BulletinofFacultyofEducation,NagasakiUniversity:Curriculum andTeachingNo.45(2005)15‑29
分数指導 における数理体験活動 の考察 一 算数的活動の視点か ら 一
平 岡 賢 治* 池 田 敏 彦* *
(平成17年3月15日受理)
A St ud yo fAc t i v i t i e so fMa t he ma t i c a lExpe r i e nc e o nTe a c hi ngo fFr a c t i o ns
‑ Fr om t heVi e w Po i ntofAr i t hme t i c alAc t i v i t i e s‑
Ke nj iHI RAOKA * Tos hi hi koI KEDA * *
(ReceivedMarch 15,2005)
1.
は じめに長崎大学教育学部附属小学校算数科では 「数理的な事象 との出会 いの中で, 自 らの数理 感覚 をみが さなが ら,数学的な見方 ・考え方 を広 げ,転換 し,つなげ,新 たな数理 を発見 す る子供」 を育てることをめざ した授業開発の実践的研究 を行 い, この活動 を 「数理体験 活動」 という
。
「数理体験活動」は現行 の小学校学習指導要領「算数」の目標 に,新 しく取 り 入れ られた 「算数的活動」 に対応す るものである。小学校算数科 における分数指導 はいろいろな課題 を抱えなが ら今 日に至 っている。分数 の学習 は,子 ども達 の多 くが苦手 とす る単元の1つである。 日常生活では,分数 を活用す る体験 は多い。 しか し,実際 に分数 を用 いて考え るよ うな場面 はほとん ど見 られない。 こ のよ うな現状 も分数 を苦手 とす る要因の 1つであると考 えている。例 えば,
「
○等分 のい くつ分」 とい う表現 は頻繁 に用 い られているが, その四則計算等 は日常生活の中で必要性 はあま り感 じられていない。小学校高学年で学習す る商分数,割合 分数,異分母分数, そ れ らの乗除計算 に対応す る日常生活での必要性 はます ます遠 のいている。 このよ うな現状 を考え ると,子 ども達の生活の中で分数 に対応す る 「数理体験活動」 を期待す ることは, ほとん ど困難 な現状 にあると考え られ る。しか し,子 ども達が 日常生活の中で,分数的な内容 を経験す ることはかな りあると考え ている。 筆者達が共同研究を行 うことにな ったきっかけは,算数科 の教材の話合 いの中で, 次の算数パ ズルを話題 に したことであ った。
*長崎大学教育学部 **五島市立三井楽小学校
16 長崎大学教育学部紀要 教科教育 Na45(2005)
‡ を次 の よ うな単位分数 (分子 が1の分数)の和 にあ らわ してみ よ う0
2
‑ ‑古 ・吉
3この口,○ の値 を求 め るため,筆者 の1人 は様 々な数 の組合 せ を何通 りも考 え たが,解 く ことがで きなか った。 それ は,単位分数 を考 え る ことの意 味 に戸惑 いを持 った ことが大 き
な原因 の1‑ で あ ったo しか し, この ‡ の持 つ意 味 を
「2
個 の ト キを3人 で等 分 す る方 法」と考 え, 丸 い2つ の 円を書 いて, それ を3等 分 す る具 体 的 な操 作活 動 を行 うと, この 単 位分数 へ の分割 は小学生 で も扱 え る教材 にな る と, す ぐに直観 す る ことがで きた。筆者達 は,小学校5年生 の分数指導 を「単位 分数 ‑ の分割」を教 材 と した15時 間分 の授業 案 を作成 した。 全体構成 を「数理体験 活動」の視点 か ら,各1単 位 時 間 の授業 を 「算数 的活 動 」 の視点 か ら授 業構成 を行 った。 本 稿 は, その第1時限 の授 業 につ いて一,算数 的活動 の 視点 か ら考察 を行 った もので あ る。
2. 分数 と数理体験活動
ェ ジブ ト数 学 で は,‡ 以 外 の分数 を単 位 分 数 で考 え て いたo リン ドパ ピル スに は, 被 除数 が2, 除数 が3か ら101まで の奇 数 で あ る と きの商 の値 が,異 な る単 位分数 の和 と し て表示 されて い る。 これ は次 の よ うな観点 で考 え られて いたので あ ろ うと推測 されて い る。
(佐 々木
,1 9 9 4 )
