ヤマトシロアリにおける人為的外傷に起因する共喰い行動の解析
日本大学大学院 生物資源科学研究科
山中 康如 Yasuyuki Yamanaka
2019年3月
目次
1.緒言……… 1
2.試料と方法……… 4
2.1. 供試昆虫……… 4
2.2. 実験方法……… 4
2.2.1. 異なる体躯部位を傷つけた個体への共喰いの観察……….. 4
2.2.2. 異なる体躯部位を傷つけた個体への共喰いの量的観察………. 4
2.2.3. 職蟻体表炭化水素(CHC)ヘキサン抽出液を用いた摂食実験…………... 5
2.2.3.1. 職蟻体表炭化水素(CHC)の抽出………. 5
2.2.3.2. 職蟻体表炭化水素を付加した濾紙の摂食……… 6
2.2.4. 職蟻および兵蟻の体躯抽出液を用いた摂食実験………. 6
2.2.4.1. 職蟻および兵蟻の体躯抽出液の作成……… 6
2.2.4.2. 職蟻および兵蟻の体躯抽出液を含浸させた濾紙の摂食……… 7
2.2.5. 下唇腺および下唇腺を除いた胸部抽出液を用いた摂食実験…………. 7
2.2.5.1. 下唇腺抽出液および下唇腺を除く胸部の抽出液の作成……… 7
2.2.5.2.下唇腺抽出液および下唇腺除去胸部の抽出液の摂食実験………….. 8
2.2.6. 統計検定……… 8
3.結果……… 10
3.1. 異なる体躯部位を傷つけた個体における共喰い食害部位……… 10
3.2. 異なる体躯部位を傷つけた個体に対する共喰いの頻度と持続時間……… 10
3.3. 体表炭化水素(CHC)の摂食刺激性………. 11
3.4. 職蟻および兵蟻の体躯抽出液の摂食刺激性……… 11
3.5. 下唇腺の摂食刺激性……… 11
4.考察………... 13
4.1. 外科的創傷と共喰いの関係……… 13
4.2. 外傷個体への共喰い行動観察中にみられた垂直方向の振動行動……... 13
4.3. 体表炭化水素(CHC)と共喰いの関係………. 14
4.4. 体躯抽出液の摂食刺激性……….. 14
4.5. 下唇腺の摂食刺激性……….… 16
4.6. 総合考察……….. 16
5.引用文献……….. 18
6.摘要……….…. 25
表……….. 27
図………... 31
1.緒言
動物における共喰いは,同種の全体もしくは一部を殺して食べる行動で,生態学的また は進化的に重要ではなく,稀で偶発的にしか起こらない現象とかつては考えられ,飼育下 での異常な状況に起因しているともされた。しかし共喰いは,必須栄養素を容易に獲得す ることが可能な手段であり(Polis, 1981),個体密度を制限することによって競争を最小限
(Wise, 2006)にし,結果として自然環境内での適応度を高めることになることが近年の研究
からわかってきている。一方で,共喰い個体が共喰いに際して,傷を負う,あるいは被共 喰い個体から病原菌などをうつされる可能性もあり,このような状況下では逆にリスクと なる。
節足動物の共喰いについては,研究は獲物を捕殺する能力に通常かかわるものであり,
大半が肉食性昆虫に関するものである。しかし,非肉食性やその他の食性の昆虫でも共喰 いをする場合がある。そのような研究の具体例は,生態研究のモデル生物であるコクヌス トモドキTribolium spp. (甲虫目)(Hastings & Costantino, 1991)や社会性昆虫が対象となってき た。社会性昆虫の共喰い研究の多くは,多様な食性を持ち肉食性の種も多い膜翅目に関す るものである。一方で,本研究で扱うシロアリはそのほとんどが食材性・食菌性であり,
共喰いについては研究自体少ない。
シロアリ類(ゴキブリ目Blattaria-シロアリ下目Isoptera)は真社会性のゴキブリであることが 近年の研究からわかってきた(Inward et al., 2007)。シロアリ類は全て真社会性昆虫であるこ とから,コロニー内の個体間相互行動の解明は,社会生物学のみならずその防除に関連す る技術においても重要である。個体間相互行動の代表は,コロニー内で頻繁に行われるグ ルーミング行動である。グルーミングは巣仲間の体表面および附属肢をグルーミング行為 個体が口器を用いてなめる行動(McMahan, 1969; Dhanarajan, 1978)で,巣仲間の認識(Howard
& Blomquist, 1982; Howard & Blomquist, 2005)や昆虫の病原性体表面寄生菌の発芽を抑制す る働きがある(Yanagawa & Shimizu, 2007; Yanagawa et al., 2008)。
シロアリのコロニー内での共喰い(死体喰いを含む)は,窒素源の不足により引き起こされ ると考えられている(Collins, 1983; Nalepa, 1994)。しかし非常に限定的ではあるが,共喰いは 不健康な個体や傷ついた個体に対して行われる場合もある(Dhanarajan, 1978)。実際,死体,
衰弱個体,外傷個体などはシロアリ巣内ではほとんど見られず,それらは巣仲間によって 共喰いもしくは処理されることが知られている(Su & Haverty, 1991)。真社会性昆虫は常に過 密状態で生活しているため,彼らの社会生活を維持するため共喰い行動は厳密に制御もし くは制限される。シロアリにおける生存個体への共喰い行動には3つのカテゴリーがある。
第一は,特定の社会的状況下で特定の階級に対する共喰い行動である。大抵の場合,職蟻(こ こでは偽職蟻を含む)がニンフの翅芽を囓ることがNeotermes jouteli (Grassé & Noirot, 1946), Kalotermes flavicollis (Lüscher, 1952),Cryptotermes brevis,Incisitermes immigransお よび Neotermes connexus (Myles, 1986),さらにはReticulitermes urbis (Ghesini & Marini, 2009)で報告 され,これにより翅芽を囓られたニンフは有翅虫への分化を阻害され職蟻となることが知 られている。この現象は,巣内での階級個体比の調製に関与していると考えられる。
