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算数科における子どもの論理を踏まえた学習指導に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)        算数科における. 子どもの論理を踏まえた学習指導に関する研究                         教育実践高度化専攻                         小学校教員養成特別コース.                         P080771 藤野雅士 1.間目の所在と研究目的  吉岡(2009は,小学校算数科において子どもがらく らくと理解する概念と,理解することが難しい概念が あることを指摘している。前者働口法や減法が,後者 は分数や曽恰が例として挙げられていた。さらに吉田. は. 第3節害恰学習における認知的バリアとは 第4節割合学習の実践例 第5章実地研究での授業実践の分析と改善案. (2009)はこれらについて,インフォーマルな知識と認. 第1節実地研究の概要. 知的バリアという2つの視点から検討を行っており, これらを総称して「子どもの諭理」に着目した研究で あるとしている。そして,子どもの目線に立つこうし. 第2節 実地研究で行った授業と反省 第3飾実践研究で行った授業の改善案. た研究は十分なされていないと述べている。  一方,筆者が実地研究で教壇実習を行った際には, 児童が理解できず返答が返ってこない,こちらが予想 しなかった返答がでてくるなどが課題として挙げられ. おわりに. 謝辞 引用・参考文献. た。その原因の1つとして,教材研究を行う際に子ど もがどのようなことを考えるかを十分に想定できてい なかったことが考えられる。したがって筆者は,子ど もの論理に着目した授業づくりができる力量を身に付. つまずきや小学校算数科における子どもの論理につい. ける必要性がある。. て,先行研究を整理した。.  そこで本研究では,算数科に焦点化し,子どもの論 理を踏まえた学習指導に関する先行研究を整理・考察 することを通して,授業づくりへの示唆を得ることを. 第1節では,つまずきの定義について金児(1981)の 著書を参考に,「子どものつまずきとは,問題解決場面 において,なんらかの障害に直面し,一思考が停止した. 目的とした。. り,円滑に進まなかったりすること,あるいは思考が 中断されることである。」と定義した 第2節では,片桐(1982)の著書から子どものつまず きにっいてまとめた。子どもがつまずかないことは望 ましいことである。しかし,そのためにヒントなどを 教員から提示しすぎ,子どもがつまずかない授業を行 うことは,子どもが自主的に考える態度を育てる障害 となってしまうため,子どもが自由に活動し,考えさ せる必要がある。その際,つまずきが起こる可能性が あるが,つまずきを基にどう発展させるように指導す. 2.研究報告書の構成 はじめに. 第1章小学校算数科における子どもの論理とは. 第1節つまずきの定義 第2節っまずきの分類とつまずきを生かす指導例 第3節 インフォーマルな知識と認知的バリア 第2章 四則計算における子どもの論理の具体例. 第1節四則計算の学習指導 第2節加法と減法における子どもの論理 第3節乗法と除法における子どもの論理. 3.研究の成果 本論の構成は以下の通りである。 第1章では,最初につまずきの定義について述べ,. るかが大切であることが分かった。また,片桐(1982). は,っまずきを分析し,つまずきには以下の5種類が あるとしている。. ①不注意による誤り。. ②理解や技能が不十分なための誤り。. 第3章 分数学習における子どもの論理の具体例. ③内容を誤って理解してしまっているために,正し.  第1節分数学習の学習指導.  く適用できないことによるつまずき。 ④理解していないための誤り。. 第2節分数学習におけるインフォーマルな知識と は. ⑤既習内容を理解しているがこれを用いることに自. 第3節分数学習における認知的バリアとは  第4節分数学習の実践例.  信がない場合。. 第3節では,第1節の子どものつまずきをふまえつ. 第4章割合学習における子どもの論理の具体例 第1節害恰学習の学習指導  第2節割合学習におけるインフォーマルな知識と. っ,吉田(2003)の著書から子どもの諭理であるインフ ォーマルな知識と認知的バリアについてまとめた。「教. 科の論理」とは,数学であれば数学の諭理から組み立. 一154一.

