九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
有核赤血球による自然免疫制御
崔, 麗莉
http://hdl.handle.net/2324/1785368
出版情報:Kyushu University, 2016, 博士(医学), 課程博士 バージョン:
権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (2)
(別紙様式2)
氏 名 崔 麗莉 論 文 名
Immunoregulatory function of neonatal nucleated red blood cells in humans
論文調査委員 主 査 九州大学 教授 赤司 浩一 副 査 九州大学 教授 福井 宣規 副 査 九州大学 教授 新井 文用
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
ヒト臍帯血由来の有核赤血球が胎児・新生児期において自然免疫応答をネガテ ィブに制御している事を明らかにした。ヒト臍帯血由来有核赤血球は、LPS刺 激後の単球からの炎症性サイトカイン産生を抑制した。有核赤血球とLPS刺激 後単球を共培養すると、単球からのIL-10産生が亢進した。さらに、この系に 抗IL-10レセプター抗体を添加すると、単球からの炎症性サイトカイン産生抑 制作用が消失した。マイクロアレイ解析の結果、有核赤血球の存在によって単 球のIL-10スーパーファイミリー遺伝子の発現が亢進していることが明らかに なった。IL-10スーパーファミリーであるIL-19は、単球からのIL-10産生を亢 進させた。しかし、有核赤血球がどのような機序で単球のIL-10やIL-10スーパ ーファミリーの産生を亢進させるのかについては、明らかにできなかった。胎 児や新生児では、経胎盤的に胎児に移行するあるいは新生児環境に由来する物 質に対する過剰な自然免疫応答が生体に不利である可能性がある。以上の実験 結果から有核赤血球が産生する未知の液性因子により、胎児・新生児期におけ る自然免疫応答が抑制されていると考えられた。
これらの結果は本分野における新しい知見であり、調査委員合議の結果、試験 は合格と決定した。