第二は,飢餓条件下における外傷のない個体に対する共喰い行動である(Cook & Scott, 1933; Su & La Fage, 1986; Song et al., 2006)。Raina et al. (2004)の腸内原生生物相を除去したイ エシロアリCoptotermes formosanusの脱翅有翅虫に対する共喰いは,消化効率の低下と原生 生物除去による重大な飢餓状態が関係していると考えられる。
第三は,体表面に傷がある個体への共喰い行動で ,フランス南東部のReticulitermes lucifugus var. santonensis (後にAustin et al. (2005)と Perdereau et al. (2013)により北アメリカの
R. flavipesと同種とされた)から初めて記録された。その要因としては,職蟻体液が摂食刺激
様の働きを持つこととされている(Dhanarajan, 1978)。イエシロアリやヤマトシロアリ
Reticulitermes speratus (Kolbe)においても類似の現象が調査されており,健康な職蟻が外傷を
負った職蟻から体液を吸う行動が観察されている(岩田・他, 1987; Iwata et al., 1999)。この場 合,ヘモリンフの滲出が吸い出し行動を誘発すると考えられた(Iwata et al., 1999)。Reinhard &
Kaib (2001)およびReinhard et al. (2002)は,これらの行動にかかわると思われる摂食刺激を報 告し,その原因物質としてハイドロキノンがイエシロアリとヤマトシロアリを含む様々な 下等・高等シロアリから同定された。一方,ハイドロキノンはイエシロアリにおいて低濃度 で摂食刺激性を示さず,高濃度では忌避性を示すともされる(Cornellius, 2003; Raina et al.,
2005)。またハイドロキノンは多様な生物に対して強い毒性を持つことが報告されている
(Enguita & Leitão, 2013)。しかしこの化合物は,Scolytus multistriatus (甲虫目-ゾウムシ科-キ クイムシ亜科)では高い摂食刺激活性を有しており,その起源はリグニンの代謝産物と関係 があると考えられた(Meyer & Norris, 1974)。シロアリにおけるハイドロキノンの情報化学物 質的役割は再検証の必要がある。いずれにせよ,第三カテゴリーの共喰い行動のメカニズ ムの解明は,ベイト剤のシステム(Lewis, 1997)に対しより良い摂食刺激の餌木を提供し,経 済的に重要なシロアリ防除に大きく寄与することが考えられる。
本研究ではまず,負傷部位(頭部,胸部,腹部)の違いに着目し,滲出するヘモリンフによ って誘発される攻撃行動(体液の吸出しも含む)の変化を明確にすることを目的として,ヤマ トシロアリ職蟻の共喰い行動の詳細な観察を行った。
次に,巣仲間の体表炭化水素(CHC)の存在が共喰い行動を阻害するという仮説をもとに,
CHCが外傷に起因する共喰い行動に与える影響について検証した。また,ヘモリンフの存 在は傷ついた個体に対する共喰いを誘発する摂食刺激要因であるというDhanarajan (1978)
とIwata et al. (1987; 1999)の研究結果の再検証をおこなうとともに,起源の異なるヘモリンフ
(職蟻・兵蟻; 頭部・胸部・腹部)の違いの詳細を,希釈したヘモリンフを染み込ませた濾紙 を餌として職蟻に与えて検証した。さらに上記の調査により,胸部にヘモリンフ以外の他 の摂食刺激物質の存在が示唆されたことから,摂食刺激およびシロアリによる餌のマーキ ングの役割(Reinhard et al., 1997; Reinhard et al., 2002)の共喰い行動との関係,消化酵素分泌 (Tokuda et al., 1997; Fujita et al., 2008)や兵蟻における防御物質の分泌(Sands, 1982)などの役 割を持つ下唇腺につき,職蟻のそれの共喰い行動との関係を調べた。
2.試料と方法
2.1. 供試昆虫
実験供試用のヤマトシロアリとして,東京都八王子産のアカマツPinus densiflora倒木丸太 から4コロニー,埼玉県秩父産のスギCryptomeria japonica倒木から1コロニーを採取した。
コロニーを含む丸太は玉切りし,コロニーごとに1プラスチックケースに入れ,研究室内 で23ºCにて維持した。シロアリは各観察および実験開始前7日以内に材から取り出して実験 に共試した。異なる外傷部位の外傷個体に対する共喰いおよび共喰いを伴うグルーミング の観察実験には秩父産コロニーを用い,そのほかの実験(同巣職蟻の体表炭化水素抽出液の 摂食実験,職蟻体躯抽出液での摂食実験,兵蟻体躯抽出液での摂食実験,職蟻下唇腺除去 胸部抽出液と下唇腺抽出液での摂食実験)には八王子のコロニーを用いた。実験に使用した コロニーはそれぞれの実験に対して単一とし,個体の再供試は行わなかった。
2.2. 実験方法
2.2.1. 異なる体躯部位を傷つけた個体への共喰いの観察
コロニーから職蟻を取り出し,(i)触角を基節から切除,(ii)前胸背板を二度針刺し,(iii) 腹部背板を(ii)と同様に針で2度刺し,(iv)無処理(コントロール)のうちどれか1つの処置を 行い,無処理を含む以上4外傷群の個体を調製した(図1)。作成した個体は,頭部または腹 部のいずれかに黒いエナメル塗料で印をつけ,健康個体との識別をはかった。作成した各群 の中からの1個体を同巣職蟻20頭とともに底面に蒸留水5mLで湿らせた濾紙を敷設したシ ャーレに投入した。室温(26 ± 1ºC)下で24時間後および48時間後に観察し,その時点で共喰 いにより食べられた部位を記録した。(i)~(iv)外傷群の外傷個体についてそれぞれ30反復 を行った。
2.2.2. 異なる体躯部位を傷つけた個体への共喰いの量的観察
