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にお ける機 能 と影響 について

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説 〉

構成 国の最終審裁判所 に よるEC法 侵 害 を 原因 とす る国家補償 責任 とそのEC法 秩序

にお ける機 能 と影響 について

‑Traghetti事 件 の 先 決 裁 定 の判 示 内容 を 中 心 と して1)

松 田 健 児

目 次

1.は じ め に 一EC法 上 の 国 家 補 償 責 任 の 法 理 と そ の 展 開 1.1構 成 国 の 国 家 補 償 義 務 の 原 理

1.2諸 個 人 の 損 失 補 償 に 対 す る権 利 の 発 生 の た め の 基 準 1.3構 成 国 の 国 家 補 償 責 任 の 法 理 の確 立

1.4国 家 補 償 責 任 の 法 理 の 国 内 裁 判 所 に よ る適 用 の た め の ヨ ー ロ ッ パ 裁 判 所 の 指 針 2.Traghetti事 件 の 事 実 関 係 と争 点 お よ び 先 決 裁 定 の た め の 質 問 内 容

2.1本 訴 事 件 の 事 実 関 係 お よ び 事 件 の 経 過 と争 点 2。2本 訴 に お け る 当 事 者 の 主 張 と争 点 の 概 要 2.3先 決 裁 定 の た め の 質 問 内 容

3.Traghetti事 件 に お け る 先 決 裁 定

4。 国 家 補 償 責 任 の 、EC法 秩 序 に お け る機 能 とEC法 秩 序 に 対 す る影 響 4.1ど の 様 にEC法 を 強 行 す る 間 接 的 手 段 へ と変 化 し て き て い る か 4.2ど の 程 度 に 構 成 国 に 共 通 の 救 済 手 段 と して 供 与 さ れ て い る か

4.3ど の 様 に ヨ ー ロ ッパ 裁 判 所 と国 内 裁 判 所 と の 関 係 を 変 容 させ つ つ あ る か 5.結 び に 代 え て

1.は じめ に 一EC法 上 の 国 家補 償 責任 の法 理 とそ の 展 開

構 成 国 が 、 ヨー ロ ッパ 共 同 体 法(以 下 、EC法)秩 序 に お い て 、 そ の 最 終 審 裁 判 所 に よ るEC法 の 侵 害(infringement)を 原 因 と して 諸 個 人 に生 じ る損 失 と 損 害 の 結 果 に つ い て 国 家(state)に よ り補 償(reparation)す る責 任 を負 う こ

とは 、K6bler対Austria事 件(CaseC‑224/Ol,K6blerv.Austria[2003]

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1‑10239)の 先 決 裁 定 に お い て 、 初 め て 明 示 的 に 、 ヨ ー ロ ツパ 裁 判 所 に よ っ て 判 示 され た 。 こ の 、EC法 上 の 国 家 補 償 責 任 が 構 成 国 の 最 終 …審 裁 判 所 に よ るEC法 の 侵 害 に も及 ぶ 、 とい う思 い も寄 らな い 判 示 内 容 は 、 実 は 、 既 にBrasserie事 件 の 先 決 裁 定(CasesC‑46/93andC‑48/93,BrasserieduPecheurand

2)

Factortame[1996]ECRl‑1029)に お い て 含 意 さ れ て い て 、 全 く予 見 不 可 能 な も の で は な か っ た 。ヨー ロ ッパ 裁 判 所 は 、そ のBrasserie事 件 の 含 意 をKohler 事 件 に お い て 宣 明 す る際 に 、 国 際 法 違 反 の た め の 責 任 主 体 と して の 国 際 法 上 の 国 家(state)概 念(す な わ ち 、 当 該 の 損 害 を 生 じ させ て い る 国 際 法 上 の 義 務 違 反 の 行 為 主 体 が 立 法 機 関 、 行 政 機 関 、 あ る い は 司 法 機 関 で あ るか に 関 わ らず 、

3)

その損 害 の責任 主 体 は それ らの単0体 と して の国家 で あ る、 とい う観念)がEC 法 上 の国 家 補 償 責 任 に適 用 が あ る こ とを 明示 した(K6bler事 件 、32段)。 しか

しな が ら、 「司法 機 能 の特 有 の性 質 お よび法 の確 実 性 の正 当 な諸 要 請 」 に対 す る 考 慮 に よっ て、 最 終審 裁 判 所 に よ るEC法 の侵 害(infringement)の た め の国 家 補 償 責任 を他 の 国家機 関 に よるEC法 の違 反 につ いて成 立 す る国家 責任 よ りも

よ り限定 的 な もの とな る様 に、 当該 裁 判 所 が 問題 点 に適用 の あ る法 を 明 白 に侵 害 した例 外 的 な場 合 に成 立 す る、 と判 示 した(同 事 件 、53段)。TraghettideI MediterraneoSpA対RepubblicaItaliana事 件(CaseC‑173/03 , Judgementofl3June2006)は 、K6bler事 件 にお い て定 立 され た、 最 終 審 裁判 所 のEC法 侵 害 を原 因 とす る国 家補 償 責任 を 限定 す るた め の 「問題 点 に適 用 が あ る法 の 明 白 な 侵 害 」(amanifestinfringementoftheapplicable

law)の 要 件 の 意 味 内容 お よび適用 範 囲 を よ り明 確 に し、EC法 上 の国 家 補 償 責 任 の原 理 が構 成 国 の 国 内法 に対 して優 位 す る こ とを明 らか に した事 件 で あ る。

本 稿 は、 構成 国 の最 終審 裁 判所 によ るEC法 侵 害 を原 因 とす る国家補 償 責 任 の 法 理 がEC法 秩 序 に お い て 有 す る機 能 お よ び 同 秩 序 に 与 え て い る影 響 を、

Traghetti事 件 の先 決 裁定 にお け る判 示 内容 の検 討 を通 して 、記 述 す る こ とを 目 的 とす る。 本件 の先 決 裁 定 の検 討 に先 立 って、 先 ず 、EC法 上 の 国家 補償 責任 の 法 理 の展 開 とそ の 内容 につ い て 、 多 少 、 詳 し く、 見 て お こ う。

1.1構 成 国 の 国 家 補 償 義 務 の原 理

BC法 上 の国家 補 償 責 任 の法 理 は、構 成 国 の国家 補 償 義務 に関す る原 理(す わ ち、EC法 の違 反 に関 して構成 国 が補 償 義務 を如 何 な る場 合 に負 うか に関 す る

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準 則)お よび諸 個 人 の損 失補 償 の 救 済 手 段 に対 す る権 利 発生 の た めの 準 則(す なわ ち 、諸個 人 が 当該 のEC法 違 反 に関 し補償 の救 済 手段 を如何 な る場 合 に付 与 され るか に関 す る準 則)か らな る。

ヨー ロ ッパ 共 同体(以 下 、EC)の 構成 国 は、 当該 構i成国 に よ るEC法 上 の準 則 の違 反 の結 果 として諸 個 人 に生 じ る損 失 お よび損害 を補 償 す る(makegood

lossanddamage)義 務 を負 う。この構 成 国 に よる損 失補 償 の義務 は、ヨ..r.「ロ ッ パ裁 判 所 に よって、初 めて 、Francovich事 件 にお け る先決 裁定(CaseC‑6/90 andC‑9/90,ECR[1991]1‑05357:当 該構成 国 に よ る、 あ るEC法 上 の命 令 の 国 内立 法化 に よる実 施 義 務 の不履 行 事件)に お いて 、EC法 上 の権 利 侵 害 の救 済 (redress)と して、 以下 の よ うに論 証 され た。 す な わ ち、 構 成 国 の損 失 補 償 義 務 は、 当該 構成 国が 違反 す るEC法 上 の準則 が個 人 に権 利 を付 与 す る準則 で あ る

とき、 も し個 人 が 問題 の違 反 に よ る当該 の権 利侵 害 に対 す る救 済 を得 る こ とが 出来 な い な らぼ、EC法 上 の諸 準 則 の完 全 な実効 性 が 損 なわ れ、 それ らの準 則 に よって付 与 され る権 利 の保 護 が 弱体 化 す るで あ ろ う こ とに鑑 み、EC条 約制 度 が 諸個 人 に対 して そ れ らの法 的財 産(legalpatrimony)の0部 とな る権 利 を生 じさせ る独 特 の法 秩 序 を創 出 す る もので あ る こ とに照 ら して 、原 理 上 に お いて 、 同条 約 制 度 に本 来 的 に存 在 す る構 成 国 の 義 務 と して 宣 明 され た(ibid.,para 31‑35)。 こ う して、構 成 国 の補償 義 務 は、EC条 約 の明 示 的 な規 定 を欠 くに もか

