学 位 論 文 の 要 旨
三 重 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科
所 属 │ 甲 生 命 医 科 学 専 攻 病 態 制 御 医 学 講 座 消 化 器 内 科 学 分 野
主論文の題名
氏 名
一 重 大 学
高木久代
I n f l u e n c e o f d i e t a r y i n t a k e o f f i s h o i l
,magnesium and z i n c on m e t a b o l i c parameters among i n d i v i d u a l s t e s t e d f o r d i a b e t e s
主論文の要旨
脂肪酸の過剰探取は、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病の原因となり得る事は良く 知られている。生活習慣病は肥満やインスリン抵抗性とも密接に関係し、動脈硬化を促進して脳血 管障害や心筋梗塞等の心血管イベント発症リスクを増加させる。サンマやサバなどの、いわゆる青 魚に多く含まれる
ω‑3多価不飽和脂肪殴 (ω‑3PUFA)は、細胞膜流動性をI
国加させ、脂質・精 代謝を改善し、心血管イベントを抑制することが報告されている。しかし一方では、これらの代謝 改善やイベント抑制に否定的な報告もあり、ω‑3PUFA
の有用性は必ずしも確立されたものでは ない。また、微量元素であるマグネシウム(Mg )
や亜鉛( Z n )は
、 11M代謝に関与することが報告さ れているが、摂取量との関係は未だ卜分に検証されていない。本論文では、魚類脂質、マグネシウ ムおよび亜鉛の摂取量と種々の肥満・代謝関連測定項目(メタボリック・パラメーター)との直接 的な相関関係を男女別および多変量解析を含めて検討した。2011
および2012
年に三重県南部の保健所において行われた町民糖尿病健診受診者103
名(男 性37
名、女性6 6
名、年齢中央値55
歳)を対象とした。高血圧症、高尿酸血症、脂質異常症、糖 尿病にて投薬を受けている者、飲酒者(エタノール換算にて男性2 1 0 g /
週以上、女性140g
/週以上)、75gブドウ糖負荷試験 (OGTT)にて新たに糖尿病型と診断された者は対象から除外した。身長、
体重、体脂肪率、血圧、血液生化学的検査、およびインスリン抵抗性の指様である
h o m e o s t a s i s model a s s e s s m e n t ‑ i n s u l i n r e s i s t a n c e (HOMA‑R)を含む各種メタボリック・パラメーターを測定
した。また、半定量的食物調査票
( s e m i ‑ q u a n t i t a t i v ef o o d q u e s t i o n n a i r e )を用いて詳細な摂食調
査を行い、得られた食事情報をもとに栄養素摂取量をTokudome
らにより開発されたソフトウェ アを用いて計算した。魚類脂質、Mgおよび Znそれぞれの摂取量と各メタボリック・パラメー
ターとの相関はスピアマンの順位相関係数を用いて解析した。また、重回帰分析を用いた多変量解 析を行い、魚類脂質、Mgおよび Zn摂取量と有意に相関するパラメーターを検討した。
スピアマン解析において、魚類脂質、
Mgおよび Znの摂取量は、 bodymass index (BMI)
、ウ エスト・ヒップ比、収縮期および拡張期血圧、血清a s p a r t a t ea m i n o t r a n s f e r a s e ( A S T )
、a l a n i n e a m i n o t r a n s f e r a s e (ALT)
およびy ‑ g l u t a m y l t r a n s p e p t i d a s e (y
・GTP)値、血清尿酸
(UA)およびクレアチニン値、血清 HDL‑
コレステロール(HDL‑C)および中性脂肪値、さらに
HOMA‑R
を含む多くの測定項目と有意な相関を認めた。多変量解析において、魚類脂質、ω‑3 PUFA
の一つであるエイコサベンタエン酸( E P A )
および亜鉛の摂取量は、いずれも血清HDL‑C
値と有意な正の相関を示した。さらに女性を対象とした多変量解析において、ω‑3 PUFA
およびZn
の摂取量はそれぞれ血清 ALT値および収縮期血圧と有意な負の相関を認めた。以上の結果より、