(1) 分解 によ って出て くる単位分数 の個数 をで きる限 り少数 にお さえ る。
(2) 最 初 に書 かれ る分数 をで きる限 り大 き くす る。
(3) 2項 よ りも多 い場合 には最後 に出て くる分母 をで きるだ け大 き くす る0
また,
G. G.
ジ ョーゼ フ( 1 9 9 6 )
は,単 位分数 の計算 はエ ジプ ト独特 の もので,他 で はほ と ん ど見 る ことが で きな い と述 べ て い る。 この理 由 と して, 「貨 幣経 済 で な い社 会 で は取 引 が品物 で行 われ るか ら,配 分 の ための分数計算 が必要 にな る。 食料 を分配 した り,土地 を 分割 した り, ビールやパ ンの製造 の ため に何種 類 か の穀物 を混 ぜ た り, とい うよ うな実生 活上 の問題 に は分数計算 が欠 かせ な い」 な どを あ げて い る。 この よ うな単 位分数 の考 え方 は,子 ど も達 に と って 日常生 活 の中 にあ る分数 の考 え方 を,活動 を通 して再 発見 す る 「数 理 体験活動」 に適 す る教材 で あ る と筆者達 は考 えて い る。多 くの教科書 で は,分数 を量 分数 か ら導入 し,次第 に他 の場面 で の分数 の意 味 づ けに発 展 させて い る。 しか し,分数 の意味 は,分割分数,操作分数 ,割合分数,量分数,商分数, 有理 数 と して の分数 な ど多様 な内容 を持 って い る。 (中原,2000)) また
,
「分数 が で きない大学 生」に代 表 され るよ うに,算 数 ・数 学 の学 力低下 が社 会 問題化 して い るの も, この 分数 の持 っ意 味 の多様性 が大 きな要 因 の1つ にな って い る。 (西村,2000)
本稿 で の分数指 導 の考察 は, 「単 位 分数 ‑ の分 割」 を, 具体 的 な操 作 活動 によ る分数 の 意 味理解 に視点 をあてて行 った。 授業 での教 師 のかか わ りは
,
「除法 と分数, お よび整数, 小数,分数 の相互 関係 や,異 分母 分数 の加減算 の仕方 を調 べ る活動 を通 して,単 に形式 的平岡 ・池田:分数指導 における数理体験活動の考察
一 算数的活動の視点か ら ‑ 17
な理 解.に とどま らず, 自分 な りの見通 しの もと,進 んで問題解 決 に取 り組 み,数理感覚 を みが きなが ら, 除法 と分数 の関係 を統 合 的 に考察 し,分数 を1つ の数 と して と らえて活用 す る ことの有 用 さを実感 す る こと」と した。
授 業 は,単 元 初 発 の数 理体験 活 動 と して,4個 の ケ ーキを6等 分 す る とい う「大 きなか た ま りで等分 しよ う」とい う課題 を考 え させ る ことか ら始 めた。 す なわ ち,「4個 の ケーキ をで きるだ け大 きなか た ま りで6等分 す る」意 味 を理 解 す る ことか ら数 理 体験 活動 が始 ま る。 ここで は,帰納 的 な方法 によ り, ケーキを等分 す る課題 の理解 を図 った.具体 的 には,
2人 で4個 の ケーキを分 け る。 3人 で4個 の ケーキを分 け る。 4人 で4個 の ケ ーキを分 け る。 そ して, 6人 で4個 ケーキを分 け る。 この手順 で ケーキを分 け る課題 か ら, 分数 の分 解 へ と思 考 の対象 を変化 させ ると同時 に,帰納 的考 え方 を経験 しなが ら,算数 的 な考 え方 の よ さを体感 させ る ことをね らい と して い る。
3.
算数 的活動 の要 因'附属 小学校 で行 われて きた数理体験 活動 を取 り入 れ る算数科 の授業 は,全体 の単元構成 を 「問題 を と らえ る」‑ 「数 理追 求」‑ 「数理獲得」‑ 「数理 を活用 す る」 で構成 して い る。
また,1単位 時間 の授業構成 は,子 ど も達 が算数 的活動 を行 う視点 に立 ち,3段 階 の授 業構 成 を行 う。 さ らに, 算 数 的活動 を誘発 す る要 因 と して, 「既習 の知 識
」
「算 数 的考 え方」
「創 造性 の基礎」
「算数 の活用」の4つ を考 えて,教 材研究 や授業構成 を行 う。(平 岡,2004)単 元全体 の構成 は, 資料 1に示 して い るが,本稿 で は, その第 1時 につ いて考 察 す る。
第 1時 の授業構成 は,次 の よ うに行 った。
第 3段 階
第2段 階
第 1段 階
ケ ーキを等 分 に分 け る こと の意 味 を理 解 す る
6等分する方 法が,いろい ろあ る ことに 気づ く
4個 の ケ ーキ を 6人 で等 分 に分 け る方 法 を考 え る
1人 分 の量 を 表 す 方 法 を考 え る
6等分する方 法を 分 数で 表 す こ とが で き
る
割 り切 れ な い 割 り算 の 商 と 分 数 の 関 係 を 考 え る
18 長崎大学教育学部紀要 教科教育 Na45(2005)
授業構成の段階 において,算数的活動 を誘発す る4つの要因を次 のよ うに捉えていた。
(丑 「既習の知識」について
ケーキを分 けることは, 日常生活の中でよ く行われ ることである. この分割 を分数 で表 す ことは,n等分す るとい う表現 で表 しているが,i と表す こ.n ともあ る。 この 関係 を,本時で もう一度確認 をす る。
② 「算数的考 え方」について
4個 のケーキを,2人で等分す る方法,3人で等分す る方法,4人で等分す る方法, そ して6人で等分す る方法 とい う帰納的な考え方 を経験す る。
③ 「創造性 の基礎」について
ケーキを等分 した1つのかたまりを分数で表す こと, また 1人分 の量 を分数 の和で 表す ことがで きることがで きるよ うにす る。 1つの分数 を異 なる分数の和で表す こと がで きることに気づ く。
④ 「算数の活用」について
日常生活 において,等分 に分割 した量 を分数で表 し,全体 の量 を計算す ることがで きることを確認す る。
4. 分数指導の実際 とその考察
1ケーキを等分 に分 ける意味を理解す る。
日常生活では,分配す るのに大 きなかたま りで等分す ることが よ くある.
