ENAA GEC2011-P2
平成23年度
CO 2 マイクロバブル地中貯留の成立性に関する調査研究 報 告 書
平成24年3月
一般財団法人 エンジニアリング協会 地 下 開 発 利 用 研 究 セ ン タ ー
この事業は、競輪の補助を受けて実施しています。
http://ringring-keirin.jp
序
本 報 告 書 は 、 財 団 法 人 J K A か ら 機 械 工 業 振 興 資 金 の 補 助 金 を 受 け て 、 一 般 財 団 法 人 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 協 会 地 下 開 発 利 用 研 究 セ ン タ ー が 、 平 成 2 3 年 度 「 C O 2 マ イ ク ロ バ ブ ル 地 中 貯 留 の 成 立 性 に 関 す る 調 査 研 究 」 と し て 検 討 を 進 め 、 そ の 成 果 を 取 り ま と め た も の で す 。
平 成 2 3 年 3 月 1 1 日 に 発 生 し た 東 北 地 方 を 中 心 と す る 東 日 本 大 震 災 は 、 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 被 災 事 故 を 引 き 起 こ し 、 日 本 の エ ネ ル ギ ー 戦 略 に 大 き な 衝 撃 を 与 え ま し た 。
わ が 国 の 電 力 供 給 は 、 原 子 力 発 電 の シ ェ ア が 減 少 し 、 火 力 発 電 に 委 ね る 事 態 へ と 大 き く 変 化 し ま し た 。 こ う し た 事 態 を 受 け て 、 C O 2 の 排 出 量 は 、 削 減 努 力 に も か か わ ら ず 、 増 加 傾 向 へ と 変 わ り つ つ あ り ま す 。 一 方 、 国 際 社 会 へ 約 束 し た 1990年 比 25% の 削 減 は 、 今 や 待 っ た な し の 状 況 下 に あ り 、 地 球 温 暖 化 防 止 に 向 け た C O 2 削 減 対 策 と し て の 二 酸 化 炭 素 地 中 貯 留 技 術 (CCS) が 再 び 脚 光 を 浴 び て い ま す 。
本 調 査 研 究 の マ イ ク ロ バ ブ ル に よ る C O 2 地 中 貯 留 は 、 マ イ ク ロ バ ブ ル の 特 性 を 活 か し 、 C O 2 を 溶 解 し 比 較 的 浅 い 塩 水 帯 水 層 に 貯 留 す る こ と を 可 能 と す る も の で 、 沿 岸 地 域 に 点 在 す る 中 小 規 模 の 排 出 源 に 適 用 で き 、 排 ガ ス か ら の C O 2 の 分 離 回 収 ・ 圧 入 ・ 運 搬 な ど の コ ス ト 削 減 を も 可 能 と す る 斬 新 な 技 術 で す 。
本 調 査 研 究 は 、 マ イ ク ロ バ ブ ル に よ っ て C O 2 を 溶 解 す る シ ス テ ム を 含 め 、 比 較 的 深 度 の 浅 い 地 層 に 地 中 貯 留 す る シ ス テ ム の 概 念 を ま と め 、 シ ス テ ム 建 設 と 貯 留 を 可 能 に す る 地 層 と 地 域 を 選 定 し 、 そ の 経 済 性 を 追 求 し た も の で 、 合 わ せ て 実 用 化 に 向 け て の 技 術 的 課 題 の 整 理 と 実 証 試 験 ま で の ロ ー ド マ ッ プ な ど を ま と め た も の で す 。 マ イ ク ロ バ ブ ル を 活 用 す る 二 酸 化 炭 素 地 中 貯 留 技 術 は 、 C O 2 地 中 貯 留 の コ ス ト を 低 減 で き る 新 た な 手 法 と し て 画 期 的 な 技 術 で あ り 、 広 く 、 社 会 に 貢 献 で き る 成 果 を 挙 げ る こ と が 出 来 ま し た 。
本 調 査 研 究 は 、 地 下 開 発 利 用 研 究 セ ン タ ー の 研 究 企 画 委 員 会 の 下 で 、 学 識 経 験 者 、 関 係 官 庁 な ら び に 当 協 会 会 員 企 業 の 専 門 家 か ら な る 調 査 研 究 委 員 会 ( 委 員 長 独 立 行 政 法 人 産 業 技 術 総 合 研 究 所 地 圏 資 源 環 境 研 究 部 門 當 舎 利 行 主 幹 研 究 員 ) と 作 業 部 会 を 編 成 し て 、 実 施 し て ま い り ま し た 。 な お 、 本 調 査 研 究 の 取 り ま と め に あ た っ て は 、 株 式 会 社 大 林 組 が 中 心 と な っ て 行 い ま し た 。
本 調 査 研 究 に ご 協 力 い た だ い た 関 係 各 位 に 対 し て 心 か ら 謝 意 を 表 す る と と も に 、 本 報 告 書 の 成 果 が 各 方 面 で 有 効 か つ 広 範 囲 に 活 用 さ れ る こ と を 心 よ り 期 待 す る 次 第 で す 。
平 成 2 4 年 3 月
一 般 財 団 法 人 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 協 会 理 事 長 久 保 田 隆
平成 23 年度
CO
2マイクロバブル地中貯留の成立性に関する調査研究 委員会名簿
委 員 長 當舎 利行 独立行政法人 産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門 主幹研究員
委 員 長田 昌彦 国立大学法人 埼玉大学 地圏科学研究センター 准教授 委 員 植村 豪 国立大学法人 東京工業大学 大学院理工学研究科
機械制御システム専攻 助教
委 員 五十嵐敏文 国立大学法人 北海道大学 大学院工学研究員
環境循環システム部門地圏物質移動学研究室 教授 委 員 高橋 正好 独立行政法人 産業技術総合研究所
環境管理技術研究部門 水環境工学研究グループ 主任研究員 委 員 薛 自求 公益財団法人地球環境産業技術研究機構
CO2貯留研究グループ 副主席研究員 委 員 駒田 広也 財団法人電力中央研究所 名誉研究顧問 委 員 海江田秀志 財団法人電力中央研究所 地球工学研究所
地圏科学領域 上席研究員
委 員 村上 嘉孝 財団法人エネルギー総合工学研究所 主管研究員
委 員 平松 晋一 応用地質株式会社 エネルギー事業部 執行役員 事業部長 委 員 松田 隆 株式会社大林組 技術研究所 副所長
委 員 小出 仁 温暖化防止地球システム株式会社 代表取締役社長
委 員 中西 繁隆 電源開発株式会社 火力建設部 主管技師長(地熱技術担当)
委 員 熊谷 司 日揮株式会社 中国事業開発室 室長代理
オブザーバー 松本 康夫 経済産業省 経済産業政策局 産業施設課 課長補佐 オブザーバー 佐藤 克哉 一般財団法人石油エネルギー技術センター
自動車・新燃料部 主任研究員 事 務 局 三井田英明 一般財団法人エンジニアリング協会
地下開発利用研究センター 技術開発部 部長 事 務 局 和田 弘 一般財団法人エンジニアリング協会
地下開発利用研究センター 技術開発部 研究主幹 前 事 務 局 佐藤 一浩 一般財団法人エンジニアリング協会
地下開発利用研究センター 技術開発部 研究主幹
平成 23 年度
CO
2マイクロバブル地中貯留の成立性に関する調査研究 作業部会 部会員名簿
部 会 長 鈴木健一郎 株式会社大林組 技術本部 技術研究所 地盤技術研究部 上席研究員
部 会 員 松下 典史 応用地質株式会社 エネルギー事業部 技術部 グループリーダー 部 会 員 下山 真人 株式会社大林組 技術本部 技術研究所
地盤技術研究部 副主任研究員 部 会 員 人見 尚 株式会社大林組 技術本部 技術研究所
生産技術研究部 副主任研究員
部 会 員 笹倉 剛 鹿島建設株式会社 技術研究所 地下水・地盤環境グループ 上席研究員
部 会 員 海老 剛行 鹿島建設株式会社 土木管理本部 土木技術部 課長 部 会 員 山 本 高 司 川崎地質株式会社 本社 技術本部 技術統括部 部長 部 会 員 田上 雅彦 川崎地質株式会社 事業本部 保全・エネルギー部 部長 部 会 員 堀川 滋雄 サンコーコンサルタント株式会社 地盤調査・防災部 副部長 部 会 員 戸沢 正徳 株式会社アサノ大成基礎エンジニアリング
資源エネルギー事業部 課長
部 会 員 小川 豊和 大成建設株式会社 技術センター 土木技術研究所 地盤・岩盤研究室 地下水チーム 主任研究員 部 会 員 稲葉 薫 株式会社竹中工務店 技術研究所 先端技術研究部 エコエンジニアリング部門 主任研究員
部 会 員 山浦 昌之 株式会社ダイヤコンサルタント 地圏環境センター 地盤解析グループ グループリーダー
専 門 委 員 志田原 巧 株式会社ニュージェック 国内事業本部 技師長 事 務 局 三井田英明 一般財団法人エンジニアリング協会
地下開発利用研究センター 技術開発部 部長 事 務 局 和田 弘 一般財団法人エンジニアリング協会
地下開発利用研究センター 技術開発部 研究主幹 前 事 務 局 佐藤 一浩 一般財団法人エンジニアリング協会
地下開発利用研究センター 技術開発部 研究主幹
平成 23 年度
CO
2マイクロバブル地中貯留の成立性に関する調査研究報告書 目 次
第1章 調査研究の概要 ··· 1
1.1 背景と目的 ··· 1
1.2 調査研究の進め方 ··· 1
1.3 調査内容と成果概要 ··· 2