この実験では,上記と同じ(i)~(iii)の外傷群(図1)を用いた実験設定のもと,傷ついた個 体への共喰いを伴うグルーミングの頻度および持続時間を記録した。無処理(iv)の個体に対 しては予備実験において共喰いが全く起こらなかったため,その実験は行わなかった。(i)
~(iii)の外傷群のうちいずれか1頭を20頭の健常な同巣個体と一緒にシャーレに入れ,前者
に対する後者のグルーミングの頻度および持続時間(グルーミングが共喰いを伴うか伴わな いかを問わず)を55分ごとに観察した。各観察は約5分間継続した。本実験では,グルーミ ング(共喰いおよび非共喰い)は,『グールミング行為個体の口器がグルーミング受領個体(外 傷個体)の体表面に触れ,かつ2秒以上大顎の動きを伴うなめる動作』と定義し,グルーミ ング行為個体の口器がグルーミング受領個体の体表面から2秒以上離れた場合をグルーミ ングの終了とした。24時間以内に頭部,胸部または腹部のいずれかが摂食によって失われ た場合,観察を終了した。3種の外傷群それぞれについて18回の反復を行った。これに加 え,グルーミングされたことに伴って起きる垂直方向の振動行動についても観察・記録を行 った。グルーミング受領個体はしばしばこの行動を示し,その結果共喰い的攻撃が中止さ れた(山中, 未発表)。
2.2.3. 職蟻体表炭化水素(CHC)ヘキサン抽出液を用いた摂食実験
2.2.3.1. 職蟻表炭化水素(CHC)の抽出
1つのコロニーから30頭の職蟻を集め,–30ºCの冷凍庫に5分間入れて凍殺し,さらにこ
れらを2.5mLのヘキサン(HPLC用,和光純薬工業製)中で凍結状態を維持し,職蟻30頭を10
分間洗浄して抽出液が非クチクラ成分で汚染されないようにし,体表炭化水素(CHC)を抽出 した。次いでシリカゲル(ワコーゲルC-300,和光純薬工業製)を充填したパスツールピペッ トに通して水分を除去し,ヘキサンで2.5mLの容量に調製した。作成した職蟻体表炭化水素
(CHC)ヘキサン抽出液は分析するまで–30ºCの冷凍庫内で保存した。
2.2.3.2. 職蟻体表炭化水素を付加した濾紙の摂食
CHC抽出液を用いた摂食選択試験には,60ºCにて48時間乾燥器中で乾燥後秤量した2枚 の正方形の濾紙(1cm×1cm)を供試した。一方の濾紙には20LのCHC抽出ヘキサン溶液(職蟻 0.24頭相当)を含浸させ,もう一方の濾紙にはコントロールとして20Lヘキサンのみ含浸さ せ,CHC付着濾紙とコントロール濾紙を作成した。これらの濾紙から溶媒を完全に揮散さ せた後,濾紙をイオン交換水(15μL)で湿らせ,CHC付着濾紙とコントロール濾紙を対にして,
2.2.3.1.で使用したコロニーの職蟻30頭とともに厚さ2mmの寒天培地を敷いた直径5cmのシ
ャーレに投入した。これを26 ± 1ºCのインキューベーター内で72時間静置し,濾紙をシロア リに摂食させた。終了後濾紙を取り出し,脱イオン水で洗浄し,60ºCにて48時間乾燥器中 で乾燥し,秤量して濾紙の絶乾消費量を算出した。
2.2.4. 職蟻および兵蟻の体躯抽出液を用いた摂食実験
2.2.4.1. 職蟻および兵蟻の体躯抽出液の作成
本実験は共喰い誘発因子の起源を特定することを目的としたが,そのためには消化管内 容物に関連する摂食刺激要因を排除する必要があった。そのため職蟻および兵蟻の体躯抽 出液の作成には消化管を除去した個体を供試した。各種体躯抽出液の調製に使用する消化 管を除いた体躯部位(消化管除去体躯全体,頭部,胸部および腹部)の体重の相対値を知るた め,職蟻(900頭)と兵蟻(500頭)をコロニーから取り出し,–30ºCで約5分間凍結させ凍殺した。
次にピンセットを用いて消化管を肛門から抜き取り,消化管を除いた重量を測定して1頭 当たりの値を算出した(表1)。次に表1を参考に職蟻の体躯全体, 頭部,胸部または腹部を 職蟻1頭当量につきイオン交換水1.5Lとともに1.5mLチューブ中でそれぞれホモジェナイ
ズし,10,000rpmで2分間遠心分離してその上清を回収,4種の職蟻体躯部位抽出液を作成
した。
4種の兵蟻体躯抽出液の調製は職蟻体躯抽出液と同じ手順で実施し,溶液中に含まれる
兵蟻成分の量を職蟻のそれと同一にするためにそれぞれの重量比を計算し,この値をもと に供試試料量を調製した。
2.2.4.2. 職蟻および兵蟻の体躯抽出液を含浸させた濾紙を用いた摂食実験
シロアリの体抽出液を用いた摂食選択試験には,105ºCで少なくとも6時間乾燥器内で絶 乾して秤量した正方形の濾紙(1cm×1cm)を2枚供試した。一方の濾紙に2.2.4.1.で作成した4 種の体躯部位抽出液のうちのいずれか1種(15L)を含浸させ,4種類((1)体躯全体抽出液濾 紙,(2)頭部抽出液濾紙, (3)胸部抽出液濾紙,(4)腹部抽出液濾紙)の濾紙を作成した。同様に イオン交換水(15L)のみを含浸させたコントロール濾紙も作成した。4種の体躯抽出液含浸 濾紙のいずれかをコントロール濾紙と対にし,2.2.4.1.と同じコロニーの職蟻60頭とともに イオン交換水(500L)で湿らせた川砂5g(500 μmメッシュ,スドー(株)製)を敷いた直径5cmシ ャーレに投入した。その後,インキュベーター内(26 ±1ºC)で24時間または72時間静置し,
シロアリに濾紙を摂食させた。終了後濾紙をイオン交換水で洗浄し,105ºCで乾燥し絶乾重 量をもとめ,消費量を算出した。
兵蟻においても職蟻での実験と同様の方法で4種((1’)体躯全体抽出液濾紙,(2’)頭部抽出
液濾紙, (3’)胸部抽出液濾紙,(4’)腹部抽出液濾紙)の体躯抽出液含浸濾紙を作成し, コントロ
ール濾紙(C)との間で摂食実験を行った。兵蟻は限られた個体数の入手にとどまったため,
72時間の兵蟻抽出液での実験は実施しなかった。
すべての試行について30回の反復を行った。
2.2.5. 下唇腺および下唇腺を除いた胸部抽出液を用いた摂食実験
2.2.5.1. 下唇腺抽出液および下唇腺を除く胸部の抽出液の作成
単一のヤマトシロアリコロニーから職蟻を 200 頭取り分け,ピンセットと鉤針を用いて 職蟻の胸部から下唇腺(図2)を取り出した。職蟻200頭分の下唇腺または下唇腺除去胸部を