授業 は,4個 のケーキを4個 の○で表 し,子 ども達 に提示す ることか ら始 めた。帰納的 な考え方 によって, まず
2
人で等分す る方法 を考えさせ ると, ほとん どの子 ども達が「2
個ずつのかたま りで等分すればよい」 と答えた。 ここでは,操作的活動,すなわち図を用 いて確かめること, この操作 を
「4÷2‑2
」の式で表現す ることもで きた。 これは,既 習の知識を適用 していると考え ることがで きる。そ こで,子 ども達 の考えに揺 さぶ りをかける意味で,各 ケーキを下図のよ うに等分 して 提示 した。 これは,2人がそれぞれのケーキを半分ずつ分 ける方法 もあることを示すため であ った。
qD( ] DqD( ] D
しか し,子 ども達 は, ケーキを2個ずっ分 ければいい こと, そ して,で きるだけ大 きな かたま りで等分す ることに反す ることを確認 させ ることがで きる。一方, この分 け方 は日 常生活では自然 な分 け方であることも全員で確認す ることがで きた。
.分数指導における数理体験活動の考察
平岡 ・池田: ‑ 算数的活動の視点か ら ‑ 19
2 算数的活動 の必要性を抱 く。
この後,教師側か ら順次3人,4人,6人でそれぞれ等分 したときの1人分の大 きさを 求 める課題 を提示 した り,式で表 した り,具体的な操作で等分す る方法を説明す る算数的 活動 を通 して, これ らの関連 を考え させ ることになる。
3
人で等分す る方法 は,4÷3
‑1 . 3 3 3
‑ とな り,割 り切れない。 しか し,ー4
個 のケー キを等分 に分 けよ うとす ると,次の2つの図①,② のよ うな方法が,子 ども達か ら導かれ た。① は1個のケーキをそれぞれ3等分す る方法であるが, これは日常生活の経験か ら導 かれたものであるo計算では4÷3‑i ‑‡×4
となるが・これは後で舶 させたい楠 であるo=二
二 =
二 二 =‑: = =二二
二また,計算
「4÷3‑1
あま り1 」
の意味を考え ると, まず1
個ずつのケーキをわけて, 残 った1つのケーキを図のよ うに3等分 してわける方法であるが, これ も日常生活の経験 を通 して子 ども達か ら導 くことがで きた。○ ( 〕○ ぬ ‑
‑②ところで,子 ども達 は割 り算 を分数で計算す るのではな く, ほとん ど全員が小数で商を 表す。 この場合,求 めた小数で分割 を表す ことは大変難 しい。 しか し,図による3等分を 分数 ‡ で表す ことはで きる。 この ことに気づかせ ることが,算数的活動 を誘発す る要因 の1つである 「創造性の基礎」 を培 うことになる。
4
人で等分す る場合 は,4÷4‑1
とな り,1
人1
個ずつ分 ければよい。また,6人で等分す る場合 は,4÷6‑0.666‑ とな り,割 り切れないため商 を求 め る ことがで きない。子 ども達 は3人の分割 と同様 に図を等分 して求 めよ うとす るが, 1個 ま るごと分 けることがで きないことに気づ く。 ここで,本時の課題 である 「4個 をで きる限 り大 きなかたまりをつ くり6人で等分 しよ う」 を提示す る。
ここまでは,第1段階の授業であるが,・そのね らいは,
O
「等分す る行為」が,除法で表現で きること,
「その結果」 が整数 や分数で表現で き そ うであること。○ 等分す る際は,与え られた個体をで きる限 りそのまま,つ まり,大 きなまま等分 しよ うとす る行為が 自然であること。
の2点 に気づかせ ることである。 ここで教師のかかわ りは,次の3点が重要 になる。
○
図 による具体的操作が可能 となる学習材を準備す ること。○
等分の行為を式で表現す ることを促す発問す ること。○
多様 な分割方法を認 めると同時 に,不必要 に単位 を分割す る行為 を示す こと。20 長崎大学教育学部紀要 教科教育 Na45(2005)
3 4個 のケーキをで きるだ け大 きなかたま りで6等分す る。
第2段階で は,「4個 の ケ‑キを6人 で等分 す る」 課題 を考 え させ る。子 ど も達 は,2 人,3人,4人 の場合 につ いて話 し合 った ことか ら,6人 の場合 に この考 え方 を適応 させ
る方法 を考 え るさせ る。数学的活動 の視点か らは,帰納的 な考 え方 と類推 的な考 え方 を用 いて,普遍的 な方法 を考察す ることがね らいで もある。 ここで は,特 に思 考の継続 のため に,学習への意欲 を喚起 す ることが重要 であ る。実際,授業 で は子 ど も達 は次 のよ うな3 通 りの方法 を考え出 した。
( 1 )1
個 のケーキをそれぞれ6
等分 して,6
人が4
個 のケーキか らそれぞれ1
つずつ取 る。* * * *
・ ・ ・ 4 ・ 6 ‑ i
(2)1個 のケーキをそれぞれ3等分 して,6人 が2個ずっ取 る。
ぬぬぬぬ ・ ・ ・ 4 ÷ 6 ‑ ‡
(3)3個 のケーキをそれぞれ2等分 し,残 り1個 を6等分 して,‡ の ト キ と ‡ のケー キを1個ずっ取 る。
0 0 0 顧 ・・
・4÷6‑÷・÷
授業 において,教師 は,で きる限 り子 ど も達 の考え方 を活かす ことが重要 である。 その ためには,子 ど も達一人 ひ とりが分割す る方法 を記録 す ることが,評価 を含 めて, その後 の指導 において も重要 になる。
4 結果 を紹介 し合 い,等分 の方法や1人分 の大 きさにつ いて話 し合 う。
1) (1)
,( 2 )
の方法 につ いて実際授業で は,子 ど も達 は前述 の3通 りの方法で等分 していた。 そ こで, それぞれの方 法 を図 に表 し,子 ども達 に提示 して
,
「どのよ うな考えで等分 したので しょう。」 と, それ ぞれの分割方法の説明を考 え させ る。 ここで,子 ど も達 による説明 は,で きるだ け他者理 解 の方法 によ り,算数的な方法 の広 が りを体感 させ ることが大切 であ り, このよ うな態度 を育成す る場 と して活用 したい。 この過程 で,子 ど も達 に,○ ( 1 )
