隠薇の経済学 と隠薇防止のインセンティブ
論 説
隠蔽 の経済学 と隠蔽防止のインセ ンテ ィブ*
石 橋 太 郎
1
は じめ に2004年 7月 、長野県白骨温泉 にて名物の自濁 した湯 を保つため入浴剤 を使用 していた問題が発 覚 した。 また、同年11月には、香川県において県が開発 した「 さぬ きの夢」小麦 を偽装 した讃岐
うどんの不当表示販売 も発覚 した。
こうした行為 は不正 な行為である。消費者が知 らない ところで悪質な財・ サー ビスの生産・ 提 供が行われた ことになる。 これが可能であるのは、消費者が生産者の不正 な行為 について知 るこ とがで きない ことによ り生 じる情報格差 (隠された行為)を利用 して生産者が利益 を上 げる機会 が存在す るためである。生産者のモラルハザー ドが存在する状況である。
2004年 に起 きた不正 な行為 は、低品質 あるいは混ぜ物か らなる財・ サー ビスの品質 をあたか も 高品質であるかの ように偽装 した ことによる。少 な くとも偽装す ることが可能である と生産者が 判断す る理由は、消費者 は容易 に財・ サー ビスの品質 について認知す ることがで きない と思 って いるか らである。明 らかにここで問題 となるのは、Akerlof[2]が論 じた ンモ ン市場 における情 報 の非対称性である。しか し、Akerlofが 想定す る消費者 はレモ ンが存在することを知 った上 で市 場 に参加 している点 において異なる。 したが って逆選択 は ここでの問題ではない。
不正行為が消費者利益 に損失 をもた らす ことより、経済厚生 に及 ぼす影響 は論ず るまで もない。
そういう意味では、 このような不正行為が起 きない経済 システムを検討す ることは重要である。
本稿 は、不正行為がなぜ行われ るのかを問わない。 したが って、Becker[3]流の不正行為の意 思決定モデル を検討す るものではない。代わ りに、不正行為のインセンテ ィブをな くす条件 ある いは法 を含 めた制度設計の可能性 について検討 を行 う。
なお、本稿が検討す る基本的枠組 みは、Kerton and Bodell[7]に 拠 っている。彼 らはheuristic な分析方法 を採用 しているが、本稿 もまた同 じ方法論 を採用す る。したがって、モデルを構築 し、
*筆者 は、平成17年度前期 のゼ ミナール において「不正 の経済学」 とい うテーマで演習 を行 った。本稿 は、 そのゼ ミナール にお ける学生諸氏の活発 な議論 に啓発 された ものである。 ここに感謝の意 を表す る。
それ を用いて演繹的 に推論 を行 うという方法 はとっていない。
本稿 の構成 は以下の とお りである。2節で分析のための準備 を行 う。主 として、企業の意思決 定の基礎 となる利潤 を定義す るが、企業が採用する戦略の違いに応 じて3つのタイプの利潤 を定 義する。3節では、不正 な製品製造が発覚する確率 を企業が合理的に想定することがで きない場 合 について、良質な製品製造 を行 うインセンティブを企業 は持 ちえるか どうかについて検討 を行 う。4節では、不正 な製品製造が発覚す る確率 を企業が合理的 に想定することがで きる場合、良 質 な製品製造 を行 うインセンテ ィブを企業 は持 ちえるか どうかについて検討 を行 うとともに、そ うしたインセンテ ィブを与 えることがで きる経済環境 について もあわせて検討 を行 う。最後の節 で は、本稿 のまとめ と、今後検討すべ き方向性 について論 じる。
2準
備Kerton and BOdell[7]に したがい、企業が生産する財 (χ)は、完全 に良質の財 はな く、一 部 あるいは全部 においてネガティブな性質 (欠陥品、混ぜ物等)を含 む もの とす る。消費者 は、
この財 の購入前 にはその品質 について情報 を持たない し、購入 した後で もす ぐにはそのネガティ ブな性質 を認知で きない もの とする。 したがって、企業 によ り生産 され るのは経験財であ り、 レ モ ン1である。
Kerton and Bodell[7]は、 レモ ンを生産す る企業 は3つのタイプ (戦略)の意思決定 をす る ことが可能であるとしている。最初 は、生産 した財 にネガティブな性質があって も何 もしない(ネ
ガティブな性質があって もこれ を無視す る。無視戦略 と呼ぼ う
)。
次 に、ネガテ ィブな性質 を改善 する(改善戦略)。
ただ し、それは一部の改善か もしれない し、完全な改善か もしれない。いずれ にせ よ、改善 にはコス トがかか るとする。最後 に、ネガティブな性質 を隠蔽す る(隠蔽戦略)。
