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新規直接覆髄剤としてのMineral Trioxide Aggregate(MTA)について

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Academic year: 2021

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北海道医療大学学術リポジトリ

新規直接覆髄剤としてのMineral Trioxide Aggregate(MTA)について

著者 半田 慶介, 安田 善之, 斎藤 隆史

雑誌名 北海道医療大学歯学雑誌

巻 27

号 2

ページ 121‑122

発行年 2008‑12

URL http://id.nii.ac.jp/1145/00006257/

(2)

軟化象牙質除去中の露髄,生活歯形成中の偶発的な露 髄,外傷による歯冠破折に伴う露髄など,直接覆髄を試 みる症例は少なくない.この際の第一選択薬剤として水 酸化カルシウム製剤を用いることが多いが,本稿で紹介 するMineral Trioxide Aggregate(MTA)は水酸化カルシ ウムに替わる新規直接覆髄剤として期待されている材料 である.

MTAは1

8年にFDAにより認可され,27年にデン ツプライ三金社からProRoot MTAとして製品化された.

MTAは優れた生体適合性と封鎖性を有しており,辺縁

漏洩による炎症を引き起こすことなく外来刺激を遮断す るため,水酸化カルシウムに替わる直接覆髄剤として,

その臨床成績が期待されている.これまでに直接覆髄の みならず生活歯髄切断,根管充填,逆根管充填,パーフ ォレーション部の封鎖,根尖部の封鎖等に関する臨床研 究が報告されている(1)が,わが国では直接覆髄のみが許 認可を受けている.

MTAの主成分は建築用セメントであるポートランド

セメントであり,CaO,SiO,AL

O

,Fe

O

等で構成さ れている.建築用セメントとの違いは,粉末の粒径を建 築用セメントよりも小さく均一化させ,造影剤として酸 化ビスマスを添加していることである.MTAの硬化反 応は,無機酸化物が水や種々のイオンと化学反応して水 和物を生成しながら硬化体を形成する(2).臨床上望まし い性質として湿潤環境下でも硬化反応が進行する.水酸 化カルシウムの場合,経時的にその成分が溶出すること で崩壊を招き,これが辺縁封鎖性や接着強さの低下を引 き起こす原因と考えられている.これに対してMTAは 非水溶性のケイ酸化合物を含むため封鎖性が維持される と考えられる.しかしながら,窩壁との適合性や歯質に 対する接着メカニズムの詳細は現在のところ不明で,今 後の研究が待たれるところである.

MTAの硬化直後のpHは非常に高く(練和3時間後に pH

2.5),そのため水酸化カルシウム製剤と同様に一時 的に歯髄傷害性に働くが,経時的にpHが安定化するこ とが報告されてい る . ま た 本 分 野 で のin vitro研 究 で

MTAが歯髄細胞によるBMP

‐2発現を誘導し,石灰化を

促進することが明らかになっており(3),さらに骨形成関 連タンパクであるオステオポンチンやオステオカルシン の発現を誘導することが他の研究グループにより学会報 告されていることから,直接覆髄後の積極的な被蓋象牙 質形成の誘導に関連するものと考えられる.直接覆髄に おいて,水酸化カルシウム製剤とMTAを比較したとこ ろ修復象牙質形成能は同程度であったが,歯髄の炎症は 同程度(4)もしくはMTAの方が軽度であったことが報告さ れている(5).MTAの抗菌性については,MTA自身の高

pHや構成成分の鉄イオンがstaphylococcus aureus

などの 細菌(6)や真菌(candida albicans(7)に対して抗菌性を示 すが,酸化亜鉛ユージノールセメントと同程度との報告 がある.

MTAの開発から約1

0年が過ぎ,数多くの基礎研究成

果や臨床データが報告されている.MTAにはコストや 操作性といったクリアしなければならない問題点が多く 残されているが,優れた直接覆髄剤としての特徴を生か して今後臨床応用が進むと思われる.これにより,これ まで保存不可能であると診断されてきた症例の多くを救 うことが期待される.

参考文献

(1)Torabinejad M,著,福西一浩,訳,月星光博,

監訳

MTAの臨床応用,the Quintessence 2007 ; 26 : 1737

−1745

(2)Torabinejad M, Hong CU, McDonald F, Pitt Ford

TR.

Physical and chemical properties of a new root−end filling materials. J Endod 1995 ; 21 : 349−353

(3)Yasuda Y, Ogawa M, Arakawa T, Kadowaki T,

Saito T

The Effect of Mineral Trioxide Aggregate on the Mineralization Ability of Rat Dental Pulp Cells : An in vitro study. J Endod 2008 ; 34 : 1057−1060

[最近のトピックス]

新規直接覆髄剤としてのMineral Trioxide Aggregate(MTA)について

半田 慶介,安田 善之,斎藤 隆史

北海道医療大学歯学部口腔機能修復・再建学系う蝕制御治療学分野

北海道医療大学歯学雑誌 2! 平成20年

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学雑誌/第27巻2号   4C150 1C133/本文 85ページから始めること/037〜038 トピ半田 新規直接覆髄剤  2008.12.15 11.06

(3)

(4)Aeinehchi M, Eslami B, Ghanbariha M, Saffar AS.

Mineral trioxide aggregate (MTA) and calcium hy- droxide as pulp− capping agents in human teeth : a preliminary report. Int Endod J 2003 ; 36 : 225−231

(5)Iwamoto CE, Adachi E, Pameijer CH, Barnes D,

Romberg EE, Jefferies S.

Clinical and histological evaluation of white ProRoot MTA in direct capping. Am J Dent 2006 ; 19 : 85−90

(6)Tanomaru − Filho M, Tanomaru JM, Barros DB,

Watanabe E, Ito IY

In vitro antimicrobial activity of endodontic sealers, MTA − based cements and Portland cement. J Oral Scie. 2007 ; 49(1) : 41−45

(7)Al − Hezaimi K, Naghshbandi J, Oglesby S, Simon

JH, Rotstein I.

Comparison of antifungal activity of white − colored and gray−colored mineral trioxide aggregate (MTA) at similar concentrations against Candida albicans. J Endod 2006 ; 32 : 365−367

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学雑誌/第27巻2号   4C150 1C133/本文 85ページから始めること/037〜038 トピ半田 新規直接覆髄剤  2008.12.15 11.06

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