1.3.1 CMSシステムに関する課題に対する検討 ··· 3
1.3.2 想定モデル地点の選定とCMS貯留システムのモデル構築 ··· 5
1.3.3 CMSシステムの経済性に関する概略検討 ··· 5
1.3.4 CMSシステムの実用化に向けた検討 ··· 5
第2章 CMSシステムに関する課題に対する検討 ··· 9
2.1 はじめに ··· 9
2.2 技術的課題の検討 ··· 17
2.2.1 MBの発生法、管理法における課題 ··· 17
2.2.2 注入方法 ··· 22
2.2.3 キャップロックの力学的安定 ··· 30
2.2.4 地中挙動 ··· 31
2.2.5 地中挙動の解析 ··· 40
2.3 CMSシステムの周辺環境への影響の検討 ··· 87
2.3.1 CO2漏洩による影響 ··· 87
2.3.2 酸性水の影響 ··· 92
2.3.3 排ガス注入における影響 ··· 95
2.4 PA対策と法制度に関する検討 ··· 98
2.4.1 CCSに関する法規制の動向と課題 ··· 98
2.4.2 CCSにおける環境影響評価 ··· 105
2.4.3 CCSの各過程における環境影響評価およびPAに必要な項目 ··· 106
2.4.4 CMSにおける環境影響評価項目 ··· 111
2.4.5 まとめと提言 ··· 114
第3章 想定モデル地点の選定とCMS貯留システムのモデル構築 ··· 117
3.1 想定モデル地点の選定 ··· 117
3.1.1 貯留層の地質条件 ··· 117
3.1.2 貯留の考え方 ··· 119
3.1.3 新第三紀鮮新統~第四紀更新統の分布 ··· 121
3.1.4 貯留有望地域の選定 ··· 121
3.1.5 Bモデル地域 ··· 123
3.2 サイト条件に応じた注入・貯留モデルの検討 ··· 124
3.2.1 Bモデル地域の地質概要 ··· 124
3.2.2 Bモデル地域の貯留可能量と物性値 ··· 128
3.3 マイクロバブルの地中挙動に関する検討 ··· 131
3.3.1 注水井・揚水井併用方式でのコントロール方法の検討··· 131
3.3.2 注入井・揚水井方式による1貯留ユニットの貯留可能量の検討 ··· 132
第4章 CMSシステムの経済性に関する概略検討 ··· 145
4.1 はじめに ··· 145
4.1.1 CCSにおけるコスト ··· 145
4.1.2 コスト試算に当たっての前提 ··· 150
4.2 コストの試算 ··· 151
4.2.1 掘削コスト ··· 151
4.2.2 モニタリングコスト ··· 151
4.2.3 維持管理コスト ··· 151
4.2.4 輸送コストについて ··· 152
4.2.5 操業コスト ··· 154
4.2.6 再生可能エネルギーとの比較 ··· 154
4.3 推進要因 ··· 157
4.3.1 炭素税 ··· 157
4.3.2 クリーン開発メカニズム(CDM) ··· 157
4.3.3 COP17での成果 ··· 159
4.4 CMSシステムの経済性に関する概略検討のまとめ ··· 160
第5章 CMSシステムの実用化に向けた検討 ··· 161
5.1 開発のための手順(ロードマップ)の検討 ··· 161
5.1.1 CCSのロードマップ ··· 161
5.1.2 CMSのロードマップ ··· 164
5.2 試験計画等の立案 ··· 166
5.2.1 室内模型試験による検証 ··· 167
5.2.2 原位置試験による検証 ··· 170
第6章 まとめ ··· 173
6.1 CMSシステムに関する課題のまとめ ··· 173
6.2 想定モデル地点の選定とCMS貯留システムのモデル構築 ··· 174
6.3 CMSシステムの経済性に関する概略検討 ··· 174
6.4 CMSシステムの実用化に向けた検討 ··· 174
○付録:略語表 ··· 付-1
1
第1章 調査研究の概要
1.1 背 景 と 目 的
地 球 温 暖 化 対 策 の 方 法 と し て 、CCS(Carbon Dioxide Capture & Storage) に 期 待 が か か っ て い る 。現 在 の CCSは 、排 ガ ス か ら 回 収 し た CO2を 、GL-800m以 深 の 遮 蔽 層 と な る 地 層 下 位 の 貯 留 層 ( 砂 層 な ど ) に 、 超 臨 界 状 態 で 圧 入 貯 留 す る 概 念 が 主 流 で あ る が 、CO2
の 分 離 ・ 回 収 お よ び 輸 送 に 大 き な コ ス ト が か か る と い っ た 課 題 が あ る 。 ま た 、 超 臨 界 状 態 のCO2に は 大 き な 浮 力 が 働 き 、上 昇 し や す い と い っ た 問 題 も あ る 。一 方 、CO2を 地 下 水 に 溶 解 し た 場 合 、 溶 解 水 は 地 下 水 よ り 重 く な る た め 、 安 定 な 状 態 で 地 中 に 隔 離 す る こ と が で き る 。し か しCO2を 地 表 で 溶 解 し 、注 入 す る と 多 量 の 水 を 必 要 と す る た め 、非 常 に 非 効 率 で あ る 。こ う し た 点 を 解 決 し 、排 ガ ス を 対 象 と し て CO2を 地 下 水 に 溶 解 し 、安 定 的 に 貯 留 で き れ ば 、 回 収 コ ス ト が か か ら ず 経 済 的 で 安 全 な 地 中 貯 留 シ ス テ ム と な る こ と が 期 待 さ れ て い る 。
本 調 査 研 究 は 、 地 下 水 に 溶 解 し や す い マ イ ク ロ バ ブ ル の 特 性 を 活 か し 、 既 存 の 深 部 塩 水 帯 水 層 を 貯 留 層 と し 、マ イ ク ロ バ ブ ル に よ っ て CO2を 地 中 貯 留 す る 概 念 の 成 立 性 に 関 す る 調 査 研 究 を 行 う も の で あ る 。
本 年 度 は 、 特 に 安 全 性 と 経 済 性 に 留 意 し た 検 討 を 主 と し 、 平 成 22 年 度 の 調 査 研 究 成 果 を も と に 、 マ イ ク ロ バ ブ ル 地 中 貯 留 (Carbon Dioxide Micro Bubble Storage 以 下 CMS と い う ) に 関 す る 資 料 を 再 収 集 整 理 す る と と も に 、 マ イ ク ロ バ ブ ル 地 中 貯 留 シ ス テ ム の モ デ ル を 構 築 し 、 経 済 性 を 検 討 す る こ と で 、 そ の 成 立 可 能 性 を 検 討 し た 。 ま た 、 環 境 面 へ の 影 響 評 価 に 関 す る 課 題 整 理 と そ の 対 策 検 討 を 行 い 、 実 用 化 に 向 け た ロ ー ド マ ッ プ の 立 案 と 試 験 計 画 を 検 討 し た 。
1.2 調 査 研 究 の 進 め 方
実 施 体 制 は 、図 1.2-1の と お り 。
図 1.2-1 調 査 研 究 実 施 体 制 作業部会
一般財団法人エンジニアリング協会
委員会
●CMS 貯留システムのモデル構築
●CMS システムの経済性に関する 概略検討
●文献調査と情報収集・整理
●CMS システムに関する課題 に対する検討
●想定モデル地点の選定
●CMS システムの実用化 に向けた検討
CMS の成立性に関する検 討結果に対して、学識経 験者による見識、意見を 拝聴し成果に反映する。
業 務 実 施 責 任 者
2
1.3 調 査 内 容 と 成 果 概 要
調 査 研 究 は 、図 1.3-1 の 実 施 手 順 に 沿 っ て 進 め た 。
ま た 、 委 員 会 の 活 動 実 績 は 、表 1.3-1に 示 す と お り で あ る 。
1. 課題への対策・解決案検討
(1)技術的課題の検討 (2)周辺環境への影響検討 (3)PA対策検討
(4)制度に関する検討
2. FSの予備検討
4. 日本型CCSの課題の抽出・整理 3. 成立に向けてのROAD MAPの作成
(1)経済性の概略検討
(1)調査計画の立案
平成23年度
図 1.3-1 平 成 23 年 度 調 査 研 究 の 実 施 手 順
表 1.3-1 委 員 会 活 動 実 績
委 員 会 開 催 日 時 審 議 内 容
第 1 回 委 員 会 平 成 23 年 6月 17 日(金) 1 . 実 施 計 画 書 2 . 作 業 部 会 の 設 置 第 2 回 委 員 会 平 成 23年11月14日(月) 1 . 中 間 成 果 報 告 第 3 回 委 員 会 平 成 24 年 3月 9日(金) 1 . 成 果 報 告
第 1 回 委 員 会 で 設 置 が 承 認 さ れ た 作 業 部 会 は 、平 成 23年6月 よ り 本 格 的 に 作 業 を 進 め 、 表 1.3-2 に 示 す 実 施 工 程 表 に 沿 っ て 検 討 を 進 め た 。 作 業 部 会 は 、 平 成 23 年 6 月 か ら 平 成 24年 2月 ま で に 計 14 回 開 催 し た 。
3
表 1.3-2 実 施 工 程 表
平 成 2 3 年 度
4 5 6 7 8 9 1 0 1 1 1 2 1 2 3
(1) CMS シ ス テ ム に 関 す る 課 題 に 対 す る 検 討
① 技 術 的 課 題 の 検 討
② 周 辺 環 境 へ の 影 響 評 価
③ PA 対 策 や 法 制 度 に 関 す る 検 討
