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歳入における主要区分 決算カードの左側には 歳入の状況 欄があり その区分の列には 地方税に始まり地方債に至る各区分と歳入合計の項があります 歳入とは 単位会計年度 すなわち1 年間における自治体の収入です したがって 歳入合計とは 当該年度に自治体の会計 すなわちいわば お財布 に総額でいくらのお

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Academic year: 2021

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数字

自治体

姿

連載

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一般社団法人 千葉県地方自治研究センター副理事長 法政大学法学部教授 

宮﨑 伸光

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●歳入における主要区分

決算カードの左側には「歳入の状況」欄が あり、その区分の列には、地方税に始まり地 方債に至る各区分と歳入合計の項があります。 歳入とは、単位会計年度、すなわち1年間 における自治体の収入です。したがって、歳 入合計とは、当該年度に自治体の会計、すな わちいわば「お財布」に総額でいくらのお金 が入ったかということになります。 自治体の会計は、当該年度の収入をもって 支出を賄うことが原則です。これを会計年度 独立の原則と呼びます。自治体が担うべき役 割とそれに必要な組織を維持するために要す る経費は、その構成員たる住民が不公平感を 抱くことなく、それぞれの能力に応じて負担 すること(応能負担)で全て賄うことができ れば理想的かもしれませんが、実際にはそう うまくはいきません。そこで各自治体は、さ まざまな経路を経て「活動資金」を集めます。 この「歳入の状況」欄の各区分は、そうした 経路に他なりません。 自治体の姿を掴むためには、この区分の中 で、とくに地方税、地方交付税、国庫支出金・ 都道府県支出金、地方債のそれぞれに注目す る必要があります。 地方税は、自治体が自らの権限において徴 収することができるという意味で自主財源と 呼ばれます。これに対し、国庫支出金や都道 府県支出金は国や県から与えられるという意 味で典型的な依存財源であり、国税の一部が 自治体に交付される地方交付税や自治体の借 金である地方債も国の関与があることなどか ら依存財源に分類されます。 また、地方税には使途に制限がない普通税 と制限がある目的税の双方がありますが、地 方交付税はその使途に制限がなく、自治体が 自由に使うことができるという意味で一般財 源と呼ばれ、国庫支出金・都道府県支出金や 地方債は予め特定された目的以外に使うこと ができないという意味で特定財源と呼ばれま す。 なお、一般に「地方税」とは、市町村税と 道府県税の総称です。道府県税の一部は市町 村に交付されますが、市町村会計の歳入とし ては分けて勘定されますので、市町村の決算 カード「歳入の状況」欄の「地方税」は市町 村税のみを指しています。 自治体の自主財源である地方税については、 自治体の議会によって定められる条例に基づ いて賦課徴収されることが本来のはずですが、 実際には、その多くについて地方税法が、課 すことのできる税の種類(税目)、税の対象(課 税客体)、誰が税を課し(課税主体)、誰が 税を納めるか(納税義務者)、税額算定の基 礎となる対象物件の数量や価格(課税標準)、 税額算定の計算式(税率)などを定めています。 このうち、税額を直接左右する税率につい ては、自治体がそれぞれの条例で具体的に決 めることとされていますが、地方税法には各 税目について、標準税率、制限税率、一定税 率、任意税率の4種類のいずれかが規定され ています。 ここで、標準税率とは、自治体が条例で税 率を決める際に通常よるべきものとされる 税率で、特別の財政上の理由がある場合に は、これと異なる税率を定めることができま す。制限税率とは、標準税率を超えて課税す る場合(超過課税)を含めて、いかなる場合 においても自治体が超えることができない税 率の限度のことです。また、一定税率となる と、自治体はそれ以外の税率を決めることが 許されません。一方、任意税率であれば、自 治体は自由に税率を設定することができます が、これは実例の乏しいものなどに例外的に 存在するだけです。 つまり、重要な税目の税率については、自 治体の条例制定に予め制約が加えられている

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わけです。しばしば「日本の自治体には歳入 の自由がない」と評されます。もちろんそれ は強調された表現で、全く自由がないわけで はありませんが、そういわれる背景にはこう した法律による統制があります。

