硬質炭素の生成と性状 1 •
キシレンーホルムアルデヒド樹脂の炭化
川 角 正 ノ マ ・ 江 頭 誠本・山田 浩*
F o r m a t i o n a n d P r o p e r t i e s o f Hard C a r b o n 1 . C a r b o n i z a t i o n o f X y l e n e ‑ F o r m a l d e h y d e R e s i n
by
S h o h a c h i KA W ASUMI , Makoto EGASHIRA a n d H i r o s h i Y AMADA
( D e p a r t m e n t o f M a t e r i a l s S c i e n c e and E n g i n e e r i n g )
The p u r p o s e o f t h i s s t u d y i s t o e l u c i d a t e t h e e f f e c t o f c r o s s l i n k i n g on t h e p r o p e r t i e s o f c a r b o n i z a t i o n p r o d u c t s , t h a t i s g l a s s y c a r b o n s , from t h e r m o s e t t i n g r e s i n s . I n t h i s p a p e r t h e t h e r m o s e t t i n g x y l e n e ‑ f o r m a l d e h y d e r e s i n was c a r b o n i z e d a t 3 0 0 ‑ 1 4 0 0
oC , and t h e m i c r o ‑ V i c k e r s h a r d n e s s o f c a r b o n i z a t i o n p r o d u c t s and t h e i r t h e r m a l b e h a v i o r u n d e r a i r o x i d a t i o n were s t u d i e d .
Hardness i n c r e a s e d a b r u p t 1 y a t t h e c a r b o n i z a t i o n above 7 0 0
0C and a t t a i n e d t h e maximum v a l u e 2 9 0
・3 0 0 kg/mm
2a t 1 0 Q O ‑ 1 1 0 0
oC . T h i s v a l u e i s t h e same l e v e l a s o r s u p e r i o r t o the i n d u s t r i a l g l a s s y c a r b o n m a t e r i a l s from Tokai Carbon C o . , LTD. D i f f e r e n t i a l t h e r m a l a n a l y s i s c u r v e o f t h e sample c a r b o n i z e d a t 1 0 0 0
0C u n d e r a i r o x i d a t i o n showed o n l y one e x o t h e r m i c peak above 5 0 0
0C w i t h t h e maximum a t 6 2 0
・6 5 0
oC . The t h e r m a l b e h a v i o r i s s i m i l a r a s t h a t o f a c t i v e c h a r c o a l , b u t c l e a r l y d i f f e r e n t from t h a t o f t h e
i n d u s t r i a l g l a s s y c a r b o n which showed two e x o t h e r m i c p e a k s . The h i g h e r t h e c a r b o n i z a t i o n t e m p e r a t u r e o f p r e c u r s o r r e s i n was
,t h e h i g h e r t h e t e m p e r a t u r e a t peak maximum w a s . These r e s u l t s were d i s c u s s e d b a s e d on t h e . r i b b o n s t r u c t u r e model o f g l a s s y c a r b o n . The r e l a t i o n between t h e h e a t o f o x i d a t i o n c a l c u l a t e d from peak a r e a o f DT A c u r v e and t h e c a r b o n i z a t i o n t e m p e r a t u r e was a l s o d i s c u s s e d .
1.緒 冨
ガラス状炭素はガラスとカーボンの特性をもった炭 素材料である.その破断面はガラス状を呈し,気体透過 度や機械的強度はパイレツクスガラスに近く,熱的電 気的性質はカーボンに近い値をもっ特異な材料であ る.ガラス状炭素はフェノール樹脂,フラン樹脂などの ような芳香族環やフラン環をもっ架橋高分子,すなわ ち熱硬化性樹脂を原料とし,これを
1 0 0 0
0C
以上の高温 で炭化することによって製造されているものと推測さ れるが,製造条件などの詳細は明らかでない.*材料工学科
本研究の第
1
の目的は,熱硬化性樹脂の架橋構造の種 類と生成炭素の物性の関係を究明することにある.ま た工業的にはフラン樹脂やフェノール樹脂を原料とす るガラス状炭素に優る経済的有利性を有する炭素を開 発することも他の目的の1
つである.このため,ここで はフェノール樹脂に近い構造をもっキシレンーホルム アルデヒド樹脂を用いてガラス状炭素の調製を試みた。キシレンーホルムアルデヒド樹脂を採り上げたのは 次のような理由による.キシレンのオルト(0‑),メタ (m‑),パラ
(p
一)の3
つの異性体の中,p
ーキシレンはポリエステル合成繊維用のテレフタル酸の原料とし て,また。一キシレンは,無水フタル酸の原料として大 量に使用されるが,m一キシレンは工業的に余剰物質 として考えられている.(最近異性化反応によりm一キ シレンも利用されるようになったが,余分の工程を必 要とする.)従ってこのm一キシレンをガラス状炭素の 原料として用い得るならば,フェノールおよびフラン に較べて工業的に有利と考えられるからである.