一 部の隠薇か もしれない し、完全な隠薇か もしれない。隠薇 にはコス トがかかるもの とす る。また、 レモ ンを生産する企業が直面する状態 は、生産 した財が レモ ンであることが発覚 しない 場合 と発覚す る場合の2つを想定することがで きる。そこでは、以下では3つのタイプの意思決 定 とこれ ら2つの状態で実現す ると予想 される利潤 を定義 したい
2。
最初 に、ネガテ ィブな性質 を無視す る企業の利潤 は、その性質が発覚 しない (あるいは検出さ れない)場合 と発覚す る (検出され る)場合で次の ようになる。
ネガテ ィブな性質が発覚 しない場合
l Akerlof[2]を 参照。
2 Kerton and Bodell[7]は 、 この ように定義す るので はな く、直 ちに3つの期待利潤 を求 めて議論 を進 めてい る。
‑26‑
隠薇 の経済学 と隠薇防止 のイ ンセ ンテ ィブ
zll=Rl(χ)一C(χ
)
ネガ テ ィブな性 質が発覚 した場合
Z12=Rl(χ)一C(χ
)‑61
ここで、Rl(χ)は発覚 しない場合 の収入額 を表 し、C(χ)は財χの生産 コス トである。 したがっ て、zllは発覚 しない場合の利潤 を表 している。これに対 して、Rl(χ)は発覚 した場合の収入額、
CDlは発覚 した ことによ り直接 的 に生 じる とい う意味 で直接 コス トと呼ぶ。直接 コス トが何 に よって決 まるかはここでは詳細 に論 じないが、外生的に決定 され ると仮定す ることによ り、隠薇 防止の政策的含意 についての検討が可能 となる。
また、Rl(χ)とRl(χ)の違いについては容易 に理解 しうるものである。レモ ンであることが消 費者 に知 られ るな らば、その財 の販売 は減少 し、Rl(χ)一Rl(χ)>0であろう。
収入額 は、生産量 と価格 によって決定 され る。生産 は、通常の生産関数 により決定 され る と仮 定す る。すなわち、連続で増加、厳密 に準凹関数 とす る。 これ によ り生産 コス トもまた同時 に決 定 され る
3。
価格 については、議論の出発点 としては外生的 に与 えられ るとす る。これ は、生産物 市場が完全競争的であることを意味す る。 また、情報 の非対称性 を前提 にした本稿では、消費者 は財の品質の違いを購入以前 に知 ることはで きない。 したが って、品質が改善 された財であろう か、ネガテ ィブな性質が隠薇 された財であろうが、消費者 は区別す ることがで きないので、後で 定義するR2(χ)と鳥(χ )とRl(χ)は等 しい と仮定する。しか し、こうした仮定 は、多 くの矛盾が 存在す ることを以下明 らかにしよう。次 に、ネガテ ィブな性質 を改善す る企業の利潤 は、改善 されずに残 る部分が発覚 しない場合 と 発覚す る場合で次のようになる。
ネガティブな性質が発覚 しない場合
Z21=Rズχ)一C(χ)一CA(χ
)
ネガテ ィブな性質が発覚 した場合
Z22=Rズχ)一C(X)一
CA(X) CD2
)ここで、CA(χ)は財 の改善のために必要 となるコス トである。レモ ンである財 の生産が増 えれば 改善 コス トは増大す ると考 えられ る。したが って、z21は発覚 しない場合の禾U潤を表 している。そ
3生産要素市場 は完全競争 と仮定することにより、生産 コス ト関数は生産量の関数 として見 ることができる。
(3)
して無視戦略の場合 と同様 に、62は発覚 に伴 う直接的 コス トである。例 えば、ネガティブな性質 を持つ残部 に対 して求め られる保証 をあげることがで きる。あるいは、財の瑕疵 に対す る損害賠 償支払 いな どが考 えられ る
4。
直接 コス トを保証や損失補填の損害賠償 として とらえると、企業 は 直接 コス トを内生的に決定 しうるように思われ るが、後の議論 のために、 ここで も外生的 に与 えられると仮定する。
また、Kerton and Bodell[7]は 、無視戦略 を採用 した場合の収入額 とここでの収入額 を区別 せず、同 じもの として定義 している。 しか し後で見 るように、 レモ ンに対する企業の意思決定 し だいでは収入額 に違 いが生 じる可能性がある。従 って、収入額 は異なる可能性 を考慮 して、添 え 字 を付 けて表す。
最後 に、ネガティブな性質 を隠薇す る企業の利潤 は、隠薇が発覚 しない場合 と発覚す る場合で 次の ようになる。
ネガティブな性質が発覚 しない場合
角1=鳥(χ )一C(χ)一C(χ
)
ネガティブな性質が発覚 した場合
角2=RIχ)一C(χ)一Q(χ)一ら
3
ここで、CH(χ)は、ネガティブな性質 を隠薇するためのコス トである。Kerton and Boden[7]
は、(1)消費者 を自らの財 にひきつけるために「今 日限 りの特売品」な どと謳い他の財への購入 を妨 害 した り、(2)広告 に「ノイズ」 を埋 め込 む ことで消費者が財の品質 について正 しい情報 を得 るこ
