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道路網における交通量観測系の編成に関する研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

道路網における交通量観測系の編成に関する研究

外井, 哲志

https://doi.org/10.11501/3059396

出版情報:Kyushu University, 1991, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第4章 交通量観測系編成の基本的考え方とo D網羅規準に 基づく観測点配置の基礎理論

4 _ 1 はじめに

序論にも述べたように, 交通量観測点の群は, 観測目的に基づいて個々の観 測点、lこ各々の役割を付与した場合に初めて「系」となる. すなわち, 個々の観 測点は観測系の要素であり, 役割は機能であるとみなしうる. そ して, 観測系 は全体として個々の観測点で は果し得ない機能を有することとなる. このとき,

「系」の要素である個々の観測点が, 観測系全体の果すべき 機能を効率的に分 担することが理想、であり, これは数理モデルを利用した最適配置により可能と なる.

しかし, 交通量観測系の分析に関するこれまでの研究は, 主として道路交通 データの統計的処理による方法に依存していた . こうした方法は, 現実の問題 点の明確化には有効であるが, 複雑な道路網上の交通流動を適確に捉え, それ

に基づいて適切な観測系を編成するの に適切であるとはいえない.

そこで, 本章では, ネ ッ トワーク理論を用いて, 対象とする道路網をノード とリンクで モデル化し, 観測点の配置とネ ッ トワークとの関係を数理的に表わ

して, 交通量観測点配置問題を数種類の最適化モデルに変換することを試みる.

すなわち, � 3. 4に示したo D内訳を用いた非観測区間の交通量推定法に関連 が深いと考えられるí 0 Dペアを網羅する方法」を取り 上げ, モデルの特性と 解法について解説するものである.

本章は, 本論文全体の中で, 観測j点配置問題の数理モデル化への導入部分と して位置付けることができ る. すなわち, ここで 取り扱う内容は第5章以降に 共通して用いられている整数解型最適化モデルとその解法の原型 をなしており,

本論文の基礎をなすものである.

4 _ 2 観測系編成の基本的考え方

4 _ 2 _ 1 道路網上の交通流の表現

道路網上の交通量観測系を編成して, そこから得られる情報によ って道路網

- 54 -

(3)

o D ドでモデル化し,

ンクとノー 道路網をリ

上の交通流を把握するためには,

ンクの関係を用いて交通流 のパター ンを行列表現 交通量と流動経路, 経路とリ

しておく必要がある .

経路とリンクと o D交通量とその交通量が流動する経路との聞の行列をQ,

トルをξ,

ンクにおける観測点の有無を表わすベク の関係を表わす行列をQ,

そ れぞれの内容が次のように定義される.

リンク→m

αJ 11・・・αJ m1・・・αJし1

ンク長に 関する行列をDとすれば ,

経路 →k

q t 1・・・ q 1 k.・・ q tR 経路↓K

α) 1 k・・・αJ m k.・・αJLK

ODペア↓n

R nq

k n-q

4・An q

α) 1 R・・・αJ mR・・・ G)LR

Q

q G1・・・ q Gk・ ・・ q GR

Q

(4-1) k番目の経路を通過する交通量 n番目のo D交通量のうち,

q n k:

ここに,

:すべてのo Dペア数 G

:すべてのo Dペア 聞に 生ず る経路数の総和 R

:対象リンク数 L

ンクがある場合 一第k経路lこ第m

1 α) m k

ンクが ない場合 一第k経路 に第m

d t

リンク↓m

E t

(4-2)

。 d m D

E m ξ

。 dし

どし

ここに,

ンクで観測されている

1 -・第m

どm 。 〆ノ 観測されていない ンクの延長

d m :第m

トルの組合せに よ って以下のような新しい行列,

トルbとすれば,

トルξの積をベク Qと ベク

行列 Q,

ベク まず,

こ れらの行列,

トルが生じる.

次に,

ベク

(4)

4A ω m →仁m­力ノω ン・けりJ4i 4L-ω ξ

q 1 1・・・q経路→k1 k・・・q 1 R Q Q

リンク↓m ど1

k ω

k m-ω

K 4ι・ω

R nq

k n-nuz

4A n q

ODペア↓n

f m

α) 1 R・・・αJm R・・・αJしR q G1・・・q Gk・・・ q GR

b

ODペア↓n

どし

et b

リンク→m ど1 S 1 1・・・S 1m'" S 1し

n b

リンク↓m f m S n1・・・S nm" S nし

ODペア↓n

b G S G1・・・S Gm' • • S GL ξし

( 4 -3)

Crn=1.2.・・・.L) Cn=1.2.・・・.G)

R

E q n k・ ω mk k=l

S n rn nπ】

.,... ... ) _ L L �\.._,

Cn=1.2.・・・.G) f m

R

(ε q nk・ ω mk) k=l

L E rn=l L

L S nm・ f m rn=l

b n

D

b nはO

mを通る交通量を, まTこ,

n の交通量のうちり ンク S nmはo Dペア

の交通量が観測される延べ台数を表わすものである ペア n

トル eとすれば,

トルξの積を, ベク Q , Dとベク

また, 行列Q,

-Ba rb

ンク→m d 1

S ' D 'f

リンク→m S 1 1・・・S 1m'" S 1し Q .Q ' D .ξ

リンク↓m f m

d m S n1・・・S nm'" S nL

dし どし

S G1・・・S Gm" S GL

OD

ペア↓n

e 1 f 1

S 1Ldし

1 m d m

S 11 d 1

S

e n c

S nL dし どm

• • S nm d m

n1 d 1 S

( 4 -4 )

e G . S Gしdし どし

. • S Gm d m

S Gl d 1

56

(5)

ここに, L

e n L S nm' d m' f m

m=l

L R

L ( ε Q nk・ωmk) d m・ f m

m=l k=l

( i = 1. 2. 'G)

e n は, 0 0ペアn の交通が通過する経路中に存在するリンクのうち, 観測点 が配置されて いるリンクにおけるo Dペアnに関する走行台キロの総和, すな わち, 0 Dペアnに関する観測 された走行台キロを意味する .

4. 2 . 2 観測走行台キロ最大化による観測点選定法

式(4-4)において S. D = Vとおくと,

V'ξ e (4:- 5)

e n はo Dペアn の観測された走行台キロであるから, 観測走行台キロを最 大にするためにはE= εG e n を最大にするベクトルξを求めればよい.

