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地域商業者と大学の連携による

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(1)

1 ラーニングピラミッドとは、講義や読書よりも自らの経験や他人に教えることがより学習定着率が高いとする理 論。出典は米国のNational Training Laboratory(アメリカ国立訓練研究所)とされているが、実証されておら ず理論的根拠もあいまいであるとも指摘されている。参考:国立国会図書館カレントアウェアネス「「学習のピ ラミッド」モデルというゾンビ(記事紹介)」(http://current.ndl.go.jp/node/25242 2018年12月9日アクセス)

1 はじめに

 昨今大学では教養科目、専門科目問わずイ ンターンシップやプロジェクト型授業(PBL:

Project Based Learning)、アクティブラー ニング、地域連携、コオプ教育など従来の講 義型の授業とは異なるより実践的な活動を伴 う授業が広く展開されている。こうした授業

を実施する意図は、それぞれの科目の目的に より異なるが、共通の前提としては、たとえ ばラーニングピラミッド1に示されるように 体験を通した学習は講義による学習よりも定 着率が高いことが想定されており、より高い 学習効果を期待してさまざまな実践が進めら れているということであろう。

 そうした実践的な学習のひとつとして大学 研究論文

地域商業者と大学の連携による

プロジェクト型授業(PBL)の運営と学習効果

山 岡 義 卓

アブストラクト:

 大学近隣地域の商業者との連携によるプロジェクト型授業において同授業を履修した学生の 学習効果を検証し、授業運営方法と学習効果の関係を考察した。その結果、本授業により、主 にキャリア形成等の観点から多くの学習効果が得られることが確認され、また、商業団体を通 じて意欲的な商業者と連携することや SNS の活用による情報発信等の工夫により、学習意欲 の亢進や緊張感の醸成、視野の拡大等がもたらされ、学習効果を高められる可能性が示唆され た。

 商業者と大学の連携における課題として、継続性、信頼関係、動機や目的のすり合わせ等が 挙げられており、前述のような授業運営上の工夫を行うためにはその前段として連携先との関 係構築が重要になる。ただし、今回行った授業運営上の工夫はいずれもそれ自体が連携先との コミュニケーションのひとつであり、連携先との関係構築を図ることでスムーズな授業運営が 実現でき、同時に学習効果の向上に繋がっている。連携授業の実施にあたっては、連携先との 関係構築と授業運営上の工夫は分けて考えるのではなく両者を一体として設計することが望ま しい。

キーワード:商業、地域連携、大学、PBL(Project Based Learning)

(2)

2 三浦(2008)に紹介されている26事例は必ずしも個別の商店街あるいは商店との連携に限らず、自治体との連 携等も含んでいる。ただし、いずれも地域の商業活動との連携である。

3 「平成27年度版商店街実態調査報告書」(中小企業庁2016)によれば、商店街の最近の景況は、「繁栄している」

が2.2%、「繁栄の兆しがある」が3.1%に対し、「衰退している」が35.3%、「衰退の恐れがある」が31.6%である。

また、商店街の空き店舗率は13.2%で、平成21年度調査以降10%を超えて推移している。過去3年間に退店(廃 業)した店舗数の平均は3.6店舗で、その理由は「商店主の高齢化・後継者の不在」が最多で66.6%を占めている。

現況の商店街が抱える問題で最も多いのは「経営者の高齢化による後継者問題」(64.6%)である。

4 たとえばCiNii(https://ci.nii.ac.jp/)で「商店街」「大学」「連携」のキーワードで検索をかけると114件の論文 等がヒットする(2018年12月24日時点)。このうち、大学と商店街の連携事例として近年報告されているもの としては、芸術学部との連携による商店街ブランディングの事例(星野ら2018)、健康栄養学科等との連携によ る商店街における食の情報発信(浜野ら2017)、ビジネスキャリア学科との連携によるメルシィショップの運営

(西田ら2016)等がある。学部や専攻を問わずさまざまな連携が行われている。

においては商業者との連携が広く行われてい る。特に商店街との連携は全国各地で実践さ れている。たとえば、三浦(2008)は、大学 と商店街が連携して課題解決するためのアイ デアをリストアップするとともに、26 に及 ぶ具体的な連携事例2を紹介している。大学 生のボランティアが商店街のガイドを行った ことや、空き店舗活用の提案や各種イベント の企画・運営等を行ったこと、オリジナルマ イバッグのデザインと普及を行ったこと等、

学部や専門分野を問わずさまざまな事例が報 告されている。「平成27年度版商店街実態調 査報告書」(中小企業庁 2016)においても 18.1%の商店街が「教育機関(学校・大学等)」

と連携していると回答している。

 このように商店街をはじめとした商業者と 大学との連携が広く普及している要因のひと つは、商業は他の産業に比べて大学生にとっ て身近だということがあるだろう。たとえば、