は, これ までの分数 の考 え方,1
つ分 を人数 で等分す る方法であ ること。平岡 ・.池田:分数指導 にお.ける数理体験活動の考察
一 算数的活動の視点か ら ‑ 21
○ (1)を 「で きるだけ大 きなかたま りで等分す る」 とい うことを吟味す ると, (2)の方法 に なること。
について,理解 させ ることがで きる。
2) (3)の方法 について
○
(3)は, まず, 2等分す るだけで,つ ま り, で きるだ け大 きなかたま りrで, どれだ け 等分で きるか,考えていること。などを理解 させ ることが大切である。
子 ど も達 は, これ までの 日常生活 の経験 や学習 を通 して,
「1
・個 を等分 す る」 ことや「同 じ大 きさに等分す る」 ことについては理解で きている。 しか し,「3個 をそれぞれ2等 分,残 りを6等分」 とい った分 け方 については, ほとん ど経験 していない。 このよ うな等 分方法 は,課題 「で きるだけ大 きなかたまりで6等分す る」 を理解す る過程で発想 され る
ものである。 筆者達 は,4個のケーキを3人で等分 に分 ける過程が,異 なるものの組合せ, すなわち1個 と‡ 個が 1人分 になることを理解す ることであると考 えている。 これC・i・算 数的活動 を誘発す る要因の1つである 「創造性の基礎」を培 うことに通 じると考えている。
5 1人分の大 きさにつ いて話 し合 う
子 ど も達 は, それぞれの等分 の方法 を理解 した ものの
,( 1 ) ,( 2 )
と( 3 )
の方法 との間で葛 藤 を生 じ, まず, それぞれによって生 じた1人分 の大 きさ (‡ ,Ii ‡ .‡) に着 目 して いる。 そこで,教師は,
「それぞれの等分 によってで きた1人分の大 きさは,違 うのかな?」と,操作的活動 とその分数表示 との違 いについて発問す る。
子 ども達 は,すべて大 きさは同 じであることを図 によ って確認す ることがで きる。
4
「とすれば,‡ +‡ ニー6' るのだろ うか。」
「‡ と‡ が同 じ大 きさな ら, とい う疑問を持っであろう。
‡ 4 ‑ ‡ と な る。 ど のよう に 計算 す ると,‡ や ‡ にな
もっと同 じ大 きさの分数 はあるのだろうか」
最 も大 きいかたま りを含む方法 は
,( 3 )
だ とい うことは納得 で きるが,異 な る表現 によ る表示 に関 しては,疑問が生 じて くる。 この ことが 「異分母分数 のた し算 の仕方」 に関す る疑問 ・欲求の発露 になる。6 割 り切れない場合の割 り算 の商 について話 し合 う
最 も大 きいかたま りで分 ける方法 は, (3)だ とい うことは皆納得す る。 しか し,子 ど も 達 は,割 り切れなか った
「4÷6
の商の表 し方十 に関す る疑問 は消えないであろ う。「 4÷6 ‑ ‡+‡
」の表現 は・これまでにはなか った ものであ り,答え と してはおか しい。i や ‡ が いいO など顔 見が 出て くるo ある いは , ‡ よ り‡ の方が,小 さい数で表 し
22 長崎大学教育学部紀要 教科教育 No.45(2005)
ているか ら・4÷ 6の商 はi がよいとす る子 ども達 もいるo
つま り,最 も大 きいかたま りで分 ける方法 と しては
( 3 )
がよいが,商 を求 める方法 と し ては( 1 ) ,( 2 )
がよいとい うのである。 これ らの意見 は,古代 エジプ ト式の分数 の表 し方 と, 抽象化,一般化 された現在の分数の考え方 とのよさの比較の葛藤であるとも言える。 その 葛藤が,本単元を学習 してい く原動力 としての疑問 ・欲求を誘発す ることになる。以上,算数的活動,及 び,その結果 について話 し合 ったことによって,子 ども達 は,
① 商の表 し方 をはっきりさせたい。
(参 同 じ大 きさの分数を もっと見付 けたい。
③ 分母がちが う分数のた し算やひき算の仕方を考えだ したい。
④ 大 きなかたまりで等分す ることを もっとしたい。
といった疑問 ・欲求を抱 くのである。
「商の表 し方
」
「同 じ大 きさの分数」
「分母がちが う分数のた し算やひき算 の仕方」
「大 き なかたまりで等分すること」 といった今後の学習内容に関す る事柄 について疑問 ・欲求を 抱 くことができたのは,本時学習 における子 ども達の最大 の変容 と言 ってよい。5.
授業を終えてここでは,授業 における子 ども達の変容 について考察する。
1 4
個のケーキをできるだけ大 きなかたまりで6
等分す ることを知 るで きる限 り大 きなかたまりのまま等分することが, 自然 な行為 なのであることを確認 し,本時の算数的活動への意欲を もつ
2 4個のケーキをで きるだけ大 きなかたまりで6等分す る
本時の算数的活動 における 「で きるだけ大 きなかたまりで」 という条件 こそ,後 に, 子 ども達が多様な疑問 ・欲求を抱 く上で重要 な方法を生み出す こととなる。
筆者達 は前節
3( 3 )
の方法を考え出 した ことは,子 ども達 にとって,大 きな変容であ ると考えている。(3)3個をそれぞれ2等分す る。
残 り
1
個を6
等分す る。① ① 0 額 ・・ ・4÷6 ‑i.÷
3 結果を紹介 し合い;等分の方法や 1人分の大 きさについて話 し合 う
子 ども達 は,他者理解, またはその説明を理解する過程で,新たな算数的な方法の広が りを体感す ることがで きると考えている。 もちろん, このような等分の方法が可能である と気づかなか った子 ども達 にとっては,驚 きと同時に,その意味を理解す ると不思議 さや
平岡 ・池田:分数指導 における数理体験活動の考察
一 算数的活動の視点か ら ‑ 23
お もしろさを感 じることがで きるであろう。 それは,等分割 はそれぞれを同 じように等分 することが,子 ども達 にとって 日常生活の中で 「当たり前」 になっていることと考えるこ
とがで きる。
