後進国開発モデルについてのノート 重81
後進国開発モデルについてのノート
種 岡 輝 雄 は し ぶ き
例えば,タイ国の1957年,1960年,1964年の3年度に関する,経済成長とギャフ。は次表 の如く示される。
(1)
第一表
1957 1960 196・4 年問成長率
1 GD.P
@ (1962年の価格) 48,446.6 59,442.9 78,241.6 7.29 2 粗 投 資 7,133.4 9,309.7 16,898.1 13.1 3 粗投資/GDP (%) 15.70 16.68 22L58『 5.3 4 国 内 貯 蓄 6,819.7 8,719.7 15,968;6 13.σ 5 国内貯蓄/GDP(%) 15.0 15.62 21.34 5ご2
6 貯 蓄 ギ ャ プ 313.7 590∬ 929.5 16」8 7 政府投資/民間投資 1ββ/81.2 27コ/72.9・ 28.4/71.6・ 一
8 頭当り民問消費
@ (ノミFツ). 1,406 1,488「 1,720 2.9 9 実質頭当り民間消費
@ (デブレートずみ) 1,457 1,544 Lβ72 2.0
10財・用役の輸出 8,640㌔6 9.32618 13,79ア」6 6.9 11財・用役の輸入 8,954㌔3 9,916.8 14,727」 7.4
12輸 入 ギ ャ プ 3↑3.7・ 590』 929.5 16.8,
13 GDPデブレ・一タド
@ (1962=1GO) 93.81 93♂90・ 95.62 一
14消 費価格指数
@ (1962=100) 9615 96.4 102.9・ 一
15卸売価格指数
@ (1962=100) 90.06 87.07 88」1 一 16輸 出 価 格
@ q958=100) 97.52 109.8 103.43 一 17輸 入 価 格』
@ q958=100) 103.34 100.40 94.63 一 18交 易 条 件
@ (1958司00) 9生37 10&65, 109.30.
(単位は百万バーツ)
更に,上記三年度の輸出・入構成,輸入ギャプは次表の通りである。 (単位百万バーツ。)
第二表
資本財輸入
A入消費財 総計腱薦腱驚難産暢 総輸入ソ値額 総輸出ソ値額 用役の
・A出ソ値額
輸入ギャプ
1957
@1960
@ 隔@1964
@成長率
Vェアーの成
キ 率
6,537 V7」
V,291 V6.8 X,567 U7.7
@5.6
│1.8 11945
Q2.9 Q,207 Q3.2 S,558 R2.3 P2.7
@5.0
7.3
@713
@7.5 P,317
@9.3
P1.0
@3.5
619 740 586
@ 855
@ 9.0
@ 1,951
@ 13.8
@ 14.7
@ 6.8
8.7 6.9
@ 639
@ 6.7
@ 1,290
@ 9.1
@ 11.7
@ 4.O
@ I
8,482
@100
X,498
@100
P4,126
@100
@7.6
@一
8,186
W,756
P2,910
@ 1@ i
一26
P52 Q87
一322
│590
│935
上の表から,過去7年閥において,第一に物価がほゴ安定していたこと,第二にかなり の経済成長が達成されたことがわかる。そして,消費の伸び率が,国内所得の成長率以下 に保たれたことが物価の安定をもたらした理由である。又GDPの成長率7.29%に比し,
輸入ギャプの増加率は16.8%と前者を上まわっていることから,外国資本の流入が,上記 期間のタイ国の経済成長を支えたことも明らかである。過去の事実に関する限り,常に,
社会々計的恒等式として,貯蓄ギャプは輸入ギャフ。に等しく,このギャプが実現した外国 資本流入額である。勿論これは一・方においては,実現した投資と貯蓄の差である。貯蓄と 投資とはほ皮同一率の13%で成長し,そのshareも15%から21.34%に増大したにもかか わらず,ギャプが開いたことは,投資の拡大が絶対量において,乃至shareにおいても貯 蓄のそれを上まわる程のものであったからである。他方輸入と輸出の差であるが,輸入に おいて,資本財の輸入のshareが増大し,中でも,機械,装備等の固定資本財のshareの 増大がギャプ拡大の原因と見られる。経済発展のためには投資が,又,輸入が不可欠と考 えられるが他方,国内貯蓄の,又,輸出成長率の如何によって,外国資源ギャプの大きさ が決定されることを上の二つの表は物語っている。
上述の例が示すように一般に,資本を含めての国内資源の不足のため,後進国は一方に おいて,経済発展のため外国資源の援助に依存せぎるを得ない事情があるが,他方におい て,この外国資源の必要量を最小限にとどめて,しかも出来るだけ短期闘に自己維持的成 長経済に到達することを目的としている。従って,経済発展を計画乃至予測する場合に,
外国資源必要量とその期間の予測が重要である。現実においてこの必要量を決定するもの は複雑で経済的,非経済的要因が含まれ,経済的要因の中にも,長期的なそれと,短期的 なそれが含まれることも周知のことであるが,今経済的且つ長期的要因のみをとりあげる