工業との連携の場合、基盤技術に関わるもの づくり企業等は、学生がその事業や製品・技 術を理解することは容易ではないだろうし、

農林水産業との連携においてもその仕事内容 は学生の生活からは見えにくい。また、NPO 等の市民社会もボランティア活動等に参加し ている一部の学生を除いては日常生活ではほ とんど関わりがなく、理解しにくい世界であ ろう。その点、商業はどのような学生であっ てもモノを買うという行為を通じて日々触れ ており、また、アルバイト等を通じて小売業

や飲食業に関わる学生も少なからずいること から、その仕事をイメージしやすく(正確に 理解しているか否かは別として)、連携のハー ドルは他の産業に比べて低いと考えられる。

他方、地域の商店街や商店においては、総 合スーパーマーケット等の大規模小売店や ショッピングモールの進出等により、その経 営環境は厳しく、空き店舗の増加や後継者不 在による廃業増等、多くの課題を抱えている 場合が多い3。それゆえ大学をはじめとした 外部との連携に活路を見出したいという思惑 もあるだろう。

 いずれにしても、こうした背景から商業者 と大学との連携はこれまで広く行われてきて おり、論文や学会等でも多くの実践や成果が 報告されている4

 とはいえ、入り口のハードルが低くとも、

いや、むしろ低いがゆえの難しさもある。た とえば、「産学連携による商店街の活性化」(全 国商店街振興組合連合会 2005)では商店街 と大学等との連携は、「イベント等参加協力 という初歩的形態」が中心で、自ずと「継続 性に欠け、単発もしくは一時的連携」になり がちであり、継続性を確保することの重要性 を指摘している。ただし、大学の地域連携に おいて効果を高めるために継続性が重要であ ることは商業者との連携に限らず既に指摘さ れていることである(深沼 2010)。また、資 金の支援等が発生する場合もあり、信頼関係 の構築が不可欠で、そのためには動機や目的

(3)

5 Googleフォームを用いてアンケートを作成しメールにより対象者に回答を依頼した。Googleフォームについて は以下のURLを参照。

https://www.google.com/intl/ja_jp/forms/about/ 2019年1月4日アクセス

表1 履修学生の背景 開講年度 履修学生数 学年 2017年度 15人 全員2年 2018年度 16人 全員2年 のすり合わせが重要であるとも指摘してい

る。そもそも大学は研究・教育・社会貢献が 目的であり、商店街は商業活動を行う場であ り、その性質は大きく異なる。十分な相互理 解のないまま連携を進めれば、目的を達せら れないばかりか双方にマイナスの影響をもた らすこともあるだろう。

 大学と商業者との連携におけるこうした状 況を踏まえ、筆者は大学近隣地域の商業者と の連携によるプロジェクト型授業を実施し、

連携効果を高めるためにさまざまな授業運営 上の工夫を行ってきた。本研究では、同授業 を履修した学生の学習効果を検証し、地域商 業者との連携によるプロジェクト型授業にお ける授業運営と学習効果の関係について考察 する。

2 研究方法

 A大学経営学部で筆者が担当する授業にお いて、大学のキャンパスが所在するB市内の 商業者との連携によるプロジェクト型授業を 実施し、同授業を履修した学生に対してアン ケート調査を行い、授業に対する満足度や取 り組み姿勢、学習効果等を検証し、学習効果 と授業運営の方法との関係を確認した。

 なお、本稿で取り上げる商業者との連携授 業は 2017 年度および 2018 年度(いずれも前 期開講)に実施しており、本研究では両年度 の授業を対象とした。

(1)対象とした授業

 本研究の対象とした授業の概要は次のとお りである。

①科目名  教養演習

②授業形態等

 教養科目に含まれる演習形式の必修科目 で、「受講者が大学での学修を着実に設計す るとともに、1 年次に学んだ知識をさらに広 げられるようにすること」を学習目標とする。

複数の教員が同名の授業を開講し、それぞれ の専門領域等に応じてさまざまな形式、内容 で実施する。学生は履修要項を閲覧し、希望 する教員の授業に申し込み履修する。

③開講年次  2年次前期

④履修学生の背景

 各年度の履修学生の人数と学年は表1のと おりである。

(2)学生に対する調査

 最終回の授業において履修学生全員に自記 式のアンケート用紙を配付し、その場で記入 し、回収した。なお、アンケートは無記名と し、成績には一切影響しないことを説明した うえで実施した。

 主な調査項目は次のとおり。

 〈主な調査項目〉

本授業を履修した理由、本授業の満足度、

プロジェクト成果の満足度、課題の難易 度、履修後の感想、地元商店の利用につ いて

 また、上記アンケートに加え、2018 年度 に履修した学生を対象にウェブを用いたアン ケート5により授業運営上の工夫(後述する まち歩きや成果報告会、SNS投稿等)の学習 への影響について調査した。ウェブを用いた

(4)

6 B市を中心とした事業主が加盟する非営利の任意団体。商品開発研究を通じて商業活性化を図ることを目的に 2004年にスタートした。現時点(2018年12月)の会員は13店。現在は月例の会合を活動のベースとし、商業イ ベントの企画・開催、商品開発、勉強会等個店強化のための活動等を実施している。筆者はC団体のアドバイザー であり、月例の会合等に参加している。