とをで きないようにして、ネガテ ィブな性質 を検出す ることを妨害す る
5。
さらに、(3)財のネガティ ブな品質 を隠薇す るために混ぜ物 を詰 めた りす ることのコス トであるとした。直接的 コス トら3は改善戦略 と同様 な損害賠償 を考 えることがで きる。しか し、隠薇戦略 は不正 な行為である。そうい う意味では、単なる損失補填的な損害賠償 を考 えるのではな く、懲罰的損 害賠償 を想定することが妥当か もしれない
6。
以上で定義 された状態 (ネガテ ィブ性質 に対 して採用 された企業の戦略が発覚 しない場合 と発 覚する場合)と利潤の関係 は以下の表 にまとめることがで きる。
4ただ し、財 の改善が一部 に限 られ る場合、意図的に残部 のネガテ ィブな性質が残 され るので、無過失責任 に基づ く損害賠償野法理 は適用で きない ことはいうまで もない。 しか し、ネガテ ィブな性質の残部 については、損害賠 償法の素朴 な適用 は可能であると考 えられ よう。
5こぅした企業の行為 は、消費者 に情報 を提供す ることで
(あ
るいは、広告 をす ることで)、
需要 を自らの財 にひき つ けることがで きると主張す るものである。広告の収入額 に与 える影響、あるいは収入額 に対する最適広告支出 の関係 については、Dorfman and Steiner[5]を 参照。6ただ し、日本の裁判実務 の世界では懲罰的損害賠償の法理 は採用 されていない。懲罰 は民事法の範疇ではな く刑 事法 による と考 えられている。 しか し、米国では懲罰的損害賠償 を採用する州 は多い。
G)
)
‑28‑―
隠薇 の経済学 と隠蔽防止 のイ ンセ ンテ ィブ
表
1
発覚 しない 発覚す る
無視戦 略
Zll Z12
改善戦略
π 21 鐙 2
隠薇戦略
Z31 Z32
基本的な仮定 として、以下 を仮定す る。RI(X)=R2(χ)=鳥(X)、z11>宛、z21>物
2、
Z31>Z32o なお、収入がすべて同 じであるとい う仮定 は、消費者が財 について何の情報 も持 っていない こと によ り、 どのタイプにより生産 された財であるかを区別で きない ことによる。Kerton and Bodell[7]は 、企業 は経済的合理性 を追求する主体 と仮定することにより期待利 潤最大化基準 を適用 しているが、 しか し不正 な行為 をすることが期待利潤最大化基準 にしたがい 経済的合理性 を追求す る結果であるとす るのは、経済モデルの単純 な当てはめに過 ぎないように 思われ る。 そこで、本節では、不確実性下での意思決定の基準 として知 られているマクシ ミン基 準、ミニマ ックス基準、マ ックシマ ックス基準等7を取 り上 げて、経済 に とって望 ましい企業行動 を誘発す る条件、あるいは環境 はいかなるものが考 えられ るか、 を以下検討する。ちなみに、マ クシ ミン基準、 ミニマ ックス基準、マ ックシマ ックス基準等 は利得 にのみ焦点 を合わせ るもので ある。 そういう意味では、後で考察するように発覚す る確率 といった他の情報 を無視 している。
不確実性 の経済学や意思決定理論の分野では合理的な判断基準 を与 えるものではない と考 えられ ているが、不正な行為が突発的あるいは近視眼的半」断の もとに行われ るとす るな らば、 こうした 基準の下での検討 は意味があろう。
3
不 正行為 の発 覚確率 を予想 で きない場 合マクシ ミン基準
マクシ ミン基準 によれば、各行為 に関する最悪の可能な結果 に注 目し、最大の極小利得 をもつ 行為 を選択す ることになる。 ここでは、仮定 により、発覚す る場合 の利潤 に注 目すれ ば十分であ
る。 その結果、改善戦略が選択 され るためには次の条件が満たされなければならない。
ftzz) ftrz /.22) fts2
7「不確実性 の経済学」あるいは「意思決定」 をテーマ に した教科書で は、
その ものについては、例 えば、McKenna[10]、 松原 [9]を参照。
)
侶)
一般原理 として解説 されている。基準
す な わ ち 、
Rズ
χ
)一 (CA(χ )+CD2)>Rl(χ )一 CDlRバX)一 (CA(χ)+CD2)>鳥 (χ)―(CH(χ)十 CD3)
0)
lllll
ここでは上記の不等式関係が成立す る状況 について考察す る
8。
式
(9)に
ついて見てみよう。ネガティブな性質が発覚 した場合の収入の減少を企業の戦略の違い で合理的に推論す ることは難 しい。無視戦略 と隠薇戦略 による財の品質 は、改善戦略 による財の 品質 とは異なる。その意味で、Rlと鳥 は同等で、几 よ りも小 さい と想定 されそうだが、これが可 能であるのは、消費者が財 その ものに選好 を与 えるのではな く、財 を構成する性質 に対 して選好 を与 えるのであれば、改善 された財の性質 に対 してよ り多 く需要 されると言 えそうである9。