か わ らず 、EC法 が 私 的 な諸 個 人 に対 して 諸権 利 を生 じさせ る法秩 序 で あ る こ と の必 然 的 論 理 的帰 結 と して ヨー ロ ッパ 裁 判 所 の解 釈 に よって 導 出 され た もの で あ る、 と言 う こ とが 出来 る。

1.2諸 個 人 の 損 失補 償 に対 す る権 利 の発 生 の た め の 基 準

さ らに、 同裁判 所 は、Francovich事 件 に おい て 、EC法 上 の原 理 として要 求 され る国家 補 償義 務 が諸 個 人 に補償 に対 す る権 利(arighttoreparation)を

生 じさせ る際 に基 づ く基 準 が、 当該 の損 失 お よび損害 を生 じさせ た問 題 のEC法 違 反 をな した 主体 の 故 意 や 過 失 で は な く、 そ の違 反 の性 質 に よ って 決 ま る と述 べ て(lbid,para38)、 以 下 の基 準 を定 立 した 。 す な わ ち、(1)当 該 の命 令 が 諸 個 人 に対 して権 利 を付 与 す る こ とが 意 図 され て い る こ と、(2)権 利 の 内容 が 当該 命 令 の規 定 に よって 明瞭 に 同定 で き る こ と、 か つ(3)当 該 命 令 の国 内法化 義務 の不 履 行 お よび 当該 の 損 失 と損 害 の 問 に因 果 関 係 が存 在 す る こ と、 が それ

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:i

で あ る。 こ の3個 の 基 準 は 、 共 同 体 法 に 直 接 的 に基 礎 づ け られ る諸 個 人 の 補 償 の権 利 を 生 じ させ る た め に 十 分 な条 件 で あ る と判 示 さ れ た の で あ る が 、 違 反 行 為 の 態 様 が 如 何 な る もの で あ るか を 問 わ ず に 、EC法 上 の 準 則 に 由来 す る権 利 の 侵 害 を 根 拠 と して そ の 権 利 侵 害 の 結 果 を 補 填 す るた め に 成 立 し う る厳 格 な 責 任 を生 じ させ る判 断 基 準 とな りう る点 に、 そ の 特 徴 を見 る こ とが 出 来 る もの で あ っ た 。

1.3構 成 国 の 国 家 補 償 責 任 の 法 理 の 確 立

上 の 国 家 の 損 失 補 償 義 務 の 原 理 はFrancovich事 件 以 降 の 諸 事 件 に お い て適 用 さ れ 拡 大 さ れ た 。 す な わ ち 、 国 家 の 損 失 補 償 義 務 は構 成 国 の 立 法 府 がEC法 一 致 しな い 国 内 立 法 を制 定 したBrasserie事 件(CasesC ‑46/93andC48/93

, BrasserieduPecheurandFactortame[1996]ECRl‑1029)、 構 成 国 が EC法 上 の 命 令 を 不 正 確 に 国 内 法 化 し実 施 したBT事 件(CaseC‑392/93,Rv.

HMTreasury,exparteBT[1996]ECRI‑1631)、 国 内 の 行 政 当局 がEC法 に 違 反 して 行 政 上 の 決 定 を 行 っ たLomas事 件(CaseC‑5/94 ,Rv.MAFF,

exparteHedleyLomas[1996]ECRI‑2553)、 お よ び 、 構 成 国 の 最 終 審 裁 判 所 の 判 決 に 由 来 す るEC法 侵 害 が 争 点 を な したK6bler事 件(CaseC‑224/Ol,

K6blerv.Austria[2003]1‑10239)に 適 用 さ れ た 。 こ う して 、EC法 上 の 国 家 補 償 義 務 の 原 理 は 国 家 の 如 何 な る機 関 で あ れ 、 当 該 機 関 が そ の 作 為 も し くは 不 作 為(actoromission)に よ っ てEC法 に違 反 す る 場 合 で あ っ て も 関 連 性

を 有 し、 適 用 可 能 性 の あ る こ とが 明 瞭 に な っ た 。 ま た 、 構 成 国 の 損 失 補 償 義 務 の 全 て の 国 家 機 関 へ の 適 用 可 能 性 の 明 確 化 に加 え て 、 さ ら に 、 ヨ ー ロ ッパ 裁 判 所 はBrasserie事 件 に お け る先 決 裁 定 に お い て 、 同 裁 判 所 に よれ ば 共 同 体 機 関 の 非 契 約 上 の 責 任 お よ び 構 成 国 に 共 通 の 法 か ら触 発 さ れ て(Brasserie事 件 、 [1996]ECRI‑1029,para.41)、EC条 約288条 に基 づ くEC機 関 の 法 的 責 任 と の 間 に お い て 、EC法 上 の 諸 個 人 の 損 失 補 償 の 権 利 発 生 の た め の 条 件 を統 一 化 し た 。

こ う して 、 い わ ゆ る構 成 国 の 国 家 補 償 責 任(stateliability)を 確 証 す るた め の 基 準 を供 与 す る法 理 が 確 立 され た が 、 そ れ はFrancovich事 件 に お い て 定 立 され た 上 述 の 厳 格 な基 準 を よ り緩 和 す る も の で あ っ た 。 同 法 理 に よ れ ば 、 構成 国 は 、 そ のEC法 上 の 準 則 の 違 反(breach)の 結 果 と して 、(1)当 該 の 違 反 を

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受 け て い るEC法 上 の 準 則 が 諸 個 人 に 対 して 権 利 を 付 与 す る こ とが 意 図 さ れ 、 (2)当 該 のEC法 違 反 が 十 分 に深 刻 で あ り(sufficientlyserious)、 か っ(3)当 該 の構 成 国 の側 に お け るEC法 違 反 と当該 の 権 利 を侵 害 され て い る個 人 の 損 失 や 損 害 との 間 に 因 果 関 係 が 存 在 す る場 合(ibid.,para.51)、 構 成 国 の 如 何 な る機 関 がEC法 に 違 反 す る の で あ れ(ibid.,para.32)、 諸 個 人 が 受 け て い る損 失 と 損 害 の 結 果 を 、 上 の3個 の 基 準 か らな る留 保 を 付 して 、 当 該 構 成 国 の 国 内 法 に 従 っ て 補 償 しな けれ ば な らな い 。 しか しな が ら、EC法 上 の 国 家 補 償 責 任 事 件 に 対 して 構 成 国 の 国 内 法 に よ っ て 定 立 さ れ る諸 基 準 は 、 国 内 の 類 似 の 事 件 に 関 連 す る諸 条 件 よ り も不 利 で あ っ て は な らず(同 等 あ る い は無 差 別 原 則)、 また 、 実 際 に お い て 補 償 を 得 る こ と を不 可 能 に す る 、 あ る い は 、 過 度 に 困 難 に す る仕 方 に お い て 構 成 され て は な ら な い(実 行 可 能 性 原 則(ibid.,para74)、 の で あ る。

上 述 のFrancovich事 件 の 場 合 と 同様 に 、Brasserie事 件 に お け る諸 個 人 の 損 失 補 償 の 権 利 発 生 の た め の 基 準 の 統 一・化 に お い て も、 い わ ゆ る過 失 責 任 原 理 (principleoffaultliability)が 採 用 され て い な い こ とは 注 目 さ れ るべ きで あ ろ う。 当 該 の 損 失 や 損 害 の補 償 は 、EC法 の 重 大 な 違 反 の 基 準 の 範 囲 を超 え て 、 問題 のEC法 上 の 準 則 に違 反 した 当 該 構 成 国 の 国 家 機 関 の側 に お け る い わ ゆ る何 らか の 過 失fault(故 意 も し くは 配 慮 義 務 違 反)を 条 件 とす る こ と は 出 来 な い (ibid.,para.80)、 と され て い る の で あ る。 しか し な が ら、 「十 分 に深 刻 な 違 反 」 の 要 件 が 導 入 され た こ と に よ っ て 、 構 成 国 の 国 家 責 任 はFrancovich事 件 が 定 立 した 基 準 に基 づ く責 任 よ り も よ り緩 和 さ れ た もの の 、 依 然 と してEC法 上 の 諸 準 則 に 由 来 す る権 利 の 侵 害 の 結 果 を 補 填 す る結 果 責 任 に 留 ま っ て い る、 と見 て 差 し支 え が な い で あ ろ う。

1.4国 家 補 償 責 任 の 法 理 の 国 内 裁 判 所 に よ る 適 用 の た め の ヨ ー ロ ッパ 裁 判 所 の 指 針

ヨ ー ロ ッパ 裁 判 所 は 、 同 裁 判 所 に よ っ てEC法 上 の 国 家 補 償 責 任 を確 証 す る た め に 定 立 さ れ た 上 記 の3個 の 基 準 を 、 国 内 の 非 契 約 上 の 責 任 法 を 基 礎 と し て 、 そ の 国 内 法 に よっ て定 立 され る諸 条 件 に関 してEC法 上 要 求 さ れ る、 そ れ らの 諸 条 件 の 同 等 の 原 則 と実 行 可 能 性 の 原 則 に一 致 しな が ら適 用 す る::権 が 国 内 裁

判 所 に あ る 、 と判 示 し て い る(CasesC‑46/93andG48/93,Brasseriedu

PecheurandFactortame[1996]ECR1‑1029.para.58お よ びCase

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..