●市町村税の区分

決算カードの中央部に位置する「市町村税 の状況」欄では、市町村税をさらに細分化し て、それぞれの収入済額、構成比および超過 課税分が記載されています。 そこでは、まず普通税と目的税に大きく2 分され、次にそれぞれの税目が地方税法に規 定されているか否かによって法定普通税・法 定外普通税、法定目的税・法定外目的税に分 けられます。これに旧法による税の項目が加 わり、最下段に合計が記載されます。この合 計金額は「歳入の状況」欄に地方税として区 分されている決算額と一致します。 普通税 法定普通税は、市町村民税、固定資産税、 軽自動車税、市町村たばこ税、鉱産税、特別 土地保有税のそれぞれから成ります。 また、法定外普通税は、決算カードでは一 括して記載されます。 市町村民税は、市町村のいわゆる「住民税」 です。いわば市町村の「会費」ですから、最 も基幹となる税に他なりません。担税能力の ある住民が増えれば税収も伸びますから、自 治体の発展を示すバロメーターと見られるこ ともままあります。税収は、景気動向等に左 右される面もありますが、何よりも国政レベ ルの経済政策の影響を被ります。地方税法に 規定された税率等が変更されると、それによ る変動も避けられません。この税は、1月1日 現在の時点で市町村に住所や事務所、事業所 または家屋敷を有する個人、および市町村内 に事務所または事業所を有する法人に対し て、当該市町村が課税します。個人分の市町 村税は個人均等割と所得割、法人分は法人均 等割と法人税割のそれぞれが課せられ、決算 カードにも分けて記載されます。税率は、国 政レベルの政策により変動を重ねています が、現在の標準税率は個人均等割が年額3,000 円、所得割は前年度所得に対して総合課税分 一律6パーセント、分離課税分一律3パーセ ント、法人均等割が従業者数と資本金等の 額に応じて5万円(50人以下、1000万円以 下)から300万円(50人超、50億円超)まで の9種類、法人税割は一律12.3パーセントで す。なお、個人分の市町村民税に制限税率は なく、法人分の市町村民税均等割の制限税率 は1.2倍、法人税割の制限税率は14.7パーセン トです。 固定資産税は、市町村内にある土地や家屋 および償却資産について、その所有者に対し て当該市町村が課す税です。税額は、3年ご とに実施される評価替えに基づく土地および 家屋の「適性な時価」に標準税率1.4パーセ ントを乗じた金額です。制限税率はありませ ん。この評価替えによる変動があるとはいえ、 非常に安定した税収が見込まれることから、 市町村にとっては、市町村民税と並ぶ基幹税 と位置づけられます。 軽自動車税は、原動機付自転車、軽自動車、 小型特殊自動車および二輪の小型自動車につ いて、その主たる定置場が所在する市町村が、 所有者に対して課す税です。原動機付自転 車(125cc以下)は排気量と2輪か3輪かの別、 軽自動車(660cc以下)と小型特殊自動車は 2輪か3輪かと4輪以上はその用途、および 二輪の小型自動車(250cc超)のそれぞれに 定額(年間1,000円から4,000円)の標準税率 が定められており、制限税率はその1.5倍です。 市町村たばこ税は、売渡し等に係る製造た ばこに対して、小売販売業者の営業所等が所 在する市町村が課す税です。納税義務者は、