とすれば,経済発展にとものう貯蓄ギャフ。(saving−investment gap)と輸入ギャフ。
(import−export gap)の考察が重要となる。けだし事前的に考える限り互にinconsistent なこの二つのギャプのうち何れかより大きいほうが,外国資源必要量をきめ,この外国資
後進国開発モデルについてのノ←ト 183 源必要量の獲得が経済発展のため必要であるが,こ〜に種々の経済量の間に調整の必要が 生ずるからである6後進国の経済発展計画とごつのギャフ。の問題を意識的にとり扱った論 文としてチェネリー(Chenery H. B.)の論文がある。本稿においてはチェネリーの所説 (2)
に沿って考察を進め,問題点を指摘したい。
第一節 チェネリーの理論的模型
まずチェネリーは後進国の経済発展を潜在的に制約する要素として.つぎの三つ(1),L熟 練労働及び経営能力の供給,(2),国内貯蓄の供給,(3),財及び用役の輸入をあげる。籾,
後進国はある一定期間内にまず第一に一定の目標成長率を達成すること,つぎに第二にこ の目標成長率を維持しながら,外国からの資源必要量を減少乃至除去して自己維持的成長 の状態に到達することを目標とすると考え,第一にPhase Iを対応させ,第二にPhase II, Phase皿を対応させ,前記三つの制約条件から,夫々の局面における外国資源ギャプ を考察するのである。
まず議論のはじめに内生変数,パラメターをつぎにあげておく。
Vt・・GNP
It・・粗投資(必要投資)
St・・実現した粗国民貯蓄
St・・可能な,従って極大粗国民貯蓄 Mt・・実現した財・用役の輸入量
Mピ・必能な,従って財・用役の最小輸入 E、・・財・用役の輸出
F,・・外国資源必要量 Ct・・国民消費 パラメター
r・・GNPの目標成長率 rt・・t年のGNPの成長率
α4・・限界貯蓄性向(△S/△V)
αt・・t年の平均貯蓄係数(St/Vt)
β・・投資の極大成長率 k・・資本係i数(1/△V)
μへ・限界輸入係数(△M/△V)
μジ・t年の平均輸入率(Mt/Vt)
φ、・・:F,/V、
ε ・・輸出成長率
以上の変数,パラメターの添字tは年度を示す。尚,チェネリーのモデルにあっては局面
1,1[3皿1を通管て(11)Ct:≧Ct_、(2)V,>Vt_、の政策的制限が考えられている。
局面1 この局面1は大量の投資とGNPの加速度的成長率によ り特徴づけられ,構造 方程式はつぎの通りである。
まずt年の恒等式として
Vt≡Ct十St , (1)
St≡≡It − Ft (2)
過剰能力を一切考えないとすれば
側側+一嵩臨k一三級 (3)
この局面では・投資は可能な限唖大の成長獅厳すること力塑脚・この鰍成長率 βを決定するのが先記熟練労働,経営能力である。この投資成長(必要投資)は常に実現 せられねばならぬから
It= (1+β)It_1 (4)
つぎに
St=So+α (Vt−V。) (5)
これは先記国内貯蓄量の制約を示す。
Et=Eo(1十ε)t (6)
Mt=Mo+〆(Vt−Vo) (7)
式(7)は先記輸入の面からの制約を示す。
上の式から貯蓄ギャプ(Fつは
FSt = It − St (8)
輸入ギャプ(Fmt)は
Fmt−Mt−Et (9)
であるが,局面1においては
F8t>:Fmt (10)
と考え,従って
FSt.蟹F、 (11)
である。上にあって方程式は(1),(2),(3),(4),(5),(8),⑪の7個。未知数はVt, Ct, St,
St, It, FSt, Ft従って未知数は一義的にきまる。βは定義から任意であるが,過去のト レンドから決定されるのが通常であり,t年のG:NPの成長率をrtとすれば
β>rt(t=0,1,2,……) (12)
でなければならぬ。掬,式(3)は
Io (1+β)t−1
(13)
Vt=Vo十
k β
後進国開発モデルについてのノート 185 と変形され,この式から
盤〉・ (14)
が証明可能。従って,この局面1は一定率βでの投資の成長率,G:NPの加速度的成長率 で特徴づけられる。更に上式から
kβ一幅 『(15)
であり,
Ft=:FSt=:F。+(kβ一αノ)(Vt−Vo) 、 (16)
従って,局面1の外国資源必要量の増大は:F,一:F。であり,kβ〉α,である限り d
《F,一F。)>O dt
尚この局面1においては
St= St (17)
が導出され,事前的貯蓄はそのま〜実現するが,他方,実現された輸入については Mt=Et十:Ft>Et十Fmt=Mt (18)
従って,超過輸入¢xcess import)が存在する。
籾この局面1は投資1、が目標成長率rを維持するに充分な水準に到達するとき終了す る。この転回年度1n年においては
Im=k(Vm+1−Vm)=krVm 、 (19)
が成立しなければならぬ。この年度のG:NPは
Vm一砺(β一roβ一rm) (2・)
一般にm年の計算は二次式
「F βイ。
Im
一= (1+β)m=
(21)
ro β一r Io
ro謹Io/kVo
にて可能。.