C‑224/Ol,K6blerv.Austria[2003]1‑10239.Para.100)。 ヨー ロ ッパ 裁 判 所 は 、 しか し、EC法 上 の 判 断 基 準 の 国 内 裁 判 所 に よ る適 用 の た め に、 主 に 、 第2 十 分 に深 刻 な 違 反 」 の 基 準 に 関 して0般 的 お よ び 個 別 的 な 指 針 を 供 与 して 来 て い る。

ヨ ー ロ ッパ 裁 判 所 に よれ ば 、 あ るEC法 違 反 が 十 分 に深 刻 で あ る こ とを 認 定 す るた め に決 定 的 に 重 要 な判 断 基 準 は 、 「当 該 構 成 国 が … そ の 裁 量 権 の 限 界 を 明 白 に 、か っ 重 大 に(manifestlyandgravely)無 視 した か 否 か で あ る」(Brasserie 事 件 、55段)。 こ の 一・般 的 な 指 針 に 加 え て 、 当 該 の 国 家 機 関 が 問題 のEC法 上 の 準 則 に よ っ て 与 え られ る 裁 量 権 の 程 度 に応 じ て 、 さ ら に個 別 的 な 指 針 が 定 立 さ れ て い る。 す な わ ち 、 当 該 の 国 家 が 限 定 的 な 裁 量 権 の み を 、 あ る い は 、 何 ら の 裁 量 権 も有 して い な い 場 合 に は 、 単 な るEC法 の 違 反 そ れ 自体 が 国 家 補 償 責 任 を 確 証 す る た め に 十 分 に 深 刻 な 違 反 と な る(CaseC‑5/94,Rv.MAFFex

parteHedleyLomas[1996]ECRI‑2553,para)。

ま た 、 当 該 の 国 家 が 立 法 機 関 と して の 資 格 に お い て 行 為 し、 そ の 資 格 に伴 う 充 分 な 裁 量 権 を 享 有 して い る場 合 に は 、 以 下 の 諸 要 素 、 例 え ば 、 ① 違 反 を 受 け て い るEC法 上 の 準 則 の 明 瞭 さ と精 密 さ の 程 度 、 ② 問 題 のEC法 違 反 お よ び 損 害 の 発 生 が 意 図 的 で あ るか 、 あ る い は 、 非 自 発 的 で あ るか 、 ③ 何 らか の 法 の 錯 誤 の 場 合 に は そ れ が 弁 明 可 能 で あ る か 否 か 、 ④ あ るEC機 関 に よ っ て 採 られ た 立 場 が 問 題 の不 作 為 を助 長 した 可 能 性 が あ る とい う事 実 、 お よ び 、 ⑥EC法 に反 す る 国 内 措 置 も し くは 手 続 き の 採 択 あ る い は保 持 の 要 素 を 考 慮 に 入 れ て 認 定 で き る の で あ る(Brasserie事 件 、56段)。 さ ら に、 しか し、 上 記 の 網 羅 的 に挙 示 さ れ た も の で は な い 諸 要 素 の 考 慮 に よ っ て 到 達 した 如 何 な る見 解 に 基 づ く と して も、

も し、 あ るEC法 違 反 が 、 同 違 反 を認 定 す る ヨー ロ ッパ 裁 判 所 の 判 決 が 存 在 す る に もか か わ らず 、 あ る い は 、 問 題 の行 為 がEC法 違 反 を構 成 す る こ とが そ の 問 題 点 に 関 す る ヨー ロ ッパ 裁 判 所 の 先 決 裁 定 も し くは判 例 法 に よ っ て 明 瞭 で あ る に もか か わ らず 、 繰 り返 され る場 合 に は、 そ のEC法 の違 反 は 十 分 に 深 刻 な 違 反 と 認 定 さ れ る こ と に な る の は 明 瞭 で あ る(同 事 件 、57段)、 との 指 針 が 付 加 さ れ て

い る。

そ して 、K6bler事 件 の 先 決 裁 定 に お い て 、 当 該 の 国 家 が 司 法 機i能 を 営 ん で い る場 合 に も、 国 家 の 補 償 責 任 を確 証 す る 基 準 は 他 の 国 家 機 関 の 場 合 と 同 一 で あ

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る、 と判 示 され た(CaseC‑224/01,K6blerv.Austria[2003]1‑10239,para

52)。 し か し な が ら 、 そ の 判 示 に 続 け て 、 そ の 場 合 の 十 分 に 深 刻 な 違 反 」 (sufficientlyseriousbreach)が 認 定 され るた め に は 、 さ ら に、 司 法 機 能 に特 有 の 性 質 お よ び 法 の 確 実 性 の 正 当 な 諸 要 求 に 対 す る考 慮 が な さ れ る べ き で あ る

こ とが 明 示 さ れ た 。 そ して 、 最 終 審 裁 判 所 と し て 行 動 す る 国 内 裁 判 所 の 判 決 に よ っ て 生 じ るEC法 違 反 に つ い て 、EC法 上 の 構 成 国 の 義 務 不 履 行 を 意 味 す る breachの 語 で は な くEC法 上 の 権 利 侵 害 を よ り強 く意 味 す るEC法 の 侵 害(an infringementofCommunitylaw)の 語 句 が 使 用 され る こ とに よ っ て 、 そ の 場 合 の 国 家 責 任 の 成 立 の 決 定 に 際 して は、EC法 上 の 権 利 の 侵 害 行 為 の 態 様 が よ

り記 述 され 考 慮 さ れ 得 る もの と しな が ら、 最 終 審 裁 判 所 の 判 決 に よ るEC法 の侵 害 を原 因 とす る国 家 補 償 責 任 の 成 立 を他 の 国 家 機 関 に よ るEC法 違 反 を 原 因 とす る 国 家 補 償 責 任 よ り も よ り狭 い 、 以 下 の 範 囲 に 限 定 し た 。 す な わ ち 、 国 家 が 司 法 機 能 を 営 む 場 合 の 補 償 責 任 は 「当 該 裁 判 所 が 問 題 点 に 適 用 が あ る法(the apPlicablelaw)を 明 白 に 侵 害 し た 例 外 的 な 場 合 に お い て の み 発 生 し う る 」

(K6bler事 件53段)、 と した の で あ る。 そ して 、 こ の 適 用 が あ る法 の 明 白 な侵 害 」(amanifestinfringementoftheapPlicablelaw)の 基 準 が 満 た さ れ て い る か 否 か を判 断 す る 国 内 裁 判 所 の た め の 指 針 と して 、 さ ら に 、 ヨー ロ ッパ 裁 判 所 は、 以 下 の諸 要 素 が 考 慮 さ れ るべ き で あ る こ と判 示 した 。 す な わ ち 、 ① 侵 害 され て い るEC法 上 の 準 則 の 明 瞭 さ と精 密 さの 程 度 、 ② 当 該 の 侵 害 が 意 図 的 で あ るか 否 か 、 ③ 当 該 の 法 の 錯 誤 が 弁 明 可 能 で あ るか 否 か 、 ④ あ るEC機 関 に よ っ て 採 られ て い る、 問 題 点 に適 用 可 能 性 が あ る立 場 、 お よ び 、 ⑤EC条 約234条3 段 の 規 定 に従 っ て 生 じて い た 先 決 裁 定 の 付 託 義 務 の 問 題 の 裁 判 所 に よ る不 履 行 、 の 要 素 を考 慮 して 判 断 で き る も の で あ る(Kobler事 件55段)。 上 記 の 基 準 は 、 ヨー ロ ッ パ 裁 判 所 に よ っ て 、 問 題 の 国 家 補 償 責 任 を何 らか の 故 意 が 伴 う場 合 に 限 定 す る もの と してBrasserie事 件 に お い て 定 立 さ れ た3個 の 基 準 に付 加 的 に 機 能 す る 、 こ とが 考 慮 さ れ て い る も の で あ る 、 と 言 っ て 差 し支 え が な い で あ ろ う。 しか し、 そ れ らの 要 素 の 考 慮 に よ っ て 到 達 し た 如 何 な る見 解 に基 づ く と し て も、EC法 の侵 害 は 、 当 該 の 国 内 裁 判 所 の 判 決 が ヨー ロ ッパ 裁 判 所 の判 例 法 の 明 白 な 違 反 を な す よ う に 行 わ れ て い る場 合 に は 、 十 分 に深 刻 な も の で あ る、 と の 一 般 的 指 針 が 提 示 さ れ て い る。 しか しな が ら、 上 記 の 付 加 的 基 準 お よ び そ れ