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製造たばこにつき、小売販売業者もしくは消 費者等に売渡しをし、または消費等をする製 造たばこの製造者、特定販売業者および卸売 り販売業者とされている間接税です。製造た ばこに関しては、この市町村税の他、国税(国 たばこ税・国たばこ特別税)と道府県税(道 府県たばこ税)も課せられています。 鉱産税は、鉱業権の有無に拘わらず、ガス や石油などの鉱業法上の鉱物を採掘した鉱業 者に対して、鉱物採取の作業所が所在する市 町村が課す税です。税額は、いわゆる山元販 売価格に税率を乗じて決まります。その標 準税率は、1月間に採取される鉱物の価格 が200万円を超える場合は1パーセント、200 万円以下の場合は0.7パーセントです。また、 制限税率は、それぞれ1.2パーセントと0.9パー セントです。 特別土地保有税は、土地の取得や所有に対 して、その土地が所在する市町村が課す税で す。取得についての税額は、土地の取得価額 に3パーセントを乗じた額から不動産取得税 相当額を控じた額です。また、所有について の税額は、土地の取得価額に1.4パーセント を乗じた額から固定資産税相当額を控じた額 で、取得から10年間課税されます。無償もし くは相場よりも低額で取得した土地について は、みなし取得価格によって課税されます。 この税は、もともと土地投機の抑制と土地供 給の促進を目的として1973(昭和48)年度に 導入されたもので、政令指定都市および特別 区の区域では2,000平方メートル、都市計画 区域を有する市町村の区域においては5,000 平方メートル、その他の市町村の区域におい ては10,000平方メートル未満の土地にあって は免税とする制度でした。しかしながら、い わゆるバブル経済崩壊後の土地市場を巡る諸 情勢の変化に応じて、2003(平成15)年度か らは新規の課税が停止されています。 目的税 法定目的税には、入湯税、事業所税、都市 計画税のそれぞれと、水利地益税等としてま とめられる項があります。 また、法定外目的税は、決算カードではや はり一括して記載されます。 入湯税は、鉱泉浴場(温泉法による温泉を 利用する浴場およびそれに類するものも含 む)における入湯行為について、その鉱泉浴 場が所在する市町村が、入浴客に課す税です。 標準税率は、1人1日150円で、環境衛生施設、 鉱泉源の保護管理施設、観光施設および消防 施設、その他消防活動に必要な施設の整備な らびに観光の振興に要する費用に充てられま す。制限税率はありません。 事業所税は、人口30万人以上で政令で指定 する市等(千葉県内では、千葉市、市川市、 船橋市、松戸市、柏市)が、都市環境の整備 および改善に関する事業に要する費用に充て るために、事業所等において事業を行う者に 課す税です。資産割と従業者割に区分され、 前者は事業所床面積1平方メートルあたり600 円(1,000平方メートル以下は免税)、後者は 従業者給与総額に対して100分の0.25を乗じ た金額(100人以下は免税)です。 都市計画税は、都市計画区域を有する市町 村が、原則として市街化区域内の都市および 家屋について、その所有者に課す税です。税 額は、土地または家屋に係る固定資産税と同 じ「適性な時価」に対して制限税率0.3パー セントまでを乗じて計算された金額です。都 市計画法に基づく都市計画事業や土地区画整 理法に基づく土地区画整理事業に要する費用 に充てられます。 水利地益税等には、水利地益税の他、共同 施設税と宅地開発税が含まれます。とはいえ、 水利地益税を課している市町村はごく僅かで 千葉県内にはありませんし、共同施設税は 1972(昭和47)年度以降全国に1例も見られ

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ず、宅地開発税に至っては今日まで実例が全 くありません。いずれも地方税法に規定があ るものの、現在においてはその存在意義自体 が問われています。 このうち水利地益税とは、水利事業や林道 事業あるいは都市計画法に基づいて実施され る事業などでとくに利益を受ける土地や山林 または家屋に対して、当該事業を行う市町村 が課す税です。税額は、利益を受ける土地や 山林または家屋の面積や価格に対して当該市 町村が任意に定める税率を乗じて計算されま す。徴収された税金の使途は、水利事業や林 道事業などに限られます。かつて課税してい た自治体でも、廃止もしくは受益者負担金に 改める方向にあります。 共同施設税とは、共同作業場、共同倉庫、 共同集荷場、汚物処理施設、その他これらに 類する施設を利用することでとくに利益を受 けた者に対して、当該施設を設置した市町村 が課す税です。共同で使用する施設の費用の 一部を受益者に負 担させる目的税で 任意税率ですが、 すでに記したよう に、今日ではこの 税を課す市町村は ありません。 宅地開発税とは、 宅地開発に伴って 必要となる道路や 水路あるいはその 他公共施設の整備 に要する費用を受 益者に負担させる ことを目的とした 税です。いわゆる 宅地開発要綱等に よる開発負担金・ 協力金などで同様 の効果が得られることや煩瑣な手続きが嫌わ れたこともあって、地方税法に任意税率とし て規定されていますが、当初より1つも適用 されていません。 なお市町村税の目的税には、この他に国民 健康保険税があります。しかしながら、国民 健康保険は一般会計ではなく特別会計におい て処理されており、要する費用は保険料とし て徴収している自治体もあって決算カードの 対象となる普通会計から除外されています。 国民健康保険税と保険料の間には、滞納処理 に係る規定以外に実質的な差違はほとんどあ りません。