硫酸触媒の存在下にキシレンとホルマリンの反応に よってえられるポリマー(以下プレポリマーと略称す る)は鎖状構造の液体である.本研究ではこのプレポリ マーをフェノールで硬化する方法を採用した.プレポ リマーにフェノールを反応させると,Fig.1に示すよ うな反応機構によって,フェノールとキシレンが交互 にメチレン基で結合・架橋した三次元の熱硬化性樹脂
(プレカーサーと略称する)を生成する1).
本研究ではプレカーサーを,300〜1400℃で焼成して えられる硬質炭素について主として硬度測定と示差熱 分析による検討を行ない,他の炭素材料と比較した.
(a)
(b)
\β,肋
一葉盤・靱
Fig.1 Reaction scheme of formation and
cross−1inking of xylene−formaldehyde resin.(a)Formation of prepolymer.
(b)Cross−linking of prepolymer with phenol.
2.実験方法 2−1 試料の調製法
1) プレポリマーの調製:温度計,還流コンデンサー,
撹拝機をつけた500m13つロセパラブルフラスコに,
37%ホルマリン1409を加えた.フラスコを静かに 塩押しながら濃硫酸509を滴下した.このとき内温 が60℃を越えぬように留意した.約10min保持後,
混合キシレン1009を投入し,昇温を始め,内温が約
95℃で還流が始まる時点を反応開始点として5hr加 熱した.反応は不均一系発熱反応であるため,撹拝に 留意し,血温が徐々に102℃に上昇した後,80℃まで 冷却した.トルエン809を加え,内容物を11分液漏 斗に移し,硫酸層を分離除去した.湯洗によって完全 に洗浄した後,減圧下に揮発成分を追い出し,水飴状
のプレポリマーを得た.
本研究ではm一キシレンの代りに混合キシレンを 用いた.その理由はm一キシレンを用いても,その一 部が高い反応温度で異性化反応により。一およびP 一の異性体へ変化する可能性があり,またm一体が ホルムアルデヒドともっとも速く反応することが知 られているためである2》.
2)硬化反応:プレポリマーに触媒として0.1%のP 一トルエンスルホン酸を溶かしたフェノールを加 え,130℃まで加熱した.内容物は縮合反応によって 激しく発熱し水を遊離したが,未だ液状であった.こ の液状反応混合物に37%ホルマリンおよび触媒と して塩酸または硫酸を添加し,100℃で0.5〜1hr加 二二合せしめ,固形物を得た.この固形物を乾燥器中 で水分および未反応物を除去してプレカーサー樹脂 を得た.Table 1にプレポリマーのフェノールによ
る反応条件を示す.
Table l Cross・linking reaction condition
Precusor No. 1 2 3
Reactant composition(9)
Prepolymer
43.5 18.0 34.4P−Toluene・sulfonic acid
0.52 0.02 0.43Pheno1
50.2 20.6 40.237%Fo㎜aldehyde solution
31.3 12.9 25.110%Hydrochloric acid solution
3.11 1.30 一10%Sulphuric acid solution
} 一 2.5Reaction temp.,(℃)
92 95 130
Reaction time,(hr)
1
0.51
3) プレカーサー樹脂の焼成:プレカーサー樹脂粉末 を,内径26mm,長さ50cmの石英管の中心部に挿入 した剥製ボート中に置き,この石英管を1400℃近く まで昇温できる横型管状必中で加熱することによ り,炭化物を得た.プレカーサーの炭化は50ml/min の一定流速の窒素ガス雰囲気下で行なった.
2−2 炭化物の物性測定
1) 示差回分析1:プレカーサー樹脂粉末の窒素ガス雰
囲気下の焼成過程における熱的挙動,および炭化物 の空気酸化による発熱状況を調べるため,理学電機 (株)製卓上型熱分析装置(DTA)により,室温から 800℃までの温度範囲において,5℃/minの昇温速
度で測定を行なった.
2)微小硬度測定:炭化物粉末をポリメチルメタアク リレート樹脂の表面に埋め込み,エメリーペーパー およびパフ研磨により表面仕上げを行なって,表面 硬度を微小ビッカース硬度計で測定した.試験荷重 は1009を用い,10回測定して平均値を採った.測定 値の再現性を確かめるため,埋め込み用合成樹脂材 としてフェノール樹脂を用いた場合と比較検討した が,ポリメチルメタアクリレートの場合と硬度の測 定値に有意差は認められなかった.
