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小学校算数科における分数の四則計算の指導に関する一考察

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Academic year: 2021

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(1)小学校算数科における分数の四則計算の指導に関する一考察                            教育実践高度化専攻                            小学校教員養成特別コース.                            P09091J 本山雅邦 1.間1日の所在と観E児目的. 石閏(1985)は,「分数・小数の意味理解や四則計 算は,整数のそれに比べ難しく,子どもたちがよくつ まずいたり,抵抗を示したりするところである。とり わけ,分数の意味理解四則計算は大変難しく,算数 の学習事項の中で最大の難所となっている。」と述べて. いる。しかし,算数の学習事項の中の最大の難所と言 われている分数について,児童の理解はどの程度達成 されているのだろうカ㌔.  分数の学習に関する先行研究について,日本数学教 育学会誌算数教育く1989∼2011)を概観すると,児童 の分数の理解に関する調査一を行っていた先行実践研究. ・(長谷川順一,2003)が存在した内容は量分数に関 する理解度を把握するために,調査を行い,分数を扱 う際の注意1点や今後言及すべき課題についてまとめら. れていね各問題の正答率が示されたことで,児童の 実態を把握しやすくなったといえるが,誤答の原因と その寄恰が明確に示されていなかった誤答の原因を 分析すれば,分数の学習に関わる指導の方向性を明確 にすることができると考えた。.  本研究では,分数同士の四則計算に焦点を当てて, 児童の理解度を把握するための調査を行い,誤答を分 析し,その誤答を生かした実験授業を実践する。さら に実験授業後の児童の変容を調査し,分数の四則計算 に関わる指導法について検討する。. 2.醐. 本論文の構成は以下の通りである。. 第1章では,学習指導要領における分数の学習内容 の変遷を明らかにした。第1節では,これまでに刊行 された各学習指導要領における算数科の員的・目標を まとめ,今日に至る算数教育の歴史の概要について述. べた第2節では,守屋(2011)を手がかりに学習指 導要領改訂に伴う小学校算数科の学習内容の変遷を明 らかにした第3節では,平成10年版学習指導要領 における分数の学習指導の概要について述べた第4 節では,平成20年版学習指導要領における分数の学 習指導の概要について述べた。. ○計算の意味と計算方法を考えることとが関連付け   られる指導(特に,分数の除法に関する計算指導   において,分数の乗法と関連付けた指導を行うこ   と). ○児童の考えを引き出し,既習事項と関連付けて指   奪すること ○基礎となる重要な学習事項を繰り返し学習するよ   うに指導すること ○児童の主体的な活動を取り入れ,より深い考えへ   と洗練していく指導を行うこと  第3章では,これまでの分析をもとに明らかになっ 、た分数の四則計算に関する学習内容を整理し,分数の 四則計算に関する児童の実態を把握するための調査問. 題A及ぴBを作成し,それらを用いて,分数の四則計 算における児童のつまずきを把握するために実態調査 を行い,その結果を分析した第1節では,分数の四 則計算に関する学習内容を整理し,.分数の四則計算に. 関する児童の実態を把握するための調査問題A及びB を作成した第2節では,難易度調査を実施し,調査 閲題A及びBにおける生徒の得点をもとにピアソンの 積率相関係数剛直を算出し,調査問題A及ぴBの対応 する問題の関連性を調べた調査問題A及ぴBの対応 する問題の相関係数の値は,すべて0.5以上であり,. 調査問題A及びBの難易度には著しい差がないこ1とを 明らかになった。第3節では,分数の四則計算におけ る一般的なつまずきを把握するために実施した実態調 査の結果について述べた。実態調査では,「同分母分数 の加法」,嘆分母分数の加法」,『異分母、分数の減法」,.  「分数同士の乗法j,「分数同士の除法」の5つの観点 において,それぞれ計算方法の間違いによる誤答が見. つかった。同分母分数の加法では,  9 3  9斗3  12   +  →    →一のように分母同士,分子 17  17  17+17   34. 同士をともに計算した誤答がみられた。異分母分数の. 加法,減法でも同様の誤答がみられた分数同士の乗.     4 2  4 3. 法では,一X一→一×一のように乗数を逆数にして.     9 3  9 2.  第2章では,日本数学教育学会誌算数教育(1989 ∼2011)を手がかりに,分数の学習に関する先行研究 について調査した。第1節では,先行研究を研究テー マごとに分類し,その内容を明らかにした。第2節で は,先行研究から得られる本研究への示唆として,次.       4 2  8  27 掛けたもの,一×一=一→一めように正しく計算. の4点を挙げた。.         9 2 9_2 7’.       9 3 27  8 できているが,最後に逆数にして解答したものなど2 通りの計算方法の間違いによる誤答がみられた分数.         4 3  4_3  1 同士の除法では,一÷一→   →一のように被除 数分母・分子から除数の分母・分子を引いたもの,. 156一.

