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く=コア 自分のしてきたことの根拠をはっきりさせるこ

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Academic year: 2021

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全文

(1)

自分 に と っ て 試 す こ と の 意 味 を 見 つ め 直 した B さ ん

−3年2組 『どうやって磁石の力を表そうかな?』の実践より−

とらえと願い

○遺徳の時間に、日直の仕事を一人でできずに困っ ている主人公に対し、「助けたらその子のためにな らない」と子どもは「あえて助けない」と発言し た。「自分の手でやり遂げてこそ得られるものがあ

る」という見方があると私は感じた。

○理科『何が温度を上げるのだろう?』で、友達に 否定されても、自分が考えてきた要因が本当に要 因となっているのかを見つめ、確かめていった。

自分の手でやり遂げたことに手応えを感じる彼ら だからこそ、自分のしてきたことの根拠をはっき りさせたいと思い、確かめていったのだ。彼らは

「何をやることが、本当に自分の手でやり遂げた と言えることになるのか」が気になり始めている と私は考えた。

【願い】 く=コア

自分のしてきたことの根拠をはっきりさせるこ とで「自分の手でやり遂げてこそ得られるものが ある」という見方を強めてほしい

教材の魅力・価値

○手応えを感じる中で見出す磁石の性質

・見えない磁力が働いていることを手応えとして感 じ、磁力の働く向き、大きさ、範囲(極の存在と 磁界の存在)を見出していくことができる。

○見出した磁石の力を活用して車を走らせること

・車をより速く走らせることを投げかけることで、

子どもは磁石の力を強くすることを考えていく。

・棒磁石は磁力の働く部分が限定されるため、磁石 の向きや磁力を活かす位置に着目していく。

・磁石をつける位置以外の車の構造条件を同じに することで、子どもは磁力の強さによる速さの 違いに着目していく。

・3本の棒磁石を使用することで、2本の磁石の重ね 方や3本の磁石の組み合わせ方による磁力の向き や大きさを、子どもは考えていく。

【教材の本質】 く=⊃7

3本の棒磁石の使い方によって、反発したり、引 きつけたりする力が変わること

教材名】 『ど う や っ て 磁 石 の 力 を 表 そ う カヽな  ? 』

教材の概要】     車をより速く走らせるための3本の棒磁石の使い方を考える。

棒磁石2本を使って遊ぶ

子ともと教材 磁石の力の不思議、面白さを感じる

目に見えない磁石の性質を見出していく(磁力の範囲、強さ、向き)

見出した磁石の性賞を活かして車を動かそうと、3本の棒磁石の位置や向きを考えていく

「磁石の力が効果的に働く棒磁石の組み合わせ方」に讐目し、より速く走らせようと試していく

…友達と車を速く走らせる方法を伝え合う・どうすればもっと速く走らせられるのか…

室 自分の方法を主張しながらも、速くなったことの根拠を上手く説明できないでいる自分を感じる

:「なぜ、自分の方法だと速くなったのか」が気になり、立ち止まっていく

ニ⊥●●ニ∴ご●ニ∴ご●ニ∴ご●ニ∴ご●こ∴ご●ごごこ∴ご●ごご●こ∴ご●ごこ‥

13本の棒磁石の組み合わせで磁力を強くしようと磁石の組み合わせl l を考えてきたことは、磁力が強くなった根拠を明らかにするこ

t なっていたのかと、自分の実験方法を見つめる。

「根拠をはっきりさせてこそ、自分の手でやり遂げたことになるは すではないか」とその手の「自分の手でやり遂げてこそ得られるも のがおる」という見方を問う

教師のかかわり

「何が車を速く走らせたの かな」と関わり、車を速く動 かした結果に至った根拠を 明らかにしてきたのか?自 分を見つめさせる。

検証実験をし、根拠を数値で明らかにした霊を速く走らせる自分の方法に対する考えをつくる

自分の手でやり遂げたと甘える根拠がはっきりすることで、自分の手でやり遂げてこそ得られるものがある という見方が強まる

−50−

(2)