7 PRシートの作成にあたっては、2017年度は商店、2018年度は商品に焦点をあてて作成した。

調査は授業終了3か月後に実施した。

3 授業運営

(1)連携先

 授業はB市内の商業者が参加する商業団体 C6との連携により実施した。本授業ではC団 体所属の7店(精肉、蒲鉾、金物、燻製、飲食、

陶芸、印章)の協力を得た。

(2)プロジェクトの概要

①課題および実施方法

 学生は 2 または 3 人のグループを組みそれ ぞれ担当を決めて各商店を取材し、PR シー トと改善提案レポートの2つを作成すること を課題とした。取材のアポイントを取り日程 調整するところから学生が実施した。

 PR シートは、各店舗に掲示や配架し、来 店客が閲覧することを想定し、商店や商品の 魅力をより多くの人に伝えることを目的とし て作成した7。写真を多く使い視覚的なアピー ルを考慮すること、店や商品だけでなく働く 人にも焦点を当てるよう指導した。

 改善提案レポートは取材を通じて見聞きし たことを踏まえて、自分たちの視点で各商店 の改善策を提言する。単なる思い付きではな く提案の根拠を明確にすること、実現性や具 体性を考慮するよう指導した。

②成果等

 2017 年度、2018 年度とも 7 つの商店の PR シート(図1)と改善提案レポートを作成した。

PR シートはそれぞれの商店にて活用する。

改善提案としては、ショーウィンドウのディ スプレイや商品陳列の改善、キャンペーンの 実施、ウェブを通じた情報発信、新規販路の

可能性、販売促進ツールの提案、容器包装の 改善等の提案がなされた。これらのうちのい くつかは各商店にて実施可能性を検討する。

また、成果報告会には地元情報紙やケーブル テレビ、B市広報等複数のメディアの取材が あり、後日それぞれのメディアにて活動が紹 介された。

(3)実施スケジュール

 実施スケジュールは次のとおり。2017年度、

2018 年度ともほぼ同様のスケジュールで実 施した。

4月下旬 行政担当者による県内商業の概 況についての講義。

5月上旬 商店と学生の顔合わせミーティ ング。取材日程の調整等。

5 〜 7月 それぞれ日程調整のうえ商店を 取材し、課題を作成。

5月中旬 協力店の多くが所在する中心商 店街のまち歩き。(図2)

6月中旬 中間報告会(学内)

7月中旬 成果報告会(学外)(図3)

(4)運営上の工夫

 本授業において学習効果を高めるために実 施した主な工夫は次のとおり。

①連携先の選定

 大学と商業者との連携においては商店街と 連携する例が多いが、本授業では商業団体と 連携した。C団体は市内商業者による任意団 体で、自主的かつ意欲的にイベントや勉強会 等を実施している。このような団体に参加し ているということは意欲的に事業に取り組ん でいる証のひとつであろう。これまでの研究 から、地域連携における学習効果は連携企業

(5)

図1 PRシート

図2 まち歩き

図3 成果報告会

(表) (裏)

等の意欲や期待が影響することが示唆されて おり(山岡 2012)、こうした団体と連携する ことで、意欲的な商業者と連携でき、より高 い学習効果に繋がることが期待できる。また、

前述のとおり筆者がアドバイザーとして関 わっていることから、連携先とは随時、密に 情報交換を行うことができる。

②行政担当者の講義

 履修学生は商業に関する専門知識があるわ けではない。そこで、各商店を取材する前に 県の商業流通担当者より県内商業全般につい て現状や活性化の取り組み等について講義を してもらう機会を設けた。商業をある程度俯 瞰的に見たうえで各商店を訪問することで、

各商店の事業や活動を客観的に把握できるよ うになると考えた。なお、本講義を担当した 県職員はC団体のアドバイザーでもある。

③まち歩き

 商店はいずれも商店街などまちの中に存在 しており、それぞれの事業は地域との関係抜 きには考えられない。そうしたことを体感す るために協力店の多くが所在する中心商店街 のまち歩きを実施した。なお、まち歩きにあ たっては協力店の方やC団体のアドバイザー の方に地域商業の歴史等を説明いただくなど

単に歩くだけでなく、情報を得ながら、いわ ば、頭と体でまちを感じる機会とした。なお、

まち歩きはC団体のメンバーからの提案によ り実施した。

④成果報告会の実施

 C団体の協力を得て学外で成果報告会を実 施した。成果報告会は連携した商店だけでな く行政関係者やメディアにも案内し、セミ オープンな報告会とした。報告会を外部に公 開することで学生たちの緊張感を高め、成果 物の質が高まることを期待した。

⑤ SNS による情報発信

 商店の取材と合わせて C 団体の SNS ペー ジに学生による取材レポートをアップするこ とを課した。SNSへの掲載は、C団体の活動 紹介のひとつであること、大学の名前が表に 出ること、誰もがアクセスできること等SNS ページの特性をよく考慮し、適切なレポート を作成するよう指示した。また、写真は必ず 商店側の了承を得て掲載することとした。レ ポートは担当教員が内容確認したうえでペー ジにアップした。(図4)