その 場合には、几がえ、え より大きいと考えることができる。しかし、財の品質が発覚したとしても 消費者の選好が明らかでない場合には、確定することはできない。そこで、Rl、
え、鳥が同じで ある場合についても整理してみよう。まず、後者のケース (21=几=鳥)では、検討すべきは費用条件である。CA(X)+CD2がCDlよ
りもイヽさければ、式
(9)は
成立することになる。同様に、CA(χ)十ら2がCH(χ)十 CD3よ りもイヽさけ れば、式00は成立す ることになる。内生的に決定 され る0(χ)は、CH(X)よ りも大 きい と仮定 し よう。式(9)、
式αOが成立するためには、61がら2よ りも十分 に大 き く(61>CD2+Q(χ))、
CD3 がCD2よ りも十分大 きい ものでなければな らない(CD3+Q(χ )>CD2+CA(χ))oこれが可能 とな るには、直接 コス トが企業の不正 な行為 に対す る損害賠償か らなる場合、懲罰的損害賠償 を導入 す ることである1°。懲罰的損害賠償 は不法行為 による損失 を補填す るだけでな く、その不法行為 に 対 して懲罰的賠償 を認 めるもので、損失補填的損害賠償額 をはるかに超 えるものである。しか し、日本の民法では懲罰的損害賠償 は認 め られない として採用 され ることはない。そういう意味では、
日本の企業 に とっては、あるいは懲罰的損害賠償 を認 めない国では、直接 コス トに大 きな差があ ることを認 めることがで きず、式
(9)、
式00は成立 しそ うにない。前者のケース (鳥>Rl,几)が生 じるのは、市場の反応による。すなわち、消費者の需要行動 によって決 まる。ネガティブな品質が発覚 した場合、無視戦略や隠蔽戦略のもとではネガティブ な品質の改善は全 く行われていないことが明 らかになる。消費者がネガティブな品質を (一部あ るいは全部を)改善 した財により優先的な選好を与えれば、費用条件に大 きな違いがない場合、
8費用関数C(χ)を
両辺か ら消去 してい る。 あ との考察 において も同様 の操作 を行 う。
9この考 えは、Lancaster[8]参照。
Юあるいは無視 を重過失 として。隠蔽を詐欺的行為 として刑事罰を課す ことも考えられる。問題 は、企業が こうし た法的処罰 を金銭的評価 に換算 しうることを前提 に しなければな らない。金銭評価が可能であった として も、議 論 は損害賠償 と同様 の結果 を持つ。
―‑30‑―
隠薇の経済学と隠蔽防止のインセンティブ
式(9k式00は 成立 しそ うで あ る。
取引される財が消費者の健康あるいは生命にかかわるような食品、薬等の場合
11、
改善が一部に とどまるならば優先的に選好を与えるということはないか もしれない。その場合、企業は鳥>Rl, 鳥 となる状況を想定することはできない (後者のケースを想定することになろう)。
ミニマックス基準
ミニマックス基準によれば、各行為の機会費用に焦点を合わせるという機会損失の基準 という 形をとる。 この基準に従い、改善戦略が選択 されるためには、次の条件が満たされなければなら ない。すなわち、発覚 しな くとも発覚 しようとも、改善戦略を選択 した場合の機会損失が最小に なる条件である。
Z31 Z21 = Z32 Z12>0
あ るい は
Z21 Zll = 均2 Z12>0
この条件 は次のようになる。
RIX)一鳥(χ)=鳥
(χ
)一Rl(χ)一ら3+ら1+Q(X)>0あるいは
RズX)―Rl(χ)=&(χ)一Rl(χ)一CD2+CDl>0
式α〕が成立するためには、少な くとも鳥(χ)がR2(χ)よ りも大 き くなければな らない。同様 に、
式α力が成立す るためには、少な くとも&(χ)がRl(χ)よ りも大 きくなければな らない。しか し、
消費者が企業が生産・ 販売する財 の品質 について何の情報 も持たない場合、 こうした条件 は想定 す ることがで きず、すでに仮定 した ように、Rl(χ)=鳥(χ)=R3(χ)よ り、これ らの条件 は成立 しそうにない。言い換 えれば、改善戦略 を選択す ることは考 えることがで きず、容易に無視戦略 あるいは隠薇戦略 を選択 しそうである。
マ ックシマックス基準
マ ックシマ ックス基準 によれば、各行為 に関 しての極大不U得についてのみ注 目し、最大の極大 利得 をもつ行為 を選択す ることになる。 ここでは、仮定 により、発覚 しない場合の利潤 に注 目す 1l Kerton and Bodell[7]が想定 している企業 は、 ア ップル ジュース、粉 ミル ク といった食 品製造企業や殺虫剤、
鎮痛剤等 を生産 す る企業である。
■
〃 A u
021