G G L L G

E = L e n ε L V nm・ f m L f m L V nm

n=l n=l m=l m=l n=l

L G

ε どm'V m ( V m = L V nm) (4 -6 )

m=l n=l

ここに, V nmは第mリンクにおける第n 0 Dペアの走行台キロ(L S nm d m) m E L

上式中 , どmはリンクmにおける 交通量観測の有無により , 1またはOの 値を とる. したがって, V m (第mリンク の走行台キロ)の値が大きい順にN個(N くL )のどmを1とすれば, N箇所の観測点、で得られるEの値E (N)を最大にす ることができる

なお, 式(4 -5 )でVの代りにS を用いれば, 全く同様な考え方で「観測 交通 量最大化」に基づく観測点、の選定を行な うことができる .

4. 2 . 3 0Dペアを網羅する観測点選定法

本法は, 観測点、を適当なリンクに配置することによって, 各o D交通量の一 部または全部を, いずれかのリンクで観測できるようにするという考えに基づ くものである. このため, 行列Sにおいて, S nm> 0の場合にδnm 1 , S rm

= 0の場合にδnm- 0とする行列企の定義が必要である.

(6)

L 4a - RAυ m…

hAυ ・4・‘ 4A 川ノ ン nO ク1・ m . ODペア↓n

しn δ

m n・HAU

4・An FO

(4-7) δGl・・・δGm・・・δGし

ンクmに流れている場合 : ODぺア n の交通量がリ

L

1

δnm ここに,

流れていない場合

。 //

o Dペア全体の 1であるo Dペアの集合をUm,

δnm- ンクmに関して,

すべてのmについて,

集合をGとすると,

(4-8)

C G Um

すなわち,

いくつかのUmの和集合はGと等しくなる.

であり,

(4 -9 ) Ur G

U Um U

U U2 U

U 1 U

観測点、を配 を求めれば,

ンクの集合) の組 〈リ

式 (4-9)左辺に示されるUm

式 (4-9)はo Dペアを網羅する ンクを知ることができる. しかし,

置すべきリ

最適解は式(4 -9 )のr 最適解を与えるものではない.

ための必要条件であり,

を最小化すること によ って得られる.

〆't、、 けノ ンク数)

整数計画法の分野で集合被覆問題と呼ばれるものである53) 上記の問題は,

が与えられ, 添

、a、,aJ+・、D且• • • • 4ι DI ,E,、,‘

とMの部分集合の族

、ー、,a,nb • • • , -si ,E,、目、

集合M=

いま,

(4-10) の部分集合Kが

、lf'B6tiv ' • • • • 1i ,E,、,‘ M =

族 'm

合]E集UE' m 冬Cル」すた満を

字の集合N=

各Pmに非負 をMの被覆と呼ぶ. まずこ,

m E K}

m p

このとき 集合 集合Kの費用をL C mとする.

の費用 C mが対応しているとき,

配送ルー ト問題 費用が最小となる被覆を求める問題であり,

被覆問題とは,

すべての販売店に商品を配送するのに必要な最 トを用いて,

っかのルー (いく

(一定の労働 トスケジューリ ング問題

パイ ロ ッ ク数を求める) や,

小の トラ ッ

ト数を求め ロ ‘7

毎週m本の定期便を飛ばすのに必要な最小のパイ 条件の下で,

(市内の全区域に所定時間内に到着できる消防署の配 消防署の配置問題

る)

などへの応 m種類の候補地のなかから建設費用が最小になるよう選ぶ〉

置を

用が考えられているら幻.

集合 被覆問題を数学モデルでは次のように表わす ことができる.

58

(7)

'ーミ一m x m n a 町周εE m φib' i

E N

'm

m X1j m 'EA FしUR' EEo mf\ 一一E 7um x ρU

ワL '

1 1 l

n

v」

Mこ

( n E M )

a nm - 1 (n E P m)

o (n E P m)

U P m= M, K C N

mEK (4-11)

ここで, 集合Mをリンクの集合L , P mをリンクm中のo Dペアの集合とみ

なし, a nmをδnmに対応させ, C m= 1とすれば, 0 Dペア網羅の考えは上記 の集合被覆問題と同内容である. このと きX mE ( 0 . 1 )はリンクmに観測点を 置くか否かを 示す変数f mとなる.

以降, 0 Dペアを 網羅するという考えをo D網羅規準と称し, この考えを用 いた観測j点配置法をOD網羅法と呼ぶことにする.

4 _ 3 0 D網羅規準による交通量観測点の配置

交通量観測点の配置法には, 限 られた観測点数を効果的に配置する方法(効 用最大化)と, ある条件を満足するのに必要な最小の観測点を配置する方法

(費用最小化)とが考えられ, 前者について観測走行台キロ (観測交通量)の 最大化を, 後者についてo D網羅規準に基づく観測点数 最小化を考察した.

上記以外の配置規準として, ①交通量 の多い地点に配置する, ②混雑してい る区間に配置するなどがある. しかし, これらは道路網上に配置された個々の 観測点、から得られる情報を, 一つの理念の下に総合化するという考え方 を導入 することが難しい.

先述したように, 観測点群が独立した観測点、の単なる集合ではなく, 異なる 役割 をもっ観測点、による有機的な集合体, すなわち観測「系」であることが要 求されるが, そのために は, 8 4. 2. 2で示し た観測走行台キロ (観測交通量〉

の最大化規準よりも, 個々の観測点の役割が明確なo D網羅規準の方が, 道路 網上の 交通流を構造的 ・ 組織的に把握できるという点で優れてい る. また, 必 要最小限の観測点数が明確になる点で, 後者はより進んだ配置規準であると考 えることができる. これらのことから, 本節ではo D網羅規準による交通量観 測点の配置問題を検討するものである.

ところで, 第3章では, 非観測区間交通量の推定法として, 道路網上のo 0

(8)

交通の流れに着目し, 観測点を通過するo D交通の利用率と最近年度の観測交 通量を用いて, 非観測区間を通過するo D交通量を推定することにより, 最近 年度の同区間の交通量を推定する方法を提案した . この推定の流れの中で, 非 観測リンクのo D別交通量の推定値は, 観測点全体で捕捉できるo Dペアに限 定されるため, 観測点全体で捕捉できないo Dぺアに関するリンク交通量は,

捕捉可能なo Dペアに関する交通量との比率を用いて, 間接的に推定しなけれ ばならない. したがって, 観測系によって観測されないo Dを多くもつリンク では, 間接的推定量の比率が増加し, 十分な精度の交通量推定が困難となる場 合がある.

上記の利用法を前提とした場合, 本章で提案するo D網羅規準による観測点 配置は推定精度を高める点で効果的であると考えられる .