 SNSへの投稿による効果としては主に次の 3点を期待した。

a)緊張感の醸成:SNSへの投稿を通じて自

(6)

図4 SNSへの投稿

表1 本授業を履修した理由 (単位:人)

No. 理  由 2017 2018 合計 %

1 地域社会や地域コミュニティに関心があったから 11 12 23 74.2 2 大学近隣の地域に関心があったから 0 2 2 6.5 3 フィールドワークに関心があったから 11 8 19 61.3 4 商店街や商業に関心があったから 1 3 4 12.9 5 地域活性化やまちづくりに関心があったから 6 8 14 45.2

6 友人に勧められたから 2 4 6 19.4

7 先輩に勧められたから 2 1 3 9.7

8 ほかに履修したいものがなかったから 2 2 4 12.9 9 曜日や時間がちょうどよかったから 0 0 0 0.0

10 その他 1 1 2 6.5

  回答者数 15 16 31 100.0

分たちの活動が関係者以外の第三者の目 にもさらされることになり、このことが 活動に緊張感をもたらすと考えられる。

適度な緊張感は活動へのコミットメント を高め、成果の品質や学習効果の向上に 繋がると期待される。

b)他チームの状況把握:SNS への投稿は 誰もが閲覧できることから投稿により他 チームの状況を把握することができる。

進捗状況は授業内での口頭報告により随 時共有しているものの、写真と文章によ る報告は現場の状況をよりリアルに伝え られると考えられる。また、投稿自体が

活動のアウトプットのひとつであること から、状況把握だけでなく、お互いの刺 激になることも期待できる。

c)表現力の向上:プロジェクト型授業の特 性と直接関係する学習効果ではないが、

文章と写真により自分たちの活動を簡潔 にまとめ、伝えることは、表現力の向上 に資することが期待できる。

4 学生調査結果

 用紙配布によるアンケート調査は 2017 年 度、2018 年度とも履修した学生全員(合計 31人)に実施し、回収率は100%であった。ウェ ブを用いたアンケート調査は 2018 年度に履 修した学生(16 人)に対して実施し、回答 者は13人(回収率81.3%)であった。それぞ れ主な結果は次のとおりであった。

〈用紙配布によるアンケート調査〉

①本授業を履修した理由(複数回答)

 授業を履修した理由は、地域への関心と、

フィールドワークへの関心がもっとも多い。

一方、履修したいものがなかったためや、友 人・先輩の勧めなど消極的な理由で履修した 学生も少なからずいる。(表1)

(7)

表2 本授業の満足度 (単位:人)

No. 満足度 2017 2018 合計 %

1 満足  12 11 23 74.2

2 どちらかと言えば満足  3 5 8 25.8

3 どちらとも言えない  0 0 0 0.0

4 どちらかと言えば不満 0 0 0 0.0

5 不満 0 0 0 0.0

合計 15 16 31 100.0

表3 成果に対する満足度 (単位:人)

No. 満足度 2017 2018 合計 %

1 満足  5 2 7 22.6

2 どちらかと言えば満足  6 7 13 41.9

3 どちらとも言えない  3 4 7 22.6

4 どちらかと言えば不満 1 3 4 12.9

5 不満 0 0 0 0.0

合計 15 16 31 100.0

表4 課題の難易度 (単位:人)

No. 難易度 2017 2018 合計 %

1 とても難しい 5 4 9 29.0

2 どちらかといえば難しい 8 9 17 54.8

3 ちょうどよい 2 3 5 16.1

4 どちらかといえば容易 0 0 0 0.0

5 容易 0 0 0 0.0

  合計 15 16 31 100.0

②本授業の満足度(単回答)

 本授業の満足度は極めて高く、全員が「満 足」または「どちらかと言えば満足」と回答 した。(表2)

③成果に対する満足度(単回答)

 成果に対する満足度は、授業の満足度より は下がるもの全体としては「満足」または「ど ちらかと言えば満足」と回答した者が多い(20 人、64.5%)。(表3)

④課題の難易度(単回答)

 多くの学生が「とても難しい」または「ど ちらかといえば難しい」と回答しており(26 人、83.9%)、容易であったと感じた学生はい なかった。(表4)

⑤授業後の感想(複数回答)

 23 人(74.2%)が「フィールドワークの面 白さや重要性を実感した」と回答している。

「地域社会や地域コミュニティへの関心が高 まった」(21 人、67.7%)や「連携した商店 への関心が高まった」(17 人、54.8%)の回 答から、地域社会への関心も高められている。

(表5)

⑥本授業を通じて学習したこと(自由記述)

 本授業を通じて学習したことについての自 由記述(抜粋)は次のとおりであった。なお、

記述内容のうち固有名詞(商店名や個人名等)

は[ ]により置換した。(表6)

(8)

表5 授業後の感想 (単位:人)

