• 検索結果がありません。

学位論文題名Applications of Carbon Nanotubes to ScaffOldsforCe11Culture

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学位論文題名Applications of Carbon Nanotubes to ScaffOldsforCe11Culture"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 歯 学 ) 青 木 尚 史

     学位論文題名

Applications of Carbon Nanotubes to     ScaffOldsforCe11Culture

( カーボン ナノチュ ーブの細胞 培養用担 体への応用)

学位論文内容の要旨

【目的】

  カーボンナノチューブ(CNT)は、炭素原子のみからなる新素材であり、世界中の研究者に よって様々な基礎研究がなされている。その構造的、物理的、化学的、電気的特徴を生かし た電子デバイス、プローブ、電池等の研究成果が報告されている。しかし、その報告のほとん どが工業的応用であり、バイオ分野での研究はほとんどされていない。その一因に、アスベス トと類似しているCNTs自身の構造上や形態の問題からバイオ応用への発想に至らず生体適 合性の評価が確立されていなかったことが挙げられる。本研究の目的は、CNTsの生体材料 への応用であり、その有効性をあvitroで評価し、CNTsを用いて新たなる細胞培養用スキャ ホールド(足場)とそれを応用したデンタルインプラント体の表面処理方法を開発することであ る。

  第一部では、CNTsを用いた細胞培養用スキャホールドの開発と細胞培養、第二部では、

共焦 点レーザ ー顕微鏡 と走査電 子顕微鏡を使用しCNTsスキャホールド上の細胞形態の定 量解析、第三部では、多層および単層カーボンナノチューブの結晶構造に依存したタンパク 吸着能や細胞動態系のスキャホールドとしての違いの評価、第四部では、CNTs電着チタンイ ン プ ラン トの開発 と細胞培養 を行い、 組織再生 へのCNTsの応 用の可能 性を検討 した。

【材料と方法】

第一部

200 ptgの 多層CNTsを100mlの 脱イオン 水ヘ加え、超音波処理後、分散液を直ちにポリカ ーボネート(PC)の濾過膜を用いて吸引濾過した。さらに加熱乾燥し、スキャホールドを作製し た(MW)。スキャホールドにヒト骨肉腫由来の骨芽細胞様細胞SaOS2を播種後、3日および7 日間培養し、走査電子顕微鏡(SEM)にて細胞形態の観察と細胞数計測を行った。また、0.25%

(2)

のトリプシンーEDTA溶液0.6mlを用いて細胞剥離試験を行った。

  第二部

  第一部と同様に吸引濾過にてCNTsのスキャホールドを作製し、SaOS2を7日問培養した。

培養 後、 共焦 点レ ーザ ー顕 微鏡(CLSM)お よびSEMにて細胞形態観察、分析を行った。PC 膜を対照として用い、比較検討した。

  第三部

  多層(MW)、単層カーボンナノチューブ(SW)およびそれと同一のグラフェン構造からなるグ ラファイト(GP)を用いて、吸引濾過にて各種スキャホールドを作製し、SEM観察およびタンパク 吸着試験、SaOS2を用いて培養後、細胞形態観察、細胞数計測、アルカリファスフォターゼ く ALP)活 性 測 定 を 行 っ た 。 PC膜 を 対 照 と し て 用 い 、 比 較 検 討 し た 。   第四部

  乾燥した5 mgのCNTsを100mlのジメチルホルマリンに入れ、超音波処理にて分散させた。

その分散液中に直径21.8 mmの2枚のチタン板を電極として用い、1.5 mmの間隔で離して浸 積し、1.5Vの直流電流を12時間かけた。その後、チタン板を洗浄し、スキャホールドとして用 いた。CNTsがメッキされたチタン板上でSaOS2を3日間培養し、SEMにて細胞形態を観察し た 。 ポ リ ス チ レ ン デ ィ ッ シ ュ と チ タ ン 板 を 対 照 と し て 用 い 、 比 較 検 討 し た 。