4 _ 3 _ 1 問題の定式化

o D網羅規準による観測点配置問題を取り扱うに際して, 0 D交通が各リン クにどのように流れているか(流動ノマターン), 各リンクlこ観測点、が配置され ているか否か(観測点の有無), および各o D交通の観測される回数の3者の 関係 を定式化する必要がある. すなわち, これら3者はそれぞれ式(4 -7 )の

ll, 式 (4- 2 )のξおよび下記のc で表わされる.

C 1

C I C n

C G

C n: 0 Dペア n の交通量観測点数の総和

L

C n ε f m・δnm rn=1

したがって, ll, ξ, C の関係は, 次式で与えられることになる.

企 . f C

この関係から, 本法の観測点配置問題が次のように定式化できる.

Minirnize

S. t.

and

L

Z = L どm , rn=1 C n

ξm

L

L f m.δ nm 1 (n=1.2.・・・・. G) , rn=1

1 0 r 0

- 60一

(4-12)

(4-13)

(4-14)

(9)

..{. 3 . 2 問題の解法

式(4 -14)の解ξの要素はすべて1 0 r 0であるから, 0-1計画法の一手法であ るパラス(Balas)の加法アルゴリズム, 組合せ最適化問題一般に用い ら れる分

枝限定法の2法を併用して解くことができる. 式(4-14)中の条件式を変形すれ ば, 次のG個の不等式を得る.

- 1 +δ11 f 1 +δ12ξ2+・・・+δ1mf m+・・・+δ1しどし 孟 O

- 1 +δ21 f 1 +δ22f 2+・・・+δ2mどm+・・・+δ2しどし O

- 1 +δn1 f 1 +δn2f 2+・・・+δnmf m+・・・+δnしどし 孟 O (4-15)

- 1 +δG1ど1+δG2f 2十 ・・・+δGmどm+・・・+δGしどし 孟 O ( 1 )パラスの加法アルゴリズム54】による初期可能解の設定

この問題は, 上記のG個の不等式が成立するどm(m=l,'・" L)のすべての 組合せの中から, 式(4-14)の目的関数Zが最小となる組合せを選ぶこと である.

ここでG個の不等式を辺々加えると次式が成立する.

G G G

- G + (L δ nl) f 1 + δ n2) ど2+・・・+(L δnm) どm

n=l n=1 n=l

G

+ ・・・+(L δnし)f L 孟 O

n=1 (4-16)

Zを最小とするためには, どm- 1となるリンクをできるだけ少なくしなけ ればならない. そのためには, 式(4-16)中のどmの係数(Lδnm)の 大きな順 にどm- 1とするのが効果的である. したがって, 最初に抽出される(f m= 1) リンク番号は(Lδnm)を最大とするm m 1である. そして, f m1- 1を式(4- 15 )に代入して計算すると, δnm1= 1である全ての不等式の定数はOとなる.

次に2番目に抽出すべきリンクを調べるため, δnm1 = 0 (m 1リンクは抽出済 みを意味する)を式(4-15)に代入して, 新しい 行列を用いて式(4-16)の計 算を行ない, (Lδnm)の最大であるリンクmニm2を抽出する. 以上のプロ セ

スを式(4-15)の左辺の定数項がすべて正または0となるまで繰返す.

以上が初期可能解ξ( 1 )を求める方法である.

( 2 )分枝限定法の応用55】

分枝限定法は, 組合せ最適化問題において, 変数の膨大な組合せの中から最 適の組合せを効率よく選び出すための探索アルゴリズムである. 本法を活用す

(10)

れば, 第2解ξ(2 )は, 初期可能解ξ( 1】で抽出されたリンク11闘を逆に辿りなが ら, 初期可能解で抽出されたリンクと抽出されなかったリンクとの代替可能性 の検討を繰返すことによって得られる. 第3解以下は, それまでに導出された 実行可能解からの分枝を検討することによって導かれることになる.

初期可能解を求める段階では, 多くのo 0ペアを捕捉するリンクから抽出さ れるので, 先に抽出されたリンクほど重要性は高いが, そのリンクの捕捉o D ペアが後に追加された複数のリンクで捕捉された場合には, 先に抽出されたリ ンクは必ず しも必要ではない. このような状況で, 先に抽出されたリンクがた またま除去リンクになると初期可能解の目的関数の値よりも小さな値を持つ可 能解が存在することが明らかになり, 最適解が改善される.

ところで, 分枝限定法では検討の無意味な分枝を削除することにより, 計算 を効率化する. 本法では, ある分枝において検討解に採用するリンク, 採用さ れないリンク(その段階で除去するリンクを含む), 未検討リンクの3種類の リンクを考えるが, 検討解に未検討リンクを全て加えた仮の解が制約条件を満 たさない場合には, 以降の検討によって可能解が出現する可能性はないので,

検討を打ち切り, 制約条件を満たす場合のみ検討を続ければよい.

( 3 )行列の集約

上記2法の併用によって理論的に式(4-14)の解を導出できるが, 大規模な道 路網を対象とする場合には, 式(4-7)の行列の行数や列数 が大きくなるため,

組合せ数が膨大となり, したがって, 計算労力を 要することになる. しか しな がら, この難点に対処する方法として, 式(4 -7 )の行列企の列と行を集約して 縮小する方法が考えられる.

リンクmでδ nm- 1であるo Dペア n の集合をS mで、表わすと, S mとS k ( k

手m)との関係は次の4通り考えられる.

① S k C S m

S m C S k

③ S m C S k a nd S k C S m (S mとS kとは同ーの集合)

④ ①~③のいずれでもない(互いに共通でない要素をもっ)

①, ② の場合には一方は他方の部分集合であるから, 検討対象リンクからそ れぞれk , mを除外しても, 解lこなんら影響を与えない. また, ③の場合はリ

- 62 -

(11)

ンクmとkが全く同じ働きをすると考えてよく, したがって, 両者のうち一方

を用いればよい. このようにして①, ②, ③の場合に, それぞれk, m, kま たはm列を行列 企から除いてよく, このように縮小した行列を企 〈U, 不要の

リンクを除外した後のリンク数をL (1)とする.