No. 感想 2017 2018 人 %

1 地域社会や地域コミュニティへの関心が高まった 10 11 21 67.7 2 大学近隣の地域への関心が高まった 3 5 8 25.8 3 フィールドワークの面白さや重要性を実感した 14 9 23 74.2 4 商店街や商業への関心が高まった 7 7 14 45.2 5 地域活性化やまちづくりへの関心が高まった 7 6 13 41.9 6 連携した商店への関心が高まった 8 9 17 54.8 7 商店の経営に関する知識を得ることができた 6 6 12 38.7 8 働くことに対する理解が深まった 7 8 15 48.4 9 今後の大学での学習に活かすことができる経験になった 4 8 12 38.7 10 就職活動に役立つ体験となった 6 5 11 35.5

  回答者数 15 16 31 100.0

表6 本授業を通じて学習したこと

◦取材を通して商店とどのようにコンタクトを取るかなど社会に出て必要なことを学べた。また、

商店の一員となるようしっかりと考えることで、提案も浮かんだし、商店の力になりたいという 想いが強くなった。

◦企業の方とメールや電話で連絡を取り、アポイントを取るという貴重な体験ができた。

◦実際に現地に行き、直接話を聞いて考えることの大切さを知った。

◦地元や[B市]で多くの職業人の話を聞いてきたが、熱意やこだわりを持って働くことがこんな にも輝かしいことなのか、という気持ちになった。

◦フィールドワークを行うことで直接訪問しないと分からないことがたくさんあるということが分 かり、直接行って目で見ることの大切さを学んだ。

◦商店街の実態を実感できた。職業人と触れ合うことでリアルを知れた。

◦経営者側はたくさんの苦労を積み重ねて日々営業している。どうしたらいいのか、どうすれば顧 客を増やせるのか興味深い内容だった。

◦提案レポートの作成方法を知ることができた。また、チェーン店以外のお店ならではの問題が数 多くある中で、どのように改善し、商売するかが重要だとわかった。

◦お店で働いている方の話を直に聞けたので“職”に対する想い、何を大事にしているのか、また 営業、経営者側の意見を知ることが出来た。

◦お店との連携を取る中で、アポイントを取ることの大変さ(時間の都合など)を知ることができた。

◦[担当した商店]さんとのつながりの中に商業(個人)の大切さや重要性を深く知ることができ、

3か月弱だったが[担当した商店]さんの人柄、[C団体]の方々の人柄がとても素敵でした。

◦商売のあり方、お店のつながりが強いことがわかりました。(訪問を通じて)

◦お店の人の人柄に触れ、グループで協力し合いお店へのプラスアルファとなる提案を考えること は簡単なことではないと感じた。また、外部のおとなの方と関わる機会はほとんどないので、言 葉遣いや連絡など意識することがたくさんあったが、経験できてよかった。

◦連携している他の商店のことをよく理解しているからこそ、[C団体]のような活動ができるのだ と思った。

◦[C団体]の人たちはみんな前向きで[B市]に対しても愛着や熱意を持っていて、こういう心 持ちが、連携や協力をうまくいかせているのだろうなと思いました。

◦仕事に対する意識の高さを学んだ。[担当した商店]さんは「今日より明日、明日より明後日」と いう常に前向きな姿勢で仕事をしていた。社会にこれから出ていく上で大切なことを学んだ。

◦自分たちから何かを起こそうとしている大人たちと関わって刺激を受けた。自分から働きかけな いと何も起こらないことを学んだ。結果云々ではなく、働きかけることに意味があると感じた。

◦生産者の大変さや苦労をなんとなくは知っていたが、実際に体験したり話を聞いたりして改めて 実感した。その反面熱意や強い思いをもっており何かにそういう姿勢でいられることはすごいと 感じた。人のつながりはなくしてはいけないと思った。

(9)

表7 地元商店の日ごろの利用頻度 (単位:人)

No. 利用頻度 2017 2018 合計 %

1 よくある 0 2 2 6.5

2 たまにある 3 2 5 16.1

3 ほとんどない 6 11 17 54.8

4 まったくない 6 1 7 22.6

  合計 15 16 31 100.0

表8 今後地元商店をどのように利用したいか (単位:人)

No. 利用の仕方 2017 2018 合計 %

1 地元の商店で積極的に買い物をしたいと思う 2 3 5 16.1 2 ときどきは地元の商店でも買い物をしようと思う 10 10 20 64.5 3 買い物の仕方はこれまでと変わらない 3 3 6 19.4

  合計 15 16 31 100.0

表9 SNS投稿にあたりきちんとした報告を作成しなければならないという意識で取り組んだか(単位:人)

No. 意識 2018 %

1 そう思う 14 87.5

2 どちらかと言えばそう思う 2 12.5

3 どちらかと言えばそう思わない 0 0.0

4 そう思わない 0 0.0

  合計 16 100.0

⑦地元商店の利用について(単回答)

 日ごろ地元の商店を利用するか聞いたとこ ろ、ほとんどの学生が利用する機会はないと 回答した。また、今後、地元商店をどのよう に利用したいと思うか聞いたところ、多くの 学生が、ときどきは利用したいと回答した。

