一103一
新潟県の郷土食に関する研究(第12報)
ささもちについて
渋谷歌子,本間伸夫,石原和夫,佐藤恵美子
Foods and Meals Niigata Prefecture (XII)
"Sasa‑mochi"
Utako Shibuya, Nobuo Honma, Kazuo Ishihara, Emiko Sato
1 緒 言
前報工)により行事食中もち類(白もち,ささもち,あられかたもち,おはぎ,ぼたもち)などの占 める割合が38%であり,その重要性が窺われた。そのうちのささもちは3. 6%であり,全県的には数 の上からは多くはないが,地域によりささだんご,ちまきなどと並び伝統的行事食として作り伝えら れていることが明らかになった。そして興昧あることはささだんごは下,中越に集中して作られてい るのに対し,上越では殆んど作られておらず,これに代るものとしてささもちがあり,中越ではささ だんごと共にその味を楽しみ,下越では全く作られていないなど,ささだんごと対照的な特殊性が強 く出ていることである。従って本報ではこのささもちを対象に上,中越を中心にアソケート調査を行 なったので,.その結果について報告する。
皿 調 査 方 法
1.アンケートによる実態調査
本学食物専攻学生中,上,中越出身者を通し,その地域に居住する人にアンケートを依頼した。
アンケートのi査項目はささもちの認識,家庭の作成実態状況,及びささもちに対する意識などで ある。調査時期は昭和55年8〜9月対象者の年令,職業などの指定は特にしなかった。
2 文献による調査
一一 鰍盾S一 県立新潟女子短期大学研究紀要 第18集 1981
住 所 表1一昭和55年「ささもち」に関するアンケート
氏 名 年令 職業 家族状況
「ささもち」は「ささだんご」と共に郷土食を彩る貴重な食べものですが、現在家庭ではどのようにして 作られているのか調べてみたいと思います。誠にお手数をおかけ致しますが、下記の各項目の該当ヶ所 を○で囲んで下さいますようお願い致します。
1[1、ささもちの入手方法 皿.市販品を買う場合 11.ささも ソを知っていますか? はい いいえ
2.ささもちはどういうものですか?
3.別呼名があったらご記入下さい
1,家で作る 2,市販品を買う 3.入から貰う
4.以前( 年前位)作ったが 今は買う
5.家で作る場合も買う場合もあ る
買ラ理由
ユ、作るのが面倒 2.作り方を知らない 3.手軽で訟いしい 4.いつでも買える
5.1回に買う量 ケ 6.どういう時に買いますか 祭り 節句 お祝い 7.不 定 期
8.そ の 他 W.寡庭で作られる方(過去、現在)にご記入願います
項 目 該当ヶ所を○で囲んで下さい
ユ.いつ頃作りますか 月{列、 1.2、3.4. 5.6.7.8. 9.10.11.12.
@ 季節を問わず その他
2.どういう時に作りますか R.1年に何回作りますか
@ 圓
行事、正月、小正月、天神講、節分、初午、十二講、ひな祭り、彼岸、
@ 花祭り、田植え、端午節句、七夕、うら盆、十五夜、秋の彼岸、
@ 刈上げ、大師講、クリスマス、大晦日、その他 祭り、春、夏、秋、運動会、その他
祝い、結婚祝、出産祝い、仏事、その他 4.1回に何ヶ位作りますヵ・ 30ヶ以下、30〜50、50〜70、70〜IOO、100以上
米もちの場合 もち米、 うるち米、 雑穀類(名前記入
P5.もち 粉もちの場合 もち米粉、・うるち米粉、 雑穀粉類(名前記入
まぜもの よもぎ、ごぼうば、砂糖、その他
看 入れる場合 粒あん、こしあん、金平ごぼう、合せみそ、その他 6.飴 かける場合 きなこ、あん、糖みつ、しょうゆあん、ごまだれ、その他
そ の 他
17・掲き方米もちの場合 機械で掲く きねで禍く 8.こね方 粉もちの場合 機械で猫く 手でこねる
9.粉
@も@ち
@につ
@ ギ
ω粉の合せ方
うるち米粉 0 30 50 70ユOO
@ 対 ・ …
烽ソ米粉・10070 5030 0
〔2減形の仕方 (イ)加熱してから成形する (ロ)成形してから加熱する
i (3}加 熱 {イ)蒸 す 1切ゆでる
新潟県の郷土食に開する研究(第12報) 一105一
10.笹の包み方
@新笹、古笹、ビニール笹
(イ)1枚の笹で被う
汲Q枚の笹ですっかり被う 汲サの他の葉で被う(名前記入)
11.何日位まで食べますか 2〜3日、 1週間以内 一 一