れ ば十分 で ある。 マ ックシマ ックス基準 を採 用す る意思決定主体 は、極端 な楽天家 といわれ る。
改善戦略 が選択 され るためには次 の条件 が満 た され なけれ ばな らない。
Z21>Z11 Z21>Z31
l131
a41
す なわ ち、
鳥(X) CA>Rl(X)
Rズ χ) CA>鳥(χ)二
G
式αり、式00が成立するには、&(χ)がRl(χ
)、
鳥(χ )よ り大 きい ことが必要である。しか し、すでに仮定 しているように、民(χ
)、
Rl(χ)、
鳥(χ)は等 しく、式αDは成立 しそうにない。式C0 は、CAがGよ り小 さければ成立す る。マ ックシマ ックス基準 は、これ ら2つの式が同時 に成立す ることを要求 している。 したがって、企業が改善戦略 を選択す ることはあ りそうにない。企業 は 発覚す る危険 にあって も楽天的に、無視戦略か隠薇戦略 を選択す ることになる。まとめ
本節では、不正 な行為が突発的あるいは近視眼的判断の もとに行われ るとするならば、マクシ ミン基準、 ミニマ ックス基準、マ ックシマ ックス基準の もとで、改善戦略が採用 され うる条件 に ついて整理検討 をした
12。
しか し、総 じて改善戦略が採用 され る条件 を導出することは難 しい もの であった。 これは、企業が生産する財 にネガテ ィブな品質があることを認知 した場合、直 ちに改 善 しようとす るインセ ンテ ィブを企業 に与 えることが難 しい ことを表 している。企業 は、容易 に 無視戦略あるいは隠薇戦略 をとりそうである。 それが可能であるのは、消費者が財の品質 につい て何の情報 も持 っていない ということが前提であった。あるいは、発覚するか しないかを合理的 に想定す ることがで きない ことを前提 にしていた。以下では、 この2つの前提 を修正 した場合 に ついて検討 を続 けたい。4
不 正行為 の発 覚確率 を予想 す る こ とが で きる場 合本節では、企業の行動原理 を期待利潤最大化 として考 えている
13。
しか し、ここでは最大化条件12マックス ミン基準、 ミニマ ックス基準、マ ックシマ ックス基準 は、利得 に異常な値がある場合 には、行為の選択 が異なることが知 られている。 そういう意味では、本節での検討 は、いずれにせ よ頑健 な結論 を与 えるものでは 13 Kerton and Bodell[7]がない。
前提 としている企業 の行動原理 である。
9 0 0 α
―‑32‑―
隠薇の経済学と隠蔽防止のインセンティブ
を導出す るのではな く、前節 と同様 に改善戦略 を選択する条件 はどのような ものが考 えられるか について検討す る。
ここで追加 され る仮定 は、ネガテイブな品質が発覚する確率である。無視戦略の もとで発覚す る確率 を
Pl、
改善戦略の もとで発覚す る確率 をP2、
隠薇戦略の もとで発覚す る確率 を鳥 とす る。表2
発覚 しない 発覚す る
1‑Pl Pl
無視戦 略
Zll Z12
改善戦略
Z21
Z・22
隠薇戦略
Z431 角 2
改善戦略が選択 され るためには、改善戦略 を採用 した場合 の期待利潤が、他の戦略 を採用 した 場合 の期待利潤 より大 きい必要がある。すなわち、以下の条件が成立 していなければな らない。
(1 P2)の1+P2鐙 2>(1 Pl)zll ttPlz12 (1 P2)Z21+P2Z22>(1 P3)■ 1+Plz32
これ らの不等式 は、次 の ように整理 す る こ とがで きる。
■ズχ) CA(X) P2(&(χ )一
&(X)+62)>
Rl(X)一PI(Rl(χ)一月1(X)十CDl) Rズχ) CA(χ) P2(R2(X) 鳥(χ)十CD2)>
RIX)一CH(χ)一P3(鳥(χ )一鳥(χ)+ら
3)
発覚確率の検討
まず、式
0つ
が成立す る条件 を検討 しよう。収入額、費用条件 について前節 と同様 の仮定 をおけ ば、必要 となるのは確率PlがP2よ り十分 に大 きい とい う仮定である。Kerton and Bodell[7]は、 確率P2とP3は、改善 コス トあるいは隠薇 コス トを支出す ることによ り、企業が コン トロール しうる変数 と見 なしている。例 えば、財の品質 を改善す ることがで きれば、ネガティブな品質 は減少 し、その結果、財の中に残 るネガティブ品質の割合が減少することによ り、ネガティブな品質が 発覚す る確率が小 さ くなる と仮定 している。 また、隠蔽 を行 うことにより、ネガテ ィブな品質が 発覚す る確率が小 さ くなると仮定 している。
式
l171つ
いてのみ考 えれば、企業 はPlを P2よ リコン トロールす ることで成立 しそうであるが、式αOは明 らかで はない6確率P3の方がP2よ り小 さ くコン トロールす ることがで きるのであれ ば式00
l171
l181
