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液体混合溶媒中の反応速度定数の相関 加 藤 治 雄,*米 澤 節 子,**荒 井 康 彦**

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20

III川II

FII

II II II II

IIFIIFI IIIIII

 テクニカルノート

 I I I I I 

川川 I I I l I l I I  I I  I I  I I   I l I l l I l I I I l

液体混合溶媒中の反応速度定数の相関

加 藤 治 雄,*米 澤 節 子,**荒 井 康 彦**

Correlation of Reaetion Rate Constants in Mixed Liquid Solvents Haruo KATo†,Setsuko YoNEzAwA††and Yasuhiko ARAI††

  An empirical method has been proposed to correlate the reaction rate constants in mixed liquid solvents based on the Arrhenius equation. A Redlich−Kister type excess function is intro−

duced to obtain the excess activation energy in the mixed solvent. The rate constants for isoprene−

maleic anhydride reaction in dilute solution of the hexane十nitrobenzene mixture previously reported was examine(1. It is found that the present model can correlated the reaction rate constants with a good agreement.

κの7昭θ745:reaction rate constants,Arrhenius equation,mixed liquid solvent,excess activation      energy,correlation

一一

1

 化学工業では,反応によって有用な物質を製造することが多 い。その場合,適切な溶媒が用いられるが,溶媒が混合系であ ることが少なくない。混合物を構成する各純溶媒中での反応速 度定数から混合溶媒中の反応速度定数が予測できれば,反応器 の設計においてきわめて有用である。本研究では,よく知られ たArrhenius式に基づき,活性化エネルギーに過剰関数を導 入した簡単な反応速度定数相関モデルを提案し,すでに報告し た実測データを用いてその適用性にっいて検討する。

2.混合溶媒中の反応速度定数の相関式

 簡単のため,まず2成分系混合溶媒にっいて考えると,各純 溶媒(下添字1および2)中の反応速度定数たはArrhenius式 によると次式で与えられる1)。

え1=/霊exp(一E1∠RT)

た2=。4exp(一E2/RT)

︵1︶

(2)

ここでオは頻度因子であるが,一般に温度のみの関数と考えら れるので1),同一温度であれば定数として取り扱うことができ る。またEはそれぞれの純溶媒中での反応の活性化エネルギー である。さらに,混合溶媒中の反応速度定数島を次式で表す。

左m=。4exp(一Em/RT)

︵3︶

平成16年4月2日受付;平成16年5月21日受理

*一関工業高等専門学校 物質化学工学科  〒021 8511 一関市萩荘字高梨

**九州大学大学院工学研究院 化学工学部門  〒812−8581福岡市東区箱崎6−10−1

†Department of Chemical Engineering,Ichinoseki National College of  Technology,Aza−Takanashi,Hagisho,Ichinoseki,021 8511,JAPAN  E−mail:kato−h@ichinoseki.ac.jp

††Department of Chemical Engineering,Faculty of Engineering,6−10−1  Hakozaki,Higashi−ku,Fukuoka,812−8581,JAPAN

 E−mail:arai@chem−eng.kyushu−u.ac.lp

したがって,島の値を予測するためには,混合溶媒中での活 性化エネルギーEmを求めなければならない。そこで,本研究 では次式を提案する。

Em二XIE1+X露2+△E12 (4)

ここで,Xはモル分率であり,△E12は活性化エネルギーの過剰 量である。いま△E12;0とすることができれば,式(1)〜式(4)

より,混合溶媒中の反応速度定数は各純溶媒中の速度定数より 推算できる。

1nκm。=xllnた1+x21nた2

︵5︶

式(5)は過剰量を△E12=0として求められるので,基準(理想)

系の反応速度定数κmOを与える式と考えられる。非理想性の強 い実在の混合溶媒(△E12≠0)については,以上の関係式より,

次式が導出される。

1nたm−lnたmO= △E12ZRT

︵6︶

さらに,溶液の過剰Gibbsエネルギーを表すためにしばしば 用いられるRedlich−Kister型の過剰関数2)で△E12が求められ

るものと仮定する。

△El2/?〜丁二xlx2{α12十わ12(x1−x2)}

︵7︶

ここで提案するモデルの利点は,△E123=△E12+△E13+△E23の 加成性が成り立っとすれば,純溶媒および2成分系混合溶媒中 の反応速度定数を用いて,3成分系以上の多成分系混合溶媒中 の反応速度定数が計算のみによって予測可能になることである・

3.適用例

 すでに著者らが報告したヘキサン(1)+二トロベンゼン(2)

混合溶媒中のイソプレンと無水マレイン酸の反応速度定数3・4)

を例にして,上述のモデルの適用性を検討した。本反応は2分 子・2次反応であることが知られており,dm3・mol−1・s1の単 位で表した反応速度定数は10 4のオーダーである。参考までに それらの値をTablelに示す。極性の強いニトロベンゼン中の