局面皿。上につづく局面が局面皿と呼ばれFでの国民所得の成長率,同一1「の奉であ 投資の成長率で特徴づけられる。即ち
Vt=(1+r)V卜1 (22)
構造方程式は(1),(2!,(3),(22,(5),(8),⑳,内生変数はV、,C,, S,,1、, S、,:Fst, F、こ
の局面においては式⑩が依然として有効で,貯蓄ギャプが外国資源ギャプをきめ,従って 式⑱が成立。このrは
F』評 (23)
もし,φt=0の場合,ハロッド(R.F. Harrod)のGwである。この式㈲からrを増大 せしめるためには,kを一定と考えればαtか或いはφtの増大が乃至はその双方が必要 であるが,それはさておき,この局面皿のFtは
Ft=Fgt謹It−St=(kr一αt)Vt
=(kr一α )Vt一(αo一α,)Vo (24・)
通常αo<αノであるから dFt
<0 (25)
.dt のためには
kr<α (26)
が必要。一般にα は時間tとともに逓増的であるが,F,を急運に減少母しめるπめ に,α,を政策的に増大せしめようとする努力が必要である。もし,kr〈α の場合,
dFt.
噛く0 (25)
dt
であるから,1im:Ft=0のP年度のG:NP t→P
Vpを求むれば
V・一一髪≡籍Vm (27)
この式から,転回年度のp年を計算可能。かくして,α を増大せしめれば乃至式㈱が有効 である限り,貯蓄ギャプによりきまるFtは漸減し,究極においては除去されるが,この 漸減的段階において輸入ギャプの考察が必要となる。けだし,式(7)は経済発展のための必 要最小限の輸入を規定しているから・このMtが実現せねばrでの成母そのものが阻害さ
れることになるから,常に実現せられねばならず,即ち
Mt=Mt (28)
従って,もし
]Fmt>FSt , (29)
の場合,より大きい輸入ギャフ。Fm,に等しい外国資源の量がえられないと目標成長率その ものが達成不可能となる。式㈲である限り
Fmt=Ft (30)
この段階が局面皿と呼ばれる。
局面皿 この局面の構造方程式は(1),(2),(3),(6),(7),(9),⑳,囲,㈲,内生変数は。
Vt, Ct, St, It, Mt, Et, Mt, Fmt, Ft.式鋤から,
St〈St (31)
後進国開発モデルについてのノ伸ト 187 即ち,実現きれぎる貯蓄,即ち超過消費が存在する。尚,チェネリーのモデルでは必要投 資はそのま〜実現すると考えられている。今パラメターを一定にしておいて, (q−」)年 の間にF塒、を除去してしまうためには,Vlを基準にしてはかれば,次式,
昨(μ1一〆)Vj+[慧1(祥ぎ)制一1]El(1+ε)、・(32)
が成立しなければならぬ。即ち
金」(1+ε)・一1一鍔;(1+司・一1>(1一髪1) (33)
の成立が必要である。だかち,資本の流入が減少するためには大まかにいって(1),ε>rか
(2)〆<μ。が必要であるといえよう。以上でモデルの考察を終えるが,局面1において,
輸入ギャプが貯蓄ギャプを上まわり,輸入ギャプが国外資源ギャプを決定する場合を局面 IA,今までとり扱ってきた場合をIBと呼ぶが,局面IAの起るチャンスは極めて少ない
と考えられる。つぎに各局面毎に外国資源必要ギャプの量を初期値V。に対する比率に示 したものが次表である。
第三表
局面
IA
IB
成長制外国資源ギヤー外国資源
約要因プの決定臭墨ヤプ1 投資又は輸入 貯蓄又は輸出 β貯蓄ギヤプF・/V・一白+β)・
肴F・/v・一・銑[ (1+β)t+1−1
或は一頭[
β
(1+β)t+ユー1
{α・+鳶藁
[(1+β)・一1ユ}
]{(t+1)(α・訣煮)
+樵[(1+β)t+1−1
〕一(t+1)(
β
飾一翻髭)
]
β
(1一鈴)
β轍ギヤプ職一μ・+鶴課 語(1+ε)・
tΣ:Ft/V。
n i
〔(1+β)L1〕
黶it+1)(μ・一爺銑)
{壼・睾
@ 〔(1+β)ぎ1一り
一睾〔(1十ε)t+1−1 ε〕
P
豆 ぞ 貯蓄ギヤプ Ft/V。 一 一
黷汲秩i1+r)』 一{α・+房[(1+r)L1]1
tΣ:Ft/V。 一k〔(1+r)t+L1〕 一{(t+1>(α・一α・)
t=0
. 一
¥[(1+「)婁1一]}
或 は 十二)[(1+喬・+・一1] 一(t+1)(α。一α )
P
皿 ぞ 輸入ギヤプ :Ft/Vo 一μ・+μ m(1+めし1] 一睾(1+ε)・
離(t+1)(μ。一μ,) / 一議[(1+ε)t+L1 ε]
+÷[(1+r)t+L1]
第二節 パキスタンの予測
上の理論模型の当否はあとで考察するとして,上のモデルにおいては,βは一応おくと しても,限界貯蓄性向αノ,資本係数k,限界輸入性向〆,輸出成長率εは一方におい ては一国のperformanceを反映する係数であるが,他方においては,その事の故に政策 変数として種々の目標値をとらしめて,これらの数値の組合わせを基礎にして上のモデル によって,経済発展の計画乃至予測を行ない,外国資源ギャプの予測を行なうことが可能 である。又この手続きにより一国のperforma且ceの改善が,外国資源ギャプの量に乃至
自立経済を達成する期間の上に如何なる影響をあたえるかを比較検討することも可能であ る。上のモデルを使用しPakistanの場合の予測を行なった例を検討しよう。
第四表 発展予測のための構造パラメター
歴史 的 成果
上 限 成 果 パキスタンの計画値
τ
.045
.060
.075
β
.13
。13
k
3.0
3.0
2.9
α
.16
,24
,25
.10
