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北海道教育大学教職大学院の教育課程の変遷について

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Academic year: 2021

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(1)Title. 北海道教育大学教職大学院の教育課程の変遷について. Author(s). 龍島, 秀広. Citation. 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 : 教職大学院研究紀要 , 9: 7-13. Issue Date. 2019-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/10423. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 第9号. 特集. 北海道教育大学教職大学院の教育課程の変遷について 龍 島 秀 広*. 1 はじめに 北海道教育大学大学院教育学研究科専門職学位課程高度教職実践専攻(教職大学院)は、平成18年 7月11日の文部科学省中央教育審議会答申「今後の教員養成・免許制度のあり方について」で「教職 大学院の創設」が提言された1ことを受け、全国で最も早く平成20年度に開設された19大学院のうち のひとつである。昨年度(平成29年度)で開設10周年を迎えた。その間、教育課程は平成22、23年度 に開設科目及び修了に必要な単位数の一部変更、平成27年度にコースの再編を行っている。ただし、 当然のことであるが、定めた教育課程の枠の中で、授業科目、実習、演習などの内容は常に見直し、 充実を図り続けてきている。 現在、当大学では大学院の改編を計画中で、平成33年度から既設の大学院を教職大学院と学校臨床 に再編統合する見通しであり、教職大学院の定員は現在の45名から大幅に増員される予定である。そ のため、教育課程も大きく改変される。そのような現在、これまでの当教職大学院の教育課程の変遷 を跡付け、まとめておくことは有用と考え、平成23年度から平成29年度まで当教職大学院のカリキュ ラム委員長を務めた立場としてこの論考を作成した。. 2 開設当初の教育課程について 教職大学院の教育課程の基本的な枠組は、前記平成18年の答申の本文2と同答申添付3の文書にその 全体像がきわめて具体的に示されている。 添付の文書には、 教職大学院の教育課程の「1.全体構造」として、 図1が提示されている。また、添付の同文書の「2.学校における実 4 が必要としている。 習部分」では、 「10単位以上の学校における実習」. 「3.共通科目(基本科目)部分」においては、以下の「5領域」を 共通科目の内容とすることを示し、その単位数として「 (最低必要修 得単位数全体から「学校における実習」の最低必要修得単位数を引い たもののうちの半数)以上となることが目安となる」としている。 ① 教育課程の編成・実施に関する領域 ② 教科等の実践的な指導方法に関する領域. 図1(教育課程の)全体構造. ───────────────────── *. 北海道教育大学教職大学院(大学院教育学研究科高度教職実践専攻)札幌. 1. 平成19年3月文部科学省令「専門職大学院設置基準」改正,同4月施行. 2. 答申本文の「2.「教職大学院」制度の創設-教職課程改善のモデルとしての教員養成教育-」. 3. 答申の「別添2 教職大学院におけるカリキュラムについて(補論)」. 4. ただし,教員としての一定の実務経験者については「10単位の範囲内で教職経験をもって当該実習とみなすことができ るようにすることが適当」としている. 7.

