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飛 鳥 ・ 藤 原 宮 発 掘 調 査 出 土 木 簡 概 報 尚

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(1)

一九九九年九月

飛鳥・藤原宮発掘調査出土木簡概報尚

奈良国立文化財研究所

(2)

図 版

函恥對対丿〜・IQ.

(S=7/8)

(3)

図 版 二

llり

恥  釧凱丿丿̲J^̲^ ‑̲̲<‑」‑‑

(S=l/1)

(4)

 この概報には︑さきに刊行した﹃飛鳥・藤原宮発掘調先

出十木簡概報︵十三︶﹄ コ九九八年九月︶以後︑飛鳥藤原

宮跡発掘調査部の行なった発掘調査で出土した木簡のうち︑

主要なものを収録した︒

 木簡が出土したのは︑飛鳥藤原第八七・九二・九三・九

五次の各調査においてである︒このうち第八七・九三次調

査は飛良池遺跡の調査であり︑昨年報告の第八四次調査と

関連が深い︒第八四次調査分については︑前号に報告した

が︑整理中であったため︑点数などが確定できなかった︒

したがって︑同調査についても関説し︑その補遺も今号に

掲載することとした︒

 木簡の出土地点と出土状況について略述し︑のち釈文を

かかげる︒なお︑遺構の詳細については当該年度の﹃奈良

国立文化財研究所年報﹄を参照されたい︒

一︑木簡出土の地点と出土状況

飛鳥藤原第八四次調査︵飛鳥池遺跡︑5BAS区︶      一九九七年一月〜二 I月 万葉ミュージアム建設に伴う調査︒遺構の概要等は前号を参照されたい︒その後の整理によって︑木簡の出土点数が明らかになったので︑改めて遺構毎の点数を掲げる︒

土坑SK一〇

方形池SG三〇 二I九八点︵うち削屑二コー○点︶

ミ 〜 X I J

方形池外側の整地土・土坑群

南北溝SDO一

南北溝SDO五

土坑SK二六

土坑SK二八

井戸SE四二

東西溝SD二〇

東西溝SDO八

南北溝SD二九

土坑SK六〇

その他︵出土地不明︶

コー六一点︵削屑一〇七三点︶

三三九三点︵削屑二九八一点︶

  七〇六点︵削屑五六二点︶

六占1占一

1占﹄

       一点

       ︸点

六四占一︵削屑五四点︶

(5)

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9乙

(6)

 本にケには︑このうちSK一〇・SDO一 ・SDO五・S

K二六の各遺構から出土した木簡と削屑の中から︑前号に

掲載できなかったものの釈文を掲げた︒

 飛鳥藤原第八七次調査︵飛鳥池遺跡︑5AKA区︶

       一九九七年コー月〜九八年七月

 万葉ミュージアム建設に伴う調査︒対象となる範囲のも

っとも南にあたり︑丁几九一年度の発掘区南に位置する︒

北に向かって傾斜する丘陵部とその西側の谷部分を調告し

た︒発掘面積∇几○Omである︒工房に関わる炉跡や倉庫

と見られる一一棟の掘立柱建物などを検出し︑多量の遺物が

出土した︒

 木簡は︑発掘区の北辺部で︑炉跡から廃棄された炭の層

から一点が出土したが︑釈読不能である︒

飛鳥藤原第九三次調査︵飛鳥池遺跡︑5BAS・5

AKA区︶一九九八年六月〜九九年二月  万葉ミュージアム建設に伴う調査︒∇几九一年度の発掘区の北︑昨年度の第八四次の発掘区の南に位置する︒発掘面積二二〇〇mである︒ この調査区中央付近で︑谷を堰き止めるような形で︑三時期にわたる東西方向の掘立柱塀が検出された︒そして︑これを境にして工房の跡及びそこから廃棄された炭の堆積は南に拡がり︑北には炉跡などは見られない︑という対照的な遺構のあり方を示している︒したがって︑飛鳥池遺跡はこの塀を境として大きく南北二つの地区に分かれ︑工房は南地区︑北は寺院に関わる地区であったと推定できるようになった︒ 第九三次調査で出土した木簡は︑合計九七点である︒塀より北の地区では︑第八四次でも検出した南北溝SDO一から八点︑南北溝SDO五から六点︑SDO一の南に接続するやや斜行する溝SDO一Aから二I点︑その他の遺構から八点が出土した︒ 南区では︑工房から廃棄された大量の炭を含む層︵炭層︶