この 「当た り前」 の考え方 を抽象化 し,一般化 した ものが分数である
。( 3 )
のよ うな場 面 との出会いは,分数の考え方の歴史の過程の出会 いで もある。 ケーキを分割す るという 具体的な操作活動を分数で表す という考え方 は,その後合理的に抽象化,一般化 され今 日 に至 っている。 しか し, この中で分数 自身にいろいろな意味が付加 され,逆 に学習す る際 に大 きな負担 になることがある, この分数のように。それは,子 ども達 に葛藤を生 じさせ ることになる。子 ども達 はこの葛藤を通 して,導 き出 した商 は同 じ大 きさなのか, どの答 えがよい考え方なのかを追究 しようとす る。 このような異なる表現が等 しい ものであるこ とを示すために,発想の転換が必要 にな り,そのきっかけとなるのが この場面である。4 1人分の大 きさについて話 し合 う
・ ‡+ ‡
‑甘 ,‡ +‡ 弓 となるo どのよ うに計算す ると,‡ や 号 になるのだろ 4うかo
」
「‡ と‡ が同 じ大 きさな ら, ら‑と同 じ大 きさの分数 はあるのだろうか」 という 疑問を子 ども達 は抱 く。異分母分数の計算方法,等 しい分数 について,の疑問である。本 単元で追究すべ き重要 な視点である。 その意味で, これ らの疑問 ・欲求を抱 いたことは, 重要な子 ども達の変容であると考えている。5 割 り切れない場合の割 り算の商の表 し方 について話 し合 う
子 ども達 は最 も大 きいかたま りで分 ける方法 と しては(3)がよいが,商を求 める方法 と しては
( 1 ) ,( 2 )
がよいとい う。 これ らの意見 は,古代 エ ジプ ト式の分数の表 し方 と,抽象 化,一般化 された現在の分数の考え方 とのよさの比較の葛藤で もある。 これ もまた,子 ど も達の重要な変容である。本単元の学習を進める上で,重要 な疑問 ・欲求であ り,学習へ の意欲を生 じさせ ることになる。6. おわ りに
本稿 は,分数を単位分数の和 に分割するという筆者達が感 じた衝撃 と戸惑 いが きっかけ であったが,実際の授業で も第5学年の子 ども達 も同様の反応を示 していた。 また,分数 の学習経験の浅 い子 ども達だか らこそ,「大 きなかたまりごとに分 ける」 ことを柔軟 に行 う子 ども達 も少なか らずいた。図を用いて考えること,割 り算で考えることなど,具体的 な方法 と算数で学習 した知識を用いる方法などの,具象的な考え方 と抽象的な考え方 によ り,子 ども達 はそれぞれの考え方が もつよさの間で葛藤を生 じさせ ることになる。 この こ とが具象か ら抽象への過程を経験す る算数的活動である。子 ども達 は分数表示の持つ意味 を理解す るプロセスを体感 し
,
「異分母分数の和 と1つの分数が等 しい」 ということを理解 す ると同時に,分数の意味の多様 さを体感することがで きる。本実践 「大 きなかたまりで分 けよ う」では,単元 「分数 と小数」の第1時の授業 におけ る算数的活動の考察を行 った。その結果,子 ども達 は主 として,
24 長崎大学教育学部紀要 教科教育 Na45(2005)
̀1)等分の仕方 のよさめ違 いの明確化 2)異分母分数 の加減法への疑問
の2つの ことが らに強い欲求や疑問を抱 いていた。 そ こで,筆者達 は本活動の経験 を もと に して, 自ら学ぶ意欲 と態度 を もって, その後の追究を展開 させ るに違 いないと考えてい る。
上述の ことが らに対す る強 い欲求や疑問を,「大 きなかたまりで分 ける」活動経験 を想 起 しなが ら,その後 の学習 を展開 し,異分母分数の加法を見出 しなが ら, それぞれの等分 方法のよさを明 らかに してい った。 このよ うに,「算数的活動」 は,子 ど も達 の素朴 な考 え方 (具象 に対す る考え方) を引 き出 し, それぞれを比較検討す ることによってどれが最 もよい方法 なのか検討 を促 した り, よ り抽象化 された考 え方 に出会わせて葛藤 を生 じさせ た り, よりよい考え方への憧憶 を引 き出す ことがで きることに最大の効用がある。 それは, 具象か ら抽象への考え方へ進化 して きた過程 を経験す ることであ り, よ りよい考え方への 追究意欲 と態度 を高 めることで もある。 そのために,教師は, その教材研究 において,数 学史の視点か ら,その発生や考え方 の推移 などにつ いての理解 を深めることが授業展開を 豊かにさせ ることが要素の1つになると考えている。
算数的に価値ある活動 は, このよ うな算数 の学習内容 に流れ る素朴で 自然 な考え方が生 じるよ うな活動が よい。算数の学習内容 は, ある事象甲処理の仕方,表 し方が,先人 たち の努力 によって考え出され,抽象化 された ものが多 い。 だか ら,私 たちは,回 り道のよ う で も,指導 したい学習内容が どのよ うに成立 していったのか研鏡 を深 めることによって初 めて,価値 ある算数的活動 を創出す ることがで きる。 それは,先人 たちの具象的考え方 を 抽象的な ものへ と高 めていった知恵 の結晶を追体験す る活動で もある0
問題解決 にかかわ る考え方や方法 は,特定 された具体的な環境 に適応す るための自然で 素朴 な ものか ら,簡便性,効率性 のあるものを重視 した ものへ と発展を遂 げる。 ある特殊 な具象的な場か ら,一般性,広汎性 を もつ抽象的な場へ と問題意謡はi移行す ることにより, 考 え方や方法が発展 してい く。 分数 の考え方 もまた, このパ ズルのよ うな場面 か ら,「い つで も,簡単 に,誰 もが」数量 を表現す ることがで きる場面へ と移行 して きたと考え られ
る。 まさ しく,具象か ら抽象への移行,発展である。