次に, このII (1】のo Dペア nの行を見て,

-EA 一一

m n 1no

,、

・ti

IL-a= Em

--n nAU

(4-17)

である場合には, δ nm- 1となるm 71J (リンク)のみでo Dペアを捕捉してい ることになる. よって, m列は必要列〈リンク)として抽出され, n行 はm列 で捕捉されているので, 以後の検討において対象外となる. また, 抽出された m列においてδkm= 1 (k手 n)であるo Dペアkは, 抽出されたm リンクに よって既に捕捉されているから, 以後の検討には必要でない. このようにして

å (1)からm 71J, n行とδkm= 1 (k i= n )であるすべてのk行とを除いて企

(2 )が作られる. 以下, 同様の作業を繰返し, 行列を縮小できなくなるまで続 ける. 最終段階の行列を企い〉とする . このIIい】に前項までの2法を適用して

解けばよいことになる.

以上に解説した式(4-14)の 解法のフ ローチ ャートを図4 - 1に示す. なお,

図中のN0, Z 0は初期可能解リンクの集合とリンク数, N [, Z [は第I解のリ ンク集合とリンク数である. また, AはN[から除去リンク{k }を除いたリ

ンク集合, L1 N [はリンク集合Aに含まれない未検討リンクの集合である. 少

し具体的に説明すれば, AとN1とは, 観測リンクの番号と, マイナ ス記号を つけたリンク番号〈観測リンクとしないことを既に決定したことを意味する) とからなる数字の集合である. 例えば, リンク集合をL = {1, 2, 仁 川 とし よう. このとき, 可能解N[が{1, -2, 4}であることは, リンク1を用い,

リンク2を用いないという条件のもとで, 制約条件を満たすにはリンク4を用 いればよいことを意味しており, この数字の列は, 可能解が求められる軌跡を 不しているともいえる. さらに, この段階での除去リンクをk= 4とすれば,

A= {1, -2, -4}であり, L1N[= {3}である.

(12)

Dペア閣の結合行列, l1

ンクーO

ンク群の抽出

ンクの抽出に伴う結合行列の縮小企→広い) 不可欠リ

不可欠リ

初期可能解構成リンクの抽出(Balasの加法7日'リス'ム) N 0:初期可能解リンク , Z o: リンク数, 1 = 0

z 0- N 0= {φ)

{k }の決定 除去り ンク

{ k }

クンす 集クる 合のか A制 約こ 対条 件し ' ムU

ンリ立

リ全成

ンク集合A = N r一

Z

S

z 0=

N 0= A,

YES

T 0 P NO

ー 成

-一日構し11 1で関千未)こ穿るくl約す除M制対を合のとk集クAfいクン合Nンリか集dリのるククるてす

ンンれべ立

リりさす成

NO

N [= A

ンク集合Mの中から 制約条件を満足する ンク群Sを抽出, Z' : Sのリンク数

NO

Z【+1= z N [+1 = S,

ンクの抽出フ ロ ー

o D網羅規準による観測リ 図4

6 �

(13)

4: _ 3 _ 3 計算例

前節の説明を補うため, 図4 - 2に示 される8ノード, 1 0リンクの道路網を 用いて 計算手順を説明しよう. まず最初に交通流のパターンを設定する必要が ある. これを表4- 1のo Dぺア ・ リンク行列(企〉に示す. 表4-1は, 道 路網上に単位量の分布交通量を最短経路配分すること によって 得られる. なお,

この例ではノード3, 5 , 7は発生集中交通量0のダミーノードとした.

( 1 )行列の集約

前節(3 )で示した方法を適用し, 行列の縮小と 不可欠リンクの抽出 を行な う. この例では, リンク5 , 6のo Dペア集合はリンク2のo Dぺア集合の部 分集合であり, リンク8のo Dペアはリンク4のo Dペアと等しいから, リン

ク5 , 6, 8は検討対象から省いて よい. なお , リンク8はリンク4 と代替性 を持つので, 以下では4 [8 ]と記す.

以上の考察にしたがって 集約された行列が表4- 2に示されている. 表4- 2ではo Dペアの1 -2, 1 -4, 1 -6, 2- 4, 2-8の各 行の計が1で あり, これらのo Dペアはリンク1, 2, 3, 4 [8 ]の4本で捕捉されてい ること から, これら 4本のリンクを不可欠リンクとして 抽出する. また, リン クlと 4 [8 ]によって o Dペア1-8 リンク3によって o Dペア2-6が 捕捉されている. これらの考察から, 以後の検討で不要 と なったo Dペア, リ

ンクを除去すれば表4-3の広い】が得られる.

( 2 )初期可能解の導出

表4- 3 を見ると リンク7と 9, リンク7と10, リンク9と10という3組の 組合せが最適解を構成すること は自明であるが, 解説のため, パラスの加法ア ルゴリズムを用いて 初期可能解を求めた. 表4-4は初期可能解を求めるプロ セスを示したものであり, 各ステ ッ プにおいて 1本ずつリンクが抽出されてい

く様子が分 かるであろう. 結局, 初期可能解はリンク7と 9の組合せである.

( 3 )全最適解の導出

分枝限定法により, すべて の最適解を導出する. 初期可能解を出 発点として,

これを構成する各リンクの除去 により, 解がどのように変化するかを調べる.

第l解は(7, 9)の組合せであるから, 最初にリンク9を用いない組合せ, す なわち(7, -9)からの変化を調べる (7, -9)からの変化として可能な組A

(14)

表4 - 1 0 0ペア ・ リンク行列

||O\P\.J7ン

\

1 2 3 4 5 6 7 8 9

1 - 2

1 - 4

1 - 6

1 - 8

2 - 4

2 - 6 2 - 8

4 - 6 4 - 8

6 - 8

言十

1

1 1

1 1 1

1 1 1

1 1

1 1

1

2 2 2 2 1 3 2 3

表4 - 2 0 Dペア ・ リンク行列 企( 1】

C E

\

《\.7jン\ \

1 2 3 4 [ 8 ] 7 9 10

1 - 2 1

1 - 4 1

1 - 6 1

1 - 8 1

2 - 4

2 - 6 1 1 1

2 - 8 1

4 - 6 1 1

4 - 8 1

6 - 8 1 1

2 2 2 2 3 3 2

表4 - 3 0 Dペア ・ リンク行列 企い)

C D

\

内.\7 リン�ク

7 9 10 5十

4 - 6 1 2

4 - 8 2

6 - 8 2

5十 2 2 2

- 66 -

10 言十

1 2 2 3 1 3 2 2 2

1 2

2

5十

1

1 2 1 3 1 2 2 2

(15)

表4 -4 パラ スの加法アルゴリズムによる計算過程

s t e p 計算過程 抽出リンク

ODヘ. 7 ( 4 -6 ) ( 4 -8 ) ( 6 -8 )

- C n - 1 - 1 - 1

1 ⑦

リンク ⑦ ⑨ ⑩ Eδ nm ( 2 ) 2 2

- C n 。 。 - 1

2 ⑨

εδ nm 。 ( 1 ) 1

- C n 。 。 。

3 end

Eδ nm 。 。 。

せは(7, -9, 10)のみである. 次に(-7)からの変化を調べると(-7, 9, 10) のみが可能な組合せであることが分かる. 以上を整理すると, 初期可能解の ( 7, 9)の他に(7, 10), (9, 10)の2組の解が存在し, すべてリンク数は

2である. したがって, これら3組の解が最適解である.