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らを適 用 す る際 の 諸指 針 が 明示 され た に もか か わ らず 、 な お、 依 然 と して 、 「 用 が あ る法 の 明 白な侵 害 」 が成 立 す る場 合 がEC法 の法律 問題 に関 す る国 内裁判 所 の判 断 に 限定 され るの か 、 あ るい は、 法 律 問題 の み な らず 事 実 問題 に関 す る

国 内裁 判所 の決 定 に関 して も及 ぶ のか は、必 ず し も、明瞭 で はなか っ た。Traghetti 事 件 に お け る先 決 裁 定 は この 問題 点 につ いて の判 断 に関 わ る事 件 で あ っ た。

2,Traghetti事 件 の 事 実 関 係 と争 点 お よ び 先 決 裁 定 の た め の 質 問 内 容

ヨ ー ロ ッパ 裁 判 所 は 、TraghettidelMediterraneoSpA対Repubblica

Italiana事 件(CaseC‑173/03)に お い て 、 構 成 国 の 最 終 審 裁 判 所 に よ る ヨ ー ロ ッパ 共 同 体(EC)法 の 侵 害 を 原 因 とす る国 家 補 償 責 任 の原 理 が 同 原 理 を 制 限 す る 国 内 立 法 に 優 位 す る こ と を 判 示 した 。 本 件 に お け る先 決 裁 定 の 内 容 に 取 り 組 む 前 に 、 先 ず 、 同 事 件 の 事 実 関 係 お よ び 事 件 の 先 決 裁 定 に い た る ま で の 経 過

と争 点(2.1)お よ び 当 事 者 の 主 張 内 容(2.2)を 明 らか に し、 続 け て 、 本 件 先 決 裁 定 が 回 答 した 質 問 内 容 を 確 認 して お こ う(2.3)。

2.1本 訴 事 件 の 事 実 関 係 お よ び 事 件 の 経 過 と争 点

本 件 の 先 決 裁 定 を 付 託 した イ タ リ ア 国 内 裁 判 所TribunalediGenovaに 属 す る 本 訴 の 原 告 会 社(TraghettidelMediterraneoSpA)と 訴 外 会 社 (TirreniadiNavigazione、 以 下Tirrenia会 社)は 、1970年 代 に イ タ リア本 土 お よ び サ ル ジ ニ ア 島 とシ チ リ ア 島 の 間 に そ れ ぞ れ 定 期 フ ェ リー を 運 航 す る海 上 輸 送 事 業 者 で あ っ た。 原 告 は 、1981年 、Tirrenia会 社 を相 手 方 に して 、 ナ ポ リ地 区 裁 判 所(TribunalediNapoli)に 、Tirrenia会 社 に よ っ て 実 施 さ れ た 低 運 賃 方 針 の 結 果 と して 前 年 迄 に 受 け た と主 張 す る損 害 に つ い て 補 償 を 求 め て 訴 訟 を提 起 した 。 原 告 は、 そ の 補 償 請 求 を 、Tirrenia会 社 が 不 正 競 争 行 為 に 関 連 す る イ タ リ ア民 法 典2598条3項 の 遵 守 を 怠 り、EEC条 約 の85条 、86条 、90 条 、 お よび92条(現 在 のEC条 約 の81条(競 争 阻 害 行 為 の 禁 止)、82条(支

的 地 位 の 濫 用 の 禁 止)、86条(公 企 業 に 対 す る 規 制)、 お よ び 、EEC条 約92条 例 外 措 置 の 規 定 の 改 正 を 経 て87条(国 の 補 助 の 禁 止 お よ び 例 外 措 置))に 違 反 した こ と に根 拠 づ け た 。 そ の 具 体 的 な 理 由 と して 、 原 告 は 、Tirrenia会 社 が 国 の補 助 を 得 た た め に 経 費 を は る か に 下 回 る運 賃 で 運 航 す る こ と に よ っ て そ の 問 題 の フ ェ リー 運 航 市 場 に お け る支 配 的 地 位 を濫 用 して い る こ と、 お よ び 当 該 の

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公 的補 助 はEC法 に従 え ば その合 法 性 が 問題 で あ る こ とを申 し立 て た。

ナ ポ リ地 区裁判 所 は、1993年 、原 告 の 請 求 を棄 却 した。 原 告 は、 そ こで 、 同 裁 判所 の判 決 に対 して ナ ポ リ上 訴 裁 判 所 に上 訴 したが 、1997年 、 同上 訴裁 判 所 は、 ナ ポ リ地 区裁 判 所 の判 決 を是 認 し原 告 の請 求 を棄 却 した。 両 裁判 所 に よ る 原 告 の 請 求 棄 却 の 結 論 は 、 イ タ リ ア 当 局 に よ っ て 付 与 さ れ た 補 助 金 が Mezzogiornoと 呼 ばれ る南 部 イ タ リアの 開発 に関連 す る公 共 の利益 の諸 目的 を 反 映 す る もの で あ り、 それ 故 、 如 何 な る場 合 に お い て も、原 告 に よっ て反 対 さ れ て い るTirrenia会 社 の海 上連 結 以外 の何 らか の海 上 連結 の実施 、 お よび、 原 告 に よ って 反 対 され て い る海 上 連 結 との 間 の競 争 に不 利 な影 響 を与 え な い もの で あ るた め に合 法 的 で あ る、 とい う事 由 に基 礎 づ け られ て いた 。

そ こで 、 原 告 は、 イ タ リア最 高 裁判 所SupremadiCassazioneに 対 して 、 上記 の両 裁判所 の判 決 が 国 の補 助 の禁 止 に関 す るEC法 の不 正確 な解釈 に基 礎 づ け られ て い る こ とを理 由 と して 上訴 し、 同最高 裁 判所 がEC条 約117条3段(現 在 のEC条 約234条3段)の 規 定 に よって 国 内最 終 審裁 判所 が 負 う先 決 裁定 の 付 託 義務 に従 って、 問題 点 に関連 す るEC法 の解 釈 問題 を ヨー 「ロッパ 裁 判所 に送致 す る よ う要 請 した。 しか しなが ら、 イ タ リア最 高 裁判 所 は、2000年4月19日 第5087号 判 決 に よって、 本 件 の 実体 的 問題 に関 して 同最 高 裁判 所 の決 定 が 採 る アプ ロー チ は関連 す るEC条 約 の規 定 の文 言 に従 い、 さ らに は、 ヨー ロ ッパ 裁 判 所 の判 例 法 、 具 体 的 に はParliament対Council事 件(Casel3/83,[1985]

ECRl513)に お け る判 決 に完全 に一一致 して い る、 とい う事 由 に基 づ き、上 記 の 付託 要 請 を否 認 した 。

イ タ リア最 高 裁 判所 が 先 決 裁 定 の付 託 要 請 を否 認 す る際 に決 定 を与 え た実 体 的問題 は、①EEC条 約90条 と92条 の違 反 問題 、 お よび、 ②EEC条 約85条 86条 の違 反 問 題 で あ っ た。 第1の 問題 点 に関 して 、 同最 高 裁判 所 は、EEC条 90条 お よび92条 が 、 国家 補 助 の一般 的 禁 止 の例 外 を、一 定 の条 件 に基 づ いて 、 恵 まれ ない地域 の経 済 的 開発 を促 進 す るた め、 あ るい は、 自由競争 の営 み に よっ