「追究のあらまし」

①◎③      < 棒 磁 石 で 遊 ぼ う > 磯石につくもの、つかな

いもの

・アルミの釘は磁石に くっつかないんだな

・学校の中に磁石につ くものとつかないも のがどのくらいある か調べよう

犠石の糧

・磁石同士をつけよう としたら、ぴたっと つく時と、反転して つく時がある

・クリップ釣りをした ら磁石の両端がたく さん釣れた

磯化

・クリ ップ釣りをした ら、ついたクリップの 下につながってクリッ プがついたよ

・磁石につけたクリップ を離してもクリップが しばらくついていたよ

磁力

・磁石と釘の間に下敷 きやノートを挟んで も、釘はくっついて いるよ

・離れた位置から釘が 磁石に引きつけられ

たよ

磯力の鴨肉

・磁石の力は離れていても 働くなんてすごいな

・2本の磁石を重ねると1 本の時より遠くの磁石を 引きつける時があったよ

磯力の強さ

・棒磁石の両端にたくさんクリッ プがついたよ。両端の方が磁石 の力が強いのかな

・磁石についた釘やクリップは磁 石になっていたのかもしれない

磯力の向き

・磁石同士を近づけると、引き 合うところと反発し合うとこ ろがあったよ

・棒の磁石では、磁石の両端の 力が強くなっていたよ 磁石の力って磁石の数で変わったりして不思議だな。磁石のもっている力を使ってもっと遊びたいな

④◎

⑥⑦

⑧⑨

<3本の棒磁石の力で車を動かしてしこルまでのタイムを計ってみよう>

磁石の引きつけ合う力を使ったら車を動かすことができたよ

磁石の反発する力を使って後ろから車を押すようにしたらスムーズに車が走るぞ

引きつけ合う力を使うと磁石同士がすぐにくっついてしまって間隔を調節するのが難しいな 2本の磁石のつけ方や、磁石の近づけ方で車の走る速さが変わったよ

もっと速く走らせてタイムを縮めたいな

極の先義の磯力を利用する

・車体に進行方向の向きにつけた2本の磁 石の極に、手に持った磁石の極を近づけ た方が速くなったよ。磁石の極同士を反 発させるのが一番強い反発力になるから

じゃないかな

・磁石の極の先端が一番磁石の力が強いの かな。極付近の部分と強さが違うのかな

礎石を繍向きに2本並べる

(Bさんの

(磁化されたクリップにクリップをつ け)落ちないよ。(クリップの向きを変え てくっつけようとしてみろ)あっ、わか った。これはSとSなんだ。これ(クリ ップ)とこれ(クリップ)も磁石になっ ているんだ。これとこれは同じ(棲)同 士だからくっつかない。(クリップを反対 に土工)でも、こうするとほら。(クリッ プ同士がくっつく)

*何度も試したことで

彼は磁化されたク リップにも極が存在していることを手応 えとして感じ、磁石の極と磁力の関係に

目を向けていった。

(霊体上面後方に捧磁石1本を進行方向の 向きにつけ、手に持った磁石の同棲を近づ けて車を走らせる)享に持って近づける欒 石と霊につけた磁石の極の位置を確認しな 坐皇霊を走らせる練習をしている。

*友達が違う方法でタイムを上げていて も、彼は同じやり方にこだわって何度も 試していった。それは、これまでに彼が 磁石で遊ぶ中で、磁力を強く感じるのは 極の先端に近いところであるという、試 して得た手応えが彼の根拠となっている

か らだ と思 っ た 。 lll

ll l

lt

2 本 の 磁 石 を 霊 体 後 面 に横 向 きに つ け 、 手 に 磁 石 を横 向 きに 持 っ て 同棲 を近 づ け て 走 らせ る)な ん か 違 うの か な あ 。(友 達 の 磁 石 の つ け方 と 比べ て ) ぴ っ た りな って い な い の か も。(2 本 の 磁 石 が ぴ っ た りつ く よ う に つ けか え 、 再 度 タ イ ム を計 りに い く)

l 車体に2本の磁石を横向きに並べてつけ、

手に持った磁石を横向きにして同極を近づ けると速くなったよ。車を押す力が上手く 伝わったからじゃないのかな

本当に車を押す磁石の力が上手く伝わって いるのかな。磁石の力の出ている方向はど

うなっているのかな

<何が車を速く走らせたのかな>

‥…HH__‥‥HH__‖_‖‥___●__‥_HL

磁石の力が強くなったからだよ。磁石の力をうまく使うことができたからだよ 本当に磁石の力が強くなったと言えるのかな

磁石の力が強くなったことを根拠にするなら、それを表さないといけないな

どうしたら磁石の力が強くなったことを表すことができるのかな

橿力の徽く躍離

・1本の磁石と2本の磁石とで、

車やクリップを動かすこと ができる距離を比べよう

クリップのつ書方

・1本の磁石と2本の磁石を重 ねた時のクリップのつく量 を比べよう

職力の集まり方

・極付近と極の磁石の力の集ま り方を方位磁針や砂鉄で確 認しよう

2本の磁石を重ねた時の方が1本より遠くまで力が働いているから、磁石の力は強まったと言えるね 2本の磁石を重ねた方が1本よりもクリップを多くつけられたから、磁石の力は強くなったことがわか った