.10
.06
.049
.070
.079
上の表において歴史的成果はパキスタンの最近の成果を基礎にして控え目に計算された 数値,上限成果とはパキスタンの計画に採用された数値(パキスタンの計画値)から計算
後進国開発モデルについてのノー㌫ 189 された上限値であり,上の夫々のパラメターから予測された経済発展の径路と外国資源ギ ャプは次表の通りである。この表ですべての変数はGNPの初期値V。に対する比にて示
されている。
第五表
年度19561962重963i19641965
1
1966 1967 1968 1970 1975
/
歴史的成果 1
G N P .838 1,000 1,041 1,087 1,136 1,188 1,241 1,296 1,416 L764
投 資 .059 .122 」38 .147 」53 .160 .1681 .175 」91 .238 可能な貯蓄 .039 .090 .097 .104 .112 」21 .129 .138 .157 。213
1
貯蓄ギヤ到 .032 .041一 .042一 041一 .040一 .039 .037 .034 .025
ナ小輸入 .074 .100 」04 .109 旧4 .1191 、.142 .177
輸 出 .054 .068 .072 .075 .079 .083 .0871 .091 .100 .128 輸入ギャプ .020 .032 .032 .033 .035 .036 .037 .038一 .041一 .049一 消 費 .799 .910 .944 .983 1,024 1,067 1.1121し1,159 1,266 1,575
局 面 工 1 工A 皿 旺 皿1 皿 1皿 皿 皿
上限成果 i lG N Pト
.838 1,000 1,041 1,087
iU39 I@l1,198
1,264 151,339
1,504 2,012 投 資 .059 .122 .138 .156 」76 .199 .225 。241 .272 .364 可能な貯蓄 .039 .090 .100 」11 .124 .154 .172 .212 .334 貯蓄ギャプ .020 .032 .038 .045 .052 .061 .071 .069 .059 .029
} { 一 一 一 一 一
最小輸入 .074 .100 」64 .109 .115 、120 」26 .134 」51 .201
輸 出 .054 .068 .073 。078 .083 .089 .095 .102 .11了 .164 輸入ギャプ .020 .032 .031 .031 ,032 .031 .031 .032 .034 .037 消 費 .799 .910 .941 .976 1,015 1,060 1,110 1,167 1,292 1,687
局 面 1 1 工A 工A 工A 工A 工A 皿 皿 皿
成長率 f N P
梶@ 資
.021 D130
.・411.130
.044 D130
.048
D130
.052
D130
.060
D071
。060
D060
.060 D060 1
消 費 .015 .034 .037 .040 .044 ・047P .051 .052 .053 。060
上の表において,各年度の二つのギャプのうち,より大きいギャプ,外国資源の必要最 小量をきめると考えるギャプにアンダー・ラインがひいてある。
上の予測をまとめれば次表の通り
第六一表
歴史的成果 上限成果
局 面 工 1956− 63 1956− 67
局 面 皿 1964− 67 1968− 73
局 面 皿 68 一 74 一
転 換 年 度 1985年以後 1979年以後
目標成長率 4.5% 6.0%
尚上の表において転換年度は終始局面五を想定して式㈱から計算されたものである。上 の表をグラフに示したものが次の図である。
第一図
歴史的成果 上限成果
4
3.
畑
黙2
牌
{ト
皿く1
3
畳ヨ2
・<1
10 澤05
畑 潔 ◎
(A) (Dう m j P
ml P 1 丑 皿
1 H 皿 投資嵐
可能.
投資\ /! 貯蓄な
1㌦旨 @ 貯蓄
なへ貯蓄 貯
蓄
予測値鴨 ロ 一 一 一
葦
毒〜d ◎一一一観察値 摩6
(B) mJ● 輸入 、 (E)m jI
一
輸入
輸出
ミrO・
輸出 最少輪入σ∵/
σ1二1σ 1』
.1 ● .
(C) m〕 純外国資源必要量 (F) m 』
♂超過輸入
痂・実現さ
浴@、 鴨
風
、
@ 半弓過轍二上
、
1.0 1.5 2.0 2.5 1.0 1.5 2.0 2.5
GNP(Vt/Vo) GNP(Vt/Vo)
後進国開発モデルについてのノート 191 上のパキスタンについて,外国資本の流入,即ち外国資源のギャプを最小にするために
は,二つの貯蓄ギャフ。と輸入ギャフ。を等しくせしめることが必要であることを論じ,この ためには,第一一に,成長率を決定し直すこと,第二に,輸入代替活動(import−substituting activity)を伝統的生産活動とならんでモデルの中にとりいれる必要があるこ,とを論じて
いる。
更に,第一節の理論的模型の考察から,つぎの三つの基準を考え,これらの基準に,現 実の国内パーフォーマンスが適含しているか否かを検討し,それによって,各後進国の発 展局面の判断を行なっている。
(1)投資基準
局面1では,現実の投資の成長率iは,目標成長年rより大。
i>r (12)ノ
それ以後の局面においては
1/V >kr (19),
(2)貯蓄基準 .