は成立 しそうにない。 ここでは、式
0つ
、式αOが同時 に成立す ることを要求 しているので、一層、企業 は改善戦略 を採用 しそうにない という結論 に至 る。そうなると、企業が 自ら生産す る財の品 質の中にネガテ ィブな部分 を発見 した場合、常 に、隠薇戦略 あるいは無視戦略 を とることになる。
しか し、 この結論 は、極端す ぎる。
確実 にP2を低 くす ることがで きる可能性 は残 されている。それはネガティブな品質 を完全 に改 善す ることである。すなわち、P2=0となるように改善 を行 うことである。 これ は、改善費用 を 上昇 させ ることは言 うまで もない。改善戦略が採用 されるためには、 より総括的な検討が必要で ある。
収入構造の検討
改善戦略が採用 され る別の可能性 は、前節 とは異なる仮定 を導入することである。例 えば、改 善戦略 を採用す る企業の収入額が他の戦略 を採用 した場合 よ り大 きいか、発覚 した場合の収入の 減少が他の戦略 を採用 した場合 に大 きい ことである。 こうした状況 は、評判モデルを導入す るこ とで可能である。Shapiro[11]は、企業の評半Jによる価格 プレミアムを通 じ、 よ り大 きな収入 を 保証 することがで きるとした。 そのためには、改善のためのコス トは企業の評判 を高めるもので なければな らない。 そしてその結果 として、改善戦略 を採用 した場合の収入が、他の戦略 を採用 した場合 よ り、十分 に大 きな ものになることを要求 している。Shapiro流 の評判の導入 は、モデル を動学モデルヘ と変換 し、企業の意思決定 に長期的視野 を導入す る。
企業の意思決定 に長期的視野 を導入すれば、い くつかの ことが見 えて くる。企業が長期的視野 の もと意思決定 を行 うのは、消費者が繰 り返 し購入 を行 うことを前提 にすることに等 しい。 これ までの議論 は、 こうした点 を前提 に していなかった とすれば、それは1回限 りの取引 を前提 にし た企業の意思決定 と見なす ことになる。 この点 については、結語で論 じたい。
消費者が繰 り返 し購入 を行 うためには、消費者が もつ情報が重要である。 この点 については、
後で検討 しよう。
費用構造の検討
前節では、 日本や懲罰的損害賠償制度 を認 めない国においては直接 コス トに大 きな差 を見出す ことが難 しい と論 じた。 しか し、差が認 めることがで きるとす るならば、 どのような差 を導入す べ きかをここで検討 したい。
発覚確率の検討 におぃて、改善戦略が採用 され る可能性 として、P2=0の場合 を挙 げた。発覚 確率 は、企業の改善のための支出によってコン トロール され、 より多 く支出することによりよ り 低 い確率 となる。式
0つ
、式00よ り改善支出には上限が存在す る。21(χ)=&(χ)=R3(χ)と仮定―‑34‑―
隠薇 の経済学 と隠薇防止 のイ ンセ ンテ ィブ
す る と、
CA(χ)<Pla+PIcDl (P2D2+P2CD2)
CA(χ)<CH(χ)十P3D3+P3CD3 (P22+P2CD2)
ここで、
a=R(χ
)一え(χ),′=1,2,3であり、Kerton and Boden[7]が 収入インパクトと呼 ぶ もので あ る。
P2=0とす る と、上 の不等式 は次 の ようにな る。
Cttχ
)<PIDlttPICDl
α9CIX)<G(χ
)十P3D3+P363 00
式
09、
式00の意味 を考 えてみよう。確率 を低 めるために支出され る改善 コス トが式α9、
式00を 満た しつつ、P2=0とすることがで きる場合 には、Rl(χ)=鳥(χ)=鳥(χ)の下、式l171、
式COは 成立 しそ うである。改善 コス トは企業が決定 し、収入インパ ク トは市場 の反応 あるいは消費者 の反応 によ り決定 さ れ、直接 コス トは政策当局 あるいは裁判所等 によ り決定 され るものである。従 って、改善戦略が 採用 され るためには、企業が収入 イ ンパ ク トが大 き く、直接 コス トが高額 になる と予想 し、式
09、
式00の範囲で改善 のための支出 を行 い確率P2をゼロにすることが必要 (条件)14でぁる。
ここで得 られた結論 は、本稿の分析 目的に とって重要である。
消費者の検出能力 と情報ネ ッ トワーク
Kerton and Boden[7]は 、確率P2とP3は、企業 によ リコン トロールす ることがで きる と仮定 したが、財のネガティブな品質 を検出するのは消費者である。消費者の検出能力 にも依存す るは ずである。 そしてネガテ ィブな品質が発覚 した場合、ネガティブな品質情報 を得た消費者の買い 控 えを通 じて将来の、 あるいは直接的に発覚後す ぐの収入へ影響す るだろう。影響の大 きさは、
