球上活性炭上におけるシアンイオンの アノード酸化反応
(昭和53年5月3】日 鰐〔和盲受付]
工業化学教室 細 川 邦 典
津 留 豊
Allodic Oxidation of Potassium Cyallide oll Glanular Activated Carb皿
by Kunisul{e HOSOKAWA Yutaka TSURU
Tlle electrolysis⑪f the soluUolls contailling cyallide ion was carriεd ol」t by using Potential sweep Illethod and coulolnetry at constant potential to ehコcidate 1・eaction nユechallisrlls orl the anode with 91allular activated carl〕on packedbed. The reaction order for the oxidation of cya−
11ide ioll was 1、vith respect to the colユcentratioll of cy訓1ide iα1、 illdependent of the concer】tratioll of hydr白xyl ion belo、㌔・the potelltiai of 350 nユV(vs. Hg/HgO O.ユN KOH), Above the potelltial of 350mV(vs.1−lg/HgO O.]NI{OH)亡he I・eaction order for tlle oxidation of cyallide i⑪n wasユwith respect to the concelltration of cyallide ion and about O.4 with Tespect to the collcentratioll of hydroxyl ion. On the other hand, the results obtained by colltro】led potelltia】coulonユetry indi−
cated that two mo]es of hydroxyl ion and t、、℃Faradays electricity、㌣ere consumed during aIlodic oxidation of one IlloIe of cyanide iol1. Several consecutive reac亡iol]path§for亡he osidati⑪n of cyallide ion were proposed oll the basis of the above dia即05tic criteria. Among thel11, the folbwilコg mechanism wollld be available in view of tl〕e chemical properties of severahllterme・
diate species,
CN:d,+HP=OHrd,÷HCN1、d,
IICN皿d5一ト0}七dS=CN・ndS÷H20十e CN・、d,+Ol−lrd,=1−ICNO+e l・ICNOオOH−=CNO−+1−1コ0
_ がある田。倒運転コストが高くつく3),などの欠.点.を有す 1.緒 言
6。
シアン廃液の処理には一殺に,塩素あるいは次亜塩素 電気化学的酸化プロ七スによるシアン廃液の酷化処理 酸ナトリウムによる酸化分解後,生成した塩化シアンを にはこのような欠点はなく,特にシアンイ才ン濃度が,
ア」レカリによって加水分解するという方法がとられてい 1000Ppmを越える高漫度廃液の場合、高率良く分解が る。しかし,この方法は日}シアンイ寸ンが金屈イオンと 進む1】。しかし・シアンイオン濃度が]0財叩11】以下になる 錯体を形成してい石場台・,特に廃浪中多旦に生成すZ鉄 と,電極面へのシアンイオンの聾!助過程が律速段隣『と
シアンニ 剖本の分解に効率が悪いn。田反応の途中におい なって.シアン仁1 ンの蔭化連度が低下し・庇i液処理の
て猛il』性のガス,塩化シアンを発生するため,高氾度の 電流効率は悪くなろ。 この欠点を克服するため Slllith臼
シアンイ才ンを含む廃液処理では二次公害を招くおそれ らによって,主電極間に導電性粒干を充てんし・比較的
80
高い電圧をかけることによって充てん床の中で,電気化 使用が可能となった。