それぞれ1.5mLチューブに入れイオン交換水400Lとともにホモジナイズし,5ºCおよび
10,000rpmで2分間遠心分離の後,各ホモジネートの上清を回収し,下唇腺抽出液と下唇腺
除去胸部抽出液(以下,(1)下唇腺抽出液(LGE),および(2)下唇腺除去胸部抽出液(THE))を作 成した。
2.2.5.2.下唇腺抽出液および下唇腺除去胸部の抽出液の摂食実験
作成した2種の抽出液それぞれに対してコントロールとして(3)イオン交換水(CON)との 間で摂食実験を行った。正方形濾紙(2.5mm×2.5mm)に 2.2.5.1.で作成した(1)LGE,(2)THE
または(3)CONをそれぞれ2L含浸させ3種の濾紙を作成した。(1)LGE対(3)CON,および
(2)THE対(3)CONの2通りの組み合わせで,各濾紙20枚(計40枚)を底面に素寒天培地を厚
さ2mmで敷いたプラスチック容器(100mm×100mm×高さ80mm)に図3のように配置した。
同一コロニーから職蟻 300 頭を取りわけ,上述のように濾紙を配置したプラスチック容 器の中に投入し,濾紙をヤマトシロアリ職蟻に24時間摂食させ,実験終了後濾紙の摂食枚 数を数えた。濾紙のカウント方法は,完全に摂食された場合1枚とし,四隅のうちの 1 つ が摂食された場合は紙0.25 枚と定義し,計算により摂食枚数を算出し,消費された濾紙の 総数を求めた。実験は,インキュベーター内で26 ± 1ºCの温度で行った。(1)LGE対(3)CON,
および(2)THE対(3)CONの各組み合わせについて各9回反復した。
2.2.6. 統計検定
3種の外傷群のそれぞれにつき,24時間または48時間後までに共喰いよって摂食された体 躯部位の数を,2検定よび残差分析を用いて比較した。
24 時間後の3種の外傷群のそれぞれについて,体躯部位に対する共喰いを伴うおよび伴 わないグルーミングの頻度を,外傷群間と共喰い有無間についてKruskal–Wallis検定および
Steel–Dwass検定を用いて比較した。
CHC抽出ヘキサン溶液で処理した濾紙とヘキサンで処理した濾紙(コントロール)の摂食 量の比較は,Studentのt検定で行った。職蟻と兵蟻抽出液を含浸させた濾紙間の摂食量につ
いては,Mann–WhitneyのU検定で違いの有意性を調べた。職蟻と兵蟻抽出液を含浸させた濾
紙とそれぞれのイオン交換水のみを含浸させた濾紙間の摂食量の比較にはStudentのt検定を 用いた。LGEとTHEを含浸させた濾紙の摂食枚数は,Mann–WhitneyのU検定を用いて比較し た。LGEまたはTHEを含浸させた濾紙と無処理濾紙(CON)との比較は,Wilcoxonの符号化順 位検定で行った。すべての統計検定はR version 3.4.3 software (R Development Core Team,
2013)を用いて行った。
3.結果
3.1. 異なる体躯部位を傷つけた個体における共喰い食害部位
胸部外傷個体の胸部では25個体(83.3%),腹部外傷個体の腹部では28個体(93.3%)が24時間 以内に共喰いにより食害されたが,頭部外傷個体の頭部の食害は1個体(3%)のみでほとん ど食害されることはなかった(表2)。また腹部外傷個体では,巣仲間による共喰いは腹部か ら胸部にかけて広がり,48時間後に腹部負傷者のすべてで胸部が共喰いにより食害された。
胸部外傷個体では,胸部から腹部に至る波及的な共喰いは少なく,胸部外傷個体と腹部外 傷個体の間の共喰い部位の波及の程度の差は有意であった(表2,2検定および残差分析)。
3.2. 異なる体躯部位を傷つけた個体に対する共喰いの頻度と持続時間
傷を設けた頭部,胸部および腹部に対するグルーミングの頻度は,胸部外傷個体におけ る胸部と腹部の間の比較を除いたすべての組み合わせで,非創傷部より創傷部に対するも のの方が有意に高かった(Kruskal–Wallis検定,p < 0.01;Steel–Dwass検定,p < 0.05;表3)。
観察中に起こった負傷部位へのグルーミングは,負傷部位にグルーミング個体の触角が 触れて初めて開始された。すなわち触角の接触が,負傷部位へのグルーミングの前提条件 になっているものと考えられた。
外傷個体は,グルーミングされる際にしばしば垂直方向の振動行動を呈し,負傷した体 躯部位および無傷の体躯部位の振動行動の頻度は有意に異なり,前者でより頻繁に発生し ていた(Kruskal–Wallis検定,p < 0.01;Steel–Dwass検定,p < 0.05;表3)。また頭部および腹 部負傷個体の振動行動は,負傷した部位へのグルーミングの持続時間を有意に減少させた (Mann–Whitney U検定, p < 0.05;表3)。一方胸部外傷個体の振動行動は,他の部位を負傷し た個体よりも有意に頻度が低く(Mann–Whitney U検定,p > 0.05;表3),振動行動がグルー ミングの持続時間を短縮させることはなかった。
3.3. 体表炭化水素(CHC)の摂食刺激性
体表炭化水素(CHC)のヘキサンで抽出液を用いた摂食選択試験を72時間行った結果(図4), CHC処理濾紙と未処理(コントロール)濾紙との間に有意な摂食量の差は見られなかった。
濾紙1枚に含浸させたのが職蟻0.24頭相当のCHCであったことにより,通常のシロアリ生 活環境下でCHCが共喰い行動の要因となっている可能性は低いと言える。
3.4. 職蟻および兵蟻の抽出液の摂食刺激性
職蟻体躯抽出液含浸濾紙を用いた24時間の摂食実験では,4種(1~4)の体躯抽出液含浸 濾紙はコントロール濾紙(C)よりも有意に多く摂食された(Mann–Whitney U検定,p < 0.05; 図5~6)。兵蟻の(1’)体躯全体抽出液含浸濾紙(対応関係のあるt-検定,p < 0.01;図5),お よび体躯各部位抽出液含浸濾紙(2’~4’)については,抽出液を含浸させた濾紙がコントロー ル濾紙(C)よりも有意に多く摂食され(対応関係のあるt-検定,p < 0.05;図6),職蟻と同様 に兵蟻の体躯抽出液も摂食刺激効果を示した。職蟻と兵蟻の抽出液に対する摂食量を比較 すると,前者が腹部を除くすべての体躯部位で濾紙消費量が有意に多かった(図5)。