(3) 龍 島 秀 広. ③ 生徒指導、教育相談に関する領域 ④ 学級経営・学校経営に関する領域 ⑤ 学校教育と教員の在り方に関する領域 「4.コース(分野)別選択科目部分」では、 「共通科目(基本科目)を確かな土台とした上で、 各コー ス(分野)、学生の専攻分野、研究テーマ等に応じた科目を履修」としている。 さらに、同答申の本文5には、「教職大学院については、研究者養成を目的とせず、高度専門職業人 としての教員の養成・研修に特化した教育を行うという課程の目的に鑑み、修了要件としては、研究 指導等を要しないこととし、一定期間の在学及び必要単位数の修得のみで足りるとすることが適当で ある・・(中略) ・・専門職大学院設置基準において45単位以上と規定することが適当である」 と、修士論文の作成を課さないことを示す記述や修了に必要な単位数の下限が示されている。 以上から、教職大学院の開設時に教育課程として示された枠組の要点は、 ・指定の5領域にわたる共通科目( [修了に必要な単位数-10] ÷2以上) ・コース(分野)別の選択科目 ・10単位以上の実習(現職教員は10単位まで免除可) ・修士論文は課さない ・修了に必要な最少単位は45単位 である。 この教育課程の大枠の許で、理論と実践の双方の高度な力量( 「理論と実践との融合」 )を身につけ た「新しい学校づくりの有力な一員となりうる新人教員の養成並びにスクールリーダーの養成」を求 められたのが教職大学院である。. 3 北海道教育大学教職大学院の教育課程 当教職大学院の教育課程の変遷とその理由を開設当初から振り返る。 (1)開設当初の教育課程とその問題点 北海道教育大学教職大学院では、前述の答申において教育課程として示された枠組に従い、 ① 共通科目は5領域の各領域2科目計10科目(各2単位)に、地元の教育委員会から要望のあっ た「特別支援教育に関する領域」の2科目(各2単位)を加え、全12科目(24単位) ② 選択科目は設けた3コース6について各コース5科目(各2単位)計15科目を設け、学生の所 属コースから4科目(8単位)とコースに関わらず4科目(8単位)計8科目(16単位) ③ 実習は現職教員とストレートマスター(入学時現職ではない者、以下「ストレート」 )で別の 実習を設け10単位 ④ 共通演習として「マイオリジナルブック(MOB)の作成」2単位 計52単位で、答申が下限とした単位数より7単位多い単位数を修得することで修了とした。 この教育課程で開設し、2年後、最初の卒業生を送り出した時点で問題点を洗い出したところ7、 ───────────────────── 5. 答申本文の「2.「教職大学院」制度の創設-教職課程改善のモデルとしての教員養成教育-/⑶ 具体的な制度設計(主 として設置基準に関連する事項について)/3.修了要件」. 6. 「学級経営・学校経営コース」「生徒指導・教育相談コース」「授業開発コース」. 7. 栢野彰秀「総合的な説明責任能力と個別課題を深める教職大学院のカリキュラム改善の特徴」北海道教育大学大学院高 度教職実践専攻研究紀要(創刊号)2011年(38~39頁). 8.

(4) 北海道教育大学教職大学院の教育課程の変遷について. 図2 開設当初の科目一覧 (「平成21年度学生便覧」から作成). ① 過密な業務をこなす現職教員学生 ② 夏休み、冬休みがなくなる現職教員学生 ③ 第2、3学期の始業準備が落ち着いてできない現職教員学生 ④ 人事異動内示後も授業を受ける現職教員学生 ⑤ 指導教員との討論を希望する学生 などが浮かび上がった。⑤を除いて現職教員にかかる問題点である。これは、当教職大学院は、現 に勤務している教員(以下「勤務現職教員」 )が勤務しながら就学できることを重視して設立され、 8 。また、広大 初年度の入学生には、勤務現職教員が特に多かったためではある(42人中28人66.7%). な北海道で、ひとつの大学院として授業を行おうと、札幌、旭川、釧路(平成29年度からは函館が加 9 でつなげて授業を わった)の各キャンパスを「双方向遠隔授業システム」 (以下、双方向システム). するというかなり野心的、冒険的な試みを企てたことで、同一時間帯に原則的に1科目の授業しかで きないという制約があったことも大きく影響している。 すなわち、勤務現職教員が就学可能なように、授業は月曜日から木曜日の夜間、18時から21時10分 の休憩をはさんで2時限と土曜日の4時限とした(金曜の夜は、実習関係の指導) 。そのため、1週 間の時限数は(同一時間帯に1科目の開講なので)12時限が上限となり、設定できる科目数に制約が ───────────────────── 8. 「勤務現職教員」は,増減はあるが現在まで毎年在学しており,平成30年度入学生までの全入学者458人中130人(28.4%) が勤務現職学生である。教育委員会からの派遣ではない勤務現職教員の多さは本教職大学院の極めて大きな特徴であり, 自ら学ぶ意欲のある現職教員に門戸を開くことに最大限の努力をすることで,現職教員の力量向上と入学生の確保にも 大きく寄与してきたと言えるだろう。. 9. 詳細を述べることは本論の目的ではないが,このシステムで授業を10年以上続けて来られたのは極めて異例,画期的な ことと思う。. 9.