3.結果と考察
3−1 プレカーサー樹脂の焼成過程における熱的挙動 窒素雰囲気下での示三熱分析結果をFig.2に示す.
No.1〜3の試料では鋭い吸熱ピークは現われないの で,これらの樹脂は溶融することなく,徐々に分解しな
がら炭化するものと考えられる.
.〜〜
§
蓋
↓
No.1
No.2
No.3
300 400 500 600
Temperature(。C)
3−2 焼成条件と炭化物の組成の関係
プレカーサーNo.3の樹脂を用いて,300℃から 1000℃までの各温度で,また1000℃では保持時間を変 えて焼成した場合の炭化物の組成をTable−2に示す.
酸素の量は,全重量より炭素,水素,窒素の量を差引い た値である.
3−3 炭化物の硬度
キシレンーホルムアルデヒド樹脂(プレカーサー No.3)を300〜1400℃の各温度で5hr焼成した炭化物 の微小ビッカース硬度をFig.3に示す.硬度は 1000〜1100℃でほぼ一定値に達している.
その値は290〜300kg/mm2であって,フェノール樹 脂の炭化物3)のビッカース硬度と略々同じ値であっ た.比較のために測定した市販の活性炭およびKreca−
sphere(呉羽化学(株)製の石油ピッチを原料とする外 径50〜250μの炭素微小中空球.これを粉砕して測定)
のビッカース硬度は,それぞれ135(試験荷重259)お よび148(同50g)kg/mm2であった.天然黒鉛および カーボンブラックについては硬度計の試験荷重が最小 の259でも,破砕して測定不可能であった.
キシレンーホルムアルデヒド樹脂炭化物のビッカー ス硬度はモース硬度の6−7(水晶または溶融石英の
硬度)に相当する4).東海カーボン(株)製のガラス状炭
素とその他の炭素の硬度に関する文献値をTable−3 にあわせ示した. この表からもキシレンーホルムア ルデヒド樹脂の炭化物は市販のガラス状炭素に匹敵するか,またはそれ以上の硬度をもつことがわかる。
焼成温度の上昇とともに,鎖状ポリマー間および芳 香族リボン分子(後述の説明参照)間に脱水素反応が起
400
↑ε300
ξ 旦
)200総
霊
ね
為100工
OO 400 800 1200 Temperature(OC)
1600
Fig.2 DTA−curves in N2 for xylene・foorm−
aldehyde resin(DTA range±50μV).
Fig.3 Micro−Vickers hardness of carbonized
xyleneイorrnaldehyde resins at thβtemperature of 300℃to 1400℃.
り(Table−2参照)架橋結合が増加する.硬度は架橋結 合の量に密接な関係があると考えられるから,前述の ように焼成温度とともに硬度が増加するものと推論さ
れる.また焼成温度が1500℃からさらに上昇すれば,僅 かずつ黒鉛化が進み,硬度は減少するものと推論され
る5).
Table 2 Compositibn of carbonized materials and their oxidation reaction heat
Sample
Carbonization*1
Carbon L Composition of高≠狽・窒奄≠撃r(Wt.
carb 刀j
onlzed/ .
・・≠
Oxldation reaction
@ (kcal/9)
No. Temp.
i℃)
Duratioロ
@ (hr)
yield*2
iwし%)
C H 0 N
△Hco, △HH、o Total・・≠3−5 300
5 75.22 75.854.92
19.23 05.38 1.42 6.80
3−6 500
5 41.86 87.142.73
10.13 06.54 0.79 7.33
3−7 700
5 39.70 93.500.75 5.13 0.62 7.17 0.22 7.39
3−8
900 5 38.67 96.100.20 3.36 0.34 7.42 0.06 7.48
3−9
1000 5 38.04一 一 一 一 一 一 一
3−10
1000
7*3 36.59一 『 一 一 一 一 一
3−11 1000
10*3
37.22 94.28 04.99 0.73 7.24
07.24
3−12 1000
14*3
37.29 95.18 04.31, 0.51 一 一 一
3−13
1000 19*3
36.08「95.59
03.93 0.48 『 一 一
*1
*2
*3
under N2 gas flow rate of 50 ml/min(NTP).
wt.%of carbonized material based on precursor resin.
duration of carbonization from room temp. to 1000℃.
Table 3 Hardness of Several Carbons
Carbon Heat proof temp.
浮吹@to(。C)
Micro−
uickers H.
ikg/mm2)
Mohs H.