(表7・表8)

⑧ SNS への投稿について(2018 年度のみ)

(単回答)

 SNSへの投稿にあたり「連携している商店 の人や不特定多数の人が閲覧しても恥ずかし くないよう、きちんとした報告を作成しなけ ればならないという意識で取り組みました か」と聞いたところ、ほぼ全員が「そう思う」

と回答した。また、半数以上が期間中、投稿 をよく閲覧しており、閲覧しなかった学生は 1人だけであった。

 参考として今回使用した SNS のアカウン

トの有無を聞いたところ、アカウントを持っ ているのは 16 人中 10 人であり、アカウント を持っている10人の使用状況は、「頻繁に投 稿する」0人、「ときどき投稿する」2人、「友 人の投稿を閲覧するだけ」2 人、「ほとんど 閲覧しない」6 人と、日ごろの利用頻度は極 めて低調であった。(表9・表10)

〈ウェブによるアンケート調査〉

⑨授業運営上の工夫が学習に役に立ったか否 か

 授業運営上の工夫が学習に役に立ったか否 かを聞いたところ、すべての取り組みについ て多くが役に立ったと感じており、役に立た なかったと感じた学生はゼロであった(表 11)。その理由はそれぞれ表12のとおりであっ た。

(10)

表10 SNSへの投稿の閲覧頻度 (単位:人)

No. 頻度 2018 %

1 よく閲覧した 9 56.3

2 閲覧したこともある 6 37.5

3 閲覧しなかった 1 6.3

  合計 16 100.0

表12 運営上の工夫が学習に役に立ったと思う理由(抜粋)

運営上の工夫 学習に役立ったと思う理由

行政担当者の 講義

平塚だけではなく、色々な地域の商店街を見てきているため、あらゆる知識 があるので。/自分が知らなかった商店街の活動や歴史を学んでから、調査 に入ることが出来るので、役に立ったと思います。/他の地域の商店街のこ とについて知れてよかったから。/様々な商店街と関わってきた方の話を聞 くことは貴重であり、現状を知ることができたから。/地域で働くというの はいったいどのような事なのかを詳しく知れたから。

まち歩き

平塚市の成り立ちや現状を知る事で、その後の活動がスムーズにいったため。

/自分が担当したお店だけでなく、他のお店についても知ることが出来たか ら。/平塚の歴史を座学で学ぶのではなく、実際現地に行って地元の人に話 していただいたので印象に残りやすかったから。これから連携する方々の店 を把握出来たから。/実際に輝いている平塚で働く人たちをみて自分も奮い 起こされたから。

成果報告会

調べたことをまとめて、それを人に伝えるという経験が出来たので。/他の グループがどのように調査しどのような案が出たのか知れたし、考え方の違 いなども学べたので良かったと思います。/企業と提携して行っているとい う認識が生まれたため。/大勢の人の前での発表であったり、他のチームも いるという緊張感があったりと、下手なものは出せないと思い、チーム内で 知恵を出して準備したから。/ただまとめて終わりではなく報告会があった 事で他の班の成果も知れた。/発表の場があることで、気分が引き締まるし、

お店の方々に直接意見を届けられるから。

SNS情報発信

興味のない人はその投稿を見ないと思うが、ちょっとしたことが新たな発展 につながると思う。/途中経過などを知る事によって、自分のグループにな い所を探し、共通する部分があれば、参考になるのでよかったと思います。

/自分たちがその日何をしたのか振り返りながら投稿できたから。/良いと ころを真似できるから。/そのつど報告することで、自分たちの行動をまと められるし振り返れるから。

表11 運営上の工夫が学習に役に立ったか否か

行政担当者の講義 まち歩き 成果報告会 SNS情報発信

人 % 人 % 人 % 人 %

役に立った 6 46.2 8 61.5 9 69.2 4 30.8 どちらかと言えば役に立った 7 53.8 2 15.4 4 30.8 4 30.8 どちらとも言えない 0 0.0 3 23.1 0 0.0 5 38.5 どちらかと言えば役に立たなかった 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 役に立たなかった 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 合計 13 100.0 13 100.0 13 100.0 13 100.0

(11)

5 考察

 本授業を履修した学生たちは、地域社会や フィールドワークへの関心等、積極的な理由 で本授業を履修した学生が多い。必修科目で あるため消極的な理由で履修する学生が多い のではないかと予測したがそうではなかっ た。また、授業への満足度は極めて高く、そ の理由は、ほとんどが、C団体との連携を含 むフィールドワークによる。授業の満足度に 比して成果に対する満足度が低いのは、自分 たちの力の足りなさを感じたためであると考 えられる。今後の学習意欲の向上(次はもっ と頑張ろう!)につながる良い傾向と言えよ う。