磁石の力が極に集まっているのを、砂鉄で目に見える形に表し、確認することができた。

<はっきりさせたことを使ってタイムを計ろう>

反発力の大きい極を使うように磁石を縦向きにして車を走らせよう

磁石の力のはたらく範囲が広いから磁石を横向きにして走らせると速かったよ 磁石の力で車を速く走らせることができて嬉しかった。磁石の力ってすごいと思ったよ 磁石の力を表すのは難しかったけど、それで磁石の力が強くなった根拠がはっきりできた

自分のつくった考えの根拠をはっきりさせることができて、自分の考えに自信をもてたぞ

*何度挑戦してもタイムが縮まらないこと から、彼はそれまでと違う方法を試して いった。しかし話し合う中で、彼は極の 先端同士を近づける方法の方がより速く 走らせることができるのではないかと再 度考え始めた。どちらの方法も試した結 果、強い磁力が速く車を走らせると考え たからだと思った。

えっと、今僕は気づいたんだけど、これ(反 発力など)は(磁石自体の)力だけどこれ

(タイム)は速さ。それで、これ(速さ)

はちょっとやり方もあるから。

*はっきりした口調で語った彼から、タイ ムだけでは根拠として不十分であり、磁 力自体の強さをはっきりさせることが根 拠になるということに気づいたのだと思 った。目に見えない磁石自体の力を目に 見える形で確かめずにきた自分の「試行 錯誤してやり遂げる」という見方を問う

た か ら こそ の 発 言 だ っ 午

ll ll l ll ll

や っ ぱ り 1 本 の 時 よ り、 2 本 で 反 発 させ る方 が 動 く距 離 が 長 い 。(何 回 や っ て も同 じ結 果 に な る 。)2 本 の 方 が 強 い っ て こ と が わ か っ た 。 い ろ い ろ試 した こ と は全 部 が 全 部 無駄 で は な か った な と 思 う 。

*彼は反発力で動く車の距離を測ることで 2本の磁石をぴったりと合わせると先端

(極)の磁力が1本の時よりも強いとい う考えをつくった。それは「試行錯誤し てもやり遂げることが大切だ」という彼 の見方を問い、「試行錯誤すること自体 が、やり遂げたと思える根拠をつくるこ とだ」と試行錯誤の意味を見つめ直すこ とでつくられた考えであった。

(3)

1.本教材でBさんに願ったこと

『何が水の温度を上げるのだろう?』の学習で、彼は光の集め方が水温を上げる要因であると予想し、

鏡を容器の下に敷いたり、容器の周りに鏡を何校も置いたりして水温を上げようとしていった。友達が 水の色や容器を変えながら水温を上げている中、自分の方法で思うように水温を上げられなくても、彼 は他の要因を安易に取り入れることはしなかった。それよりも彼は、光の集め方をさらに工夫しようと 考え、鏡、虫眼鏡、アルミホイルなど光を集める物やその組み合わせを変えて水温の変化を調べていっ

た。また、光の当て方にもこだわり、鏡の角度や向きを変えて試す中で、容器に当たる光の量が違うこ とを見出していった。どの方法が一番効果のある光の集め方になるのかを、彼は一つ一つ試していった のだ。自分で試したことは大きな手応えとなり、彼の考えの根拠や、やり遂げた自分を感じる達成感の 源となっているのだ。「試行錯誤してもやり遂げること」こそが彼の「自分の手でやり遂げる」であり、

彼には「試行錯誤してもやり遂げることが大切だ」という見方があると私は考えた。また、自分が試し てきた要因を再度調べ直していった姿から、「試行錯誤することが本当にやり遂げたと言える根拠を伴っ

たものになっているのか」と気になり始めている彼を私は感じた。

私はBさんに「試行錯誤してもやり遂げる自分」に自信をもってはしいと願い、本教材を彼に出会わ せたいと思った。目に見えない磁力を強くすることが車を速く走らせる根拠とする時、彼は試行錯誤し たことで感じた手応えやタイムを根拠としていくだろう。しかし友達と話し合い、自分の考えを主張す る中で、自分の感覚である手応えや操作の仕方が反映されるタイムだけでは、磁力が強くなったとは言 い切れないと感じていく。目に見えない磁力を試した手応えだけで根拠としてきた自分の考えを見つめ ることで、彼の大事にしている「試行錯誤」の意味を問うことが起きると私は考えた。自分を問うた先、