以上のプロ セスを示したのが図4 - 3である. なお, 可能なリンクの組合せ を探索する個々のステ ッ プで, パラ スの加法アルゴリズムが用いられている.

て 下

あ り

が 通

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を を 案 4 ン

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9 1 1 量 の 測 ク を

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4 4 4 う ( こ れ''''のり ら て

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ク ク ク 0 組

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ク が 果 約 組

果 ン と 集 3 あ

③ 結 リ

結 の た で

の 置

) 列 れ

算 配 す 4 行 ら 通

計'在 (

り 存

4. 4 要 約

本章では, 交通量観測j系の編成問題を数理的に取り扱うため, 道路網上の交 通流をネ y トワーク理論を用いて表現し, 観測走行台キ ロ最大化による観測点、

(16)

図4- 2 ネットワーク

図4-3 解の導出プロセス

図4 -4 観測点配置例

( )内の整数はリンク番号,

実数はリンク長

一「

の集約による 欠リンクの抽出

分校限定法と8alas の リンクの抽出

-は観測点

(17)

選定やo Dペアを網羅する観測点選定を考え, これらの中でJ r 0 D網羅規準」

を用いる観測点選定が, 道路網上の交通流に関する情報を体系的に得る上で最 も適切な方法であると考え, その数学的な問題の定式化を行なった. さ らに,

パラスの加法ア ルゴリズムと分枝限定法による数理計画的な問題の解法を示し,

簡単な例題を用いて 解法の解説を行なった.

ここで上記の方法の特徴をまと め てみる.

まず, 長所としては, 第1に, 本法による 交通量観測点の配置は, 道路網上

の交通量分布を考慮しているので, そこから得られるデータは道路網全 体の交 通状況をある一面では代表して おり, 本法は, その意味から道路網計画や交通 状況評価に意義ある情報を提供するものである. 第2に, 道路網 が大きくなる ほど, また同ーのo Dをもっ 交通が多くのルートに分散して流れるほど, 全リ ンク数に対する観測リンク数の割合は小さくなる傾向があるといえる. 第3に,

本法では, 表4 - 1に示 すような1 - 0行列を用いて配置を検討する ことから,

o D交通量の変化が観測点配置 に与える影響はあまり大きくなく, 結果が安定 性をもっといえる. 第4に, 最適解は一般に複数個存在する. こ のことは最適 解の中から配置案を選択する際に, 現実に考慮すべき他の種々の観点を組込む 余地があることを意味しており, その範囲内で観測点配置に 決定者の意向を反 映させることができる.

また, 問題点として以下の点が考えられる. 第1に, 道路網が大きくなるほ どリンクの組合せが多くなり, 計算時間が加速度的に増大する傾向があるため,

改善が必要である. 第2に, 設定する道路網によって解が異なる可能性がある た め , 道路網の設定に注意が必要である. 第3に, 本法ではo D交通量の絶対 量を考慮に入れていないため, 交通量の大小によ って生ずるリンクの重要度を 考慮できない. したがって, 交通量が大きいo Dペアを優先的に捕捉する等の 工夫が必要である.

本章は, 観測系の編成問題に関する基礎的 考察を行なって いくつかの観測

点配置規準とその解法を示したものであり, 必ずしも, 各種の観測目的と 対応 してはいない. すなわち, 観測系の編成問題の考察を行う中で, 本章で取上げ たo D網羅規準が優れた方法であるとの判断を, 達観的に下したのであるが,

明確な設定目標に基づいて規準を決定するのが本来の姿であると思われる. し

(18)

たがって, 以降の章では, 第2章に示した3つの大きな目的に適った交通量観 測系の編成規準の検討とその理論を展開するものである . また, 第6章におい て, 0 D網羅規準が別の意味合いをもつことを示す.

- 70 -

(19)

第5章 非観測区間交通量推定の誤差分析と

5. 1 はじめに

それに基づく交通量観測系の編成

道路交通管理においては, 将来交通計画(道路計画等) ,こ比べ て最新の交通 量データの必要性が高いが , データ利用の状況が不定期的かっ非定型的であり,

利用目的に合せてその都度便宜的にデータを処理しているのが 実情である . こ の点に関して, データ利用の立場からの調査のあり 方に関する理論的検討は,

これまで十分であったとはいえない . したがって, 今後は, 既存調査の中間年 の交通量推定あるいは直接観測されていない区間の交通量推定法の開発などに より , 最新の交通量の推定値を利用しやすい形態で提供できる交通量観測体制 を確立する必要性が高いといえよう .

ところで , 交通量観測体制の合理化に関する考察を行なうためには, 交通量 の推定方法, 推定交通量に要求される精度等に関する前提を明確にしておく必 要がある. 交通量の推定方法としては, 時系列分析による方法が 考えられるが,

この種の方法は, 既に述べたように, 適用によっては難点が生ずる場合がある.

したがって, 他の方法によって交通の現状を合理的に推定することが可能な場 合には, 積極的に用いるべきもので はないと考えられる .

そこで , 新たな方法として, � 3. 4で論じたように , リンク交通量のo D内 訳を用いて非観測区間の現在交通量を推定する方法が 考えられる. この方法は,

交通量観測値を用いて交通量の現状を反映させることが でき, また, 各リンク のo D内訳については既存の交通量配分結果等を利用すればよく, 大きな労力 を要しない利点がある.

本章は上記の方法による交通量推定lこ対して, その推定誤差に関する定式化 を試みるとともに, 観測点の位置分布状況が推定誤差に及ぼす影響および誤差 評価に基づく最適観測系の編成法について考察し, その理論 を実在の道路網に 適用した結果を示すものである .

(20)

5. 2 非鋭測区間の交通量推定誤差の解析

5. 2 . 1 リンクのo D内訳, 観測交通量に含まれる誤差の影響t9)・ 20)・22)

第3章で示した非観測区間の交通量推定式を再掲すれば以下のと お りである.