から四八点︑炭層の下の整地土から五点︑その他の上坑か

(7)

ら一点である︒

飛鳥藤原第九二次調査︵飛鳥池東方遺跡︑5AME区︶

       一九九八年四月上︵月

 万葉ミュとンアム建設に伴う調査︒飛鳥池遺跡東側丘陵

の東にあたる谷部分に位置する︒発掘面積六〇四mである︒

 この遺跡は昨年度の第八六次調査において︑掘立柱建物︑

掘立柱塀の他︑この周辺における基幹排水路ともいうべき

大規模な旧流路SDO一〇が確認された︒今次調査におい

ても︑このSDO一〇の一部が検出され︑多数の遺物とと

もに木簡一点が出土した︒

 SDO一〇は溝の両肩を検出していないが︑六〜八m以

上あると推定され︑出土遺物からみて︑七世紀中頃から平

安時代まで存続した︒溝の堆積は大きく四時期に分けられ︑

木簡はその下層から出土した︒

飛鳥藤原第九五次調査︵吉備池廃寺︑5ADL区︶        一九九九年一月〜四月 桜井市教育委員会との共同調査で︑一九九六年度より継続している吉備池廃寺の第三次調査にあたる︒第一次の金堂跡︑第二次の塔跡の確認をもとにして︑今次調査は︑伽藍の南面回廊と中門︑および西面回廊の検出を目的として実施した︒発掘面積七二〇mである︒ 南面回廊と西面回廊の東雨落溝などを検出しえたが︑中門は想定位置にはないことが判明した︒ 木簡は西面回廊の西にある東西方向の溝より一点が出土したが︑墨痕が薄く判読できない︒同溝は幅二m︑深さO∴一mの素掘り溝で︑藤原宮期の土器が含まれ︑吉備池廃寺とは時期を異にする︒

二︑凡 例

 ︵コ木簡は出土遺構ごとに掲げ︑同一遺構の中では︑内

容分類によって︑文書︑付札︑その他の順に配列すること

(8)

を原則とした︒

 ︵二︶釈文の漢字は現行常用字体に改めたが︑一部の文字

については正字体・異体字を使用したものがある︒

 三一︶釈文下段のアラビア数字は木簡の長さ・幅・厚さを

示す︵単位ミリメートル︶︒欠損しているもの及び二次的

加工を受けているものは現存部分の法量を括弧つきで示し

た︒法量下の数字は型式番号・最下段には出上地区を示し

た︒型式番号は次の通り︒

 つに型式 長方形の材︵方頭・圭頭などもこれに含める︶のも

     の︒

 ︵︶芯型式 長方形の材の側面に穴を穿ったもの︒

 つ芯型式 一端が方頭で︑他端は折損・腐蝕などによって原形

     の失われたもの︒原形は011‑032‑051型式のいずれか

     と推定される︒

 呂︸型式 小型矩形のもの︒

 こ回型式 小型矩形の材の一端を圭頭にしたもの︒

 つ呂型式 小型矩形で︑左右に切り込みをもつもの︒

 已︸型式 長方形の材の両端の左右に切り込みをいれたもの︒ 已に型式 長方形の材の一端の左右に切り込みをいれたもの︒つ呂型式 長方形の材の一端の左右に切り込みをいれ︑他端を    尖らせたもの︒こ治型式 長方形の材の一端の左右に切り込みがあるが︑他端    は折損・腐蝕などによって原形の失われたもの︒原形    は031‑已2‑033型式のいずれかと推定される︒云︸型式 長方形の材の一端の左右を削り︑羽子板の柄状に作    ったもの︒こ乙型式 長方形の材の一端の左右を削り︑羽子板の柄状にし︑    他端の左右に切り込みをもつもの︒つ店型式 長方形の材の一端の左右を削り︑羽子板の柄状にし︑    他端は折損・腐蝕などによって原形の失われたもの︒こコ型式 長方形の材の下端を尖らせたもの︒こ留型式 長方形の材の一端を尖らせているが︑他端は折損・    腐蝕などによって原形の失われたもの︒原形は033‑051    型式のいずれかと推定される︒已︸型式 用途の明瞭な木製品に墨書のあるもの︒つ呂型式 用途未詳の木製品に墨書のあるもの︒つ匠型式 折損・割截・腐蝕その他によって原形の判明しない