これまで漠然と試行錯誤することが大事だと感じてきた彼は、自分の試してきたことの根拠を数値とし て表すことで、試行錯誤することの意味を明らかにしていくだろう。その時、「自分が大事にしてきた 試行錯誤すること自体が、やり遂げたと思える根拠をはっきりさせることだ」と感じていく。それは彼 が「試行錯誤してもやり遂げる」という見方を強め、そんな自分に自信を深めた姿であると私は考えた。

2.遊ぶ中で見出した磁石の力

授業の始めに、教師が用意したクリップのついた蝶が、磁石をっけた花に触れずに苗に浮いている様 子を見た彼は、「クリップと花自体はくっついていないんだけど、磁石の力で引き寄せられているんじゃ ないかと思う」と物体が苗に浮くほど磁石に力があるのかどうか調べようとしていった。棒磁石2本を 渡されると彼は、すかさず机の上に1本を置き、もう1本を手に持って机の上の磁石を磁石同士が離れ

た状態で動かし始めた。「回る。回る」と思わず発した言葉から、磁石から出ている磁石の力を確かめ ようとしたことがわかった。その後、クリップ釣りを繰り返し行った彼は「磁石にはN極とS極がある ことがわかったから、その極を見ながら釣ったらたくさん釣れると思う」と極の磁力が強いことに気づ いた。また、クリップ釣りをする中で、クリップとクリップだけでもくっつく現象を見た彼は、「クリッ プが磁化されたのではないか」と予想した。磁化されているのであれば、同極同士はつかず、異極を近 づければっくはずだと思った彼は、クリップの向きを変えながらっくか試すことで、クリップが磁化さ れていることに気づいた。磁石に触れ、遊ぶ中で見出した「磁石には極が存在すること」を基に考えた ことが、彼を「磁石の極と磁力の関係」に目を向けさせていくと感じた。そして遊びを通して手応えを 感じた「磁石の極は磁力が強いこと」が、今後の追究で車を動かす彼の方法に表れてくるだろうと私は 思った。

−52−

(4)

3.何度もくり返しながら自分の方法を決定する

Bさんは、「反発する力を使えば動く」と見出してきた極の磁 力が強いことを活かそうと、図①のような方法で車を走らせていっ た。3本ある磁石のうち2本しか使用しない理由を、彼は「あえ て2つにしているんだよね」「操るときに2つ車につけたら、(操 作を)少し間違えたらくっっいちゃったりするから」と語った。

第9時までに、磁石には目に見えない磁力が働いていることを強 く感じてきたからだと私は思った。進行方向の向きに磁石をっけ ているのも彼が磁石で遊ぶ中で、手応えとして感じてきた極の磁 力が強いことを活かそうと考えたからだ。

しかし、1時間試してもタイムがなかなか締まらなかった彼は 次ゐ時間、図②の方法を試していった。周りの友達が2〜3回で 磁石のつけ方を変えていく中、彼はこの同じ方法で20回タイムを 計った。遅かったタイムでも必ず記録を取り、2本の磁石の同極 同士をじっと眺めていた。極の磁力を意識してきた彼だからこそ、

極の磁力を上手く活かす方法があると考えているのだと私は思っ た。第9時、「いいやり方(速く走らせる方法)は1つか2つぐ らいだと思う」と語った彼は、何度も試すことで反発する力が上 手く伝わる方法を見極めようとしていたのだ。

次に彼は、.図③のように、車体後面に棒磁石を2本っける方法 を試していった。横向きに車体につける磁石を1本から2本にす

図①】 (4秒54)

図②】 (2秒69)

\ )

図③】 (3秒25

鞄 や

④】(2秒03)

\ )

ることで極付近の磁石の力が大きくなると予想したからだ。しかし2本の棒磁石には隙間が空いていた ため磁力が大きくならず、思うようにタイムを締めることはできなかった。隙間に気づかなかった彼は タイムが大きく縮まった図②の方法と、図③の方法を何度か行き来した後、「反発する力は何かたくさ ん感じるんだけど、あんまり速さは変わらない」と語った。私はその言葉に彼の方法に対する迷いを感