Shore H.Carbon from xylene−
・盾窒高≠撃р・・凾р・@resin 1000 290* 6〜74) 一
Glassy carbon
manufactured by 1000〜1300
230* 4〜56》
110〜1205)Tokai Carbon Co. Ltd.
Artificial graphite 3000
一 一 30〜605)
Impregnated carbon
1300 一 一
45〜556}* measured by authors..
3−4・炭化物の気相酸化挙動
プレカーサーNo.3の樹脂を300〜1000℃の各温度 で,5hr焼成して得た炭化物(Table−2の試料No.3
−5〜9)の空気中における熱的挙動を,DTAを用いて 測定した.その結果をFig.4に示す.また同じ樹脂を 1000℃で5〜19hr焼成して得た炭化物(Table−2の試 料No.3−9〜13)の空気中における同様のbTA測定 結果をFig.5に示す.ざらに市販の活性炭,カーボン ブラック,天然黒鉛およびKrecasphereについての同 様の測定結果をFig.6に示す.
焼成温度が1000℃の場合,キシレン樹脂の炭化物の 空気酸化によるDTA曲線は,500℃付近より発熱し,
最大ピーク点は620〜650℃の範囲に存在する.このよ うな発熱ピークの形と温度範囲は活性炭および.Kre・
casphereに類似している.
これらの一群の炭化物に対して,カーボンブラック のピーク温度範囲は三々類似しているが,ピークの形 は600℃付近までの低くてプロ「ドなピークと,それに つつく鋭いピークとなっている.また黒鉛のピークの 温度範囲は,800℃を頂点とする高温側に存在する.
Fig。6に引用した斎藤ら6)の東海電極製造(株)(現東
海カーボン)製の棒状ガラス状炭素GC・一10(熱処理温 度1000℃)のDTA測定結果では,571℃にピーク温度 をもつ比較的鋭いピークと,630〜650℃付近にみられる平担な発熱ピークより成る.これらは同氏らの微分 重量(DTG)曲線の形とも相似している.さらに彼らは
これら2つのピークは焼成温度の上昇とともに変化し,
第1のピークは減少し2050℃処理物では殆んど消滅す るが,第2のピークは焼成温度とともに発達して高温側 に移ることを示した.このようなDTA−TGAの測定 結果は,ガラス状炭素の構造が不規則に配列した微小 な黒鉛層部分(Fig.6の第2の肩状のピークに対応す
る)と,その結晶子の交叉連結部分(第1の鋭いピークに 対応する)のかちみ合いから成るという野田・稲垣7)の
説を支持するものとして説明されている.しかしながら本研究によれば,キシレンーホルムア ルデヒド樹脂炭化物はガラス状炭素に相当する硬度を もつにもかかわらず,そのDTA曲線は斎藤らによる2 つのピークを示さず,むしろ活性炭やKrecasphereに 類似の単一のピークを示した.従って硬質ないしはガ ラス状炭素のDTA曲線は,それらの原料樹脂の種類 によって異なること,すなわち炭化物は炭化前のプレ カーサーの分子構造あるいは架橋構造により異なった 気相酸化挙動を示すのではないかと推論される.
、9
董
藷
↑
.9
茎 話
↑
19hr
14h【
1000。C
700。C
500。C
300。C 00。C
10hr
7hr.
5hr.
300 500 700
Temperature(。C)
Fig.4 DTA,curves under air oxidation for precursor Nα3 samples carbonized at 300,500,700,900,1000℃in N2 (DTA
range±250μV).500 600 700
Temperature(。C)、
Fig.5 DTA−curves under air oxidation for precursor Nα3 samples carbonized at
1000℃in N2(DTA range±250μV).JenkinsとKawamura3}は,ガラス状炭素の構造に 対して,炭素層面が長くつながって生じたりボンが数
ケないし数10ケまとまって小繊維となり,これが複雑 にからみ合って全体としては等方性になるというリボ ン構造説を提唱している.ここで得たキシレンーホル ムアルデヒド樹脂炭化物は,このような構造をとるの かもしれない.『
次にFig.4,5のキシレン樹脂焼成炭の空気酸化に よるDTA曲線から,これらの炭化物の酸化反応熱の 相対値を求めた.標準物質として選んだ塩化ナトリウ ム(融点801℃,融解潜熱6.7±1kca1/mo1)のDTA曲 線の融解ピーク面積との比較により,炭化物の酸化反 応熱を算出することができる.8)このようにして求め た反応熱およびDTA曲線の最大発熱ピーク点の焼 成温度による変化をFig.7に示す.また焼成時間によ
る変化をFig.8に示す.
