• 検索結果がありません。

お日さまの光は、あなたたちのごはんなの

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "お日さまの光は、あなたたちのごはんなの"

Copied!
20
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

文 ・ た け う ち す み と

絵・うえもと いさむ

(2)

「おきなさい、おきなさい。春ですよ。 J

やさしい声が聞こえてきます。

ブナのお母さんがブナの赤ちゃんを

かあ

お乙しているのです。

その這によばれて、さいしょに目をさましたのは、ブーナンでした

O

「うーん、よーいしょ。」

ひ か り す こ おお

ブーナンは、お日さまの光を少しでも多くあびようと、

一生けんめい、せのびをしています。

ひろ ひかり

「そうよ、ブーナン。はつばを広げなさい。お日さまの光は、あなたたちのごはんなの。

いっぱいあびて、早く大きくなりなさい。」

ぉ議さんにはげまされて、ブーナンは、ますますがんばります。

(3)

; ザ

ミ ミ

1'(

1 1  

~江

『とー『、、ζ

::s‑

喝容

、~

¥¥ 

h

‑、、

ミp

‑ー・圃・h、、

『 ・ ‑

、 、 、 、 ‑ ‑

9一、、、

は る

春 の 森 は 、 と て も に ぎ や か

0

冬みんしていたと うぶったちが、おき出してきます。

とう

山さいをとりに、ふもとの村人もやってきます。

「お話さん、森がにぎやかで、なんだかうれしいね。 」

「ほんとね。ここには、みんながあつまってくるの。

人もどうぶつも虫も。

コケやきのこやいろんなしょくぶつもよ。 j

「ヘぇ 。どうして ? J

「そのうち、あなたにも分かるわ

。 ほら、だれか来たみたいよ 。 」

(4)

、 ー と さ

5 5  

ほんとうだ!

おや

豆みんかうさめたばかりのクマの親子が、こっちにやってきます。

「きみは、だれ ? J

ブーナンは、聞きました。

「そうか。ぼくも今年うまれたばっかりなんだ。

おな

同じだね。 J

おな

同い年の二人は、すぐになかよくなりました 。

, 

(5)

夏 。 ブーナンは、ちょっとだけ、せがのびました。

でも、まわりの草や木の方が、

す、っとす、っと早く大きくなります。

お日さまの光が、あびられなくて、

ひかり

ブーナンは、だんだん元気がなくなってきました。

げん

「ブーナン、がんばりなさい。

まわりの草のすき聞か 5 こぼれる お日さまの光をひろうのよ。 j

かあ こえ とお

お母さんのはげます声が、だんだん遠くなります 。

(6)

JO 

「おーい、ブーナン!どこだあ?リ

クータンの声です!

クータンが、草をかき分けてやってきました

「だいじようぶか?今、たすけてやるからなリ

かうだ たか たいあ

クータンは、小さい体で、せの高い草たちに体当たり

O

そして、ブーナンに日が当たるようにしてくれました 。

「ありがとう、クータン!ありがとうリ

おも

ブーナンは、思い切りせのびをしました。

(7)

/二

τ

秋 。 森は赤や舗に道づいて、だれかが会のぐで絵をかいたみたい。

「お母さん、きれいだね 。 でも、何だか、みんないそがしそうだよ

なん

。 」

f f h

~ ι 4 与 , Z

Q

t

〆 二

~--

e / ケ

~

‑ "  < < ' " '   ; :  

.

v

r ‑ ‑

ラ:::.‑

「そうよ。冬が来る前に、たくさんごはんを 食べておかなければな 5 ないでしょ。

だか 5 、みんな、いそがしいのよ。」

(8)

川可制什'剛︿ UJmw'NUJ 叫門市'什乞山剛刊日肖パ U

J

パ州叩叫川寸汗 o

uwuN ︐川 SUN ld o

N ︐│一 pu ーヰビ州国パ'

﹁ ψlFo 樹︑ c 川河 σ 句乞戸︑‑洲・・ ψC 守釘乞一斗代'

MWλmw苫創刊 ud 釘サ

訪信号泣叫乞河 Nud 切'跡︑んパ知事

n

ψNud 針︒﹂什・世

J

叫川{に汗

o

、 、

(9)

クータンが、走ってきました!