て完 全 に充 足 され 得 な い物 や サ ー ビス の 需 要 を満 た す た め に許 容 す る、 と解 釈 した。 そ して、 本 件 は、 当該期 間 中(1976年 か ら1980年 まで)を 通 じて、 イ タ リア本 土 とそ の主 要 な諸 島 との 間 の積 み荷 輸 送 が 海 路 で必 要 な 費用 の た め に実 施 され 得 る はず が な く、 それ 故 、 海 路 輸 送 を1組 の運 賃計 画 を実施 す る公 的 営

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業 に委 託 す る こ とに よっ て よ り一・層 差 し迫 っ た海 路 輸 送 の需 要 を満 た す こ とが 必要 で あ っ た た め に、 そ の条 件 に適 合 して い る、 と判 断 した。

イ タ リア最 高 裁 判 所 は、 第2に 、EEC条 約85条 と86条 の違 反 問題 に関 して 原 告 に よ って な され た市 場 に お け る被 告 の 支 配 的地 位 の 濫 用 の主 張 を 、 以 下 の 事 由、 す な わ ち、 沿 海 航 行 活 動 は 当該 期 間 にお いて は 自由化 され て い な か った こ と、 そ して 、 それ ゆ え 当該 活 動 の 自国船 舶 お よび 自国 沿 海 の地 理 的範 囲 へ の 限定 はEEC条 約86条 の 目的 の た め に関 連 性 を有 す る市 場 の 明 瞭 な 同定 を不 可 能 に させ る こ との事 由 に基 づ いて根 拠 を欠 くもの と して退 けた 。 しか しなが ら、

同最 高 裁 判 所 は、 問題 とな る市 場 の 同定 が 困難 で あ る とは い え、 それ に もか か わ らず、 本 件 にお い て 付与 され た 国 の補 助 は、 海 上 輸 送 事業 者 に よっ て伝 統 的 に遂 行 され て来 て い る多数 の 活 動 の うち の1つ の活 動 、 す な わ ち積 み 荷 輸 送 に のみ 影 響 を与 え る もの で あ った た め に、 問 題 の フ ェ リー運 行 部 門 にお い て は現 実 的 な競 争 が 成 立 しえた はず で あ った 、 と判 示 した。

以 上 の実 体 的 問題 に対 す る判 断 に従 って イ タ リア最 高 裁 判 所 が本 件 の 上訴 を 棄却 した た め、 その間 に清 算 手続 きに入 って い た原告 会 社 の破 産管 理 人 は、 ジ ェ ノバ 地 区裁 判 所TribunalediGenovaに 対 して 、 イ タ リア共 和 国 を被 告 と し て 、 イ タ リア最 高裁 判所 に よって行 われ たEC法 の解釈 の誤 りお よび先 決裁 定 の 付託 義 務 の 違反 の結 果 と してTirrenia会 社 に よ って受 けた 損 害 につ いて 国 家 に

よ る補 償 を請 求 す る訴 訟 を提 起 した。

2.2本 訴 にお け る 当事 者 の主 張 と争 点 の概 要

原 告 は、 同最高 裁 判所 の判 決 が競争 お よび国 の補助 に関 す るEC条 約 の準 則 の 不 正確 な解釈 お よび それ らに関 して確 立 したEC裁 判所 の判例 法が 存在 して い る

との誤 っ た前 提 に基 づ い て い る、 と主 張 した。

被 告 ・イ タ リア共 和 国 は ま さ に本件 の 損 害 賠 償 訴 訟 と して の許 容性 に異 議 を 唱 え、 そ の論 証 を 司 法機 能 の行 使 にお いて 生 じ る損 害 を原 因 とす る補 償 お よび

4}

裁 判官 の民 事 責任 に関 す る1988年 法 律ll7号 の諸規 定 、特 に 同法 の2条2項 基礎 付 けた 。 す な わ ち、 同条 同項 に従 って 、 司 法 的 機能 の行 使 の文 脈 に お け る 法 の諸 規 定 の 解 釈 は 国家 責 任 を生 じさせ る こ とが 出 来 な い、 と抗 弁 した 。 しか しなが ら、 本件 が そ の先 決 裁 定 の 付託 裁 判 所 に よ って 許 容 され るべ きで あ る と 判 示 され る場 合 に は、 上 の抗 弁 に代 替 的 に、本 件 は、 い ず れ に して も、 先 決 裁

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定 の た めの 照 会 を支 配 す る諸 条 件 が満 た され て い な いた め、 さ ら に、 イ タ リア 最 高 裁 判所 の判 決 は、 同判 決 が既 判 力 を有 して い るた め に、 もはや 異議 申 し立 て の対 象 に は な らな い、 と主 張 した 。

上 記 の被 告 の抗 弁 に対 して 、原 告 は1988年 法 律117号 のEC法 上 の適 合 性 に 関 す る再 抗 弁 を主 張 した 。 す な わ ち、 同法 律 に よっ て定 立 され て い る訴 訟 の許 容 性 の 支配 原 理 お よび損 害 賠 償 に 関連 す る最高 裁 判 所 を含 む 国 内裁 判 所 の訴 訟 慣 行 は、 それ らが 司 法 上 の決 定 に よ って 惹 き起 こされ て い る損 害 に つ い て の 国 家 に よ る補 償 を得 る こ とを過 度 に困難 に、 実 際 に は実 質 的 に不 可 能 に して い る ほ どに制 限 的で あ る、 との 問題 を提 起 した 。原 告 の再 抗 弁 は、 従 っ て 、 問題 の 法 律 が 、 ヨー ・ロツパ 裁 判 所 に よ って 、 特 にFrancovich事 件 お よびBrasserie 事件 にお いて確 立 されて い るEC法 上 の 国 内裁 判所 手続 きの実 行 可 能性 原理 を顧 慮 しな い で い る、 との 主 張 で あ っ た。

2.3先 決 裁 定 の た め の質 問 内容

以 上 の 状 況 に照 ら して、 ジ ェ ノバ 地 区裁 判 所 は、 本 訴 手 続 きの進 行 の 中断 を 決定 し、 以 下 の質 問 に 関 して ヨー ロ ッパ 裁判 所 に よ る先 決 裁 定 を求 め て 同裁 判 所 に照 会 した。 す な わ ち、① 、構 成 国 は、 その 国 内裁判 所 に よ るEC法 の適用 に お け る錯誤 あ るい はEC法 を正確 に適 用 しな か った こ と、 お よび、特 に、 国 内最 終 審 裁 判 所 に よ る先 決 裁 定 の 照 会 義 務 の不 履 行 を原 因 と して 、個 々 の市 民 に対 して非 契約 上 の 責任 に基 づ い て法 的責 任 を有 す るか 、 お よび 、② 、 構 成 国 が 、 その国 内裁 判所 に よ るEC法 の適用 にお け る錯誤 あ るい はEC法 を正確 に適用 し なか った こ と、 お よび、 特 に 、 国 内最 終 審 裁判 所 に よ る先 決 裁 定 の照 会 義 務 の 不履 行 を原 因 として、 個 々 の 市 民 に対 して 非 契 約 上 の責 任 に基 づ い て法 的 責任 を有 す る、 とみ な され る場 合 、 司 法 上 の錯 誤 を原 因 とす る国 家 賠 償 責任 に関 す る国 内立 法 に よっ て 、 以 下 の 仕 方 、 す な わ ち、(a)司 法 的機 能 の 行 使 の過 程 に お い て提 示 され た法 の諸 規 定 の解 釈 お よび事 実 関係 や証 拠 手段 の 評 価 に関 連 す る責 任 を排 除 し、(b)国 家 責 任 を裁 判 所 の側 にお け る故 意 の 帰 責 事 由 お よび深 刻 な不 正行 為 の場 合 に もっ ぱ ら限定 す る仕 方 にお いて 、 構成 国 の 国家 責任 が妨 げ られ る こ とを確 言 す る こ とは、EC法 の諸原 理 に適 合 しない もの で あ るか 、 で あ っ た。

Kobler事 件 にお け る先 決 裁定 に引 き続 き、 ヨー ロ ッパ 裁判 所 の記 録 官 は、 本

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件 の照 会 裁 判 所 に対 して 、 同 裁 定 の写 しを送 達 し、 同裁 定 の判 旨 に照 ら して、

本 件 にお け る先 決 裁 定 の照 会 の継 続 が必 要 で あ る と考慮 す るか否 か を質 問 した。

ジ ェ ノバ 地 区裁 判 所 は、 そ こで 、本 訴 の両 当事 者 を審 問 し、K6bler事 件 に お け る先 決裁 定 が 本件 の第1番 目の質 問事 項 に対 す る包括 的 な回 答 を な して い る、