 以上を踏まえて学習効果および授業運営と 学習効果の関係について考察する。

(1)学習効果に関する考察

 本調査の結果から読み取れる本授業の学習 効果は主に次の4つに大別される。

①地域社会への関心の喚起

②フィールドワークの重要性の認識

③商業への関心の拡大と消費行動の見なおし

④基礎的能力の向上

 以下、それぞれについて詳述する。

①地域社会や商業への関心の喚起

 実習後に多くの学生が「地域社会や地域コ ミュニティへの関心が高まった」(21 人、

67.7%)や「連携した商店への関心が高まった」

(17 人、54.8%)と感じており、地域への関 心が喚起されたことが伺える。もっとも7割 以上が「地域社会や地域コミュニティに関心 があったから」(23 人、74.2%)を履修動機 として挙げており、元々関心のあった学生が さらに関心を高めたということであろう。こ のことは本授業の満足度が高いことと関係し ていると考えられる。

②フィールドワークの重要性の認識

 履修後において 23 人(74.2%)が「フィー ルドワークの面白さや重要性を実感した」と

回答している。履修動機に「フィールドワー クに関心があったから」を挙げている学生は 19人(61.3%)おり、多くの学生は、実際にやっ てみてその重要性に改めて気づかされたもの と考えられる。

 フィールドワークの重要性の認識は今後の 学習の仕方にも好影響を及ぼすと期待され る。すなわち、フィールドワークは通常の講 義による学習に比べて時間、労力、費用(交 通費等)がかかるため、多くの場合、こうし たことが活動をためらう要因になりがちであ る。しかしその重要性がわかっていれば、こ うした条件は阻害要因とはなりにくく、積極 的に取り組むことが期待できる。

③商業への関心の拡大と消費行動の見なおし  履修動機では「商店街や商業に関心があっ たから」は4人(31人中)であり、商店や商 業への関心は薄い学生たちであったが、履修 後には「商店街や商業への関心が高まった」

と回答した者が 14 人(45.2%)、「連携した商 店への関心が高まった」が17人(54.8%)おり、

商業に対する関心が喚起されたことが窺え る。

 さらに、ほとんどの学生が日ごろは地元商 店を利用していないが、今後は「ときどきは 利用したい」と回答しており、地域商業への 関心が向いたことにより、自身の消費行動を 見つめなおす機会となっており、消費者教育 としての学習効果も窺える。

④基礎的能力の向上

 基礎的能力についてはアンケート調査では 特に質問項目を設けていないが、自由記述に おいて「商店とどのようにコンタクトを取る かなど社会に出て必要なことを学べた」、「言 葉遣いや連絡など意識することがたくさん あった」、「自分から働きかけないと何も起こ らないことを学んだ」など仕事をするうえで の基礎的能力の向上を示唆する記述が見られ る。これは商業者との連携に限ったことでは ないが、こうした効果も得られることがわか る。

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 なお、ここに挙げた5つの学習効果のうち、

①と③は、仕事や職業、地域等外の世界に対 する関心の喚起や理解の促進であり、②は学 習方法や学習そのものに対する意欲や関心の 高まり、④は社会人基礎力に代表されるよう な働く上で必要な基礎的能力の向上であり、

いずれもキャリア形成の観点において重要な 学習効果である。

(2)授業運営と学習効果の関係

①連携先の選定

 今回、商業団体に所属し、意欲的に事業に 取り組んでいる商業者と連携することによ り、高い学習効果を得ることを目指した。そ うでない場合との比較はできないものの「商 店の力になりたいという想いが強くなった」、

「熱意やこだわりを持って働くことがこんな にも輝かしいことなのか、という気持ちに なった」、「みんな前向きで[B市]に対して も愛着や熱意を持っていて、こういう心持ち が、連携や協力をうまくいかせているのだろ うなと思いました」、「仕事に対する意識の高 さを学んだ」、「自分たちから何かを起こそう としている大人たちと関わって刺激を受け た」、「熱意や強い思いをもっており何かにそ ういう姿勢でいられることはすごいと感じ た」等の自由記述から、連携した商店が意欲 的であることが学習効果を高めたことが窺え る。

②行政担当者の講義

 フィールドワークの前に商業の全体像を把 握することにより、個別店舗の事業や活動に 対する関心や理解が促されることを期待し た。調査結果では全員が役に立ったと感じて おり、その理由には「商店街の活動や歴史を 学んでから、調査に入ることが出来るので」、

「様々な商店街と関わってきた方の話を聞く ことは貴重であり、現状を知ることができた から」など商業を広い視野で見ることに繋が るような記述が見られ、履修後の感想(フィー ルドワークの重要性を感じたことや商業への

関心が高められていること等)と合わせて考 えると、期待どおりの効果が得られたと推測 される。

③まち歩き

 まち歩きについては商業と地域の関係につ いて理解を促すために実施した。調査結果で はほぼ全員が役に立ったと感じており、その 理由として「他のお店についても知ることが 出来た」、「[B 市]の成り立ちや現状を知る 事で、その後の活動がスムーズにいった」等、

商店だけでなく地域やその歴史に触れたこと を挙げており、「つながりの中に商業(個人)

の大切さや重要性を深く知ることができ」や

「商売のあり方、お店のつながりが強いこと がわかりました」、「連携している他の商店の ことをよく理解しているからこそ、[C団体]