●千葉県内市町村における地方税

千葉県内の市町村において、地方税、地方 交付税、国庫支出金・都道府県支出金、地方 債のそれぞれが歳入に対してどれぐらいの割 合を占めているかの感じを掴むために【図 31.6 24.8 15.5 6.7 21.5 49.7 4.9 18.3 8.6 18.6 48.7 5.9 18.2 8.5 18.7 地方税 地方交付税 国庫・県支出金 地方債 その他 外輪:市町村単純合計 中輪:市単純合計 内輪:町村単純合計 2009(平成21)年度決算状況調より 単位(%) 【図01】主な歳入構成比

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01】を作成してみました。これは、人口や財 政の規模などの特性を一切考慮に入れず、単 純に千葉県内各自治体のデータを合計して、 5区分の構成比を算出し、グラフにしたもの です。なお、決算カードの区分では別個に扱 われる国庫支出金と都道府県支出金は、ここ では国庫・県支出金としてまとめました。そ れは、市町村会計の歳入において両者は、国・ 県の補助金ないし負担金として同様の性質を 有しているからです。 この図の外側の輪は、市町村の単純合計で すが、地方税、地方交付税、国庫・県支出金 および地方債を合わせると歳出全体の8割強 にまで及ぶことがわかります。 また、この図の中側・市の単純合計と内側・ 町村の単純合計を比べてみると、国庫・県支 出金、地方債およびその他の区分では大きな 違いはないものの、地方税と地方交付税では それぞれの構成比が大きく異なることがわか ります。同時に、それにも拘わらず、市の単 純合計と市町村の単純合計に差が少ないこと から、市に比べて町村の財政の規模が全体と して相当小さいことも伺えます。さらに、町 村部と市部の財政力に格差が大きいことも看 取できます。 次に、【図02】は、千葉県内の各自治体に ついて、それぞれの歳入総額に占める地方税 の割合が高い順に並べたグラフです。 これを見ると、浦安市と袖ケ浦市では6割 を超えていますが、鋸南町や南房総市では2 割に届かないことがわかります。グラフの右 の方に位置している地方税が歳入総額に占め る割合が比較的低い自治体は、独自の財源に 恵まれていないということです。 一方、浦安市と袖ケ浦市は、同じく独自財 源に恵まれているように見えますが、これを 別の面から見ると、両市の財政構造が相当異 なっていることが、見えてきます。 0 10 20 30 40 50 60 70 浦 安 市 袖 ケ 浦 市 市 川 市 船 橋 市 佐 倉 市 富 津 市 君 津 市 松 戸 市 市 原 市 習 志 野 市 流 山 市 我 孫 子 市 柏 市八千 代 市 成 田 市 茂 原 市 白 井 市 野 田 市 千 葉 市 芝 山 町 鎌 ケ 谷 市 木 更 津 市 富 里 市 印 西 市 酒 々 井 町 四 街 道 市 東 金 市 栄 町大網 白 里 町 八 街 市 銚 子 市 館 山 市 一 宮 町 長 生 村 白 子 町 多 古 町 長 柄 町 香 取 市 長 南 町 御 宿 町 神 崎 町 勝 浦 市 九 十 九 里 町 鴨 川 市 東 庄 町 匝 瑳 市 山 武 市 睦 沢 町 旭 市大多 喜 町 横 芝 光 町 い す み 市 鋸 南 町 南 房 総 市 (%) 【図02】歳入総額に占める地方税の割合 2009(平成21)年度