αノ>kr (26)
(3)輸入基準 ε>r μノ<μo
一国のパーフォーマンスを示す諸係数の実際の数値がこれらの基準をみたすか否かにより,
後進国を分類すれば次表の通りである。
第七表
、国 家 資本流入 投資成果 }賭成果
輸入成果 ャ長率国民所得
旦Vo kア 上Vo
i α0 α
E。1耳「ε μ
黶@ rハ0 r
A 貯蓄基準,輸入基準の双方をみたす国 ビ ル マ
リ 国 } ラ ヤ pキスタン uイリピン 艨@ 丸 q ・f国
.00
@.10
黶Z41D・41
F8引 .01
「 .205
@.172
@.116
@.屑7
@.139
@.134
@.106
.16
D12 D18 D12 D14 D22 D17
∴003
@.001
@.18
@.15
@.05
@.13
@.10 .17
@.03
@.22
@.09 A.12
@.15
@.16
.21
D27 D26 D25 D30 D29 D22
i 1.01
@.42
@1.08
@.64
@.90
@.65
@.93
.021
D165 D059 D075 D046 D083 D077
一.91 「
@.39 P.31 P.97
@.06
@.90
@.82
.046 D040 D062 D041 D050 D074 DG80
B 貯蓄基準のみをみたす国
イン■ 』2 1
.145 .14 .07 .12 .20 .68 .014 .0了 .04.
(上の表でiは上記期間の現実の投資の成長率である)
上の表はそれぞれの国の1957〜62年に関する実績による判定を参考までにあげたのであ る。更に進んでチェネリーは,上記8ケ国を含む,後進国31ケ国について,国内パーフォ ー々ンスを示すパラメターi,k, r,1。,φ。,α。,αノ,μo,〆,εの数値と目標成長率
とめ各種の組合せを考えて予測を行ない,パーフォーマンスの改善と発展の関係を論じて いるが,まだ,不明の点があるから,それらの問題に立ちいることは出来ない。
.上の議論について・つぎの事柄が問題となろう・
(1)式㈱が示すように,φt=0の場合には,チェネリーの成長率rはハロッドのGwに 帰することからも理解されるように非常に単純なモデルであり,しかも国内パーフォーマ
ンスを示す係数k,αノ,μ,ε等は不変としてとり扱われているから,予測結果ば非常に rigidなものである。それはそれとして,一一般にあるモデルによって貯蓄ギャプが予測さ れた場合,そのギャプが必要最小ギャフ。である保証はない。従って,この推定されたギャ
プの最小ギャプへの調整が必要である。それは投資の側についてもなされうるし又,貯蓄 の側についてもなされうる。所がチェネリーはPhase Iでは式(4), Phase皿, Phase皿:で は式⑲により必要投資がきまると見ており,従って,この必要投資なくば,夫々の局面に おいて目標成長率を達成乃至維持出来ぬものと解される。とすれば,この投資は必要最小 の投資であり調整の余地はない。貯蓄Stについて,これは推定された貯蓄関数(5)とその パラメターの数値次第である。とすれば調整の余地はS、にはあると考えられる。そのよう に考えてくるとき,式(5)のStが各誌の極大貯蓄量をあらわすと考えるに足るだけの根拠 がないようであるが,チェネリーは蔵は各年の極大貯蓄と考え,FS、は最小貯蓄ギャプ』と 考えている。他方,輸入ギャフ0についても同様に考えているが,このためには輸入,輸出 がどのような財から構成されているかにかかる。もし輸入が経済発展に必要な投資財及び 申間生産物のみからなり,他方輸出可能な消費財の国内消費が見られぬ場合,輸入は最小 輸入,輸出は最大輸出であり,この場合にかぎり,輸入ギャプは最小ギャプであり,いわ、
ゆるハード。ギャプ(hard gap)である。
チェネリーのFSt,:Fmtはそういったものと解されねばならぬ。つぎに極限の
:FSt==Fmt==Ft ・ 、 (34・)
の場合には,何の問題もおこらぬが,そうではなくて
F㌔くFmt==Ft 、 (29)
Fm,<FSt−F, (10)
の場合には,より小さいgapのより楽なるgap,即ちFtへの短期の調整の問題夢野「こる。
即ち,想定された乃至計画された経済発展が実現するためにはF、が実現しなければなら ぬが,このためにはより小なるgapの:Ftへの短期のいわばex postの調整が必要であ
る。チェネリーは式㈲の場合,その調整を超過消費(excess consumption),実現され ぎる貯蓄(unrealized saving)1こ求め,式⑩の場合,超過輸入(excess import)に求め たのであるQ前者の場合,課税制度の改善等を通じて貯蓄を減少せしめることが適当な政
後進国開発モデルについてのノート 193 策であると考えた。もし生産的投資を刺戟して,投資を増大せしめようとすれば,このため に,投資財・申聞生産物の輸入を増大せしめることになるから,従って最小の:F飛=Fτを 増大せレめるから適当でない。即ち投資は経済発展にconsistent且つminimum投資で