(2) 想 定 モ デ ル 地 点 の 選 定 と
CMS 貯 留 シ ス テ ム の モ デ ル 構 築
① 想 定 モ デ ル 地 点 の 選 定 ・ 検 討
② サ イ ト 条 件 に 応 じ た モ デ ル 検 討
(3)CMS シ ス テ ム の 経 済 性 の 概 略 検 討
(4) CMS シ ス テ ム の 実 用 化 に 向 け た 検 討
① 開 発 の た め の 手 順 の 検 討
② 試 験 計 画 等 の 立 案
1.3.1 CMS シ ス テ ム に 関 す る 課 題 に 対 す る 検 討
CMSシ ス テ ム に 関 す る 課 題 を 検 討 す る に 当 た り 、シ ス テ ム の コ ン セ プ ト か ら 抽 出 し た 技 術 的 課 題 、CO2が 漏 洩 し た 場 合 の 環 境 へ の 影 響 、お よ び 、社 会 的 受 容 性 と 法 規 制 に つ い て の 検 討 を 行 っ た 。
図 1.3-2 CMS シ ス テ ム の コ ン セ プ ト ( RITE H17 報 告 書 P1097 か ら 一 部 引 用 )
4
こ れ ら の 検 討 結 果 の 要 約 は 、 以 下 の と お り で あ る 。
1) 今 後 の 溶 解 特 性 把 握 に は 、 マ イ ク ロ バ ブ ル の 発 生 を 圧 力 下 で 行 い 、 マ イ ク ロ バ ブ ル に よ る CO2飽 和 溶 液 作 成 ま で の 時 間 の 検 証 、ミ リ バ ブ ル が 圧 力 下 で マ イ ク ロ バ ブ ル と な っ た 場 合 に ど こ ま で 溶 解 さ せ る こ と が で き る か の 検 証 が 必 要 で あ る 。
マ イ ク ロ バ ブ ル の 寿 命 は 数 分 か ら 数 10 分 程 度 と さ れ て い る が 、 間 隙 構 造 に ト ラ ッ プ さ れ た バ ブ ル が 数 分 後 に 消 滅 す る か 、消 滅 す る な ら 流 動 障 害 挙 動 が 現 れ る の は 何 故 か 、 な ど の 問 題 を 解 決 し て い か ね ば な ら な い 。
2) 原 位 置 で の マ イ ク ロ バ ブ ル 作 成 法 に よ っ て は 、1)の 課 題 が 解 決 さ れ る 可 能 性 が あ る が 、現 状 の 解 析 に お い て も バ ブ ル の 存 在 は 無 視 し て い る 。間 隙 構 造 中 の バ ブ ル の 移 動 は 、 セ メ ン ト ミ ル ク の 注 入 を 参 考 に 考 え る と 、 粒 径 が 間 隙 構 造 の 1/3 以 下 で あ れ ば 、そ れ ら が 目 詰 ま り を 起 こ す 確 率 が 低 い こ と か ら 、作 成 さ れ る マ イ ク ロ バ ブ ル 径 が 50μm 以 下 で あ れ ば 、間 隙 径 の 最 小 値 が 150μm 程 度 の 地 盤 で あ れ ば 問 題 な い と 考 え ら れ る 。
3) 地 中 挙 動 を モ ニ タ リ ン グ す る た め に は 、CO2濃 度 お よ び そ れ に 依 存 す る 地 下 水 のpH や 伝 導 率 を 直 接 計 測 、 そ の 後 も モ ニ タ リ ン グ し て い く こ と が 望 ま し い 。
4) CO2 溶 解 水 は 地 下 水 よ り も 極 僅 か に 密 度 が 大 き い た め に 地 下 水 流 動 に 従 っ て ほ ぼ 下 方 に 移 動 す る 。た だ し 、流 動 が 上 方 に 向 か え ば そ の わ ず か の 密 度 差 で は 流 線 の 方 向 に 従 っ て 移 動 す る 可 能 性 は あ る 。 さ ら に 長 期 的 に は 拡 散 す る 。
注 入 井/揚 水 井 併 用 方 式 で は 、常 に 上 方 の 流 れ を 作 ら な い よ う に 地 下 水 管 理 を し て い く 必 要 が あ る 。
5) 揚 水 井 に 高 濃 度 の CO2溶 解 水 が 到 達 し 、 そ れ を 揚 水 し た 場 合 に は 、 急 激 な CO2の 気 化 は 当 然 起 こ る 。こ れ を 防 ぐ に は 、揚 水 井 で 揚 水 さ れ た 地 下 水 の 水 質 モ ニ タ リ ン グ を 連 続 的 に 実 施 し 、 そ れ に 基 づ い た 注 入/揚 水 の 管 理 を す る 必 要 が あ る 。
6) 深 度-300m で 飽 和 状 態 に あ る CO2溶 解 水 は pH4 程 度 の 酸 性 で あ る 。 そ の た め 、 周 辺 岩 石 か ら の 有 害 金 属 や 硫 酸 塩 、 塩 化 物 溶 出 の 可 能 性 が あ る 。
貯 留 サ イ ト の 岩 盤 に お け る 溶 出 可 能 元 素 の 特 定 と そ の 溶 出 速 度 に つ い て 事 前 に 検 討 し て 把 握 す る こ と が 必 要 で あ る 。ま た 地 下 水 水 質 の モ ニ タ リ ン グ 項 目 に 有 害 金 属 な ど の 飲 料 水 基 準 を 設 け て お く 必 要 が あ る 。
7) 遮 蔽 層 に つ い て は 、 引 張 強 さ を 考 え る と 貯 留 層 で の 条 件 を 満 た せ ば せ ん 断 破 壊 は 生 じ な い が 、引 張 を 考 え る と 遮 蔽 層 /貯 留 層 境 界 で は 0.16~4.2MPa( 一 軸 圧 縮 強 度 の 約 1/6、C の 1/3)と な り 、上 述 の よ う に 過 剰 間 隙 水 圧 が 生 じ な い よ う 境 界 か ら 下 で ケ ー シ ン グ を し て お く 必 要 が あ る か も 知 れ な い 。
8) キ ャ ッ プ ロ ッ ク が あ る 場 合 で は 、 キ ャ ッ プ ロ ッ ク よ り 下 部 で 注 入 す れ ば キ ャ ッ プ ロ ッ ク へ の 過 剰 間 隙 水 圧 の 影 響 は 低 減 さ れ 、上 部 で の 圧 力 分 布 の 異 方 性 も 緩 和 さ れ る た め 効 率 的 で あ る 。
9) 水 平 方 向 に 異 方 性 が あ る 場 合 、 同 一 水 位 ま で 揚 水 す る に は 方 向 に よ り 揚 水 量 が 異 な る の で 、低 下 水 位 で 制 御 す る と 貯 留 範 囲 も 限 ら れ 、揚 水 量 と 注 水 量 も バ ラ ン ス し な い 。そ の た め 、注 水 井/揚 水 井 併 用 方 式 で 制 御 す る に は 、透 水 係 数 の 異 方 性 も 考 慮 し た 制 御 が 必 要 で あ る 。
10)地 中 に 侵 入 し た マ イ ク ロ バ ブ ル の 挙 動 、鉱 物 化 な ど の 地 化 学 反 応 、生 物 膜 等 に 関 す る 目 詰 ま り 現 象 な ど の 生 物 的 な 問 題 も 、 今 後 の 課 題 と な る 。
5
1.3.2 想 定 モ デ ル 地 点 の 選 定 と CMS 貯 留 シ ス テ ム の モ デ ル 構 築
FS に 向 け た 予 備 検 討 を 進 め る た め に 、 想 定 モ デ ル 地 点 を 選 定 し 、 貯 留 シ ス テ ム の モ デ ル 構 築 を 行 い 、 貯 留 可 能 量 の 試 算 を 行 っ た 。 そ の 結 果 概 要 は 次 の よ う で あ る 。
1) 排 出 源 と 地 質 条 件 か ら B モ デ ル 地 点 を 選 定 し た 。
2) B モ デ ル 地 点 で の 貯 留 可 能 量 は 、240万 t-CO2と 推 定 さ れ た 。
3) 注 入 井 1 本 、揚 水 井 4 本 の 1 貯 留 ユ ニ ッ ト で は 、4%濃 度 で 溶 解 さ せ た CO2は 、注 入 井 - 揚 水 井 の 離 間 距 離 200mの 場 合 、15 万 t-CO2、300mで 34 万 t-CO2と な る 。
1.3.3 CMS シ ス テ ム の 経 済 性 に 関 す る 概 略 検 討
CMSシ ス テ ム に お け る コ ス ト 試 算 を 行 い 、 大 規 模 集 中 型 CCSと の 比 較 を 行 っ た 。 コ ス ト 試 算 の 前 提 は 次 の と お り で あ る 。
・ 対 象 排 出 源 : 年 間 1 万 t-CO2~10 万 t-CO2 程 度 の 小 規 模 排 出 源 。 た だ し 、 高 純 度 CO2排 出 源 と な る 水 素 製 造 工 場 を 対 象 と し 、CO2の 分 離 ・ 回 収 費 用 は 計 上 し な い 。
・ 貯 留 サ イ ト ま で の 距 離 : 地 域 分 散 型 の 特 徴 で あ る 排 出 源 、事 業 所 直 下 ま た は 近 傍 の 陸 域 か ら の 注 入 で あ る た め 、 パ イ プ ラ イ ン や 船 舶 な ど の 長 距 離 輸 送 を 伴 わ な い 。
・ 注 入 CO2の 状 態:貯 留 域 周 辺 の 地 下 水 を 揚 水 し て 使 用 。注 入 井 内 に お い て マ イ ク ロ バ ブ ル を 発 生 さ せ 、地 下 水 に 溶 解 さ せ て 貯 留 層 に 注 入 す る 。超 臨 界 CO2を 注 入 す る た め の 高 圧 注 入 設 備 は 不 要 。