消費者 における情報の共有の程度 に依存す る。Shapiro[11]は「評判」に関わ る情報の共有 は消 費者の近親者、友だち といつた物理的 に狭 い空間 を最初 に仮定 したが、イ ンターネ ッ トが普及 し た現在では、情報の共有空間ははるかに広い
15。
さらにメデ ィアを通 した情報伝播 は、全消費者が 情報 を得 ることで、全国レベルの消費 ボイコッ トによ リー気 に企業 を退出 させ られることも考 え 14+分(条
件)ではない ことは明 らかであろう。15実例 として、新聞折 り込 み広告 による通信販売 は多 い。得 られ る情報 はその広告のみで、消費意欲 を駆 り立 て る として も不安 を残 る。その場合、その商品名 をキ‐ワー ドにして検索す ると、消費経験者か らの情報 を得 ること がで き、広告では知 ることがで きないネガテ ィブな品質情報 を入手す ることもで きる。最近では、インターネ ッ トにお ける「 ロコ ミ」情報 も研究の対象 となっている。例 えば、Dellarocas[4]を参照。繰 り返 しゲーム にお けるロコ ミ効果 について は、Ahn and Suominen[1]を参照。
られ る
16。
すなわち、Rl(χ)、
鳥(χ)がゼロ となることを意味する。これは、消費者の情報構造 に 依存することを表 している。先 に取引 され る財の種類の違いにより、 ネガテ ィブな品質が健康や生命 に関わ る場合、それが 発覚す ると大 きな収入源 になる可能性 について論 じた。取引 され る財が耐久財 について考 えてみ よう。それ を構成す る部品に欠陥がある場合、消費者が保証制度 を利用 して修理 をす る場合 には、
その後 も利用 し続 けることがで きるか ら購入 した消費者がその欠陥 を他の消費者 に伝達す る可能 性 は低 く、その財 に対す るネガティブな品質が消費者間で共有 され る可能性 は低 くなる。企業 に とって、保証 による支出は改善 コス トとい うよ りは隠薇 コス トとして機能するものであるか もし れない
17。
5結
語これ までの検討 において、生産する財 の品質 についてネガテ ィブな品質 を企業が発見 した場合、
改善戦略 を採用 させ るインセンティブを与 えることが難 しいことが明 らかになった。最 も妥当な 結論 としては、4節の費用構造の検討の結果であろう。
すなわち、改善戦略が採用 され るためには、企業が収入インパ ク トが大 きく、直接 コス トが高 額 になる と予想 し、式
09、
式00の範囲で改善 のための支出を行 い確率P2をゼロにす ることが必要 (条件)である。 この条件 は自動的に達成 され るものではない。第1に、改善費用が膨大で式α9、
式00を満たす ことがで きない場合、改善戦略が採用 され ることはない。 これは、改善のための技 術 に強 く依存す るであろう。第2に、収入インパ ク トの大 きさは、 まずネガティブな品質 に対す る消費者の選好 に依存す る。無視戦略あるいは隠薇戦略 を採用 し、ネガティブな品質が発覚 した 場合、全消費者が完全 に買い控 えをした とき最大 となる。完全 な消費 ボイコッ トは、健康や生命 にかかわ る財の場合 に十分起 こりそうであるが、そのためには全消費者が同 じ情報 を持つ ことが 必要である。すなわち、情報ネ ッ トワークが必要であ り、 ネガティブ情報が公的情報 となること が必要である。ネガティブ情報が公的情報 とな りえない とき、収入インパ ク トを十分 に大 きくす
ることはで きない
18。
第3に、直接 コス トを法 によって決定す ると考 えた場合、直接 コス トが高額16具体例 としては、い雪印乳業が廃業 に追 い込 まれた ことを思い出せば十分である。
マ三菱 自動車のクレーム隠 しが長い問行われていた ことを考 えると確率P3を小 さ くす る ことは比較的容易である ことが想像 しうる。しか し、これは隠薇戦略 というより無視戦略か もしれない。その場合、CDlを保証 のための支 出 と考 える こともで きる。
18筆者 の経験 で は、同僚 の所有 す るパ ー ソナル コンピュー タである会社の製品が不具合が多 く発生す る。整備 を頼 まれ るたびにまたか とい う経験 を何度 もした。こうした経験 を家電大型販売店の営業担当者 に話 をす る と、や は りその会社の製品は不具合が多い らしい。 しか しこうした情報 は、決 して公的情報 とはな りえず私的情報 に とど まってい る。その結果、ブラン ドイメージで購入 を続 ける人 は依然 として多い。
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隠薇の経済学と隠薇防止のインセンティブ