ある。ただ一般に輸入は先記の(1),発展に直接関係する輸入:投資財,中間生産物の輸入 と(2),消費財の輸入の和である。短期を考えれば,(1)の輸入は一度び投資の或は所得の成 長率がきめられると一義的にきまり非弾力的である。しかも,この部分の輸入は経済発展 がある程度に達するまでは国内生産により代替出来ぬという事情がある。その理由の一つ は後進国の機械,装備,自然資源処理産業部門の小規模不経済の法則であり,非能率性で ある。他方,(2)の消費財の輸入については(1)のような傾向は見られず,従って,外国為替 価格について弾力的である。しかし,より長期になれば,(1)の輸入も生産構造の変化,輸 入代替産業の出現等を通して,増々非弾力的でなくなると考えられる。そうすれば,Fmt のハードネス乃至圧縮不可能性はどの程度の期閥を問題にしているかにかかると思われる。
勿論チェネリー自身式㈲の場合・輸入代替活動を考えて・一方においては・実現さμぎる 貯蓄を輸入代替産業の投資に向わせ。他方では,輸入の減少をはかって,二つのgapの 均等化をはかろうとしており,外国為替の価格の変動にその契機を求めているが,このモ デルについての議論はつぎの機会にゆつる。他方式ωが成立する場合の事後的調整は1発 展とは直接関係ない財,消費財の輸入をゆるめることである。しかし,もし想定された国 民所得乃至投資の成長率が輸入割当て,乃至為替相場の管理を通して維持されている場合,
そのような財の輸入割当てをゆるめることは想定された国民所得乃至投資の成長率を或い は阻止するような結果をうむことも考えられる。この場合は前の場合と異なり,必要投資 は成長率と国民所得水準からきまり,可能な貯蓄は国民所得水準からきまるから,・この Fstは長期,短期の如何を問わずハード。ギャプであり,外の要因に対しては非弾力的で
ある。又,上述から理解されるように.二つのgapの均衡化,乃至調整の問題は一二の 成立する局面皿にある。尚,(エω。闘の場合の,より小なるギャフ。のより直なるギャプへ の短期のex postの調整は,二つの調整によって,想定されている経済成長率が阻害され
ることがおこらぬことを前提としていることは当然でφる。
(3)、
(2)パキスタン経済の予測について。この晶晶の予測はすべて,1962年の国民所得に対す る比率でなされている。その1962年度においては,表を見れば理解されるように,
FS{》==Fm{・ . 、 (35)
1。=kroV。 、 「 (36)
である。勿論ex postに見る限り.二つのギャプは定義から等しく,又加功が定義から 成立することも事実である。こ\に.実式㈲,(36)の関係式を事前的な関係式として解釈す
るか否かである。もし,そう解釈すれば1962年度に,均衡状態が成立していた事になり,
1963年から,より高い投資の成長率が計画されたために,この均衡状態は破られるが,ま ず式 に対応する式⑲の成立を内に含むデ目標経済成長率の達成,その後にこの目標成長
率を維持しながら,式圃に対応する式⑱めの達成を図るというように各局面が進行すると考 えられよう。そう考えればウ、1962年に均衡状態が成立していたことから,後進国において も一三に2つのギャプを均等化する力が働らくと考えられ,2つのギャプを均等化するた め特別の政策的考慮は不必要となる筈である。勿論,チェネリ遍自身は, 1962年を『Phase Iと指定していることから,そう考えていないと思われるが,そうすれば,必要投資,貯 蓄,輸出,輸入等ゐ事前的内生変数ば一階の定差方程式によりそれぞれ前期のそれと結ば れている。従ってg初期値がそれ以後の数値をきめる関係にあるから,議論の運び方に若 干の疑蘭が感じられる6これは;計画を実現するメカニズムの問題であり,「この問題が十 分議論されなければ,モデルは規範的蓮論にとどまって,ポジティブな理論たりえないの では巷いか〉と恵われる。『
第三節 ギャプの二重性の検証
上のように,成長率,成長構造からごつのギャプの二懲性脅指摘し,何れのギャプが優 勢であるか,そのdominanceを理論的に議論することは容易であるが,具体的な現実の 資料から,何れのギャプがより優勢であったかを判断すること1ま非常に困難である・毛か
も,この種の知識こそ後進国の経済発展の特徴を明かにするものであり,従って,それに 対応して,有効な経済政策を樹立するためにも必要である。ex postに見る限り,外国資 源ギャプは一つであり,常に輸入ギャプ=貯蓄ギャプである。し々〉し,この現実のギャプ が経済発展に必要な投資ギャプに由来したも,のであるか即ち式⑩が妥当したのか,それと も必要な輸入ギャプに由来したものであるか即ち式鋤が妥当したρかは,それだけでは判 断不可能であ.る。この問題に計量モデルにより接近したものにチェネリーの論文がある。
(4)
対象国は同種の問題に当面するギリシャ,藁蓑は1950年から1961年までの期間である。ま ず初めに記号の説明から。
変数:Cf:食料,清涼飲料,タバコの消費支出 Cc:衣類,身の廻り品の消費支出
Cl,:地代,水道,燃料,光熱,家具etcの消費支出 C,:用役の消費
G:政府消費支出 C :総民間消費支出 Id:住宅建設の粗国内投資