のような活動ができるのだと思った」等の学 習効果に関する自由記述と合わせて考えれ ば、地域のつながりを意識して活動できたこ とにまち歩きの影響があったことが推測され る。

④成果報告会の実施

 成果報告会は学生たちの緊張感を高め、成 果物の質を高めることを期待して実施した。

調査結果では全員が役に立ったと感じてお り、理由として「大勢の人の前での発表であっ たり、他のチームもいるという緊張感があっ たりと、下手なものは出せないと思い、チー ム内で知恵を出して準備したから」、「発表の 場があることで、気分が引き締まるし、お店 の方々に直接意見を届けられるから」等、期 待した効果が得られたと言えよう。

⑤ SNS による情報発信

 SNS活用が本授業の学習効果のどの部分に どの程度寄与したかを評価することは難しい ものの、SNS投稿にあたり全員が「連携して いる商店の人や不特定多数の人が閲覧しても 恥ずかしくないよう、きちんとした報告を作 成しなければならない」という意識(「そう 思う」または「どちらかと言えばそう思う」)

であったと回答しており、このことが緊張感

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の醸成に繋がったと考えられる。また、ほと んどの学生が他の学生のレポートを閲覧して おり、情報把握に関しても高い効果があった と推測される。ウェブを用いた調査において も「途中経過などを知る事によって、自分の グループにない所を探し、共通する部分があ れば、参考になるのでよかったと思います」

等の記述があり情報把握に有効であったこと が窺える。表現力の向上については明らかで はないが、「きちんとした報告を作成しなけ ればならない」という意識で原稿を作成して いたとすれば少なからずプラスの影響がある ものと推測される。このほか、学習に役立っ た理由として「自分たちがその日何をしたの か振り返りながら投稿できたから」、「そのつ ど報告することで、自分たちの行動をまとめ られるし振り返れるから」等が挙げられてお り、活動の整理や振り返りとしても有効で あったことが示唆される。

6 まとめと今後の課題

 以上より、商業者との連携によるプロジェ クト型授業において主にキャリア形成等の観 点から多くの学習効果が得られることが確認 され、また、連携先の選定や SNS の活用、

成果報告会の実施等の授業運営上の工夫によ り学習効果を高められる可能性が示唆され た。特に意欲的に事業に取り組んでいる商業 者と連携したことで学生の学習意欲が引き出 されたこと、SNS活用や成果報告会等により 緊張感が醸成されたこと、まち歩きや事前講 義等により視野を広げられたこと等の寄与が 大きいと考えられた。

 商業者と大学の連携における課題として、

継続性、信頼関係、動機や目的のすり合わせ が挙げられているが、本事例においては、継 続性については団体を通じて連携することで 商店個別の事情に左右されることなく継続し やすい状況にある。信頼関係および動機・目 的のすり合わせについては、意欲的な連携先

と密接に連絡を取ること(補助的に SNS を 活用することを含む)により克服した。前述 の授業運営上の工夫を行うにあたってはこう した関係性が前提となることから、学習効果 を高めるためにはまず、継続性、信頼関係、

動機や目的のすり合わせ等が行えるような関 係構築が重要になろう。

 とはいえ、今回行った授業運営上のさまざ まな工夫は、たとえば、まち歩きはC団体の メンバーからの提案であり、講義の講師はC 団体のアドバイザーでもあり、成果報告会は C団体の主催で実施しており、SNSはC団体 のページを活用する等いずれもそれ自体が連 携先とのコミュニケーションでもある。コ ミュニケーションを高めるような授業運営上 の工夫により、安定した連携体制の構築やス ムーズな授業運営を通じて多くの学習効果が もたらされたと考えられる。このことから、

連携授業においては、連携先との関係構築と 授業運営上の工夫を分けて考えるのではなく 両者を一体として設計することが望ましいと 言えよう。

 商業に限らず地域連携による授業にはさま ざまな条件や制約がある場合が多く、どのよ うな連携においても今回報告したような工夫 が適用できるとは限らないが、前述のとおり 商業との連携はハードルが低く、安易に実施 される傾向もあるだろうから、大学側も商業 者側もこうした配慮がより必要となろう。

 なお、本研究は学生の学習効果への影響に 着目したが、連携を継続していくにあたって は大学や学生だけでなく商業者側にメリット があることが重要になる。このような連携は 商業者側にどのような意義があるのか、また、

その際、本稿で述べたような工夫がどのよう に影響するのか、さらには、学生の学習効果 と商業者側の意義の間には何らかの相関があ るのかといったことは今後の課題である。

(14)

謝辞

本研究にあたり「平塚あきんど塾」の皆様に は多大なご協力をいただきました。この場を 借りて御礼申し上げます。

引用文献・参考文献一覧

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浜野純・須栗大・山本麻衣,学部・地域連携 を活用した実践的な PBL 学習とその教 育的効果に関する事例報告,中京学院大 学 中 京 短 期 大 学 部 研 究 紀 要,47(1),

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参照

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