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Academic year: 2021

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博士課程用(甲)

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(様式4)

学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

( 村田 誠 ) 印

(学位論文のタイトル)

Influence of stroke volume and exercise tolerance on peak oxygen pulse in patients with and without beta-adrenergic receptor blockers in patients with heart disease

『心疾患患者におけるβ受容体遮断薬の有無が運動中の最大酸素脈と心拍出量におよぼす影響について』

(学位論文の要旨)2,000字程度、A4判

心不全、虚血性心疾患症例を初めとした心疾患症例に運動療法を行うことは予後改善効果を認める、

重要な治療法の一つであるが、運動負荷が過度や低負荷であると運動中の心事故や効果の減弱の可能 性が生じる。そのため、運動中の心機能評価や適量な運動負荷量の調整、あるいは息切れの原因検索 のため、心肺運動負荷試験(CPX)を行い、評価することが循環器分野において一般的である。

CPX中の運動負荷において、運動中に一回心拍出量(stroke volume:SV)が増大することは非常に重要 な指標であり、低心機能症例ではSVの増大不良が認められる。運動中のSVを直接測定するには、運動 中にSwan-Ganzカテーテルを留置する必要があり、侵襲度が高く現在では主に研究目的にしか行われず、

非侵襲的な方法としてFickの式より計算で求めることが一般的となっている。

VO2=Cardiac output×動静脈酸素格差・・Fickの式 Cardiac output=SV×心拍数(HR)

運動中の動静脈酸素格差はほぼ一定なので、これらを変換し運動時の最大SVは Peak SV=Peak VO2/HR

として求められる。つまり呼気ガス分析による最大酸素摂取量と心電図の心拍数から一回心拍出量 を非侵襲的に求めることが出来き、Peak VO2/HRを最大酸素脈(Peak O2 pulse)と呼ぶ。しかしな がら、HRはβ受容体遮断薬(BB)により安静時から運動中まで非使用例よりも低下する。さらに心疾 患症例ではBBが予後改善効果のある薬剤として認知されており、頻繁に使用されている。BB症例にお いてHRが低下することにより、PeakVO2/HRが実測値より増大し、本来のSVよりも高値となるかもしれ ない疑問が生じる。そこで、われわれはインピーダンス法で測定したSVとPeak O2 pulseに乖離が生じ るかを検討した。

方法として、2012年から2014年までインピーダンス法によるSV測定を併用しCPXを行った640例のう ち、心房細動などを除いた430例をBBの有無(Group A;BBなし、Group B;BBあり)にて分けて検証し た。

結果は平均値では両群で差はなかったが、Fig1に示すとおり、Group BはGroup Aよりも最大SVが 大きいほど、Group Aと乖離が生じ、Peak O2 pulseがより大きくなることを認めた。またSVと最大 酸素摂取量が高い症例では、BB使用例ほど、O2 pulse/SV ratioが高くなり、より乖離が生じること を見出した。

最大SV(88ml以上)が保持されている場合や最大酸素摂取量が高い症例(19ml/kg/min以上)にお いてβ受容体遮断薬を使用している場合は、酸素脈と一回心拍出量に差が生じるため、酸素脈より一 回心拍出量を推測する場合いは考慮を有する必要があると思われた。

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博士課程用(甲)

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その原因として、不明な点が多く今後の追加研究が望まれるが、可能性としてはそれぞれ以下の理 由が考えられる。SVが保持されていた群では、左室収縮能は軽度低下し、拡張能はborder lineであ った。運動中に実測のSVが低下した可能性が考えられる。最大酸素摂取量が高い群では、通常変化し ない動静脈酸素格差に変化上がった可能性などが考えられる。

終わりに、β受容体遮断薬は予後改善効果を認める有用な薬剤であるが、運動中のβ受容体遮断薬 の効果を判断した研究は報告が少なく、今後の追加検討が望まれる。今回我々は酸素脈について検討 を行ったが、今後の展開として、同じく予後規定因子の一つである最大酸素摂取量についての検討を 行う必要があると考える。はじめの方にも述べたが、最大酸素摂取量はCardiac output=SV×HRに規 定されている。運動後半のCardiac outputはSVの増大よりもHRの増大の影響を受ける。β受容体遮断 薬は運動後半のHRの増大不良を招く可能性があり、β受容体遮断薬を使用することで、同じく予後規 定因子である最大酸素摂取量を低下させる可能性が示唆されている。今後もこの分野の研究を行って いきたい。

参照

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