1,:非住宅及びその他の建設の粗国内投資 Im:輸送装備,機械その他の粗国内投資 1、:在庫増加
1 :粗資本形成
P/:K:資本の平均収益率指数,1954=100
後進国開発モデルについてのノート 奄95
M:財。用役の輸入
Mj:食料,清涼飲料,タバコ等の輸入 Mi:原料,・燃料の輸入
Mガ・工業生産物の輸入 M,:機械,輸送装備の輸入 M,:用役の輸入
X 二財⑳用役の輸出
Xf:食料,清涼飲料,タバコ,動物植物油の輸出 Xi:・原料,燃料の輸出
Xm,:工業生産物,機械,輸送装備の輸出 S :粗貯蓄
X、・・用役の輸出 F :純外国資本流入額 V:粗国民生産物 Yd:可処分所得
Td:直接税,移転支出 1 1 Til閥接税マイナス補助金
Pm:輸入相対価格指数,1954−100 :K:年度末資本ストヅク
D :減価償却費 t :時間, 1950= 1 層
以上の変数のうちCf, C、, Ch, C,, G, C,1d,1,, Im,1, M, Mf, Mi, Mm, Mt,
M,,X, Xf, Xi, Xmt, S, X,, F, V, Yd, Td, Ti, K, Dは内生変数1,, P/K:, pm,
tは外生変数,尚以下のモデルにでてくるK−1,1,_1は既決変数である。尚単位はすべて 1954年め百万ドラクマである。まず,先三期閥のギリシャに対する推定方程式はつぎの通り。
C,=1024+。1318Y
(510) (。0082)
Ch一一1522+.2121Y
(714)』 (.0116)
C,=一3171+.2182Y
(949) (。0153)
Cf・=劉540+.3151Y (1048) (。0169)
G=1459+.1046V
(780) (.0095)
R2=.996 δ2/S2.=2.24・
R2=。974 δ2/S2=1』8
R2一.958 δ2/S2・』2.21
R2=.975 δ2/S2=1.63
R2一 D931 δ2/S2コ1.80
(37)
(38)
(39)
(40)
(4D
Im = ‑ 4776+ . 6714M
(1432) (.060) Id‑=‑2049+36.3P/K+264t , (1458) (17.3) (50.9) Ic=‑413 + 208t + 84ic‑i
(310) (93.0) (.19)
Ms= ‑732+ .0653V ‑21 . 1Pm
(128) (.Oll) (13)
M,‑ 1695+ .O190V ‑7.2P.
(964) (.O08) (9.7)
Mi ‑= 2301+ .0505V ‑ 17.7P.
(874) (.066) (8.1)
Mm == ‑428+ .0643V ‑9.7Pm (584) (.O048) (5.9) Mt == ‑1801+.1836V‑76.IPm (2987) (.0247) (30.0) X,==2181+198t '
(283) (46)
Xi == 314+ 146t
("3) (18),
Xmt == 146+ 18t
(39) (6)
Xg =70+321t
(n7) (37),
'
Td =‑ ‑757+ .Q92 1V
(480) (.O058)
Ti =‑ ‑ 1284+ . 1317V
i (298) (.O036) D‑= ‑88+ .0213K, (163) (.OOIO)
fg as i,s:
c == ch + Cf ,+ C, + C, . I = Ie + Im + Is + Id
x == x, + Xi + X., + X,
R2=.934 S2/S2‑.78
L
'R2 == .907 d=‑ 2. 33
' R2 ‑= .959 d ‑2.44
R2 =‑ .826 S2/S2 ‑2. 04
'
R2 == .419 B2 /S ・2 == 1.22R2=‑.880 82/S2,‑‑2.85
'
'
R2 ‑‑ .957 S2 /S2 ‑‑ 3. 15
R2‑.876・ S2/S2‑1.90
R2 =‑ .665 d‑ 1.65
'
/t
R2 ‑= .875 d k2.44
tt '
R2‑=.448 d‑=1.12
iR2 === .894 d =‑ 1.50
R2 ‑= .965 d =‑ 1.56
R2 ‑= .993 ・d ‑= 2.28
t ttt t t
'
R2‑=.979 ,8‑2,/S2‑1.37M= MA + Mc.+ Mi + Mmi+ Mt
(42)
(43)
(44)
(45)
(46)
(47)
(48)
(49)
(50)
(51)
(52)
(53) tt tt (54)
(55)
(56)
(57) (58) (59) (60)
後進国開発モデルについてのノート
M謀X十F
V=C十G十1−F Y=V−D−Ti−Td
:Kt=(1−D)t十Kレ1 S=、V『一C−G=・1一:F
上の推定方程式中㈱,㈱,㈲,ω,㈲5働,㈲,㈲,㈲,㈱,㈲,
による推定方程式,
推定方程式についてもいわれねばならぬことがあまたあるが,
方程式組織はco麓sistent且つdeterminateであるから,
を行なえば外国資本の流入量F,の唯一通りの推定値がえられる。こ\に.