「だめだよ、だめだよ。

ぼくのともだちを食べないでリ

た い あ

クータンは、ズーに体当たり

O

ズーは、ぴょこぴょこにげていきました。

「ありがとう、クータン!ありがとうリ

ブーナンは、あぶないところでたすかりました 。

「でも、クータン、ぼくは、いつつもきみにたすけても 5 ってばっかりだね。

ぼくは、ともだちのきみに何もしてあげ 5 れないんだ。 j

ブーナンは、しょんぼりして言いました 。 すると、クータンは、

「なに言ってるんだい。

どうしてこの森にみんなあつまってくるのか、知 5 ないのかい ? J

(10)

, 

クータンは、お母さんに教えてもらった話を ブーナンに教えてあげました 。

「あと 200 年くらいたって、

ブーナンが、ブーナンのお母さんく 5 い 大きくなったらね、

森のまもりがみつて、

言われるようになるんだって

O

ほう、この森の地めんはふか J 3 ¥ かだよね

O

それは、きみたちがおとしてくれたおちぱが、

つもっているからなんだって。

おちぱが、スポンジのように水を ためてくれるか 5 、

大雨がふっても、土がながれないし、

あちとちにわき水がわいてくるんだよ。 J

(11)

~

,  〉 ' 乙 ¢ ι

ラ 1 〆 '

) 弓

C¥ r r r  

, c r ¥  

c'  e

r‑

モ之

LbUC 

「まだあるよ。

との森では、

空気がひんやりして、

しんこきゅうすると 気もちいい!

それは、きみたちが

お日さまの力をも 5 って、

よごれた空気を

きれいにしてくれてる か 5 なんだって。」

(12)

「まだまだ、あるよ。

r

干 、 守 、

きみたちは、川を通してえいようたっぷりの 水を田んぼやはたけにおくってるんだって。

この前、山さいをとりにきたふもとの 村のおじさんが、そう話してた。

おいしいお米ができるのも、

きみたちのおかげなんだってさ。 j

、 イ キ ヘ 、

ヘ ー ち プヴろ.コ,.~ .~九

f ‑JJ 1 1 J b

v

入 う

'rr

」 、ー、

~ " . . , ¥ , 円

v ぷ 〆

ノ'

g  1 1  

(13)

J , 、

‑ f ' J v  

rh ム γ

一 三 / m r

そ / C

h p

グ 汁

4 y

f 二 一 7

九 州 メ 旬

︑ f l wi

b ‑

p r

l ド E

t v

M M ﹁

胃 ︑

' 畑

1.

引 っ ︐

ス ご

/ l r

‑ L J

戸 川

︑ 砂 / 仏

J ﹄J

F

勺︺

U V ゾ

J

ι 

二 〉 ニ¥

ー ‑ ‑ , r ‑ , : 7 フ

γ

三 / 々

P

Z

ι ノデぅ 2P47 1 t  

/  ~

u‑

¥ )  

ブーナンは、びっくりしましたが、

うれしくなって言いました。

「そうか。じゃあ、ぼく、早く大きくなるよ。

それで、クータンにおんがえしする!

それまで楽しみにまっててよリ

クータンは、にっこりわ 5 いました。

l

l r  

/ 〆

‑ 司... 

・ ‑

S ゐ

¥ 

、 ¥ ー

¥  ¥ 

ヘ ¥ 

、 、

~

味〆》

雪、、 .

_\(~~ミミ

A , . ' 、 . ‑ r ‑ : : : ー

l

一一、九 芳三三ぷ‑ ¥1    .  . . . . ; . .   : : : : : ‑ ‑ 官 、

.;;

2; 

~

(

J 三ご、道色で広三ー、 A d ¥

七三妄信三三寸込 ; LL さ 追 を f

ロミ輔がシ~ 2C

g  g 

(14)

森に、はつ雪がふりました。

これからさむくてきびしいきせつが、はじまります 。 クータンが、やってきて言いました。

i~\ ゆ あいだ

「これか 5 冬の問、ぼく 5 はおうちか 5 出 5 れないんだ。」

とう あいだ

「そうか、冬みんするんだね。 し l まうくの問、おわかれだね。 」

げん

「ブーナン、元気でね。 J

「うん、がんばるよ 。クータンも元気でね。

げん

話 "~

4

L  C ‑ ' "  

グ グ

ぷ〉

?"  Y ρ

/

t/ 

6

U J  

ζ〉

4

¥ ¥ L  

ζ ι  

~

c : . フ 。 c "  

e.

4

0 U

乙ノ

t : ?  

C; CI  C 

?‑

ρ 

u v 

ρ o  

r u  

? v 

t

  ... 

c  L 

L

ジ〆

冬の森は、しんしんと、基がふりつもり、

つめたい風が、びゅーぴゅーと、ふきあれます。

でも、ブーナンは、じっとがまんして、

ふんぱっています。

(15)

ひかり

お日さまの光が、だんだんあたたかくなって、

やっと森に春が来ました。

「ブーナン、よくがんばったわね。

春が来たわよ。」

お母さんの声が、聞こえてきます

かあ

そこに、ねぼけた顔をして、クータンが、

やってきて言いました 。

げん 13¥

「元気だったかい?冬はつ 5 かっただろう ? J

「へい気さ。

クータンは、まだねむそうだね。」

「うん。でもおなかがすいちゃったな 。 いっぱいごはんを食べるぞ一。 J

「ぼくもお日さまをたくさんあびるぞ一 。 」 冬をこして、

二人は、少したくましくなりました。

す こ

(16)

d

何回も何回も、こうしていっしょに春をむかえて、

クータンは、おじいちゃんクマに、

ブーナンは、わか木になりました。

(17)