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【図03】は、【図02】において歳入総額に占 める地方税の割合が50パーセントを超えてい る左側15市を抽出し、地方税に占める市町村 民税の比率を横軸、市町村民税の中で個人分 が占める比率と縦軸にとってグラフにまとめ たものです。 この図からは、地方税が歳入総額の過半を 占めるこの15市が、さらに地方税の内訳を見 ると大きく2分されることがわかります。す なわち、地方税の中で市町村民税が50パーセ ント以上を占めている我孫子市から柏市まで の10市と、その割合が40パーセントに満たな い市原市から富津市までの5市のそれぞれで す。 前者の10市は、浦安市を例外として、うち 9市の市町村民税の中で個人分が占める割合 が概ね9割を超えています。すなわち、歳入 の多くがいわゆる個人住民税ということがわ かります。 一方、浦安市と市原市から富津市までの6 市は、市町村民税の中で個人分が占める割合 は85パーセントに届きません。市町村民税は、 個人分の他は法人分ですから、相対的にいわ ゆる法人住民税の割合が高いともいえます。 しかしながら、市原市から富津市までの6市 は、もともと市町村民税の比率が低いわけで すから、地方税には他に重い比重をなす部分 があるはずです。 それを明らかにするのが【図04】です。こ の図は、市町村民税の個人分と固定資産税の それぞれが歳入総額に占める割合を、後者に 前者を積み上げる形で棒グラフにまとめて合 計割合の高い順に並べたものです。 このグラフを見ると、【図03】で市町村民 税の中で個人分が占める割合が比較的低かっ た6市が例外なく固定資産税が大きく歳入に 75 80 85 90 95 100 市 町 村 民 税 の 中 で 個 人 分 が 占 め る 比 率 地方税に占める市町村民税の比率 東葛地区 千葉地区 君津地区 印旛地区 地方税が歳入の過半を占める15市 2009(平成21)年度 我孫子市 流山市 市川市 佐倉市 松戸市 八千代市 習志野市 船橋市 柏市 浦安市 市原市 君津市 成田市 袖ヶ浦市 富津市 (%) (%) 【図03】地方税に占める市町村民税の比率と個人分市町村民税

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寄与していることがわかります。この【図 04】からは、先の6市以外に茂原市と芝山町 も固定資産税が歳入総額に占める割合が高い ことが看取されます。これらの自治体は、大 規模な事業所等の立地やその集積がある程度 具体的に想起できるところです。それぞれ自 治体の財政に大きな影響を与えていることが わかります。 浦安市は、【図03】において例外的な位置 を占めていました。【図04】を見ても固定資 産税ばかりでなく、市町村税個人分も歳入の 大きな割合を占めています。その他市との違 いは、1人あたりの市町村民税個人分を計 算してみるとさらに際立ちます。【図05】は、 計算結果を高額順に並べたグラフです。 浦安市が群を抜いていることは一目瞭然で す。高額所得者が多く居住しているとみてほ ぼ間違いありません。同市には多額の固定資 産税を見込むことができる大型商業施設もあ りますし、法人分の市町村税を含めてバラン スのとれた財政力に恵まれています。【図03】 では我孫子市から柏市までの9市と合わせて 10市を1グループに束ねたうえで、浦安市を 例外としましたが、逆に市原市から富津市ま での5市と浦安市を合わせた6市を1グルー プと束ねたうえで、浦安市が例外として地方 税に占める市町村民税の割合が高いともいえ ます。 末尾に【表01】~【表05】を載せます。 【表01】は、千葉県内市町村の歳入総額と その構成です。この表をもとに【図01】を作 成しました。 【表02】は、市町村歳入総額と地方税と題 していますが、各自治体の地方税に関する基 礎データをまとめた表です。【図02】は、こ 0 10 20 30 40 50 60 浦 安 市 袖 ケ 浦 市 富 津 市 市 川 市 佐 倉 市 船 橋 市 君 津 市 我 孫 子 市 流 山 市 松 戸 市 市 原 市 習 志 野 市 成 田 市 柏 市八千 代 市 茂 原 市 白 井 市 芝 山 町 野 田 市 鎌 ケ 谷 市 酒 々 井 町 富 里 市 四 街 道 市 印 西 市 千 葉 市 木 更 津 市 大 網 白 里 町 栄 町東金 市 八 街 市 一 宮 町 長 生 村 白 子 町 長 柄 町 銚 子 市 館 山 市 御 宿 町 長 南 町 多 古 町 勝 浦 市 香 取 市 九 十 九 里 町 東 庄 町 匝 瑳 市 鴨 川 市 睦 沢 町 神 崎 町 山 武 市 大 多 喜 町 旭 市いす み 市 横 芝 光 町 鋸 南 町 南 房 総 市 市町村民税個人分 固定資産税 (%) 2009(平成21)年度 【図04】市町村民税個人分と固定資産税が歳入総額に占める割合