このパ ズルに流れ る等分の仕方 の考え方 を知 った衝撃 は,抽象か ら具象へ と引 き戻 され た ことによ って もた らされた ものであ った。 このよ うな見方 ・考え方 の発展過程 を,筆者 達が本単元で体験的 に導入 しよ うと思 いいた ったのである。 もちろん,単元第1時におい て設定 した算数的活動が,単元の学習すべてを貫 く内容を含んだ ものではない。前述のよ うに,単元の学習 は, それ 自体,具象的な考え方か ら抽象的な考え方へ と子 どもの考え方 が発展す る過程であ り, それを基 に した方法を体得す る過程である。 そのためには,具象 か ら抽象へ と発展 させ るために工夫 した問題場面 な り,制約条件が設定 されなければな ら ない。
例えば, この単元で は,「約分」 とい った考え方 のよさを学ぶ ことが, どうして も必要 であるが,本単元では,「24分 の
6」
日を時計図 に表す活動 を設定 した。 それを詳 しく追 究 していき 「4分の1」日を表せばよいことに気付 き, イメー ジしやすい,数が とらえや すいとい った 「約分す るよさ」 を子 ども達 は味わ うことがで きた。算数の学習内容の多 くは,具象か ら抽象‑ と考え方が発展す る過程を経て成立 している。
平岡 ・池田 :分数指導 における数理体験活動の考察
一 算数的活動の視点か ら ‑ 25
それぞれの内容 に合 った算数的活動 を,単元 のあ らゆる時間に準備す ることが研究課題で ある。本稿では主 として第1時の算数的活動 について述べたが,先の約分の例のよ うに, 単元第1時以降の算数的活動 も同様 に開発を続 けな くてはな らない。 あまりに も多 くの時 間を要す るよ うではあるが,実 は,.tの展開のなかに:設定す る算数的活動 の開発 は,第1 時の もの と同様 な点が多 いだろうとい う見通 しを もっている。 この算数的活動 もまた,先 人 たちの見方 ・考え方の発展の過程 を精査す ることによ り,可能 となることは間違 いない。
参 考 文 献
長崎大学教育学部附属小学校,研究紀要第44集,1999,pp.80‑85
中原忠男編,「算数 ・数学科 重要用語300の基礎知識」,2000,明治図書
G.G.ジョーゼ7,垣田高夫 ・大町比佐栄訳,「非 ヨーロッパ起源の数学」 ブルーバ ックスB1120,1996
佐々木力編集,「数学の誕生 ・近代数学史論」近藤洋逸数学史著作集第3巻, 日本評論社(1994)
岡部恒治他,「分数がで きない大学生」,東洋経済新報社,1999
平岡賢治,数学的活動 に視点をあ●てた授業構成 に関す る研究,全国数学教育学会誌 数学療育学研究 第10巻,2004,pp.21‑28
26
<資料 >
研究主題 第5学年 1組
長崎大学教育学部紀要 教科教育 No.45(2005)
数理感覚 をみが く算数科学 習
算 数 科 学 習 案
自
1 3: 0 0
平成
1 3
年2
月8
日 (木)至1 3: 4 5
授業者 池 田 敏 彦
Ⅰ 単元 分数
Ⅱ 数理感覚 をみが く学習 の組織
単元 の 目標
○
身近 な数量 に関心 を もち,除法 と分数 を統合 的 に考察 し,分数 を1つの数 で と らえ よ うとす る。○
分数 の性質 を用 いて小数 や整数 との関係 を考察 した り,計 算 に生 か した り しよ う とす る。○ 友 達 の考 え方 や教 師 とのかか わ りの中で, それ ぞれ の考 え方 の よ さにふ れ, 自分 の考 え方 を高 めて い こうとす る。
○
整数 や小数 を分数 で表 した り, 分数 を整数 や小数 で表 した り, 異分 母 分数 の加 減 算 を した りす ることがで きるとと もに,商分数,約分,通分 の意味が分 か る。子供 の実態
○
日常生 活 にお いて, 食 べ物 の残量 や長 さ等 の量 をお よその分数 で表 す な ど, 任意 量 や単位量 を全体 量 と して それ に対 す る部分量 を分数 で表現 す る経験 を積 ん で き て いる。○
さまざ まな等分 の仕方 ,量 分数 や分割分数 と しての分数 の意 味 や表 し方 , 及 び同 分母分数 の加 減算 の仕方 につ いて学習 し,分数 につ いての理解 を深 めて きて い る。○
除法 と分数 , 及 び整数 , 小数 , 分数 の相互 関係 や異分 母分数 の加 減算 の仕方 を調 べ て い くことを通 して, 自分 な りの観点 を もち,意欲 的 に分数 を1つの数 と して見 方 を広 げた り,転換 した り,活用 した り して取 り組 む ことが期待 され る。教 師のかかわ り
除法 と分数, 及 び整数 , 小数 , 分数 の相互 関係 や,異分母分 数 の加 減算 の仕方 を 調 べ る活動 を通 して,単 に形式 的 な理解 に とどま らず, 自分 な りの見通 しの もと, 進 ん で問題解決 に取 り組 み,数理 感覚 をみが さなが ら, 除法 と分数 の関係 を統合 的 に考察 し分数 を1つ の数 と して と らえて活用 す る ことの有用 さを実感 す る ことが で きるよ う,下記 のよ うなかかわ りをす る。
○
子供 自 らが, 複数 の単位量 を等分 す る際, い くつ もの等 分 の方法 が あ る ことに気 づ き, 1つ分 の量 や表 し方, 及 び異 分母 分数 の加減算 につ いて疑 問 や欲 求 を抱 くことが で きるよ うに, 単 元初発 に 「大 きなか た ま りで等 分 しよ う (4個 の ケーキ を6等分す る)」 とい う活動 を組織 す る。
○
子供 自 らが, 異分母分数 の和 を求 め る際, その加 法 のみ な らず図 を用 いて解 決 で きる場 合 が あ る ことや その有 用 さを獲得 ・実感 で きるよ うに, 数理追 究 ・獲 得過 程 で「 『 1 / 2+
1/ 4+1 / 8+1 / 1 6+1 / 3 2 』
の和 を もっと簡単 に求 め られ な いか」 と課 題 を強化 した り,長方形 を2等分 し, その一方 を さ らに2等分 す る操 作 を繰 り返 し た図 を提示 す るとい った きっか けを与 えた りす る。○
子供 自 らが獲得 して きた, 目的 に応 じた等 分 の仕 方 の面 白 さや異分母 分数 の加 減 算 の仕方 の有 用 さを味 わ うことが で きるよ うに, 単元終 末 に 「大 きなか た ま りで 等分す る方法 に挑戦 しよ う」 とい う活動 を組織 す る。平岡 ・池田 :
