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漢字 3 における教室活動 ―短作文と言葉集め活動―

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Academic year: 2021

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実 践 紹 介

57 1.はじめに

 漢字3は『

KANJI LOOK AND LEARN

』を共通教材とし,読み方と使い方がわかる二字

熟語や中級漢字語彙を増やし,文中で適切に使えることを目標としている。このレベルで は毎週の課題として語彙マップ,及び短作文が与えられているが,筆者のクラスでは授業 内にも短作文を書く時間を作り,文章の中で積極的に漢字を使う姿勢を身につけてもらい たいと考えた。一方の中級語彙を増やすという目標については,「言葉集め」として自作 のワークシートを使った活動を取り入れ,関連語彙を増やせるよう工夫した。

2.短作文を使った実践 2-1.漢字を使って一文を書く

 学期の前半では,教師が漢字語彙5つを選出し(21課の例:熱心 甘やかす 汚れる

結果 付き合う),学習者がその語彙を使って1つずつ例文を書く練習をした。

 初めは単純な文(熱心:彼は熱心な人です。)程度しか書けない者が多いが,何度か同 じ練習をし,複文で書くよう指導するうちに,徐々に自分の書きたい内容と関連がある言 葉を調べて,まとまりのある文を書く者が増えた。中には指定された漢字語彙を使ってス トーリー性のある文章を自主的に創造する者もでてきた。

2-2.テーマに沿って文を書く

 25課(「平 和 戦 争 政 治 経 済 法 律 際 関 係 義 議 党」)では,

テーマを「社会問題」に設定し,自由に短作文を書いてもらった。政治や経済,国際関 係といった内容は学習者の関心も高く,書きやすかったようで,自国の政治問題や国際情 勢について,漢字を使って意見文を書く者が多かった。作成後は全体に発表をし,クラ スメートからの意見も求めたが,まだ意見を言い合える土壌が育っておらず,教師が中に 入って意見を引き出す形となった。

2-3.ストーリーを作る

 27課(「吉 結 婚 共 供 両 若 老 息 娘 奥 将 祖 育 性 招」)では,

早稲田日本語教育実践研究 第 8 号

漢字 3 における教室活動

―短作文と言葉集め活動―

佐藤 瑞恵

  科目名:漢字 3

  レベル:初級 1・2 /中級 3 ・4・5 /上級 6・7・8   履修者数:20 名

(2)

早稲田日本語教育実践研究 第 8 号/ 2020 / 57―58

58

教師が最初の一文目「去年,私は結婚した。」を指定し,そこからペアで「面白いストー リーを作る」という指示を出すと,どのペアもよく協力して創作的なストーリーを書き上 げることができた。日常的には使用が低いと思われる漢字(例

:

吉)でも「その結婚は不 吉な結婚だった。」のように文章中にうまく取り入れ,学習した漢字を積極的に使おうと する姿が見られた。発表の際は,各ペアのユーモアのあるストーリー展開にクラスメート から笑いが出ていた。この活動では,普段ペア活動に消極的な学習者にも積極性が見え,

印象的であった。

3.言葉集め

 短作文以外の活動では,その課で学習した漢字に関連する様々な語彙を知ってもらおう と「言葉集め」活動を行なった。

 一例として30課(「飛 機 失 鉄 速 遅 駐 泊 船 座 席 島 陸 港 橋

交」)では,ペア活動として,出身国や日本,世界の「島」「港」「橋」「大陸」探しをし,

見つけた言葉をワークシートに書き込んでもらった。最後にクラス全体で探した言葉を出 し合い,交通や地理で必要になる漢字語彙を学んだ。

 31課では「星」を使う漢字語彙を集める目的で,自作の絵を加えたワークシートを使 い「太陽系惑星」の名称を集めた。既習の漢字(曜日の漢字)に新しい漢字を1つ組み合 わせるだけで,「水星 金星 木星…」のように,語彙を増やせるということを知っても らい,漢字語彙の学び方のヒントになればと考えた。

4.考察

 授業内での短作文づくりは,創作力のある学習者にとっては楽しい活動のようで,新出 漢字だけでなく,既習漢字も思い出しながら,漢字のたくさん入った文を書き上げてい た。一方,なかなか最初の一文が思いつかないために,頭を抱えてしまう学習者もいたた め,今後は作文の得手不得手に配慮した内容を検討する必要があると感じた。言葉集めに 関しては,創作性は必要なく,どの学習者も同程度に完成させることができたが,答えを 書くことがゴールになってしまう傾向が見られたため,言葉集めを通して,さらにそれら の語彙を利用していく活動へと繋げていくことが今後の課題であろう。

参考文献

坂野永理・池田庸子・品川恭子・田嶋香織・渡嘉敷恭子(2009)『KANJI LOOK AND LEARN』 The Japan Times.

(さとう みずえ,早稲田大学日本語教育研究センター)

参照

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