プの先記二つの機能に着目して,
(61)
(62)
(63)
(64)−
(65)
197
㈲は二段階最小自乗法 その外の式は通常の一段階最小自乗法による推定式である。これらの それは省略する。拠,上の これをそのま〜使用して推定 外国資源ギャ 何れのギャプがより優勢であったかを判断するために,
(工)上記期間の経済が貯蓄制約成長段階にあったと仮定して,各回の国民所得に対応する 貯蓄ギャプを推定する。 (皿),同一経済が輸入制約成長段階にあったと仮定して,輸入 ギャプを推定する。かくして独立た推定せられる二つのギャプを比較し,又観察値と推定 値の比較を行なって有効な推論を得んとするのである。
まず(皿)の場合の輸入ギャープの推定。この場合には,式㈲は有効な方程式ではなくな る。まず式㈲〜㈲を涼感に代入して
v=2.61M+344∵9pm−2704 「,(66)
この輸入は輸出プラス外国資本流入量に等しいから,式働〜㈱, 式㈹をMに代入して vmt」2.61:Fゼ+・344.gP㎜、+1782t+4.372 . (67)
これは輸入制約段階の国民所得であることを示す。この段階では貯蓄と投資は制約要 . (5)
因ではないから,,外国資源ギャプの限界生産力は (6)
会警一2.61 ・・一 (68)
この式㈲のvm、にサンプルとしてとられた各年度の国民所得の推定値,乃至ある成長 率を想定した場含の国民所得の予測値を代入すれば,Fm、は推定可能。
(∬) 早年制約段階の場合の貯蓄ギャプの推定。この場合,式㈹は有効でなくなる。
しかし,上記の構造方程式はそのままでは使用出来ない。何故なら,投資と潜在的産出量 との間の関係式である投資関数が上のモデルにはないからである。従って,第一節の模型 に対応して ,
It=k(Vt−V卜1)+1, 一へ (69)一 を新たに加える必要がある。第一項は必要な固定資本投資,第二項は必要な在庫形成であ る。この式㈹を先回旧聞のギリシャ経済から推定して
平t=2.975(Vt−Vt_1)+1076, , ,(70)
を求めヂこの式⑩と㈱〜㈹,㈹〜㈲,㈹から生産能力と投資資金が制約要因である場合の 国民所得v㌔を次式で求める。
Vst−=1。078Vt_1+.3622:Ft+・.0067K:_1−4390 ・ (71)
この式からVStに対応してconsis総ntな:Ft=FStの推定可能。
従って,2つの別個のギャフ。推定値がえられるが,先記1951〜1961年度の現実に観察さ れた成長率6%を採用して,各年度の国民所得を計算し,それに対応して,FS、,:Fm、「を推 定出来るが,その結果のみをつぎの図に示ぞう。尚第二図において,○印は観察値である。こ
の表によれぽ,①1956年初大体境界にして,
それ以前においては,貯蓄ギャプが優勢で あり,それ以後においては輸入ギャプが優 勢であること。②そのように見倣した場合,
ex』垂b唐狽フ外国資源のギャプの観察値は,
外国資源必要量の理論的推定値の傾向と大 体対応していると考えられる。かくして,
ex postの資料から2つのgapの優勢を判 断出来ると考え,更に,この二つのギャプ の推定方程式を外捜して,将来の推計をも 行なっているが,それまでは立ちいらない としても,上の判断の適否は問題であろう。
まずこの種の判断をなすことはかなり困 難であるにしても,全然不可能ではないこ
とも事実である。この判断は,貯蓄ギャプ,.
輸入ギャプの定義より可能である。現実に おいて〆輸入が,投資財,中間生産物の輸 入ρみからなり・轍可能な灘財の国内 消費が見られぬ場合には,(1)ex po6t Fmtであり,(2),
輸入制約段階である。
20
10
5 15
第二図
輸入ギャプ 必要輸入 輪 出
10
5
0
貯蓄ギャプ 必要投資
覧
lo「
0
5
0
糖原 B轡ノm
O O 。.○\
○ 貯蓄制約 Fs
1951 1953 1955 1957 1959 1961
の外国資源の流入量は経済成長に必要な最小限の しかも,当然:Fm、)三炉,である。即ちチェネリーの上記モデルでいえば,
この場合にはex postの外国資源の流入が出現しなかったならば,
観察された経済成長はえられなかったであろ 、という意味で最小限の必要F、である。
籾,上と逆に,現実において経済発展とは直接関係ない財及び用役のかなりの韓不が早 られ陽命・或いは・交易条件を悪化させることなレ噂串可能な灘財のかなりの国内 消費が見られた場合,乃至その双方が見られた場合には,第一に,貯蓄ギャプが優勢であ ら,輸入ギャプに短期のいわば¢xpostの調整が行なわれたことは確かである。しかし,層 この場合,ex postの外国資源ギャプが経済発展のたあに必要欠くべからざる最小ギャプ であっ・たと判断しうるか否かになると問題がある。 そのためには投資は一応別としても貯