72時間の職蟻体躯抽出液含浸濾紙の摂食試験では,頭部を除くすべての体躯部位の抽出 液を含浸させた濾紙消費量が有意に高かった。即ち,(1)体躯全体含浸濾紙,(3)胸部抽出液 含浸濾紙,または(4)腹部抽出液含浸濾紙は,コントロール濾紙(C)よりも有意に多く摂食さ れ,(2)頭部抽出液を含浸させた濾紙とコントロール濾紙(C)の摂食量に有意差はなかった(図 5~6)。
3.5. 下唇腺の摂食刺激性
(1)下唇腺抽出液(LGE),(2)下唇腺除去胸部の抽出液(THE),(3)イオン交換水のみのコント
ロール(CON)を用いた摂食実験の結果を表4に示した。(1)LGEと(3)CON間および(2)THE
と(3)CON間での濾紙摂食枚数の比較では,(1)LGEおよび(2)THEの双方について,(3)CON
よりも有意に多くの枚数の濾紙が摂食され,(1)LGEおよび(2)THEともに摂食刺激性を持つ ことが示された(Wilcoxonの符号化順位検定,p < 0.05;表4)。
また(1)LGEと(2)THEそれぞれを含浸させた濾紙間の摂食枚数の比較では,
(1)LGEが(2)THEよりも有意に多く,下唇腺がより強い 摂食刺激性を有してい るこ
とが示された(Mann-Whitney U検定,p < 0.05)。
4.考察
4.1. 外科的創傷と共喰いの関係
共喰い行動は,無傷のシロアリ間ではめったに観察されない行動(Whitman & Forschler,
2007),有傷のシロアリにたいしてもその報告はDhanarajan(1978)と岩田隆太郎・他(1987)の
みと知見がすくなく体部位ごとの詳細な観察は行われていない。本観察では胸部または腹 部に対する外科的創傷が高い確率(90%;表2)で共喰い行動を誘起することが示された。
共喰いを伴うグルーミングの頻度の評価では,胸部を負傷した個体(表3)の腹部に対する グルーミングの場合を除いて,外科的創傷の体躯部位は,無傷の体躯部位よりも有意によ り頻繁に共喰いを伴うグルーミングを受けることが示された。これらの事実は,外傷が共 喰いを誘発することを示唆している。傷口からの体液の吸出しを伴うグルーミング行動は,
常にグルーミング個体の触角が傷ついた個体のヘモリンフに接触することから開始される ことから,これはヘモリンフ中のいくつかの不揮発性物質と関連している可能性が高いも のと考えられた。頭部が共喰いの結果食べつくされることはほとんどなかったが,これは 頭部外骨格の物理的構造が要因と考えられる。胸部を傷つけた個体の胸部と腹部のグルー ミング頻度の差に有意性は見られなかった。一般に腹部はシロアリの体躯部位中で最も表 面積のある部位なので,共喰いに関連しない正常な腹部グルーミングの頻度に希釈されて 差が明瞭にならなかったことによる可能性が考えられる。
表2に示すように,負傷腹部から無傷の胸部へのグルーミングの波及は,負傷胸部から 無傷の腹部へのそれよりも著しく高かった。胸部外傷個体への共喰いは,傷ついた個体の 振動行動によって妨げられることはなかった(表3)。以上は,強い活性をもつ摂食刺激物質 が胸部に存在することを強く示唆するものである。本種を含むReticulitermes属の下唇腺の構
造と位置(Reinhard et al., 1997)を考慮すると,この摂食刺激物質は下唇腺に由来する可能性
が非常に高い。
4.2.共喰い行動観察中に見られた外傷個体の垂直方向振動行動
シロアリは縦振動と横振動の両方を行うことが知られている(Howse, 1965; Conn et al., 1999)。湿材シロアリであるZootermopsis angusticollis (オオシロアリ科)の職蟻では,縦振動 は昆虫病原性真菌胞子の付着に対する「病原体警報」として作用し(Rosengaus et al., 1999),乾 材シロアリCryptotermes secundus (レイビシロアリ科)の職蟻では,これは食物源の存在の指 標および動員の合図として機能する(Evans et al., 2005; Evans et al., 2007)。地下性シロアリで あるヤマトシロアリを用いた本研究では,飼育下で共喰いの対象となった個体の縦方向振 動が観察され,傷ついた体躯部位(頭部および腹部)に対するグルーミングの持続時間を有意 に短縮することが示され,これはグルーミングと共喰いを行う同巣個体に対する拒絶のサ インとして機能しているものと考えられた。
Sun & Zhou (2013)によると,社会的昆虫における死亡認知は,死亡陽性因子(death-positive factor)としての”fatty acid death cue”(「脂肪酸死亡指標」)と,死亡陰性因子(death-negative factor)としての”chemical vital sign"(「化学的生命指標」)の2つの要因に依存する可能性があ る。シロアリでは,”fatty acid death cue”のみが埋葬行動に関連する因子として報告されてい る(Chouvenc et al., 2012; Neoh et al., 2012)。このことを踏まえ,本実験の結果から外傷が誘発 する共喰い行動においても,死の認知に類似した死亡陽性因子および死亡陰性因子の双方 が存在しうるといえる。本研究で観察された軸方向振動は一つの死亡陰性因子であり,共 喰いを回避する要因の一つと考えられる。
表3の結果は,胸部への共喰い攻撃に対する振動行動の拒絶機能が不十分である場合を 含んでおり,これは被共喰い個体の生存状態にかかわらず別の「死の指標」の存在を示唆し ている。
4.3. 体表面炭化水素(CHC)と共喰いの関係
シロアリは真社会性昆虫として,所属巣と他の巣を区別する必要がある。このためシロ