ま た 、再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー と の CO2削 減 効 果 の 比 較 を も 行 っ た 。再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー と の 比 較 で は 、 石 油 火 力 発 電 で 1t-CO2 を 排 出 す る 発 電 量 を 標 準 と し て 、 同 一 発 電 量 を 確 保 す る た め の 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 発 電 費 用 に 一 般 単 位 発 電 単 価 を 乗 じ た も の と 比 較 し た 。
こ れ ら 経 済 性 に 関 す る 検 討 結 果 は 次 の と お り で あ る 。
1) コ ス ト 試 算 で は 、CMSシ ス テ ム の コ ス ト は 、4,600~6000円/t-CO2と 試 算 さ れ た 。 2) ス ケ ー ル メ リ ッ ト が あ る た め 、 設 備 費 用 に 関 し て は 、 大 規 模 CCS よ り 高 価 と な る
が 、 輸 送 コ ス ト を 考 慮 す る と 同 等 ま た は 優 位 と な る 。
3) CO2削 減 効 果 を 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー で の 発 電 に よ る 削 減 効 果 と 比 較 す る と 、太 陽 光 発 電 、 マ イ ク ロ 水 力 発 電 、 バ イ オ マ ス 発 電 よ り は 高 く 、 地 熱 発 電 や 風 力 発 電 よ り は 低 か っ た 。 た だ し 、 こ の 比 較 は 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 売 電 価 格 に 依 存 す る こ と に 注 意 さ れ た い ( こ こ で は 一 律 25 円/kWh と し た )。
1.3.4 CMS シ ス テ ム の 実 用 化 に 向 け た 検 討
CMSシ ス テ ム 実 用 化 に 向 け た 開 発 手 順 を ロ ー ド マ ッ プ と し て 整 理 し 、こ の 実 現 に 向 け た 課 題 抽 出 と 解 決 た め の 最 初 の 段 階 と し て 、 模 型 地 盤 に よ る 室 内 試 験 計 画 と 小 規 模 の 原 位 置 実 証 試 験 計 画 を 立 案 し た 。
1) 内 閣 府 、RITE、IEAの CCS に 関 す る ロ ー ド マ ッ プ を 参 考 に 、CMSシ ス テ ム の ロ ー ド マ ッ プ を 作 成 し た 。2020年 ま で に 室 内 、原 位 置 で の 研 究 開 発 を 終 了 し 、実 用 化 を 目 指 す も の と し た (図 1.3-3)。
2) 実 用 化 の た め 、 安 全 性 お よ び 社 会 的 受 容 性 を 得 る た め の 室 内 模 型 試 験 お よ び 原 位 置 実 証 試 験 の 立 案 を 行 っ た (図 1.3-4~図 1.3-5)。
6
技術
法規制
財源
広報活動
室内模型実 験による実証
CCS実証の法 的枠組み
より多くの政 府資源を供給
研究開発費の確保 CMS実証にお
ける法的枠組 経験増による全領域の法規制枠組みの継続的評価と改良
炭素税/CDM活用による商用CMSの援助 削減産業分野の拡大
旧排出プラントへの適用 新規排出プラントへの適用
模型試験/原 位置実証試 験による広報
広報教育活動戦略の改良 商用プラント
への適用 原位置実証
試験の実施
2012 2015 2020 25%減
2030 2040 2050
80%減
(1990年比)
CMSシステムのロードマップとマイルストーン
原位置実証 試験計画
排出源の ポテンシャル評価
炭素税/CDMの検討
図 1.3-3 CMS の ロ ー ド マ ッ プ と マ イ ル ス ト ー ン
観測井
観測井 注入井
二重管流量計
差圧計 CO2流量計
ドレーン
二重管流量計
差圧計 CO2流量計
ドレーン 二重管流量計
差圧計 CO2流量計
ドレーン
上流観測 液/気流量
下流側観測 液/気流量 境界圧力設定
(空気圧)
遮蔽層破過観測
圧力/伝導度 表示パネル PC収録へ
CO2溶解タンク 水タンク 100L CO2
ボンベ pHセンサー
圧力センサー 1000
1000
全体構成
設置必要床面積 4m×2m、観察用 4m×2m
図 1.3-4 室 内 模 型 試 験 全 体 構 成
7
ポンプ 圧縮機 ポンプ
10m程度 離間距離
10m程度
CO2ガス/CO2溶解水 モニタリング 地下水
モニタリング
CO2 ボンベ
( 鉛 直 断 面 )
離間距離 10m程度
CO2ガス/CO2溶解水 地下水
モニタリング
モニタリング CO2
ボンベ
モニタリング
モニタリング
( 平 面 図 )
図 1.3-5 原 位 置 試 験 概 略 図
9
第2章 CMSシステムに関する課題に対する検討
2.1 は じ め に
CO2マ イ ク ロ バ ブ ル 地 中 貯 留 シ ス テ ム は 、地 域 分 散 型 の 排 出 源 直 下 ま た は そ の 近 傍 の 地 下300mか ら 500m深 度 の 帯 水 層 に マ イ ク ロ バ ブ ル でCO2を 地 下 水 に 溶 解 さ せ て 貯 留 す る シ ス テ ム で あ る 。 そ の 概 念 図 を図 2.1-1 に 示 す 。
図 2.1-1 で は 、 高 純 度 CO2排 出 源 と 言 わ れ る 水 素 製 造 過 程 で 排 出 さ れ る CO2を 対 象 と し て 、地 下 の 注 入 井 中 に お い て 、CO2を マ イ ク ロ バ ブ ル と し て 揚 水 し た 地 下 水 に 溶 解 さ せ て 貯 留 す る シ ス テ ム を 示 し た 。後 述 す る よ う に 、注 入 井 に お い て CO2を 完 全 に マ イ ク ロ バ ブ ル に よ っ て 溶 解 さ せ る 方 法 、 お よ び マ イ ク ロ バ ブ ル が 地 中 に 浸 入 し た 場 合 、 移 動 す る 間 に 溶 解 し て い く か の 挙 動 に つ い て は 技 術 的 課 題 で あ る 。
従 っ て 、今 年 度 は 、CO2溶 解 水 が 地 中 で 生 成 出 来 る 、ま た は 、マ イ ク ロ バ ブ ル が 地 中 に 浸 入 し て 移 動 す る 間 に 溶 解 す る 、と い う 前 提 で 検 討 を 行 っ た 。な お 、検 討 に は CO2回 収 シ ス テ ム は 含 め て い な い 。
ま た 、 他 産 業 排 出 源 に お い て は 、 回 収 シ ス テ ム が 必 要 と な る 場 合 も 当 然 あ る た め 、 こ の よ う な 概 念 の CMSシ ス テ ム に お い て 、CO2の 回 収 か ら 長 期 貯 留 ま で の シ ナ リ オ 、 お よ び 注 入 か ら 長 期 貯 留 時 の リ ス ク シ ナ リ オ を図 2.1-2 の よ う に 考 え 、 網 掛 け 部 分 を 検 討 の 前 提 と し た 。
2.2節 で は 、 シ ス テ ム の 課 題 を 検 討 す る に 当 た り 、 シ ナ リ オ か ら 抽 出 し た 技 術 的 な 課 題 に つ い て 、2.3 節 で は 、漏 洩 し た 場 合 の 広 く 環 境 へ の 影 響 に つ い て 、2.4節 で は 、社 会 的 受 容 性 と 法 規 制 に つ い て 検 討 し た 。
図 2.1-1 CMS シ ス テ ム の コ ン セ プ ト
( RITE H17 報 告 書 P1097 か ら 一 部 引 用 ) 製油所
水素製造工場
貯留/バッファ
タンク ポンプ 圧縮機 ポンプ
離間距離
CO2ガス/CO2溶解水 モニタリング 地下水
モニタリング
揚水井 注水井 揚水井
10 分 離・回 収
発 電 所 等 分 離・回 収 シ ス テ ム を 有 す る よ う な 大 規 模 排 出 源 か ら の 一 部 CO2
水 素 精 製 工 場 で 排 出 さ れ る 98%純 度 の CO2 こ れ ら 貯 留 可 能 な CO2を 主 な 対 象 と す る 。 た だ し 、排 気 ガ ス を 直 接 マ イ ク ロ バ ブ ル で 注 入 し て 、溶 解 度 の 差 に よ る 地 中 分 離 に つ い て は 若 干 の 考 察 を 含 め る 。
排 出 源 直 下 ま た は 近 傍 に 分 散 し て 貯 留 す る こ と を 考 え 、 注 入 位 置 ま で は パ イ プ ラ イ ン と す る 。 パ イ プ ラ イ ン の 耐 圧 は 注 入 口 元 で 加 圧 す る た め 、 口 元 ま で は 数 気 圧 を 考 え れ ば よ い 。
輸 送
貯 留
事 前 調 査
建 設
対 象 地 域 の 水 理 地 質 構 造 の 把 握 お よ び 周 辺 環 境 な ど の ベ ー ス ラ イ ン の 確 認 を 行 う 。
2D 反 射 法 探 査 お よ び 比 抵 抗 探 査 な ど を 実 施 し 水 理 地 質 構 造 を 、調 査 井( 後 の 注 水 /揚 水 井 )を 用 い た 化 学 特 性 検 層 お よ び 周 辺 の 環 境 調 査 を 実 施 す る 。