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【表01】千葉県内市町村の歳入総額とその構成(2009年度) (単位 千円) その他 370,351,652 18.7 348,918,047 18.6 21,433,605 21.5 地方債 167,562,969 8.5 160,906,851 8.6 6,656,118 6.7 国・県支出金 359,141,932 18.2 343,650,381 18.3 15,491,551 15.5 地方交付税 116,850,978 5.9 92,081,105 4.9 24,769,873 24.8 地方税 964,083,320 48.7 932,517,422 49.7 31,565,898 31.6 歳入総額 1,977,990,851 100.0 1,878,073,806 100.0 99,917,045 100.0 市町村単純合計 (%) 市単純合計 (%) 町村単純合計 (%) 0 20000 40000 60000 80000 100000 120000 浦 安 市 市 川 市 習 志 野 市 我 孫 子 市 船 橋 市 柏 市千葉 市 松 戸 市 流 山 市 佐 倉 市 白 井 市 八 千 代 市 印 西 市 四 街 道 市 成 田 市 栄 町鎌ケ 谷 市 市 原 市 君 津 市 酒 々 井 町 袖 ケ 浦 市 木 更 津 市 茂 原 市 富 里 市 野 田 市 大 網 白 里 町 東 金 市 一 宮 町 長 南 町 芝 山 町 長 柄 町 銚 子 市 神 崎 町 八 街 市 富 津 市 睦 沢 町 長 生 村 香 取 市 多 古 町 鴨 川 市 館 山 市 旭 市東庄 町 白 子 町 山 武 市 い す み 市 匝 瑳 市 勝 浦 市 御 宿 町 横 芝 光 町 九 十 九 里 町 大 多 喜 町 南 房 総 市 鋸 南 町 (円) 2009(平成21)年度 【図05】住基人口1人当たりの市町村民税個人分 の表のデータから作成しました。 【表03】は、地方税が歳入の50%を超える 15市について、その率とともに、地方税に占 める市町村民税の比率と市町村民税のうち 個人分の割合を並列した表です。【図03】は、 この表のデータから作図しました。 【表04】は、各自治体の市町村民税個人分 と固定資産税が歳入総額に占める割合を【表 02】から算出し、その合計と併せてまとめた 表です。この表のデータをもとに【図04】を 作成しました。 【表05】は、やはり【表02】から各自治体 の1人当たりの市町村民税個人分を計算して まとめた表です。【図05】はこのデータを並 び替えてグラフで示したものです。 (続く)