(5) 龍 島 秀 広. 生じた10。その結果、当初の教育課程で卒業に必要な、実習10単位、MOB指導2単位を除く、共通科 目12科目、選択科目8科目の計20科目40単位の授業科目を2年間で履修可能とするためには、夏、冬、 春の学生の勤務する学校が休みになる期間に、多い時には2科目もの集中講義を設定せざるを得なく なった。 これは、勤務現職教員が在学中の2年間、勤務と大学の講義でほとんど休む暇がないという過酷な 就学状況を生むこととなった。また、この勤務と講義に追われる状況は、研究や実習を含めた修学に ついて指導教員と討論したり指導を受ける時間を設けることが難しいということにもつながり、⑤の 「何時、研究の指導、助言を受けたらいいのか?!」との院生の訴えが多く出た。このような問題点 を踏まえ、平成22、23年度に教育課程の変更が行われた。 (2)平成22、23年度の教育課程の変更とその問題点について 前項で述べた問題点を解消するため、22年度には、コース別に指導教員が担当するゼミ的な選択必 修の「事例研究Ⅰ、Ⅱ」11を設けた。23年度には、共通、選択の授業科目を精選して、卒業に必要な 単位数を52単位から46単位に軽減した一方で、指導教員が担当する「事例研究Ⅲ、Ⅳ」を追加した (共通科目を1科目減の11科目必修22単位、コース別の選択科目を各コース1科目減の各コース4科 目とし、学生の所属コースの科目から「事例研究」6単位を含む8単位以上に他のコースの科目も含 めて計12単位、実習10単位、MOB指導2単位、計46単位) 。 この時点での教育課程が図3である。修了に必要な単位数を46単位と減らしたものの「事例研究」 を6単位とし、 「マイオリジナルブック(MOB)作成」と合わせて、在学の全期間を通して指導教員 の十分な指導を受けられる時間数を確保した。 平成23年度からこの教育課程を実施したのだが、その中で問題点として浮かびあがったのは、 ① 現職教員(入学時で、通算5年以上の教員実務経験が必要)とストレートの学校現場での経験の 差 ②院生の研究テーマと指導教員の専門領域のミスマッチ の2点である。 現職教員は、実務経験をとおして教育現場の実際を身をもって体験してきている一方で、ストレー トは「実習」や「非常勤講師」などの現場体験はあるものの経験不足は否めない。そのため、多くの 授業科目において現職とストレートで理解の深さ、幅に差が出てしまうことになり、各担当教員はそ れを踏まえて、授業を構成、実施する努力を重ねていたものの限界を感じていた。また、現職学生か らは「現場では常識的な内容だ」 、ストレートの学生からは「現場の実際が判らないので授業が理解 できない」などの感想が出ていた。もっとも、一方では、現職とストレートが同じ授業を受け、討論 ───────────────────── 10. 当教職大学院では,開設時から勤務現職教員の利便性と負担軽減を考慮し,1科目を比較的短期間で履修できるように, 年間4クオーター制,全ての授業科目を2時限連続で行うこととしている。双方向システムをワンセット専用に使用す るとして,1クオーターでの開設可能科目数は6科目,年間では24科目が上限となる。ただ,当大学では双方向の会議 システムが複数あり,それを利用すれば,複数の科目を同時間帯に開設することは可能ではあるが,そうすると大学運 営や事務的な会議の開催に支障が生じてしまう。. 11. この時点でM1の事例研究ⅠもM2のⅡも通年の2単位で,その授業時間は各学生と担当指導教員が個別に調整して設定 することとした。そのため,日曜,祭日,夏季・冬季休日など,学生の休日に合わせて行うことも可能となった。翌23 年度には,事例研究Ⅲ,Ⅳを追加し,「事例研究」の各科目を半年(クオーター2期)で履修できるようにし,各2単 位とした。. 10.

