DOAC 対 ワルファリン
一次予防・再発予防患者を含めた全体成績
Ruff CT, et al: Lancet. 2014;383:955-962.
DOACが良い
ワルファリンが良い
脳梗塞
出血性脳卒中
心筋梗塞
全ての死亡
頭蓋内出血
消化管出血
3 脳梗塞慢性期
3-3 再発予防の
ための
抗凝固療法
1. NVAFのある脳梗塞/TIA患者の再発予
防には、ダビガトラン、リバーロキサバ
ン、アピキサバン、エドキサバンないしワ
ルファリンによる抗凝固療法が勧められ
る(グレードB)
。頭蓋内出血を含め
重篤
な出血合併症は、ワルファリンに比較し
てダビガトラン、リバーロキサバン、アピ
キサバン、エドキサバンで明らかに少な
いので、これらの薬剤の選択をまず考慮
するよう勧められる(グレードB) 。
2. ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキ
サバン、エドキサバンのいずれかによる
抗凝固療法時は、腎機能、年齢、体重を
考慮し、各薬剤の選択と用量調節を行う
よう勧められる。(グレードB)
39
試験デザイン: ENGAGE AF-TIMI 48試験
*無作為化時の体重60kg以下、CLCR(mL/min)30以上50以下、ベラパミル、キニジン、又はドロネダロン併用
ドロネダロンは国内未承認
エドキサバン30mg群
(減量した場合15mg)
1日1回経口投与
ワルファリン群
(PT-INR:2.0~3.0)
1日1回経口投与
エドキサバン60mg群
(減量した場合30mg)
1日1回経口投与
対象患者
過去12ヵ月以内に電気的記録によりAFが確認
抗凝固療法の適応があり実施が予定されている
CHADS2スコア≥2点
n=21,105
(日本人1,010例を含む)
フォローアップ期間 2.8年(中央値)
無作為化
無作為化比率:1:1:1
層別 CHADS2スコア 2~3点 vs. 4~6点
+用量調整(減量)の必要性
*
無作為化
ダブルブラインド
ダブルダミー
イベントドリブン試験
【有効性】 主要評価項目: 脳卒中又は全身性塞栓症の発現率の複合エンドポイント
【安全性】 主要評価項目: 大出血の発現率
承認時評価資料(ENGAGE AF-TIMI 48試験)
承認用量
承認用量外
40
症例数 イベント数
年間発現率
(%/年)
エドキサバン群 vs. ワルファリン群
ハザード比
[97.5% CI]
p値*
ワルファリン群
7,012
232
1.50
-
-エドキサバン 60mg群
7,012
182
1.18
0.79 [0.63, 0.99]
<0.0001
エドキサバン 30mg群
7,002
253
1.61
1.07 [0.87, 1.31]
0.005
有効性[主要評価項目]
脳卒中又は全身性塞栓症の発現率(mITT集団/on-treatment期間)
p値*
ハザード比[97.5% CI]
0.50
1.00
1.50
p<0.0001
p=0.005
1.07
0.79
エドキサバン 60mg群
vs. ワルファリン群
エドキサバン 30mg群
vs. ワルファリン群
エドキサバンが好ましい
ワルファリンが好ましい
1.38
*非劣性検定におけるp値(非劣性マージン:1.38)
対象: 過去12ヵ月以内に心房細動が確認され、抗凝固療法の適応があるCHADS2スコア2点以上の心房細動患者21,026例
方法: 対象者をワルファリン(PT-INR 2.0~3.0)※群(7,012例)、エドキサバン60mg 1日1回群(7,012例)、エドキサバン30mg 1日1回群(7,002例)の3群に無作為化し、
2.8年間(中央値)観察した。エドキサバン群で無作為化時に、体重が60kg以下、CLCR(mL/min)が30以上50以下、P糖蛋白阻害作用を有する薬剤(ベラパミル、キニジン
又はドロネダロン※※)の併用のいずれかに該当した場合は、投与量を半量に減量した。
※70歳以上の日本人患者では、日本国内の心房細動治療(薬物)ガイドラインを参考にPT-INR 2.0~2.6とした
※※ドロネダロンは国内未承認
ワルファリン群 TTR(中央値)=68.4%
承認時評価資料(ENGAGE AF-TIMI 48試験)