じた。手応えを根拠とし、彼なりの理由があった図①の方法とは違い、磁石を横向きにすると速く走る という考えはあくまで彼の予想の域を脱していなかった。さらに、2本の棒磁石をどのように組み合わ せたら磁力が強くなるのかを考えてこなかったことも彼の迷いにつながっていた。しかし、良い記録を 出している友達の方法を観察する中で、彼は「ぴったりなっていないのかも」とっぶやいた。自分と友 達の磁石の組み合わせ方を比べ、違いに気づいたのだ。その後、2本の磁石をぴったりとっけることで

タイムが縮まったことから、棒磁石の同極をぴったりとそろえて重ねることで反発力が強まることに手 応えを感じていった。【図④】彼は第10時で得た手応えをワークシートに次のように記した。

今 日わか った こ とは 2 つ の磁 石 の端 と端 を ぴ った り合 わ せ て く っつ け てや れ ば、 2 秒 03 まで タイ ム が上 が る こ とです 。 (中 略) 今 考 え て い るの は、 そ のぴ った りつ け た磁 石 を上 につ け るか横 につ け る か とい うこ とです 。 今 は横 につ けて い ますが 、次 回 は縦 に して み たい です。

それぞれの方法を何度もくり返し試したことで、彼は磁石2本をぴったりとっけると反発力が増すと いう考えを生み出した。試して得たことに大きな手応えを感じる彼だからこそ、試行錯誤の末に生み出 したこの考えは、彼の車を速く動かす方法に対する確固たる考えになると私は感じた。しかし、彼の考 えの根拠は試したことで得た(手で磁力を感じた)手応えとタイムだけであった。だからこそ彼に「棒 磁石2本をぴったりと合わせることが本当に磁力が強くなると言えるのか」と自分の考えの根拠が本当

(5)

に根拠となり得ているのか見っめてはしいと思った。それは、これまでの追究で彼が感じてきた「3本 の棒磁石の使い方によって、反発する力が変わる現象(教材の本質)」と「自分の方法」をうまく結び っけることができずに立ち止まることになると考えたからだ。

④   ⑧  ⑥

−.一一一一一一一一一一一一 ̄・ ̄一一一一▲−▲ _.−  ̄ ̄■:′二二二■二■二■二■二■二二1二軍竺空F−【・−−一・∴■ ̄■∴・∴ ̄ ■

4.縦向き(極)と横向き(極付近)の

反発力は違うのか

自分の速く走らせた方法を語る中で、クラスの意見は大きく 3つの方法に分かれた。クラスの大半が④の方法で車を速く走 らせることができたため、「④はN・S両極の2カ所で反発で きるため速く走らせられる」という考えに賛成していく中、彼 は⑥の考えに賛成して考えていった。

C:これ(⑥)は先っちょ(極の先端)と先っちょで走っていて、これ(④)は広い面(極付近)と 広い面で反発して走っているんだから、これは今は僕もどっちが強いかはわからないんだけど、

先っちょと広い面の方は力が遵うんじゃないかな。

C:う〜ん、わからないけど、こっち(⑥)の方が強いと思うけれど。

第9時、何度も試すことで決定していった方法を否定する彼に私は一瞬疑問を感じた。しかし、彼が 何度も走らせることで見出したことは、磁石を横向きにつけるとタイムが縮まることではなく、2本の 磁石をぴったりつけることで磁石の力が強くなることだった。しかも追究当初から極の磁力をずっと意 識していた彼だから、⑥の方法が磁力が強いことを改めて思い返したのだ。次の時間も彼は、「こっち

(⑥)の方が明らかに、横より縦の方が力があることは、そうだよね?」と発言し、⑧と⑥の方法を比 較しながら、「くっついていた方が速くなった経験があるから、くっついている方が速いんじゃないの かと思います。」と⑥が一番速く走らせる方法であることを、試して得た手応えを根拠にして考えを述 べた。しかし、彼は2本の棒磁石をっけると磁力が強くなることを「両方で(反発する力を)もらって くれるもんで速くなると恩うんだよ」と主張しながらも、「実際はよくまだわか らないんだけど」と語り、自分の考えに対する根拠をはっきりさせていない自分 を感じていった。そこで、彼の考えの根拠は試したことでの手応えによるもので あり、根拠となり得てはいないことに気づかせようと「1本分しか反発しないか

ら強さは変わらないのではないか?」と私は関わった。彼は、右図のように線を 引いて説明しようとしたが「こんな感じ?」と発した。その言葉には迷いが感じ

られた。それは、磁石を2本にしたことで磁力が本当に強くなっているのか、そ の範囲で磁石の力が当たっているのかを見ないで考えの根拠としてきた自分を強

く感じていたからだ。その後、彼はワークシートに「2本と1本のどちらが磁力 が強いのかはっきりさせたい」と記入した。

そこで、私は試行錯誤してきた自分の方法を見っめてほしいと考え、関わった。

T:Bさんはさぁ、2本と1本でどちらが磁力が強いのかは、はっきりさせてきたんじゃないの?