(6) 北海道教育大学教職大学院の教育課程の変遷について. することで、現職はスト レートの「初心」の姿に 触れ、ストレートは現職 の実際の「経験」に触れ ることができて、双方に 大きな刺激と収穫が得ら れるというメリットも あった。 「ミスマッチ」につい ては、おそらく前に引用 した平成18年答申の「修 了要件としては、研究指 導等を要しないことと し、一定期間の在学及び 必要単位数の修得のみで 足りるとすることが適当. 図3 授業科目一覧(「教職大学院ご案内2012」から). である」との方針に根源的な要因があると思われる。すなわち、これまでの大学院では、学生は、大 学院の教員の専門分野やその専攻課程の研究領域について絞り込んだ研究をすることを希望して入学 して来ていたが、教職大学院の場合、特定の教員の指導を受けることを希望して入学してくる学生は ごくまれである。また、自身の深めたいテーマについて、これまでの大学院の学生のように、しっか り絞り込んで来ている学生も少数である。 指導する教員の側も、実務家教員は教育現場の事象を幅広く教授、指導できるものの深さという点 では、専門領域を持っている研究者教員に敵うものではない場合が多い。研究者教員は、専門分野に ついては深い指導ができるが、それ以外の指導となると全く歯が立たないということもある。 この問題は、設立当初からあったものだが、当教職大学院では、学生に、自身の興味関心に基づい て、主担当の教員以外の教員の指導を受けることを積極的に推奨することで、ミスマッチを軽減して きていた。いわば、主指導教員はいるが、全教員で学生の指導に当たるという体制である。そうでき るのが理想ではあるが現実はなかなか難しい。 (3)平成27年度の教育課程の変更とその問題点について 前項の2点の問題の改善に取組んだのが、平成27年度の教育課程の変更である(図4) 。変更した 12 のは点線で囲んだ部分 で、それ以外は、平成23年度から変更しておらず、本年度(平成30年)まで. この教育課程で運用している13。大きく変更したのは「コース」と各コースの科目履修の仕方である。 それまで、「学級経営・学校経営コース」 「生徒指導・教育相談コース」 「授業開発コース」の3コー スであったのを、教職経験概ね10年以上の現職教員向けの「学校改善力高度化コース」 、教職経験5 年以上の「教職実践力高度化コース」 、ストレート向けの「教職基礎力高度化コース」の3コースと した。 ───────────────────── 12. 「学校運営実習」の追加と選択科目を「コース」別ではなく「分野」別で示す変更を行った。. 13. ただし,平成30年度に一部の科目名称を変更した。. 11.