12.保 存 期 問
@保 存 方 法
3日以内 1週間以内 1週間以上 妺キ 冷蔵 冷凍 その他 13.知 入 に 送 る 送る 送らない その他
14.家で作る理由 楽しい、習慣、経済的、伝統的のものを残したい、おいしい、その他
15.これからも作りたいですか 作りたい 作らない どちらともいえない
V.ささもちはささだんごに比ぺてどう思いますか ささだんごよりも 好き 嫌い おいしい まつい 好き又は嫌いの理由
作り方が簡単又は面倒 食べない 食ぺる
班.ささもち以外のもち類がありましたら書いて下さい
、名 前 作り方(簡単に書いて下たい) 備 考
皿.その他の項
一106一 県立新潟女子短期大学研究紀要 第18集 1981
IH 調査結果及び考察
1. 回答者の地域分布
表2及び図1に示す如く回答者数41名中,上越地区21名(専農15,非農6),申越地区20名(専農 11,非農9)である。
轟岡
中頚
図1 回答者の分布
2 ささもちの認識について
「ささもちを知っていますか」という初めの問いに対し100 %の知悉を得たが、「どのようなも⑱ ですか」という県体的な認識については表3に示すように16例の回答を得た。これによると,a〜h のように形はいろいろあっても米を揚いて餅を指すささもちは41名(100 %)であり,その他に米粉
新潟県の郷土食に開する疏究(第12報) 一107一
表2 アンケート回答者数
地 域 区 分 回 答 者数(人)
上 越
中
越
東中上 頸越計
〃
城
市
刈柏長栃 島羽崎岡尾計 郡郡市市市
総 計
9臼0副ハU−占 −凸ウ召 42392几り 2
1 4
をこねて作るだんご状のものももちと称している人が13名いる。又o,Pのようなチマキもこの範中 1に入れている人も2名いるなど多様である。 文献2)によると「オニノベロ」といって田植えの終る日 に普通の餅を楕円形にのばし表,裏から笹の葉に包んだものを子供が呼んでいる所から付けられた名 前もある。また東蒲原地方では,なたの形の団子を作り笹の葉に包んだものを「ナタモチ」と呼んで いる所もある。また全国的にば鳥取県の笹巻きもち(別名笹まき)が名産物として知られている3)。
それは端午の節句に作る米粉もちであり,うるち米粉7に対しもち米粉3の割合で混合し,砂糖,水 を加えてこね合せ平らな楕円形(形は家により異なる)に作り笹の若葉に包んで蒸すというものであ る。また平均的チvキの変形とみられる島根梁の笹巻きもち1(半夏生といって夏至から11目目に作 る)や山形,秋田地方に作る笹まきなど有名である4)。従ってささもちは餅と団子と綜の3つの解釈 が成り立つことも考えられるが,本調査でも餅(米ささもち)と団子(粉ささもち)をささもちと呼 んでいることが分った。更に包あんの有無,笹の用い方など地域,家庭に特徴がみられるのも興味深 い。本来のささもちの姿はもちそのものを笹1枚で挾み,2枚用いる時は上下にもちを挾むか,十文 字に包むものであると思われるが,中にあんが入っている場合の目印として2枚用いるなど使い分け ている家庭もある。
3. ささもちの入手方法
表4に示す如く上,中越とも57%の入が手作りの味を楽しんでおり,次いで人から貰うというのも あり手作りの贈答品としての役割も:果している。中越では時に応じ笹だんごと共に作り,市販品を買
うことは少ない。しかし買う場合の理由として手軽にいつでも手に入るという得やすさからH常にお いても食べられており,手作り離れは前報5)の笹だんごと同様の傾向がみられるe
県立新潟女手短期大学研究紀要 第19集 1981 罷≡1彦言一
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…
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嘉
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嘉
栄
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掴 岳一鞍 明
皿
謹麗§・緯 尋 煙 轍 興竃
新潟県の郷土食に関する研究(第12報)
表4ささもちの入手方法
一109一
地域別 上 越 中 越 総
計
項 目 \実 数1% 実 数一1% 実 数1 %
3,入手方法