【結果と考察】

  第一部

  吸引濾過にて作製したスキャホールドは、培地中でCNTsが剥離することなく膜に強固に 固着されていた。播種した細胞はCNTs上に接着し、成長することが確認された。PC膜、MW 共に細胞数は経時的に増加する傾向を示した。また、培養3日および7日後共に、MWは対 照であるPC膜に比較して細胞数は多い傾向を示した。細胞形態は、PC膜では一方向に伸 展し紡錘形を呈しているのに対して、CNTs上では平坦で全周に伸展した細胞が多数観察さ れた。細胞辺縁部の強拡大像では、PC膜上の細胞は仮足を気孔に向けて伸展させており、

その数は少なく短かった。一方、CNTs上の細胞は多数の仮足を長くナノチューブネットの中 に潜りこむように伸展しているのが観察された。CNTs上の細胞にトリプシン処理を行ったとこ ろ細胞は、球形になるものの、仮足が強カにCNTsと嵌合しているために、剥離しないことが 明らかとなった。このため本実験では、SEMを用いて細胞数計測を行った。これらの結果から CNTsは 細 胞 接 着 と 成 長 の た め の ス キ ャ ホ ー ル ド と し て の 可 能 性 が 示 唆 され た 。   第二部

  CLSMで観察したところ、PC膜上の細胞は、一方向に伸展しているのに対してMW上では 全周に伸展した細胞が多数観察された。断面プロファイリングを行ったところ、PC膜上の細胞

(3)

は長さ12.13 lim、高さ6.83pl,mでMW上の細胞は113.14 pmと4.35 ymになった。また、接 触角はそれぞれ28.3°と4.4°になりMW上の細胞はより平坦に伸展し成長していることが確 認で きた。 細胞 辺縁 部をSEMにて 観察す るとMW上 の細 胞は10〜20 ymの長さの仮足を多 数伸ばし、ナノチューブネットに絡んでいた。また、仮足の先端は、CNTsの表面に接着してい た。細胞反応がPC膜とMWでことなった理由として、MWは大きな表面積と高い表面エネル ギーを有しているのに加えてそれぞれのタンパク吸着現象が異なるためであると推察された。

  第三部

  作製したスキャホールドは、GPは約5l.tmの粒子状であり、MWとSWはナノ網目構造を呈 していた。タンパク吸着試験では、CNTsは、PC膜、GPより高い値を示した。また、CNTs間で 比較 するとSWの 方がMWよ り高 い値 を示 した 。GP、MW、SWは炭素原子のみからなる同素 体であるが、細胞の反応は全く異なったものとなった。CNTs上では、細胞成長、増殖、機能 がPC膜およ びGPより 向上 して いた 。特 に、SWで の細 胞増 殖、 総ALP活性 はMWより 高か った。CNTsの大きな表面積やナノ網目構造に伴う多孔性といった構造的性質と様々な分子 が表面に吸着しやすいというCNTsの化学的性質の影響が考えられる。これらの結果から、

CNTsは細胞培養用担体への応用の可能性が示唆された。

  第四部

  メッキ処理したCNTsは繊維構造を壊さずにチタン上に強固に付着しており、細胞培養実 験中に剥離はみられなかった。細胞形態を観察するとポリスチレンディッシュ上の細胞は紡錘 形を呈しており、CNTs上の細胞はチタン上と似て全周に平坦に伸展していた。さらに、細胞 辺縁部を観察するとCNTs上の細胞は、多数仮足を伸展し、その長さは、チタン上より約2倍 の5〜10 ymになった。仮足は、CNTsのメッシュ構造に絡ませており、チタン上の細胞は、仮 足をチタン表面に接着しているだけであった。生体親和性に優れているチタン上の細胞と形 態が似ていることや非常によく仮足をCNTsの網目構造に絡んでいることからCNTsは生体適 合性が優れていると考えられる。また、様々な分子を簡単にCNTsに吸着することができことか ら、メッキ処理したCNTsは、チタン上で細胞接着タンパクのバインダーとしての可能性が示唆 された。