    もの︒

」O

(9)

こΞ型式 削屑︒

︵四︶本文に加えた符号は次の通りである︒

     木簡の表裏に文字がある場合︑その区別を示す︒

( )

木簡の卜端もしくは下端に孔が穿たれていることを示

す︒

口口口 欠損文字のうち字数の確認できるもの.

ロ レ 欠損文字のうち字数が数えられないもの

じ ド 記載内容からみて︑上または下に一字以ヒの欠字を推

    定したもの︒但し削屑については煩雑になるので︑こ

    の記⁚ケは省略した︒

■■■ 抹消により判読が困難なもの︒

〜〜〜 抹消した文字の字両が明らかな場合に限り︑原字の左

    傍に付しかに

ママ 異筆︑追筆︒合点︒編者が加えた註で︑疑問が残るもの︒

文字に疑問はないが︑意味が通じ難いもの︒

同一木簡と推定されるが直接つながらず︑中間の一字

以上が不明なもの︒ マ﹂  文字の上に重書して原字を訂正している場合︑訂正箇    所の左傍に・を付し原字を右傍に示した︒

L _ _ 」

校訂に関する註のうち︑本文に置き換わるべき文字を

含むもの︒

 ︵五︶釈文の出土地点の下に付した*は︑口絵図版に写真

を掲げた木簡を示す︒*1は図版1に対応する︒

本書の編集は寺崎保広が担当した︒釈読は寺崎∴呂川伴

子が行ない︑竹内亮工口江崇氏の助力を得た︒写真は井ヒ

直夫・中村一郎の撮影による︒

(10)

三︑木簡釈文

飛鳥藤原第八四次︵5BAS︶

土坑SK一〇

・口遺二文口

  口  口

・四百ハトハロ

LLLLLLLL了1了了了了了了了つ 卜月十エ

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︵旨Ξ・︵旨︶k︵︶添 昌沢︶

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口平字 日口口口

呂︸ zU︵︶︵︶器 戸こ︵︶

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︵︶巴 zにこ︵︶

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(11)

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御御若若若

南北溝SDO一

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口 口

     口口 I口悲倒口人道

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口 河 澄

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・陽陽陽陽

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(12)

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・有有口口口

南北溝SDO五        ﹁韓人 病侍力﹂︵言 ぶ出   口口口口口口口口口

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・口﹂﹂五斗二九 い達四石 七 口文一石斗ニロ    ロエJつ七塩

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・人欲言

・口口・口其拾折萄口 口﹂﹂

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︵トニロロロ    ﹁老夫丁力﹂

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︵に日・︵ヱ︶に︵︶︵︶添 屈ま

ね書き︶   ﹃に二に﹄︵︶芯 z穴器

︵回ブ︵芯サ↑︵︶81    N口5

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︵屈二︵ご︶ふ︵︶81    N﹂35

︵台ブ︵こ︶に︵︶胞 z回心

99.19.3 032    NJ36

(13)

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口口何口口口恒願口口 口何口日  ﹁送力

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(14)

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(15)

飛鳥藤原第九三次︵5BAS︶

南北溝SDO一

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溝SDO一A

官大夫 口 口

鮑耳酢二斗 口

  口口 己卯年分

口 口

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南北溝SDO五

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︵匝ブ︵ごサへ︵︶添

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︵賢二︵ごケニ︶︵︶81    N回2

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飛鳥藤原第九三次︵5AKA︶

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(16)

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賀賜評塞課部里

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︵釘の様︑上面に墨書︶

大大有大大大大大大大       道道道 道道道 道道道

宵賓賓賓賓賓賓 宵賓賓賓  道大大大有大有有道

    ﹁経こ口椋椋屋口

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飛鳥藤原第九二次︵5AME︶

流路SDO一〇

煮物

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四二九 アレクサンダー・フォン・フンボルト(一)(山内)

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