(2) てられており,かけ算やわり算は,たし算やひき算を 前提にするので,たし算やひき算をある程度学習した あとに教えられる寺といったカリキュラムの大前提の ことである。さらに,吉田(2003)は,政府の審議会な. ども,子どもの学力低下に対応するため,子どもが理 解できないような難しい概念については,より上の学 年に回す,あるいはその概念をカリキュラムから削除 するという解決策を採用し,それらの概念がなぜ難し いかという疑問を科学的に解明し,その論理的な帰結 としてカリキュラムを改正するということを行ってお らず,教科の論理という枠はしっかりと固定されてお り,その範囲の中で,限定された解決策が模索されて. ていけばよいかを述べた。.  第4章では,割合学習に着目し,割合学習における 子どもの論理について述べた。.  第1節では,割合学習の学習指導内容を平成20年 改訂版学習指導要領からまとめ,各学年でどのような 内容を学習が行われているのかをまとめた。.  第2節では,割合学習におけるインフォーマルな知 識について述べた。.  第3節では,割合学習における認知的バリアについ て述べた。.  第4節では,分数学習において,どのように実践し ていけばよいかを述べた。. いると指摘している。これは,あくまで教科の論理の 上に立って,その内容を取捨選択するといいう伝統的.  第5章では,実地研究での授業実践をつまずきやこ. なアプローチであり,それに対して,吉田(2003)は,.  第1節では,実地研究の概要を述べた。学校規模と. 子どもの知識や思考や問題解決のしかたを考慮したア プローチが,新たに求められており,これを「子ども. は児童数608名,学級数22学級。配属学級は5年O組. の諭理」を考慮したアプローチとしている。.  子どもの論理を考慮したアプローチでは,以下のよ. 第2節では,実地研究で行った研究授業r円の面積 とおよその大きさを求める」の指導案や慶業の流れを. うな疑問を明らかにすることを目的としている。. まとめ,その指導案の反省を行った。. どもの諭理をもとに分析をした。. (男子15名 女子20名 計35名)。. 第3節では,第2節の反省と本研究の子どもの諭理や. ①子どもは,ある概念を教えられる前に,どのよ  うな知識を持っているか? ②子どもは,どのように問題を解決するか? ③子どもは,新しい概念を学習するさいに,概念  のどの要素に困難を示すか?. つまずきを踏まえ,改善案となる指導案を提示した。. 4.今後の課題. ①については,子どもが新たな概念を学習するとき には,その概念について何も知らないのではなく,日 常生活での体験を通して,新しい概念に関連した内容 についてかなり豊かな知識を獲得しており,このよう な知識を吉田は,インフォーマルな知識と呼んでいる。 ③については,子どもが新たな概念を学習するときに,. 今後の課題として以下の3点挙げている。 ・1点目は,授業改善案の実践し,検討を行い,さら に改善していくことである。. ・2点目は,算数科の他単元,他教科の単元について のインワォーマノレな知識や認知的バリアについて学 習していくことや自身で調査・研究を行っていくこ  とである。. ・3点目は,本研究を現場で有効的に活用し,子ども. 学習の障害となるものがあり,その学習の障害となる. の論理に沿った授業や指導を行っていくことである。. ものを吉田は認知的バリアと呼んでいる。  第2章では,四則の中でも整数の四則計算に着目し,. 引用・舳. 四則計算における子どもの論理について述べた。  第1節では,整数の四則言十算の学習指導内容を平成. 吉田甫(2003),『学力低下をどう克服するか子どもの. 20年改訂版学習指導要領からまとめ,各学年でどのよ. 吉日捕・E.ディコルテ(200勃,『子どもの論理を活かす.  目線から考える』,新曜杜.. うな内容を学習が行われているのかをまとめた。.  第2節では,加法と滅法における子どもの論理につ いて述べた 第3節では,乗法と除法における子どもの論理につ いて述べた。.  第3章では,分数学習に着員し,分数学習における 子どもの諭理について述べた  第1節では,分数学習の学習指導内容を平成.20年 改訂版学習指導要領からまとめ,各学年でどのような. 授業づくり一デザイン実験の教育実臨し理学一』, 北大路書房.. 啓林館小学校教科書編集部,『平成20年告示 学習. 指導要領(新旧対照資料) 小学校算数』,  htt:”wwwsh虹k0.ke虹i皿00.I/new shid0)倣k0  ku’i sa1nsu.df. 澤野幸司・吉田甫く1997),『分数の学習前に子どもがも.  つインフォーマルな知識』,科学教育研究. 吉岡市・栗山和弘(1991),『分数概念の習得過程に関す. 内容を学習が行われているのかをまとめた。.  る発達的研究』,教育心理学研究..  第2節では,分数学習におけるインフォーマルな知. 日本数学教育学会出版部(1984),『算数教育指導用言轟辛. 識について述べた。. 典』,教育出版株式会社..  第3節では,分数学習における認知的バリアについ て述べた  第4節では,分数学習において,どのように実践し. 片桐重男(198カ,『算数授業研究6 つまずきを生かす  指導』,明治図書出版..                指導教員加藤久恵. ■155一.

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