貯 留 サ イ ト の 地 質 条 件 を 明 ら か に し 、 貯 留 可 能 量 の 想 定 を 行 い 、 貯 留 層 の 展 開 も 考 慮 す る 。
注 入 井 /揚 水 井 の 削 孔 、地 上 設 備 の 建 設 、注 入 / 揚 水 ラ イ ン の 布 設 な ど の シ ス テ ム を 構 築 す る 。 調 査 で 用 い た 孔 井 を 含 め 建 設 コ ス ト の 評 価 は こ の 段 階 の も の を 含 む も の と す る 。
図 2.1-2 CMS シ ス テ ム 全 体 の シ ナ リ オ と そ こ に 含 ま れ る リ ス ク ( 課 題 )
11 閉 鎖/展 開
注 入 井 を 閉 塞 し 、 次 の 貯 留 範 囲 に 揚 水 井 を 展 開 す る 。
注 入 に は 次 の 3 つ の シ ナ リ オ が 考 え ら れ る 。
① 完 全 溶 解 水 を 注 入 す る シ ナ リ オ
対 象 貯 留 層 の 中 間 地 点 で CO2 溶 解 水 を 水 圧+1 MPa程 度 の 圧 力 で 注 入 す る 。
CO2 注 入 量 評 価 の た め に は 、 不 確 定 要 素 を 除 去 す る た め に CO2 溶 解 水 を 注 入 す る 方 法 で 考 え る 。
② 地 下 水 と マ イ ク ロ バ ブ ル を 注 入 す る シ ナ リ オ
③ 排 気 ガ ス を 直 接 注 入 す る シ ナ リ オ 注 入
注 入 中 の モ ニ タ リ ン グ
閉 鎖 後 の モ ニ タ リ ン グ
長 期 の モ ニ タ リ ン グ
責 任 者 、 期 間 、 頻 度 、 漏 洩 時 の 対 応 閉 鎖 後 の
長 期 貯 留
図 2.1-2( つ づ き ) CMS シ ス テ ム 全 体 の シ ナ リ オ と そ こ に 含 ま れ る リ ス ク( 課 題 )
12 注
入 の シ ナ リ オ
① 注 入 圧 力 に よ る 上 部 キ ャ ッ プ ロ ッ ク へ の 影 響 お よ び キ ャ ッ プ ロ ッ ク が な い 場 合 の 影 響 を 調 べ る 。
② 注 入 圧 力 下 で 溶 解 し て い た CO2が 低 水 圧 部 に 移 動 し た 場 合 に 再 気 化 す る か 、飽 和 濃 度 の 低 下 に よ り 拡 散 す る か 。
解 析 に よ る 確 認 。 完 全 溶 解 の 注
入 の シ ナ リ オ
CO2マ イ ク ロ バ ブ ル の 注 入 の シ ナ リ オ
① 注 入 し た CO2の 一 部 は 溶 解 し 、 一 部 は バ ブ ル と し て 地 中 に 浸 透 す る 。
② CO2 の 溶 解 し た 地 下 水 は 酸 性 と な り 、 貯 留 層 の 岩 石 成 分 を 溶 か す 。溶 出 成 分 の 環 境 影 響 が 問 題 と な る か 。
③ マ イ ク ロ バ ブ ル の ま ま 間 隙 中 を 移 動 す る 、一 部 は 間 隙 に ト ラ ッ プ さ れ 、一 部 は 上 部 に 移 動 す る 。
④ マ イ ク ロ バ ブ ル は 浮 力 が 小 さ い の で キ ャ ッ プ ロ ッ ク へ の 力 学 的 影 響 は 無 視 し 得 る 。
⑤ CO2 マ イ ク ロ バ ブ ル が 水 、 岩 石 と と も に 存 在 し た 場 合 に 炭 酸 塩 化 、長 期 的 に 鉱 物 化 し て 安 定 す る 。こ の 時 間 ス ケ ー ル を ど の よ う に 考 え る か 。
① 排 気 ガ ス を マ イ ク ロ バ ブ ル 化 し て 地 中 で 注 入 す る 。 溶 解 度 の 高 い CO2は 溶 解 し 、 低 い 窒 素 他 は バ ブ ル と し て 地 中 に 浸 透 す る 。
② 揚 水 井 1 を 貯 留 層 上 部 に 設 置 し 、気 泡 を 含 む 地 下 水 を 揚 水 す る 。
③ 揚 水 井 2 を 貯 留 層 下 部 に 設 置 し 、CO2 溶 解 水 を 引 く 。
④ 分 離 が 可 能 か 。
CO2単 体 ガ ス とN2と の 混 合 ガ ス に よ り バ ブ ル 発 生 状 況 の 確 認 を す る 。
排 気 ガ ス マ イ ク ロ バ ブ ル の 注 入 シ ナ リ オ
図 2.1-3 マ イ ク ロ バ ブ ル 注 入 の シ ナ リ オ と そ こ に 含 ま れ る 課 題
13
IEA Carbon Capture and Storage Model Regulatory Framework BOX14 貯 留 境 界 表 現 の フ レ キ シ ビ リ テ ィ の 必 要 性
複 雑 性 が 高 い CO2の 地 下 貯 留 は 、許 認 可 過 程 の 多 く の 部 分 を 占 め る の で 、そ の 複 雑 性 を 事 前 に 表 現 す る に は 非 常 に 高 い 不 確 実 性 が あ る こ と を 認 識 す る こ と が 重 要 で あ る 。 第 1 に 、 た と え 地 下 に 関 す る よ い デ ー タ セ ッ ト が あ り 、 先 進 の 貯 留 層 コ ン ピ ュ ー タ ー シ ミ ュ レ ー タ ー モ デ ル が あ っ た と し て も 、不 確 実 性 は 存 在 す る 。第 2 に CO2注 入 の 開 始 と と も に 、地 下 の 知 識 と 理 解 が 急 速 に 進 む か ら で あ る 。
つ ま り 、事 前 に 貯 留 層 構 造 が 解 釈 さ れ 、事 後 に 修 正 さ れ る あ る 程 度 の フ レ キ シ ビ リ テ ィ が 必 要 で あ る 。 こ れ は 次 の 3 つ の 方 法 で 達 成 さ れ る 。
・貯 留 層 の 複 雑 な 境 界 条 件 を 記 述 す る 時 の 誤 差 を 考 慮 で き る 技 術 を 確 保 し て お く 。 実 務 的 に は 石 油 ・ ガ ス 分 野 で 用 い ら れ て い る 正 方 格 子 シ ス テ ム で 境 界 条 件 を 記 述 す る 。 そ れ に よ り 予 測 に あ る 程 度 の 誤 差 が 考 慮 さ れ る 。
・CO2の 地 下 で の 挙 動 と 寿 命 を 監 視 し 、監 視 結 果 か ら モ デ ル を 再 構 築 し 、再 予 測 を 行 う ( ヒ ス ト リ ー マ ッ チ ン グ )。
・予 測 か ら の 逸 脱 が 起 こ る 貯 留 層 境 界 の 事 後 修 正 が 可 能 な 境 界 条 件 設 定 の ダ イ ナ ミ ッ ク な ア プ ロ ー チ を 行 う こ と 。 こ の 修 正 は 、 過 去 の 問 題 と 漏 洩 リ ス ク と な る の か 第 3 者 に 影 響 を 与 え る こ と に な る の か を 考 慮 し な け れ ば な ら な い 。 2.2節 で は 、 技 術 的 な 課 題 を 検 討 し た 。CMS の 技 術 的 課 題 は 以 下 の よ う で あ る 。
① マ イ ク ロ バ ブ ル の 発 生 法 ・ 管 理 法
昨 年 度 検 討 し た 内 容 か ら 課 題 を 抽 出 し 、 今 後 実 施 す べ き 検 討 項 目 を 提 示 し た 。
② マ イ ク ロ バ ブ ル 法 に よ る CO2の 溶 解
溶 解 に 関 す る 基 本 的 事 項 を ま と め 、 溶 解 速 度 に つ い て 議 論 し 、 そ の 課 題 と 解 決 策 を 示 し た 。
③ 注 入 方 法 の 検 討
マ イ ク ロ バ ブ ル の 注 入 位 置 を 変 化 さ せ た 場 合 に 起 こ る 影 響 を 試 解 析 を 通 し て 示 し た 。 こ こ で は 、CO2ガ ス を 所 定 の 深 度 で 注 入 し た 場 合 で 考 え て い る 。 実 際 の 挙 動 に 関 し て ど の よ う な 解 析 が 必 要 か に つ い て は ⑤ 地 中 挙 動 で 述 べ る 。
④ キ ャ ッ プ ロ ッ ク の 力 学 的 安 定
こ こ で キ ャ ッ プ ロ ッ ク と は 、 貯 留 層 を 覆 っ て い る 緻 密 な 地 層 の こ と で 、 頁 岩 、 泥 岩 か ら 構 成 さ れ て お り 水 、 空 気 を 透 さ な い 遮 断 性 を 有 す る も の と し 、 特 に 背 斜 構 造 を 形 成 し て い る も の だ け で な く 、 水 平 帯 水 層 上 部 の 遮 水 性 を 有 す る 岩 相 を 意 味 す る 。
⑤ 地 中 挙 動
マ イ ク ロ バ ブ ル の 地 中 挙 動 に つ い て は 、 シ ン プ ル な 地 質 条 件 の も と で 解 析 的 検 討 を 行 っ た 。 溶 解 CO2の 地 中 挙 動 を 再 現 し 、 長 期 安 定 的 に 貯 留 可 能 で あ る こ と を 示 す こ と が 解 析 の 目 的 と な る 。 モ デ ル に 関 し て 、IEA は 「CCS規 制 枠 組 み 」 の 中 で 次 の よ う に 述 べ て い る 1)。
出 典 :IEA: Carbon Capture and Storage Model Regulatory Framework, Information paper, 2010, Nov.