家で作る ・61 57・・1 ・21 5川 281 57. 1
市販品買う 2 7・・1
3 ・4・・31 5 10. 2
人から貰う ・・1 35・・71 3 ・4・・31 ・3i、26・・5
以前作って・州 0 0 3 ・4・・31 3 6.ユ
4. 市販品を買う人の場合
理 ① 作るのが面倒 0 。1 31 33.3 31 2Z3
② 手軽でおいい 1 ⑪1 ・1 21 2a21 21 18.2
由
③ いつでも買える 1 2{ ⑪} 41 4生4i 61 54.5
買い方 ①どういう時に買うかi 0 ・陣句・i ・4・・31 1 12.5
② 不定期に買う 1 O 6 85・・7i 7 87. 5
表5家庭における実施状況
{1)作る月別
(2)年間作る 回数
(3) f乍る時…期
{4) 1回tこf/F
る個数
4月 5 6 7 8 9 10 11 季節を問わず
き:11 回
月り岸植句盆夜夕げ祭祭祭瞭樋ら至祝
正ひ彼田端う十七刈春夏秋
30以下30 〜』5⑪ 5⑪ 〜 70 70 〜ユoo
100以上
上 越
実数1% 1 1367631210−山ワー4ウμ戸U5五丁噌⊥0010871231601 ¶よ﹂蛙− 753572520 74647616
50.0 40.0 10.0
5⑪⑪550550 50025072572502 り自り白−⊥ ¶⊥
5.0 35.⑪ 20. O lO. 0
30.O
中
越
実 数1%
2374710034ワ811⊥−⊥ 21178600032115439臼り畠
7.4 11.1 25.9 14,8 25.9 3.7⑪
0
11.1 43.8 53.1 3、1
311908 43116331580009633 2り︼−
31.3 25.0 18.8 12、5
12. 5
総
計
実 数1%
594002213 9畠﹁⊥吋⊥91占21占9臼 2127631234812 1占−←−占ρり可⊥ワー4R︾ 1
7.6 13.6 36.4
152
15.2 3.0 3.0 1.5 4.6
ワ一nU8
置﹂ハU且=45 84862148261482123281245112 2ウ臼−占 −占
16. 7
30.6 19.4 11.王 22. 2
一ヱiO一 県立新潟女子短期大学研究紀要 第工8集 1981
4. 家庭における実施状況
表5にささもちを作る月,及び行瑛と年間作成回数,1回に作る個数を示した。
作る月別では12〜4月は全くみられず,両地域とも新笹が出初める6月に最も多く次いで5,7月 が続いている。行事では田植えの後のさなぶり祝い,及び月後れの端午の節句に最も多く作られ,次 いでうら盆,夏祭りに作られる頻度が高い。また生活改善普及員の53年度の生活行事実施調査による と端午の節句はささもちは上越に限られ,中越その他の地域は笹だんごとチマキ,佐渡はチマキのみ で,「はっさくのついたち」に新潟に一部,うら盆では中越,魚沼にささもちが作られているといわ れる。ささもちのおいしさを決するのは何といっても新笹の香りと新鮮な緑の色にあるが,新笹は隈 笹の若葉を採取することから,時期的には端午の節旬や田植えの頃は古笹を用い,月後れの端午の節 句を祝う地域はそろそろ新笹を用い,本格的には7月以降の行事に香り高いささもちが賞味されるよ
うである。また収穫時期に若葉を採取して乾燥し,年間用いることが一般に行われている。年間ささ もちはユ〜3回が多く,1回に作る量は30〜50ケが最も多いことが認められた。
5.米(掲き〉ささもちの作り方
表6は米ささもちの作り方を個人別に検討したものである。
原料米は全員がもち米loe%であり,折に応じてよもぎ,ごぼうば,しそなどを掲きまぜる地方と して中越にみられ,季節感や変った味を楽しんでいることが窺われる。また個人別のささもちに対す る認識を表3より引用し付記した。次に表?Aに地域別のささもち製造各段階の実施比率を示した。
掲き方からその差がみられるが,家庭用もち携き機の普及もあってか,機械揚きが上越に多くある が,やはり昔ながらのきね揚きも根強く行われており,中越では半数がその伝統を受けついでいる。
次の包あんは上,中越とも85%以上があんを入れており,本来の白もちのものは少ない。あんの種類 も地域性があって興味深い。即ち粒あんは上越では29%近くあるが,過半数はこしあんであり,中越 は100%こしあんで粒あんは皆無である。特長ある食ぺ方はきなこをかけて食ぺることであり,上,
