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坂井, 勇介

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

Rac活性化因子DOCK2はlytic synapse の形成を介し てマウスナチュラルキラー細胞の細胞傷害活性を制 御する

坂井, 勇介

http://hdl.handle.net/2324/1441122

出版情報:Kyushu University, 2013, 博士(医学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (2)

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氏 名 : 坂 井 勇 介

論文題名: TheRae activator DOCK2 regulates natural killer cell‑mediated cytotoxicity in  mice through the lytic synapse formation 

(Rae活 性 化 因 子 DOCK2は lyticsynapseの 形 成 を 介 し て マ ウ ス ナ チ ュ ラ ル キ ラ ー 細 胞 の 細 胞 傷 害 活 性 を 制 御 す る )

区 分 : 甲

論 文 内 容 の 要 I::::. 

ナ チ ュ ラ ル キ ラ ー (N K) 細 胞 は 、 ウ ィ ル ス 感 染 細 胞 や 腫 蕩 細 胞 に 対 し て 強 い 細 胞 傷 害 活 性 を 示 し 、 生 体 防 御 反 応 に 非 常 に 重 要 な 細 胞 で あ る が 、 一 方 で 骨 髄 移 植 に お け る 拒 絶 反応にも関与している。 N K細 胞 の 表 面 に は 様 々 な 種 類 の 活 性 型 受 容 体 と 抑 制 型 受 容 体 が存在する。 NK細 胞 の 活 性 化 は 、 そ れ ら の 受 容 体 が 標 的 細 胞 に 発 現 す る リ ガ ン ド を 認 識 す る こ と で 伝 達 す る 「 活 性 型 シ グ ナ ル 」 と 「 抑 制 型 シ グ ナ ル 」 の バ ラ ン ス に よ っ て 制 御 さ れ て い る 。 活 性 型 受 容 体 の リ ガ ン ド は 、 主 に 形 質 転 換 を 起 こ し た 細 胞 で 発 現 が 上 昇 す る 分 子 で 、 抑 制 型 受 容 体 の リ ガ ン ド は 、 主 に 自 己 の MHCクラス I分 子 で あ る 。 従 っ て N K細 胞 は 癌 細 胞 や ウ ィ ル ス 感 染 細 胞 に 対 し て 特 異 的 に 活 性 化 す る 。 NK細 胞 が 活 性 化 さ れ る と 、 細 胞 接 触 面 で.NK受 容 体 の 集 積 や ア ク チ ン 細 胞 骨 格 の 再 構 築 が 起 こ り 、 そ れらから構成される、 「免疫シナプス

J

と い う 構 造 体 が 形 成 さ れ る 。 こ の 免 疫 シ ナ プ ス の 形 成 が 誘 因 と な り 、 細 胞 溶 解 性 因 子 を 含 ん だ 頼 粒 が 細 胞 接 触 面 へ と 移 動 し 、 最 終 的 に 標的細胞へと放出される。

NK細 胞 の 細 胞 傷 害 活 性 に は 、 低 分 子 量 GTPaseの一つである Raeの 活 性 化 が 関 与 し て いるとされている。 Raeは ア ク チ ン の 再 構 築 を は じ め 、 様 々 な 細 胞 機 能 を 制 御 す る 因 子 であり、その活性は、 GEF( グ ア ニ ン ヌ ク レ オ タ イ ド 交 換 因 子 ) と 呼 ば れ る 分 子 群 に よ っ て 制 御 さ れ て い る 。 現 在 ま で 、 活 性 型 N K受 容 体 の 下 流 で 機 能 す る Raeの GEFは Vav タ ン パ ク で あ る と 考 え ら れ て い る 。 そ の 理 由 と し て 、 Vav欠損 N K細 胞 で は 細 胞 傷 害 活 性 が 低 下 し て い る こ と 、 従 来 よ り 多 く の 細 胞 で Vavタ ン パ ク は Raeの GEFであること が 知 ら れ て い る こ と が 挙 げ ら れ る 。 し か し な が ら 、 こ れ ま で の デ ー タ か ら 、 Vavが 活 性 型 NK受 容 体 の 下 流 で 機 能 す る Raeの GEFで あ る と い う 直 接 的 な エ ビ デ ン ス は な い 。 一 方、 Vavは 活 性 型 N K受 容 体 の 下 流 で ア ダ プ タ 一 分 子 と し て 機 能 し て い る と い う 報 告 や 、 Tリンパ球で、TCRを 介 し た 免 疫 シ ナ プ ス 形 成 過 程 に お け る Vavの 役 割 は GEFによるも の で は な い と い う 報 告 が あ る 。 従 っ て 、 活 性 型 N K受 容 体 の 下 流 で 機 能 す る Raeの GEF の 詳 細 は 未 だ 不 明 の ま ま で あ る 。 今 回 、 私 た ち は 新 し い タ イ プ の RaeGEFである DOCK2 が NK細 胞 の 細 胞 傷 害 活 性 に 重 要 な 役 割 を 演 じ て い る こ と を 発 見 し た 。

DOCK2を 欠 損 し た N K細 胞 は 、 標 的 細 胞 で あ る リ ン パ 球 系 の 腫 蕩 細 胞 株 と 正 常 に 結 合

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す る に も 関 わ ら ず 、 検 索 し た す べ て の 活 性 型 N K受容体(NKG2D,Ly49D, CD16, NKp46 ) 

を介した細胞傷害活性が顕著に低下していた。また、細胞傷害活性の他に、 NK細胞に

は サ イ ト カ イ ン 産 生 と い う 主 な 機 能 が あ る 。 活 性 型 受 容 体 を 介 し た IFNγ の産生も、

DOCK2を欠損させた NK細胞では低下していた。更に、 MHCクラス I欠 損 マ ウ ス 由 来 の 骨 髄 細 胞 を ド ナ ー 細 胞 と し て 用 い た 骨 髄 移 植 の 実 験 系 で 、 レ シ ピ エ ン ト を DOCK2欠 損 マ ウ ス に し た 場 合 、 拒 絶 反 応 を 示 さ な か っ た 。 細 胞 傷 害 活 性 に お け る DOCK2の機能 を明らかにするために、まず、共焦点顕微鏡を用いた実験を行った。 DOCK2欠損 N K細 胞 で は 、 標 的 細 胞 と の 接 触 面 へ の 活 性 型 受 容 体 の 集 積 、 ア ク チ ン 細 胞 骨 格 の 再 構 築 が 認 められず、免疫シナプスの形成は障害されていた。また、 pulldown assayを行った結果、

DOCK2欠損 NK細胞では、活性型受容体を介した Raeの 活 性 化 は ほ と ん ど 確 認 で き な か った。更に、 DOCK2の Rae活 性 化 領 域 に 変 異 を 施 し た コ ン ス ト ラ ク ト を 用 い て 、 免 疫 シナプスの形成能を観察した結果、 DOCK2は Raeの 活 性 化 を 介 し て 免 疫 シ ナ プ ス の 形 成を制御していることが明らかとなった。同様の結果は、 DOCK2の GEF活 性 を 特 異 的

に阻害する阻害剤を使用した実験系でも確認された。以上の結果から、 DOCK2こそが活

性 型N K受 容 体 の 下 流 で 機 能 す る Raeの GEFであり、免疫シナプスの形成を介して、 N K 細 胞 の 細 胞 傷 害 活 性 を 制 御 し て い る 重 要 な 分 子 で あ る こ と が 明 ら か と な っ た 。

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