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住民基本台帳 登 載 人 口 (2010.03.31人) 461,638 598,213 477,894 155,379 394,188 161,258 134,986 107,314 160,337 932,421 159,880 279,629 188,381 127,904 89,799 49,214 60,788 126,098 175,914 87,626 75,008 87,957 60,334 49,812 21,329 23,150 85,069 6,597 16,275 15,590 70,402 68,955 40,345 59,593 57,730 50,720 18,594 8,007 25,876 93,554 12,492 7,609 14,930 12,685 8,037 9,521 20,882 42,170 10,742 8,041 50,177 36,067 43,424 9,264 うち 固定資産税 26,376,101 34,021,868 23,673,262 9,810,839 23,008,815 8,047,675 6,240,578 4,420,430 18,340,579 65,712,132 9,562,945 24,436,059 10,236,163 6,811,231 9,332,574 5,963,163 8,181,789 18,608,575 8,720,473 3,838,449 2,767,983 7,164,846 3,528,195 2,395,821 1,078,445 918,822 3,871,605 316,594 927,206 649,463 3,530,046 2,835,201 1,702,209 3,082,809 2,585,564 1,982,018 676,224 1,574,711 1,175,738 6,885,951 632,391 370,073 760,389 662,758 715,277 695,618 1,147,349 1,834,449 599,694 564,963 2,578,007 2,107,298 2,026,383 378,700 うち 市町村民税 法人分 3,146,225 4,794,940 3,364,913 1,829,783 3,229,056 689,146 574,438 566,977 3,086,167 16,285,974 1,289,464 2,951,424 1,101,702 1,118,674 1,307,021 412,423 1,019,769 2,115,358 1,132,493 403,594 396,611 900,436 438,028 377,029 95,430 90,926 440,789 132,113 113,401 32,992 567,646 405,397 208,487 460,967 304,394 135,218 57,096 273,963 152,379 705,351 61,974 20,589 55,996 51,504 68,815 66,381 100,628 220,872 72,183 33,974 367,564 285,610 134,234 40,750 うち 市町村民税 個人分 38,617,228 43,092,731 33,846,511 8,333,774 28,288,032 11,401,394 9,811,961 6,432,180 17,239,873 66,438,283 11,983,910 16,558,887 12,467,235 7,056,755 5,037,509 2,199,163 3,406,102 7,810,866 12,266,164 5,658,872 3,358,406 5,710,550 4,090,732 2,698,349 1,195,794 1,388,424 3,772,908 295,613 719,740 647,805 3,191,224 2,914,415 1,647,241 2,941,504 2,384,820 2,664,123 701,308 367,718 984,932 5,095,504 577,148 339,129 665,164 524,278 366,174 438,302 813,325 1,725,779 399,631 312,938 2,175,751 1,583,208 1,564,243 323,821 対歳入総額比 (%) 59.1 58.5 54.8 48.7 53.3 53.7 53.6 47.8 63.0 48.1 53.9 54.7 51.3 46.8 55.1 55.8 62.7 50.2 57.8 43.3 37.0 44.2 48.8 45.4 43.6 38.7 29.8 28.4 31.7 26.0 34.4 24.2 26.0 39.2 24.6 38.5 27.4 48.1 22.1 49.9 33.8 24.5 32.7 32.3 31.7 29.1 28.3 22.0 23.9 28.5 34.3 26.4 14.6 18.8 地方税 77,862,121 94,429,856 68,819,413 22,139,018 63,090,702 22,712,891 18,609,305 13,369,792 39,597,711 172,371,636 25,746,010 49,417,963 27,002,732 17,899,217 17,117,589 8,973,989 13,647,040 29,904,453 24,606,413 11,026,170 7,288,969 15,242,693 9,004,185 6,187,763 2,612,692 2,664,312 9,272,966 795,882 2,052,649 1,426,372 8,365,110 6,987,468 3,863,914 7,435,720 5,707,616 5,076,326 1,571,327 2,314,822 2,521,609 13,932,883 1,348,173 784,960 1,614,293 1,341,124 1,215,197 1,274,884 2,243,380 4,088,971 1,177,758 960,604 6,124,464 4,365,833 4,061,466 812,914 歳入総額 131,668,727 161,379,067 125,646,635 45,493,168 118,260,538 42,334,277 34,746,069 27,969,338 62,846,489 358,020,794 47,759,910 90,288,858 52,682,775 38,267,018 31,056,155 16,072,792 21,756,308 59,561,606 42,536,553 25,460,121 19,694,314 34,518,806 18,440,349 13,630,282 5,992,389 6,881,149 31,126,030 2,803,949 6,467,662 5,484,127 24,334,044 28,878,040 14,877,349 18,963,566 23,210,541 13,192,716 5,740,005 4,811,221 11,415,711 27,924,913 3,989,663 3,201,993 4,936,968 4,152,041 3,839,340 4,384,513 7,926,573 18,616,558 4,917,604 3,372,116 17,833,643 16,522,888 27,768,712 4,333,878 市川市 船橋市 松戸市 野田市 柏市 流山市 我孫子市 鎌ケ谷市 浦安市 千葉市 習志野市 市原市 八千代市 木更津市 君津市 富津市 袖ケ浦市 成田市 佐倉市 四街道市 八街市 印西市 白井市 富里市 酒々井町 栄町 香取市 神崎町 多古町 東庄町 銚子市 旭市 匝瑳市 東金市 山武市 大網白里町 九十九里町 芝山町 横芝光町 茂原市 一宮町 睦沢町 長生村 白子町 長柄町 長南町 勝浦市 いすみ市 大多喜町 御宿町 館山市 鴨川市 南房総市 鋸南町 東葛飾地区 千葉地区 君津地区 印旛地区 香取地区 海匝地区 山武地区 長生地区 夷隅地区 安房地区 【表02】市町村歳入総額と地方税(2009年度) (単位 千円)

(11)