中越とも過半数を占めている。笹の用い方も地域性が出ており,上越では1枚又は2枚をもちに挾む 形で用いられ,申越では殆んど2枚を十文字に包む方法が行われているのも面白い。個人別のささも
ちに対する認識を表3より転記した。
6. 粉(こね)ささもちの作り方
裏8は価入別に示したものであるが,いわゆる「だんご」に属するものであり,本来のささもちと は異なるものと思われる。
しかし実施家庭が意外に多く,米ささもちと共に作っている人が上越では33%o,中越では3896もい ることが認められた。この製造段階の実施比率を表7のBに示す如く,粉の配合はうるち米粉30対 もち米粉7eが半数以上を占めており,次いでもち米粉100%,更にうるち米粉70対もち米粉30が続 くeこね方は多くは手ごねであり,その後の整形を加熱の前か後かに行うにより順序は違ってくる。
しかし大半は整形後包あんし,笹に包んで蒸す方法が行われている。あんの種類,笹の用い方は米さ きもちと同じ傾向である。その他みょうがの葉,柏の葉,塩漬桜の葉も少数用いられ,上越市の回答
一111一
新潟県の郷土食に関する研究(第12報)
唱
9
口
嬉
亀
口
唱
聲
口
唱
口
、
⇔
、
、
口
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砺 唱
噌
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口
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OO OO OO OO OO OO OO OO O OO OO OO OO OO OO O0 OO OO 00 0O OO
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県立新潟女子短期大学研究紀要 第18集 1981
一1ヱ2一
覇噸欄判繋田
碍巽潔猟e避謎即期鎖櫛強粗判﹄榔 判噸相紺来q
上
新茜県の郷土食に関する研究(第12報)
表8 粉(こね)ささもちの作り方
越 中 越
一113一
中 頸 城 上越市
番号317」8igi…61・7
三島郡 刈羽郡 柏崎長岡 栃尾 2212326 1 2729373914・
総 計
上越 7 うるlミ糟ぎδ粉1・1
中越 8
{・H }Ol 1011Ql 2!3
30 7。回Olol。冒○目Ol 1・ll・H・1514
50 5・1 1 101 ︷
・1エ
70 3。1 }1・1・1 21・
こね方整形包あん
笹
その他の葉加熱法
手ごね1・1・1・1・ll・1・1・1・1。1・1・{・1・回618
機 械
1・{1 ・1。
力曜蝪整形1 101 1 lol 10101
212
整形場加熱1・・ll・i・1・ll・1 1・1・1・1。1・1516
粒あん1回○目 1 21。
こしあん1・1・11・1・1・1・1・1・1・1・回・1・i・1618
・ 枚ll。回olO回01
61・
2 枚1010101 1011010iOlOloiolOlO【418
み・うが喋1 1 回 工
かしわの葉1 日1 1・1 1
轍桜の葉1 口1 101 1
蒸 す1・i・1・1・1・1・i・1・1・1・1・il・ll・1716
ゆでる1 i }・H・i 2
表9 食用期間,保存及び知人送付について
数1
越% 越中 %
数
総 計
実数1%
(1)食用期間
(2)保存期間
(3)保存方法
{4)知人に送 るか否か
2..3副 6
1週間以内1 14
30.⑪ 12 57.11 18 43.9
70.0 9
8{42,142.91 23 56.1 3日以剛 6
1週間以内1 10
31、6 14 35. 9
52.6 王1 57. 9 22 56. 4
1週間LJ,上1 3
常 温1 10 15.8 050.、Ol エ3
⑪ 3 7.7
65.O 23 57.5
冷 蔵1 8
冷 副 2
送 る1 14
40.0
10.、ol
6 30』 14 35.0
1 5. e 3 7.5
7e..ol 8 哩2.1 22 56.4 送らない1 6 30.⑪ 工1 57. 9 17 43. 6
一114一 県立新潟女子短期大学研究紀要 第18集 198工
表10 ささもちに対する意識調査
\ L\㌦㌔、 上 越 中
越 総 計
11、.