との見 解 を採 った 。 こ う して 、 ヨー ロ ッパ 裁 判 所 は、 第2の 質 問 事 項 に対 して 先 決 裁 定 を与 え る こ とに な っ た。

3.Traghetti事 件 に お け る 先 決 裁 定

ヨー ロ ッパ 裁 判所 は以下 の様 に先 決裁 定 を判 示 した(な お、 訳 出 に際 し、 〈〉

内 に掲 げ られ た 見 出 しや 訳 出本 文 中 の[]で 括 られ た 字句 を補 った)。

〈本 先 決 裁 定 の 回答 の範 囲 の確 認 〉

照 会 裁 判 所 の面 前 に係 属 す る訴 訟 手 続 きの ね らい は、 上 訴 を受 け な い最 高裁 判 所 の判 決 に 関 して 国家 に責 任 を負 わせ る こ とで あ る。本 件 の 照 会 裁 判 所 が維 持 した い と望 ん だ質 問 は、 それ 故、 本 質 に お いて 、 以下 の 問題 、 す なわ ち、EC 法 が 、 具体 的 には、K6bler事 件 の先 決 裁 定 に よって定 立 され た原 理 が、 本 訴 に

お いて 争 点 を な して い る国 内 立法 、 っ ま り、 第1に 、 最 終 審 裁判 所 と して 行為 す る国 内裁 判所 に よって行 われ たEC法 の侵 害 に よって個 人 に生 じて い る損 害 の た め の国家補 償 責 任 をそ のEC法 侵 害 が 当該 構成 国 の国 内最 終 審裁 判所 に よって 遂 行 され た法 の 諸規 定 の 解 釈 あ るい は事 実 関係 や証 拠 手段 の 評価 の結 果 で あ る 場 合 に全 て排 除 し、 第2に 、 さ らに加 え て、 国家 補 償 責 任 を 当該構成 国 の 国 内 最 終 審 裁 判 所 の側 にお け る故 意 の 帰 責 事 由 お よび深 刻 な不 正 行為 の場 合 に のみ に限 定 す る国 内立 法 を除 外 す るか 否 か の問題 に関 わ っ て い る、 と して 理 解 され な けれ ば な らな い(24段)。

裁 判所 のEC法 侵 害 を原 因 とす る 国家 補 償 責 任 に関 す る 当事 者 の見 解 も し くは 主 張 〉

〈原 告 と委 員 会 の見 解 〉

原 告 お よび委 員 会 の見 解 に よれ ば、 上 記 の 問題 が肯 定 的 な 回 答 を要 求 す る こ とは明 瞭 で あ る。 事 実 関 係 や証 拠 手段 の 評価 お よび法 の諸 規 定 の解 釈 は司 法 的 機 能 に本 来 的 な もの で あ るた め に、 司法 機能 の行 使 の 理 由 に よっ て、 個 人 に生

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じて い る損 害 の た め の 国 家 補償 責 任 を それ らの評 価 と解 釈 の場 合 に排 除 す る こ とは、実 際 にお いて は、 司法 に帰 属せ しめ られ るべ きEC法 の侵 害 を原 因 とす る 責任 の全 てか ら当該 国家 を結 局 にお いて 免除 す る とい う こ とを意 味す る(25段)・

さ らに、 国家 補 償 責 任 を その 国 内 最 終 審 裁 判所 の側 に お け る故 意 の帰 責 事 由 お よび深 刻 な不 正 行 為 の場 合 にの み に限 定 す る こ とに関 して も、 それ は、 第1 に、 司法 上 の決 定 に よって 生 じて い る損 害 に つ い て補 償 を求 め る訴 訟 に対 して 決定 を与 え る よ う要 請 され る裁 判 所 は̀深 刻 な不 正 行 為'の 観 念 それ 自体 の現 実 を解 釈 す る 自由 を委 ね られ て い るの で は な く、 前 もっ て、 か っ 、包 括 的 に・

何 が 深 刻 な不 正 行 為 とな るか を詳 説 す る国内 立 法 に よっ て定 立 され て い る厳 密

らラ

な 定 義 に 拘 束 さ れ て い る(26段)。 原 告 に よれ ぼ 、 そ の 結 果 は 、 問 題 の 国 内 立 法 の 実 施 に よ っ て イ タ リ ア 国 内 に お い て 得 られ た 経 験 か らす れ ば 、 当 然 に、 イ タ リ ア 国 内 の 諸 裁 判 所 、 特 に 、 ・イタ リ ア最 高 裁 判 所 は̀深 刻 な 不 正 行 為'お よ び

̀弁明 不 可 能 な配 慮 義 務 違 反'の 観 念 に つ いて 非 常 に狭 小 な 解 釈 を 採 択 して い る。

そ れ らの 観 念 は、 同 最 高 裁 判 所 に よ っ て 、̀法 の 明 白 な 、 言 語 道 断 の 、 か つ 大 規 模 の 侵 害'(manifest,grossandIarge‑scaleinfringement)と して ・ あ る

い は 、̀全 て の 論 理 的 な 基 準 に 反 す る 観 点 か ら の'法 の 構 成 的 解 釈(a constructionofthelaẁintermscontrarytoalllogicalcriteria')と

して 解 釈 さ れ て い る 。 そ れ ら は 、 実 際 に は 、 イ タ リ ア 国 家 に 対 して 提 起 さ れ た 諸 苦 情 の 棄 却 の 実 質 的 な 制 度 化 を も た ら して い る(27段)。

〈被 告 政 府 等 の 見 解 も し く は 主 張 〉

しか し な が ら、 イ タ リァ 政 府 に よ れ ば 、 同 政 府 の 立 場 は ア イ ル ラ ン ドお よ び 連 合 王 国 政 府 に よ っ て も支 持 され て い るが 、 そ の 国 内 立 法 は 、 一 方 に お い て は・

司 法 の 独 立 や 法 の 確 実 性 の 必 須 の 諸 要 求 を 保 持 す る必 要 と、 他 方 に お い て は ・ 司 法 に帰 属 せ しめ られ るべ きEC法 の 侵 害 の最 も 目 に 余 る(flagrant)諸 事 件 に お け る諸 個 人 の 司 法 に よ る保 護 の 実 効 性 の 供 与 す る こ と との 問 に公 正 な均 衡 を 創 出 す る も の で あ る た め に 、 ま さ にEC法 の 諸 原 理 に 完 全 に 適 合 し て い る(28 段)。

上 の イ タ リア政 府 等 の 見 解 に基 づ くな らば 、 司 法 に よ るEC法 侵 害 に起 因 す る 損 害 の た め の構 成 国 の 国 家 補 償 責 任 は 、 そ れ が 容 認 され う る とす る な らば 、 そ れ 故 、 専 ら、EC法 の 十 分 に深 刻 な侵 害 が 成 立 す る諸 事 件 に制 限 され る べ きで あ

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る、 こ とにな る。 しか しなが ら、 も しそ うで あ る とす るな らば、 国家 補 償 責任 は、 国 内裁判 所 がEC条 約 の規 定 の解 釈 を基 礎 と して 紛 争 に対 して決 定 を与 え、

そ の解 釈 が 同裁 判 所 の与 えた 決 定 の理 由 に充 分 に反 映 され て い る場 合 に は、 生 起 す る こ とは あ り得 な い こ とにな るだ ろ う(29段)。

裁 判 所 のEC法 侵 害 を原 因 とす る 国家 補償 責任 に関 す る ヨー ロ ッパ 裁 判所 の判 例 法 〉

〈K6bier事 件 によ る 原 理 の 定 立 と推 論 の基 礎 〉

その 点 に関 して、K6bler事 件 の先 決 裁 定 にお いて(同 裁 定31段) 、 ヨー ロ ッパ 裁 判所 は以 下 の こ と、す なわ ち、構成 国 は それ が関与 す るEC法 の違 反(breach) の結 果 と して諸 個 人 に対 して 生 じて い る損 害 を補 償 す る義務 を負 う、 とい う原 理 は・ 何 れ の 当局 の作 為 も し くは不 作為 が 当該 の違 反 の原 因 をな して い るので あれ・構 成 国 がEC法 に違反 す る全 て の場 合 に適用 が あ る、 と判示 した。 その判 示 に関 す る推 論 を、特 に、EC法 上 の準 則 に由来 す る諸個 人 の諸権 利 の保 護 にお い て裁 判 所 に よ って 果 た され る不 可 欠 な役 割 に、 お よび 、 最 終 審 と して行 動 す る裁判 所 は、定 義 に よって、 諸 個 人 がEC法 に よって付 与 され る諸権 利 を その面 前 にお いて主 張 し うる最終 の司法 機 関 で あ る とい う事実 に基 礎 づ けなが ら、 ヨー ロ ッパ 裁 判所 は、 も し、 諸 個 人 に付 与 され る諸権 利 が構 成 国 の 国 内最 終 審 と し て行 動 す る裁判 所 の判決 に帰 属せ しめ られ るべ きEC法 の侵 害 に よって影 響 を受