素材物性学雑誌 第17巻第1号(2004年6月)

Akita University

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液体混合溶媒中の反応速度定数の相関 21 Table 1 Rate constants for isoprene−maleic anhydride

 reaction at 293.88K in dilute solution of the  hexane(1)十nitrobenzene(2)mixture鋤

Mole丘actioΩof nitrobenzene

κ2

 ㌔×104

【dm3・mo卜1・s一ll

0507100019076009001111112325625100 0998フ7654432100001αα0αααααααq位αα

2.88

2.47 2.47 2.13 L73

1.75

L50

1.35

124 L26

1.11 0.963 0.698 0.484 0.325 0.355 0.300

量はゼロではなく,組成に関しても非対称であることが示され る。この過剰量は式(7)で,α12=一1.80およびわ12=一L96とす ることでほぼ良好に表現することができる。さらに,これらの パラメータを用いて式(5)〜式(7)により,反応速度定数を算 出し,実測値と比較するとFigure3のようになる。これより 混合溶媒中の反応速度定数が良好に相関できることが示され,

本モデルの有用性が確認された。

0.80︐6 ﹄り      20       α

﹄ミN爵﹃1 0.0

一〇.2

O

o O

O 8

O

O Exp.3・4)byEq.(6)

O

一  Caic.by Eq.(7)with   α12=一1.80, δ量2=一1.96

9

O

9

反応速度定数は,無極性のヘキサン中の値より約10倍ほど大き い。また組成依存性をFigure1に示すが単純なモル分率平均 より小さく,式(5)で求めた値より大きいことが示される。こ れらのデータをもとに,式(5),(6)より一△E12択丁を求める とFigure2のようになる。これより活性化エネルギーの過剰

0.0

Figure2

0.2 0.4

κ2

0.6 0.8 1.0

Excess activation energy of rate const&nts for isoprene−maleic anhydride reaction at293.88K in dilute solution of the hexane(1)十nitrobenzene

(2)mixture.

4

3

      2

の・㌔貫・n葛一で︒一×﹂

1

00

9〆 Q

O  Exp.3・4)

 一■1鳶旦+X2々2 一Eq.(5)

.〈)■

!■

 、,!  o  ,・ 9 〆b

0

  P/9

!   O

︵︶ 1.0

一8.0

一8.5

0       ︻り       09       Q︾      0一      一      −      一

︻㌔︐一﹂︒目.n層﹈﹂三

一10.5

一11.0

0.2 0.4

κ2

0.6 0.8

      !        0   −        !       ノ        /        ノ       ノ

      ○    !       !       !          !          !         !         /        ノ        ー       ノ       !      !      −      !     ー    ノ   ノ

  !    Oβxp.亀4)

 ○

  ノ /

 !

o

        一一一一Eq、(5)

   !  !   ノ ー

 ノ

E(ls.(5)臼(7) with α12=一L80,ゐ12=一L96

0.0 0︐2 0.4

工2

0.6 0︐8 1︒0

Figure1 Rate constants for isoprene−maleic anhydride reaction at 293.88K in dilute solution of the hexane(1)十nitrobenzene(2)mixture.

Figure3 Rate constants for isoprene−maleic anhydride reaction at293.88K in dilute solution of the hexane(1)十nitrobenzene(2)mixture.

素材物性学雑誌 第17巻第1号(2004年6月)

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22 加藤治雄・米澤節子・荒井康彦

4.結言 文  献

 Arrhenius式に基づき,活性化エネルギーに過剰項を導入 することで,液体混合溶媒中の反応速度定数の簡便な相関モデ ルを提案した。著者らがすでに報告したヘキサン+ニトロベン ゼン中でのイソプレンと無水マレイン酸のDiels−Alder反応の 実測値を用いて,本モデルの適用性を検証したところ,ほぼ満 足な結果が得られた。本モデルの利点は,活性化エネルギーの 過剰項にっいて加成性が成り立てば,3成分系以上の多成分系 混合溶媒中の反応速度が計算のみによって予測できることであ る。他の2成分系混合溶媒への適用性の検討ならびに3成分系 以上の混合溶媒中の反応速度定数の推算が可能かどうかを検証 することが今後の課題である。

1)坪村 宏(1994): 新物理化学(下) ,22章,化学同人 2)斎藤正三郎(1983)1 統計熱力学による平衡物性推算の基  礎(補訂版) ,8章,培風館

3)T.Nishikawa,Y.Inoue,M.Sato,Y。Iwai,Y.Arai(1998):

 Isoprene−Maleic Anhydride Reaction Rate in Hexane−

 Nitrobenzene Mixture near Critical Points,AIChE J。,

 44(7),1706−1708

4)加藤治雄,藤 伸匡,米澤節子,荒井康彦(2001):液体混  合溶媒の臨界点近傍における反応速度,九州大学工学集報,

 74(6),623−627

素材物性学雑誌 第17巻 第1号(2004年6月)

Akita University

参照

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