0.514 ×「成人式必要」− 0.510 ×「18 歳に賛成」+ 0.269 ×「成人式は流行のもの」+ 0.357 ×「同じ格好でないと不安」+ 0.343 ×「雑誌・メディ アを参考」− 0.372 ×「流行を取り入れる」− 0.210 × 「F2 非実用性」− 2.002 の回帰式が求められた.

謝 辞

本研究にあたり,ご協力下さいました間町果さん,そして, アンケートにご協力いただきました大学生の皆様に深謝しま す.

References

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[2] Naitou A, Kobayashi S (2002) Jpn. Res. Assn.Text.End-Uses, 43, 6 86 -696

[3] Mitsuno T, Niwa H (2008) Jpn Res Assn Text End-Uses,

49, 793-802

[4] Kamitani A, Ishihara H (2008) Jpn Res Assn Text End-Uses, 49, 871-880

[5] Toizumi Y, Nagai M, Nakagawa S (1990) Journal of Home Economics of Japan, 41, 36 1-368 ** − 0.334 0.276 Ⅵ * − 0.433 0.259 Ⅲ Ⅳ t-Test No Yes

Table 7 Comparison of mean factor scores between people for whom the Coming of Age ceremony is very necessary and those for whom it is not.

− 0.357 Ⅴ 0.079 Ⅱ − 0.104 Factor 0.053 Ⅰ − 0.413 0.094 * p < 0.05 ** p < 0.01 0.010 0.129

Table 1 Comparison of mean score of University Student's Conscious Attitudes towards Coming of Age Ceremony.
Table 3 Comparison of mean score of University Student’s Concern towards Clothing.
Table 6Comparison of mean factor scores between people who like Kimonos and those who neither like or dislike them.
Table 7 Comparison of mean factor scores between people for whom the Coming of Age ceremony is very necessary and those for whom it is not.

参照

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