すなわち, リンクmの推定交通量をtm' , リンクm内の観測o D交通量の推 定値をf m ' とすれば,

t m' ( 1 + r m) f m'

f m' ヱ U jjm (2: V jj門 q 門. ) ijEFm MEM

ここに, r m = h m/ f m, f m 2: t j jmh m ヱtj j m i j E F m i j E Hm U j jm t jjm /Tjj, Tjj 2: t jj門

V jj門 t j j門 / ヱtj j門 ij E G

M E M t j j門 /t門

( 5 -1 )

F m, H m:リンクmを流れるo Dのうち, 道路網内の観測 点、において, 少なくとも一部が観測されているo Dペアの 集合および全く観測されていないo Dペアの集合

M:観測リンクMの集合, G : ODペアの集合

なお, 上式中, 観測リンクはMで, 一般のリンクはmで表わす. また, h m はリンクm内の非観測o D交通量, リンクm内の非観測o D交通量の観測o D

交通量に対する比率をr m, T j jは観測リンク(M E M)全体におけるi j間 o D交通量の総和, t i j mはリンクmを通過するi j間o D交通量, U i j m は観 測されたi j間o D交通量Ti jに対するリンクmのi j間o D交通量の比率,

q門・ は観測交通量(誤差を含む) , t m ( t門)はリンクm(観測リンクM )の 交通量, V j j門は観測リンクの交通量に占めるi j間o D交通量の比率をそれ ぞれ表わしている .

リンクmを通過するi j間o D交通量は, 交通量配分計算や路側o D調査の 結果として入手できる数量であり, 誤差e i jmを含む . すなわち, 真値t i j mに 対して, 入手できる値ti J m' は次式で表わされ る .

t i J m' ニt jjm + e jjm ( 5 -2 )

- 72 -

(21)

また, リンクMの観測交通量には誤差L1 q門が含まれているとすると, 真値qM lこ対して観測値qM' は, 次式で表わされる.

q門, q門 + L1 q門 ( 5 -3)

ここに, 観測 結果においても, 0 D交通量の配分計算の結果においても真の リンク交通量は一致すべきであると考え, q M= t門 とする.

さらに, 誤差e i j mの各種集計値を次のように定義する.

α m ヱ e i j m,

i j E F m

e m L e i j m,

i j E G

βm= L e i jm i j E Hm

E i jニヱe i j門 M E M

( 5 - 4)

ここで, 誤差e i j mの期待値がOであるものと仮定すれば, α m, βm, e m,

E i jの各値はf m, h m, t m, T i jに対して極めて小さいと考えることができ,

これに基づいて, リンク交通量tm の推定誤差の解析を行なえば以下のとおり である.

r mの誤差をL1 r mとすれば, 式(5-1) , (5-2) より, 近似式(5 -5 ) が導かれる

(付録A参照)

h m+βm

r m+ L1 r m

f m+ α m

h m βm α m

'. L1 r m与 一一一 (一一一一一一一)

f m h m f m

h m βm

一一一 ( 1 +

f m h m

α m

( 5 -5) f m

(5-5')

次にf mの誤差を L1 f mとすると, f m+ Ll f mは式(5 -2 ) を式(5 -1 ) の諸式に代 入して整理した結果より得られ, 近似的に,

f m f m+ L1 f m

ニ乞(u i j m + L1 U i j m) ヱ (v i j門+ L1 V ij門) ( q門+ L1 Q門)

ijEFm MEM

ーf m+ α m- L { i j E F m

" L1 f m α m - L {

i j E F m となる (付録A参照)

t ijm+ e ijm

T I J ; i

t ijm+ e ijm

T ; I J i

ヱt i j門 MEM

ヱt i j門 MEM

e 門- L1 Q門 t門 e M L1 Q M

t門

( 5 -6)

(5- 6')

ところで, mリンクの推定交通量tm および推定誤差L1 t mは次のように表

(22)

わせる.

t m . - t m+ L1 t mニ( 1 + r m十 L1 r m) ( f m + L1 f m)

( 1 + r m) f m + L1 r m f m十(1 + r m) L1 f m + L1 r m L1 f m .. L1 t m - L1 r m f m + ( 1 + r m) L1 f m + L] r m L1 f m

( 5 -7 )

上式右辺の第3項は微小項と考えられるので省略する. その上で, 式(5-7) に式(5 -5・)および式(5 -6・)を代入して整理すれば, 推定誤差L] t mが近似的 lこ次式で表わされる.

1 e 門- L1 q門

L1 t m=; e m一(1 + r m)ヱ(t jjm+ e jjm) i j E F m

ヱt i j M (

T jj ME M t 門

( 5 -8) なお , ネ ッ トワー クにおけるシミ ュ レーシ ョ ンによれば, A t mに関する厳

密値(式(5-1) ,こ式(5 -2 )を代入して 得られるt m+ L1 t mからt mを差し号|し1た 値)と式(5 -8 )より得られる値との相関係数は, e i J mの大小にかかわらず,

ほぼ1. 0である. したがって, 式(5 -8)はL1 t mの推定の上で十分な精度を有 するといえる. また, 式(5 -8 )をさらに簡略化した次式により得られる値と 厳密値との相関係数がまた1.0であり, 十分な精度を有する.

、、,ノnwu

rhu 〆't、、

\3/ 門一q一A一円一t門一白し一/'t‘、門-・J

+LMm

?L-E BMm -m一・J・J一iT4EL-m nr

'BA + rA m \,j すμE

m ρ』

」一.m 4ziv A

5. 2 . 2 観測点の分布状況と推定誤差との関係

式(5 -9 )の第1項は, 配分計算等による誤差であり, リンク固有の値である ことから , これ を固有誤差と呼ぶことにする. 一方, r mはリンクmの観測O D交通量に対する非観測o D交通量の比率であるので, 第2項の1 + r mは,

リンクm中の観測o D交通量が増加するに従って減少し, すべてのo Dが観測 され た状態では r m- 0となり最小値1をとる. 誤差e j j mを確率変数とすると,

式( 5 -9 )で表わされる L1 t mも確率変数である. また, L1 q Mも確率変数と考え ることができるが , 本研究の目的は, 道路網上の交通量観測点、の適切な位置分 布の追究に あるので, 直接に制御が不可能な観測j交通量q門の誤差が及ぼす影 響に関しては, 異なった観点、からの分析が必要であると判断し, L1 q門= 0の場

- 74. -

(23)

合のみを対象とする. このとき, 式(5 -9)は,

Ll t m e m (1 + r m) ヱ t jjm g jj i j E F m

ここlこ, 1 t i j門

g j j = 一一一 L e M

Tjj MEM t 門

( 5-10)

上式において, e m ( e 門), g i jはともに確率変数である. e m ( e 門)の期待値を

e m" ( e 門. ) , 分散をσ m2(σ 門2 )と し, e m ( e 門)が互いに独立であると仮定す

れば, g j jの期待値gj j., 分散σ 9j j2は次のように表わされる.

t j j門 g i j車= 一一一- L 一一一一一 e 門

Tjj MEM t 門

1 σ 9 j j 2= (一一一) 2

T j j

t j j門

( 一一一一) M E M t 門

( 5-11)

2 門σ 2

式(5-11)を用いるとLl t mの期待値Ll t m", 分散σ t m2が次のようにえられる.