学反応を行なわせる充てん複極槽が開発されたが,十分 2.2.シアンイォンおよび水酸イオン濃度の測定 な目的を達成したとはいいがたい。またこの方法では, 本実験においてはシアン廃液としてシアン化カリウム 陰極部分へ金属が析出することによって生ずる短緒の問 溶液のみを用い,しかも,シアン化水素の解離定数が 題,溶液のイオン強度を大きくすることはできないなど ♪1ζ,=9.32(18℃}「)であるので、pH 12以上の溶液では の大きな問題点がある。そこで,活生炭がシアンイオン ほとんどすべてのシアンが,遊離シアンイオンとなって を吸着す昂こと6],さらに活i生炭を充てんしたもの全体 いると考えてよく.シアンイオンメーター一(Mode180ユA をアノード極とすれば,十分な表面積でシアンイオンの Orion Research Co. Ltd.〕によりシアン濃度を測定し 電解酸化が可能になるのではないかと考え,シアンイオン た。また,水酸・fオン濃度の測定にはPIIメーター(Model の活性炭上への吸着およびアノード酸化について検討し HM−208 Toa Denpa Co. Ltd)を用いた。
たので報告する。 2.3.分極曲線の測定
分極 電位の設定はポテンショスタット(Model ps 1000H白kuヒo Denko Co. Ltd.)により,その分極電位に 2.実験
2.1.試料および装置 対して生ずる非定常および定常電流値をX−Yレコー 充てん層電極用活性炭として市販の球状活性炭(武田 ダー(Model BW 1田Rikadenki Co. Ltd.}によって記録 薬品製,球状活性炭X−7000)を用いた。対極には純度gg.g した。グラファイト酬と同様活性炭は,アルカリ溶液中
%のニッケル板を ,昭合電極には酸化ホ銀電極(Hgノ においてシアンイオンが酸化されるよりも卑な電位で酸 HgO O」NKOH)を用いた。試薬はすべて市販の特級試 化されるので,測定された酸化電流{こは,活性炭の酸化 薬を前処理することなく,イオン交摸樹脂を通した後, 電流も重なることになる。そこで,各々の電位ごとにシ 蒸留して得た水に溶蘇して使用した。溶液は,ピロガロー アンイオンを含まない,イオン強度を調節したアルカリ ルおよび0.lN水酸化カリウムを通して得た窒素ガスを 溶液中における活性炭の酸化電流値を求め,シアンイオ 用いて脱酸素した。 ンを含む溶液において測定された電流値から差し引くこ 実験装置を図一1に示す。充てん層ω内には常に0.59 とによって,シアンイオンの酸化に関する真の電流値を の球状活性炭を入れ,活性炭の両端をグラファイトに 求め,また,この測定は,非定常分極の場台,水素発生 よってしめつけ,その時の抵抗値が2Ωになるように調 の始まる電位(−700mV)から酸素発生の始まる電位 節することによって,再現佐ある充てん層電極としての (700mV)までとし,定常分極の場合,シアンイオンの酸
s
W
W
R
A G
c
A ; [lrarlular 畠ctivated {』rborl
C:counter el仔ctrode
G :graph…te
R :ref●renc曹 electrod(∋
S ls訓t bridge W lWl爬
図一旦 電 解 栖
化される電位〔150mV)から酸素の発生し始める電位
〔700mv)碗囲で行なった。 3高果
2.4・定電位クーロメトリーの測定 3.1.吸着試験
ポテンショスタットを用い一定電位(400mV)に設定 一殻に液相吸着の平衡関係はFreundlich型の吸着等 したときに流れる全電気量をクーロンメーター{TC lO5 温式(1)に従うことが多いことが知られている。6〕・・)
型Tsuda Tokushu Dellki Co. LtdJによって測定し,全
頴肋ら瀧炭の酸化によって湘、る部頒流浅し ロ=κ1川 ω
引いてシアン酸化のための真の電気量を求め,この電気 ここで、Qは吸着量(M/9), Cは平衡濃度(M),占お 量によって変化したシアンイオン濃度および水酸イオン よび鍵rは定数である。したがって濃度と吸着量を両対数 濃度の実測値より・反応に関与する電子数および,シア のグラフにとれば傾き1/πの直線関係となる。図一2は球 ンイオンに対する水酸イオンの化学当量数を得た。 状活性炭へのシアンイオンの吸着におけるシアンイオン 吸着量と平衡シアンイ才ン濃度の関係を示したものであ る。占=6.6XlO弓,,1=1.48の吸着で明らかに,
3 Freundlich型であることがわかる。
鴫 / ::::1璽:走査法_極曲線
1計 図一3。は0.1MKOH+0.5M KNO、と0.2MKCN
−4
0 ⊥ +0.11}IKOII+0.3]〜I KNO3 .(イオン彊i度び=0』)
泊 宰・鳳 の轍輯それぞれ電雌鑓度1。醐,,cで電流
⊥.o.田
n を測定して得た分極曲線を示したものである。破恕がシ ー3 −2 アンイオンを含まない場合実線がシアンイオンを含む場
loq CCH 【トt} . 一
合の分極曲線で,−300n1Vおよび】50mVの電位から,
図 2球上活竺炭へのシアンイオンの お別5の活性炭の酸化およびシアン仲ン嘔イヒが始
吸描等温線〔ヨo℃)
まっている。また400mVにおいてシアンイオンの酸化に
5。lid line;02MHCN・0.1MK。H・α3MKNO3 d°U・dlin仔;0・IMKOH・0・5MK叫 5can r且te 10 mV∫5白c
gran山dr且divat曾d c且rb。nO59∫100
ノ↑
才 1
≠
(mA) !