け る場 合 、 諸 個 人 が 一 定 の 諸 条 件 に従 っ て補 償 を得 る可 能 性 を排 除 され るな ら ば・ そ れ らの権 利 の保 護 が 弱体 化 され る こ とに な るで あ ろ う 一 ま た、 それ ら の権 利 を付与 す るEC法 の準則 の実効 性 が疑 われ る こ とにな るで あ ろ う、 と推 論

して い る(31段)。

〈問題 点 に適 用 が あ る法 の 明 白な侵 害 の条 件 に よ る補 償 責任 の 限 定 〉 確 か に・ 司法 機 能 に特 有 の性 質 お よび法 の確 実 性 の正 当 な諸要 求 に対 して顧 慮 を与 え るな らば、裁 判所 に よるEC法 侵 害 の事 件 にお け る国家 責任 は無 制 限で

はな い 。 ヨー 「ロッパ 裁 判所 がK6bler事 件 の 先 決 裁定(同 裁 定53段 〜55段)に お い て 判示 した よ うに、 そ の場 合 の 国家 責 任 は、最 終 審 と して行 動 す る当 該 の 国 内裁 判 所 が 明 白 に問題 点 に適 用 が あ る法 を侵 害 した場 合 の例 外 的 な事 件 にお いて の み生 起 し うるの で あ る。 問題 点 に適用 の あ る法 の 明 白 な侵 害 の条 件 が 満

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た され るか 否 か の決 定 の た め に当 該 の補 償 請 求 を審 理 す る裁 判 所 は、 同 裁判 所 に提 起 され て い る当該 事件 の状 況 を特徴 付 け る全 て の要 素 、 具体 的 に は、侵 害 を受 けて い るEC法 上 の準則 の明瞭 さ と精 密 さ、 当該 の侵 害 が故 意 に よ る もので あっ たか 否 か、 当該 の法 の錯 誤 が弁 明可 能 あ るい は弁 明不 可 能 で あ るか、EC機 関 に よっ て 当該 事件 の 問題 点 に関 連 して採 択 され その 問題 点 に適 用 が あ る立 場 、

お よび 問 題 とな っ て い る裁判 所 に よ る先 決 裁 定 の照 会 義 務 の不 履 行 を含 む 諸 要 素 を考 慮 しな けれ ば な らな い(32段)。

〈問題 点 に適 用 の あ る法 の 明 白な 侵 害 の条 件 が 満 た され る場 合 〉

法 の 諸 規 定 の 解 釈 の場 合 〉

上 の32段 とi類似 の考 慮 が 、諸 個 人 にEC法 に よ り付 与 され る諸権 利 の 司法 的 保 護 の実 効 性 を担保 す る必 要 に関 連 して 、国 家 補 償 責任 は、 最 終 審 裁 判 所 とし て行 動 す るあ る国 内裁判 所 に帰属 せ しめ るべ きEC法 の侵 害 が 同裁 判所 に よって な され た 法 の諸 規 定 の解 釈 か ら生起 して い る、 とい う理 由 だ けで 生 じ ない こ と を、 同様 に、排 除 す る(33段)。 一 方[す な わ ち、 司法 機 能 に特 有 の性 質]に いて 、 司法 の範 囲 内 の 活 動 が 考 慮 す る ものが 何 で あれ 、相 違 す る、 も し くは、

抵 触 す る主 張 に直 面 す る裁 判 所 は 、通 例 、 そ の面 前 に提 起 され て い る紛 争 を解 決 す るた め に、 問題 点 に関連 性 を有 す る国 内法 上 お よびEC法 上 の諸 準 則 を解釈 しな けれ ば な らな い た め に、法 の 諸 規 定 の 解 釈 は裁 判 所 の活 動 の ま さ に そ の本 質 の0部 分 を なす(34段)。 他 方[す な わ ち、 法 の確 実性 の正 当 な諸 要 求 。例 え ば、 法 の予 見 可能 性]に お いて、1個 の明 白なEC法 の侵 害 が 上 の解釈 作 業 の遂 行 の真 っ最 中 にお いて生 じ る こ とは、 も し、例 え ば、 当該 の裁 判 所 が あ るEC法

の実 体 法 上 の、 あ るい は 、 手続 き法 上 の 準 則 に対 して不 正 確 な あ る意 味 を・ 具 体 的 に は 、 そ の主 題 に関連 性 を有 す る ヨー ロ ッパ 裁 判 所 の判 例 法 に照 ら して 明 白に不 正 確 な あ る意 味 を与 え る とき(K6bler事 件 の先 決 裁 定56段 を参 照)、 ま た は、 当該 の裁判 所 が実 行 す る上 で 問題 点 に適 用 の あ るEC法 の侵 害 を もた らす 仕 方 にお いて 国 内法 を解 釈 す る とき に は、考 え も及 ば な い こ とで は な い か らで

あ る。

〈事 実 関 係 お よ び証 拠 手 段 の評 価 の 場 合 〉

類 似 の 結論 が 、構 成 国 の 国 内裁 判所 に対 して帰 属せ しめ るべ き当該EC法 の侵

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1・・

害 が そ の国 内裁 判 所 に よ る事 実 関 係 お よ び証 拠 手 段 の評 価 か ら生 じ る場 合 に構 成 国 の 国家 補 償 責任 の全 て を一一般 的 な仕 方 に お いて 排 除 す る国 内立 法 に関 して、

引 き出 され な けれ ば な らな い(37段)。 事 実 お よび証拠 手段 の評価 は、 一 方 にお い て ・法 の諸 規 定 の 解釈 の場 合 と同 じ よ うに、 司法 機 能 の 他 の本 質 的 な側 面 を 構成 す る。 なぜ な らば、1個 の個 別 具 体 的 な事 件 を理 解 した裁 判所 に よって採 択 され た法 の諸 規 定 の解 釈 が何 で あれ 、 それ らの規 定 の そ の事 件 へ の適 用 は、 そ の裁 判所 が 当該 事 件 の事 実 関係 につ い て 、 また 、 当該 紛 争 の両 当事 者 に よ って そ れ ら当事 者 の 目的 の た め に提 出 され た証 拠 手段 の価 値 と関 連 性 につ い て行 っ た評価 に よって しば しば決 ま るた めで あ る(38段)。 他 方 に お いて、 事 実 関係 お よび証 拠 手 段 に つ い て の 評価 は、 ときに は込 み入 っ た分 析 を要 求 す る こ ともあ るが ・ 一 定 の 諸 事 件 にお い て は、 立 証 の 負 担 あ るい は証 拠 手段 の 重要 性 も し く は許容 性 に関連 す る個 別 具 体 的 な規 定 の適 用 の 文脈 に お い て、 また は 、 事実 関 係 の法 律 上 の特 徴 付 け を要 求 す る諸 規 定 の適 用 の文 脈 に お い てで あ るか に関 わ らず ・ 問題 点 に適 用 が あ る法 の明 白 な侵 害 を、 法 の諸 規 定 の 解 釈 の場 合 に加 え て さ らに、 もた らす 可能 性 が あ る(39段)。

上 の よ うな状 況 に お い て 、 当 該 の国 内 裁 判所 に よっ て行 わ れ た と申 し 立て ら れ て い る問題 の 侵 害 が 同裁 判 所 に よ り事 実 関係 も し くは証 拠 手 段 につ いて な さ れ た評 価 に関連 す る もの で あ る場 合 に、 国家 補 償 責任 が 発 生 し う るで あ ろ う全 て の可 能性 を排 除 す る こ とは、 要 す るに、K6bler事 件 の 先 決 裁 定 にお いて定 立 され て い る原 理 か ら、 最終 審 として行動 す る裁 判所 が原 因 とな って い るEC法 明 白 な侵 害 に関 す る実 際 的 な効 果 の全 て を奪 う とい う こ とにな るで あ ろ う(40 段)。