Fig.7の焼成温度が500℃以上の炭化物では,焼成温 度の上昇とともに,酸化発熱のピークを示す温度は高
くなり,またFig.8において焼成時間を長くする程,
ピーク温度は高くなる傾向を示す.これは前述の硬度
の増大理由と同様に,リ ボン問の架橋が温度および時 間とともに増加し,分子間凝集力の大きい無定形炭素
となって,耐酸化性を増すためと推論される.1000℃,
19hr焼成の炭化物では逆にピーク温度が低下してい
るが,この理由は明らかでない.・
/
/
.2
蓋
↑
Glassy carbon
G監assy carbon DTG,一dw dt
Activated carbon
Carbon b吐ack
Natura1 graphite
Krecasphe「e
400
Fig.6
(8
9
歩
出7
2 56
看
霊ζ5
ε
召.憂4
0・●、A
o
\
、
、
、
ム亀
Durration of carbonization(hr)
680
9 660(
)
640◎・
ε $ ざ620$
氏 600
500 600 700 800 900
Temperature(。C)
DTA−curves under air oxidation for、
commercial carbons. DTG for glassy
carbon is the differential of the curveof thermal gravinometry.
650
Fig.8 Variation in peak temperature and reaction heat under air oxidation with duration of carbonization at 1000。C.
.次にFig.7の単位重量当りの発熱量は500℃付近で 極大となり,500℃を越えると減少する.またFig.8の ように発熱量は焼成時間とともに増加の傾向を示す.
CO、およびH20の標準生成エンタルピーの値および Table−2の炭化物の組成を用いて,各条件下ゐ炭化物 の酸化反応が,CO2およびH20の生成反応より成ると 仮定して,その反応熱を単純に計算した結果を,
Table−2およびFig.7に示す.この炭化物の単位重量 当りの総発熱量は焼成温度にも,また焼成時間にも殆 んど無関係に山々一定となる.従ってFig.7,8のよう な発熱量と焼成温度,焼成時間の間の関係を生ずる理
由は明らかでない.
09
こ
858
三
豊7
蛋
ち63
⊂5
.9
P4
6
,
ノ
,
o
600Q
し
d
E 550£話 ど
500400 600 800 1000
Carbonization temperature(。C)
O・一一・Reaction heat{rom peak area of DTA curve、
口。…Reaction heat ca【culated from composition(seeτねble 2)
Fig.7 Variation in peak temperature and reaction heat under air oxidation with
carbonization temperature.
4.結 論
熱硬化性樹脂であるキシレンーホルムアルデヒド樹 脂を10qo℃で焼成して得られる炭化物は,工業製品と してのガラス状炭素と同程度かまたはそれ以上の微小 ビッカース硬度をもつことがわかった.
1000。C焼成物の空気酸化による示差回曲線は500℃
付近より発熱し,最大ピークは620〜650℃の範囲に存 在する.しかしながら東海カーボン(株)製の市販ガラ ス状炭素のDTA曲線は571℃にピーク温度を.もつ鋭 いピークと,630〜650℃にみられる平担な発熱ピーク より成る.このような2つの硬質炭素の間のDTA曲線 の著しい差は,主としてこれら2つの炭素の出発物質で ある原料樹脂の種類の相違にもとつくものと思われ る.すなわちプレカーサー樹脂の分子構造あるいは架 橋構造により,炭化物の気相酸化挙動も異なることが 推論された.
次にこの酸化発熱ピークを示す温度は,プレカー サー樹脂の焼成温度が高いほど,高温側に移動する.ま た焼成時間を長くするほど,ピーク温度は高くなる傾 向を示す.これはガラス状炭素のリボン構造説に従っ て,焼成温度が高くなるほど,脱水素反応によってリボ ン間の架橋が温度とともに増加し,分子間凝集力の大 きい無定形炭素となり,耐酸化性を増すためであると 推論した.
文 献
1)黄慶雲, 高分子工学講座 ,第8巻,P.138,地人書 館(1969).
2) 高分子学会編,曝高分子辞典 ,p.155〜6,朝倉書店
(1974).
ロ 3)G.M. Jenkins, K. Kawamura, L. Ban, P70α
石〜oy So6.五〇η6!oη, A 327,501 (1972).
4)杉山幸三,現代化学,(10)22(1977).
5)G.M. Jenkins, K. Kawamura,Tolymeric
Carbons , p.131〜4, Cambridge Univ. Press (1976).
6)斎藤保,本多敏雄,衛藤基邦,炭素,No.75,131
(1973).
7)T.Noda, M. Inagaki, B〃乙α翻. So己みψαη,
37,1534(1964);41,3023(1968).
8)W.Wendlandt著 (笛木ら訳),撚的分析法 ,P.
147,産業図書(1964).