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修 士 論 文 の 和 文 要 旨

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Academic year: 2021

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修 士 論 文 の 和 文 要 旨 

 

大学院  電気通信学  研究科博士前期課程  量子・物質工学  専攻  氏     名 戸倉川 正樹  学籍番号 0433031 

論 文 題 目 Yb3+添加希土類酸化物セラミックモード同期レーザー   

〜背景〜 

固体レーザーにおいてそのホスト媒質にはガラスや単結晶が用いられてきた。

我々は神島化学工業との共同研究でナノサイズ微結晶製造技術と真空焼結技術を 用いて高品質のセラミックス媒質を製造する事に成功し、種々のセラミックスで 分光特性やレーザー発振実験の報告をしてきた。本論では作製されたYb3+添加希 土類酸化物セラミックの特徴を活かし、LD励起モード同期発振の実現を目指した。

 

〜Yb3+イオンの特徴〜 

Yb3+励起状態吸収(excited state absorption)が存在しない為に高い量子効率 が得られる。また励起波長と発振波長が近いために量子欠損(quantum defect)が 非常に小さ事から、Yb3+は非常に高い光光変換効率での発振が可能である。しか し準三準位レーザーであるYb3+は波長によっては再吸収が存在する。そのため高 効率に発振を得るためには高強度励起が必要となってくる。また今回用いた結晶 中では940nm と975nm近辺に吸収帯域を持ち励起にGaAsの半導体レーザーを用い る事ができ高い電気光変換効率が得られるという利点がある。 

 

〜希土類酸化物の特徴〜 

希土類酸化物は高い融点を持ち既存の単結晶製造技術では高品質の試料は作製 が困難であった。我々はセラミックス技術を用い高品質の希土類酸化物を作成す ることに成功した。希土類酸化物はYAGと比べ結晶場の影響が出易く、活性イオン スペクトルの広がりが起こり易い。Yb3+添加で放出スペクトルの半値全幅から Sech2型パルスを仮定しフーリエ変換限界パルスを計算するとYAGでは140fs程度 となるが、希土類酸化物では100fs以下となり、Y2O3場合は75fsとなる。また希土 類酸化物はYAGと比べ高い熱伝導率、高い屈折率、非線形屈折率を有している。モ ード同期レーザーを考えた場合、高非線形屈折率は自己位相変調による発振波長 の広帯域化や、カーレンズモード同期に有益な特性と考えられる。 

 

実験結果 

SESAM(semiconductor saturable absorber mirror)を用いてYb3+:Lu2O3中心 波長1034nm‑352mW‑Δλ3.2nm‑357fs、Yb3+:Sc2O3セラミック中心波長1041nm‑88m W‑Δλ1nm‑1.16ps、 Yb3+:YAG中心波長1050nm‑180mW‑Δλ1.2‑3ps、Yb3+:Y2O3中 心波長1038nm‑220mW‑Δλ6.5nm‑188fs(Δt・Δν=0.340)というモード同期発振 を得る事に成功した。特にYb3+:Y2O3 の値はYb3+添加希土類酸化物において単結 晶を含めてこれ以上短いパルスは報告されていなく、世界最短のデータである。

   

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