Ⅲ 学 習計 画
◎
分 数 ‑ ‑初 発 の数 理 体 験 活 動
分 数 指 導 にお け る数 理 体 験 活 動 の考 察
一 算 数 的 活 動 の視 点 か ら ‑ 27
15時間 1「大 きなか た ま りで分 け よ う (で き るだ け大 きな か た ま りで等 分 す る」 を行 い, 学 習 計 画
を立 て る。 (1時間) <本時>
0
4個 の ケ ー キ を で き るだ け大 きなか た ま りで6等 分 す る こ とを知 り, 調 べ る。○
等 分 の仕 方 や 1つ 分 の大 き さを聞 き合 う。0
2つ の単 位 分 数 に よ る等 分 の仕 方 を知 り, そ の有 用 さや 商 の表 し方 につ いて の疑 問 や 欲 求 を 出 し合 い, 学 習 計 画 を立 て る。① 商 の, 分 数 に よ る表 し方 を は っ き りさせ よ う。
(卦 同 じ大 き さの分 数 を調 べ よ う。
③ 分 母 が異 な る分 数 の た し算 ・ひ き算 の仕 方 を調 べ よ う。
④ 大 きな か た ま りで等 分 す る分 け方 に挑 戦 しよ う。
① 商 の, 分 数 に よ る表 し方 を は っ き り させ よう
② 同 じ大 き さの分 数 を調 べ よ う。
2 商を分数で表す方法を調べ る。 (4時間)
○ 除法 (等分除,包含除) と分数の関係 につ いて調べる。
・2mのテープを3等分 したときの1つ分の 長 さを求める。
・求めた結果を実際のテープと比較する。
・線分図で表 し, 1つ分のテープは2/3mと 表せ ることをとらえる。
・2mのテープを○等分 したときの 1つ分の 長 さを分数で表す。
○ 除法 (包含除)と分数の関係について調べる。
・鋸足のやかんは7ri岸のやかんの何倍か求める。
・9/7倍 となる根拠 について考える。
・図で表 し,9/7倍になることをとらえる。
・a÷b‑a/bと表せることが分かる。
○ 小数 と分数の関係 について調べる。
・2/3と0.6の大 きさを比べ る。
・分数を小数で表す。
・商を分数 に表すよさについて話 し合 う。
・小数の仕組みを用 いて,分数で表す。
○ 整数 と分数の関係について調べ る。
3.等 しい分数 について調べ る。 (3時間)
○ 等 しい分数 について調べる。
・図を用 いて,1/2と同 じ大 きさの分数 をつ くる。
・単位の取 り方でいろいろな分数で表す こと ができることをとらえる。
・等 しい分数のつ くり方が分かる。
○ 約分 について調べ る。
・分数を分母が小さい分数に表す方法を考える。
・約分の意味や仕方を知 り,練習をす る。
○ 通分 について調べ る。
・3/51!,pJvと2/3tl,yvの大 きさ比べをする。
・通分の意味を知 る。
/数理活用
終 末 の数 理 体 験 活 動
③ 分 母 が 異 な る分 数 の た し算 ・ひ き算 の仕 方 につ いて調 べ よ う。
4 分母が異なる分数のた し算 ・ひき算の仕方に ついて調べ る。 (5時間)
○ 異分母分数の加減法の仕方 について調べ る。
・異分母分数の加法の仕方を考える。
・図に表 し,通分 して加えればよいことをとら える。
異分母分数の滅法の仕方を考え 図に表 し,通分 して加えればよ えるo
る。
いことをとら
・練習をする。
○ 加法,滅法の混合算や帯分数の加減算の仕方 を調べる。
・3つの分数 をは じめに通分 して計算す ること をとらえる。
・答えは仮分数で表 さないことをとらえる。
・帯分数 どうしの加減算 は,整数 と真分数 に分 けて計算すればよいことをとらえる。
○ 異分母分数の加減算の練習をする。
○ 異分母分数の3ロの加減算の練習をす る。
○ 異分母分数の加法の図を用いた求め方を調べ る。
・1/2+1/4+1/8+1/16+1/32の和を求める。
・B4版 の用紙 を2等分 し,一方をさらに2等分 した図を見て,図で求める方法を考える。
・場合 によっては,.異分母分数の加法が図を用 いて簡単 に求めることがで きることをとらえ る。
12 「大 きなかたまりで等分す る方法 に挑戦 しよ う。」 を行い, 目的に応 じて分数をっ くり出す面 白さや 獲得 した異分母分数の加減算の有用 さを味わ うことができる。 (2時間)
○ で きるだけ大 きなかたまりで,4つのケーキを6等分す る方法を想起す る。
○ で きるだけ大 きなかたまりで2つのケーキーを□等分する方法 と1つ分の大 きさを調べ る。 (ただ し, 2<□<10)
○ 異分母分数で表 された1つ分の大 きさを1つの分数で表 し,答えを確かめる。
○ さまざまな2/ロが表せれば,すべての分数が単位分数の和で表せることをとらえる。
28 長 崎大学教育学部紀要 教科教育 No.45(2005)
Ⅳ 本 時 の 学 習 (1) ね らい
「大 き な か た ま りで 分 け よ う (4個 の ケ ー キ を 6等 分 す る活 動)」を 行 い, 商 の 分 数 に よ る表 し方 の 関 係 や , 同 じ大 き さ の 分 数 , 及 び異 分 母 分 数 の 加 減 算 の 仕 方 , 大 き な か た ま りで 分 け る方 法 に つ い て の 疑 問 や 欲 求 を 抱 き, 今 後 の 学 習 計 画 を 立 案 す る こ とが で き る。
(2
) 展 開子供の取 り組み 教 師 の か か わ り 1. 4個 の ケ ー
キ を, で き る だ け大 き な か た ま りで6等 分 す る こ とを 知 る。
2. 4個 を大 き な か た ま りで 6等分す る。
3. 結 果 を紹 介 し合 い, 1人 分 の か た ま り の 大 き さ に つ いて話 し合 う。
問
過
I‑‑学習材1‑‑‑・
〇〇〇〇
合 同 な円形 の ケ ー キ4個 の モデル
(円 には, 目盛 り がつ いて い る)
‑‑・一・学習材2‑・‑=
習材1のケ‑