【結論】

  CNTsを用いて吸引濾過とメッキ法によルスキャホールド作製およびチタンへの表面修飾を することができた。CNTs上の細胞は仮足をCNTsと絡ませ強固に接着し、非常に平坦かつ伸 展し、増殖、酵素活性の向上を示した。以上の結果から、CNTsは細胞と親和性を有し、細胞 培 養 用 担 体 や イ ン プ ラ ン ト 表 面 修 飾 へ の 応 用 の 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。

‑ 566

(4)

学 位 論 文 審 査 の 要 旨

     学位 論文 題 名

Applications of Carbon Nanotubes to     Sca 任 61dsforCe11Culture

(カ ーボンナ ノチュー ブの細胞 培養用担体 への応用)

  審査 は、主査 、副査が 一堂に会し、まず論文提出者に対して提出論文の内容の要旨を 説明 させ、次 いで論文 の内容にっいて審査委員の口頭試問を行った。以下に提出論文の 要旨 と審査の 内容を述 べる。

論 文要旨

  本研究の目的は,カーボンナノチューブ(CNTs)の生体材料への応用であり、その有効性を 由vitroで評価し、CNTsを用いて新たなる細胞培養用スキャホールド(足場)とそれを応用した デンタルインプラント体の表面処理方法を開発することである。

  多層(MWCNTs)、単層(SWCNTs)およびグラファイトを脱イオン水中で超音波処理を行い、

その分散液を直ちにポリカーボネート(PC)濾過膜に吸引濾過して固定した。その後、加熱乾 燥し、それぞれのスキャホールドを作製した(MW,SW,GP)。コントロールとしてPC膜を使用し た。骨芽細胞様細胞(SaOS2)を播種後、3日問および7日間培養し、スキャホールド上の細胞 数、細胞形態およびアルカリフオスファターゼ(ALP)活性を検索した。また、BCA法を用いて、

スキャホールドに対するタンパク吸着量を検索した。インプラント表面修飾への応用として CNTs電着チタンインプラントを開発した。その上でSaOS2を培養し、細胞形態を観察した。

  作製したス キャホー ルドは、GPは約5pmの粒子状であり、MWとSWはナノ網目構造を呈し ていた。タンパク吸着試験では、CNTsは、PC膜、GPより高い値を示した。また、CNTs間で比 較するとSWは 、MWより高 い値を示 した。GP、MW、SWは炭素原子のみからなる同素体であ るが、細胞反応は全<:異なっていた。CNTs上では、細胞成長、増殖、機能がPC膜およびGP に比較し優 れていた 。また、SWにおける 細胞増殖 、総ALP活性 はMWに比較し 高かった。

電着したCNTs上の細胞は、チタン上と同様に全周に平坦に伸展していた。細胞辺縁部にお いてはCNTs上の細胞は、多数仮足を伸展し、CNTsのメッシュ構造に絡ませているのが観察 されたが、チタン上の細胞は、仮足をチタン表面に接着しているのみであった。これらの結果

郎 夫信 敦文 正 山理 藤 横 亘進 授授 授 教教 教 査査 査 主副 副

(5)

は、CNTsの大きな表面積やナノ網目構造に伴う多孔性といった構造的性質と様々な分子が 表 面 に 吸 着 し や す い と い うCNTsの 化 学 的 性 質 に 起 因 す る こ と が 推 察 さ れ た 。   本研究から、CNTsは細胞と親和性を有すること、およびCNTsの細胞培養用担体やインプ ラント表面修飾への応用の可能性が示唆された。

審査の内容

1.濾 過方法 にっ いて

    本 実 験 で 用 い た 吸 引 濾 過 は 非 常 に 簡 便 な 方法 で あ る が 、CNTsをPC膜に 均一 に     強 固に 固着 でき るこ とが 明ら かとな った 。本 研究 にお けるCNTs濃度 は、 膜に均     一 にコ ーテ ィン グができ、かつ濾過中の凝集を防ぐのに最適な濃度に調整した。