14
し た が っ て 、こ こ で は シ ン プ ル な 地 質 モ デ ル に お い て 解 析 評 価 に 必 要 な 機 能 、必 要 な イ ン プ ッ ト/ア ウ ト プ ッ ト を ま と め 、 現 状 で の ツ ー ル を 用 い て CMSの 特 性 に つ い て パ ラ メ ー タ ス テ デ ィ を 実 施 し た 結 果 に つ い て 述 べ た 。
2.3節 で は 、漏 洩 し た 場 合 の 周 辺 へ の 環 境 影 響 の 検 討 と し て 、IPCCの 言 う ロ ー カ ル な リ ス ク ( 後 述 ) に 相 当 す る と 考 え ら れ る 帯 水 層 へ の CO2の 漏 洩 を 考 え た 。 こ の 時 、CMS で は 、 も と も と 帯 水 層 に CO2を 溶 解 さ せ て 貯 留 す る こ と か ら 、 酸 性 と な っ た 地 下 水 の 影 響 、 貯 留 媒 体 と し て の 地 層 中 に 含 ま れ る 成 分 が 酸 性 水 中 に 溶 出 す る こ と が 考 え ら れ る 。
近 年 、 世 界 中 で 集 中 型 CCSの 普 及 を 目 指 し た 技 術 お よ び 環 境 影 響 評 価 の 研 究 が 進 め ら れ て い る 中 で 、多 く の 規 制 に 関 す る 課 題 が 浮 き 彫 り に な っ た と し て 、IEA は 規 制 枠 組 み を 2010年 末 に ま と め た 。こ の ま と め を 中 心 に 規 制 の 問 題 に つ い て も 、社 会 的 受 容 性 と 法 規 制 の 課 題 を 明 確 に し て 今 後 検 討 し て い く べ き 方 向 を 2.4節 で 示 し た 。
PA、す な わ ち 社 会 的 受 容 性 は 、人 の 要 求 に 依 存 す る も の で あ る 。人 の 要 求 に は 、米 国 の 心 理 学 者 マ ズ ロ ー の 要 求 階 層 に あ る よ う に 、 低 次 の 要 求 が 満 た さ れ る と 高 次 の 要 求 が 満 た さ れ る よ う に 動 機 付 け ら れ る 様 々 な 要 因 が 考 え ら れ る が 、 こ こ で は 、 最 低 限 度 の 要 求 で あ る 安 全 の 確 保 が 満 足 さ れ る こ と を 考 え る も の と し た 。 マ ズ ロ ー の 5 段 階 の 階 層 の 第 2 階 層 に 当 た る 安 全 の 欲 求 (safety need) と は 、 安 全 性 ・ 経 済 的 安 定 性 ・ 良 い 健 康 状 態 の 維 持 ・ 良 い 暮 ら し の 水 準 、 事 故 防 止 、 保 障 の 強 固 さ な ど 、 予 測 可 能 で 秩 序 だ っ た 状 態 を 得 よ う と す る 欲 求 で あ る 。従 っ て 、CMSの 社 会 的 受 容 性 に お い て 考 え る べ き は 、ま ず 人 間 の 健 康 へ の 影 響 で あ る 。短 期 的 に は 大 量 の CO2が 漏 洩 し て 健 康 被 害 を 及 ぼ す よ う な 場 合 が 、長 期 的 に は 周 囲 の 環 境 変 化 か ら 身 に 危 険 が 及 ぶ 場 合 が そ れ ぞ れ 考 え ら れ る 。 そ こ で 、表 2.1-1に 示 し た 貯 留 に お け る リ ス ク シ ナ リ オ が ど の よ う に 人 間 の 健 康 お よ び 周 辺 の 環 境 に 影 響 を 及 ぼ す か の 調 査 結 果 を 示 し た 。
法 律 に よ る 規 制 は 、 国 家 が こ の 最 低 限 の 要 求 で あ る 安 全 の 確 保 を 目 的 と し て 、CMS を 実 施 す る 事 業 者 に 対 し て 、 す べ き 行 為 、 ま た 、 す べ き で な い 行 為 、 遵 守 す べ き 基 準 を 法 ・ 政 令 等 で 示 し 、 違 反 す る 行 為 に 対 し て は 罰 則 に よ り 、 経 済 的 、 社 会 的 な ペ ナ ル テ ィ を 課 す も の で あ る 。我 が 国 で は 商 用CCSの 実 績 が な い こ と か ら 実 証 試 験 に お け る 規 制 に な る が 、 CCS研 究 会 の 報 告 を 基 本 に 、 海 外 で の 規 制 の 事 例 と 比 較 し な が ら 、CMS の 規 制 の 課 題 を 整 理 し た 。
法 律 の 問 題 と し て は 、IPCCの 報 告 で は 、「 監 視 お よ び 確 認 の 体 制 と 漏 出 の リ ス ク は 法 的 責 任 を 決 定 す る の に 重 要 な 役 割 を 果 た す で あ ろ う し 、 逆 も ま た 真 で あ る 。 組 織 の 寿 命 や 、 進 行 中 の モ ニ タ リ ン グ 、 組 織 の 知 識 の 移 転 可 能 性 な ど 考 慮 す べ き 点 も あ る 。 貯 留 期 間 は 気 候 変 動 問 題 と 同 様 、数 世 代 に わ た っ て 存 続 す る も の で あ る か ら 、CCSの 法 的 枠 組 み に は 長 期 的 な 展 望 が 不 可 欠 で あ る 。」と し て い る 。従 っ て 、法 規 制 はIEA で の CCSの 法 的 枠 組 み を 中 心 に 、 国 内 外 の 法 規 制 か ら 関 連 す る 環 境 影 響 評 価 項 目 を 抽 出 し 、 体 制 や 長 期 責 任 に つ い て ま と め 、 問 題 点 を 探 っ た 。
IPCCの 特 別 報 告 (2005)2)で は 、 地 中 貯 留 層 に お け る CO2の 漏 出 に よ る リ ス ク は 、 世 界 規 模 の リ ス ク と ロ ー カ ル な リ ス ク と い う 2 つ の カ テ ゴ リ ー に 大 き く 分 類 で き 、 ロ ー カ ル
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な リ ス ク に 関 し て 、 起 こ る か も し れ な い 漏 出 に つ い て の 2 種 類 の シ ナ リ オ が あ る と し て い る 。 潜 在 的 な 漏 出 経 路 の い く つ か が 示 さ れ て お り 、 潜 在 的 漏 出 経 路 が 明 ら か に な れ ば 、 漏 出 の 可 能 性 に 対 処 す る た め 監 視 お よ び 修 正 の 方 策 を と る こ と が で き る と し て い る 。
表 2.1-1 IPCC に よ る リ ス ク の 分 類 と 内 容 地 球 規
模 の リ ス ク
貯 留 層 か ら 大 気 へ そ の 一 部 で も 漏 出 す れ ば 気 候 変 動 を 大 き く 促 進 す る 可 能 性 の あ る CO2の 放 出 に 関 連 す る も の
ロ ー カ ル な リ ス ク
人 間 や 生 態 系 、 地 下 水 に と っ て の 地 域 的 な 危 険 注 入 井 が 破 損 す る
か 、廃 棄 さ れ た 井 戸 か ら の 漏 出
( 急 激 な 放 出 )
放 出 時 に そ の 近 く に い た 労 働 者 や 、 破 裂 を 抑 え 込 む た め に 呼 び 出 さ れ た 労 働 者 に 及 ぶ 。7~10%を 越 え る CO2濃 度 は 人 間 の 生 命 お よ び 健 康 に 差 し 迫 っ た 危 険 を 引 き 起 こ す 。こ れ ら の 種 類 の 危 険 は 、石 油 お よ び ガ ス 産 業 で は 、 工 学 お よ び 管 理 制 御 を 用 い て 定 期 的 に 実 施 す れ ば 効 果 的 に 管 理 す る こ と が で き る 。
検 知 さ れ て い な い 欠 陥 や 裂 け 目 、漏 れ て い る 井 戸 な ど を 通 し て 漏 出
( 緩 や か な 放 出 )
CO2 が 表 面 と 地 下 水 面 の 上 部 と の 間 の 層 に 蓄 積 す る 場 合 、 危 険 は 主 と し て 飲 料 水 の 帯 水 層 や 生 態 系 に 及 ぶ 。 地 下 水 は 、CO2が 直 接 帯 水 層 へ 漏 れ 出 す こ と に よ っ て も 、 注 入 過 程 で CO2 に よ り 押 し 出 さ れ た 塩 水 が 帯 水 層 へ 入 り 込 む こ と に よ っ て も 影 響 を 受 け う る 。 こ の シ ナ リ オ だ と 、 土 壌 の 酸 性 化 や 土 壌 中 の 酸 素 の 置 換 も 起 こ る 可 能 性 が あ る 。 さ ら に 、 大 気 へ の 漏 出 が 、 風 の ほ と ん ど な い 低 平 地 や 、 こ れ ら の 拡 散 漏 出 の 上 に 横 た わ る 汚 水 溜 り か 基 盤 で 起 こ る 場 合 、 漏 れ に 気 づ か な け れ ば 人 間 も 動 物 も 害 を 受 け る だ ろ う 。
ま た 、下 田 ら 3)は 事 例 調 査 に よ っ て 、リ ス ク シ ナ リ オ を表 2.1-2の よ う に ま と め て い る 。
2.1節 の 参 考 文 献
1) IEA: Carbon Capture and Storage Model Regulatory Framework, Information paper, 2010, Nov.