半 分 に した も
‑‑‑学習材3‑ ・‑
合 同 な円4個 (円 には中心 と12
等分 す る目盛 り がっ いて い る)
‑・‑学習材4・‑・・・・ ア,イそれぞれの 等分の仕方を表 す 図
○ 学 習材 1を提示 し,4個 の ケ ーキを2人 で 等 分 す る場 合 の1人 分 の量 を問 う。 子 供 は容 易 に4÷ 2‑ 2と立式 ・求答 す ると思 われ る。
その際, 学 習材2の よ うに分割 せず, 大 きな か た ま りの まま等分 す る方 が便利 で 自然 で あ
ることを確認 す る。
次 に, ケ ーキの個 数 は変 えず3人,4人 で で きるだ け大 きなか た ま りで等 分 す る場 合 の 1人 分 の量 を問 う。 子供 は, 4人 の場 合 は容 易 に立 式 ・求 答 で きる もの の,3人 の場 合 は 割 り切 れ ず困難 で あ る ことを指摘 す る と思 わ れ る。
そ こで, 学 習材1を用 いて, まず1個 ずつ ケーキを配 布 し, 残 りの1個 を3等 分 す れ ば よ い こと, 1人 分 は (1+ 1/3)個 に な る こ と, 4÷ 3‑ 1+ 1/3と表 現 で きる こ と を子供 とと もに確認 したい。
さ らに,6人 に等 分 す る ときの1人 分 の大 ず1人分 の大 きさは容易 に求答 で きない こと を指摘 す る と思 われ る。 そ こで,学 習材3を 配布 し, 自由 に用 いて考 えて よ い こと, で き るだ け大 きなか たま りで分 け ることを確認 し, 活動 題
「4
個 を, で きるだ け大 きなか た ま り で6等分 しよ う」 を設定 す る。○ 子 供 は, 以下 の よ うな方 法 で等 分 す る と思 われ る。
ただ し, クで等分 す る子供 は極少数 であ ろ う。
ア
額傘額額
1個 を6等分 す る01人4/6個
イぬぬぬぬ
1個 を3等分 す る。1人2/3個 り
①00額 3
個 を2
等 分 ,1
個 を6
等分 す る
1人 (1/2+ 1/6)個 ここで は,子供 の活動 を見守 る立場 を とるが, 等 分 の仕 方 や1人分 の大 きさを メモす るよ う 促 したい。
○ 調 べ を終 え た子 供 に, 等分 したそれ ぞれ の 1人 分 の量 を紹 介 し, 自分 の立場 を とるよ う 促 す。 子供 は, 立 場 が違 う友達 に対 して, そ の等分の仕方の説明を要求 して くると思われる。
そ こで,学 習材4を提 示 し, ア, イそれ ぞ れ の等 分 の仕方 の説 明 を順 次促 す。 その後子 供 は, アよ り もイの方 が か た まりが大 きい こ と,1人分の量4/6個 と2/3個 は同 じ大 きさで
平岡 ・池田 :分数指導 における数理体験活動 の考察 一 算数 的活動 の視点 か ら ‑
「‑‑‑学習材 5
ア,イそれ ぞ れの 1人分の図
奴
ぬ
問
題
‑・‑学習材 6‑‑・
クの等分の仕方 を 表す図
‑‑・学習材 7‑‑‑‑ クの1人分の図
I ・ 二 : ・
ド‑一一一一一‑学習材8 4÷6‑4/6 4÷6‑2/3 4÷6‑1/2+1/6
4.今 後 の学 習 画 を立案す る
あ ること,4÷6の商 はそれぞれ 「4/6」「2 /3」 と表 せ ることに気づ いて くると思 われ る。
ここで は,学習材5を用 いて1人分 の量 を表す 図 を重 ね,4/6個 と2/3個 が同 じ大 きさであ る ことを確認 した い。 また, この2つ の分数 の 他 に も同 じ大 きさの分数 はあ りそ うだ とい う見 通 しももたせ るよ うに したい。
さ らに別 の等分 の仕方 と して,学習材6を用 いて, クの等分 の仕方 を説 明す る。子供 は, よ り大 きなか た ま り1/2個 で等分 で きる こと, 1人分 の量 が (1/2+1/6)個 であ ること, 商 は1/2+1/6と表 せ る ことに気づ いて くる と思 われ る。 ここでは, 1人分 (1/2+1/6) 個 が4/6個 や2/3個 と同 じ畳 か問 い,異分母 分数 の加法 であ るため計算 が困難 であ ることを 確認 した上 で,学習材7を用 いて, 1人分 の量 はどれ も同 じ大 きさであ ることを確認す る。
その後, この等分 の仕方 につ いて感想 を尋 ね ると,大 きなか たま りで等分 で きることや等分 の仕方 のお も しろさを指摘す るとと もに, この 方法 で等分 してみたい とい う欲求 を述 べ ると思 われ る. この等分 の仕方 は大昔 エ ジプ トや ヨー ロ ッパ で行 われて いた ことを簡単 に説明 し,大 きなか たま りで等分す る方法 につ いての関心 を 強めたい。
これ までの活動 か ら, クの等分 の仕方 が大 き なか た ま りで等分 で きる ことに と もに,4÷ 6 の商が学習材8の よ うに様 々に表す ことがで き る ことを確認 す る。 その上 で, か た ま りの大 きさを考 えなければ どの表 し方が よいか問 う。
子供 は,除数 ・被除数 と分母 ・分子 の関係や, 分母 の大小,分数 の数等 を視点 に, 1/2+1/6 の不便 さ,4/6の便利 さ,2/3の簡潔 さを指 摘 しなが ら,小数 で は的確 に表 せ ない商 の表 し 方 につ いて明確 に したい とい う欲求 を抱 いて く
ると思 われ る。
○ そ こで,以上 の学習 を通 して抱 いた,今後学 習 して い きたい ことを紹介 し合 わせ, その順序 性 につ いて は適宜助言 を与 え なが ら,下記 のよ
うな学習計画 を立案 したい。
学 習 計 画
①商 を分数で表す方法 をは っきりさせ よ う。
② 同 じ大 きさの分数 を調 べ よ う。
③ 分母 が異 な る分数 の た し算 ・ひ き算 の仕方 を調 べ よ う。
④ 大 きなか た ま りで等 分 す る方 法 に挑戦 しよ う∩
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