2. CNTs上の 細胞 形態 にっ いて

    本 研 究 に 用い たSaOS2は 、 血 ガ ぬ り で は通 常 、 紡 錘 形 で あ る が 、CNTs上 だ と     著 しく平 坦な 形態 を呈していた。その形態は、生体親和性が高いチタン上での細     胞 形態と 類似 して いた 。ま た、ALP酵 素活 性の 向上がみられたことからも細胞と     CNTsの親 和性 は高 いの では ない かと 考え られ た。

3.細胞の仮足にっいて

    CNTs上の 細胞 は、 多数 の仮 足をナ ノチ ュー ブネ ット の中 に潜 り込 むよ うに 伸展     しているのが観察された。また、トリプシン処理を行っても剥離してこないのは、

    仮足 が強 カにCNTsと機 械的 嵌合し てい るた めと 考え られ た。 今後 、さ らに マイ     ク ロアレ イな どの 手法 を用いて、接着タンパクなどの化学的な結合も検討する必     要があると考えられた。

4.他の 細胞 での培 養に っい て

    予 備実 験とし て歯 肉由 来の 線維芽細胞で同様な培養実験を行ったところ、線維芽     細 胞 もCNTs上 で 増 殖 、 成 長 し てい る の が わ か っ た 。 今 後 、CNTsの細 胞特 異性     の 有無 を接着 因子 が異 なる 上皮系の細胞で培養することで確認する必要があると     考 えら れる。 また ,再 生医 療への応用の可能性を検討するため、骨髄間葉細胞を     用 い てCNTsの 細 胞 の 分 化 に 及 ば す 影 響 を 明 ら か に す る こ と も 期 待 さ れ る 。

5.無 血清 培地 での 培養 にっ いて

    細胞 接 着 、 増 殖 は 、CNTsの 化 学 的 お よ ぴ 構 造 的 特 徴 が 影 響して いる と考 えら     れる 。化学 的因 子を さら に検索する方法として無血清培地を用いて培養すること     も有 用では ない かと 考え られ る。

  CNTsを 用 い て 吸 引 濾 過と 電着 によ ルス キャ ホー ルド 作製お よび チタ ンへ の表 面修 飾 を す る こ と が 可 能 で あっ た。 細胞 培養 実験 より 、CNTs上の 細胞 は仮 足をCNTsと絡

(6)

ませ強固に接着し、著しく平坦な形態に伸展し、増殖、酵素活性の向上が認められた。

CNTsはアスベストと形状の類似性から為害性があるとの報告があるが、CNTsは生体 親和性を有し、細胞培養用担体やインプラント表面修飾への応用の可能性が示唆された。

  今後さらなる研究を進めることで臨床に反映しうると考えられ,将来性の点において も高く評価されるものであった.よって学位申請者は博士(歯学)の学位授与にふさわ しいものと認めた.

参照

関連したドキュメント

詳細情報: 発がん物質, 「第 1 群」はヒトに対して発がん性があ ると判断できる物質である.この群に分類される物質は,疫学研 究からの十分な証拠がある.. TWA

 毒性の強いC1. tetaniは生物状試験でグルコース 分解陰性となるのがつねであるが,一面グルコース分

線遷移をおこすだけでなく、中性子を一つ放出する場合がある。この中性子が遅発中性子で ある。励起状態の Kr-87

 体育授業では,その球技特性からも,実践者である学生の反応が①「興味をもち,積極

と言っても、事例ごとに意味がかなり異なるのは、子どもの性格が異なることと同じである。その

図 21 のように 3 種類の立体異性体が存在する。まずジアステレオマー(幾何異 性体)である cis 体と trans 体があるが、上下の cis

熱が異品である場合(?)それの働きがあるから展体性にとっては遅充の破壊があることに基づいて妥当とさ  

優越的地位の濫用は︑契約の不完備性に関する問題であり︑契約の不完備性が情報の不完全性によると考えれば︑