となるためには、懲罰的損害賠償制度 を導入す ることが1つの答 えであろう。 その場合、 さらに 懲罰的損害額 の算定ルールの制定が必要である。す くな くとも、発覚確率 に対 して逆比例的 に決 定 され るものでなければな らない。 より隠蔽す ることにより発覚確率 は小 さ くなるが、それは隠 薇の悪質 さを反映 し、懲罰の程度 は大 きい ものでなければな らない。懲罰的損害賠償告J度が導入 で きない場合、刑事罰の追求が必要であ り、懲罰の程度 は隠蔽の程度 を反映 した ものでなけばな らない。 こうした法制度が整備 されない限 り、改善戦略 を採用 しようとするインセ ンテ ィブを与 えることは難 しい。
前節 までの検討 において、企業の意思決定が短期的視野で決定 され るか長期的視野で決定 され るかで、議論のための仮定が修正 され る可能性 について指摘 した。 もし、企業が短期的視野で、
利得 (利潤)のみに関心がある場合、改善戦略が採用 され るインセンテ ィブを与 えることはかな り難 しい(第3節
)。
こうした企業 は、「Fly‐by‐
Night」企業19と
結局 同 じであ り、改善す るよりは 利益 を絞 り取 ることに最大の関心がある。消費者 との関係 において長期的関係 を想定す ることが で きない企業 は、意思決定のオプシ ョンに改善戦略 を リス トア ップすることが意味 を持たないかもしれない。
先 にネガテ ィブ情報の共有ネ ッ トワークについて論 じた。 それに先立 ち、消費者の検 出能力 に ついて も論 じてお く必要がある。個々の消費者のネガティブな品質 について検知 しうる能力 は、
すべての製造物 に対 して専門的知識 を持 っていない限 り、必ず しも高い とはいえない。代わ りに 公的機関による商品テス トとその結果の公表 とい うシステムは重要であろう。例 えば、 日本では 国民生活 セ ンターにおいて商品テス トが実施 され、公表 されている
20。
しか しこうした情報 は、消 費者が 自ら購入 を検討 している財 について、事前 に情報 を入手 しようとしない限 り役 に立 つ もの ではない。本稿 を終 えるに当 り、残 された問題 について整理 しよう。本稿での議論 は、ネガティブな品質 が発覚 しない場合 と発覚す る場合 とを想定 して、改善戦略が採用 されるためには満たされなけれ ばな らない条件 を定義 し、その条件が成立す るためにはいかなる仮定が必要であるかを考 え、そ の仮定の実現可能性 あるいは合理性があるかを検討す ることで議論 を進 めた。その検討 において、
直感的に受 け入れ られ る仮定 を検討す ることを優先 させたので、すべての仮定 を必ず しも厳密 に 吟味 した とは考 えていない。その点、批判 はあ りえよう。 また、企業の不正 な行為 を防止す る、
あるいは不正 な行為 を決定 させないようなインセンティブを与 える仕組 みを検討するとした もの の、 ここで得 られた結論 は、ある必要条件 は検討で きた ものの、その脆弱性 をも指摘せ ざるを得
19 Faulhaber and Yao[6]を 参照。「
Fly‐ by‐ Night」
企業の戦略ならびに企業行動を分析 している。20国民生活センターが実施 した商品テス トとその結果は、インターネッ ト上で閲覧できき。
http:〃
www.kokusen.go.jp/topics/test.htmlを参照。
なかった。 これは、現実に不正行為 を働 く企業が容易 に存在 しうることを反映 しているともいえ ようが、それでは何の解決 にもな らない。求め られ るのは、 まず は頑健 な必要条件であろう。
本稿 で提示 した必要条件が成立す るためには、企業 は長期的視野の もと良い品質の財・ サー ビ スを生産す ることに心が け、消費者 は市場 に提供 される財・サー ビスの品質に対 して厳 しいチェッ クを怠 らず、そ こで得 られた情報 を消費者間で共有 し、政府 あるいは行政機関は消費者 に実行で きない商品テス トを行い安全で良質な商品情報 を提供す るとともに、不正があった場合 には厳 し く対処す るための法整備 を行 うことであろう。本稿 に残 された課題 は、 まさにこうした経済状況 の中で導出され る条件が頑健性 を持 ちえるかの検討である。
付録 :ミニマックス基準の条件の導出
導出にあたっては、次の ような数値例 を考 えてみればよい。SlとS2は 状態 を表 し、
al、 a2、
a3 は選択可能 な行為 を表 している。あ るい は
これ らの数値例に、 ミニマックス基準を当てはめると行為a2が選択 されることになる。
参考文献
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隠蔽の経済学 と隠薇防止 のイ ンセ ンテ ィブ
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