C:あんまり縦の方でやってなくて横でタイムを出してきたから、あんまり縦でやってないから。

T:そうかあ。タイムを取ればはっきりさせたことになるの?

C:タイムって言うか‥・(10秒ほど沈黙)まあ、それもあって‥・。手で感じるとか‥・。

10秒はど沈黙し口ごもった彼から、今までのように試した手応えやタイムだけを根拠にしてきたこと

−54−

(6)

が、果たして本当に磁力が強くなる根拠と言ってよいのかと思い、「棒磁石2本の磁力が1本よりも強 い現象」を自分の考えで説明することができずに立ち止まっていた彼を私は感じた。

5.磁石の反発する力をはっきりさせたい

第11時、自分の考えの根拠がはっきりしているのかを見っめる機会として、彼に「自分の考えの何を はっきりさせようと思うか」を尋ねた。Bさんは、「どの方法が本当に速いのか、どの方法が(磁石の)

力があるのか。反発する力が強いのかをはっきりさせたい」と語った。彼は、速く走らせる方法を比べ るには、反発する力が違うのかどうかをはっきりさせないといけないと思い始めていた。その後、友達 が語るはっきりさせたいことを教師が「速さ」と「磁石の力」に分類した板書を見る中で、

C:えっと、今僕は気づいたんだけど、これは力だけどこれは速さ。それで、これは磁石本体の力だ けど、これ(速さ)はちょっとやり方(操作の仕方)もあるから。

とはっきりとした口調で語った。「速さ」は操作の仕方(近づけ方等)でタイムが変わるため考えの根 拠としては不十分であり、目に見えない磁石の力自体の違いをはっきりさせることが速く走らせる考え

の根拠となると彼は語った。私は、彼が「磁石の反発する力をはっきりさせたい」と思い始めていたこ との意味についてこの時に気がっいたのだと思った。第10時、教師に「(速く走る根拠は)はっきりさ せてきたんじゃないの?」と投げかけられた彼は、「これまで試行錯誤して得たと思ってきたタイムと 手応えでは、速く走らせる考えの根拠となり得ていないのではないか」と思い始めていた。一方で「な ぜタイムと手応えは根拠となり得ないのだろう?」とすっきりしない気持ちもあった。しかし、2種類 に分類された「はっきりさせたいこと」を改めて見直したことで、「速く走らせる考え」の根拠をはっ きりさせるには、「そのタイムと手応えになる要因をはっきりさせなくてはならない」ことに考えが至っ たのだろう0彼はそれをはっきりさせていない自分に気づいたのだ。それは、目に見えない磁力を目に 見える形で確かめずにきた自分の「試行錯誤してやり遂げる」という見方を問い、今まで試行錯誤して 得てきたと思っていた手応えやタイムでは、磁石の力ははっきりしないのだということに気づいた姿で あったと私は考えている。

6.無駄ではなかった

定規でレールを作り、(磁石)1本と2本、1本と1本で反発して車が動く距離を測ってみたら、

1番反発力が強くて、距離が長かったのは1本と2本だった。それに、磁石では力が強ければ強いほ どいい(速く走る方法になる)と思いました。〈最終時ワークシートより〉

自分を問うた彼は、最終時、棒磁石の数による磁石の力の違いを反発させて動く車の距離を測ること で確かめ、極の磁力が強いという考えの根拠をはっきりさせていった。そして、磁石を縦向きに車に1 本っけ、手に2本同極を合わせて持ち、極の先端の磁力の強さを活かして車を速く動かす方法への考え

をっくった0彼は「いろいろ試したことでこっちの方が速いとか遅いんじゃないかとか大体区別できた し、それで今回もよくわかったし、そのベースができたから何かいろんなことができたかなと思うから、

全部が全部無駄ではなかったなと思う」と語った0それは、「試行錯誤してもやり遂げることが大切だ」

という彼の見方を問うたことで、「試行錯誤すること自体が、やり遂げたと思える根拠をっくることだ」

と彼自身が感じ、見方を強めたからだ。自分の考えをっくることを通し、自分の見方を問い強めたとこ ろに彼の学びがあったと私は考えている。

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