41
症例数 イベント数
年間発現率
(%/年)
エドキサバン群 vs. ワルファリン群
ハザード比
[95% CI]
p値*
ワルファリン群
7,012
524
3.43
-
-エドキサバン 60mg群
7,012
418
2.75
0.80 [0.71, 0.91]
<0.001
エドキサバン 30mg群
7,002
254
1.61
0.47 [0.41, 0.55]
<0.001
p<0.001
p<0.001
0.47
0.80
0.50
1.00
1.50
エドキサバンが好ましい
ワルファリンが好ましい
エドキサバン 60mg群
vs. ワルファリン群
エドキサバン 30mg群
vs. ワルファリン群
p値*
ハザード比 [95% CI]
*優越性検定におけるp値
安全性[主要評価項目]
大出血の発現率(安全性解析対象集団)
対象: 過去12ヵ月以内に心房細動が確認され、抗凝固療法の適応があるCHADS2スコア2点以上の心房細動患者21,026例
方法: 対象者をワルファリン(PT-INR 2.0~3.0)※群(7,012例)、エドキサバン60mg 1日1回群(7,012例)、エドキサバン30mg 1日1回群(7,002例)の3群に無作為化し、
2.8年間(中央値)観察した。エドキサバン群で無作為化時に、体重が60kg以下、CLCR(mL/min)が30以上50以下、P糖蛋白阻害作用を有する薬剤(ベラパミル、キニジン
又はドロネダロン※※)の併用のいずれかに該当した場合は、投与量を半量に減量した。
※70歳以上の日本人患者では、日本国内の心房細動治療(薬物)ガイドラインを参考にPT-INR 2.0~2.6とした
※※ドロネダロンは国内未承認
ワルファリン群 TTR(中央値)=68.4%
承認時評価資料(ENGAGE AF-TIMI 48試験)
エドキサバン対ワルファリン:年齢別の検討
65歳未満
65~74歳
75歳以上
1.1
1.6
1.9
1.1
1.8
2.3
脳卒中又は
全身性塞栓症
【主要評価項目(有効性)】
虚血性脳卒中
出血性脳卒中
致死的な脳卒中
大出血
【主要評価項目(安全性)】
頭蓋内出血
致死的な出血
消化管出血
年間発現率(%/年)
ワルファリン群
エドキサバン
60mg群
0.94
0.89
0.83
(0.65-1.37)
(0.68-1.16)
(0.66-1.04)
65歳未満
65~74歳
75歳以上
0.9
1.3
1.5
0.9
1.1
1.7
1.01
1.16
0.90
(0.67-1.54)
(0.84-1.59)
(0.69-1.16)
65歳未満
65~74歳
75歳以上
0.2
0.3
0.3
0.2
0.6
0.5
0.92
0.41
0.58
(0.37-2.25)
(0.23-0.72)
(0.35-0.97)
65歳未満
65~74歳
75歳以上
0.2
0.4
0.5
0.2
0.4
0.6
0.93
1.02
0.86
(0.41-2.11)
(0.60-1.74)
(0.57-1.31)
65歳未満
65~74歳
75歳以上
1.5
2.5
4.0
1.8
3.3
4.8
0.81
0.75
0.83
(0.58-1.12)
(0.60-0.94)
(0.70-0.99)
65歳未満
65~74歳
75歳以上
0.3
0.4
0.5
0.3
0.9
1.2
1.03
0.42
0.40
(0.46-2.29)
(0.25-0.70)
(0.26-0.62)
65歳未満
65~74歳
75歳以上
0.2
0.2
0.3
0.2
0.3
0.6
0.72
0.62
0.46
(0.27-1.89)
(0.28-1.37)
(0.25-0.84)
65歳未満
65~74歳
75歳以上
0.8
1.4
2.2
0.7
1.2
1.7
1.03
1.20
1.32
(0.63-1.66)
(0.86-1.69)
(1.01-1.72)
ハザード比(95%信頼区間)
エドキサバン60mg群
vs. ワルファリン群
0.84
0.48
0.31
0.89
0.78
0.11
0.68
0.67
Pint
0.2 0.5 1.0 2.0 5.0
エドキサバン60mg群が良い
ワルファリン群が良い