この こ とは、[本 件 にお いて、]Leger法 務 官 が その意見 の87段 か ら89段 にお いて 所 見 を述 べ て い る よ うに、 特 に、 国 家 補 助 の領 域 にお いて真 実 で あ る。 同G)

領 域 に おい て 国家補 償 責任 の全 て を、 あ る国 内裁 判所 に よって 行 われ たEC法 侵 害 が 事 実 関係 の評 価 の結 果 で あ る、 との 事 由 に基 づ い て排 除 す る こ とは、 諸 個 人 がEC条 約 の関連 す る規 定 か ら得 て い る諸権 利 の保 護 が 、大 い に、 当該 事実 関 係 の法 的特 徴 づ けの 一連 の 作 業 に よっ て決 ま る点 にお いて 、 諸個 人 が 利 用 で き る手 続 き上 の保 証 の 弱体 化 を もた らす こ とに な る。 も し、 国家 補 償 責 任 が 国 内 裁 判所 に よ っ て遂 行 され る事実 関係 の 評価 とい う理 由で 全 く排 除 され るべ き

(17)

で あ る とす るな らば、 それ らの諸 個 人 は、 最終 審 と して 行 動 す る国 内裁 判 所 が 事 実 関 係 の法 的分 類 の0連 の作 業 を審 査 す る際 に あ る明 白な錯 誤 を犯 す場 合 に

は、 何 らの 司法 上 の保 護 も有 しな い こ とに な っ て しま うで あ ろ う(41段)・

〈「問題 点 に適 用 が あ る法 の 明 白な侵 害」 要件 の 充 足 判 断 とそ の一 般 的解 釈 〉 最後 に、 国家 補 償 責 任 を裁判 所 の側 に お け る故 意 の帰 責 事 由 お よび深 刻 な不 正 行為 の諸 事 件 に限 定 す る こ とに関 して 、本 裁 定 の32段 に お いて摘 示 され て い

る よ うに、 以 下 の こ とが 想 起 され な けれ ぼ な らな い 。 す なわ ち、 ヨー ロ ッパ 裁 判所 が 、K6bler事 件 の先 決 裁 定 に お いて 、最 終 審 と して行 動 す る国 内裁判 所 に 帰属 せ しめ られ るべ きで あ るEC法 の侵 害 の故 に諸 個 人 に生 じて い る損 害 を原 因 とす る国家 補 償 責 任 は当 該 の 裁 判 所 が 問 題 点 に適 用 が あ る法 を明 白 に侵 害 した 例 外 的 な場 合 におい て生起 し得 るだ ろ う と判 示 した こ と、が それで あ る(42段)・

上 の 明 白 な侵 害 は、 と りわ け、 幾 っ もの基 準 、 す なわ ち、侵 害 を受 けて い る準 則 の 明 瞭 さや 精 密 さの程 度 、 当該 の侵 害 が 故 意 に よ る もの で あ った か 、 当 該 の 法 の錯 誤 が弁 明 可能 も し くは不 可 能 で あ るか、お よび、EC条 約234条3段 に従 っ て負 う先 決 裁 定 の 照 会 義務 の問 題 の 国 内裁 判 所 に よ る不 履 行 に照 ら して 、 評 価 され な けれ ば な らな い。 何 れ に して も、 その 明 白 な侵 害 は、 関 与 す る判 決 が問 題 の 主題 に関 す る ヨー ロ ッパ裁 判 所 の判 例 法 の 明 白 な無 視 に お い て な され た場 合 に推 定 され る(K6bler事 件 の 先 決 裁 定53段 〜56段)。

従 っ て、 構 成 国 の 国 内法 は、 国 家 補 償 責 任 が 最 終 審 と して行 動 す る裁 判 所 に 帰 属せ しめ るべ きEC法 の侵 害 を原 因 と して生起 しう るに先 だ って満 た され な け れ ば な らな い そ の侵 害 の性 質 も し くは程 度 に関 す る基 準 を、 な お依 然 と して定 義 す る こ とが 出来 る。 しか し、 た とえ如何 な る事 情 が あ る と して も、 その 国 内 法 に よ る基 準 が 上述 のK6bler事 件 の先 決裁 定 に明 述 され て い る問題 点 に適 用 が あ る法 の 明 白 な侵 害 の 要 件 よ りも よ り厳 格 な諸 要 件 を課 す こ とは 出来 な い(44 段)。 救 済 を得 る権 利 は、 それ故 、 侵 害 を受 けて い るEC法 の準 則 が 諸 個 人 に対

して 諸権 利 を付 与 す る こ とが意 図 され 、 か つ 、 当該 の構成 国 家 に課 され る義務 の違 反 とそ の権 利 を侵 害 され た 当事 者 が 受 けて い る損 失 も し くは損 害 との 問 に 直 接 的 な 因果 関係 が存 在 す る こ とが 確 証 され る とき に(そ の 点 につ いて 、 と り

わ け 、Francovich事 件 の 先 決 裁 定40段 、BrasserieduPecheurand

(18)

200

Factortame事 件 の先 決 裁定51段 、お よびK6bler事 件 の先 決 裁定51段 を参照)、

問題 点 に適 用 が あ る法 の明 白 な侵 害 の条 件 が 満 た され る場 合 に お い て生 じ る こ とに な る・K6bler事 件 の先 決裁 定 、具 体 的 に は その57段 か ら明瞭 な よ うに、 以 上 の3条 件 は、 諸 個 人 に有利 な 救 済 を得 る権 利 を認 定 す るた め に必 要 か つ 十分 で あ る。 もっ と も、 これ は、 当該 構 成 国 の 国家 が 国 内 法 に準 拠 して よ り厳 格 で

はな い諸 条 件 に従 って 法 的責 任 を生 じ得 な い こ とを意 味 しな い(45段)

〈照 会 され て い る質 問 に対 す る 回答 〉

上 述 の考 慮 に照 ら して、 先 決 裁 定 を求 め る当 該 の 国 内裁 判 所 に よっ て 照会 さ れ た質 問 に対 す る回 答 は、(1)EC法 は、 問題 とな って い るあ る共 同体 法 の侵 害 が最 終 審 裁 判 所 と して 行 動 す る裁 判 所 に よ り遂 行 され た 法 の 諸規 定 の 解 釈 あ る い は事 実 関 係 も し くは証 拠 手段 の評価 か ら生 じて い る とい う事実 に よ っ て 同裁 判所 に帰 しうる場 合 に、当該 のEC法 の侵 害 に よって個 人 が受 け る損 害 につ いて、

あ る一 般 的 な仕 方 に おい て構成 国 の国家 補償 責任 を排 除 す る国 内立 法 をEC法 ら除 外 す る こ と、 お よび、(2)EC法 は、 さ らに、 国家 補 償 責 任 を当該 裁 判所 の 側 に お け る故 意 の帰 責 事 由 お よび深 刻 な不 正 行 為 が存 在 す る場合 の み に 限定 す る国 内立 法 を、 も し、 そ の よ うな限 定 が 、 そ の場 合 以 外 にお け る諸 事 件 、 す な わ ち・K6bler事 件 の先 決 裁 定 の53段 〜56段 に叙 述 され て い る よ うに、 問題 点 に適 用 が あ る法 の 明 白 な侵 害 が 行 わ れ る他 の場 合 にお け る諸 事 件 に関 わ る当該 構成 国 の 国家 責任 の排 除 を もた らす もの とな る とき に は、EC法 か ら除 外 す る こ

と、 で あ る。」

4.国 家補 償 責 任 の 、EC法 秩 序 に お け る機 能 とEC法 秩 序 に対 す る影響

本 件 の先 決 裁 定 に よって 、 以 下 の こ とが らが 明 らか に な っ た。

先 ず ・ 第1に ・ 「問題 点 に適用 が あ る法 の明 白 な侵 害 」 要 件 ない しは基 準 の範 囲 が 明 らか に な っ た。 す な わ ち、 「問題 点 に適用 が あ る法 の明 白な侵 害 」 は、 当 該 国 内裁判 所 が(1)EC法 上 の諸 準則 の解 釈 を行 う際 に、 また、(2)EC法 上 の 諸 準 則 を国 内 事件 に適用 す るた め に、 当該 事 件 にお い て 提 出 され て い る事 実 関 係 お よび証 拠 手段 の評価 を行 う際 に、成 立 し うる。(1)の 場 合 に は、(a)EC法 上 の あ る実 体 法 あ るい は手 続 き法 上 の 準則 に対 して 、 そ の主 題 に関連 性 を有 す

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