アリは異種間,同種異巣間での排他性の指標として体表炭化水素組成(CHCP)を利用してい る(Howard & Blomquist, 1982, Howard & Blomquist, 2005; Bagnères et al., 1991; Delphia et al., 2003) (ただしこれにはSu and Haverty (1991)やMatsuura (2001)による異論も見られる)。識別 は識別個体の触角が被識別個体の体表面に触れることで行われ,もし巣仲間以外であれば 何らかの攻撃行動が見られることから,傷口から滲出するヘモリンフへの触角の接触から 開始される体液吸出しを伴うグルーミングは,滲出するヘモリンフによりCHCが覆い隠さ れ巣仲間認識がなされないがためにより攻撃的な共喰へと向かわせる要因となる可能性も ある。これにより,共喰い行動の要因としてCHCPは避けて通れないものと考えられる。し かし本研究では,同種同巣個体間の共喰いと体表炭化水素(CHC)の関係性は示されなかっ た。これは,今後特に巣間のアゴニズムの要因解析をめざして,シロアリの共喰いの更な る研究が必要となるであろう。
4.4. 体躯抽出液の摂食刺激性
本研究では職蟻と兵蟻の双方の体躯抽出液が,実験の開始から24時間後までに職蟻に対 して非常に高い摂食刺激性を示した(図5~6)。これはReticulitermes flavipes職蟻体液につ
いてのDhanarajan (1978)の記述と一致する。職蟻抽出液を用いた72時間の実験では,頭部
抽出液の摂食刺激活性は経時的に変化したが,胸部抽出液および腹部抽出液はその限りで はなかった。これは,各体躯部位に存在する摂食刺激物質の質的または量的な違いによる ものと考えられた。摂食実験の結果から兵蟻体液にも摂食刺激性が見いだされたが,職蟻 よりも摂食刺激性は穏やかであった。シロアリにおいては,カースト間の形態的・生理的・
行動的な違いは著しい。例として,ヤマトシロアリやオオシロアリHodotermopsis sjostedti (オ オシロアリ科)の兵蟻ではトロファラクシスの受容の頻度が職蟻のそれよりも低いこと (Iwata et al., 1999; Machida et al., 2001),オオシロアリとタカサゴシロアリNasutitermes takasagoensis (テングシロアリ亜科)のβ-1,4-エンドグルカナーゼ活性(Fujita et al., 2008)や,
Reticulitermes flavipes (Kollar)およびイエシロアリC. formosanusの空気窒素の同化率(Breznak
et al., 1973)が職蟻に比べ兵蟻の方が低いことが挙げられる。これらの事実は,職蟻より社会
的および生理的に兵蟻が活発でないことを示唆している。またReticulitermes兵蟻は頭部の 分泌腺に防御物質としてテルペノイドを持つ(Prestwich, 1984)が,兵蟻の摂食刺激性がこの テルペノイドが原因で職蟻のそれよりも低くなっていることも考えられる。ヤマトシロア リの兵蟻は,やや種特異的な捕食者であるオオハリアリPachycondyla chinensis (アリ科-ハリ アリ亜科)の攻撃から巣を守るために重要な働きをする(Matsuura, 2002; Iida & Akino, 2016) が,元来個体数が少ないことから(Haverty, 1979),兵蟻の損失は職蟻の損失よりリスクが大 きいものと考えられる。それゆえ軽く負傷した兵蟻の体液摂食刺激を抑えることで,兵蟻 への共喰いを低く抑える効果がある可能性も考えられる。
4.5. 下唇腺の摂食刺激性
下唇腺抽出液(LGE)を含浸させた濾紙と下唇腺を除く胸部の抽出液(THE)を含浸させた濾 紙はともに摂食刺激性を有しており,ヘモリンフだけでなく胸部内組織である下唇腺に共 喰いを誘起させうる物質が存在している可能性が示された。LGE濾紙とTHE濾紙について,
職蟻の摂食枚数で比較すると,前者は後者よりも有意に多く摂食され,ヤマトシロアリの 共喰いにおける下唇腺の重要な役割が示唆された。下唇腺におけるこの活性と類似する化 学物質としてハイドロキノンが下等シロアリにおいて同定されているが,本結果との因果 関係は不明である。
4.6. 総合考察
ヤマトシロアリは日本国内における最も分布範囲の広い家屋食害性シロアリの一種であ り,木材保存上の最重要の防除対象種の一つである。それゆえ,元来多種多様なシロアリ 防除剤が研究・開発されている。近年,害虫の防除においては総合的害虫管理(integrated pest
management; IPM)という考えが広く提唱されている。IPMは,病害虫の防除に関し利用可能 なすべての防除技術を考慮し,適切な手段を総合的に講じることにより経済的・効力的・環 境的に最良の結果を得ることを旨としている。シロアリ防除薬剤も,殺蟻効果が高いが環 境毒性も高い有機塩素系化合物から有機リン系化合物,さらにはネオニコチノイド系,ピ レスロイド系化合物をはじめとする様々な化合物に変更されてきた。しかし,化学物質ア レルギーの問題などの顕在化に伴い,化学物質使用への依存度を軽減することが急務であ る。それゆえに前述のIPMの考えから従来の化学的防除に加え,シロアリの生物学,生態学,
生理学,行動学の知見によるさらなる防除技術の開発・向上が望まれる。
本研究の結果から,ヤマトシロアリの職蟻間の共喰いは,通常のグルーミングを行う過 程で傷口の存在により引き起こされ,そこでの最重要要因は体液,特に胸部にある下唇腺 に含まれる成分の滲出であり,体表炭化水素の関与はないものと考えられた。これらの知 見はシロアリの社会生物学における新しい見方を提供するのみならず,ヤマトシロアリの 防除に際し,コロニー内での職蟻個体間の共喰い促進によるコロニーの衰退に向けての技 術,ベイト工法における餌木の改善などへの応用が可能である点で重要と考えられる。
5.引用文献
Austin, J.W., Szalanski, A.L., Scheffrahn, RH, Messenger, M. T., Dronnet, P. & Bagnères, A.G.