2) IPCC Special Report on Carbon dioxide Capture and Storage 2005
3)下 田 昭 郎 、 窪 田 ひ ろ み 、 横 山 隆 壽 : CCS 普 及 障 壁 に 係 る 不 確 実 性 の 事 例 調 査 、 電 中 研 調 査 報 :V10012、2011/4
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表 2.1-2 CO2貯 留 の リ ス ク シ ナ リ オ
出 典:下 田 昭 郎 、窪 田 ひ ろ み 、横 山 隆 壽:CCS普 及 障 壁 に 係 る 不 確 実 性 の 事 例 調 査 、電 中 研 調 査 報 :V10012、2011/4
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2.2 技 術 的 課 題 の 検 討
2.2.1 MB の 発 生 法 、 管 理 法 に お け る 課 題 1) マ イ ク ロ バ ブ ル の 発 生 法
マ イ ク ロ バ ブ ル の 発 生 法 に つ い て 、 平 成 22 年 度 報 告 書 で は 、 主 に 3 つ の 方 法 に つ い て 述 べ た 。CMS を 対 象 に し た 課 題 を 含 め て ま と め る と表 2.2-1の よ う で あ る 。
表 2.2-1 マ イ ク ロ バ ブ ル の 発 生 機 構 と 課 題
発 生 機 構 概 要 課 題
加 圧 溶 解 法
( 過 飽 和 析 出 )
冷 却 、 加 圧 な ど に よ り 定 常 状 態 よ り も 気 体 の 溶 解 度 を 上 げ て お き 、 定 常 状 態 に 戻 す こ と で 過 飽 和 状 態 に し 、 乱 流 な ど の 刺 激 を 与 え る こ と に よ り 、 溶 存 気 体 が 析 出 し 、 気 泡 核 が 気 泡 に 成 長 す る 現 象 で あ る 。 さ ら に 圧 壊 が 引 き 続 い て 起 こ る 場 合 が あ る 。
ボ ー リ ン グ 孔 内 で シ ス テ ム を 組 む こ と は 難 し く 、 先 端 ま で 発 生 さ せ た マ イ ク ロ バ ブ ル を 輸 送 す る 必 要 が あ る 。 地 上 で CO2溶 解 水 を 作 成 し て 注 入 す る 方 法 に お い て は 選 択 肢 に 入 る 。 バ ブ ル 密 度 は 最 も 高 い 。
せ ん 断 法
( 乱 流 )
ガ ス と 水 が 共 存 す る 状 態 を 乱 流 に し て 、 ガ ス を 千 切 る よ う に し て 気 泡 と し て 分 離 す る 。 超 音 波 に よ る 微 小 乱 流 を 起 こ せ ば 、 非 常 に 小 さ い マ イ ク ロ バ ブ ル を 作 る こ と も 可 能 。 乱 流 を 作 る 方 法 と し て 、 ベ ン チ ュ リ ー 管 や 旋 回 流 を 起 こ す 方 法 な ど が あ る 。
深 部 で 発 生 さ せ る に は 3 者 の 中 で 最 適 で あ る 。 流 量 が あ れ ば ガ ス は 自 然 吸 引 の 可 能 性 が あ り 経 済 的 か 。 た だ し 、 ガ ス を せ ん 断 す る た め 流 量 を 十 分 確 保 す る 必 要 が あ り 、CO2 溶 解 量 の 制 御 に つ い て は 検 討 課 題 と な る 。
微 細 孔 に よ る ガ ラ ス 、 金 属 、 セ ラ ミ ッ ク な ど の 微 粒 子 を 弱 く 結 合 し た ポ ー ラ ス フ ィ ル タ ー 、 ガ ラ ス 管 や 空 洞 繊 維 な ど に ガ ス で 加 圧 す る 。 流 れ で 出 口 の 気 泡 を 切 る 場 合 も あ る 。
微 細 孔 の 抵 抗 で 流 量 を 確 保 す る こ と が 難 し い 。 ガ ス 圧 の 調 整 に よ り 発 生 お よ び CO2の 溶 解 量 を 制 御 で き る の で 、 過 飽 和 さ せ な い ガ ス 圧 の 調 整 な ど 実 験 室 向 き 。
そ の 他 に 、 上 山 ら 1)は 次 の 機 構 が あ る (表 2.2-2) と し て い る が 、CO2溶 解 に 用 い る こ と は 不 適 で あ る 。 南 川 ら 2)は 論 文 の 中 で 、「 深 い と こ ろ に マ イ ク ロ バ ブ ル を 注 入 す る に は 、散 気 管 で は 水 圧 上 昇 の た め に 困 難 で あ り 、水 圧 に 影 響 さ れ な い よ う に 底 部 ま で 配 管 し 、そ こ か ら マ イ ク ロ バ ブ ル 水 を 放 出 す る ベ ン チ ュ リ ー 管 方 式 が 有 利 で あ る 」と し て い る 。
問 題 は 、表 2.2-1 に 示 し た よ う に 、乱 流 を 発 生 さ せ る た め に 流 量 が 必 要 で あ り 、マ イ ク ロ バ ブ ル と し て 地 中 へ の 浸 入 を な る べ く 少 な く す る た め に は 発 生 量 と 溶 解 量 の バ ラ
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ン ス を 取 る よ う に 制 御 す る こ と が 大 き な 課 題 で あ る 。バ ブ ル の 浸 入 を 少 な く す る 意 味 は 、 小 さ な 間 隙 で バ ブ ル が ト ラ ッ プ さ れ 抵 抗 を 増 加 さ せ る 可 能 性 が あ る こ と 、高 圧 下 で は バ ブ ル の 結 合 が 起 こ る 可 能 性 が あ り 、マ イ ク ロ バ ブ ル よ り も 浮 力 が 生 じ る 危 険 が あ り 、キ ャ ッ プ ロ ッ ク が 必 要 条 件 と な る か ら で あ る 。
表 2.2-2 そ の 他 の マ イ ク ロ バ ブ ル 発 生 機 構
発 生 機 構 概 要
固 体 包 理 ガ ラ ス ト ー ク や 氷 中 に 封 入 さ れ た マ イ ク ロ バ ブ ル が 、固 体 が 水 中 で 溶 け る こ と に よ り 放 出 さ れ る 。
電 解 電 極 上 に 微 細 な 凹 凸 な ど を 設 け 、水 中 で 電 気 分 解 を 行 う 。負 極 側 で 水 素 が 発 生 す る と き 、 一 部 の 水 素 が マ イ ク ロ バ ブ ル に な る 。 化 学 反 応 化 学 薬 品 を 投 入 し 、化 合 反 応 に よ り 生 成 物 質 を 微 細 気 泡 と し て 発 生
さ せ る 方 法
縮 小 基 本 的 に 、大 き な 気 泡 を 、加 圧 、冷 却 、反 応 、溶 解 な ど の 物 理 化 学 的 手 段 で そ の ま ま 小 さ く す る も の 。
圧 壊
超 音 波 、衝 撃 波 な ど で 急 激 な 圧 力 変 動 を 与 え て 、気 泡 を 一 旦 膨 張 さ せ た 後 加 圧 し 崩 壊 さ せ る 。10μm 以 下 の 気 泡 が で き る が 、 再 度 合 体 し て 通 常 の 気 泡 に 戻 る 。
マ イ ク ロ バ ブ ル の 発 生 と 溶 解 量 を 制 御 す る に は 、溶 解 速 度 に つ い て 検 討 し な け れ ば な ら な い 。 次 に 溶 解 速 度 に つ い て 簡 単 な 実 験 を 踏 ま え て 考 察 す る 。
2) マ イ ク ロ バ ブ ル に よ る CO2の 溶 解 速 度
溶 解 速 度 を 検 討 す る 前 に 、平 成 22年 度 報 告 書 で 述 べ た CO2の 溶 解 に つ い て 簡 単 に ま と め て お く 。
二 酸 化 炭 素(CO2)が 水 に 溶 け る と 、水 と 反 応 し 水 中 で 溶 存 二 酸 化 炭 素(CO2,aq)と 炭 酸 イ オ ン (CO32-)、 炭 酸 水 素 イ オ ン (HCO3-) と い う 異 な る 3 つ の 化 学 種 と し て 存 在 す る ( 厳 密 に は 炭 酸 -H2CO3と い う 形 で も 存 在 す る が 、 存 在 量 が 少 な い の で 無 視 す る )。 こ れ ら を 炭 酸 化 学 種 と 呼 び 、 以 下 の 反 応 が 起 こ る 。
大 気 の 二 酸 化 炭 素 と 溶 存 二 酸 化 炭 素 の 間 の 平 衡 :
CO2 (g) → CO2 (aq) (2.1-1)
溶 存 二 酸 化 炭 素 か ら 炭 酸 水 素 イ オ ン の 生 成 :
CO2 (aq) + H2O → HCO3-+ H+ (2.1-2) 炭 酸 水 素 イ オ ン の 電 離 平 衡 :