92.5 90.0 91.0 89.8 94.3 94.5 84.8 90.3 84.9 91.9 79.4 84.2 77.0 78.7 91.5 市町村民税 うち個人分比 53.6 50.7 54.1 50.0 53.2 55.8 51.3 51.6 39.5 50.3 37.1 29.1 32.4 33.2 54.5 市町村民税対 地方税比 59.1 58.5 54.8 53.3 53.7 53.6 63.0 53.9 54.7 51.3 55.1 55.8 62.7 50.2 57.8 地方税対歳入 総額比 市川市 船橋市 松戸市 柏市 流山市 我孫子市 浦安市 習志野市 市原市 八千代市 君津市 富津市 袖ケ浦市 成田市 佐倉市 東葛飾地区 千葉地区 君津地区 印旛地区 【表03】  地方税に占める市町村民税の比率と市町村民税のうち個人分の割合  (地方税が歳入の50%を超える15市 2009年度)        (%) 49.4 47.8 45.8 39.9 43.4 45.9 46.2 38.8 56.6 36.9 45.1 45.4 43.1 36.2 46.3 50.8 53.3 44.4 49.3 37.3 31.1 37.3 41.3 37.4 38.0 33.5 24.6 21.8 25.5 23.7 27.6 19.9 22.5 31.8 21.4 35.2 24.0 40.4 18.9 42.9 30.3 22.1 28.9 28.6 28.2 25.9 24.7 19.1 20.3 26.0 26.7 22.3 12.9 16.2 合計 20.0 21.1 18.8 21.6 19.5 19.0 18.0 15.8 29.2 18.4 20.0 27.1 19.4 17.8 30.1 37.1 37.6 31.2 20.5 15.1 14.1 20.8 19.1 17.6 18.0 13.4 12.4 11.3 14.3 11.8 14.5 9.8 11.4 16.3 11.1 15.0 11.8 32.7 10.3 24.7 15.9 11.6 15.4 16.0 18.6 15.9 14.5 9.9 12.2 16.8 14.5 12.8 7.3 8.7 固定資産税 29.3 26.7 26.9 18.3 23.9 26.9 28.2 23.0 27.4 18.6 25.1 18.3 23.7 18.4 16.2 13.7 15.7 13.1 28.8 22.2 17.1 16.5 22.2 19.8 20.0 20.2 12.1 10.5 11.1 11.8 13.1 10.1 11.1 15.5 10.3 20.2 12.2 7.6 8.6 18.2 14.5 10.6 13.5 12.6 9.5 10.0 10.3 9.3 8.1 9.3 12.2 9.6 5.6 7.5 市町村民税 個人分 市川市 船橋市 松戸市 野田市 柏市 流山市 我孫子市 鎌ケ谷市 浦安市 千葉市 習志野市 市原市 八千代市 木更津市 君津市 富津市 袖ケ浦市 成田市 佐倉市 四街道市 八街市 印西市 白井市 富里市 酒々井町 栄町 香取市 神崎町 多古町 東庄町 銚子市 旭市 匝瑳市 東金市 山武市 大網白里町 九十九里町 芝山町 横芝光町 茂原市 一宮町 睦沢町 長生村 白子町 長柄町 長南町 勝浦市 いすみ市 大多喜町 御宿町 館山市 鴨川市 南房総市 鋸南町 東葛飾地区 千葉地区 君津地区 印旛地区 香取地区 海匝地区 山武地区 長生地区 夷隅地区 安房地区 【表04】  市町村民税個人分と固定資産税が歳入総額に占める割合  (2009年度)             (%)

(12)

【表05】1人当たりの市町村民税個人分(2009年度末住民基本台帳人口基準)(円) 市町村民税個人分/人 83,653 72,036 70,824 53,635 71,763 70,703 72,689 59,938 107,523 71,254 74,956 59,217 66,181 55,172 56,098 44,686 56,032 61,943 69,728 64,580 44,774 64,924 67,801 54,171 56,064 59,975 44,351 44,810 44,224 41,553 45,329 42,265 40,829 49,360 41,310 52,526 37,717 45,925 38,064 54,466 46,201 44,569 44,552 41,331 45,561 46,035 38,949 40,924 37,203 38,918 43,362 43,896 36,023 34,955 市川市 船橋市 松戸市 野田市 柏市 流山市 我孫子市 鎌ケ谷市 浦安市 千葉市 習志野市 市原市 八千代市 木更津市 君津市 富津市 袖ケ浦市 成田市 佐倉市 四街道市 八街市 印西市 白井市 富里市 酒々井町 栄町 香取市 神崎町 多古町 東庄町 銚子市 旭市 匝瑳市 東金市 山武市 大網白里町 九十九里町 芝山町 横芝光町 茂原市 一宮町 睦沢町 長生村 白子町 長柄町 長南町 勝浦市 いすみ市 大多喜町 御宿町 館山市 鴨川市 南房総市 鋸南町 東葛飾地区 千葉地区 君津地区 印旛地区 香取地区 海匝地区 山武地区 長生地区 夷隅地区 安房地区

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