?@目 \
̲1突数1
% 実数1 % 実数1 %家でf/Fる」,里由
これからも 作りたいか
笹だんごに 比べてどう 思うか
楽 し い 習 盲﹁恒 経 済 的 伝統的のもの を残したい おい しい 作 りたい
作らない
わからない
2 15 o 6 7 16 0 5
好 き
き ら い おい しい ま ず い 作り方が簡単
〃 画倒
7 3 6 0 12 0
6.7 5
50. 0 8
o 1
20.0 0
23.3 10
76、 2 12
o 1
23.8 5
25. 0 4
10. 7 4
2Z.4 5
0 2
42.9 7
20,8 7
33.3 23
4,2 1
o 6
41, 7 17
66.7 28
5.6
︑
1
27.8 10
17.4 11
17.4 7
21,7 11
8.7 2
30.4 19
o 1 4.3 1
13.0 42.6 1.9
11、1 31.5 71.8 2.6 25.6
具体釣意見
21.6 13.7 21.6 3.9
37.3 2.0
{1)笹の葉の香りがよくて好き(中頸1,上越市1,長岡1,栃尾1)
{2)すぐに固くなってしまう(長岡)
(3}ささもちなりのおいしさがあるので比較はむつかしい,もちだけで作るので 飽きやすい(柏崎2)
{4)ささだんごに比べて早くかびが生える(刈羽郡1)
(5) 昧気なし、 (三…三島君匡1)
(6) もちは好きでない(≡三島郡1)
⑦ 腹にもたれる(三島郡1)
(8)ねばりがあっておいしい(申頸誠)
⑨畏持ちする 色々に使える(上越市2)
⑩ ささだんご程簡単に買えない,売っている所が少ないから(上越市1)
⑪ 子供が興味を示さない
⑫ 食べる時期が違うので比較出来ない,両方好き(東頸城1)
者の中には夏の粕の葉は固く色づぎやすいため,みょうがの葉に包むというのもある。最後に加熱で あるが蒸す方法が100%近くを占め,中にはゆでる人もいるがベタベタして取扱いにくいなどであま
り行なわれていないようである。
7.食用期間及び保存方法
亥9に示す如く殆んど1週間以内に食するが,夏に作る場合が多いため3日以内というのも多い。
従って保存方法も常温という人が半数以上あるが,冷蔵が35%を占め,冷凍も僅かにみられる。この
新潟県の郷土食に関する研究(第工2報) 一ヱ15一
ように保存も利くので知人に送る者56%を占め,前報の笹だんごの60%に匹敵し,故郷の香りを送る 人の心情がしのばれる。
8. ささもちに対する意識調査
表10に示す如く家で作る理由としては上越では習慣だからに,伝統的のものを残したいなどを加え ると70%の人が伝承を受けついでいることが分る。しかし中越では楽しいから,おいしいからなどと いう人が60%を超え,現実的であることも推察される。これからも作りたいという人が上,中越で70
%を占め,将来も手作りのささもちはしっかりと根を下すものと思われる。しかし分らないという人 も25%もいることは気がかりなことである。最後に笹だんごに比べてどう思うかという問いに対して は具体的意見も含めて作り方が簡単というのが37%,好き及びおいしいものが47%oもあり,総じて好 評であるが,それぞれの良さがあるので比較出来ないという意見もうなつかれる。
要
約
上越及び中越地方と,下越地方を二分して作られているささもちについてアソケート調査を行なっ てその実態を調査した結果を報告する。
1) ささもちの認識は米ささもちを指している人41名の全員であり,また,粉ささもちをも指して いる人は14名あり,判然とした区別はしていないようである。
2) ささもちの家庭における実施状況は上,中越とも半数以上が作っており,今後も手作りをした いという希望の人が70%以上もいることから伝統は受け継がれていくものと思う。
3)作り方の特微は包あんの有無,あんの種類・笹の用い方などに地域的な特徴がみられた。
稿を終るに臨み,本調査にご回答を寄せられた方々や食物科在学生の皆様に感謝申し上げます。
文
献
1) 本間,渋谷,石原,佐藤(恵),県立新潟女子短大紀要 N〔}・17・P129(工979)
2) 柳田国男:分類食物習俗語彙,角川書店,東京(197の 3) 日本の味:魚菜と郷土料理,朝日新聞社(昭和53年)
4) 万右百科事典:小学館東京(1975)
5)渋谷,本間,石原,佐藤(恵)県立新潟女子短大紀要:No・ 16, P 146(1979)
(1981年1月9日 受理)