(2005): Genetic evidence for the synonymy of two Reticulitermes species: Reticulitermes flavipes and Reticulitermes santonensis. Annals of the Entomological Society of America, 98:
395–401.
Bagnères, A.G., Killian A., Clément, J.L. & Lange, C. (1991): Interspecific recognition among termites of the genus Reticulitermes: Evidence for a role for the cuticular hydrocarbons. Journal of Chemical Ecology, 17: 2397–2420.
Bordereau, C. & Pasteels, J.M.(2011): Pheromones and chemical ecology of dispersal and foraging in termites. In: Bignell, D.E., Roisin, Y., Lo, N. (eds.) Biology of Termites: A Modern Synthesis.
Springer, pp. 279–320.
Breznak, J.A., Brill, W.J., Mertins, J.W. & Coppel, H.C. (1973): Nitrogen fixation in termites.
Nature, 244: 577–580.
Chouvenc, T., Robert A., Sémon, E. & Bordereau, C. (2012): Burial behaviour by dealates of the termite Pseudacanthotermes spiniger (Termitidae, Macrotermitinae) induced by chemical signals from termite corpses. Insectes Sociaux, 59:119–125.
Collins, N.M. (1983): The utilization of nitrogen resources by termites (Isoptera). In: Lee, J.A., McNeill, S. & Rorison, I.H. (eds.) Nitrogen as an Ecological Factor. Blackwell Scientific Publications, London, pp. 381–411.
Cook, S.C. & Scott, K.G. (1933): The nutritional requirements of Zootermopsis (Termopsis) angusticollis. Journal of Cellular Physiology, 4: 95–110.
Cornelius, M.L. (2003): Evaluation of semiochemicals as feeding stimulants for the Formosan
subterranean termite. Sociobiology, 41: 583–591.
Delphia, C.M., Copren, K.A. & Haverty, M.I. (2003): Agonistic behavior between individual worker termites from three cuticular hydrocarbon phenotypes of Reticulitermes (Isoptera:
Rhinotermitidae) from Northern California. Annals of the Entomological Society of America, 96: 585–593.
Dhanarajan, G. (1978): Cannibalism and necrophagy in a subterranean termite. Malayan Nature Journal, 31: 237–251.
Enguita, F.J. & Leitão, A.L. (2013): Hydroquinone: Environmental pollution, toxicity, and microbial answers. BioMed Research International, 2013(542168): 1–14.
Evans, T.A., Inta, R., Lai, J.C.S. & Lenz, M. (2007): Foraging vibration signals attract foragers and identify food size in the drywood termite, Cryptotermes secundus. Insectes Sociaux, 54:
374–382.
Evans, T.A., Lai, J.C.S., Toledano, E., McDowall, L., Rakotonarivo, S. & Lenz, M. (2005): Termites assess wood size by using vibration signals. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 102: 3732–3737.
Fujita, A., Miura, T. & Matsumoto, T. (2008): Differences in cellulose digestive systems among castes in two termite lineages. Physiological Entomology, 33: 73–82.
Ghesini, S. & Marini, M. (2009): Caste differentiation and growth of laboratory colonies of Reticulitermes urbis (Isoptera, Rhinotermitidae). Insectes Sociaux, 56: 309–318.
Grassé, P.-P. & Noirot, C. (1946): Le polymorphisme social du termite à cou jaune (Calotermes flavicollis): La production des soldats. Comptes Rendus Hebdomadaires des Séances de l'Académie des Sciences, 223: 929–931.
Hastings, A. & Costantino, R.F. (1991): Oscillations in population numbers: Age-dependent cannibalism. Journal of Animal Ecology, 60: 471–482.
Haverty, M.I. (1979): Soldier production and maintenance of soldier proportions in laboratory experimental groups of Coptotermes formosanus Shiraki. Insectes Sociaux, 26: 69–84.
Howard, R.W. & Blomquist, G.J. (1982): Chemical ecology and biochemistry of insect hydrocarbons.
Annual Review of Entomology, 27: 149–172.
Howard, R.W. & Blomquist, G.J. (2005): Ecological, behavioral, and biochemical aspects of insect hydrocarbons. Annual Review of Entomology, 50:371–393.
Howse, P.E. (1965): On the significance of certain oscillatory movements of termites. Insectes Sociaux, 12: 335–345.
Iida, M. & Akino, T. (2016): Defensive effect of soldier-specific secretion by Reticulitermes speratus (Isoptera: Rhinotermitidae) on the facultative termitophagous ponerine ant Brachyponera chinensis (Hymenoptera: Ponerinae). Applied Entomology and Zoology, 51:
111–116.
Inward, D.J.G., Vogler, P. & Eggleton, P. (2007): A comprehensive phylogenetic analysis of termites (Isoptera) illuminates key aspects of their evolutionary biology. Molecular Phylogenetics and Evolution, 44: 953–967.
岩田隆太郎・伊藤高明・新庄五朗(1987): イエシロアリ職蟻, 兵蟻の室内試験条件下でのグル ーミング等の行動観察.しろあり, (70): 13–16.
Iwata, R., Yosikawa, T., Monden, A., Kikuchi, T. & Yamane, A. (1999): Grooming and some other inter-individual behavioral actions in Reticulitermes speratus (Isoptera: Rhinotrermitidae), with reference to the frequency of each action among caste stages. Sociobiology, 34: 45–64.
Lewis, V.R. (1997): Alternative control strategies for termites. Journal of Agricultural Entomology, 14: 291–307.
Lüscher, M. (1952): Die Produktion und Elimination von Ersatzgeschlechtstieren bei der Termite Kalotermes flavicollis Fabr. Zeitschrift für vergleichende Physiologie, 34: 123–141.