Ll t m帽 e m帽一 ( 1 + r m) ( t iJmg jJ申〉

i j E F m ( 5-12)

σ t m2= σ m 2 + ( 1 + r m) 2 L ( t j J m 2σ 9 j j2 )

i j E F m

式( 5-12)で与えられる第mリンク交通量の推定誤差の期待値と分散とは,

観測リンクの数と組合せによ って異な ってくる. 解析によれば あるリンクm

の交通量を構成するo D交通量の成分が他の観測リンクMで観測される割合が 高いほど, リンクmの交通量推定誤差は小さくなる. すなわち, 一般的傾向と して多数の観測点、を設置することは, ( 1 ) F mの要素数の増加, (2)同一o Dに関 する複数リンクによる多重の観測の2面からσ t m2の第2項(伝播誤差)を減 少させる効果があることがわかる(付録B参照). 逆説的にいえば, 観測点を 多数追加しても, 伝播誤差部分が減少しない場合には, 追加リンク群に含まれ るリンクの個別的追加も効果はないと考えることができる. このことは, 後に 述べる分枝限定法による解析の際の探索枝棄却の根拠になりうるものである.

5 . 3 推定誤差の評価と観測系の最適化問題

ここで, 推定誤差の評価法と これを用いた最適観測系の編成法について考察 する. 式(5-12)に示されたLl t m.は正負いずれの値をもとり得ることから, Ll

(24)

t m '"'が正の場合にはLl t m'"'+σ tm が, また, Ll t m. が負の場合にはLl t m'"'-

σ tmがそれぞれ絶対値の大きい側の推定誤差のσ点となる. この値の 絶対値を できるだけ小さくすることにより, 各リンクの交通量の推定誤差を全体として 減少させることができる. そこで, 各リンクにおける誤差の評価 に関して次の 関数を考えれば, Ll t m.> 0の場合には第1項が, また, Ll t m.< 0の場合に は第2項が卓越し, 絶対値の大きい側のσ点、の大きさを表現することができる.

λm2= {(Ll t m.+ σ t m) 2 + (Ll t m" σ tm)2}/2

Ll t m・2+σ tm2 ( 5-13)

入m2はリンクmの推定誤差の評価値であるので, この値が各リンクで許容さ れる範囲内であることが望まれる. すなわち,

Ll t m'"'2+ σ t m2 2玉τ m2 ( 5-14)

ここに, τ m はリンクm に求められる誤差許容水準値であるが, 一般的な許容 水準に各リンクの重要性を加味して決められる値である(例えば,一般的な許 容水準pに対して, τ m をp/ t mの関数とするなど〉

交通量観測点、の最適配置の問題は, ( 1 )観測点数一定の制約条件下での式(5- 1 3 )のλm(入m2)の和または積の最小化, (2 )各リンクに対する式(5-14)の制

約条件下での観測点数z (目的関数〉の最小化, の2通りのア フ ローチが考え られる.

( 1 )は, 観測点数を現状の値に凍結する, ある いは予算面から既存のまま に 止める場合に観測点、の位置を決定する問題となるが, 明確な目的関数の設定が 難しい. ( 2 )は目的〈制約条件)達成のための観測系の編成〈観測点 数と位置 の同時決定)を行なうもので, より自由度の高い最適化問題の定式化が可能に なる. そこで, ここでは必要な観測体制の追究に重点、を起き, ( 2 )の考え方に 基づいた次式(5-15)による最適化問題について考察することとする.

L

Minimize Z Lどm (5-15)

m=1

s. t. Ll t m"2+σ tm2 豆τ m2 (for all m)

- 76 -

(25)

5 . 4. 0 D交通量データに誤差が含まれる場合への適用と考察

本節においては, 前節までに述べた考え方に基づき, まず実在する道路網を

設定した上で, 非観測区間の交通量推定に必要となる既存のo D交通量に誤差 が含まれる場合を想定して, その場合の道路網における観測点の代表性, 望ま しい観測点位置分布について考察し, 対象リンクを限定した最適配置を試みた.

その際に基礎データとして必要となるリンクの固有誤差の期待値, 分散は, モ ンテカルロ シミ ュレーシ ョ ンを行なうことによ って求めた.

5 . 4 . 1 対象道路網の設定および使用するo D交通量

道路網の設定は, 都市域をカバーできる大きさとし, 全てのリンクを含む状 態とすることが望ましいが, 現実には計算量や利用可能データ等の制約のため,

ある程度限定された道路網とせざるを得ず, 本研究では図5 - 1に示す道路網 を設定した . この道路網は, 昭和60年の全国道路交通情勢調査における福岡都

汁川

'動道方道臼団地県述蝦要市高一主一

何υ

図5 - 1 道路網

(26)

ゾーン番号

1 ,..._, 2 0

2 1

2 2 2 3 2 4 2 5

表5 - 1 ゾーンの内容 ゾーンの内容

道路網内のゾーンであり, 図5- 1に示す.

鹿児島県 ・ 熊本県 ・ 久留米方面 佐賀県 ・ 長崎県方面

北九州市 ・ 本州方面 筑豊地方 ・ 行橋市方面

宮崎県 ・ 大分県 ・ 甘木市方面

市圏の道路網であり, 国道, 県道と幹線市道からなる. 道路網のリンク総数は

13 9本(うち133本を解析に用いた )であるが, 福岡部市高速道路は供用以前で あるため含まれていない. 図においてリンクの横に示される数字はリンク番号,

O印は発生集中ゾーンを代表するノードであり, 全部で20個が含まれる. また,

対象道路網の範囲以外の周辺地域については, これを適度の大きさにまとめて 考察lこ加えるが, 結果として表5 - 1に示す5ゾーンとした .