@
@
m100 , @ @
@ 〆 @ 〆
@
一600 −200 ム00 800 E(mVy5rHg HgOO」NK 一100
一200
ゾ m 115
,!
I {mA)
/ 10
s°日dli・・;02MKCN・ロ1M眠。H・03MKN。、
d°tted Une;σ1MKOH・o.5MKNOヨ potentia!230(mVvs、Hg/HqO OINKOH)
granul訂activated c邑rbon O.59∫100ml
0 15 30 5 丁imG
( min. }図一3a 定電位走査法による分極曲線 図一ヨb 電位設定後における電流の経時変化
82
1000
2 三
、巨
二 σ 旦
100
1000
< E E
]00
CLO 5 0.1 02 (ユ5 0.05 0.1 02 04
togCCN−(M) logCOH (M)
図一4 限界電流に与える溶液中のシアンイオン濃度および水酸イオン濃度の影響
関する囎電流嚥した・こ肪榔より得られた全酸 ;、。。
ロ 化電流から,電極自身の酸化電流を差し引いて,シアン 曇 イオンの酸化に関する箕の分極曲線を得ることも可能で 鳥 吉
あるが訓口確な糎値を1騒ことは困難であるぽ 三,。。
こで定電位法によろ電流の経時変化を測定し,定常電流 ξ 値を得た結果を図一3bに示す。この場合でも同様に破線 コ」
はシアン官ン糖まないナ胎ぽ線はシアン柿ンを 2。。
含む場台で,その差が設定電位に対する真のシアンイオ ンに関すろ酸化電流となる。図一4は図弓aを得た方法 に基づいて,・fオン強度0.6の溶液で,600mVの設定電
徽三ノ/ :1:器淵:1}
位下のシアンイオンの姦化に関する限界電流と,シアン 5 10 50111㌧) 500 イオン漫度および水酸イ才ン濃度との関係を示したもの
で・おのおの{こついて∂1・9ム伽/∂1・gC・・一=1・o 図一5]‡罐‡姦i‡顯;
∂lo9∫,fm/∂log Co11 ==0.4 の結果を得た臼 :分・極曲線
3.2.2.定常分極曲線
図一5は図一3bにおいて説明した定電位法により,イオ られろ酸化電流をシアン・イオン濃度および水酸イオン濃
ン弦度を0.6一定とし,種々のシアンイオン濃度につい 度の関数として表わしたもので,球状活性炭におけろシ
て得られた定常分極曲線を示す。図一6はイオン強度を アンイオンの酸化は,定常的なアノード酸化の律連過程
0.6一定とし,種々の水酸イオン識度について得られた において,図一5,図一6のグラフより夕一フェル勾配1二)は
定常分極曲線であろ。図一7は図一5,図一6のグラフを用 120rnV/decadeで,シアンイオン濃度に関して一次,水
い,シアンイ才ン酸化電位を230mV一定としたときに褥 酸イ才ン濃度に開し,0次であることがわかった。
一40σ
藁
三
曇
≧300
ゴ