Machida, M., Kitade, O., Miura, T. & Matsumoto, T. (2001): Nitrogen recycling through proctodeal
trophallaxis in the Japanese damp-wood termite Hodotermopsis japonica (Isoptera, Termopsidae). Insectes Sociaux, 48: 52–56.
Matsuura, K. (2001): Nestmate recognition mediated by intestinal bacteria in a termite, Reticulitermes speratus. Oikos, 92: 20–26.
Matsuura, K. (2002) Colony-level stabilization of soldier head width for head-plug defense in the termite Reticulitermes speratus (Isoptera: Rhinotermitidae). Behavioral Ecology and Sociobiology, 51: 172–179.
McMahan, E.A. (1969): Feeding relationships and radioisotope techniques. In: Kishna, K. &
Weesner, F.M. (eds.) Biology of Termites, Vol. 1. Academic Press, New York & London, pp.
387–406.
Meyer, H.J. & Norris, D.M. (1974): Lignin intermediates and simple phenolics as feeding stimulants for Scolytus multistriatus. Journal of Insect Physiology, 20: 2015–2021.
Myles, T.G. (1986): Evidence of parental and/or sibling manipulation in three species of termites in Hawaii (Isoptera). Proceedings of the Hawaiian Entomological Society, 27: 120–136.
Nalepa, C.A. (1994): Nourishment and the origin of termite eusociality. In: Hunt, J.H. &
Nalepa, C.A. (eds.) Nourishment and Evolution in Insect Societies. Westview Press, Boulder, pp.57–104.
Neoh, K.-B., Yeap, B.-K., Tsunoda, K., Yoshimura, T. & Lee, C.-Y. (2012): Do termites avoid carcasses? Behavioral responses depend on the nature of the carcasses. PLoS ONE, 7(e36375): 1–11.
Perdereau, E., Bagnères, A.G., Bankhead-Dronnet, S., Dupont, S., Zimmermann, M., Vargo, E.L. & Dedeine, F. (2013): Global genetic analysis reveals the putative native source of the invasive termite, Reticulitermes flavipes, in France. Molecular Ecology,
22: 1105–1119.
Polis, G.A. (1981): The evolution and dynamics of intraspecific predation. Annual Review of Ecology and Systematics,12:225–51.
Prestwich, G.D. (1984): Defense mechanisms of termites. Annual Review of Entomology, 29: 201–232.
Raina, A., Park, Y.I. & Lax, A. (2004): Defaunation leads to cannibalism in primary reproductives of the formosan subterranean termite, Coptotermes formosanus (Isoptera: Rhinotermitidae).
Annals of the Entomological Society of America, 97: 753–756.
Raina, A., Bland, J. & Osbrink, W. (2005): Hydroquinone is not a phagostimulant for the Formosan subterranean termite. Journal of Chemical Ecology, 31: 509–517.
R Development Core Team (2013): R: a language and environment for statistical computing computer program, version 3.0.2. R Foundation for Statistical Computing, Vienna, Austria.
http://www.R-project.org
Reinhard, J., Hertel, H. & Kaib, M. (1997): Feeding stimulating signal in labial gland secretion of the subterranean termite Reticulitermes santonensis. Journal of Chemical Ecology, 23:
2371–2381.
Reinhard, J. & Kaib, M. (2001): Food exploitation in termites: Indication for a general feeding-stimulating signal in labial gland secretion of Isoptera. Journal of Chemical Ecology, 27: 189–201.
Reinhard, J., Lacey, M.J., Ibarra, F., Schroeder, F.C., Kaib, M. & Lenz, M. (2002): Hydroquinone: A general phagostimulating pheromone in termites. Journal of Chemical Ecology, 28: 1–14.
Rosengaus, R.B., Jordan C., Lefebvre, M.L. & Traniello, J.F.A. (1999): Pathogen alarm behavior in a termite: A new form of communication in social insects. Naturwissenschaften, 86: 544–548.
Sands, W.A. (1982): Agonistic behavior of African soldierless Apicotermitinae (Isoptera:
Termitidae). Sociobiology, 7: 61–72.
Song, D., Hu, X.P. & Su, N-Y. (2006): Survivorship, cannibalism, body weight loss, necrophagy, and entombment in laboratory groups of the Formosan subterranean termite, Coptotermes formosanus under starvation (Isoptera: Rhinotermitidae). Sociobiology, 47: 27–39.
Su, N.-Y. & Haverty, M.I. (1991): Agonistic behavior among colonies of the Formosan subterranean termite, Coptotermes formosanus Shiraki (Isoptera: Rhinotermitidae), from Florida and Hawaii: Lack of correlation of cuticular hydrocarbon composition.
Journal of Insect Behavior, 4: 115–128.
Su, N.-Y. & La Fage, J.P. (1986): Effects of starvation on survival and maintenance of soldier proportion in laboratory groups of the Formosan subterranean termite, Coptotermes formosanus (Isoptera: Rhinotermitidae). Annals of the Entomological Society of America, 79: 312–316.
Sun, Q. & Zhou, X. (2013): Corpse management in social insects. International Journal of Biological Sciences, 9: 313–321.
Tokuda, G., Watanabe, H., Matsumoto, T. & Noda, H. (1997): Cellulose digestion in the wood-eating higher termite, Nasutitermes takasagoensis (Shiraki): Distribution of cellulases and properties of endo-β-1,4-gIucanase. Zoological Science, 14: 83–93.
Whitman, J.G. & Forschler, B.T. (2007): Observational notes on short-lived and infrequent behaviors displayed by Reticulitermes flavipes (Isoptera: Rhinotermitidae). Annals of the Entomological Society of America, 100: 763–771.
Wise, D.H. (2006): Cannibalism, food limitation, intraspecific competition, and the regulation of spider populations. Annual Review of Entomology, 51:441–65.
Yanagawa, A. & Shimizu, S. (2007): Resistance of the termite, Coptotermes formosanus Shiraki to Metarhizium anisopliae due to grooming. BioControl, 52: 75–85.
Yanagawa, A., Yokohari, F. & Shimizu, S. (2008): Defense mechanism of the termite, Coptotermes formosanus Shiraki, to entomopathogenic fungi. Journal of Invertebrate Pathology, 97:
165–170.