使用した o D交通量は, 昭和60年の福岡県実在道路網への配分のためのo D 交通量データ(昭和60年全国道路交通情勢調査自動車起終点調査による)で,

ゾーン数は240である. その内訳をみ ると福岡県内の細分ゾーンが209, 県外に ついては九州内生活圏30ゾーン, 本州方面lゾーンである. 0 D内訳データは,

昭和60年のo D交通量を福岡県内の対象道路網の全リンク17 7 1本に配分するこ とによ って求めたものである.

5. 4 . 2 0D交通量の誤差発生方法

データとして入手できる各リンクのo D内訳は, 路側o D調査や交通量配分 計算の結果であり, 誤差を含んでいる. 本節では, 0 0調査の結果から得られ

るo D交通量のみに誤差が存在すると仮定して, その影響を分析する. その基

本的な 方針は以下のとおりである56】.

o 0交通量に含まれる誤差が正規分布に従うと仮定しよう. ここで,

X i j: i j聞のo D交通量

e i j : X j j ,こ含まれる調査誤差

- 78 -

(27)

S :総トリ ッ プ数(L X jj)

N :標本抽出により調査されるトリ ッ プ数(抽出率α=N / S )

P 1 j jニ X jj/S , P2jj= 1 - P lij

W :信頼度 により定まる定数(信頼度95%に対してW=l. 96)

とすると, 抽出率と信頼限界に関する理論から, X j jの信頼限界K x j jは,

Kxjj= X jj =t w j P ljjP2jj (1 - α) /N X S (5-16)

で与えられる. ここで, シミ ュ レーシ ョ ンにおいて設定すべき誤差の絶対値の

最大値(MA X I e j j I )を信頼限界より,

MA X I e j j = w j P 1 i j P 2 j j ( 1 - α) / N X S (5-17)

とおけば, MAX I e jj I は, 抽出率αに応じたo D交通量の誤差の95%を含む 範囲を 規定するものとなる. また, 0 D交通量の標準偏差σ xj jは,

σ xjj- J P lijP 2jj ( 1一 α)/ N X S ( 5-18)

で与えられる. したがって, 平均値X j j, 標準偏差σ xjjの正規分布に従う確 率変数の うち, 区間(X j j - MA X I e j j I , X j j + MA X I e j j I )の範囲にあるも のをo D交通量に含まれる誤差として 用いれば, 全体の95%が捕捉できること になる

次に, 上述の方法で発生させた各o D交通量の誤差を, どのようにリンクに 配分 するかを考察する必要があろう. この点に関して は, 次の点、を考慮する必 要がある. すなわち, 等時間配分原則の理論では, 0 D交通量を道路網に配分 した結果において, 同一o D間に 発生 する複数の経路の所要時間は等しいこと が保証される. したがって, 0 D交通量の微小な変化といえども, この理論に 基づく限り均衡は保たれず, 新たな均衡解を求めるに は変化後のo 0交通量を 道路網に配分しなければならない . し かし, 本研究で用いた分割配分法は近似 解法であり, 結果は 必ず しも同ーのo 0閣の経路の等時間性を保証しない . ま た, 個々の運転者は経路の所要時間を正確に知ることはあり えず, 実態として 経路聞の等時間性を保証 することは不可能である. このような理由から, 本例 におけるo 0交通量の微小誤差に関して , 経路間均衡条件を追究することはあ まり意味がなく, 各リンクのo D別交通量に応じた誤差の比例配分の処理で十 分である. この とき, 各リンク において配分された誤差をリンク交通量に加え た値が負にならない こと, およびリンクの容量を超えないこととい う2条件を

(28)

付した.

5. 4 . 3 固有誤差の期待値と分散

5. 4. 2で述べた条件下で乱数を発生させて, モンテカルロ シミ ュ レーシ ョ

ンを行なった. なお, 推定誤差式(5-8), または式(5 - g)を直接用いる場合 には, 抽出率による誤差の大きさと , 観測リンクの組合せ数との関係でシミュ レーシ ョ ン回数が膨大なものになる. そこで, 分析作業の効率化の観点から,

あらかじめリンクmの固有誤差の期待値e J, 標準偏差σ mを求めておき , こ れを固定値として分析に用いることとした. 300回程度の シミュ レーシ ョ ンで 比較的安定したe m\ σ mを得られることが分か ったので19)・20〕, この結果を 用いている .

抽出率αを 0.01--0.05までのO. 0 1きざみで5ランクとして, 各リンクの誤差 の期待値e J, 標準偏差σ mを求め, リンク3, 40, 53, 112についてe m\ σ m を図示したのが図5 - 2である. e m・はσ mに較べて極めて小さく , ほぼOと 考えてよい. 本節の分析においては, 正規分布に従う期待値0の誤差を , リン

ク中のo D交通量に応じて比例配分したため, e JがOに近い値をと ったこと は当然の結果である . また, 標準偏差σ mは抽出率αの増加に比例して減少し,

リンク間で大きさが異なる.

抽出率1 %において, リンク交通量に対するσ mの比率(誤差率)を求め,

o Dペア数との関係を示したのが図5 - 3である. 0 Dペア数が比較的大きく,

多く の種類のo D交通量が集中しているリンクでは誤差率は比較的小さく なり,

その幅も狭まるが, 交通量が少 数のo Dぺアに限られているリンクでは誤差率,

その幅ともに大きな値をとることが図 から読み取れる.

5. 4 . 4 観測点の代表性に関する検討

本項においては, 固有誤差の期待値と分散を用いて伝播誤差を算出し, 観測 点の代表性に関する考察を行うものである.

( 1 )観測点の選定による伝播誤差の変動

推定誤差のうち, 固有誤差はリンクのもつ固有の値であり , 観測リンクの組 合せによ って変化するものではないが, 式(5-11) . 式(5-12)からも分かる

- 80 -

(29)

QJ (次)掛制時

J E AU -、、l

o一一一一一o �Wωz;

100 120

00ベア 60 80

40

., 0

o 0

20 1.0

IUJ {.1 (�l

112 5.0 tlb :1l�!: ( % ) t'; )0

g

10 2.0

0.0

00ぺア数と固有誤差の誤差率との関係 図5-3

固有誤差の期待値と標準偏差 図5-2

100 推定可能なりンク数 50

100 (訳)川町公団ロR民

40 50

3.53

(0 5.0

抽出来 ( % )

抽出率と伝鰭誤差の標準偏差

3.0 2.0

10

図5-4

(no

×

'-' 2.0 9

!1 t; 1.0

‘呈 l河 o.

許容誤差率内で推定可能なリンク数

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伝活設差の大IJ、と道路網内の位置関係

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