(7) 龍 島 秀 広. コース名称からも判る ように、現職教員向けの 2つのコースとストレー ト向けの1つのコースを 設けたということであ る。さらに、図5のよう に、コース別に履修科目 の指定と推奨を示した。 図5は、選択科目につ いて、主に現職向け、ス トレート向け、両方受講 可能などと判りやすく示 したものである。特に、 「学校改善力高度化コー ス」の選択科目で履修指 定した2科目を、充分な 教職経験のある現職教員 向けの科目であるとし. 図4 平成29年度の教育課程(「教職大学院のご案内2017」から). て、ストレートへは履修を推奨しないことで、授業内容を現職向けに構成、実施できるようにした。 この改善によって、科目によって、現職、ストレートいずれかに重点を置いた授業を行うことがある 程度は可能になった。 ②については、平成27年度の変更では実質的に改善されていない。これには理由がある。教職大学 院が開設されてから5年を経た平成24年の文部科学省中央教育審議会の答申14において、教員養成の 大学院は、教職大学院に統合する方向が示され、その具体的な指針が間もなく出されるものと思われ ていた。そのため、教育課程の大きな変更は、その指針が示されるのを待って行った方がよいと判断 していた。しかし、待っていた指針はなかなか出て来ず15、当教職大学院の教育課程の問題、特に① については放置できないと考え、平成27年度には、最小限の変更を行うこととした。②については、 教育課程の表には出ないかもしれないが、教職大学院の教育の質を左右する重大な問題であり、今後 の大きな検討課題として残されている。. 4 今後の教育課程について これまで述べたように、振り返ると、当教職大学院の教育課程は、設立以来、形式的なところでは ───────────────────── 14. 文部科学省中央教育審議会「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策(答申)」 (平成24年8月28日). 15. 結局,ある程度具体的な内容を含む指針は, 「国立教員養成大学・学部,大学院,附属学校の改革に関する有識者会議」 の「教員需要の減少期における教員養成・研修機能の強化に向けて―国立教員養成大学・学部,大学院,附属学校の改 革に関する有識者会議報告書―」(平成29年8月29日)まで示されなかった。また,この報告書は総花的との指摘を免 れない内容だが,その分,教職大学院の教育課程の具体的な「個別解」は各大学に委ねられ,各大学が特色をもった教 育課程を設定できる余地ができた。ただし,教育課程は文科省の了承(行政指導?)なしに編成できないので,文部科 学省(の担当者)が,各審議会,有識者会議等の答申,報告書をどのように解釈するかにかかっている。. 12.

(8) 北海道教育大学教職大学院の教育課程の変遷について. あまり大きな変更をしていない。 一方で、表には現れ難いが、授業科目、実習、 MOB指導のいずれについても内容を充実させて きた。それを可能にしたのは、実務家教員と研究 者教員が混じりながら双方向システムで3キャン パス(後に4キャンパス)を結ぶ授業を続けて来 たことと「コース会議(後に分野会議) 」の存在 が大きい。 双方向システムの授業では、その科目の主担当 の教員がいるキャンパス以外のキャンパスにもそ の科目を担当できる教員が必ず授業を担当してい る。双方向システムを鋏みながら、3人以上の教 員が協働して授業を行っているのである。 そして、 その授業内容、方法などについて、毎年2度(夏 期と新年度前)の「分野会議」と年3~4回の双 方向システムを使った全教員参加のFD研修会を 開催し、懇親を深めつつ検討し続けて来た。 各キャ. 図5 コース別選択科目履修モデル. ンパス間が極めて遠隔という事情がこのような形. (「2015年度(平成27年度)大学院教育学研究科 高度教職実践専攻学生便覧」から). 式を必要としたのであるが、図らずも授業の内容. 改善、向上という点では、どこにもない仕組みとなっていたと考えられる。ただし、この仕組が機能 するためには、教員間の信頼関係、協働意識が必須である。特に、実務家教員と研究者教員が、お互 いのもっている能力に敬意を払い、信頼して討論できる関係が重要である。そのことによって、「理 論と実践の双方の高度な力量(「理論と実践との融合」 ) 」を身につけた16「新しい学校づくりの有力 な一員となりうる新人教員の養成並びにスクールリーダーの養成」を含む、学校で活躍できる教員を 育てることが可能になっていたと思う。 枠組は中味を制約するが、制約の中でも、子ども達の未来を育む力量のある教員を育てることを忘 れない教育は可能と信じている。. ───────────────────── 16. 「理論と実践の融合」については,実は,日本の「臨床心理士」養成でも隠れた大きな問題となっていた。臨床心理士 が誕生してからほぼ30年が経つのだが,当初,その養成は,多くの実践家が大学教員となって行っていた。しかし,そ の次の世代以降になると,理論は強いが実践経験が乏しい大学教員が増加し,結果として,受験資格を得る修士卒段階 では,充分な実践力が身につかず,実践力の乏しい臨床心理士が増加することともなってしまった。そのような轍を繰 り返さないために,実務家教員の活用と「実習」が重要になる。. 13.

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