(2) 5 2  6 2  4. 一÷一→一×一→一のように被除数が逆数になっ. 6 3  5 3  5.       5 2  5 2  5 ているもの,一÷一→一×一→一のように乗法とし       6 3  6 3  9 て計算したものなど3通りの計算方法の間連いによる 誤答がみられた。また,6つの観点すべてにおいて, 誤答を分析したところ,通分及び約分に関連した誤答 の占める書拾が大きいことが明らかになった。.  第4章では,前章の実態調査において,誤答の多く を占めていた通分及ぴ約分に関する指導の充実につい. て考察した第1節では,片桐(1982)が示す児童の つまずきを生かす上での4つの留意点や志水(1996) が示す既習事項で授業を組み立てる際の2つの留意点 を手がかりに,分数の四則計算に関する児童のつまず きや既習事項を生かし,児童の理解を促すための学習. 指導について述べた。第2節では,通分及び約分に関 する技能の定着・習熟を図るための学習指導について 述べた。平成20年版学習指導要領における算数科の 改訂の要点から算数的活動の重要性について述べ,算 数的活動として算数ゲームを取り上げた。通分及び約 分は等しい分数の考え方が基本となっているため,本 研究における算数ゲームの算数的事項に関わるねらい として,等しい分数に焦点をあてて,通分及び,約分 に関する技能の定着・習熟を図ることとした。.  第5章では,B小学校第6学年刎瞳を対象に事前 調査を実施し,実験授業前の分数の四則計算に関する 実態について明らかにし,第4章で検討した学習指導 の方向を踏まえ,.実験授業を考案した。さらに実験授. 業後,B小学校第6学年の児童を対象に事後調査を実 施し,その結果をまとめた。第1節では,.実験授業の 効果を検証する方法として,事前調査と事後調査の必 要性について述べたB小学校における一連の調査の                概要を以下に図と                 して示す。         (調査問題A).                 第2節では,事                前調査の結果をま   実験授業                とめ,児童の実態                について述べた                第3節では,実践         (調査問題B)                 した実験授業につ.  [璽憂蚕コ(調査問題A) いてまとめた児                董のつまずきや既 習事項を生かして理解を促す学習指導として,異分母 分数の加法及び滅法に関して1時間,分数同士の乗法 及び除法に関して1時間実践し,通分及び約分に関す る技能の定着・習熟を図るための学習指導として算数 ゲームを2時間実践した二なお,算数ゲームは古藤. ②事前調査において計算方法の誤りが見つかった児   童を描出し,その児童の事後調査の解答をもとに   変容を検言立する。. ③遅延調査の結果をもとに児童の継続した変容につ   いて検討する。.  第1節では①の検討を行った。事前調査と事後調査 の対応する問題の正答率に関して,t検定を行った結 果,同分母分数の滅法以外の5つの観点において,1 間以上正の方向への有意差が現れていることが分かっ. た。第2節では,②の検討を行った事前調査におい て計算方法の誤りが見つかった児童の事前調査と事後. 調査の解答を見比べたところ,6人中5人はすべての 問題で正しい計算方法で解答できていた。残りの1人 も異分母分数の減法では変容が見られなかったものの,. 異分母分数の加法では変容がみられた。第3節では, ③の検討を行った。遅延調査の結果をまとめ,事後調 査の結果と比較ところ,各問題の正答率もほ簡同様で あり,事後調査,遅延調査ともに事前調査で見つかっ た計算方法の間違いによる誤答はみられなかった。以 上の3つの検言抄ら本研究における実験授業は一定の 効果があったとまとめた。.  第7章では,本研究のまとめと今後の課題について 述べた。第1節では,各章を簡単にまとめ,全体的な まとめを行った。第2節では,第1節を踏まえ,今後 の課題について述べた。以下に主な今後の課題につい てまとめる。. ①児童の実態調査に関して ②つまずきや既習事項を生かし,理解を促すための   学習指導に関して. ③技能の定着・習熟を図るための学習指導に関して  まず,①では,本研究で実施した調査において,小 数,整数,分数が混在する計算,3つ以上の分数を計 算する問題,分数の四則が混在する計算に関する児童 の実態は明らかになっていないこと,分数の四則計算 の応用に関わる実態が明らかになっていないことを指 摘し,今後の課題とした②では,事前調査で計算方 法の間違いによる誤答が見つかった児童の内の1人が 実験授業後,異分母分数の減法に変容が見られなかっ たこと,実験授業自体が異分母分数の加法に傾斜した ものになってしまったことを指摘し,授業案の再構成 を行うことを今後の課題とした。③では,本研究で実 践した分数の五目並ベゲームのゲーム盤の分数が,分 母・分子の約数として6より大きい素数を持っていな いことを指摘し,五目並ベゲームの種類を増やすこと を今後の課題とした。.  今後これらの課題をさらに探究し,分数の四則計算 における指導法をより深く考察してゆきたい。. (1981)を参考に分数の五目並ベゲームを実践した。.  第6章では,実験授業の効果について3つの検討か ら考察した3つの検討とは次の通りである。 ①事前調査と事後調査の対応する問題の正答率の違   いから児童全体の変容を検討する。. ■157一. 修学指導教員カ鱗久恵. 指導教員加藤久恵.

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