‑・・

‑ 、 ‑

ー ‑

そして、ある春。

クータンは、冬みんしたままおきてきませんでした 。

「お母さん、クータンがおきてこないよ。

どうしたんだろう ? J

かあ

ブーナンは、なきながらお母さんに聞きました。

「ブーナン、わたしたちは何百年も生きるのよ

なん

クータンたちは、どんなに長生きしても 20 年くらい。

いつかおわかれしなくちゃいけないの。 」 ブーナンは、なきじゃくりながう言いました 。

「だってぼく、おんがえしするってやくそくしたんだ 。 それなのに、まだ何にもしてないんだ。

なん

あんなにたすけてもうったのに 。 」

かあ

お母さんが、やさしく言いました 。

「じゃあ、クータンにおんがえしできなかった議は、

クータンの子どもや、またその子どもに してあげなさい。

お母さんもそうしてきたのよ。」

(18)

ブーナンは、もうなきませんでした 。

なん かい なん か い Z

そして、何十回も何百回も、番をむかえて、

とてもりっぱな木になりました。

みんなが、そのまわりにあつまってきて、こう 言います。

「ブナのじいじ!ブナのじいじ!

ブーナンじいじは、まもりがみリ

(19)

司園田園田園

ゆき

ほら。今年も雪がとけはじめると、

ブーナンじいじのあの声が聞とえてきますよ。

「おーい、春だぞ一。

おきろおきろー。 j

その量によばれて、またたくさんのブナの赤ちゃんが、

目をさまします。

そして、大きくなっていくよ、

森のなか閏たちといっしょにね。

すと

※金本ですので、フーナンやどうぶったちは、じつぶつとは少しちがいます。

(20)

監修のことば

いえ

も り か わ やすし

森 川 靖

あついから日かげに行とう、さむいから家に入ろう、

みなさんは体をうごかして、かんきょうのへんかに たいおうできますね。

でも、森の木ぎはどうでしょう。うごけませんね。

うごけないから、一生けんめい、その場で生きる知えを はたらかせているのです。

このようにして考えてみると、わたしたちが、ブナの木、

ブナの森をまもり、そしてそだててあげなければいけない ことが分かりますね。

発行日

2001

2

1

日 第

1

2010

7

15

日 第

7

竹内純子(たけうち・すみこ)東京電力(株)環境部 平成

6

年東京電力株式会社入社。

平成

1 1

7

月同社初の人材公募に応募し、東京電力の所有地 である尾瀬の自然保護活動を担当する。

平成

21

10

月より地球温暖化問題の国際交渉業務も担務 しつつ、永年尾瀬保護活動担当として、尾瀬をきっかけとした 環境教育等の活動に継続して取り組んでいる。

絵 植本勇(うえもと・いさむ)

1959

年広島県生まれ。

1987

年日本大学芸術学部美術 学科卒業。

広告制作会社を経てフリーのイラストレーターになる。

主に広告、主信志などのイラストをは

l

まひろいタッチで描く。

監 修 者 森 川 靖(もりかわ・やすし)早稲田大学人間科学部教授 発 行 者 東 京 電 力 株 式 会 社

100‑0011

東京都千代田区内幸町

1‑1

3

電 話

03‑6373‑1  1  1  1 

(代表)

編 集 東 京 電 力 株 式 会 社 環 境 部 印 刷 ・ 製 本 大 日 本 印 刷 株 式 会 社

2001TOKYO ELECTRIC POWER COMPANY  Printed in Japan  本書の全部または一部を無断で複写・転写することを禁じます。

この本は環境に配慮し、再生紙と大豆油インクを使っています。

... 園 田F

参照

関連したドキュメント

地区公園1号 江戸川二丁目広場 地区公園2号 下鎌田東公園 地区公園3号 江戸川二丁目そよかぜひろば 地区公園4号 宿なかよし公園

 肥料・バイオスティミュラント分野においては、国内肥料市場では、施設園芸用肥料「養液土耕肥料」などの

強化 若葉学園との体験交流:年間各自1~2 回実施 新規 並行通園児在籍園との連携:10園訪問実施 継続 保育園との体験交流:年4回実施.

町の中心にある「田中 さん家」は、自分の家 のように、料理をした り、畑を作ったり、時 にはのんびり寝てみた

大浜先生曰く、私が初めてスマイルクラブに来たのは保育園年長の頃だ

原田マハの小説「生きるぼくら」

駅周辺の公園や比較的規模の大きい公園のトイレでは、機能性の 充実を図り、より多くの方々の利用に配慮したトイレ設備を設置 全

[r]