HCO3- → CO32- + H+ (2.1-3)
式 2.1-1か ら 2.1-3 の 化 学 平 衡 定 数 (Ki) は 次 の よ う に 書 け る 。 KH = [CO2 (aq) ]/PCO2 (2.1-4)
K1 = [HCO3-] [H+]/[CO2 (aq)] (2.1-5; 水 の モ ル 濃 度 は 無 視 す る) K2 = [CO32-] [H+]/[HCO3-] (2.1-6)
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水 温 25℃ の 時 、KH = 0.03405(10-1.468)、K1 = 4.448×10-7 (10-6.352)、
K2 = 4.690×10-11(10-10.329) で あ る 。
式 2.1-4と 2.1-5 を 変 形 す る と 、溶 存 二 酸 化 炭 素 、炭 酸 水 素 イ オ ン 、炭 酸 イ オ ン の 濃 度 は 全 て 二 酸 化 炭 素 分 圧 と 水 素 イ オ ン 濃 度 の 関 数 と し て 表 わ さ れ る 。
[CO2 (aq) ]=KH PCO2 (2.1-7)
[HCO3-] = KH K1 (PCO2/aH+) (2.1-8) [CO32-] = KH K1 K2 (PCO2/(aH+)2) (2.1-9) な お 、 水 素 イ オ ン 濃 度 と pH の 関 係 は 、
pH = -log[H+] (2.1-10)
で あ る 。 従 っ て 、 式 2.1-8と 2.1-9は 、
[HCO3-] = KH K1 PCO2 10pH (2.1-11) [CO32-] = KH K1 K2 PCO2 102pH (2.1-12)
と も 書 け る 。つ ま り 、PCO2 が 一 定 で あ れ ば 、[CO2 (aq) ]も 一 定 で あ る が 、[HCO3-] と [CO32-] は 、pHと と も に 増 加 す る 。
溶 存 二 酸 化 炭 素 、炭 酸 水 素 イ オ ン 、炭 酸 イ オ ン の 濃 度 を 合 計 し た も の は 全 炭 酸( ΣCO2) と 呼 ば れ る 。
ΣCO2=[CO2 (aq) ] + [HCO3-] + [CO32-] (+[H2CO3]) (2.1-13)
二 酸 化 炭 素 の 溶 解 度 は 、 溶 解 す る 地 下 水 の 成 分 、 温 度 、 圧 力 に 依 存 す る こ と は 平 成 22年 度 報 告 書 に 示 し た 。こ れ ら は 化 学 計 算 ソ フ ト phreeqc3)を 用 い て 任 意 の 成 分 、温 度 、 圧 力 に つ い て 計 算 で き 、地 温 勾 配 と 水 圧 を 考 慮 し て 純 水 お よ び 海 水 に つ い て 計 算 す る と 図 2.2-1の よ う に な る 。
理 論 計 算 で は 、 深 度 2,000m(20MPa) ま で 濃 度 は 増 加 傾 向 と な る が 、図 2.2-2に 示 し た よ う に 小 出 ら の 実 験 結 果 4)で は 、600m( 6MPa) 程 度 で 頭 打 ち と な る 。 し か し 、 理 論 計 算 は 600m ま で は よ く 一 致 し て お り 、CMS が 対 象 と す る 深 度 (-300m~-500m 程 度 )に お い て は 、サ イ ト で の 溶 解 度 の 予 測 に お い て こ の 計 算 が 適 用 可 能 で あ る こ と が 示 さ れ た 。
図 2.2-1 phreeqc 計 算 例 図 2.2-2 左 計 算 結 果 と 実 験 結 果 の 比 較
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000
0 50 100 150 200
Depth(m)
CO2 concentration(g/kgw)
gradient3/100+15 gradient2/100+10 gradient2/100+10Braine
gradient3/100+15 gradient2/100+10 gradient2/100+10Braine
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次 に 、 溶 解 す る 速 度 を 考 え る 。 気 体 を 溶 解 す る 手 段 と し て マ イ ク ロ バ ブ ル が 使 わ れ る こ と が 多 い 。溶 解 は 、気 体 側 か ら 液 体 側 に 気 液 界 面 を 気 体 が 通 過 す る 現 象 で あ る 。こ れ は 二 重 境 膜 説 で 簡 略 に モ デ ル 化 さ れ る こ と が 多 い 。青 木 ら 5)に よ る と 気 体 の 大 気 か ら 水 中 へ 二 酸 化 炭 素 が 溶 解 す る と き 、気 相 と 液 相 の 境 界 に 薄 い 境 膜 が 形 成 さ れ 、こ の 境 膜 が 物 質 移 動 の 抵 抗 と な る 。水 へ の 溶 解 度 の 低 い 気 体 の 場 合 、液 境 膜 で の 拡 散 速 度 が 律 速 と な る 。 こ こ で 、 液 境 膜 拡 散 に よ る 反 応 速 度 は 、 大 気 と 平 衡 状 態 に あ る H2CO3濃 度 を Csと お き 、 水 中 の H2CO3濃 度 で あ る Cと の 差 の 一 次 反 応 で 表 現 で き る 。 す な わ ち 、
dCDt (2.1-14)
こ こ で 、K: 速 度 係 数 。 理 論 的 に は 、K は 以 下 の 式 で 表 現 さ れ る 。
K 2 (2.1-15)
こ こ で 、
DCO2: 液 境 膜 拡 散 係 数 (1.97×10-5 cm2/s) で あ り 、Donaldson and Nguyen(1980) が 提 案 し た 値 で 一 般 的 に デ ー タ ベ ー ス と し て 用 い ら れ て い る も の で あ る 。 δ : 液 境 膜 厚 さ ( 攪 伴 等 の 影 響 の な い 静 置 状 態 で は 40μm)
A: 気 液 接 触 面 積 V: 水 の 体 積
式(2.1-14)を t=0 の と き C=C0、t=tの と き C=C と し て 解 く と 、
C C C C exp Kt (2.1-16) こ の 式 は 、 時 間 の 経 過 に と も な う H2CO3濃 度 の 変 化 を 示 し て い る 。
こ の 関 係 か ら 、マ イ ク ロ バ ブ ル に よ る 溶 解 速 度 を 計 算 す る 。マ イ ク ロ バ ブ ル の 効 果 は 、 気 液 接 触 面 積 に 置 き 換 え ら れ 、マ イ ク ロ バ ブ ル の 径 を100μmで 一 様 分 布 と 仮 定 す る と 、 結 局 、 1ml 当 た り の 発 生 個 数 、 す な わ ち バ ブ ル 密 度 に 依 存 す る 。 こ れ を パ ラ メ ー タ と し 、 液 境 膜 拡 散 係 数 、 液 境 膜 厚 は 上 記 の 値 を 採 用 し て 計 算 す る 。
1ml当 た り 1,000 個 と 100個 の マ イ ク ロ バ ブ ル が 発 生 す る 場 合 、A/V( 表 面 積/1ml)
は そ れ ぞ れ 、0.03 と 0.003 と な る 。A/V=0.05 も 含 め て (2.1-16) 式 を プ ロ ッ ト す る と 図 2.2-3の よ う に な る 。
宮 澤 ら 6)の デ ー タ か ら 、溶 解 実 験 の 結 果 は図 2.2-4 の よ う で あ る 。大 気 圧 中 で の CO2
の 溶 解 度 は 約 1.7g/L で あ る か ら 、図 2.2-4 の 上 の プ ロ ッ ト で あ る マ イ ク ロ バ ブ ル (50 μm 以 下 )注 入 で は 100分 で 飽 和 し 、そ の 濃 度 は 大 気 圧 の CO2溶 解 度 と ほ ぼ 一 致 す る 。 し か し 、 バ ブ リ ン グ 法 ( 数 mm~30mm) で は 、250 分 で は 定 常 に な ら な い 。 マ イ ク ロ バ ブ ル と ミ リ バ ブ ル で は 、溶 解 量 お よ び 溶 解 速 度 に お い て 顕 著 な 差 が 生 じ 、マ イ ク ロ バ ブ ル に よ る 注 入 で は 非 常 に 効 率 的 な 溶 解 が 可 能 で あ る こ と が 示 さ れ た 。
CO2溶 解 水 の 通 水 を 止 め た 後 の 低 下 は 、大 気 接 触 に よ り 、CO2分 圧 が 大 気 と 同 じ( 約 370ppm) に な る ま で の 低 下 過 程 と 思 わ れ る 。